JPH0920151A - 燃料タンク - Google Patents

燃料タンク

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JPH0920151A
JPH0920151A JP17327895A JP17327895A JPH0920151A JP H0920151 A JPH0920151 A JP H0920151A JP 17327895 A JP17327895 A JP 17327895A JP 17327895 A JP17327895 A JP 17327895A JP H0920151 A JPH0920151 A JP H0920151A
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  • Cooling, Air Intake And Gas Exhaust, And Fuel Tank Arrangements In Propulsion Units (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ベーパー発生量のより大きな抑制を可能とす
る。 【解決手段】 旋回槽本体1と燃料ポンプ3と燃料をエ
ンジン側へ導く流路とジェットポンプ5とを備え、旋回
槽本体1に少なくとも選択的に旋回槽本体1内外を連通
すると共に、余剰燃料を燃料タンク本体103内へ排出
する排出手段7を設けたことを特徴とする。そして、リ
ターン燃料をジェットポンプ5を介して密閉状の旋回槽
本体1内へ導き、余剰燃料が排出される時にはタンク本
体103内の底壁103a側に排出することができ、ベ
ーパー発生量を抑制する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動車用燃料タン
クに関する。
【0002】
【従来の技術】一般に旋回槽は燃料タンクにおけるタン
ク本体の底壁に取付けられ、自動車の旋回走行時等に燃
料が遠心作用等を受けて一方に偏倚しても燃料ポンプの
吸込みに支障を来さないように所要量の燃料を常時貯溜
するものである。従来、このような旋回槽を備えた燃料
タンクとしては、例えば、図7,図8に示すようなもの
がある(実開昭61−57034号公報参照)。
【0003】図7は、燃料タンクの一部を旋回槽を主体
にして断面で示したものであり、図8は、旋回槽を拡大
して平面から見たものである。
【0004】まず、図7のように旋回槽本体101は、
底部101aが燃料タンク本体103に固着され、天部
が開放され、開口部101bとなっている。更に、旋回
槽本体101には低部101a側に燃料流路101cが
設けられている。又、燃料タンクには燃料ポンプ105
が備えられ、この燃料ポンプ105の吸込み側は旋回槽
本体101内に配置されている。燃料ポンプ105の吐
出側にはフィードパイプ107が接続され、エンジンル
ーム側へ延設されている。フィードパイプ107はエン
ジンのインジェクタ109に接続され、インジェクタ1
09はエンジンのインテークマニホールド111内に燃
料を噴射するものである。前記フィードパイプ107に
はリターンパイプ113が接続されている。リターンパ
イプ113にはプレッシャレギュレータ115が介設さ
れ、先端113aは前記旋回槽本体101内に臨まされ
ている。
【0005】燃料ポンプ105によって吸込み、圧送さ
れる燃料はフィードパイプ107を通ってインジェクタ
109に至り、インテークマニホールド111内に燃料
噴射される。圧送された燃料のうち噴射されなかった余
剰燃料はプレッシャレギュレータ115によって調圧を
受けながらリターンパイプ113によって旋回槽本体1
01側へ還流され、先端113aから旋回槽本体101
内へ流入する。燃料タンク本体103側から旋回槽本体
101内への燃料の流入は燃料が旋回槽本体101の高
さ以上にある時には開口部101bから流入すると共
に、燃料流路101cからも流入する。又、燃料が少な
くなって旋回槽本体101の高さよりも液面が低くなる
と、燃料流路101cのみから旋回槽本体101内へ流
入するようになる。そして、燃料タンク本体103内の
燃料が少なくなった状態で遠心作用等を受けると、図7
で示すように液面が傾斜するが、この時にも旋回槽本体
101内には十分な燃料が確保され、旋回走行と降坂運
転等とに備えることができる。
【0006】ところで、上記のような旋回槽の構造で
は、燃料タンク本体103内に発生するベーパーの増加
を抑制することが困難であった。即ち、燃料ポンプ10
5によって加圧された燃料は約40℃であるが、エンジ
ンルーム内の雰囲気温度は約80℃であり、燃料がエン
ジンルーム内を通過する間に熱交換され、高温のリター
ン燃料が旋回槽本体101内に戻ることになる。この高
温のリターン燃料が旋回時等の液面傾斜によって本体1
01の開口部101bから燃料タンク本体103内へ溢
れ、高温のリターン燃料が燃料タンク本体103内の燃
料表面に拡散すると、燃料タンク本体103内の広い液
面全域でベーパーが発生するからである。
【0007】この場合、燃料温度とベーパー発生量との
関係は図3のようになっており、燃料温度の増加に応じ
てベーパー発生量が増加する傾向にある。
【0008】これに対し、図9のような旋回槽を備えた
燃料タンクを本出願人は提案している。この図9のもの
では、旋回槽本体117が上部としてのアッパキャップ
119と下部としてのチャンバボディ121との分割構
造に形成され、リターン燃料はいわゆるジェットポンプ
123によって還流させるようにしている。ジェットポ
ンプ123はチャンバボディ121に設けられた導入口
125と、この導入口125に先端が臨んだノズル12
7とからなっている。ノズル127と導入口125との
間には隙間129が存在し、ノズル127からの噴流に
よってその周囲の燃料を引き込むことができるようにな
っている。ノズル127は、リターンパイプ113の先
端に設けられたものである。なお、燃料ポンプ105は
アッパキャップ119に支持されたものである。
【0009】そして、旋回槽本体117内の燃料は上記
同様にして燃料ポンプ105によって圧送される。一
方、リターン燃料はノズル127から加速されて旋回槽
本体117内へ還流される。旋回槽本体117の上部か
らの燃料の溢れはアッパキャップ119によって抑制す
ることができる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
ようにジェットポンプ123を用いた構造では、ノズル
127から所定の噴出力で燃料が還流され、さらには旋
回槽本体117周囲の燃料が噴出力に引き込まれてノズ
ル127周囲から旋回槽本体117内へ導入されるため
燃料は、かなりの勢いがある。従って、旋回槽本体11
7内からアッパキャップ119とチャンバボディ121
との間等の隙間131,133から旋回槽本体117外
へ燃料が溢れ、燃料タンク本体103内の空気と接触
し、ベーパー発生量が増大する。このため、この場合も
ベーパー発生の抑制には限界がある。
【0011】そこで、この発明は、ベーパー発生量を大
きく抑制することのできる燃料タンクの提供を目的とす
る。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に請求項1の発明は、燃料タンク本体内の底壁に設けら
れた密閉状の旋回槽本体と、該旋回槽本体内の燃料を圧
送する燃料ポンプと、前記圧送された燃料をエンジン側
へ導くと共にエンジンで使用されない余剰燃料を還流さ
せる流路と、前記旋回槽本体の底部側に設けられ該旋回
槽本体の内外を連通する導入口及び該導入口に先端が臨
み且つ前記還流する燃料を導入口内へ流入させると共
に、導入口周囲から前記燃料タンク本体内の燃料を該導
入口内へ導くノズルからなるジェットポンプとを備えて
なる燃料タンクにおいて、前記旋回槽本体に、少なくと
も選択的に旋回槽本体内外を連通すると共に、前記燃料
タンクの本体内の底壁側に開口する排出口を有し、旋回
槽本体内の余剰燃料を前記燃料タンク本体内へ排出する
排出手段を設けたことを特徴としている。
【0013】従って、旋回槽本体は密閉状であるため、
隙間から旋回槽本体外に燃料が流出することはない。ま
た、余剰燃料を燃料タンク本体の底壁に排出しているこ
とにより、余剰燃料と燃料タンク本体内の空気との接触
を抑えることができる。
【0014】請求項2の発明は、請求項1記載の燃料タ
ンクであって、前記排出手段は、前記旋回槽本体に一体
成型され、該旋回槽本体内に立設した排出筒で構成され
ていることを特徴としている。
【0015】従って、排出手段が排出筒で構成されてい
ることにより、旋回槽本体内の燃料が前記排出筒の上部
まで貯溜していない場合、旋回槽本体内の燃料が旋回槽
本体から排出されない。また、旋回槽本体内の燃料が前
記排出筒の上部まで貯溜した場合、前記燃料は、排出筒
の上部から排出筒内に流入し、燃料タンク本体内の底壁
側に開口する排出口から旋回槽本体外に排出される。
【0016】請求項3の発明は、請求項1記載の燃料タ
ンクであって、前記排出手段は、前記旋回槽本体の上壁
に形成された開口部に一端が取り付けられ、他端の排出
口側が燃料タンク本体内の底壁側に延設されたチューブ
で構成されたことを特徴としている。
【0017】従って、排出手段が旋回槽本体の上壁に形
成された開口部に取り付けられたチューブで構成されて
いることにより、旋回槽本体内の燃料が前記開口部まで
貯溜していない場合、旋回槽本体内の燃料が旋回槽本体
から排出されない。また、旋回槽本体内の燃料が前記開
口部まで貯溜した場合、前記燃料は、該開口部からチュ
ーブ内に流入し、燃料タンク本体内の底壁側に開口する
排出口から旋回槽本体外に排出される。さらに、排出手
段がチューブで構成されていることにより、排出手段の
配置に自由度がある。
【0018】請求項4の発明は、請求項1記載の燃料タ
ンクであって、前記排出手段は、前記旋回槽本体の側壁
下部に形成された前記排出口と、該排出口に取り付けら
れ旋回槽本体内の圧力が旋回槽本体外の圧力よりも一定
以上に高くなったとき排出口からの燃料の排出を許す逆
止弁で構成されていることを特徴としている。
【0019】従って、排出手段が旋回槽本体内の圧力が
旋回槽本体外の圧力よりも一定以上に高くなったとき排
出口からの燃料の排出を許す逆止弁で構成されているこ
とにより、旋回槽本体内の燃料が一定の貯溜量に達する
まで、旋回槽本体内の圧力が旋回槽本体外の圧力よりも
一定以上に高くならず、逆止弁から旋回槽本体内の余剰
燃料が排出されることがない。また、旋回槽本体内の燃
料が一定の貯溜量に達し、旋回槽本体内の圧力が旋回槽
本体外の圧力よりも一定以上に高くなった場合、逆止弁
が開口して旋回槽本体内の余剰燃料が排出される。
【0020】請求項5の発明は、請求項1〜4のいずれ
かに記載の燃料タンクであって、前記排出口は、前記導
入口の近傍に位置していることを特徴としている。
【0021】従って、排出口が導入口近傍に位置してい
ることにより、排出口から排出される高温の余剰燃料が
燃料タンク本体内に拡散する前に、リターン燃料と共に
旋回槽本体内に戻される。また、燃料タンク本体内に燃
料が無い場合において、排出口から排出される余剰燃料
は、ノズルから噴出する燃料によって、再び旋回槽本体
内に戻される。
【0022】請求項6の発明は、請求項1〜5のいずれ
かに記載の燃料タンクであって、前記旋回槽本体は、上
下の分割構造とし、上部及び下部間をシールで密封した
ことを特徴としている。
【0023】従って、燃料ポンプがシールを介して上部
に支持されていることにより、前記上部及び燃料ポンプ
間に生じる隙間からの旋回槽本体内燃料の漏れを防ぐこ
とができる。また、燃料ポンプと上部とを一体に取扱う
ことができる。
【0024】請求項7の発明は、請求項6記載の燃料タ
ンクであって、前記燃料ポンプは、前記上部にシールを
介して支持されていることを特徴としている。
【0025】従って、上部及び下部間にシールを介設し
て旋回槽本体を密封したことにより、前記上部及び下部
間に生じる隙間からの旋回槽本体内燃料の漏れをシール
によって防ぐことができる。
【0026】
【発明の実施の形態】以下、この発明の実施の形態を説
明する。
【0027】(第1実施形態)図1は、この発明の第1
実施形態に係る燃料タンクの要部断面図である。この図
1の燃料タンクも基本的な構造は図9に示すものと略同
様であり、旋回槽本体1、燃料ポンプ3及びジェットポ
ンプ5を備えている。又、特に排出手段7が設けられて
いる。
【0028】前記旋回槽本体1は上部を構成するアッパ
キャップ9と下部を構成するチャンバボディ11との二
分割構成となっており、密閉状となっている。即ち、前
記アッパキャップ9の外周部下面には嵌合用の凸状部1
3が全周に亘って形成されている。凸条部13には凹部
15が形成され、シール用のOリング17が保持されて
いる。Oリング17はチャンバボディ11の内周全体に
密接している。前記アッパキャップ9にはポンプ保持部
19が傾斜して設けられている。ポンプ保持部19の内
周にはポンプ嵌合用の第2の凸条部21が設けられてい
る。第2の凸条部21には凹部23が設けられ、シール
用のOリング25が支持されている。このOリング25
は燃料ポンプ3の外周面全体に密接している。なお、燃
料ポンプ3は凸条部21等に図示しない固定手段により
固定されている。
【0029】又、アッパキャップ9の一側には凸部27
が設けられている。凸部27の内面は凹状の湾曲面27
aとなっており、排出手段7への燃料を案内するように
なっている。
【0030】前記燃料ポンプ3の吸込みパイプ3aに取
付けられたフィルタ3bは旋回槽本体1の底部、即ちチ
ャンバボディ11の底壁11aに接している。燃料ポン
プ3の吐出口側に接続されたフィードパイプ107はリ
ターンパイプ113と共に流路を構成し、燃料ポンプ3
によって圧送された燃料をエンジン側のインジェクタ1
09へ導くと共に、余剰燃料を旋回槽本体1側へ還流さ
せる構成となっている。111は上記同様インテークマ
ニホールド、115はプレッシャレギュレータである。
【0031】前記ジェットポンプ5はチャンバボディ1
1の側壁11bに形成された導入口29とリターンパイ
プ113の先端に設けられたノズル31とからなってい
る。導入口29は導入通路33によってチャンバボディ
11内へ延設され、端部の導入開口35を介してチャン
バボディ11内に連通している。導入通路33の底壁3
3aはチャンバボディ11の底壁11aに対して若干上
方に位置している。そして、導入口29は全周に亘って
湾曲した拡大形状に形成されている。前記ノズル31
は、その先端が導入口29内へ僅かに臨んでおり、導入
口29との間に隙間37を有している。また、ノズル3
1の外面31aは導入口29へ向かって先窄まりに形成
され、ノズル31周囲の燃料を導入口29内へ誘いこみ
やすいようにしている。
【0032】前記排出手段7は、旋回槽本体1内の一側
において立設した排出筒39によって形成されている。
排出筒39はチャンバボディ19の底壁11aから一体
に立ち上がっており、上端の排出筒開口39aはアッパ
キャップ9の凹状の湾曲面27a内に臨んでいる。前記
排出筒39の下部には横通路41が連設され、横通路4
1の端部に排出口43が開口形成されている。横通路4
1は、チャンバボディ11の底壁11aに通路用湾曲部
45を図1,図2のように形成することによって燃料タ
ンク本体103の底壁103aとの間に形成されてい
る。従って、その端部の排出口43は燃料タンク本体1
03内の底壁103a側に開口する構成となっている。
そして、この実施形態では、排出手段7を構成する排出
筒39により排出筒開口39aから排出口43に至るま
で常時開口した構成となっている。
【0033】次に作用を説明する。
【0034】この実施形態において、旋回槽本体1内へ
は全て導入口29から燃料が導入される。即ち、リター
ン燃料はノズル31から噴出され、導入通路33を通っ
て導入開口35から旋回槽本体1内へ流入する。また、
燃料タンク本体103内の燃料はノズル31から噴出さ
れるリターン燃料によってノズル31の周囲から導入口
29内へ引き込まれ、同様にして旋回槽本体1内へ流入
する。この時、ノズル31の外面31aは導入口29へ
向かって先窄まりに形成されているので、ノズル31周
囲からの燃料の引き込みを円滑に行なわせている。な
お、燃料タンク本体103内には燃料がなくなり、旋回
槽本体1内のみ燃料が残っている状態ではノズル31の
周囲から燃料タンク本体103内の燃料が吸込まれるこ
とがなく、ノズル31からのリターン燃料の噴出と共に
燃料タンク本体103内の空気が旋回槽本体1内に導か
れることになる。
【0035】旋回槽本体1内へ導入された燃料は、旋回
槽本体1がアッパキャップ9とチャンバボディ11とに
よって形成され、且つOリング17,25によってシー
ルされているので、通常走行時はもちろん、旋回走行時
においてもアッパキャップ9とチャンバボディ11との
間等から旋回槽本体1外へ溢れ出ることはない。しか
も、リターン燃料が多く、アッパキャップ9にまで燃料
が至ると、凸部27の凹状の湾曲面27aによって燃料
が案内され、排出筒39の排出筒開口39aから排出筒
39内へ燃料が排出される。こうして排出筒39内へ導
かれた燃料は横通路41を介し、排出口43から燃料タ
ンク本体103内へ排出される。排出口43は燃料タン
ク本体103の底壁103a側に位置しているため、排
出される燃料を比較的低温の燃料の液面下に導くことが
でき、液面において拡散することがなく、液面全域での
ベーパー発生を抑制することができる。すなわち高温の
リターン燃料と旋回槽本体1外表面の燃料との置換を防
ぐことができ、ベーパー発生量を抑制することができ
る。また、高温のリターン燃料が燃料タンク本体103
内の空気と接触するのを防ぐことができ、ベーパー発生
量を抑制することができる。
【0036】旋回槽本体1内へ流入した高温の燃料は旋
回槽本体1外へ拡散することなく、燃料ポンプ3によっ
てそのまま吸込まれ、再びエンジン側へ圧送されること
になる。従って、エンジンルーム内での受熱量を減少さ
せることができ、燃料タンク内への熱拡散によるベーパ
ー発生を抑制することができる。
【0037】なお、旋回槽本体1は、密閉構造であり、
しかもジェットポンプ5を用いるため、旋回槽本体1内
に流入した燃料は確実に貯溜されるため、車両旋回時の
遠心力等が働いても旋回槽本体1内に十分な燃料を貯溜
しておくことができ、燃料が極めて少なくなった限界走
行時等でも燃料ポンプ3による燃料の吸込みを無理なく
行なわせることができる。
【0038】図3は、図9の従来例とのベーパー発生量
を比較したものであり、第1実施形態の結果を図示して
いる。このように従来例と比較すると明らかなように本
実施形態の場合、ベーパー発生量が大きく抑制すること
ができた。
【0039】旋回槽の組み付けに際しては、まずアッパ
キャップ9をチャンバボディ11から取り外した状態で
燃料ポンプ3をOリング25を介してポンプ保持部19
に取付けることができる。そして、燃料ポンプ3を取付
けたアッパキャップ9をOリング17を介してチャンバ
ボディ11に取付ける。従って、Oリング17,25の
取扱いを各別に行なうことができ、組み付けも容易であ
る。
【0040】次に他の実施形態を説明する。尚、第1実
施形態と同一構成部分には同符号を付して説明し、また
重複した説明は省略する。
【0041】(第2実施形態)図4は、この発明の第2
実施形態に係る燃料タンクの要部断面図を示している。
この実施形態では、排出手段7をチューブ47で構成し
たものである。チューブ47は、連結部47aと水平部
47bと下方延設部47cとからなっている。連結部4
7aは旋回槽本体1の上壁であるアッパキャップ9に形
成された排出用の開口部49に連結されている。即ち、
開口部49には連結凸部49aが設けられ、チューブ4
7の連結部47aが嵌合連結されている。チューブ47
の水平部47bは旋回槽本体1の側方へ延びており、下
方延設部47cは旋回槽本体1の一側において下方へ延
設されている。下方延設部47cの下端には排出口43
が形成され、燃料本体103の底壁103a側に位置し
ている。なお、この実施形態も排出手段7のチューブ4
7により、開口部49から排出口43に至るまで常時開
口している。
【0042】従って、この実施形態では、旋回槽本体1
内の余剰燃料を排出用の開口部49からチューブ47を
介して排出口43から燃料タンク本体103の底壁10
3a側へ排出することができる。このため、この実施形
態でも上記第1実施形態と略同様な作用効果を有するこ
とができる。しかも、この実施形態ではチューブ47が
アッパキャップ9の排出用の開口部49に連結されてい
るため、より多くの燃料を旋回槽本体1内へ貯溜するこ
とができる。更に、旋回槽本体1側には排出用の開口部
49を設けるだけであるため、旋回槽本体1の形状も簡
素化され、製造が容易となる。
【0043】(第3実施形態)図5は、この発明の第3
実施形態を示している。この実施形態では排出手段7を
排出口43と逆止弁51とで構成したものである。排出
口43は旋回槽本体1におけるチャンバボディ11の側
壁11bの下部側に設けられ、この排出口43に逆止弁
51が取付けられている。従って、この実施形態では、
旋回槽本体1内外を選択的に連通する構成となってい
る。
【0044】そして、この実施形態では旋回槽本体1内
に燃料が所定量貯溜されると逆止弁51が旋回槽本体1
内外の圧力差によって開かれ、余剰燃料を排出口43か
ら燃料タンク本体103の底壁103a側へ排出するよ
うになっている。このため、この実施形態でも第1実施
形態と略同様な作用効果を奏することができる。また、
この実施形態では排出手段7が極めてコンパクトであ
り、スペース上有利な構造ととなっている。
【0045】(第4実施形態)図6は、この発明の第4
実施形態を示している。この実施形態では、導入口29
の近傍に排出口43を位置させたものである。即ち、導
入口29の外側においてその直上に排出口43が設けら
れている。排出口43には排出筒39が立設されてい
る。
【0046】なお、この第4実施形態におけるアッパキ
ャップ9とチャンバボディ11との関係は上記実施形態
と若干異なっているため、ここで若干の説明を行なう。
この実施形態では、アッパキャップ9とチャンバボディ
11との間のシールは密着嵌合によって行なっている。
即ち、アッパキャップ9の外周部に所定長さの密着嵌合
部53が形成されている。密着嵌合部53は内外の密着
片53a,53bによって形成され、外側の密着片53
bは内側の密着片53aよりも長く形成されている。そ
して、密着嵌合部53がチャンバボディ11の上縁部に
密着嵌合することによって両者の密閉構造が達成されて
いる。前記燃料ポンプ3のポンプ保持部19は旋回槽本
体1の一側、即ち導入口29側に形成され、燃料ポンプ
3はシール体55を介して図示しない固定手段によりポ
ンプ保持部19に保持され、シールキャップ57によっ
て覆われている。
【0047】そして、旋回槽本体1内の余剰燃料は排出
筒39の排出筒開口39aから排出筒39内へ導かれ、
下端の排出口43から流出する。流出した余剰燃料はノ
ズル31から噴出しているリターン燃料によって引き込
まれ、そのまま旋回槽本体1内へ導入される。
【0048】従って、この実施形態でも上記第1実施形
態等と略同様な作用効果を奏することができる。また、
旋回槽本体1内の余剰燃料は旋回槽本体1外へ排出され
ることがないから、リターン燃料の熱が旋回槽本体1外
へ拡散することがなく、より確実にベーパー発生を抑制
することができる。さらに、旋回槽本体1内へ導入口2
9から導入された余剰燃料やリターン燃料はそのまま燃
料ポンプ3によって吸込まれるため、エンジンルーム内
での熱交換量をより抑制することができ、この点からも
ベーパー発生量をより抑制することができる。
【0049】
【発明の効果】以上より明らかなように請求項1の発明
によれば、高温となったリターン燃料は排出手段によっ
て排出されない限りはそのまま燃料ポンプによってエン
ジン側へ圧送されるため、エンジンルーム内での受熱量
を減らすことができる。また、旋回槽本体は密閉状であ
るため、リターン燃料が燃料タンク本体内の空気と接触
するのを抑制することができる。更に、旋回槽本体の密
閉構造とジェットポンプによる燃料還流とによって旋回
時等においても高温のリターン燃料と旋回槽本体外の燃
料との置換を抑制することができる。また、排出手段か
ら排出される燃料は燃料タンク本体内の底壁側、即ち、
液面下に導くことができる。これらによってベーパー発
生量を大きく抑制することができる。
【0050】請求項2の発明では、請求項1の発明の効
果に加え、排出筒の高さによって旋回槽本体内に貯溜さ
れる燃料の貯溜量を容易に設定することができる。ま
た、排出筒を一体成形することによって部品点数が少な
く、取扱いを容易にすることができる。
【0051】請求項3の発明では、請求項1の発明の効
果に加え、旋回槽本体の構造を簡単にすることができ
る。
【0052】請求項4の発明では、請求項1の発明の効
果に加え、排出手段の設置スペースを小さくすることが
でき、スペース上有利な構造にすることができる。
【0053】請求項5の発明では、請求項1〜4のいず
れかの発明の効果に加え、排出口から排出される燃料は
導入口から直ちに旋回槽本体内に導かれるため、リター
ン燃料の拡散をより確実に抑制することができ、またエ
ンジンルームでの熱交換を抑制することができる。従っ
て、ベーパー発生量をより確実に抑制することができ
る。
【0054】請求項6の発明では、請求項1〜5の発明
の効果に加え、旋回槽本体の上部を取り外すことがで
き、組み付け等を容易に行なわせることが可能となる。
【0055】請求項7の発明によれば、請求項6の発明
の効果に加え、車両衝突時等に旋回槽本体が燃料タンク
から離脱した場合でも燃料ポンプは旋回槽本体側にシー
ルを介して支持されたままとすることが可能となり、燃
料供給の維持を可能とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第1実施形態に係る燃料タンクの要
部断面図である。
【図2】図1のII−II線矢視拡大断面図である。
【図3】従来例と比較したベーパー発生量の低減を示す
グラフである。
【図4】第2実施形態に係る燃料タンクの要部断面図で
ある。
【図5】第3実施形態に係る燃料タンクの要部断面図で
ある。
【図6】第4実施形態に係る燃料タンクの要部断面図で
ある。
【図7】従来例に係る燃料タンクの要部断面図である。
【図8】従来例に係る旋回槽の平面図である。
【図9】他の従来例に係る燃料タンクの要部断面図であ
る。
【符号の説明】 1 旋回槽本体 3 燃料ポンプ 5 ジェットポンプ 7 排出手段 9 アッパキャップ(上部) 11 チャンバボディ(下部) 29 導入口 39 排出筒 43 排出口 47 チューブ 51 逆止弁 103 燃料タンク本体

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 燃料タンク本体内の底壁に設けられた密
    閉状の旋回槽本体と、該旋回槽本体内の燃料を圧送する
    燃料ポンプと、前記圧送された燃料をエンジン側へ導く
    と共にエンジンで使用されない余剰燃料を還流させる流
    路と、前記旋回槽本体の底部側に設けられ該旋回槽本体
    の内外を連通する導入口及び該導入口に先端が臨み且つ
    前記還流する燃料を導入口内へ流入させると共に、導入
    口周囲から前記燃料タンク本体内の燃料を該導入口内へ
    導くノズルからなるジェットポンプとを備えてなる燃料
    タンクにおいて、 前記旋回槽本体に、少なくとも選択的に旋回槽本体内外
    を連通すると共に、前記燃料タンク本体内の底壁側に開
    口する排出口を有し、旋回槽本体内の余剰燃料を前記燃
    料タンク本体内へ排出する排出手段を設けたことを特徴
    とする燃料タンク。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の燃料タンクであって、 前記排出手段は、前記旋回槽本体に一体成型され、該旋
    回槽本体内に立設した排出筒で構成されていることを特
    徴とする燃料タンク。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の燃料タンクであって、 前記排出手段は、前記旋回槽本体の上壁に形成された開
    口部に一端が取り付けられ、他端の排出口側が燃料タン
    ク本体内の底壁側に延設されたチューブで構成されたこ
    とを特徴とする燃料タンク。
  4. 【請求項4】 請求項1記載の燃料タンクであって、 前記排出手段は、前記旋回槽本体の側壁下部に形成され
    た前記排出口と、該排出口に取り付けられ旋回槽本体内
    の圧力が旋回槽本体外の圧力よりも一定以上に高くなっ
    たとき排出口からの燃料の排出を許す逆止弁で構成され
    ていることを特徴とする燃料タンク。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4のいずれかに記載の燃料タ
    ンクであって、 前記排出口は、前記導入口の近傍に位置していることを
    特徴とする燃料タンク。
  6. 【請求項6】 請求項1〜5のいずれかに記載の燃料タ
    ンクであって、 前記旋回槽本体は、上下の分割構造とし、上部及び下部
    間をシールで密封したことを特徴とする燃料タンク。
  7. 【請求項7】 請求項6記載の燃料タンクであって、 前記燃料ポンプは、前記上部にシールを介して支持され
    ていることを特徴とする燃料タンク。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005335618A (ja) * 2004-05-28 2005-12-08 Fuji Heavy Ind Ltd 燃料タンク構造
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US20140182710A1 (en) * 2012-12-27 2014-07-03 Aisian Kogyo Kabushiki Kaisha Fuel supplier

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