JPH0920014A - インクジェット記録装置用インク容器及びインク補給装置 - Google Patents

インクジェット記録装置用インク容器及びインク補給装置

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Publication number
JPH0920014A
JPH0920014A JP17246595A JP17246595A JPH0920014A JP H0920014 A JPH0920014 A JP H0920014A JP 17246595 A JP17246595 A JP 17246595A JP 17246595 A JP17246595 A JP 17246595A JP H0920014 A JPH0920014 A JP H0920014A
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JP
Japan
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ink
absorber
cartridge
container
tank
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JP17246595A
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English (en)
Inventor
Fumitaka Ueno
文敬 上野
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Olympus Corp
Original Assignee
Olympus Optical Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】本発明はインクカートリッジを交換した際の吐
出回復の必要をなくすことで廃インク量を減少させるこ
とができ、かつその取扱性に優れたインク容器を有した
補給装置を提供することを目的とする。 【解決手段】インクジェット記録装置のインク吐出ヘッ
ドに供するインクを収容し、インクジェット記録装置に
着脱可能なインクカートリッジ42であり、このインク
カートリッジは唯一の実質的な開口であるインク排出口
47を備え、このインク排出口47にはこれを塞ぐイン
ク吸収体53を装着した。これを用いるインク補給装置
である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の技術分野】本発明は、記録ヘッドに供給するイ
ンクを貯留したインクジェット記録装置用インクカート
リッジ、及びそのインクカートリッジを用いて画像出力
を行うインクジェット記録装置のインク補給装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来、インクジェット記録装置のインク
供給機構は、記録ヘッド部にインクタンクを一体化した
インクタンク一体型記録ヘッドを全体的に着脱交換可能
にしたインクタンク一体型記録ヘッド方式と、記録ヘッ
ドについては長期的に使用する一方、この記録ヘッドの
インク供給経路に対して、インクカートリッジのみを交
換するようにしたインクカートリッジ交換方式とに大別
される。
【0003】しかしながら、インクタンク一体型記録ヘ
ッドの場合、インクタンクと同時に記録ヘッドも同時に
交換されることになり、ランニングコスクが高価になる
という欠点を有する。
【0004】一方、インクカートリッジのみを交換する
方式においては、インク供給経路とインクカートリッジ
との接続方法によって、いくつかの方式に分類される。
その1つは、インクカートリッジがインクジェット記録
装置本体内に内蔵され、インクカートリッジからインク
供給管等を本体内に徘徊して記録ヘッドに結合させてイ
ンクを供給する方式がある。この方式はインクカートリ
ッジの設置場所の自由度が大きい利点があるものの、イ
ンクの供給系がかなり大きなスペースを占め、装置の小
型化に適さない。さらに、インクの供給系が複雑にな
り、低コスト化が難しい。しかも、インクカートリッジ
の交換時等において、インク供給系でのインクが途切れ
易く、この後、インク吐出の信頼性を上げるための吐出
回復に要するインク消費量が多量となるため、廃インク
の処理の問題、ひいてはランニングコストの増大につな
がる。
【0005】2つ目のものは、インクカートリッジが記
録ヘッド用キャリッジに搭載され、そのインクカートリ
ッジから中空針やチューブ等を介して記録ヘッドにイン
クを供給する方式がある。この方式はインクの供給系を
小型にすることが可能であり、吐出回復に要するインク
消費量がそれなりに少なく出来る利点がある。しかしな
がら、この方式においても、インクカートリッジ交換を
行った後等には供給系に空気が入り込みやすく、吐出回
復に要するインクが必要となり、インク消費量を十分に
減らすことができない。
【0006】一方、従来、インクの残量検知及びインク
切れ検知を行う方法として、インク容量を可視化せしめ
る方法と、インクの電気抵抗を利用した方法(特公昭1
−17465号公報、特公昭3−4031号公報)が一
般に用いられる。
【0007】可視化による方法はインク容器に透明部材
を用いて容器内のインク容量を目視出来るようにしたも
のであり、操作者がインクの有無を判断する方法であ
る。しかしながら、インクの残容量が少なくても画像を
記録し続けることが可能であり、操作者がインク残量の
確認を怠った場合にはインク供給系や記録ヘッドに空気
が入り込み、正常なインク吐出が不可能になる可能性が
ある。インク供給系や記録ヘッドに空気が入り込むと、
正常なインク吐出が出来なくなるため、吐出回復操作が
必要になる。さらに記録ヘッド内に多量の空気が混在し
た状態で長期間放置された場合には記録ヘッド内のイン
ク粘度が増加し、ひいては乾燥してしまい、正常なイン
ク吐出可能な状態に復旧することが出来なくなる危険性
さえある。
【0008】他方、インクの電気抵抗を利用したインク
量検知方法は、インク容器内に間隔を開けて一対の電極
を配設して、その電極に一定電圧ないしは一定電流を加
えた際の電流ないしは電圧を検出するものであり、イン
クの容量によって電気抵抗が変化することを利用した方
法である。この方法はインクが完全になくなる前に操作
者に報知することやインク吐出を強制的に停止させるこ
とで、記録ヘッドの内部への空気混入を未然に防ぐこと
が出来る利点を有する。
【0009】しかしながら、この方法が使用できるイン
クは適当な電気抵抗を有したものに限られ、例えば油性
インク等の電気的絶縁性が高いインクを使用するために
は、インクに導電性成分を添加する等の改善が必要であ
り、それだけに製造上のコストが嵩むことになる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、前述したキ
ャリッジに搭載される交換式インクカートリッジのよう
なものの技術的な課題を改善するためになされたもので
あり、特に、インク容器を交換した際の吐出回復の操作
が格別必要ではなく、しかも廃インク量を減少させるこ
とができ、かつ、そのインク容器の取扱い性に優れたイ
ンク補給装置を提供することを目的としている。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は前記課題を達成
するために提案されたものであり、第1の発明はインク
ジェット記録装置のインク吐出ヘッドに供するインクを
収容し、インクジェット記録装置に着脱可能なインク容
器において、このインク容器は、唯一の実質的な開口で
あるインク排出口を備え、このインク排出口にはこれを
塞ぐインク吸収体を装着したものであり、第2の発明は
インク吐出ヘッドと、このインク吐出ヘッドに供するイ
ンクを貯留するインクタンクと、このインクタンクに供
するためのインクを収容し、インクタンクに着脱可能な
インク容器を備えたインクジェット記録装置において、
前記インク容器は、唯一の実質的な開口であるインク排
出口を有し、このインク排出口にはこれを塞ぐ第1のイ
ンク吸収体を装着してなり、前記インクタンクは、タン
ク匡体と、これの内部に装填され前記第1のインク吸収
体と同等またはそれ以上に強いインク吸液力を有した第
2のインク吸収体と、この第2のインク吸収体に前記イ
ンク容器から前記第1のインク吸収体を通じてインクの
補給を受けるインク補給口と、前記第2のインク吸収体
からのインクを前記インク吐出ヘッドに供するインク導
出口と、前記第1のインク吸収体及び第2のインク吸収
体の少なくとも一方の一部を大気に連通させる大気連通
路とを備えてなるものであり、第3の発明はインク吐出
ヘッドに供するインクを貯留するインクタンクと、この
インクタンクに供するためのインクを収容したインク容
器を備えたインクジェット記録装置のインク補給装置に
おいて、前記インク容器側に吸収力の弱い第1のインク
吸収体を設け、前記インクタンク側に第1のインク吸収
体より吸収力の強い第2のインク吸収体を設け、第1の
インク吸収体から第2のインク吸収体を通じてインク容
器から前記インクタンクにインクを補給するものであ
る。
【0012】
【実施の形態】
<第1の実施形態>図1ないし図14を参照して、以下
に本発明の第1の実施形態を説明する。 (構成)図1は本実施形態に係るインクジェットプリン
タ装置全体の概略的な構成を示す図であり、図2はその
インクジェットプリンタ装置全体の斜視図である。この
インクジェットプリンタ装置はその頂上部分に給紙ステ
ーション1を設け、その下部に記録ステーション2を配
置してなる構成である。記録ステーション2にはプラテ
ンユニット3とキャリッジ4が配置されている。キャリ
ッジ4にはインク供給のインク供給ユニット5が取り付
けられている。さらに、プラテンユニット3の下方には
用紙切断用カッター6と一対の排紙ローラ7,8が配置
されている。
【0013】給紙ステーション1には、給紙ローラ9と
複数の支持ローラ10にて支持案内される3本のロール
紙11,12,13が、図1及び図2で示すように配置
される。つまり、ロール紙11,12,13はそれぞれ
異なる幅を持ち、最長のロール紙11と、これに続く長
さのロール紙12,13の列とが2列になって平行に設
置されている。また、最長のロール紙11の幅と他の2
本のロール紙12,13の長さの和は略等しい。このた
め、長さの異なるロール紙11,12,13をコンパク
トに配設することができるようになる。
【0014】各ロール紙11,12,13から選択的に
繰り出される記録用紙は前記給紙ローラ9と繰出しロー
ラ15の転接部分からこれに続く用紙ガイド16を通じ
てプラテンユニット3側へ誘導される。用紙ガイド16
は2枚のガイド板17,18の間の隙間によって形成さ
れる。用紙の装填やジャム等の際に対処するため、特に
外側のガイド板18は内側のガイド板17から退避自在
に構成されている。
【0015】前記プラテンユニット3はプラテンローラ
21とプラテンボード22を備えており、プラテンロー
ラ21には送込み機構23の押付けローラ24が対向し
て設けられている。プラテンローラ21と押付けローラ
24との転接部間に記録用紙を挟み込んでプラテンボー
ド22の案内用前面に押し出すようになっている。
【0016】プラテンボード22の前面には裏側から空
気を吸引することにより前記用紙を軽く吸着するための
小孔26が多数設けられている。プラテンローラ21と
プラテンボード22の裏側位置にはこれらを覆って吸引
手段27の吸引チャンバ28を形成するように蓋29が
設けられている。なお、吸引手段27は前記ロール紙1
1,12,13の繰出し位置に対応して3つの領域に区
分されて設けられている。前記給紙ローラ9とプラテン
ローラ21とは用紙搬送モータ30によって駆動され
る。
【0017】次に、前記キャリッジ4について説明す
る。キャリッジ4は上下に離間して配置した2本のガイ
ドシャフト31,32により、ロール紙11,12,1
3から選択的に繰り出される記録用紙の幅方向に移動案
内されるように支持されている。すなわち、下側のガイ
ドシャフト32に沿って平行にベルト33が配設され、
このベルト33は図示しないモータドライバに制御され
る駆動モータにより駆動される。このベルト33の一部
が前記キャリッジ4に連結されている。そして、キャリ
ッジ4はベルト33を介してガイドシャフト31,32
上を記録用紙の記録面に沿って、用紙搬送方向に対して
垂直な方向に往復移動するように操作される。
【0018】そして、キャリッジ4は記録ステーション
2の左右の側板34,35の間の領域を記録可能な動作
範囲とする。このため、左右の側板34,35にはキャ
リッジ4及びこれの搭載部品が貫通する切欠き孔36が
それぞれ形成されている。キャリッジ4のホームポジシ
ョンは左右の側板34の切欠き孔36を突き抜けてその
外側に位置する所を左右の移動終端位置とし、図2で示
すように退避する右側の終端位置をホームポジションと
する。ホームポジションにはここに位置する後述する記
録ヘッド40のインク吐出ノズルの先端面を少なくとも
覆うキャップユニット37が設置されている。このキャ
ップユニット37は記録ヘッド40に対して接離可能で
あり、非記録時にはそれらのインク吐出ノズルを外気と
遮断することによりそのノズル内のインク蒸発を防止す
るようになっている。
【0019】キャリッジ4はカラー用の記録ヘッド4
0、つまり、ブラック(K)、シアン(C)、マゼンタ
(M)、イエロー(Y)の4色にそれぞれ対応する記録
ヘッド40a,40b,40c,40dが集中的に並べ
て搭載されている。これらは記録用紙の搬送方向の鉛直
方向に並べて搭載されている。各記録ヘッド40a,4
0b,40c,40dのインク吐出ノズルはそれぞれ記
録用紙の表面に向き合う位置にあり、それらのインク吐
出ノズルの内部は毛細管力によるインクのメニスカスが
形成されている。そして、画像の記録時には図示しない
ヘッドドライバから信号を受けたインク吐出ノズルが、
記録用紙に向けてインク滴を吐出するようになってい
る。
【0020】さらに、前記キャリッジ4には前記インク
供給ユニット5が取り付けられてあるが、このインク供
給ユニット5は、ブラック、シアン、マゼンタ、イエロ
ーの4色のインク貯留手段であるインクタンク41a,
41b,41c,41dが搭載されている。各インクタ
ンク41a,41b,41c,41dには、対応する色
のインクを収容したインク容器としてのインクカートリ
ッジ42a,42b,42c,42dがそれぞれ着脱自
在に装着される。また、各インクタンク41a,41
b,41c,41dはそれぞれ対応する記録ヘッド40
a,40b,40c,40dに対して個別的にチューブ
43を介して接続されており、これによりインク供給系
が構成されている。
【0021】次に、前記インク供給ユニット5の各部を
詳細に説明する。図4はインク容器としてのインクカー
トリッジ42(42a,42b,42c,42d)の構
成を示す図である。このインクカートリッジ42は略断
面方形のボトル形状をしたインクカートリッジ匡体45
を備えており、このインクカートリッジ匡体45は内部
をインクを収容するインク貯留室46とし、そのインク
貯留室46の底部にはインク排出口47を形成してい
る。この実施形態のインクカートリッジ42では、イン
ク排出口47を除き、インクカートリッジ匡体45は閉
塞されたものである。他の部分に開口等を設けてもよい
が、インク排出口47を唯一の実質的な開口としてあ
る。
【0022】インク排出口47にはインク吸収体48を
装着したハウジング49が装着されている。このハウジ
ング49は略円筒状の部材からなり、その下端縁部がイ
ンク排出口47の開口内周縁に対して密に嵌め込まれて
液密的に取着されている。その下端縁部から立ち上がる
ハウジング49の内壁部の途中には、第1のフランジ5
1が形成され、ハウジング49の上端開口縁には第2の
フランジ52が形成されている。
【0023】そして、この第1のフランジ51と第2の
フランジ52との間においてハウジング49の内面には
インク吸収体53が圧縮されて隙間なく装着されてい
る。インク吸収体53は例えば三次元網状構造を有した
ポリウレタンフォームを用いた連続多孔質体から構成さ
れる。インク吸収体53の上端面は平らであり、この上
端面はハウジング49の上端開口縁に位置する第2のフ
ランジ52の内面と略面一である。インク吸収体53の
下端面は第1のフランジ51の開口から球状に突き出し
ており、この突出部55の頂点はハウジング49の最下
端からなる位置決め端56の位置よりもハウジング49
及びインク排出口47の外へ突き出して外部に露出して
いる。インク排出口47の外周にはねじ部57を設けて
あり、このねじ部57を利用して図示しないキャップを
インク排出口47に対して着脱可能に装着するようにし
てある。
【0024】また、図4で示すように、インクカートリ
ッジ匡体45はその1つの隅の角部をカートリッジ装着
方向に沿って平面的に形成して窪み部61と、その1つ
の側面にカートリッジ装着方向に沿って直線的に形成さ
れた案内溝62を有し、さらに、各側面にはそれぞれ凹
部63を形成してある。これらの凹部63はカートリッ
ジ42の装着方向に対して突き抜けることのない形態
で、ここではカートリッジの装着方向に直交する方向に
長い溝として形成されている。
【0025】このインクカートリッジ42を装着するイ
ンクタンク41(41a,41b,41c,41d)の
構成について説明する。図5及び図6で示すように、そ
のインクタンク匡体65はその内部空間の途中に仕切板
66を設ける。この仕切板66はインクタンク匡体65
の内周に設けられた段差67に載置される状態で固定さ
れている。そして、仕切板66はインクタンク匡体65
の内部空間を上下に仕切り、その下側の部分をインク貯
留部68とし、その上側の部分をインクカートリッジ保
持部69とする。インク貯留部68の鉛直最下部にはそ
れの中央に位置してインク導出口71が設けられてお
り、このインク導出口71にはこれに対応する記録ヘッ
ド40に通じるチューブ43が接続される。
【0026】インク貯留部68の内部にもインク吸収体
72が隙間なく装着されている。インク吸収体72は例
えば三次元網状構造を有したポリウレタンフォームを用
いた連続多孔質体から構成される。そして、このインク
吸収体72は毛細管力によるインク保持力を有してお
り、記録ヘッド40のノズルメニスカスに与えるインク
圧力を所望の範囲値に調整する作用を有する。
【0027】一方、インクカートリッジ保持部69は前
記インクカートリッジ42の外形と契合する内壁面から
なり、上方が開口となる内壁面には、前記インクカート
リッジ42における窪み部61に係合するインクカート
リッジ42の装着方向に沿って長い第1の突起部73
と、インクカートリッジ42の案内溝62に係合するイ
ンクカートリッジ42の装着方向に沿って長い第2の突
起部74と、インクカートリッジ42の凹部63に係合
するインクカートリッジ42の装着方向に直交する方向
に沿って長い凸部75を有する。そして、インクカート
リッジ保持部69にインクカートリッジ42を差し込ん
で装着する際、第1の突起部73がインクカートリッジ
42の窪み部61に係合し、第2の突起部74がインク
カートリッジ42の案内溝62に係合してガイド作用を
しながら差し込むことができる。これら相互のガイド作
用はインクカートリッジ42とこれを装着するインクカ
ートリッジ保持部69とが特定の関係で許容される。つ
まり、突起部73と窪み部61、突起部74と案内溝6
2との位置は契合するインクカートリッジ42とインク
カートリッジ保持部69の組合せごとに異なり、各イン
クカートリッジ保持部69は他の異なる種類のインクカ
ートリッジ42(42a,42b,42c,42d)を
受け入れない。つまり、インクカートリッジ42はその
角部の窪み部61と側面の案内溝62にインクタンク4
1に設けられた突起部73,74が嵌合するように装着
されるため、インクカートリッジ42の装着向きは一義
的になる。従って、異なるインクタンク41とインクカ
ートリッジ42の組み合わせで装着されることがなくな
り、誤ったインクカートリッジ42の装着によるインク
混色が防止される。
【0028】図7はインク供給ユニット5を上方から見
た図であり、インク供給ユニット5の中央部に、インク
カートリッジ42の窪み部61が集まるように配置され
ている。各インクカートリッジ42の窪み部61によっ
て形成された空間は指を入れるのに十分な大きさを有し
ており、操作者はその窪み部61とこれの反対側に位置
するフリーな角部を利用してインクカートリッジ42の
着脱を行うことが出来る。従って、隣り合うインクカー
トリッジ42の間を密着して配置しても、インクカート
リッジ42の着脱は容易であり、インクカートリッジ4
2の設置スペースを小さく出来るため、装置の小型化が
可能になる。さらに隣り合う窪み部61によって抜取り
用の空間が形成されることにより、インクカートリッジ
単体の窪み部空間が小さくなり、窪み部61によるイン
ク収容量の減少分を少なく出来る。また、インクカート
リッジ42の側面を持ってインクカートリッジ着脱を行
う場合には剛性の弱い側面を強く押さえると体積が減少
してカートリッジ42内のインクが溢れてしまう。従っ
て、操作者が剛性が強い角部を持って着脱を行うよう促
す配置にすることはインクカートリッジ42からインク
が溢れて、装置や操作者を汚すことを防止出来る利点が
ある。
【0029】仕切板66にはその中央に位置して形成さ
れたインク補給口81と、そのインク補給口81を中心
とする円上に等角間隔で形成された複数の大気連通口8
2とが設けられている。インク補給口81は前記インク
貯留部68のインク導出口71を通る略鉛直線上に位置
して配置されている。仕切板66の上面においてインク
補給口81の周りには前述したインクカートリッジ42
のハウジング49における最下端からなる位置決め端5
6を当てる複数の突起80が間をあけて形成されてい
る。
【0030】また、インク補給口81にはインク貯留部
68のインク吸収体72と接するようにフィルタ84が
密に装着されている。このフィルタ84はインクカート
リッジ42のインク吸収体53よりも強い吸液力を有し
ている。フィルタ84はインク貯留部68の内部へゴミ
等が入り込むことを防止することを主な目的としたもの
である。フィルタ84も例えば三次元網状構造を有した
ポリウレタンフォームを用いた連続多孔質体から構成さ
れる。
【0031】このフィルタ84の中央部にはインク検出
センサ83を嵌合する孔が形成されている。インク検出
センサ83はフィルタ84の上面より1mm程度、上方へ
突き出すように設けられている。そして、図8で示すよ
うに、インクカートリッジ42を装着した状態におい
て、インク検出センサ83はインクカートリッジ42の
インク吸収体53の下端中央部分に押し込まれ、これに
よって変形したインク吸収体53に包み込まれ、接触す
る面積を大きくする。インク検出センサ83とは別に基
準センサ87が大気中に露出する状態で設置されてい
る。
【0032】また、仕切板66の上面周部にはインク補
給口81と大気連通口82とを取り囲むようにリブ85
が設けられている。このリブ85はインクカートリッジ
保持部69に装着したインクカートリッジ42のインク
排出口47の下端またはハウジング49の最下端からな
る位置決め端56の位置よりも高く形成されている。リ
ブ85はその内側の領域を過剰のインクが溢れたときに
そのインクを貯溜するためのインク貯溜池86を形成し
ている。
【0033】前記インク検出センサ83は基準センサ8
7と共にインクカートリッジ42におけるインクの有無
を検知する検知手段を構成するものである。ここでは両
センサ83,87はいわゆるN.T.C型サーミスタと
呼ばれるものであり、これは温度上昇により電気抵抗値
が減少するサーミスタを用い、サーミスタを自己発熱さ
せることで検出動作を行うものである。中でもビード型
と呼ばれる形式のものが、ガラス封印してあることから
インクに対して安定しており、また小型で熱容量が小さ
く応答時間が短いため、好適に用いられる。
【0034】図9はそのインク有無検知回路を示すブロ
ック図である。CPU90から検知開始の信号が与えら
れると、インク検出センサ83及び基準センサ87に電
力が印加される。両センサ83,87は時間の経過と共
に、発熱量と放熱に応じて温度が上昇していく。ここ
で、センサ83,87が検出している雰囲気が、大気中
とインク中とでは放熱によって失われる熱量が異なる。
インク中にある場合は大気中よりも熱放熱が大きく、セ
ンサ温度の上昇は大気中よりも鈍くなる。
【0035】両センサ83,87は温度上昇に応じて電
気抵抗値が変化すると、それぞれの増幅部88に入力さ
れる電圧が変化し、各増幅部88で増幅された両電圧は
後段の比較部89で比較される。CPU90はその比較
して得られた信号からインクの有無を判断する。つま
り、インク検出センサ83はインクカートリッジ42の
インク吸収体53を検知し、基準センサ87は大気を検
知している。インクカートリッジ42のインク吸収体5
3にインクが含まれている場合にはインク検出センサ8
3と基準センサ87で検出した電圧差が大きく、インク
有りを検知する。反対に、インクカートリッジ42のイ
ンクを消費して、インク吸収体53に含まれていたイン
クが空気と置換されると、両者の電圧差は小さくなり、
インク無しを検知する。
【0036】次に、記録ヘッド40、インクタンク4
1、及びインクカートリッジ42の配置構造について説
明する。図1および図2で示すように、記録ヘッド40
は、鉛直上方からブラック用記録ヘッド40a、シアン
用記録ヘッド40b、マゼンタ用記録ヘッド40c、イ
エロー用記録ヘッド40dの順に配置される。また各色
用のインクタンク41a,41b,41c,41dとイ
ンクカートリッジ42a,42b,42c,42dにつ
いては、前後列に2個並びに配置してあり、前列(記録
ヘッド側)を後列(操作者側)よりも高い位置に配置し
てある。前列側のものにブラック用とシアン用のインク
タンク41a、41bおよびインクカートリッジ42
a,42bを設置し、後列側のものにマゼンタ用とイエ
ロー用のインクタンク41c,41dおよびインクカー
トリッジ42c,42dを配置する。各インクタンク4
1a,41b,41c,41dはそれに対応する記録ヘ
ッド40a,40b,40c,40dに対して個別的に
連結される。インクタンク41a,41b,41c,4
1dとこれらに対応する記録ヘッド40a,40b,4
0c,40dの位置高さの差をほぼ等しくすることで、
記録ヘッド40のノズルメニスカスへ加わる圧力を、各
記録ヘッド40a,40b,40c,40d間で差が生
じないようしてある。つまり、液頭を極力等しくしてい
る。
【0037】複数のインクタンク41とインクカートリ
ッジ42を一列に配列すると、インク供給ユニット5を
搭載するキャリッジ4の幅あるいは奥行きが極端に長く
なり、それだけ装置の大型化を招くが、本実施形態のよ
うに配列することで、インク供給ユニット5の幅と奥行
きがなるべく等しくなるようにすることが好ましい。ま
た、前列(操作者に対して奥側)のインクカートリッジ
42a,42bは、後列(操作者に対して手前側)のイ
ンクカートリッジ42c,42dより高くすることで、
視認性が良くなり、インクカートリッジの交換操作が容
易になる。 (作用)次に、前述した構成のインクジェットプリンタ
装置の記録時における動作について説明する。まず、記
録しようとする画像幅に応じていずれかのロール紙1
1,12,13を選択して、その選択したロール紙1
1,12,13から引き出される記録用紙を、用紙搬送
モータ30により駆動される給紙ローラ9と用紙ガイド
16及びプラテンローラ21によってプラテンボード2
2の前面の記録位置まで搬送する。このように搬入され
た記録用紙はその記録位置においてプラテンボード22
の複数の孔26から吸引することで、記録ヘッド40
a,40b,40c,40dと適正なギャップを得なが
ら鉛直下方向へ搬送される。
【0038】この際、キャリッジ4はガイドシャフト3
1,32上を記録用紙の搬送方向と直角方向に往復移動
を行い、記録位置において各記録ヘッド40a,40
b,40c,40dから記録用紙にインクを吐出するこ
とで所望の記録画像を得る。
【0039】画像を記録し終えた記録用紙はカッター6
により切断された後に排紙ローラ7,8により所定の位
置へ排出される。記録を終えると、用紙搬送モータ30
が逆転することで,記録用紙は待機位置まで戻される。
また、キャリッジ4は記録位置から離れたホームポジシ
ョンの位置まで移動されて待機する。
【0040】ところで、記録動作により消費されるイン
クは、インクタンク41a,41b,41c,41dと
インクカートリッジ42a,42b,42c,42dか
らそれぞれの記録ヘッド40a,40b,40c,40
dへと供給される。インクカートリッジ42a,42
b,42c,42dは着脱容易であり、インクの消費に
応じてインクカートリッジ42a,42b,42c,4
2dを新たのものと適宜交換することができる一方、記
録ヘッド40a,40b,40c,40dについては長
期的に使用する。
【0041】インクカートリッジ42はそのインク排出
口47を下に向けてそれのインクタンク41に装着され
る(図8)。インク排出口47を下にすると、インクは
重力とインク吸収体53の毛細管現象による吸液力が作
用して、インク吸収体53に含まれた空気と置換して含
浸していく。インクカートリッジ42は大口径のインク
排出口47を有するが、そのインク排出口47にインク
吸収体53が装着されていることで、実質的には極小口
径の多数の排出口が密集している状態と同様であり、イ
ンク吸収体53に含浸したインクはそれの毛細管力によ
って保持されている。インクカートリッジ42はインク
排出口47の外部と内部とを連通している部分がない。
インク吸収体53に含浸したインクによって外気が内部
に流入されず、インクカートリッジ42の内側が負圧に
なるため、インク排出口47を下に向けても収容されて
いるインクが漏れ出すことはない。
【0042】インクカートリッジ42をインクタンク4
1の上方から挿入すると、インク吸収体53はインク補
給口81におけるフィルタ84と接触する。インク吸収
体53の下部は半球状に出張った形状の突出部55であ
り、その中央部がフィルタ84の上面と押し当たって接
触しており、この接合部付近がインク供給主流路とな
り、フィルタ接触部の周囲は大気に露出して大気導入路
となる。インクカートリッジ42内のインクは、インク
カートリッジ42単体ではインク吸収体53の作用によ
って保持されているが、インク吸収体53がフィルタ8
4と接触すると、インク吸収体53のインクはフィルタ
84の吸液力によって、そのフィルタ84へと移行す
る。インクカートリッジ42の内部は、収容されたイン
クがフィルタ84へ移行することで、次第に負圧になっ
ていくが、一定圧力を下回ると、インク吸収体53の大
気露出部からインクカートリッジ42の内部へ大気が導
入されるため、インクカートリッジ42の内部は常に一
定範囲内の圧力に維持されることになる。
【0043】また、インクカートリッジ42の装着途中
において、インクタンク41の内壁面に設けられた凸部
(突起)部75が、インクカートリッジ42の側面を圧
縮してインクカートリッジ42内の容積を減少させてイ
ンクを少量押し出す。押し出されたインクはインク吸収
体53におけるインクと空気の置換を促進すると共に、
インク吸収体53における、フィルタ84との接触部を
インクで飽和させる。インク吸収体53がフィルタ84
と接触して、さらにインクカートリッジ42を下方に押
し込むと、インクカートリッジ42の側面の凹部63と
インクタンク41の凸部75が嵌合して、インクカート
リッジ42の概略位置決めと操作者にクリック感を与え
る。この際に、変形していたインクカートリッジ42の
側面が元に戻り、インクカートリッジ42の内体積が膨
脹するが、インク吸収体53の大気導入路に大気が導入
されるものの、インク供給主流路に空気が入ることはな
い。
【0044】また、インク補給口81の周囲には突起8
0が複数箇所設けてあり、これにインクカートリッジ4
2の最下端からなる位置決め端56が当たるため、イン
ク吸収体53とフィルタ84の接触面積および接触圧を
適切に規制する。
【0045】フィルタ84がインクを吸収して飽和に達
すると、これの下面に接したインクタンク41側のイン
ク吸収体72にインクを伝達する。インクの伝達力はイ
ンクタンク41側のインク吸収体72とインクカートリ
ッジ42側のインク吸収体53の毛細管現象による吸液
力の差に依存するものであり、インクタンク41側のイ
ンク吸収体72がインクカートリッジ42側のインク吸
収体53と同等以上の吸液力を有したものにすること
で、インクタンク42側のインク吸収体72がインクが
飽和して吸液力が減少するまで、インクカートリッジ4
2からインクの供給が続く。
【0046】さらに、インクタンク41側のインク吸収
体72の吸液力をインクカートリッジ42側のそれより
も大きくすることで、インクの移行速度を速くすること
が可能である。本実施形態では、両インク吸収体53,
72に三次元網状構造を有したポリウレタンフォームを
用い、インクカートリッジ42側のものが40ケ/25
mm程度のセル数を有するインク吸収体に対し、インクタ
ンク41側のものに80ケ/25mm程度のセル数を有す
るインク吸収体を用いることで、好適なインク移行速度
が得られた。このインク吸収体53,72に熱焼結タイ
プの例えばポリエチレンである高分子多孔質体を用いる
ことも可能である。
【0047】また、両インク吸収体53,72の間に位
置するフィルタ84は、インクカートリッジ42側のイ
ンク吸収体53からインクタンク41側のインク吸収体
72へとスムーズにインクを伝達させるためにはなるべ
くインク保持力が弱い方が都合良い。本実施形態では平
均気孔径50μmで空孔率40%程度の熱焼結タイプ低
密度ポリエチレンである高分子多孔質体を用いることで
好適な結果が得られた。
【0048】図10はインク吸収体53とインク吸収体
72の三次元網状構造を模式的に示した説明図である。
各インク吸収体53,72における個々のセルは略楕円
形状をしており、それらの長径方向が鉛直方向になるよ
うに設置してある。毛細管力はその長径方向に強く作用
するため、インクは鉛直下方向に移行しやすく、その際
に置換された空気は側方向のセルへと移行しやすくな
る。
【0049】図11(A)〜(C)はインクタンク41
のインク吸収体72にインクが含浸していく様子を模式
的に示した図である。同図中の黒の矢印はインクの流れ
を示し、白抜きの矢印は空気の流れを示す。まず、イン
クカートリッジ42のインク吸収体53からフィルタ8
4を介して伝達されたインクは重力とインク吸収体72
の吸液力が作用して、図11(A)で示すように、鉛直
下方向に含浸していく。図11(B)で示すように、イ
ンクがインク吸収体72の底面に達すると、含浸部が徐
々に拡がり始める。そして、図11(C)で示すよう
に、インクはインク吸収体72中の空気と置換しながら
インク吸収体72の底面から上面側へと含浸していき、
遂にはインク吸収体72の全体がほぼインクで飽和する
に至る。インクにより置換された空気は仕切板66の複
数箇所にある大気連通口82から上方へ流れ、外気へと
排出される。
【0050】インクタンク41のインク吸収体72に含
浸したインクはインク導出口71に接続されたチューブ
43を通じてそれに対応した記録ヘッド40へと供給さ
れる。記録ヘッド40がインクを吐出してインクを消費
すると、それに応じてインクタンク41から記録ヘッド
40へインクが供給され、前述した作用によってインク
カートリッジ42からインクタンク41へとインクが補
給される。
【0051】特に、図10で示したように、インク吸収
体53とインク吸収体72の三次元網状構造における個
々のセルが略楕円形状であり、それらの長径方向が鉛直
方向になるように設置してあるため、毛細管力はその長
径方向に強く作用して、インクが鉛直下方向に移行し易
いと共に、空気は側方向のセルへと移行し易い。さら
に、インク補給口81とインク導出口71とを結ぶ直線
が略鉛直になるように配置してあるため、インク導出口
71の周辺に含まれている空気は側方に移行して、イン
ク補給口81とインク導出口71とを結ぶインク流路に
ある空気は素早くほぼ完全にインクで置換されることに
なる。従って、空気がインク供給系であるチューブ43
や記録ヘッド40に混入することがなくなり、記録ヘッ
ド40は安定したインク吐出が可能になる。
【0052】ところで、インクカートリッジ42をイン
クタンク41に接続して静的に放置した場合にはインク
タンク41のインク吸収体72がインクで飽和して吸液
力がなくなると、それ以上のインクは補給されない。し
かし、キャリッジ4が往復移動する際の振動等の要因に
よって、インクカートリッジ42のインク吸収体53の
インクメニスカスが破壊され、インクタンク41側に過
剰にインクが供給されることがある。
【0053】しかし、この実施形態では過剰インクが一
定量以上になると、それ以上に過剰インクが供給されな
いようになっている。以下に、それの説明を行う。イン
クカートリッジ42およびインクタンク41を搭載した
キャリッジ4は、記録紙に画像を記録するためにガイド
シャフト31,32上を往復移動する。キャリッジ4の
加速停止や移動に伴う振動はインクカートリッジ42の
インク吸収体53に含浸したインクメニスカスを破壊し
てインクがカートリッジ42の外にしみ出す要因とな
る。
【0054】通常、インクタンク41のインク吸収体7
2はインクが含浸して飽和に達しており、インクカート
リッジ42からしみ出したインクはそのインク吸収体7
2に吸収されないため、インク補給口81や大気連通口
82から仕切板66の上部に溢れるに至る。
【0055】ここで、図12で示すように、仕切板66
にはインク補給口81と大気連通口82とを取り囲むよ
うにリブ85が設けられており、溢れ出たインクはその
内側に形成されるインク貯溜池86に溜まる。インク貯
溜池86に貯溜されるインクが一定量に達すると、イン
クカートリッジ42のインク排出口47付近の大気露出
部はそのインク中に浸かり、インクカートリッジ42の
内部は外気と完全に遮断される。インクカートリッジ4
2の内部は大気が導入されなくなり、負圧になるため、
それ以上、インクを排出しなくなる。また、インク貯溜
池86は上部に伸びたリブ85により囲まれているた
め、インクタンク41の外へインクが漏れることがな
く、従って、装置内外を汚すことはない。
【0056】また、インク貯溜池86にあるインクはイ
ンク吸収体72に吸収されていないので、記録ヘッド4
0のノズルのインクメニスカスには正圧が加わるが、こ
の実施形態においては正常なノズルメニスカスを維持で
きる圧力の許容範囲内にあるように、インク貯溜池86
の液面高さと記録ヘッド40の位置関係を決めてある。
よって、記録ヘッド40は常に安定したノズルメニスカ
スが形成されており、安定した記録画像を得ることが出
来る。
【0057】次に、インクカートリッジ42を交換する
場合の作用について説明する。インクカートリッジ42
は収容されたインクを消費してしまうと、新規のインク
カートリッジ42と交換する。加えて、内容量の残って
いる使用途中のインクカートリッジ42を他のインクカ
ートリッジ42と交換する機会も生じる。つまり、小型
プリンター等で少量の記録を行う装置においては、イン
クが無くなるまでインクカートリッジ42を着脱する必
要性は少ないが、夜間運転や無人で多量の記録画像を得
る目的で使用する装置においてはインク残量が少なく、
無人運転途中にインク切れになりうる場合には、予め充
分な容量のインクカートリッジ42と交換する必要性が
生じる。
【0058】ここでは空のインクカートリッジ42の交
換は勿論のこと、使用途中のインクカートリッジ42も
容易に着脱交換出来るように配慮されたものであり、以
下にその際の作用について説明する。インクカートリッ
ジ42を取り外す操作は単にインクカートリッジ42を
鉛直上方向に引き抜くだけで良い。フィルタ84と離さ
れたインクカートリッジ42は先に記述したように、内
部にインクが残っている場合でも、インクはインク吸収
体53に保持されたままであり、インク排出口47から
漏れ出すことはない。また、取り外し途中において、押
圧されていたインクカートリッジ42の側面がインクタ
ンク壁面に設けられた凸部75から外れて、インクカー
トリッジ42の内部体積が増加し、インク吸収体53に
空気を取り入れてバッファ部を形成する。単なるインク
カートリッジ42を引き抜いた場合には、フィルタ84
と離される際にインク吸収体53側につれ移りしたイン
クや、インクカートリッジ42を引き抜いた際の振動等
によりメニスカスが破壊されたインクがインク滴とな
り、数滴落ちることがある。しかし、ここでのインクカ
ートリッジ42ではインク吸収体53に形成されたバッ
ファ部が、それらのインクを吸収するため、インクカー
トリッジ42を抜き取り後にインク滴が落ちることがな
くなり、装置や操作者をインクで汚すことが防止でき
る。
【0059】取り外したインクカートリッジ42はその
インク排出口47にキャップをして保管する。キャップ
を装着することにより、不用意にインクカートリッジ4
2に触れた場合でも、手や衣服をインクで汚すことが防
止できる。また、インク吸収体53が装着されたインク
排出口47が大気導入口を兼ねた構成であり、キャップ
することでインクカートリッジ42の内部は外気と遮断
される。交換された小残量のインクカートリッジ42は
有人運転中や少量の記録を行う目的では十分に使用可能
であるため、再交換されて使用されることになるが、内
部のインクは、キャップにより外気と遮断されて高湿度
下に保たれ、インクの増粘および乾燥が防止され、次回
の使用時にも安定したインク吐出が可能である。
【0060】新規或いは使用途中のインクカートリッジ
42をインクタンク41に装着する場合は、キャップを
外した後、インク排出口47が下になるようにインクタ
ンク41に押し込めば良い。インクタンク41側のイン
ク吸収体72に未飽和部分があれば、吸引等の特別な手
段を用いずとも、重力と吸液力の作用によりインクが補
給される。先に述べたように、インクがインクタンク4
1内を移行する過程で、インク補給口81とインク導出
口71とを結ぶインク流路にある空気は、ほぼ完全にイ
ンクで置換されることになる。従って、インクタンク4
1のインク残量が少なくなり、チューブ43に空気が混
入する前にインクカートリッジ42を交換すれば、記録
ヘッド40に常に安定したインクの供給が可能であり、
インクカートリッジ交換後に吸引操作を行う必要はな
い。
【0061】次に、インクカートリッジ42のインク有
無検知の作用について説明する。インク検出センサ83
は、インクカートリッジ42のインク排出口47と、イ
ンクタンク41のインク補給口81と、インク導出口7
1とを結ぶ略鉛直線上に配置され、フィルタ84の中央
部の孔に嵌合して、そのフィルタ84の上面より1mm程
度突出して、インクカートリッジ42のインク吸収体5
3を押圧している。インク吸収体53はインク検出セン
サ83に押圧されており、弾性的に変形してインク検出
センサ83を包み込み、インク検出センサ83に接触す
る面積を大きくしている。また、インク吸収体53のセ
ンサ接触部周囲はフィルタ84の上面と接触しており、
その中央部周辺をインク供給主流路としている。また、
前述したように、このインク検出センサ83とは別に基
準センサ84が大気中に露出して設置される。
【0062】CPU90から検知開始の信号が与えられ
ると、インク検出センサ83及び基準センサ87に電力
が印加される。両センサ83,87は時間の経過と共
に、発熱量と放熱に応じて温度が上昇していく。ここ
で、両センサ83,87が検出している周囲の雰囲気
が、大気中であるのとインク中であるのとでは放熱によ
って失われる熱量が異なり、インク中にある場合の熱放
熱が大気中の場合の熱放熱よりも大きく、また、センサ
温度の上昇はインク中にある場合の方が大気中にある場
合よりも鈍くなる。
【0063】両センサ83,87は温度上昇に応じて電
気抵抗値が変化する。すると、増幅部88に入力される
電圧が変化し、増幅部88で増幅された両電圧は後段の
比較部89で比較され、CPU90はその比較信号から
インクの有無を判断する。
【0064】このようにインクカートリッジ42のイン
ク吸収体53にインクが含まれている場合にはインクセ
ンサ83と基準センサ87で検出した電圧差が大きくな
り、このとき、インク有りを検知する。反対に、インク
カートリッジ42のインクを消費して、インク吸収体5
3に含まれていたインクが空気と置換されると、両者の
電圧差は小さくなり、インク無しを検知する。
【0065】記録ヘッド40のインク吐出によりインク
カートリッジ42内のインクが消費されてインクカート
リッジ42内のインクがなくなると、インク吸収体に含
浸していたインクは空気と置換された状態になる。しか
し、インクカートリッジ42内にインクがなくなっても
インク吸収体53内のインクは完全に置換されるわけで
なく、複数のセルにはインクが残っている可能性があ
る。そのような場合、残留インクがインク検出センサ8
3付近のインク吸収体53の部分にも存在しやすいが、
このような場合にはインクカートリッジ42内に十分イ
ンクが有るものと誤検知してしまうことになる。
【0066】しかし、図13に示すようにインク吸収体
53のフィルタ接触部分においてはインク吸収体53よ
りも強い吸液力を有するフィルタ84の作用で残留イン
クは他の部分より先に少なくなる。このため、インク検
出センサ83をインク吸収体53のフィルタ接触部分近
傍に配置することにより、インク有無検知の信頼性が高
まる。
【0067】さらに、インクカートリッジ内にインクが
収容されている場合においては、インク検出センサ83
の周囲のインク吸収体53の部分はインク供給主流路と
なり、空気が排除されるため、インク検出センサ83に
よってインクの存在を確実に検知することができる。
【0068】また、インクカートリッジ42のインクを
消費し尽くしてインク無しを検知後に、インクカートリ
ッジ42を交換した場合においては、インクを十分に含
浸したインク吸収体53がインク検出センサ83に直接
接触するため、即座にインク有りを検知することが出来
る。
【0069】インク有無検知は、例えば決められたファ
イル数を出力した後や、決められた時間が経過した後の
ような、所定のタイミングにおいて、キャリッジ4を停
止させて行う。画像記録中のキャリッジ4の加速停止
や、移動に伴う振動は、インク吸収体53に含浸したイ
ンクメニスカスを不安定にする。特にインク吸収体53
のインク検出センサ83及びフィルタ84と接触してい
る界面ではその傾向が顕著であり、インク有無検知の判
定が不確実となる。そこで、キャリッジ停止期間にイン
ク有無検知を行うことにより、常に安定したメニスカス
のインク吸収体53を検出することが可能となり、検知
の信頼性が向上する。
【0070】また一般に、インク検出センサ83に電力
を印加し続けた場合、時間の経過と共に、発熱と放熱が
バランスし、インク検出センサ83の温度も一定に落ち
つく。この時、液中では大気中より熱の失われる量が多
く、低温度でバランスすることになる。ところが、高分
子発泡材等の連続多孔質体に含浸している液中において
は、液間に高分子材が介在して熱伝導率が小さくなり、
放熱量が少なくなる。従って、電力印加直後は大気中の
センサとの出力差が大きく生じるが、時間が経過するに
従い温度差(出力差)は小さくなり、最終的にバランス
する温度は大気中の場合と僅差になってしまう。
【0071】さらに、先に記述したようにインクカート
リッジ内のインクがなくなった場合においても、インク
吸収体53に含まれるインクは完全にはなくなり難く、
インク吸収体の複数のセル内にはインクが残ったままに
なることが多い。そのため、インク検出センサ83と接
触しているインク吸収体53の部分にインクが残ってい
る場合にはインク検出センサ83に電力を印加した直後
は、液中にある場合と同等の温度変化を示す。
【0072】図14はインク吸収体53に含まれたイン
ク量によって、インク検出センサ出力の時間経過による
変化を示した特性図である。同図中の(a)は、インク
吸収体53にインクが全く含まれない場合を示す。
(b)はインク吸収体53にインクが僅かに含まれてい
る場合を示す。(c)はインク吸収体53の全体にイン
クが含まれている場合を示す。
【0073】そこで、本実施形態においては、両センサ
83,84に電力を印加してから所定時間経過後に比較
電圧のサンプリングを行い、サンプリング後は電力印加
を止めるようにしている。そうすることで、インク吸収
体53に含まれているインクが一定量以下の場合におい
ては熱容量が小さいため、電力印加して所定時間経過後
のインクの温度はインク量が十分にある場合よりも高く
なり、判定が容易になる。インクがインク吸収体53に
十分含まれている場合においては大気中の基準センサ8
7との出力差が大きい時点で判定を行い、不必要な加熱
を行わずに冷却期間を設けているため、毎回精度良く検
知が行える。
【0074】インク有無検知の判定結果でインクなしを
検知した場合には操作者にインクカートリッジ交換時期
を知らせる信号を発すると共に、インク消費量のカウン
トを始める、交換時期を知らせる信号は、例えば操作パ
ネル上のLEDランプ等の表示を点灯させることやブザ
ーを鳴らすことで行われる。また、インク消費量のカウ
ントはインクタンク41内のインクが消費されて記録ヘ
ッド40やチューブ43に空気が入り込む前に記録を止
めるために行うものであって、例えば記録ヘッドノズル
の吐出信号を積算していくことや、例えば出力ファイル
数より概略のインク消費量を算出することで行われる。
インク消費量のカウントにより、インクなし検知後、更
に一定量以上のインクが消費されたと判断した場合には
記録途中のファイルを出力した後に装置の記録動作を止
めて待機状態にして、操作者のインクカートリッジ交換
を待つ。インク消費量のカウントを行わずにインクなし
検知直後に装置の記録動作を止めても、出力途中のファ
イルを出力した後に装置の記録動作を止めても良く、記
録ヘッド40やチューブ43に空気が入り込む前に待機
状態にすることで、記録ヘッド内は常にインクが満たさ
れていることになり、安定した記録画像を得ることが出
来る。 <第2の実施形態>前述した実施形態ではインク貯留部
68の内部へゴミ等の異物が入り込むことを防止するこ
となどを目的としてフィルタ84を設けたものである
が、図15で示すように、そのフィルタ84を設けず、
インクカートリッジ42のインク吸収体53とインクタ
ンク41のインク吸収体72同士が直接に接触する構成
にしてもよい。このようにしてもインクの供給は可能で
ある。しかし、両インク吸収体53,72の接触面積や
接触圧を常に一定とすることが難しく、経時的な信頼性
の面からも、両インク吸収体53,72の接触部に熱焼
結タイプ高分子多孔質体や金属メッシュ等の剛体を用い
ることが好ましい。 <第3の実施形態>前記実施形態におけるインクカート
リッジ42の外形状と、窪み部61と案内溝62の位置
関係およびそれらの個数は本実施形態に限ったものでは
なく、他のインクカートリッジ42の形状に応用しても
良いし、窪み部61や案内溝62を2個以上設けてもよ
い。
【0075】図16はインクカートリッジ着脱用の窪み
部61を側面に配置したものである。インクカートリッ
ジ保持部69にはその窪み部61同志が向き合うように
配置され、抜き取り用の空間91が形成される。
【0076】図17は外径を円筒形状としたインクカー
トリッジ42の例であり、その円周外面に窪み部61と
案内溝62を2個づつ設けたものである。勿論、窪み部
61と案内溝62のの相対位置が各インクカートリッジ
42ごとで異なっており、インクカートリッジ保持部6
9に誤装着されることはない。各インクカートリッジ4
2の窪み部61が向き合うようにインクカートリッジ保
持部69に装着されるようになっている。向き合う窪み
部61によって抜き取り用の空間を形成するようになっ
ている。 [付記] 1.インクジェット記録装置のインク吐出ヘッドに供す
るインクを収容し、インクジェット記録装置に着脱可能
なインク容器において、このインク容器は、唯一の実質
的な開口であるインク排出口を備え、このインク排出口
にはこれを塞ぐインク吸収体を装着したことを特徴とす
るインクジェット記録装置用インク容器。これによる
と、インク容器のインク排出口にインク吸収体を装着し
たことにより、インク排出口を下方に向けてもインクの
漏れ出しがなくなる。この結果、インクジェット記録装
置や操作者をインクで汚すことを防止でき、また、イン
ク容器の取扱、及びインク容器の装着作業が簡便にな
る。
【0077】2.インク吐出ヘッドと、このインク吐出
ヘッドに供するインクを貯留するインクタンクと、この
インクタンクに供するためのインクを収容し、インクタ
ンクに着脱可能なインク容器を備えたインクジェット記
録装置において、前記インク容器は、唯一の実質的な開
口であるインク排出口を有し、このインク排出口にはこ
れを塞ぐ第1のインク吸収体を装着してなり、前記イン
クタンクは、タンク匡体と、これの内部に装填され前記
第1のインク吸収体と同等またはそれ以上に強いインク
吸液力を有した第2のインク吸収体と、この第2のイン
ク吸収体に前記インク容器から前記第1のインク吸収体
を通じてインクの補給を受けるインク補給口と、前記第
2のインク吸収体からのインクを前記インク吐出ヘッド
に供するインク導出口と、前記第1のインク吸収体及び
第2のインク吸収体の少なくとも一方の一部を大気に連
通させる大気連通路とを備えてなることを特徴とするイ
ンクジェット記録装置のインク補給装置。前記インク容
器は、第1のインク吸収体の一部が前記インク補給口に
接触し、前記第1のインク吸収体及び第2のインク吸収
体の少なくとも一方の一部が外気に露出する位置でイン
クタンクに装着されることにより、両インク吸収体の吸
液力差と重力作用によってインクタンクにインクが補給
される。このため、インク容器の交換において吸引等の
特別な操作が不要になり、また、インク容器交換に伴う
廃インクが生じなくなる。
【0078】3.前記インク吸収体は三次元網状構造の
連続多孔質体で形成したことを特徴とする付記第1、2
項に記載のインクジェット記録装置用インク容器及びイ
ンクジェット記録装置のインク補給装置。 4.前記インクタンクのインク補給口とインク導出口と
を結ぶ、例えば鉛直線上に前記第2のインク吸収体の毛
細管力が強く作用する方向を配置したことを特徴とする
付記第2項に記載のインクジェット記録装置のインク補
給装置。これによれば、インクタンク内でインクが移行
する過程でインク導出口付近の空気がスムーズに側方へ
排除され、記録ヘッド側に空気が供給されることを極力
防止することができる。例えば記録ヘッドやチューブ側
に空気が供給されることなく、従って、安定したインク
吐出が可能になる。
【0079】5.前記インクタンクのタンク匡体はイン
ク容器の側面と契合する壁面を備え、該壁面の一部にイ
ンク容器の側面を押圧する突起部を有したことを特徴と
する付記第2項に記載のインクジェット記録装置のイン
ク補給装置。前記インクタンクの壁面に突起部を設ける
ことにより、インク容器の装着時にインク容器の側面を
押し潰してインク容器の内容積を減少させ、インクを排
出し、インク容器のインク排出口に装着されたインク吸
収体に含まれた空気が取り除かれる。このため、インク
容器からインクタンクへのインク供給が確実に行える。
【0080】6.前記インクタンクのインク補給口の周
囲には、インク溜りを形成すべく前記インク補給口を取
り囲むリブを有し、前記リブの上端が前記インク補給口
及びインク容器の第1のインク吸収体の外部露出部より
も鉛直上方に位置することを特徴とする付記第2項に記
載のインクジェット記録装置のインク補給装置。前記イ
ンクタンクのインク補給口周囲を取り囲むリブを設ける
ことによりインク溜りを形成したから、インク容器から
インクタンクへ過剰にインクが供給された場合、インク
容器内部が外気と遮断されてインクの供給が止まるた
め、インク過供給によるインク吐出不良や装置内外の汚
れが防止できる。
【0081】7.前記インクタンクの大気連通路は、前
記インクタンクのリブに囲まれた内側の領域でかつ前記
リブの上端よりも鉛直下方に配設されることを特徴とす
る付記第2項に記載のインクジェット記録装置のインク
補給装置。大気連通路をリブに囲まれた内側に配設する
ことにより、その大気連通路から染み出るインクによる
装置汚れが防止される。
【0082】8.吸収力の弱い第1のインク吸収体から
吸収力の強い第2のインク吸収体にインクを補給するイ
ンク補給装置であって、第1のインク吸収体の一部を第
2のインク吸収体に接触させて配置し、その接触部に第
1のインク吸収体内のインクの有無を検知する手段を設
けたことを特徴とするインク補給装置。この場合、第1
のインク吸収体を高密度インク吸収体とし、第2のイン
ク吸収体を低密度インク吸収体としてもよい。インク有
無検知手段を高密度インク吸収体と低密度インク吸収体
の接触部に設ければ、低密度インク吸収体のインクがな
くなる場合、インク吸収体の検知手段近傍部分に残留す
るインクが先に少なくなる。従って、インク有無検知手
段による検出が即座に行われる。
【0083】9.前記吸収力の弱い第1のインク吸収体
がインク容器側にあり、吸収力の強い第2のインク吸収
体が記録装置本体側に設けられていることを特徴とする
付記第8項に記載のインク補給装置。高密度インク吸収
体を記録装置本体側に、低密度インク吸収体をインク容
器側に設けたことにより、インク容器交換の際には、即
座にインク有無検知手段にインクが達する。低密度イン
ク吸収体をインク容器側に設けたことにより、インク容
器交換の際には、即座にインク検知が可能になる。
【0084】10.前記インク有無検知手段のセンサは
サーミスタであることを特徴とする付記第8項に記載の
インク補給装置。インク有無検知センサをサーミスタに
することにより、熱によるインク検知が行える。これに
よれば、電気絶縁性の高いインクにおいても確実なイン
ク残量検知が可能である。
【0085】11.前記インク有無検知手段の検知部が
第1のインク吸収体側へ突き出して接触した位置に保持
されてなることを特徴とする付記第8,9,10項に記
載のインク補給装置。インク有無検知手段が低密度イン
ク吸収体側へ突出した位置に保持して、インク有無検知
手段を低密度インク吸収体に被うことにより、迅速なイ
ンク有無検知が可能になる。
【0086】12.インク有無検知手段の検知動作はキ
ャリッジの停止期間中に行い、キャリッジの移動動作期
間中はインク有無検知センサに電力を与えないことを特
徴とする付記第8,9,10,11項に記載のインク補
給装置を用いたインクジェット装置。インク有無検知は
キャリッジ停止期間中に行い、キャリッジ移動動作期間
中はインク無し検知センサに電力を与えないことによ
り、インクなし検知時のインク吸収体は、常に安定した
インクメニスカスになる。また、キャリッジ停止期間中
の安定したメニスカスのインク吸収体を検知するため、
信頼性の高いインク検知が行える。
【0087】13.少なくとも2つ以上の異なる色のイ
ンクを収容した着脱可能なインク容器と、各インク容器
の外形に契合してインク容器を収容するホルダとを備え
たインクジェット装置において、前記インク容器は、着
脱方向に設けた抜取り用の窪み部と案内溝を有し、前記
ホルダは該窪み部と案内溝にそれぞれ嵌合する複数の突
起部を有し、該窪み部と案内溝の相対位置を色毎に違え
た配置にすることを特徴とするインクジェット装置。複
数のインク容器とホルダとにおいてインク容器に抜き取
り用の窪み部と案内溝と、インクタンクに窪み部と案内
溝に嵌合する突起部を備え、窪み部と案内溝の相対位置
をインク容器毎に違えた配置にすることによって、同一
組み合わせのインク容器とホルダ以外は装着不可能にな
る。インク容器に抜き取り用窪み部を設けることで、複
数のインク容器を密着した設置が可能であり、装置の小
型化が可能になる。また、同一組み合わせのインク容器
とホルダ以外は装着不可能にすることで、インクの混色
が防止できる。
【0088】14.隣り合うインク容器窪み部によっ
て、抜取り用の空間が形成されることを特徴とする付記
第13項に記載のインクジェット装置。複数のインク容
器窪み部によって抜取り用の空間が形成されることによ
り、インク容器単体の抜取り用窪み部で減少されるイン
ク内容量が少なくなる。複数のインク容器窪み部によっ
て抜取り用の空間が形成されることで、窪み部によるイ
ンク収容量減少分が少なくなり、インク容器外形が小さ
くなり、装置の小型化が可能になる。
【0089】15.インク容器は略方形のボトル形状で
あって、抜取り用の窪み部をインク容器のコーナー部に
設けたことを特徴とする付記第13,14項に記載のイ
ンクジェット装置。抜取り用の窪み部をインク容器のコ
ーナー部に設けたことにより、操作者は剛性の強いコー
ナー部を使用してインク容器着脱を行うよう促される。
操作者コーナー部を使用してインク容器着脱を行うよう
促すことで、着脱時のインク漏れを防止でき、装置や操
作者を汚すことが防止できる。
【0090】16.キャリッジに、鉛直方向に配置した
複数のインク吐出ヘッドと、各インク吐出ヘッドにイン
クを供するインクを貯留する複数のインクタンクと、各
インクタンクに供するインクを収容する着脱可能な複数
のインク容器とを搭載し、前記インクタンクとインク容
器を複数列に配置すると共に、それらの配置高さを変
え、かつ高位置に配置されたインクタンクとインク容器
が鉛直上方に配置されたインク吐出ヘッドにインクを供
する対応関係を有するものであることを特徴とするイン
クジェット装置。各インク吐出ヘッドに対するインクタ
ンクとインク容器の高さをほぼ等しくすることで、ノズ
ルメニスカスに加わる圧力が各ヘッドでほぼ等しくな
る。各インク吐出ヘッドに対するインクタンクとインク
容器の高さをほぼ等しくすることで、ノズルメニスカス
に加わる圧力が各ヘッドでほぼ等しくなり、安定したイ
ンク吐出が可能になる。
【0091】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、イ
ンク容器を交換した際の吐出回復の操作が格別必要でな
く、かつ廃インク量を減少させることができ、しかも、
インク容器の取扱性の優れたインクジェット記録装置用
インク容器及びインク補給装置を提供することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態のインクジェットプリ
ンタ装置の全体構成の説明図。
【図2】同じくそのインクジェットプリンタ装置の斜視
図。
【図3】同じくそのインクジェットプリンタ装置のイン
クタンクにインクカートリッジを装着した配置状態を示
すインク供給ユニットの斜視図。
【図4】同じくそのインクジェットプリンタ装置におけ
るインクカートリッジの一部破断して示す斜視図。
【図5】同じくそのインクジェットプリンタ装置におけ
るインクタンクの一部破断して示す斜視図。
【図6】同じくそのインクジェットプリンタ装置におけ
るインクタンクの断面図。
【図7】同じくそのインクジェットプリンタ装置におけ
るインクタンクの構成を示す平面図。
【図8】同じくそのインクジェットプリンタ装置におけ
るインクタンクにインクカートリッジを装着した状態で
の断面図。
【図9】同じくそのインクジェットプリンタ装置におけ
るインク有無検知回路のブロック図。
【図10】同じくそのインクジェットプリンタ装置にお
けるインク吸収体構造を説明する模式図。
【図11】同じくそのインクジェットプリンタ装置にお
けるインクタンクにインクが含浸していく様子の説明
図。
【図12】同じくそのインクジェットプリンタ装置にお
けるインク溜まりの部分を示すためのインクカートリッ
ジ接続部の拡大図。
【図13】同じくそのインクジェットプリンタ装置にお
けるインク有無検知回路におけるフィルタ接触部分の説
明図。
【図14】同じくそのインクジェットプリンタ装置にお
けるインクセンサ出力の時間経過による変化を表したグ
ラフ。
【図15】本発明の第2の実施形態のインクジェットプ
リンタ装置におけるインクタンクの構成を示す断面図。
【図16】本発明の第3の実施形態のインクカートリッ
ジの説明図。
【図17】本発明の第3の実施形態のインクカートリッ
ジの説明図。
【符号の説明】
4…キャリッジ、5…インク供給ユニット、40…記録
ヘッド、41…インクタンク、42…インクカートリッ
ジ、47…インク排出口、53…インク吸収体、61…
窪み部、62…案内溝、63…凹部、68…インク貯留
部、71…インク導出口、81…インク補給口、82…
大気連通口、83…インク検出センサ、84…フィル
タ、85…リブ、87…基準センサ、90…CPU。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】インクジェット記録装置のインク吐出ヘッ
    ドに供するインクを収容し、インクジェット記録装置に
    着脱可能なインク容器において、 このインク容器は、唯一の実質的な開口であるインク排
    出口を備え、このインク排出口にはこれを塞ぐインク吸
    収体を装着したことを特徴とするインクジェット記録装
    置用インク容器。
  2. 【請求項2】インク吐出ヘッドと、このインク吐出ヘッ
    ドに供するインクを貯留するインクタンクと、このイン
    クタンクに供するためのインクを収容し、インクタンク
    に着脱可能なインク容器を備えたインクジェット記録装
    置において、 前記インク容器は、唯一の実質的な開口であるインク排
    出口を有し、このインク排出口にはこれを塞ぐ第1のイ
    ンク吸収体を装着してなり、 前記インクタンクは、タンク匡体と、これの内部に装填
    され前記第1のインク吸収体と同等またはそれ以上に強
    いインク吸液力を有した第2のインク吸収体と、この第
    2のインク吸収体に前記インク容器から前記第1のイン
    ク吸収体を通じてインクの補給を受けるインク補給口
    と、前記第2のインク吸収体からのインクを前記インク
    吐出ヘッドに供するインク導出口と、前記第1のインク
    吸収体及び第2のインク吸収体の少なくとも一方の一部
    を大気に連通させる大気連通路とを備えてなることを特
    徴とするインクジェット記録装置のインク補給装置。
  3. 【請求項3】インク吐出ヘッドに供するインクを貯留す
    るインクタンクと、このインクタンクに供するためのイ
    ンクを収容したインク容器を備えたインクジェット記録
    装置のインク補給装置において、 前記インク容器側に吸収力の弱い第1のインク吸収体を
    設け、前記インクタンク側に第1のインク吸収体より吸
    収力の強い第2のインク吸収体を設け、第1のインク吸
    収体から第2のインク吸収体を通じてインク容器から前
    記インクタンクにインクを補給するインクジェット記録
    装置のインク補給装置。
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