JPH09201713A - フィレット面形成方法 - Google Patents

フィレット面形成方法

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JPH09201713A
JPH09201713A JP1267696A JP1267696A JPH09201713A JP H09201713 A JPH09201713 A JP H09201713A JP 1267696 A JP1267696 A JP 1267696A JP 1267696 A JP1267696 A JP 1267696A JP H09201713 A JPH09201713 A JP H09201713A
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fillet surface
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path
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Abstract

(57)【要約】 【課題】工具の切削によってワークに凹のフィレット面
を形成する方法において、工具の急な加減速をなくし、
工具および加工機の負担を軽減する。 【解決手段】工具を円運動させつつその方向と交差する
方向に移動させることより、その円運動の各周の少なく
とも一部においてワークに接触してフィレット面fを加
工する。工具経路CPが不連続的に変化しなくなり、工
具の急な加減速がなくなって、工具および加工機にかか
る負担が軽減される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、工具による切削に
よってワークに凹のフィレット面を形成する技術に関す
るものであり、特に、その工具の経路の改良に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】例えば鋳型,射出成形型等のワークにお
いては、空間側に180°より小さい角度を有して交わ
るように想定された2不連続面を滑らかにつなぐフィレ
ット面が形成される場合がある。このフィレット面は普
通、まず、大径のボールエンドミル,フラットエンドミ
ル等の粗工具によって暫定的に形成され、次に、小径の
ボールエンドミル等の仕上げ工具により、暫定的に形成
されたフィレット面が仕上げ加工される。
【0003】そして、このフィレット加工は従来、例え
ば図10や図11に示すように、工具による本来の切削
を工具の往復運動により行うとともに、その往復運動に
おいて工具の運動の向きが転換される際に工具を往復運
動の方向に対して略直角に交差する方向に送るものであ
った。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、この従来の方
法では、フィレット加工中に工具経路を不連続的に変化
させる必要があり、そのため、フィレット加工中に工具
を急に減速させたり急に加速させたりしなければならな
い。そのため、この従来の方法には、工具およびそれを
移動させる加工機にかかる負担が大きいという問題があ
った。
【0005】また、この従来の方法では、工具の往復運
動によってフィレット加工が行われるため、フィレット
加工中に工具の切削方向が変化し、工具によるアップカ
ットとダウンカットとが交互に行われて工具の切削抵抗
が変動してしまう。そのため、この従来の方法には、特
に工具が小径で剛性が低い場合に、十分な加工精度の確
保が困難であるという問題もあった。
【0006】また、図10に示す従来例のように、形成
すべきフィレット面の延びる方向(フィレット面によっ
てつながれるべき2不連続面の一交線の延びる方向)と
交差する方向に工具が往復運動させられる場合には、工
具の一回の往復運動によって切削される領域の長さが比
較的短い。そのため、この従来の方法には、一回のフィ
レット加工中に何回も工具の往復運動を行うために工具
の急な加減速を頻繁に行わなければならず、工具の平均
的な運動速度を十分に速めることができず、加工全体と
しての所要時間の短縮が困難であるという問題もあっ
た。
【0007】また、図11に示す従来例のように、フィ
レット面の延びる方向に平行に工具が往復運動させられ
る場合には、工具の一回の往復運動によって切削される
領域の長さが比較的長い。しかし、この従来の方法で
は、フィレット面を構成する各円弧状部分が、図10に
示す従来例のように、連続した1本の工具軌跡によって
一度に形成されるのではなく、不連続な複数本の工具軌
跡の集合によって形成される。そのため、この従来の方
法には、工具による加工精度を高めるために工具経路間
のピッチを十分に小さくしなければならず、フィレット
面形成に必要な往復回数が増加し、所要加工時間が長く
なるという問題もあった。
【0008】そこで、それらの事情に鑑み、請求項1お
よび2に係る第1および第2発明はいずれも、それらの
問題を解決することを課題としてなされたものである。
【0009】
【第1発明の課題解決手段,作用および効果】第1発明
は、その課題を解決するために、ワークにおいて空間側
に180°より小さい角度を有して交わるように想定さ
れた2不連続面を滑らかにつなぐフィレット面を工具に
よる切削によって形成する方法であって、前記工具を、
それの基準点が一方向に円運動しつつその円運動の各周
のうちの少なくとも一部においてその円運動の方向と交
差する方向に送られ、その円運動の各周の一部において
前記ワークに接触して切削を行うように移動させること
により、そのワークに前記フィレット面を形成すること
を特徴とする。
【0010】この第1発明に係るフィレット面形成方法
においては、工具が一方向に円運動しつつその円運動の
方向と交差する方向に送られ、その円運動の各周の一部
においてワークに接触して切削を行うことにより、ワー
クに凹のフィレット面が形成される。よって、工具によ
る本来の切削のために工具経路を不連続的に変化させる
ことが不要となり、工具の急な加減速も不要となるとと
もに、工具がアップカットとダウンカットとを交互に繰
り返すこともなくなる。
【0011】その結果、この第1発明によれば、工具を
往復運動させてフィレット加工を行う従来の方法に比較
して、工具および加工機にかかる負担の軽減を容易に図
り得るとともに、加工精度を確保しつつ加工所要時間の
短縮を図ることが容易となるという効果が得られる。
【0012】以下、この第1発明を補足説明する。 〔1〕2不連続面の各々は、平面としたり曲面とするこ
とができる。したがって、それら2不連続面の交線は直
線である場合や曲線である場合がある。 〔2〕工具を移動させる際、それの基準点が円運動しつ
つそれと交差する方向に送られれば足り、工具は、その
姿勢が変化しない態様としたり、揺動等、姿勢が変化す
る態様とすることができる。 〔3〕工具の円運動は、それの送り方向における一側か
ら工具を見た場合にその工具の基準点によって描かれる
曲線が真のまたは実質的な円または楕円の外周という規
則的な閉曲線となる態様や、それ以外の曲線である不規
則な閉曲線となる態様とすることができる。 〔4〕工具の送りは、真のまたは実質的な直線に沿って
行われる態様としたり、円弧および楕円の外周の一部を
含む曲線に沿って行われる態様とすることができる。 〔5〕工具の送りはまた、円運動の各周の一部に限って
行われる態様としたり、全体において行われる態様とす
ることができる。そして、前者の態様においては、工具
が空間側にあってワークに接触せず、切削を行っていな
い空切削行程にあるときに送りが行われる態様や、工具
がワークに接触して切削を行っている実切削行程にある
ときに送りが行われる態様がある。 〔6〕この第1発明は一般に、ワークに暫定的に形成さ
れたフィレット面に対して行われて最終的なフィレット
面を形成する仕上げ加工工程において実施されるが、ワ
ークに暫定的なフィレット面を形成する粗加工工程にお
いて実施することも可能である。
【0013】
【第2発明の課題解決手段,作用および効果】第2発明
は、第1発明に係るフィレット面形成方法であって、前
記工具の送りが前記円運動の各周の全体において行われ
ることを特徴とする。
【0014】この第2発明に係るフィレット面形成方法
においては、工具がそれの円運動の各周の全体において
その円運動と交差する方向に送られる。
【0015】したがって、この第2発明によれば、工具
による本来の切削のためのみならず工具の送りのために
も、すなわち、フィレット加工中のいずれの時期におい
ても工具経路を不連続的に変化させることが不要とな
り、工具の急な加減速も不要となる。
【0016】その結果、この第2発明によれば、工具を
往復運動させてフィレット加工を行う従来の方法に比較
して、工具および加工機にかかる負担の軽減を一層容易
に図り得るとともに、加工精度を確保しつつ加工所要時
間の短縮を図ることが一層容易となるという効果が得ら
れる。
【0017】
【発明の望ましい実施態様】以下、本発明の望ましい実
施態様のいくつかを特許請求の範囲と同じ表現形式で列
挙する。 (1) 請求項1または2のフィレット面形成方法であっ
て、前記工具の円運動の周速度が実質的に一定であるこ
とを特徴とするフィレット面形成方法。 (2) 請求項1または2,実施態様(1) のフィレット面形
成方法であって、前記工具の送りの速度が実質的に一定
であることを特徴とするフィレット面形成方法。 (3) 請求項1または2,実施態様(1) または(2) のフィ
レット面形成方法であって、前記工具の基準点が略らせ
ん状の一曲線に沿って円運動と送りとを同時に行いつつ
移動するものであることを特徴とするフィレット面形成
方法。 (4) 請求項1または2,実施態様(1) ないし(3) のいず
れかのフィレット面形成方法であって、前記円運動を行
う前記工具の基準点をそれの送りの方向における一側か
ら見た場合にその工具の基準点によって描かれる軌跡が
実質的に一円周となるものであり、前記2不連続面につ
き、各不連続面に対して空間側に前記フィレット面の曲
率半径Rf と同じ距離だけオフセットした2オフセット
面を求め、求めた2オフセット面の一交線を、工具の基
準点が円運動しつつ送られる際の中心線gとすることを
特徴とするフィレット面形成方法。 (5) 実施態様(4) のフィレット面形成方法であって、前
記工具を移動させる際にその工具の基準点によって描か
れるべき経路である工具経路をその工具経路上の複数の
点である工具経路点を決定することによって決定するも
のであり、前記求めた中心線g上に複数の基準点Pを略
等間隔で想定し、想定した複数の基準点Pのうち前記中
心線gを一方向からたどった場合に最初に通過する基準
点Pである第1基準点P1 に対応する第1工具経路点C
1 (Cutter Location )を、第1基準点P1 を通過
し、かつ、前記中心線gのその第1基準点P1 における
接線に対して略直角な一直線上において、第1基準点P
1 から、前記フィレット面曲率半径Rf から前記工具に
よる加工形状寸法を差し引いた値である工具経路曲率半
径RCPと同じ距離だけ離れた点として求め、次に、複数
の基準点Pのうち2番目に通過する基準点である第2基
準点P2 に対応する第2工具経路点CL2 を、第2基準
点P2 を通過し、かつ、前記中心線gのその第2基準点
2 における接線に対して略直角な一直線であって、前
記第1基準点P1 から第2基準点P2 を見た場合に、前
記第1基準点P1 と第1工具経路点CL1 とを同時に通
過する前記直線に対して一定の方向に一定角度だけ傾斜
することとなる直線上において、第2基準点P2 から前
記工具経路曲率半径RCPと同じ距離だけ離れた点として
求め、以後、同様にして複数の工具経路点CLを求め、
求めた工具経路点CLの集合によって1本の工具経路C
P(Cutter Path )を求めることを特徴とするフィレッ
ト面形成方法。なお、「工具による加工形状寸法」は例
えば、工具がワークに対して移動させられる際にその工
具が各位置においてワークに形成することとなる「加工
形状表面」とその工具の「基準点」との距離を表す寸法
を意味する。例えば、工具がボールエンドミルである場
合には、「加工形状表面」は凸の半球面となり、「基準
点」はその半球のうちの半円の中心点となり、結局、
「工具による加工形状寸法」は工具半径に等しくなる。
また、「工具経路点CLの集合による1本の工具経路C
P」は、隣接した2個の工具経路点CLを直線でつない
だ折れ線(直線補間)としたり、隣接した2個の工具経
路点CLを曲線で滑らかにつないだもの(曲線補間)と
することができる。すなわち、本発明において、1本の
工具経路CPは、厳密な1本の連続した曲線である必要
は必ずしもなく、軽微な不連続は許容され得るのであ
る。 (6) 実施態様(5) のフィレット面形成方法であって、前
記工具がボールエンドミルであり、前記工具経路がその
ボールエンドミルの工具中心CT によって描かれる軌跡
であり、前記工具による加工形状寸法がそのボールエン
ドミルの工具半径RT に等しいことを特徴とするフィレ
ット面形成方法。 (7) ワークにおいて空間側に180°より小さい角度を
有して交わるように想定された2不連続面を滑らかにつ
なぐフィレット面を工具の切削によって形成するために
その工具を移動させる経路を表すデータを作成する装置
であって、前記2不連続面を表すデータを入力する不連
続面データ入力手段と、前記ワークに形成すべきフィレ
ット面の曲率半径を表すデータを入力するフィレット面
曲率半径データ入力手段と、入力された不連続面データ
とフィレット面曲率半径データとに基づき、前記工具経
路データを、前記工具をそれの基準点が一方向に円運動
しつつその円運動の各周のうちの少なくとも一部におい
てその円運動の方向と交差する方向に送られ、その円運
動の各周の一部において前記ワークに接触して切削を行
うように移動させることによりそのワークに前記フィレ
ット面を形成するのに適当なデータとして作成する工具
経路データ作成手段とを含むことを特徴とするデータ作
成装置。 (8) 実施態様(7) のデータ作成装置であって、前記工具
経路データ作成手段が、前記工具経路データを、前記工
具の送りを前記円運動の各周の全体において行うのに適
当なデータとして作成するものであることを特徴とする
データ作成装置。 (9) 実施態様(7) または(8) のいずれかのデータ作成装
置であって、前記円運動を行う前記工具を前記送りの方
向における一側から見た場合にその工具の基準点によっ
て描かれる軌跡が実質的に一円周となるものであり、前
記工具経路データ作成手段が、前記2不連続面につき、
各不連続面に対して空間側に前記フィレット面の曲率半
径Rf と同じ距離だけオフセットした2オフセット面を
求め、求めた2オフセット面の一交線を、工具の基準点
が円運動しつつ送られる際の中心線gとする中心線決定
部を含むものであることを特徴とするデータ作成装置。 (10)実施態様(9) のデータ作成装置であって、前記工具
経路データ作成手段が、前記工具を移動させる際にその
工具の基準点によって描かれるべき経路である工具経路
をその工具経路上の複数の点である工具経路点を決定す
ることによって決定するものであり、さらに、(a) 前記
求めた中心線g上に複数の基準点Pを略等間隔で想定
し、想定した複数の基準点Pのうち前記中心線gを一方
向からたどった場合に最初に通過する基準点Pである第
1基準点P1 に対応する第1工具経路点CL1 (Cutter
Location )を、第1基準点P1 を通過し、かつ、前記
中心線gのその第1基準点P1 における接線に対して略
直角な一直線上において、第1基準点P1 から、前記フ
ィレット面曲率半径Rf から前記工具による加工形状寸
法を差し引いた値である工具経路曲率半径RCPと同じ距
離だけ離れた点として求め、次に、複数の基準点Pのう
ち2番目に通過する基準点である第2基準点P2 に対応
する第2工具経路点CL2 を、第2基準点P2 を通過
し、かつ、前記中心線gのその第2基準点P2における
接線に対して略直角な一直線であって、前記第1基準点
1 から第2基準点P2 を見た場合に、前記第1基準点
1 と第1工具経路点CL1 とを同時に通過する前記直
線に対して一定の方向に一定角度だけ傾斜することとな
る直線上において、第2基準点P2 から前記工具経路曲
率半径RCPと同じ距離だけ離れた点として求め、以後、
同様にして複数の工具経路点CLを求める工具経路点決
定部と、(b) 求めた工具経路点CLの集合によって1本
の工具経路CP(Cutter Path)を求める工具経路決定
部とを含むものであることを特徴とするデータ作成装
置。 (11)実施態様(10)のデータ作成装置であって、前記工具
がボールエンドミルであり、前記工具経路がそのボール
エンドミルの工具中心CT によって描かれる軌跡であ
り、前記工具による加工形状寸法がそのボールエンドミ
ルの工具半径RT に等しいことを特徴とするデータ作成
装置。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、本発明のさらに具体的な実
施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
【0019】図1は、本実施形態であるフィレット面形
成方法を実施するための加工システムを示すブロック図
である。この加工システムはデータ作成装置10とNC
加工装置12とを含むように構成されている。
【0020】データ作成装置10はコンピュータ20を
備えている。このコンピュータ20はCPU22,RO
M24およびRAM26を含むように構成されている。
このコンピュータ20には、入力装置30,出力装置3
2および外部記憶装置34が接続されている。入力装置
30は、キーボード等のキー入力手段や、マウス等のポ
インティング手段等を含むように構成されている。出力
装置32は、CRT,液晶ディスプレイ等の画面表示手
段や、プリンタ,プロッタ等の印刷手段を含むように構
成されている。外部記憶装置34は、ハードディスク,
フロッピーディスク等の磁気記憶媒体に対して、データ
の読出しと書込みとの双方を選択的に行うものであり、
具体的には、加工すべきワークの形状データ等の読出し
や、工具経路点データ等の書込み等が行われる。
【0021】このデータ作成装置10にNC加工装置1
2が接続されている。NC加工装置12は、入力装置4
0と、コンピュータを主体とする制御装置42と、工具
43としてのボールエンドミル(図4参照)を回転させ
るとともに3次元的に移動させる加工機44とを含むよ
うに構成されている。制御装置42は、データ作成装置
10から工具経路点データが入力されれば、それをNC
データに変換し、その変換したNCデータに基づいて加
工機44を制御する。これにより、ワークに暫定的に形
成された凹のフィレット面、すなわち、ワークにおいて
空間側に180°より小さい角度を有して交わるように
想定された2不連続面a,bを滑らかにつなぐフィレッ
ト面fに対して局部的に仕上げ加工が行われ、最終的な
フィレット面が形成される。
【0022】この仕上げ加工は、図2に示すように、1
本の略らせん状の工具経路CPを想定し、工具43を、
それの姿勢を一定に保ちつつ、かつ、それの基準点であ
る工具中心CT がその工具経路CPに沿って円運動しつ
つ送られるように移動させることにより、ワークにフィ
レット面fを形成するものである。この際の工具経路C
Pは複数の工具経路点CLの集合によって決定され、そ
れら各工具経路点CLはデータ作成装置10により決定
されるのであり、そのためのプログラムがROM24に
予め記憶されている。なお、そのプログラムは例えば、
外部記憶装置34の記憶媒体に予め記憶させておき、必
要に応じてそこから読み出してコンピュータ20内に取
り込んで実行することが可能である。
【0023】この工具経路点決定プログラムが図3にフ
ローチャートで表されている。
【0024】まず、ステップS1(以下、単に「S1」
で表す。他のステップについても同じとする)におい
て、ユーザからの指令に従い、入力装置30または外部
記憶装置34によって2不連続面a,bが2基準面a,
bとして入力される(図4参照)。2基準面a,bをそ
れぞれ3次元的に表すデータが入力されるのである。次
に、S2において、入力装置30等により、ワークに形
成すべきフィレット面fの曲率半径Rf が入力される
(図4参照)。今回は、フィレット面fがそれの延びる
方向において曲率半径Rf が変化しないものとされてい
るため、フィレット面曲率半径Rf が一つだけ入力され
る。続いて、S3において、入力装置30等により、ボ
ールエンドミルの工具半径RT が入力される(図4参
照)。
【0025】以上の入力が終了すると、S4において、
それら2基準面a,bにつき、各基準面a,bに対して
フィレット面曲率半径Rf と同じ距離だけ空間側にオフ
セットした2オフセット面a’,b’が求められる(図
5参照)。続いて、S5において、求められた2オフセ
ット面a’,b’の交線が、工具43の工具中心CT
円運動しつつそれと交差する方向に送られる際の中心線
gとして求められる(図5参照)。
【0026】その後、S6において、工具経路CPの曲
率半径RCPが演算される。工具43はボールエンドミル
であり、工具経路CPはその工具中心CT (図4参照)
の軌跡であると定義されている。したがって、工具経路
曲率半径RCPは、中心線g上に中心点がある円周の半径
であって、形成すべきフィレット面f上の各点をそのフ
ィレット面fに直角な方向に工具半径分だけオフセット
させた場合に生成される一曲面に接する円周の半径とな
り、よって、工具経路曲率半径RCPは、フィレット面曲
率半径Rf から工具半径RT を差し引いた値として演算
されるのである。そして、そのようにして演算された工
具経路曲率半径RCPに基づく工具経路CPに沿って工具
中心CT を移動させれば、回転しつつ移動する工具43
の切刃の外周面によって空間に創成される曲面の一部
が、ワークに形成すべきフィレット面fに一致すること
になる。
【0027】その後、S7において、求められた中心線
g上に複数の基準点Pが略等間隔Δtで求められる。求
められた複数の基準点Pの各々を表す基準点データはR
AM26の基準点データメモリに格納される。続いて、
S8において、基準点Pの番号を表す整数iが1とされ
る。基準点Pの番号は、中心線gを一方向にたどった場
合に通過する基準点Pの順序に従って付される。
【0028】その後、S9において、第i工具経路点C
i が求められる。今回は整数iが1であるから、第1
工具経路点CL1 が求められることになり、具体的に
は、RAM26から第1基準点P1 を表すデータが読み
出され、図7に示すように、その第1基準点P1 を通過
し、かつ、中心線gのその第1基準点P1 における接線
に対して略直角な一直線上において、その第1基準点P
1 から前記工具経路曲率半径RCPと等しい距離だけ離れ
た点CL1 として求められる。
【0029】続いて、S10において、求められた第1
工具経路点CL1 を表すデータがRAM26の工具経路
点データメモリに格納される。その後、S11におい
て、工具経路点データの作成が終了したか否かが判定さ
れる。今回は未だ終了してはいないと仮定すれば、判定
がNOとなり、S12において整数iが1増加させられ
た後、S9に戻る。
【0030】このS9においては、今回は、整数iが2
であるから、第2工具経路点CL2が求められる。具体
的には、RAM26から第2基準点P2 を表すデータが
読み出され、図7に示すように、第2基準点P2 を通過
し、かつ、中心線gのその第2基準点P2 における接線
に対して略直角な一直線であって、第1基準点P1 から
第2基準点P2 を見た場合に第1基準点P1 と第1工具
経路点CL1 とを同時に通過する前記直線に対して一定
の方向に(図の例では、反時計方向に)一定角度Δθだ
け傾斜する直線が想定され、想定された直線上におい
て、第2基準点P 2 から工具経路曲率半径RCPと等しい
距離だけ離れた点CL2 として求められる。その後、S
10において、求められた第2工具経路点CL2 を表す
データがRAM26の工具経路点データメモリに格納さ
れる。
【0031】続いて、S11において、工具経路点デー
タの作成が終了したか否かが判定される。今回は未だ終
了してはいないと仮定すれば、判定がNOとなり、S1
2において整数iが1増加させられた後、S9に戻る。
【0032】以後、S9〜12の実行が繰り返され、そ
の結果、工具経路点データの作成が終了するに至れば、
S11の判定がYESとなり、工具経路点決定プログラ
ムの一回の実行が終了する。
【0033】以上のようにして作成された工具経路点デ
ータはNC加工装置12に供給され、制御装置42にお
いてNCデータに変換され、その変換されたNCデータ
に基づいて加工機44が制御される。制御装置42は、
曲線補間機能を有しているため、複数の工具経路点CL
が一定の順序で入力されれば、工具43が折れ線ではな
く曲線である工具経路CPに沿って移動するように加工
機44を制御する。その結果、工具43の工具中心CT
は図8に示すように、1本の略らせん状の工具経路CP
に沿って滑らかに移動させられ、ワークにフィレット面
fが形成されることとなる。フィレット面fは、工具4
3の工具中心CT が円運動しつつその円運動の各周の全
体において送られることによって形成されるのである。
【0034】また、制御装置42は、工具43が一定の
速度で移動するように加工機44を制御するように設計
されている。したがって、工具43は、フィレット加工
中、一定の周速度で円運動を行いつつ一定の速度で送ら
れ、急な加減速が行われることはない。
【0035】以上の説明から明らかなように、本実施形
態においては、工具43の工具中心CT が全体において
折れ曲がりがなく連続的に変化する工具経路CPに沿っ
て移動させられるから、工具43を急に加減速させるこ
とが不要となり、工具43および加工機44にかかる負
担が軽減されるという効果が得られる。
【0036】さらに、フィレット加工中、工具43の切
削方向が常に同じで、アップカットとダウンカットとが
交互に繰り返されることがないため、工具43の切削抵
抗の変動が少なくなり、加工精度が向上するという効果
も得られる。
【0037】また、本実施形態においては、入力装置3
0および外部記憶装置34と、コンピュータ20のうち
図3のS1を実行する部分とが互いに共同して、「不連
続面データ入力手段」の一例を構成し、入力装置30お
よび外部記憶装置34と、コンピュータ20のうち図3
のS2を実行する部分とが互いに共同して、「フィレッ
ト面曲率半径データ入力手段」の一例を構成し、コンピ
ュータ20のうち図3のS3〜S11を実行する部分
が、「工具経路データ作成手段」の一例を構成してい
る。また、特に、コンピュータ20のうち、図3のS5
を実行する部分が、「中心線決定部」の一例を構成し、
コンピュータ20のうち、図3のS7〜S11を実行す
る部分が、「工具経路決定部」の一例を構成し、NC加
工装置12の制御装置42のうち、データ作成装置10
から入力された複数の工具経路点CLから1本の工具経
路CPを決定する部分が、「工具経路決定部」の一例を
構成している。
【0038】以上、本発明の一実施形態を図面に基づい
て詳細に説明したが、本発明はその他の形態で実施する
ことが可能である。
【0039】例えば、前記実施形態においては、フィレ
ット面fがそれの曲率半径Rf が2不連続面a,bの交
線の方向において変化しないものとされているが、曲率
半径Rf が変化するフィレット面fを形成する形態で本
発明を実施することが可能である。
【0040】また、前記実施形態においては、工具経路
CPが直線部分を全く含まないように決定されるが、例
えば、図9に示すように、直線部分を含むようにして工
具経路CPを決定する形態で本発明を実施することも可
能である。
【0041】また、前記実施形態においては、工具経路
点データに基づく工具経路データの作成がNC加工装置
12において行われるようになっているが、データ作成
装置10において行われる形態で本発明を実施すること
も可能である。
【0042】また、前記実施形態においては、データ作
成装置10において工具経路データが中心線gと直角に
交差する各平面内において工具43が円軌道を描くよう
に作成されるのに対し、NC加工装置12において工具
43が円運動の各周方向位置においても送りの各位置に
おいても平行移動させられ、その姿勢が変化しないよう
になっている。そのため、中心線gの曲率半径が大き
く、十分に直線に近似する場合には、工具43が自転し
つつ略らせん状の経路に沿って移動させられる際にその
工具43の切刃の外周面によって空間に創成される曲面
が、ワークに形成すべきフィレット面fに十分に精度よ
く一致することとなる。しかし、中心線gの曲率半径が
小さい場合には、工具43の切刃により創成される曲面
が、形成すべきフィレット面fに十分に精度よく一致し
ない場合もある。そこで、中心線gの曲率半径が小さい
場合にもそのような不都合が生じないようにするために
は、例えば、中心線gを、その中心線gと前記2不連続
面a,bとの交線との、工具43の各円運動平面内にお
ける距離がその中心線g上の各位置において工具経路曲
率半径RCPに実質的に一致するように補正し、補正した
中心線gに基づいて工具経路CPを決定すればよい。
【0043】それらの他にも、当業者の知識に基づき、
特許請求の範囲を逸脱しない範囲で種々の変形,改良を
施した形態で本発明を実施することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態であるフィレット面形成方
法を実施するためのデータ作成装置およびNC加工装置
を示すブロック図である。
【図2】上記フィレット面形成方法における工具経路を
示す斜視図である。
【図3】上記データ作成装置のコンピュータにより実行
される工具経路点決定プログラムを示すフローチャート
である。
【図4】図3のS1の内容を説明するための図である。
【図5】図3のS4の内容を説明するための図である。
【図6】図3のS6の内容を説明するための図である。
【図7】図3のS9の内容を説明するための図である。
【図8】工具経路CPと工具経路点CLとの関係を説明
するための斜視図である。
【図9】図2に示す工具経路とは別の工具経路を示す斜
視図である。
【図10】フィレット面形成方法の一従来例における工
具経路を示す斜視図である。
【図11】フィレット面形成方法の別の従来例における
工具経路を示す斜視図である。
【符号の説明】
10 データ作成装置 12 NC加工装置 43 工具

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ワークにおいて空間側に180°より小さ
    い角度を有して交わるように想定された2不連続面を滑
    らかにつなぐフィレット面を工具による切削によって形
    成する方法であって、 前記工具を、それの基準点が一方向に円運動しつつその
    円運動の各周のうちの少なくとも一部においてその円運
    動の方向と交差する方向に送られ、その円運動の各周の
    一部において前記ワークに接触して切削を行うように移
    動させることにより、そのワークに前記フィレット面を
    形成することを特徴とするフィレット面形成方法。
  2. 【請求項2】請求項1のフィレット面形成方法であっ
    て、前記工具の送りが前記円運動の各周の全体において
    行われることを特徴とするフィレット面形成方法。
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