JPH09201672A - 電極回転式非消耗電極アーク溶接における開先倣い方法及び開先倣い制御装置 - Google Patents

電極回転式非消耗電極アーク溶接における開先倣い方法及び開先倣い制御装置

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JPH09201672A
JPH09201672A JP1053296A JP1053296A JPH09201672A JP H09201672 A JPH09201672 A JP H09201672A JP 1053296 A JP1053296 A JP 1053296A JP 1053296 A JP1053296 A JP 1053296A JP H09201672 A JPH09201672 A JP H09201672A
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welding
electrode
torch
difference
arc
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JP1053296A
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English (en)
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Tadashi Fujioka
忠志 藤岡
Yasuro Suzuki
康郎 鈴木
Shigemasa Kobayashi
重政 小林
Yoshihide Sasaki
善英 佐々木
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JFE Engineering Corp
Original Assignee
NKK Corp
Nippon Kokan Ltd
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 回転式非消耗電極を、薄板の重ね溶接継手部
の溶接線に精度よく倣わせる自動開先倣い。 【解決手段】 溶接トーチ12の電極2と母材1とのア
ーク電圧検出器14と、電極の回転位置検出器11と、
アーク電圧検出器の検出信号が入力される積分器27
a,27bと、回転位置検出信号に基づいて予め設定し
た所定角度範囲の検出信号について各積分器を動作させ
るタイミング回路26と、積分器の積分値の差を求める
第1の比較器28と、溶接トーチ狙い位置設定器29
と、第1の比較器の積分値の差とトーチ狙い位置設定器
の基準値との差を求める第2の比較器30と、溶接トー
チの修正移動量を演算する修正量演算手段31、32
と、修正移動量に基づき回転方向とパルス数を決定した
パルス信号発生器33と、パルス信号に基づき回転する
ステップモータ23を有し、ステップモータの回転によ
り溶接トーチを移動させるトーチ横移動機構22を備え
てなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、薄板の重ね溶接に
関し、上板側と下板の母材を溶融させることでビードを
形成する溶加材を用いないTIG溶接やプラズマ溶接等
の非消耗電極アーク溶接方法において、ビード表面形状
が良好でかつ広幅・浅溶込み溶接部を形成しながら、薄
板重ね部に形成される溶接線を自動的に検出し溶接線に
対して適正位置でトーチを倣わせる電極回転式非消耗電
極アーク溶接における開先倣い方法及び開先倣い制御装
置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】例えば特開平7−185820号公報に
示された従来の電極回転式非消耗電極アーク溶接におけ
る開先倣い方法は、溶接トーチに設けられた非消耗電極
先端に円運動を与え、該非消耗電極に発生するアークを
一方向に高速回転させながら薄板の重ね部の溶接線に沿
って重ね溶接を行って行く途中にアーク電圧を検出し、
そのアーク電圧のうち、薄板重ね部の溶接線と平行なア
ークの回転円の進行方向の前方中心を基準としてその左
右の5°以上180°以下の2つの所定角度範囲の電極
の回転位置におけるアーク電圧波形のそれぞれの積分値
の差を所定のしきい値と比較し、前記差が零となるよう
に前記溶接トーチを溶接線と直交する方向に移動制御し
て薄板重ね部の溶接線に対して溶接トーチを適正位置に
制御するものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
ような従来の電極回転式非消耗電極アーク溶接における
開先倣い方法では、次のような欠点があるものであっ
た。溶接トーチを溶接線に対して精度良く倣わせるため
には、電極の回転位置におけるアーク電圧波形のそれぞ
れの積分値の差が零になるように、モータに印加する電
圧を制御してトーチ横移動速度を適正に制御すると共に
モータに電圧印加する時間を制御してトーチ移動時間を
適正に調整する必要があるが、電極回転数が低い場合に
はこの調整の良否が倣い精度に影響するという問題があ
った。即ち、溶接速度が同じで、例えば20回/秒の高
速回転数と例えば2回/秒の低回転数で同じ溶接部の倣
いを実施している場合を考えると、前者と後者での1回
の修正量比は1/10、修正回数では10倍となる。こ
のため高速回転の前者では調整が少々ラフで真の溶接線
に対して1回の修正量に過不足が生じても1回の修正量
が小さく、すぐに次の修正が行われるためビード形状に
影響することはない。しかし、後者の場合には1回の修
正量が大きくかつ次の修正までの間隔が長いため修正量
に過不足があるとビード形状に大きく影響するという問
題があった。
【0004】本発明は、回転数が変化しても溶接速度が
変化しても回路調整の影響を受けずに薄板の重ね溶接継
手部の溶接線に精度よく倣わせる自動開先倣いを行い、
その結果、薄板の重ね溶接部のビード表面形状を適正に
保つことができる電極回転式非消耗電極アーク溶接にお
ける開先倣い方法及び開先倣い制御装置を提供すること
を目的としたものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明に係る電極回転式
非消耗電極アーク溶接における開先倣い方法は、溶接ト
ーチに設けられた非消耗電極先端に円運動を与え、該非
消耗電極に発生するアークを一方向に高速回転させなが
ら薄板重ね部の溶接線に沿って重ね溶接を行って行く途
中にアーク電圧を検出し、そのアーク電圧のうち、薄板
重ね部の溶接線と平行なアークの回転円の進行方向の前
方中心を基準としてその左右の5°以上180°以下の
2つの所定角度範囲の電極の回転位置におけるアーク電
圧波形のそれぞれの積分値の差を所定のしきい値と比較
して差を求め、その差に基づき前記溶接トーチを溶接線
と直交する方向に移動させる修正量を演算し、その修正
量だけ前記溶接トーチを溶接線と直交する方向に移動制
御して薄板重ね部の溶接線に対して溶接トーチを適正位
置に制御するようにしたものである。
【0006】また、本発明に係る電極回転式非消耗電極
アーク溶接における開先倣い制御装置は、電極回転式非
消耗電極アーク溶接方法により溶接する溶接トーチの電
極とワークとのアーク電圧を検出するアーク電圧検出器
と、電極の回転角度位置を検出する回転位置検出器と、
アーク電圧検出器の検出信号が入力される積分器と、ア
ーク電圧検出器の検出信号のうち、回転位置検出器の位
置検出信号に基づいて予め設定した2つの所定角度範囲
の検出信号について積分器を動作させる信号を出力する
タイミング回路と、積分器からそれぞれ出力された2つ
の所定角度範囲の検出信号の積分値の差を求める第1の
比較器と、溶接トーチを溶接線と直交する方向で溶接線
近傍の所定位置に設定させる基準値を出力するトーチ狙
い位置設定器と、第1の比較器から出力された積分値の
差とトーチ狙い位置設定器の基準値との差を求める第2
の比較器と、第2の比較器から出力された前記積分値の
差と基準値との差に基づいて前記溶接トーチを溶接線と
直交する方向に移動させる修正移動量を演算する修正量
演算手段と、修正量演算手段の修正移動量に基づき回転
方向とパルス数を決定し、パルス信号を出力するパルス
発生器と、パルス発生器のパルス信号に基づき回転する
ステップモータを有し、該ステップモータの回転により
駆動して前記溶接トーチを溶接線と直交する方向に移動
させるトーチ横移動機構とを備えて構成されている。
【0007】さらに、本発明に係るもう一つの電極回転
式非消耗電極アーク溶接における開先倣い制御装置は、
電極回転式非消耗電極アーク溶接方法により溶接する溶
接トーチの電極とワークとのアーク電圧を検出するアー
ク電圧検出器と、電極の回転角度位置を検出する回転位
置検出器と、アーク電圧検出器の検出信号が入力される
積分器と、アーク電圧検出器の検出信号のうち、回転位
置検出器の位置検出信号に基づいて予め設定した2つの
所定角度範囲の検出信号について積分器を動作させる信
号を出力するタイミング回路と、積分器からそれぞれ出
力された2つの所定角度範囲の検出信号の積分値の差を
求める第1の比較器と、溶接トーチを溶接線と直交する
方向で溶接線近傍の所定位置に設定させる基準値を出力
するトーチ狙い位置設定器と、第1の比較器から出力さ
れた積分値の差とトーチ狙い位置設定器の基準値との差
を求める第2の比較器と、第2の比較器から出力された
前記積分値の差と基準値との差に基づいて前記溶接トー
チを溶接線と直交する方向に移動させる修正移動量を演
算する修正量演算手段と、溶接トーチの溶接線と直交す
る方向の位置を検出する横位置検出器と、回転位置検出
器の位置検出信号に基づいてタイミング回路が設定した
2つの所定角度範囲の内の所定のタイミングで記憶指令
信号を出力する記録タイミング発生回路と、横位置検出
器が検出した溶接トーチの位置を記憶タイミング発生回
路からの記憶指令信号が入力されたときに記憶する現在
位置記憶手段と、修正量演算手段の修正移動量と現在位
置記憶手段の記憶した溶接トーチの位置とに基づき移動
すべき位置を演算して横移動位置信号を出力する横移動
位置演算器と、横移動位置演算器の演算した横移動位置
信号に基づき移動すべき位置に達するまで所定のモータ
駆動電圧を出力する横移動機構制御器と、横移動機構制
御器が出力するモータ駆動電圧に基づき回転する横移動
用モータを有し、該横移動用モータの回転により駆動し
て前記溶接トーチを溶接線と直交する方向に移動させる
トーチ横移動機構とを備えて構成されている。
【0008】
【発明の実施の形態】
実施形態1 図1は本発明の実施形態1の電極回転TIG溶接装置の
全体を示す構成図、図2は同電極回転TIG溶接装置の
電極回転TIGトーチを示す断面図、図3は開先倣い方
法の倣い信号検出方法を示した模式図、図4はSUS板
上の狙い位置と倣い信号の関係を示すグラフ、図5は水
冷銅板上の狙い位置と狙い信号の関係を示したグラフ、
図6はSUS板上の狙い位置と倣い信号の相関関係を明
瞭に示すグラフ、図7はSUS板上の狙い位置と2つの
倣い信号の積分値の差とトーチ狙い位置基準値との差の
関係を示したグラフである。図において、1は被溶接材
である下板1aに上板1bを重ねてなる母材、2は母材
1の開先線に位置される非消耗電極であるタングステン
電極、3は回転駆動モータ、3aは回転駆動モータ3の
シャフト、4はシャフト3aに取り付けられ、回転駆動
モータ3により高速回転を与えられる駆動ギヤ、5は駆
動ギヤ4により高速回転を与えられる従動ギヤ、6はタ
ングステン電極2を先端に設けたコレットチャック6a
で保持する円筒状の電極保持部材、6bは電極保持部材
7の下方に設けられ、タングステン電極2を取り囲むガ
スカップである。
【0009】7は電極保持部材6の上部を回転自在に支
持する上部自動調心ベアリング、8は上部自動調心ベア
リング7をリング回転中心から一定量偏心して保持す
る、即ち電極保持部材6の上部を従動ギヤ5の回転中心
から一定量偏心して保持する偏心リングであり、上部自
動調心ベアリング7とで偏心リング部材を構成する。9
は偏心リング8を一体的に収納する偏心リング保持ケー
スで、従動ギヤ5に一体的に取り付けられている。10
は電極保持部材6の下部を支持する下部自動調心ベアリ
ングである。11は回転駆動モータ3の回転角度位置、
即ちタングステン電極2の先端の回転角度位置を検出す
るエンコーダ等の回転位置検出器である。なお、電極保
持部材6に保持され、その軸線上に位置するタングステ
ン電極2と母材1との間には後述する定電流溶接電源装
置により溶接電圧が印加され、アークが発生している。
12はタングステン電極2〜回転位置検出器11から構
成される電極回転TIGトーチである。
【0010】12は電極回転TIG溶接装置の電極回転
TIGトーチで、図2に示したタングステン電極2〜回
転位置検出器11で構成されている。13は定電流溶接
電源装置、14はタングステン電極2と母材1間のアー
ク電圧を検出するアーク電圧検出器、15はタングステ
ン電極2を所望回転数で回転させるための回転速度設定
器、16は回転速度設定器15によって設定された回転
数設定値に基づき回転駆動モータ3を駆動する回転用モ
ータドライバである。
【0011】17はタングステン電極2と母材1間の基
準アーク電圧を設定するアーク電圧基準設定器、18は
アーク電圧検出器14の検出値とアーク電圧基準設定器
17の基準値との差を比較演算する差動増幅器、19は
差動増幅器18の出力に基づきトーチ昇降機構20の昇
降用モーター21を回転制御する昇降用モーター制御
器、22は電極回転TIGトーチ12を溶接線と直交す
る方向に移動させるトーチ横移動機構、23はトーチ横
移動機構23の横移動用ステップモータで、回転するこ
とによりトーチ横移動機構23を駆動する。25はトー
チ昇降機構20とトーチ横移動機構22とを支持して母
材1上を走行する溶接台車である。
【0012】26は回転位置検出器11の位置検出信号
に基づいて予め設定した2つの所定角度範囲の検出信号
について積分器を動作させる信号を出力するタイミング
回路、27a,27bはアーク電圧検出器14のアーク
電圧の検出信号が入力されると共にタイミング回路26
からの信号も入力される積分器、28は積分器27a,
27bから出力された積分値の差を求める第1比較器、
29は電極回転TIGトーチ12を溶接線と直交する方
向で溶接線近傍の所定狙い位置に設定させる基準値を出
力するトーチ狙い位置設定器、30は第1比較器28か
ら出力された積分値の差とトーチ狙い位置設定器30の
基準値との差を求める第2比較器、31は第2の比較器
30から出力された前記積分値の差と基準値との差に基
づいて電極回転TIGトーチ12を溶接線と直交する方
向に移動させる修正移動量を演算する修正量演算器、3
2は修正量演算器31が修正移動量を演算するときの被
溶接部材の材質や厚さ、溶接電流等の溶接条件によって
決定される演算係数を設定する修正量係数設定器、33
は修正量演算器31の修正移動量に基づき回転方向とパ
ルス数を決定したパルス信号を横移動用ステップモータ
23に出力するパルス発生器である。
【0013】次に上記実施形態1の動作を説明する。ま
ず、図2に示す実施例の電極回転TIGトーチ12の動
作を説明する。回転駆動モータ3が回転すると、その回
転は駆動ギア4、従動ギヤ5及び偏心リング保持ケース
9を介して偏心リング8に伝達される。偏心リング8は
電極保持部材6の上部を回転自在に支持している上部自
動調心ベアリング7をリング回転中心から一定距離離れ
た偏心位置に回転自在に保持しているから、電極保持部
材6の上部は偏心リング8の回転に伴いその回転軸を中
心として旋回することになる。また、電極保持部材6の
下部は、偏心リング8の回転中心に同軸で取り付けられ
且つその周囲を固定された下部自動調心ベアリング10
にも保持されているから、下部自動調心ベアリング10
と偏心リング8との作用により、電極保持部材6の下部
から下方に伸びるタングステン電極2の先端は、下部自
動調心ベアリング10を回転中心の支点としたスリコギ
式の円運動を行うことになる。
【0014】タングステン電極2の先端が円運動をして
いるときに、タングステン電極2の基部を保持している
電極保持部材6の下部は下部自動調心ベアリング10に
回転自在に支持され、回転中心の支点となっており、そ
れ自体は回転しないので、図示しない給電ケーブルによ
って電極保持部材6の下部に位置するタングステン電極
2に直接給電することができる。なお、上記上部自動調
心ベアリング7及び下部自動調心ベアリング10に代え
て球面すべり軸受、ユニット用玉軸受等、同様の機能を
果たす自在軸受で代替することもできる。
【0015】次に、電極回転TIG溶接装置の動作につ
いて説明する。例えば厚みが2mmのステンレススチール
の薄板を重ね溶接する場合、非消耗電極であるタングス
テン電極2の電極回転直径を2.5mmとし、回転駆動モ
ータ3により電極回転周波数を3〜5Hzとし、定電流
溶接装置13により溶接電流を95Aで、タングステン
電極2の先端に円運動を与え、タングステン電極2に発
生するアークを高速回転させながら、母材1の溶接線に
沿って溶接速度15〜30cm/ 分で重ね溶接を行う。こ
のとき、トーチ傾斜角は0±10°以内の適正値に保持
されている。
【0016】トーチを静止させた状態では、アークが溶
接部に一点集中してアーク直下が常に溶融していたもの
が、アークを発生させながらタングステン電極2の先端
が機械的にほぼ円状に円運動して溶接を行うため、母材
1の被溶接部に対して溶接アークはタングステン電極2
の先端の回転に伴って被溶接部を円状に移動し、アーク
直下の溶融部がある回転径で移動することになり、アー
クの被溶接部への入熱がある径に分散された形となり、
その結果、広幅、浅溶込みの溶接部を高速で効率よく形
成することができる。
【0017】なお、TIGアークの特性上、上記のタン
グステン電極2の回転による効果は回転に伴ってアーク
が溶融部を移動可能かどうかで決まり、TIGアークの
場合は電極回転周波数は約20Hz程度が限度である。
また、入熱の分散効果はある回転径以上で見られ、ま
た、入熱分散による母材の溶融効率の大幅な低下により
その回転径の最大値が決定される。薄板の重ね溶接で用
いられる溶接電流が十数A〜二百数十AのTIGアーク
の場合には回転径として1〜4mm程度が適正な範囲で
ある。そして、この回転径の適正範囲は使用する溶接電
流の値に依存する。
【0018】次に、溶接中における開先線倣い方法につ
いて図1、図3、図4〜図7に基づいて説明する。ま
ず、開先線倣い方法の原理について説明する。電極回転
TIGトーチ12に設けられたタングステン電極2が重
ね溶接される下板1aと上板1bとからなる母材1の溶
接線に沿って溶接を行っていく場合に、図3の(a)に
示すようにタングステン電極2の先端、即ちアークがア
ークの回転円の進行方向の後方中心C.R位置であるA
点から下板1a側のB点にくると、図3の(b)に示す
ように下板1a側の回転位置でのアーク電圧検出器14
が検出するアーク電圧は次第に上昇し、B点でアーク電
圧の上昇はほぼ最大になる。その後、B点からアークの
回転円の進行方向の前方中心C.F位置であるC点にく
るに従いアーク電圧は次第に減少し、さらにアークが回
転して今度はC点から上板1b側のD点にくると、上板
1b側の回転位置でのアーク電圧検出器14が検出する
アーク電圧は次第に減少し、D点でアーク電圧の減少は
ほぼ最大になる。その後、D点からA点にいくに従いア
ーク電圧は上昇する。
【0019】図3の(b)は基準電圧を基準として上記
アーク電圧の変化を示したもので、その斜線部分SL、
SRは図3の(a)のアークの回転円の進行方向の前方
中心C.Fを基準として左右の0°〜90°(R領域)
と270°〜360°(L領域)の2つの所定角度範囲
θ1,θ2の積分値を表したものである。そこで、下板
1a側と上板1b側とのアーク電圧を検出し、検出した
電圧の変化を積分処理し、積分値SL,SRという値を
求め、各々の積分値の差(SL−SR)を溶接線位置を
検出できるように設定された基準値と比較することによ
り、タングステン電極2の先端の回転円の中心が母材1
の溶接線に位置しているかどうかがわかる。
【0020】ところで、上記の信号検出論理によるアー
ク電圧の変化の積分値の差(SL−SR)と狙い位置と
の関係を求めた例を図4と図5に示す。即ち、図4は厚
さ2mmのSUS重ね板での検出例のグラフ、図5は2
mmの段差を設けた水冷銅板上での検出例のグラフであ
る。図4の検出例の溶接条件は、溶接電流Iaが95
A、アーク電圧Vaが8.0V、溶接速度が17cm/
分、アーク回転数が3.0Hz、回転直径が2.5mm
である。また、図5の検出例の溶接条件は、溶接電流I
aが60A、アーク電圧Vaが9.0V、溶接速度が1
5cm/分、アーク回転数が1.92Hz、回転直径が
2.75mmである。
【0021】図4、図5のグラフを見ると、双方とも特
定の狙い位置でピークを持つがほぼその狙い位置に応じ
た積分値の差が得られており、この関係から明らかなよ
うに、「Cf点を基準とした2つの積分値の差」と「狙
い位置」には非常に良い相関関係がある。即ち、下板1
aと上板1bとの溶接線である段差がある位置を0mm
とし、狙い位置が上板1b側にいくに従い、2つの積分
値の差ΔSが次第に一定の勾配をもって反比例して減少
するという相関関係があることが分かる。この相関関係
を明瞭に示したのが図6のグラフで、狙い位置に対して
図6に示す2つの積分値の差と狙い位置基準値との差と
の関係を示したのが図7のグラフである。つまり、図7
は図6の2つの積分値の差ΔS=SL−SRがトーチ狙
い位置設定器29の狙い位置基準値分だけ下方にシフト
したものとなる。
【0022】従って、例えば図4に示すアーク電圧の変
化の積分値の差と狙い位置との関係を基準として電極回
転TIG自動溶接実施時における所定の狙い位置のとき
のアーク電圧の変化の積分値の差が異なれば、それは
「適正狙い位置」から所定量ズレていることを意味す
る。そこで、図4に示すアーク電圧の変化の積分値の差
と実際のアーク電圧の変化の積分値の差を比較して両者
の差を求め、その両者に差があれば、その差がズレ量で
あるから、そのズレ量から修正すべき距離を演算し、演
算した修正すべき距離だけ溶接トーチを移動させれば、
溶接トーチの溶接線と直交する方向のZ軸の修正が過不
足なくできることになる。
【0023】次に、図4、図6及び図7に示すアーク電
圧の変化の積分値の差と実際のアーク電圧の変化の積分
値の差からズレを修正すべき距離へ変換する演算方法に
ついて説明する。実際の倣いの狙い位置は基準狙い位置
に対して±0.1〜0.2mm程度に制御される。従っ
て、基準狙い位置近傍における「2つの積分値の差Δ
S」と「狙い位置の関係」は、図5に示すように反比例
の直線関係にあると考えてよい。
【0024】図4、図6に示すように、狙い位置変化と
2つの積分値の差ΔSの関係は、4V/mmの勾配を持
つ。言い換えれば、差の信号ΔSの1Vの変化に対し、
狙い位置は0.25mmの勾配を持つのであるから、例
えば基準狙い位置を上板側へ0.5mm入った位置とし
た場合、本来は2つの積分値の差ΔSが7Vとなり、狙
い位置設定器29の狙い位置基準値は7Vであるから、
2つの積分値の差ΔSと狙い位置基準値との差が0Vと
なる筈であるが、実際の2つの積分値の差ΔSが8Vと
すれば、狙い位置基準値との差が1Vとなり、その差の
信号Sの1Vの変化に対して狙い位置を0.25mm修
正すれば良いこととになる。以上は図4に示すように検
出例がSUS重ね板の場合であるが、図5に示す水冷銅
板の場合には狙い位置変化と2つの積分値の差ΔSの関
係は図4の場合と同様で、その勾配が異なってくるだけ
である。
【0025】このように狙い位置変化と2つの積分値の
差ΔSの関係において、どのような勾配を持つかは、被
溶接部材の材質や板厚、溶接電流等の溶接条件によって
異なるので、一般的には、修正量の演算は、修正量=K
・[(ΔS=SL−SR)−SB]で表すことができ
る。ここに、Kは勾配を示す係数、SBは狙い位置設定
器29の狙い位置基準値である。このような制御はTI
G溶接で多用されているアーク電圧自動制御装置により
アーク長が一定に保たれるように制御されるシステムで
成立する。つまり、本制御で採用されているアーク電圧
自動制御装置は回転に伴う急激なアーク長変化、言い換
えれば、アーク電圧変化には追従せず、平均的なアーク
長が一定に保たれるように機能する必要がある。
【0026】次に、この実施形態1の開先線倣い方法に
ついて説明する。まず、その前に溶接トーチの開先線倣
い制御方法の前提となるアーク長が一定に保たれるよう
に制御するアーク電圧自動制御装置の動作について説明
する。本発明の実施形態では、アーク電圧自動制御装置
として機能する構成部材は、アーク電圧検出器14、ア
ーク電圧基準設定器17〜昇降用モータ21である。そ
して、溶接中のアーク電圧検出器14によるアーク電圧
検出信号と、アーク電圧基準設定器17の基準アーク電
圧の偏差を差動増幅器16により演算し、この偏差が常
に零となるように昇降用モータ制御器19が昇降用モー
タ21を回転制御して電極回転TIGトーチ12を昇降
させることにより、アーク長が一定に保たれるのであ
る。この場合の制御は、回転に伴う急激なアーク長変化
には影響されない。
【0027】つぎに、実施形態1の開先線倣い方法につ
いて図1に基づいて説明する。電極回転TIGトーチ1
2に設けられたタングステン電極2が重ね溶接される下
板1aと上板1bとからなる母材1の溶接線に沿って溶
接を行っていくとき、アーク電圧検出器14はタングス
テン電極2先端の回転によって変化しているアーク電圧
を検出し、積分器27a、27bに入力している。一
方、回転位置検出器11は回転しているタングステン電
極2の回転位置を検出して位置検出信号をタイミング回
路26に出力している。そして、タイミング回路26で
は回転位置検出器11の位置検出信号に基づき、予め設
定した上板1b側の例えば45°〜90°である45°
の角度範囲θ1と下板1a側の例えば315°〜360
°である45°の角度範囲θ2において積分器27a、
27bがアーク電圧を積分するようにしている。
【0028】積分器27a、27bがアーク電圧を積分
した積分値は第1比較器28に入力される。このように
積分器27a、27bで積分するのはアーク電圧波形に
ノイズがあり、その影響を受けないようにするためであ
る。第1比較器28では積分器27aによる積分値SL
と積分器27bによる積分値SRの差ΔSを求め、それ
を第2比較器30に出力する。第2比較器30では第1
比較器28で求めた積分値の差とトーチ狙い位置設定器
29によって設定された所定の基準値とを比較し、その
差の信号を修正量演算器31に出力する。修正量演算器
31では第2の比較器30から出力された前記積分値の
差と基準値との差ΔSに修正量係数設定器32が溶接条
件によって設定された係数Kを乗じて電極回転TIGト
ーチ12を溶接線と直交する方向に移動させる修正すべ
き距離である修正移動量を演算してパルス発生器32に
出力する。その修正移動量は前記積分値の差と基準値と
の差がズレ量であるから、その電圧値であるズレ量を上
記式に基づき修正すべき距離に演算して求められる。
【0029】パルス発生器32では修正量演算器31の
修正移動量に基づき回転方向と修正すべき距離に相当す
る横移動用ステップモータ23への印加パルス数を決定
したパルス信号をトーチ横移動機構22の横移動用ステ
ップモータ23に出力する。なお、パルス数は構成する
機械系で決定される。横移動用ステップモータ23はパ
ルス発生器32からのパルス信号によりパルス分回転し
てトーチ横移動機構22を駆動する。そのトーチ横移動
機構22の駆動により、電極回転TIGトーチ12は溶
接線と直交する方向に過不足なく修正移動させられ、薄
板の重ね部の所定の狙い位置である溶接線に電極回転T
IGトーチ12がくるように、即ち、タングステン電極
2の先端の回転円の中心が溶接線に位置するように電極
回転TIGトー12を適正位置に短時間で安定した修正
制御がされる。かかる修正制御は積分処理が行われない
区間に行われる。このように、本発明の実施形態1では
移動すべき位置を設定して制御しているため、理想的な
倣い線に対し左右に振れず、短時間で安定した修正が可
能であり、従来例のモータドライバからモータへの印加
電圧を適正に調整したり、印加電圧時間を調整すること
で、理想的な倣い線に対し左右に振れるという倣いが大
幅に改善される。
【0030】このように、溶接中におけるアーク電圧を
検出し、アーク電圧を信号処理してアークの回転円の中
心が狙い位置に位置するように制御して電極回転TIG
トーチ12を自動追従させるようにしているため、溶接
アーク自体がセンサの役目を果たし、溶接過程で溶接線
に沿って電極回転TIGトーチ12を精度よく追従でき
る。
【0031】実施形態2 図8は本発明の実施形態2の電極回転TIG溶接装置の
全体を示す構成図である。図において、実施形態1と同
様の構成は同一符号を付して重複した構成の説明を省略
する。この実施形態の横移動用モータ22はステップモ
ータではなく、通常のものである。33はトーチ昇降機
構20に設けられ、電極回転TIGトーチ12の溶接線
と直交する方向の位置を検出するポテンションメータ、
又はエンコーダ等の横位置検出器、34は回転位置検出
器11の位置検出信号に基づいてタイミング回路26が
設定した2つの所定角度範囲の内の所定のタイミングで
記憶指令信号を出力する記憶タイミング発生回路であ
る。
【0032】35は回転位置検出器11が検出した電極
回転TIGトーチ12の位置を記憶タイミング発生回路
34からの記憶指令信号が入力されたときに記憶する現
在位置記憶器である。36は修正量演算器31の修正移
動量と現在位置記憶器35の記憶した電極回転TIGト
ーチ12の位置とに基づき移動すべき位置を演算して横
移動位置信号を出力する横移動位置演算器、37は横移
動位置演算器36の演算した横移動位置信号と横位置検
出器33が検出したトーチ位置とを比較演算して移動す
べき位置への横移動指令信号を出力する差動増幅器、3
8は差動増幅器37の横移動指令信号に基づき横移動用
モータ22を駆動する電圧を出力する横移動機構制御器
である。
【0033】つぎに、実施形態2の開先線倣い方法につ
いて図8に基づいて説明する。この実施形態において
は、実施形態1と異なる動作についてのみ説明する。修
正量演算器31では第2の比較器30から出力された前
記積分値の差と基準値との差に修正量係数設定器32が
溶接条件によって設定された係数を乗じて電極回転TI
Gトーチ12を溶接線と直交する方向に移動させる修正
すべき距離としての修正移動量を演算して横移動位置演
算器36に出力する。横移動位置演算器36では修正量
演算器31の修正移動量と現在位置記憶器35の記憶し
た電極回転TIGトーチ12の位置とに基づき移動すべ
き位置を演算して横移動位置信号を差動増幅器37に出
力する。
【0034】差動増幅器37では横移動位置演算器36
の演算した横移動位置信号と横位置検出器33が検出し
たトーチ位置とを比較演算して移動すべき位置に移動さ
せるための横移動指令信号を横移動機構制御器38に出
力する。横移動機構制御器38では差動増幅器37の横
移動指令信号に基づき所定のモータ駆動電圧を移動すべ
き位置に達するまで横移動用モータ23に出力する。横
移動用モータ23は横移動機構制御器38からのモータ
駆動電圧により回転してトーチ横移動機構22を駆動す
る。そのトーチ横移動機構22の駆動により、電極回転
TIGトーチ12は溶接線と直交する方向に過不足なく
修正移動させられ、薄板の重ね部の所定の狙い位置であ
る溶接線に電極回転TIGトーチ12がくるように、即
ち、タングステン電極2の先端の回転円の中心が溶接線
に位置するように電極回転TIGトー12を適正位置に
短時間で安定に修正制御される。かかる位置修正は積分
処理が行われない区間に行われる。
【0035】このように、本発明の実施形態2ではズレ
量に相当した移動量を電圧に変換した値として設定して
制御しているため、理想的な倣い線に対し左右に振れ
ず、短時間で安定に修正可能であり、従来例のモータド
ライバからモータへの印加電圧を適正に調整したり、出
力時間を調整することで、理想的な倣い線に対し左右に
振れるという倣いが大幅に改善される。
【0036】なお、上記実施形態1、2において、アー
クの狙い位置は微妙なものであり、0.2〜0.3mm
変わるとビード形状が悪化することがある。また、板厚
により狙い位置も変わり、狙い位置によりビード形状が
変化する。トーチ角度は概略垂直±10°以内が望まし
く、0.5〜2.5mm程度の薄板の場合、溶接線倣い
の狙い位置は上板側に0.5〜0.8mm程度入ったと
ころがよい。
【0037】上記実施形態1、2では、積分器27a、
27bで積分するアーク電圧の対象を下板1a側では0
°〜45°である45°の角度範囲θ1とし、上板側1
b側では315°〜360°である45°の角度範囲θ
2としているが、下板1a側では0°と5°〜180°
で囲まれる175°までの角度範囲θ1とし、上板側1
b側では180°〜355°と360°で囲まれる17
5°までの角度範囲θ2としても、アークの回転円の中
心が溶接線に対して適正位置にくるように制御できるこ
とはいうまでもない。
【0038】また、上記実施形態では、2つの積分器2
7a、27bを用いているが、1つの積分器で2つの所
定角度範囲の検出信号についてそれぞれ積分し、2つの
積分値を第1比較器28に出力してもよく、この場合、
一方の所定角度範囲の検出信号について積分し、その値
を他に転送後、高速でリセットし、他方の所定角度範囲
の検出信号について積分を行えば、1つの積分器でも充
分である。さらに、上記実施形態1、2では、電極回転
TIG溶接方法及び電極回転TIG溶接装置の電極回転
TIGトーチ12について説明したが、本発明はタング
ステン電極を用いるプラズマ溶接或いはタングステン電
極以外の銅電極、炭素電極という非消耗電極を用いた他
の溶接方法及び溶接装置にも適用され得ることはいうま
でもない。
【0039】
【発明の効果】本発明は以上説明したとおり、溶接トー
チに設けられた非消耗電極に円運動を与え、該非消耗電
極に発生するアークを一方向に高速回転させながら薄板
重ね部の溶接線に沿って重ね溶接を行っている場合に、
アーク電圧を検出し、そのアーク電圧のうち、薄板重ね
部の溶接線におけるアークの回転円の進行方向前方の中
心を基準としてその左右の5°以上180°以下の2つ
の所定角度範囲の電極の回転位置におけるアーク電圧波
形のそれぞれの積分値の差を所定のしきい値と比較して
差を求め、その差に基づき前記溶接トーチを溶接線と直
交する方向に移動させる修正量を演算し、その修正量だ
け前記溶接トーチを溶接線と直交する方向に移動制御し
て薄板重ね部の溶接線に対して溶接トーチを過不足なく
適正位置に保つようにしたので、薄板の重ね溶接継手部
の溶接線の自動開先倣いが高速、安定にかつより精度よ
く実施可能となり、広幅、浅溶込みの溶接部を高速で効
率よく形成することができ、しかも溶接部の要求するビ
ード形状の維持ができるという効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態1の電極回転TIG溶接装置
の全体を示す構成図である。
【図2】同電極回転TIG溶接装置の電極回転TIGト
ーチを示す断面図である。
【図3】開先倣い方法の倣い信号検出方法を示した模式
図である。
【図4】SUS板上の狙い位置と倣い信号の関係を示す
グラフである。
【図5】水冷銅板上の狙い位置と狙い信号の関係を示し
たグラフである。
【図6】SUS板上の狙い位置と倣い信号の相関関係を
明瞭に示すグラフである。
【図7】SUS板上の狙い位置と2つの倣い信号の積分
値の差とトーチ狙い位置基準値との差の関係を示したグ
ラフである。
【図8】本発明の実施形態2の電極回転TIG溶接装置
の全体を示す構成図である。
【符号の説明】
1 母材 2 タングステン電極(非消耗電極) 11 回転位置検出器 12 電極回転TIGトーチ 14 アーク電圧検出器 22 トーチ横移動機構 23 横移動用ステップモータ 26 タイミング回路 27a 積分器 27b 積分器 28 第1比較器 29 トーチ狙い位置設定器 30 第2比較器 31 修正量演算器 32 修正量係数設定器 33 パルス発生器
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 佐々木 善英 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日 本鋼管株式会社内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 溶接トーチに設けられた非消耗電極先端
    に円運動を与え、該非消耗電極に発生するアークを一方
    向に高速回転させながら薄板重ね部の溶接線に沿って重
    ね溶接を行って行く途中にアーク電圧を検出し、そのア
    ーク電圧のうち、薄板重ね部の溶接線と平行なアークの
    回転円の進行方向の前方中心を基準としてその左右の5
    °以上180°以下の2つの所定角度範囲の電極の回転
    位置におけるアーク電圧波形のそれぞれの積分値の差を
    所定のしきい値と比較して差を求め、その差に基づき前
    記溶接トーチを溶接線と直交する方向に移動させる修正
    量を演算し、その修正量だけ前記溶接トーチを溶接線と
    直交する方向に移動制御して薄板重ね部の溶接線に対し
    て溶接トーチを適正位置に制御することを特徴とする電
    極回転式非消耗電極アーク溶接における開先倣い方法。
  2. 【請求項2】 電極回転式非消耗電極アーク溶接方法に
    より溶接する溶接トーチの電極とワークとのアーク電圧
    を検出するアーク電圧検出器と、電極の回転角度位置を
    検出する回転位置検出器と、アーク電圧検出器の検出信
    号が入力される積分器と、アーク電圧検出器の検出信号
    のうち、回転位置検出器の位置検出信号に基づいて予め
    設定した2つの所定角度範囲の検出信号について積分器
    を動作させる信号を出力するタイミング回路と、積分器
    からそれぞれ出力された2つの所定角度範囲の検出信号
    の積分値の差を求める第1の比較器と、溶接トーチを溶
    接線と直交する方向で溶接線近傍の所定位置に設定させ
    る基準値を出力するトーチ狙い位置設定器と、第1の比
    較器から出力された積分値の差とトーチ狙い位置設定器
    の基準値との差を求める第2の比較器と、第2の比較器
    から出力された前記積分値の差と基準値との差に基づい
    て前記溶接トーチを溶接線と直交する方向に移動させる
    修正移動量を演算する修正量演算手段と、修正量演算手
    段の修正移動量に基づき回転方向とパルス数を決定し、
    パルス信号を出力するパルス発生器と、パルス発生器の
    パルス信号に基づき回転するステップモータを有し、該
    ステップモータの回転により駆動して前記溶接トーチを
    溶接線と直交する方向に移動させるトーチ横移動機構と
    を備えてなることを特徴とする電極回転式非消耗電極ア
    ーク溶接における開先倣い制御装置。
  3. 【請求項3】 電極回転式非消耗電極アーク溶接方法に
    より溶接する溶接トーチの電極とワークとのアーク電圧
    を検出するアーク電圧検出器と、電極の回転角度位置を
    検出する回転位置検出器と、アーク電圧検出器の検出信
    号が入力される積分器と、アーク電圧検出器の検出信号
    のうち、回転位置検出器の位置検出信号に基づいて予め
    設定した2つの所定角度範囲の検出信号について積分器
    を動作させる信号を出力するタイミング回路と、積分器
    からそれぞれ出力された2つの所定角度範囲の検出信号
    の積分値の差を求める第1の比較器と、溶接トーチを溶
    接線と直交する方向で溶接線近傍の所定位置に設定させ
    る基準値を出力するトーチ狙い位置設定器と、第1の比
    較器から出力された積分値の差とトーチ狙い位置設定器
    の基準値との差を求める第2の比較器と、第2の比較器
    から出力された前記積分値の差と基準値との差に基づい
    て前記溶接トーチを溶接線と直交する方向に移動させる
    修正移動量を演算する修正量演算手段と、溶接トーチの
    溶接線と直交する方向の位置を検出する横位置検出器
    と、回転位置検出器の位置検出信号に基づいてタイミン
    グ回路が設定した2つの所定角度範囲の内の所定のタイ
    ミングで記憶指令信号を出力する記憶タイミング発生回
    路と、横位置検出器が検出した溶接トーチの位置を記憶
    タイミング発生回路からの記憶指令信号が入力されたと
    きに記憶する現在位置記憶手段と、修正量演算手段の修
    正移動量と現在位置記憶手段の記憶した溶接トーチの位
    置とに基づき移動すべき位置を演算して横移動位置信号
    を出力する横移動位置演算器と、横移動位置演算器の演
    算した横移動位置信号に基づき移動すべき位置に達する
    まで所定のモータ駆動電圧を出力する横移動機構制御器
    と、横移動機構制御器が出力するモータ駆動電圧に基づ
    き回転する横移動用モータを有し、該横移動用モータの
    回転により駆動して前記溶接トーチを溶接線と直交する
    方向に移動させるトーチ横移動機構とを備えてなること
    を特徴とする電極回転式非消耗電極アーク溶接における
    開先倣い制御装置。
JP1053296A 1996-01-25 1996-01-25 電極回転式非消耗電極アーク溶接における開先倣い方法及び開先倣い制御装置 Pending JPH09201672A (ja)

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