JPH09199885A - 電波暗室 - Google Patents

電波暗室

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JPH09199885A
JPH09199885A JP2170096A JP2170096A JPH09199885A JP H09199885 A JPH09199885 A JP H09199885A JP 2170096 A JP2170096 A JP 2170096A JP 2170096 A JP2170096 A JP 2170096A JP H09199885 A JPH09199885 A JP H09199885A
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JP
Japan
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electromagnetic wave
rope
wave absorber
anechoic chamber
dielectric
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JP2170096A
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Nobuyuki Ono
信幸 小野
Saizo Nagatomo
才三 永友
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Original Assignee
TDK Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 電磁波シールド特性を損なうことなく電磁波
シールド材に電波吸収体を取り付け可能とし、高い周波
数領域での電磁波の反射の問題を解消し、併せて、電波
吸収体の落下防止を図る。 【解決手段】 電磁波シールド材1で室全体を覆い、電
波吸収体2を室内側に設置する構造を持ち、前記電磁波
シールド材1の室内面に複数個の綱取付金具4を溶接
し、それらの綱取付金具4に支持された非導電性の綱3
により、前記室内面の少なくとも天井部分に前記電波吸
収体2を配設した構成である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、アンテナ試験、電
子機器のEMC試験等に使用する電波暗室(電磁波遮蔽
室)に係り、特に室全体に電磁波シールドを施し誘電体
型電波吸収体や誘電体型電波吸収体とフェライトとの組
み合わせによる電波吸収体(以下、複合型電波吸収体と
いう)を電磁波シールド材上に配設してなる電波暗室に
関する。
【0002】
【従来の技術】従来は、角錐又は円錐状等の誘電体にカ
ーボン粉末を混合した誘電体型電波吸収体や、誘電体型
電波吸収体とフェライトとを組み合わせた複合型電波吸
収体を電磁波シールド材上に配設する方法として、接着
剤を用いて現場で貼付施工する方法が一般的に採用され
ていた。また、電波吸収体を接着剤で貼付施工し、さら
に合成樹脂製の網(あみ)で電波吸収体表面を覆う構造
のものもあった。
【0003】それに対し本件出願人提案の特開平2−3
5797号において、フェライトを電波到来方向の最表
面に設け、その背面全体に誘電体を積層する電波吸収体
を用いた電波暗室が開示されているが、この誘電体層の
電磁波シールド材への取り付け構造として、溶着金物を
使用する構造が実開平7−42198号に示されてお
り、螺子(ねじ)を使用する構造は特開平7−2498
89号に示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、誘電体型電
波吸収体や誘電体型電波吸収体とフェライトとの組み合
わせによる複合型電波吸収体を、電磁波シールド材上に
配置した電波暗室を構成する場合、以下に述べる問題点
がある。
【0005】(1) 上記電波吸収体を電磁波シールド材
に取り付ける際に信頼性の高い接着剤、例えばエポキシ
系接着剤を用いても、現場での接着剤の取り扱いの不備
や耐久性の点で、電波吸収体と電磁波シールド材の間、
複合型電波吸収体ではフェライトと誘電体型電波吸収体
の間で剥離が生じ、電波吸収体の落下事故等の問題を生
じる恐れがある。特に天井面の落下事故については問題
が大きい。
【0006】(2) 誘電体型電波吸収体の取り付けの際
に、接着剤が硬化するまでの時間誘電体を支持する必要
があり、現場での施工に手間が掛かる問題がある。
【0007】(3) 電波吸収体の落下事故に対応する
為、合成樹脂製等の網(あみ)で、例えば天井面の誘電
体型電波吸収体を覆う構造の場合に、網の目開きと電波
吸収体の形状の関係から網は電波吸収体の室内側表面を
覆う構造となり、高い周波数(例えば10GHz以上)
でこの網の電磁波の反射を生じて試験に障害を与える恐
れがある。
【0008】(4) 上記(3)項の網を支える為の金具等を
取り付けようとした場合に、電磁波シールド材を貫通す
る箇所のシールド処理が複雑になったり、このシールド
処理が不完全であると電波漏洩を生じ、電磁波シールド
の効果を著しく損ねる恐れがある。
【0009】(5) 本件出願人の提案例(実開平7−4
2198号、特開平7−249889号)は、電磁波シ
ールド材が一重の場合も二重の場合も螺子で平板状の誘
電体板を固定するもので、角錐、円錐状部分等を持つ立
体的な誘電体型電波吸収体を固着するには螺子の長さを
その都度合わせなければならず適用困難である。
【0010】本発明は、上記の点に鑑み、電磁波シール
ド特性を損なうことなく電磁波シールド材に電波吸収体
を取り付けることが可能で、高い周波数領域でも電磁波
の反射の問題が少ない、電波吸収体の落下防止対策をし
た電波暗室を提供することを目的とする。
【0011】本発明のその他の目的や新規な特徴は後述
の実施の形態において明らかにする。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明に係る第1の電波暗室は、電磁波シールド材
で室全体を覆い、電波吸収体を室内側に設置した構造を
有し、さらに前記電磁波シールド材の室内面に金物を溶
接し、該金物に支持された非導電性綱により、前記室内
面の少なくとも天井部分に前記電波吸収体を配設した構
成としている。
【0013】また、本発明に係る第2の電波暗室は、パ
ネル芯材の両面にそれぞれ導体板を設けてなる二重シー
ルドパネルで電磁波シールド材を構成し、該二重シール
ドパネルで室全体を覆い、電波吸収体を室内側に設置し
た構造を有し、さらに前記二重シールドパネルの室内側
の導体板は貫通するが反対側の導体板は貫通しないよう
に当該二重シールドパネルに金物を取り付け、該金物に
支持された非導電性綱により、前記室内面の少なくとも
天井部分に前記電波吸収体を配設した構成としている。
【0014】本発明に係る第3の電波暗室は、電磁波シ
ールド材で室全体を覆い、電波吸収体を室内側に設置し
た構造を有し、さらに前記電磁波シールド材の室内面に
金物を溶接し、前記室内面の少なくとも天井部分に配設
された前記電波吸収体の室内側に沿わせて前記金物で支
持された非導電性綱を張架した構成としている。
【0015】本発明に係る第4の電波暗室は、パネル芯
材の両面にそれぞれ導体板を設けてなる二重シールドパ
ネルで電磁波シールド材を構成し、該二重シールドパネ
ルで室全体を覆い、電波吸収体を室内側に設置した構造
を有し、さらに前記二重シールドパネルの室内側の導体
板は貫通するが反対側の導体板は貫通しないように当該
二重シールドパネルに金物を取り付け、前記室内面の少
なくとも天井部分に配設された前記電波吸収体の室内側
に沿わせて前記金物で支持された非導電性綱を張架した
構成としている。
【0016】上記第1乃至第4の電波暗室において、前
記非導電性綱が前記電波吸収体の谷部分を通過して張架
されるようにするとよい。
【0017】また、上記第1乃至第4の電波暗室におい
て、前記非導電性綱が、前記金物に支持されている親綱
と、該親綱に結び付けられた子綱とにより構成されてい
てもよい。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る電波暗室の実
施の形態を図面に従って説明する。
【0019】図1乃至図4で本発明の第1の実施の形態
を説明する。図1は第1の実施の形態の電波暗室の断面
図を示し、図2は綱(つな)により誘電体型電波吸収体
を電磁波シールド材に取り付けた状態を室内側から見た
正面図であり、図3は綱を固定するための金物としての
綱取付金具を電磁波シールド材に取り付ける様子を示す
説明図であり、図4は金具に綱を取り付けたときの拡大
図を示す。なお、図1及び図2は第1の実施の形態の構
造を解り易くするために、綱取付金具を大きく図示し、
これに伴い誘電体型電波吸収体の隙間を大きく図示して
あるが、実際の施工においては各誘電体型電波吸収体の
隙間は十分小さくすることが可能である。
【0020】これらの図において、1は電磁波シールド
材であり、図3、図4の如く溶接ボルト4aを溶接して
も、溶断等しないような材料として1.6mm厚以上の鉄
板等を用いている。2は誘電体型電波吸収体で、発泡体
としての発泡ポリエチレンにオーム損失体としてのカー
ボン粉末を分散させた材質のもので、底部2aとなる誘
電体部分と複数個の角錐形の山部2bとなる誘電体部分
とから構成されている。綱(ロープ)3は非導電性(非
金属製)材質であり、例えば太さ6mmのビニロン合繊三
つ打ち綱を使用している。図4に拡大して示すように、
綱取付金具4は電磁波シールド材1の室内面に溶接(溶
着)される溶接ボルト4aとこれに螺着されるアイナッ
ト(穴あきナット)4cとの組み合わせであり、電磁波
シールド材1の室内面の天井部分等の必要個所に設ける
ものである。
【0021】前記誘電体型電波吸収体2の取り付けに先
立って、図3に示すように、電磁波シールド材1の室内
面にスタッド溶接機(小物金具の溶接に適したコンデン
サ放電式溶接機)5で図1、図2に示した綱3を取り付
けるための金物としての溶接ボルト(雄螺子)4aを溶
接する。すなわち、電磁波シールド材1をアース線6で
溶接機5のアース側に接続しておき、溶接前において底
部に溶接用小突起4bを有する溶接ボルト4aを、電源
線路7で溶接機5に接続された溶接ガン本体8のチャッ
ク9で保持して電磁波シールド材1に前記溶接用小突起
4bを押し当てる。この状態で溶接ガン本体8の引き金
10を引くと、溶接機5内のコンデンサに蓄積された電
気が瞬時に放電して溶接用小突起4bと電磁波シールド
材1の間にアークを発生させ、溶接ボルト4a底部と電
磁波シールド材1とを溶接で短時間で固着することがで
きる。このような、溶接ボルト4aの電磁波シールド材
1への溶着は、電磁波シールド材1の室内面の天井部分
等の必要箇所に必要個数設ける。
【0022】そして、図4のように、電磁波シールド材
1に溶接した各溶接ボルト4aにアイナット4cをそれ
ぞれ取り付けて綱取付金具4を構成し、該綱取付金具4
を利用して綱3による誘電体型電波吸収体2の取り付け
を行う。
【0023】非導電性の綱3による誘電体型電波吸収体
2の取り付けは、まず綱3の一端部を一方の綱取付金具
4のアイナット4cの穴に図4の如く通して結び付けて
固定し、図1及び図2のように綱3を誘電体型電波吸収
体2の谷部分2c(山部2bと山部2bの間)を通して
綱3の他端部を他方の綱取付金具4のアイナット4cの
穴に通して結び付け固定することで行う。図2では、角
錐形の山部2bを4行、4列(合計16個)有する1個
の誘電体型電波吸収体2に対して2本の綱3を使用して
取り付けた状態を示している。この綱3による誘電体型
電波吸収体2の電磁波シールド材1の室内面への取り付
けを、少なくとも天井部分について実施する。電磁波シ
ールド材1の室内面の側壁部分への取り付けも同様に綱
3を用いて行うことができる。
【0024】前記綱3による誘電体型電波吸収体2の取
り付けは、1本の綱3が複数個の誘電体型電波吸収体2
にわたって張架されてそれらを押さえるようにしても差
し支えない。
【0025】なお、電磁波シールド材1は、電磁波の漏
洩、侵入を阻止する電磁波シールド機能を有する材質で
あり、例えば亜鉛メッキ鋼板、その他の鋼板、ステンレ
ス鋼板の他、銅板、黄銅板、アルミ板等であってもよ
く、取り付け金物を溶接で固着可能な材質であればよい
(鋼材のように磁気シールド効果のある電磁波シールド
材であっても、銅、黄銅、アルミ等の非磁性材の電気シ
ールド材であってもよい。)。
【0026】この第1の実施の形態によれば、次の通り
の効果を得ることができる。
【0027】(1) この第1の実施の形態の電波暗室で
は、接着剤のみで誘電体型電波吸収体2を電磁波シール
ド材1に取り付ける代わりに、電磁波シールド材1の室
内面の天井部分を含む必要個所に取り付け金物としての
綱取付金具4を固定し、この綱取付金具4に非導電性の
綱3を取り付け、この綱3を誘電体型電波吸収体2の室
内側に沿わせて張架することで当該誘電体型電波吸収体
2を天井部分等に配設、固定することができ、誘電体型
電波吸収体2の天井部分等への取り付けを迅速かつ確実
に実行できる。
【0028】(2) 誘電体型電波吸収体2の室内側に沿
わせて綱3を張架し、かつ綱3の両端を電磁波シールド
材1に溶接された溶接ボルト4a及びこれに螺着された
アイナット4cからなる綱取付金具4に固定しているた
め、誘電体型電波吸収体2の天井部分等からの落下事故
を確実に防止できる。また、接着剤による誘電体型電波
吸収体2の接着構造に比べて格段に引っ張り強度等の信
頼性が高い。
【0029】(3) 電磁波シールド材1に溶接ボルト4
aを溶着し、これにアイナット4cを螺着する綱取付金
具4の構造であり、綱取付金具4は電磁波シールド材1
を貫通しないので、電磁波シールド材1のシールド性能
を損なうことなく綱取付金具4を取り付けているため、
電波の漏洩による問題は生じない。
【0030】(4) 多数の角錐部分を有する誘電体型電
波吸収体2の谷部分2cに綱(つな)3を通して固定す
るため、この綱3は誘電体型電波吸収体2の室内側の表
面となる構造にはならず、従来例の電波吸収体を網(あ
み)で覆った構造の如く網の目開きと電波吸収体の形状
の関係から、網が電波吸収体の室内側表面を覆う構造と
なって電磁波の反射を生じる不都合も無い。特に、高い
周波数領域では綱3を谷部分2cを通すことが電磁波反
射対策のために有効である。
【0031】図5は本発明の第2の実施の形態を示す。
この場合の電磁波シールド材には二重シールドパネル1
2を用いている。この二重シールドパネル12は、パネ
ル芯材12bの室内側に一重目のシールド材12aとな
る導体板を、室外側に二重目のシールド材12cとなる
導体板をそれぞれ固着一体化したいわゆるサンドイッチ
タイプのものであり、一重目と二重目のシールド材12
a,12cとは一定間隔を成している。パネル芯材12
bは、木材をチップ化し圧縮成形したいわゆるパーチク
ルボードを用いているが、段ボール等のロールコア、発
泡体の発泡ポリスチロール、発泡ポリウレタン等の芯材
であってもよい。シールド材12a,12cとなる導体
板は鉄板に亜鉛メッキを施したいわゆる亜鉛鉄板を用い
ている。
【0032】前記二重シールドパネル12は、鋼製の平
板金物13a,鋼製の締め付け金物13c及び鋼製の皿
ビス13bによって相互に連結固定され、かつ電磁波シ
ールドが維持できるようにシールド接続されている。こ
の二重シールドパネル12のシールド材12a,12c
は通常0.6mm厚の亜鉛メッキ鋼板で構成されており、
前述した第1の実施の形態で示した溶接による金物取付
構造は適用困難である。
【0033】そこで、図5に示すように、誘電体型電波
吸収体2の保持用の綱3を支持するための金物として、
鋼製のアイ形状の頭を持つ穴あき頭部付き螺子14を用
いる。この穴あき頭部付き螺子14の螺子本体部分14
aは二重シールドパネル12の室内側の一重目のシール
ド材12aは貫通できるが、室内側から見て外側になる
二重目のシールド材12cは貫通しない長さ寸法に設定
されている。この穴あき頭部付き螺子14に第1の実施
の形態で示したのと同様のビニロン合繊三つ打ち太さ6
mmの綱3を取り付け、誘電体型電波吸収体2の谷部分2
cを通るようにして誘電体型電波吸収体2を電磁波シー
ルド材の室内面(すなわちシールド材12aの室内面)
の天井部分等に配設するのは第1の実施の形態と同様で
ある。
【0034】図5では、前記綱3及び螺子14で誘電体
型電波吸収体2を電磁波シールド材としての二重シール
ドパネル12室内側に取り付けると同時に、エポキシ樹
脂系接着剤15でも二重シールドパネル12に取り付け
ている様子を示す。特に二重シールドパネル12の芯材
12bがロールコアや発泡体で螺子14の引き抜き強度
等が余り期待できないときは、接着剤併用の取り付けが
必要となる。
【0035】この第2の実施の形態によれば、前述の第
1の実施の形態に示した溶接金物を直接溶接できないよ
うな薄いシールド材を用いた二重シールドパネル12に
対しても、誘電体型電波吸収体2を設置する際の綱の固
定用金具を電磁波シールド性能を損なうことなく取り付
け可能である。その他の作用効果は前述した第1の実施
の形態と同様である。
【0036】なお、二重シールドパネル12を相互に連
結するための鋼製締め付け金具(平板金物13a、皿ビ
ス13b、締め付け金物13c)は、一般に二重シール
ドパネル12のシールド材12a,12cよりも厚い部
材が使用されているので、この鋼製締め付け金具に第1
の実施の形態で用いた溶接ボルト4aを溶接することも
可能である。このとき誘電体型電波吸収体2の取り付け
は第1の実施の形態と同様となる。
【0037】図6及び図7は本発明の第3の実施の形態
を示す。これらの図において、非導電性の親綱16aは
9mmの太さのビニロン合繊三つ打ち綱であり、非導電性
の子綱16bは6mmのビニロン合繊三つ打ち綱であり、
親綱16a同士を連結するように結び付けられている。
そして、親綱16aだけが電磁波シールド材1に取り付
けられた図4に示す如き溶接ボルト4a及びアイナット
4cからなる綱取付金具4により支持されており、子綱
16bは親綱16aを介して電磁波シールド材1に支持
されることになる。子綱16bを誘電体型電波吸収体2
の谷部分2cを通しているのは、第1及び第2の実施の
形態と同様であり、第1の実施の形態と同一又は相当部
分は同一符号を付して説明を省略する。
【0038】この第3の実施の形態は、誘電体型電波吸
収体一個一個を金具及び綱で電磁波シールド材に取り付
けるのに比べ数個まとめて取り付けるので、さらに取り
付け時間が少なくなる。また、電磁波シールド材に取り
付ける金具の数を減らすことも可能である。なお、その
他の作用効果は前述の第1の実施の形態と同様である。
【0039】図8は本発明の第4の実施の形態を示す。
この第4の実施の形態では、電磁波シールド材1の室内
面に、誘電体型電波吸収体2と磁性体としてのフェライ
ト板(フェライトタイル)20とを組み合わせた複層電
波吸収体を配置した場合を示している。
【0040】図8において、第1の実施の形態と同様に
して溶接ボルトを電磁波シールド材1の室内面の天井部
分等の必要個所に溶着し、各溶接ボルトにアイナットを
螺着して綱取付金具4を構成しておく。そして、綱取付
金具4の部分を除きフェライト板20をエポキシ樹脂系
接着剤を用いて全面的に貼り付ける。その後、第1の実
施の形態と同様にして、非導電性の綱3を綱取付金具4
に固定支持するとともに誘電体型電波吸収体2の谷部分
2cを通して張架することで天井部分等に誘電体型電波
吸収体2を取り付ける。なお、第1の実施の形態と同一
又は相当部分は同一符号を付して説明を省略する。
【0041】この第4の実施の形態によれば、第1の実
施の形態の作用効果に加え、誘電体型電波吸収体2とフ
ェライト板20とを組み合わせた複層電波吸収体を用い
ることで電波暗室として要求される多様な電波吸収特性
を実現できる利点がある。
【0042】なお、第1乃至第4の実施の形態におい
て、誘電体型電波吸収体2は角錐形の山部2bを持つも
のとして説明したが、円錐形の山部を持つ場合もあり、
さらには図9のように底部2aとなる誘電体と複数個の
ウエッジ形状の山部2dとなる誘電体とを有する誘電体
型電波吸収体等を用いる場合もある。
【0043】また、第1乃至第4の実施の形態におい
て、誘電体型電波吸収体2の材質として、発泡ポリエチ
レンにカーボン粉末を分散させたタイプのものについて
説明したが、発泡ポリスチロールや発泡ポリウレタン等
の発泡体にカーボン粉末等のオーム損失体をコーティン
グしたタイプの誘電体型電波吸収体を用いることができ
る。
【0044】さらに、これらのタイプの誘電体型電波吸
収体とフェライトのような磁性体との組み合わせから成
る複合型電波吸収体についても同様に実施可能である。
【0045】また、綱を誘電体型電波吸収体の製造段階
で予め取り付けたり、又は一体に成型しておく等の手段
も可能である。
【0046】さらに、各々の実施の形態において、伸縮
性のある綱(ロープ)の使用も可能であり、綱と金具
間、綱中間に伸縮性部材を介在させて綱の弛みを防止す
ることも可能である。
【0047】なお、第1及び第3の実施の形態におい
て、誘電体型電波吸収体の電磁波シールド材への取り付
けに接着剤を併用することも可能である。また、第4の
実施の形態においても誘電体型電波吸収体のフェライト
板20上への取り付けに接着剤を併用してもよい。
【0048】以上本発明の実施の形態について説明して
きたが、本発明はこれに限定されることなく請求項の記
載の範囲内において各種の変形、変更が可能なことは当
業者には自明であろう。
【0049】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の電波暗室
は、電磁波シールド材の室内面に電波吸収体を配設した
構造を有するものであるが、天井部分等への電波吸収体
の取り付けを、電磁波シールド材に固定の金物及び該金
物に支持された非導電性綱(つな)で行うようにしてお
り、取り付け作業を迅速に実行でき、かつ電波吸収体の
天井部分等からの落下事故を確実に防止することができ
る。
【0050】また、電波暗室内で行われる試験に対し
て、網等の反射に起因する障害を生じさせない構造とな
っている。
【0051】さらに、電波吸収体の取り付けに接着剤を
併用した場合であっても、電波吸収体の落下の心配がな
くなり、接着剤にくらべて格段に、引張強度等の信頼性
を高めることができる。
【0052】なお、電磁波シールド材のシールド効果を
損なうことなく電波吸収体支持用の金物をシールド材に
取り付けることが可能であり、シールド材を螺子等の取
り付け用金物が貫通した場合に問題となる電磁波シール
ド性能の低下は発生しない。
【0053】また電磁波シールド材に対して、電波吸収
体を直ちに装着でき、接着剤のみ使用の従来構造の場合
に必要であった接着剤が硬化するまでの時間にわたっ
て、電波吸収体を支持することが不要となり施工の手間
が省ける。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る電波暗室の第1の実施の形態を示
す断面図である。
【図2】第1の実施の形態において、電波吸収体を電磁
波シールド材に取り付けた状態を室内側から見た正面図
である。
【図3】第1の実施の形態において、電磁波シールド材
にボルトを溶接する状態を示す説明図である。
【図4】第1の実施の形態において、電磁波シールド材
に溶着されたボルトにアイナットを取り付け、さらに綱
を結び付けた状態を示す説明図である。
【図5】本発明の第2の実施の形態を示す断面図であ
る。
【図6】本発明の第3の実施の形態を示す斜視図であ
る。
【図7】同断面図である。
【図8】本発明の第4の実施の形態を示す断面図であ
る。
【図9】ウエッジ形状の山部2を有する誘電体型電波吸
収体の例を示す斜視図である。
【符号の説明】
1 電磁波シールド材 2 誘電体型電波吸収体 2a 底部 2b 山部 2c 谷部分 3 綱 4 綱取付金具 4a 溶接ボルト 4b 溶接用小突起 4c アイナット 5 溶接機 6 アース線 7 電源線路 8 溶接ガン本体 9 チャック 10 引き金 12 二重シールドパネル 12a,12c シールド材 12b パネル芯材 13a 平板金物 13b 皿ビス 13c 締め付け金物 14 穴あき頭部付き螺子 14a 螺子本体部分 15 接着剤 16a 親綱 16b 子綱 20 フェライト板

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電磁波シールド材で室全体を覆い、電波
    吸収体を室内側に設置する電波暗室において、前記電磁
    波シールド材の室内面に金物を溶接し、該金物に支持さ
    れた非導電性綱により、前記室内面の少なくとも天井部
    分に前記電波吸収体を配設したことを特徴とする電波暗
    室。
  2. 【請求項2】 パネル芯材の両面にそれぞれ導体板を設
    けてなる二重シールドパネルで電磁波シールド材を構成
    し、該二重シールドパネルで室全体を覆い、電波吸収体
    を室内側に設置する電波暗室において、前記二重シール
    ドパネルの室内側の導体板は貫通するが反対側の導体板
    は貫通しないように当該二重シールドパネルに金物を取
    り付け、該金物に支持された非導電性綱により、前記室
    内面の少なくとも天井部分に前記電波吸収体を配設した
    ことを特徴とする電波暗室。
  3. 【請求項3】 電磁波シールド材で室全体を覆い、電波
    吸収体を室内側に設置する電波暗室において、前記電磁
    波シールド材の室内面に金物を溶接し、前記室内面の少
    なくとも天井部分に配設された前記電波吸収体の室内側
    に沿わせて前記金物で支持された非導電性綱を張架した
    ことを特徴とする電波暗室。
  4. 【請求項4】 パネル芯材の両面にそれぞれ導体板を設
    けてなる二重シールドパネルで電磁波シールド材を構成
    し、該二重シールドパネルで室全体を覆い、電波吸収体
    を室内側に設置する電波暗室において、前記二重シール
    ドパネルの室内側の導体板は貫通するが反対側の導体板
    は貫通しないように当該二重シールドパネルに金物を取
    り付け、前記室内面の少なくとも天井部分に配設された
    前記電波吸収体の室内側に沿わせて前記金物で支持され
    た非導電性綱を張架したことを特徴とする電波暗室。
  5. 【請求項5】 前記非導電性綱が前記電波吸収体の谷部
    分を通過して張架されている請求項1,2,3又は4記
    載の電波暗室。
  6. 【請求項6】 前記非導電性綱が、前記金物に支持され
    ている親綱と、該親綱に結び付けられた子綱とにより構
    成されている請求項1,2,3,4又は5記載の電波暗
    室。
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