JPH09198680A - 二軸アクチュエータ及び光ディスク装置 - Google Patents

二軸アクチュエータ及び光ディスク装置

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JPH09198680A
JPH09198680A JP8027339A JP2733996A JPH09198680A JP H09198680 A JPH09198680 A JP H09198680A JP 8027339 A JP8027339 A JP 8027339A JP 2733996 A JP2733996 A JP 2733996A JP H09198680 A JPH09198680 A JP H09198680A
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JP
Japan
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coil
tracking
focusing
lens holder
objective lens
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Application number
JP8027339A
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English (en)
Inventor
Hiroshi Kawamura
洋 川村
Takeshi Kubo
毅 久保
Takayasu Kanazawa
孝恭 金沢
Yutaka Sugawara
豊 菅原
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sony Corp
Original Assignee
Sony Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 フォーカス用コイルが小型に構成されると共
に、フォーカス用コイルとトラッキング用コイルにそれ
ぞれ発生する磁界が互いに干渉しないようにした、二軸
アクチュエータ及び光ディスク装置を提供すること。 【解決手段】 支持軸32に沿って摺動可能に且つこの
支持軸の周りに揺動可能に支持されていて、光軸が支持
軸に平行になるように対物レンズ26を保持する、レン
ズホルダー33と、フォーカス用コイル34及びトラッ
キング用コイル35と、これらに対向するように固定配
置されたフォーカス用マグネット37及びトラッキング
用マグネット39とを備え、さらに、前記フォーカス用
コイル34が、支持軸32を包囲するように小径に巻回
されていると共に、前記トラッキング用コイル35が、
レンズホルダーの両端に取り付けられている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、コンパクトディス
ク(CD),CD−ROMや光磁気ディスク等(以下
「光ディスク」という)の情報の記録及び/再生用の二
軸アクチュエータ及び光ディスク装置に係り、特に複数
種類の光ディスクの再生が可能であるようにした二軸ア
クチュエータ及び光ディスク装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、光ディスク再生用の光学ピックア
ップは、例えば、発光手段としての半導体レーザ素子
と、半導体レーザ素子からの光を光ディスク上に照射す
る対物レンズと、この対物レンズを二軸方向に移動可能
に保持する二軸アクチュエータと、光ディスクからの戻
り光を検出する光検出器と、この光検出器の検出信号に
基づいて、二軸アクチュエータをフォーカシング方向及
びトラッキング方向に駆動制御するサーボ回路とから構
成されている。
【0003】ここで、上記二軸アクチュエータは、例え
ば光ディスクの信号記録面に対して垂直に延びる支持軸
に対して、軸方向に移動可能に且つ軸の周りに回動可能
に支持されたレンズホルダーと、レンズホルダーの上記
支持軸から偏心した位置で光軸が支持軸に平行に保持さ
れた対物レンズと、支持軸が取り付けられる二軸ベース
とから構成されている。さらに、二軸アクチュエータ
は、レンズホルダーの円筒状の外周面に、フォーカス用
コイルが巻回されると共に、フォーカス用コイルの外面
の互いに反対側に、一対のトラッキング用コイルが取り
付けられている。これに対して、二軸ベース上には、磁
性材料から形成された一対のヨークが、上記フォーカス
用コイル及びトラッキング用コイルに対向するように配
設されている。
【0004】このような構成の光学ピックアップによれ
ば、外部から、各コイルに対して、サーボ回路からのト
ラッキングサーボ及びフォーカスサーボにより駆動制御
された駆動電圧が供給されることにより、各コイルに発
生する磁束が、磁性材料から成るヨークの磁束と相互に
作用して、このレンズホルダーが、支持軸の周りに回動
すると共に、この支持軸に沿って摺動することになる。
これにより、レンズホルダーの中心から偏心して保持さ
れた対物レンズは、レンズホルダーの回動により接線方
向に移動することにより、実質的にトラッキング方向に
関して適宜に移動されると共に、レンズホルダーの摺動
により軸方向に移動することにより、フォーカシング方
向に関して適宜に移動されるようになっている。これに
より、光ディスクからの戻り光が光検出器の受光面に正
確にスポットを形成することになり、この光検出器から
の検出信号に基づいて、光ディスクの再生信号が検出さ
れることになる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、このような
構成の二軸アクチュエータにおいては、レンズホルダー
の円筒状の外周面に、フォーカス用コイルが巻回される
と共に、フォーカス用コイルの外面の互いに反対側に、
一対のトラッキング用コイルが取り付けられている。こ
のため、フォーカス用コイルの巻回された径は、比較的
大きくなってしまい、二軸アクチュエータを小型に形成
することができなかった。
【0006】また、フォーカス用コイルに重ねてトラッ
キング用コイルを設けていたので、各コイルに発生する
磁界が干渉する。
【0007】本発明は、以上の点に鑑み、フォーカス用
コイルが小型に構成されると共に、フォーカス用コイル
とトラッキング用コイルにそれぞれ発生する磁界が互い
に干渉しないようにした、二軸アクチュエータとこれを
利用した光ディスク装置を提供することを目的としてい
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的は、本発明によ
れば、支持軸に沿って摺動可能に且つこの支持軸の周り
に揺動可能に支持されていて、光軸が支持軸に平行にな
るように対物レンズを保持する、レンズホルダーと、こ
のレンズホルダーに取り付けられたフォーカス用コイル
及びトラッキング用コイルと、これらフォーカス用コイ
ル及びトラッキング用コイルに、それぞれ対向するよう
に固定配置されたフォーカス用マグネット及びトラッキ
ング用マグネットとを備え、さらに、前記フォーカス用
コイルが、支持軸を包囲するように小径に巻回されてい
ると共に、前記トラッキング用コイルが、レンズホルダ
ーの少なくとも一端に取り付けられている構成としたこ
とを特徴とする二軸アクチュエータにより、達成され
る。
【0009】上記構成によれば、二軸アクチュエータの
レンズホルダーが、レンズホルダーの少なくとも一端に
取り付けられたトラッキング用コイルとトラッキング用
マグネットの相互作用によって支持軸の周りに揺動され
ることにより、トラッキングが行なわれる。また、上記
レンズホルダーが、支持軸を包囲するように巻回された
フォーカス用コイルフォーカス用マグネットの相互作用
によって、支持軸に沿って摺動されることにより、フォ
ーカシングが行なわれる。これによって、光源からの光
ビームが上記対物レンズを介して光ディスクの信号記録
面に対して正しく結像されるので、光ディスクの信号記
録面からの戻り光が、光検出器に入射することによっ
て、最適な信号再生が行われることになる。
【0010】ここで、フォーカス用コイルは、支持軸を
包囲するように、小径に巻回されていることから、全体
に小型に構成されると共に、有効導体長が大きくとれる
ことになる。
【0011】さらに、フォーカス用コイルが、支持軸の
周りに小径に巻回されているので、フォーカス用コイル
により発生する磁界が比較的小さくなると共に、フォー
カス用コイルが、レンズホルダーの端部に取り付けられ
たトラッキング用コイルに対して比較的離れて配設され
ていることにより、フォーカス用コイルとトラッキング
用コイルにそれぞれ発生する磁界が互いに干渉するよう
なことがない。従って、フォーカシング及びトラッキン
グがそれぞれ正確に行われることになる。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、この発明の好適な実施形態
を図1乃至図11を参照しながら、詳細に説明する。
尚、以下に述べる実施形態は、本発明の好適な具体例で
あるから、技術的に好ましい種々の限定が付されている
が、本発明の範囲は、以下の説明において特に本発明を
限定する旨の記載がない限り、これらの態様に限られる
ものではない。
【0013】図1は、本発明による二軸アクチュエータ
を組み込んだ光ディスク装置の一実施形態を示してい
る。図1において、光ディスク装置10は、光ディスク
11を回転駆動する駆動手段としてのスピンドルモータ
12と、光学ピックアップ13を備えている。ここで、
スピンドルモータ12は、光ディスクドライブコントロ
ーラ14により駆動制御され、所定の回転数で回転され
る。また、光学ピックアップ13は、この回転する光デ
ィスク11の信号記録面に対して、光を照射して、信号
の記録を行ない、またはこの信号記録面からの戻り光を
検出するために、信号復調器15に対して戻り光に基づ
く再生信号を出力する。
【0014】これにより、信号復調器15にて復調され
た記録信号は、エラーコレクション回路16を介して誤
り訂正され、インターフェイス17を介して、外部コン
ピュータ等に送出される。これにより、外部コンピュー
タ等は、光ディスク11に記録された信号を再生信号と
して受け取ることができるようになっている。
【0015】上記光学ピックアップ13には、例えば光
ディスク11上の所定の記録トラックまで、トラックジ
ャンプ等により移動させるためのヘッドアクセス制御部
18が接続されている。さらに、この移動された所定位
置において、光学ピックアップ13の対物レンズを保持
する二軸アクチュエータ(後述)に対して、当該対物レ
ンズをフォーカシング方向及びトラッキング方向に移動
させるためのサーボ回路19が接続されている。
【0016】図2は、上記光ディスク装置10に組み込
まれた光学ピックアップを示している。図2において、
光学ピックアップ20は、光源としての半導体レーザ素
子21,光分割手段としてのグレーティング22,光分
離手段としてのビームスプリッタ23,光路折り曲げ手
段としての立上げミラー24,コリメータレンズ25,
対物レンズ26及び光検出器27と、対物レンズ26を
二軸方向に移動させるための二軸アクチュエータ30と
から構成されている。
【0017】上記半導体レーザ素子21は、半導体の再
結合発光を利用した発光素子であり、光源として使用さ
れる。半導体レーザ素子21から出射した光ビームは、
グレーティング22に導かれる。
【0018】光分割手段としてのグレーティング22
は、入射光を回折させる回折格子であって、半導体レー
ザ素子21から出射した光ビームを、0次回折光から成
る主ビーム及びプラスマイナス1次回折光から成るサイ
ドビームの少なくとも3本の光ビームに分離するために
使用される。
【0019】ビームスプリッタ23は、その反射面が光
軸に対して45度傾斜した状態で配設されており、グレ
ーティング22からの光ビームと光ディスク11の信号
記録面からの戻り光を分離する。即ち、半導体レーザ素
子21からの光ビームは、ビームスプリッタ23の反射
面23aで反射され、戻り光は、ビームスプリッタ23
を透過する。
【0020】立上げミラー24は、図3及び図4に示す
ように、光路折曲げミラーであって、ビームスプリッタ
23で反射された光ビームを上方に向かって反射させる
と共に、光ディスク11からの戻り光を水平方向に反射
させる。この場合、立上げミラー24は、その傾斜方向
が、光ディスク11のトラック方向(接線方向)に対し
て、45度の角度をなすように選定され、配置されてい
る。
【0021】コリメータレンズ25は、図3及び図4に
示すように、凸レンズであって、立上げミラー24で反
射された光ビームを平行光に変換する。この場合、コリ
メータレンズ25は、立上げミラー24により折曲げら
れた光路、即ち光ディスクの信号記録面に対して垂直な
光路内に配設されることになる。これにより、ビームス
プリッタ23と立上げミラー24の間の距離が比較的短
く選定されることになり、二軸アクチュエータ30そし
て光学ピックアップ20さらには光ディスク装置10が
小型に構成されることになる。また、コリメータレンズ
25が対物レンズ26と立上げミラー24との間に配設
されていることから、支持軸32が比較的長く形成され
ることになり、レンズホルダー33が安定して保持され
ることになる。
【0022】さらに、コリメータレンズ25は、図5に
示すように、支持軸32側の側縁が、鎖線25aで示す
ようにカットされており、支持軸32及びその周りに配
設されたフォーカス用コイル34,フォーカス用ヨーク
36,フォーカス用マグネット37と干渉しないように
なっている。尚、このようなカット25aは、コリメー
タレンズ25の光ディスク11のトラック方向の長さが
十分に取れることから、トラッキングサーボ等に関して
影響は殆どない。
【0023】対物レンズ26は、図3及び図4に示すよ
うに、凸レンズであって、コリメータレンズ25からの
平行光を、回転駆動される光ディスク11の信号記録面
の所望のトラック上に結像させる。
【0024】ここで、対物レンズ26は、軸摺回動型の
二軸アクチュエータ30により、二軸方向即ちフォーカ
シング方向及びトラッキング方向に移動可能に支持され
ていると共に、さらに異なる二種類の光ディスクに対応
するように設計された二つの対物レンズ26a,26b
から成り、後述のように、上記二軸アクチュエータ30
の可動部であるレンズホルダーにより、択一的に光路中
に挿入されるように、支持されている。
【0025】光検出器27は、ビームスプリッタ23を
透過した戻り光ビームに対して、受光部を有するように
構成されている。
【0026】尚、半導体レーザ素子21,グレーティン
グ22,ビームスプリッタ23,立上げミラー24,コ
リメータレンズ25及び光検出器27は、二軸アクチュ
エータ30の固定部である二軸ベース31上に固定配置
されている。
【0027】図7及び図8は、上記二軸アクチュエータ
30の構成を示している。図7及び図8において、二軸
アクチュエータ30は、図2の光学ピックアップ20に
てガイド28に沿って光ディスク11の半径方向に移動
可能に支持された光学ベース29にスキュー調整されて
取り付けられた二軸ベース31と、二軸ベース31上に
て光ディスク11の信号記録面に対して垂直に延びる支
持軸32と、この支持軸32に対して、軸方向に移動可
能に且つ軸の周りに回動可能に支持されたほぼ長円形も
しくは長方形状のレンズホルダー33と、レンズホルダ
ーの回転軸から所定距離で且つ異なる角度位置にて光軸
が支持軸に平行に保持された二つの対物レンズ26a,
26bと、を含んでいる。
【0028】ここで、上記対物レンズ26aは、例えば
高密度光ディスク(第2の種類の光ディスク)用の開口
数NAの比較的大きい(例えばNA=0.6)レンズで
あって、通常の光ディスク(第1の種類の光ディスク、
例えばCD)用の開口数の比較的小さい(NA=0.3
8)対物レンズ26bよりも大径に形成されている。そ
して、比較的小径の対物レンズ26bが、光ディスク1
1の回転中心側に配設されている。
【0029】さらに、上記レンズホルダー33は、図8
に示すように、その下方に取り付けられた同心の円筒状
に形成されたフォーカス用コイル34と、その回転軸に
関して互いに反対側の端面に取り付けられた一対のトラ
ッキング用コイル35,35と、を備えている。
【0030】これに対して、二軸アクチュエータ30の
二軸ベース31上には、上記フォーカス用コイル34に
対して、互いに反対側で外側から対向するように配設さ
れた一対のフォーカス用ヨーク36,36と、その内側
に取り付けられた一対のフォーカス用マグネット37,
37と、上記トラッキング用コイル35,35に対し
て、それぞれ外側から対向するように配設されたトラッ
キング用ヨーク38,38と、その内側に取り付けられ
た一対のトラッキング用マグネット39,39が備えら
れている。
【0031】このように、レンズホルダー33の両端に
同一の構造のトラッキング用コイル35,35をそれぞ
れ配置るようにしている。これによって、支持軸32を
中心に回動する比較的長い形状でなるレンズホルダー3
3の両端で等しい電磁力に基づく回転力を働かせるよう
にしている。したがって、レンズホルダー33は円滑な
回動を行うことができる。
【0032】上記フォーカス用コイル34は、トラッキ
ング用コイル35と別個に、支持軸32の周面に対して
比較的近接して配設される。これにより、フォーカス用
コイル34は、導体でなる線材を水平方向に小径に巻か
れている。これに対応して、フォーカス用ヨーク36及
びマグネット37も、支持軸32に近接している。これ
により、フォーカス用コイル34は、全体に小型に構成
されると共に、有効導体長を大きくすることができる。
従って、フォーカシングに必要な磁界が小さくて済むこ
とになる。また、フォーカス用コイル34が支持軸32
の周りに配設されているのに対して、トラッキング用コ
イル35は、レンズホルダーの端面に配設されている。
これにより、フォーカス用コイル34とトラッキング用
コイル35が互いに離れて配置されていることから、フ
ォーカス用コイル34とトラッキング用コイル35にそ
れぞれ発生する磁界は、互いに干渉するようなことがな
い。従って、対物レンズ26のフォーカシング及びトラ
ッキングがそれぞれ正確に行われることになる。
【0033】また、上記トラッキング用マグネット39
は、それぞれ軸方向の中心から左右に関して、互いに逆
極性となるように、構成されている。例えば、トラッキ
ング用マグネット39は、図9に示すように、支持軸3
2に関して、時計周りにS極39a,N極39bとなる
ように配設されている。
【0034】さらに、上記トラッキング用コイル35の
周方向の両側には、それぞれ軸方向(トラッキング用マ
グネット39の着磁境界に沿った方向)に延びる磁性
体、例えば鉄片40,41が取り付けられている。これ
により、鉄片40または41の何れか一方が、トラッキ
ング用マグネット39の二つの極39a,39bの境界
39cに対向するように、吸着されることにより、レン
ズホルダー33は、第一の対物レンズ26aが光路中に
挿入される第一の中点位置、または第二の対物レンズ2
6bが光路中に挿入される第二の中点位置に、移動され
るようになっている。尚、図7においては、レンズホル
ダー33は、上記第一の中点位置と第二の中点位置の中
間に位置するように、示されている。
【0035】これにより、例えば対物レンズ26aが光
路中に挿入されているときには、図9に示すように、鉄
片41が、対向するトラッキング用マグネット39の二
つの磁極39a,39bの境界39cに対向することに
より、レンズホルダー33は、第一の中点位置にあっ
て、矢印で示すように磁束が流れることにより、レンズ
ホルダー33は、第一の中点位置に保持されることにな
る。ここで、トラッキング用コイル35に対して、駆動
電流が流されることにより、第一の中点位置を基準とし
て、レンズホルダー33は支持軸32の周りに揺動され
ることにより、対物レンズ26aが実質的に接線方向で
あるトラッキング方向に移動され、トラッキングが行な
われる。
【0036】ここで、トラッキング用コイル35に対し
て、逆電流が流されると、図10に示すように、トラッ
キング用コイル35に発生する磁界が、トラッキング用
マグネット39の磁極39aと反発して、トラッキング
用コイル35が、磁極39bに対向するように移動す
る。これにより、反対側の鉄片40が、トラッキング用
マグネット39の磁極39a,39bの境界39cに対
向することになり、レンズホルダー33は、第二の中点
位置に移動され、対物レンズ26bが光路中に挿入され
ることになる。
【0037】図11は、このような中点位置切換えのた
めの構成を示すブロック図である。図11において、デ
ィスク判別部63は、セットされた光ディスクが上述の
第1の種類の光ディスクであるか、第2の種類の光ディ
スクであるかを判断する。光検出器27は、ディスク判
断部63に接続されている。ディスク判別部63は、中
点切換え信号出力部65とトラッキングエラー信号演算
回路62とに接続されている。この中点切換え信号出力
部65とトラッキング信号演算回路62とは対物レンズ
の駆動部61に接続されている。この対物レンズ駆動部
61はドライバであり、各トラッキング用コイル35,
35に接続されている。
【0038】このトラッキングエラー信号の演算回路6
2と対物レンズ駆動部61とは、トラッキングサーボ回
路であって、図1のサーボ回路19の一部である。ディ
スク判別部63は、例えば光検出器27から、その時セ
ットされた光ディスクのID読み取り結果を得て、第1
の種類の光ディスクか第2の種類の光ディスクかの判断
を行う。あるいは、ディスク判別部63は、光検出器2
7もしくは他の光検出器により、セットされた光ディス
クの基板厚の差による光の反射量の違いに基づく検出結
果を得て、上記光ディスクの種類を判別する。また、光
検出器27は、その時セットされた光ディスクについ
て、径方向の一定距離についてトラック本数を計測し、
その計測結果をディスク判別部63に出力する。これに
基づきディスク判別部63はディスクの判別を行う。デ
ィスク判別部63は、判別結果を中点切換え信号出力部
65に出力する。
【0039】さらに、このようにその時セットされた光
ディスクの種類を自動的に判別しないで、ユーザが選択
部63としての操作子を選択して、その時自分がセット
した光ディスクの種類に関する情報を中点切換え信号出
力部65に出力することも可能である。中点切換え信号
出力部65は、光ディスクの種類に応じて対物レンズ2
6aと26bを切換えるために、対物レンズ駆動部61
に信号を出力する。対物レンズ駆動部61は、所定の電
流,もしくは電圧を各トラッキング用コイル35,35
に印加して、上述の対物レンズの切換えを行う。
【0040】この場合、対物レンズが移動されるべき各
中点位置に対応して、各トラッキング用コイル35,3
5に供給される電流もしくは電圧値は決まっている。こ
の電流,電圧値は、トラッキングサーボを行う場合に、
トラッキングエラー信号演算回路62からの出力に基づ
いて対物レンズ駆動部61が各トラッキング用コイル3
5,35に与える電流もしくは電圧値よりも大きい。こ
れにより、各トラッキング用コイル35,35には、ト
ラッキングストロークより大きく動くことで、各中点位
置の切換えを行うようになっている。尚、ディスク判別
部63の判別結果は、トラッキングエラー信号演算回路
62にも与えられるようになっている。これにより、ト
ラッキングエラー信号演算回路62は、光ディスクの種
類の応じたトラッキングエラー信号,すなわち3スポッ
ト法によるトラッキングエラー信号と、位相比較法によ
るトラッキングエラー信号のいずれかひとつを演算によ
り求めて、対物レンズ駆動部61に与えるようになって
いる。
【0041】本実施形態による二軸アクチュエータを組
み込んだ光ディスク装置10は、以上のように構成され
ており、次のように動作する。先づ例えば高密度光ディ
スク(第2の種類の光ディスク)の再生を行なう場合に
は、レンズホルダー33は、図2に示すように、第一の
中点位置にあって、対物レンズ26aが光路中に挿入さ
れていると共に、レンズホルダー33に取り付けられた
一方の鉄片41がトラッキング用マグネット39の境界
39cに対向している。ここで、光ディスク装置10の
スピンドルモータ12が回転することにより、光ディス
ク11が回転駆動される。そして、光学ピックアップ2
0が、ガイド28に沿って、光ディスク11の半径方向
に移動されることにより、対物レンズ26aの光軸が、
光ディスク11の所望のトラック位置まで移動されるこ
とにより、アクセスが行なわれる。
【0042】この状態にて、光学ピックアップ20に
て、半導体レーザ素子21からの光ビームは、グレーテ
ィング22により3本の光ビームに分割された後、ビー
ムスプリッタ23の反射面23aで反射され、立上げミ
ラー24で光ディスク11に向かって反射される。さら
に、光ビームは、コリメータレンズ25により平行光に
変換され、対物レンズ26aを介して、光ディスク11
の信号記録面に結像される。この際、対物レンズ26a
によって、開口数が高密度光ディスクに対応した適宜
に、例えばNA=0.6に設定されており、光ビーム
は、光ディスク11の信号記録面に正しく結像すること
になる。光ディスク11からの戻り光は、再び対物レン
ズ26a及びコリメータレンズ25,立上げミラー24
を介して、ビームスプリッタ23を透過し、光検出器2
7に結像する。これにより、光検出器27の検出信号に
基づいて、光ディスク11の記録信号が再生される。
【0043】その際、光検出器27からの検出信号か
ら、信号復調器15により、トラッキングエラー信号及
びフォーカシングエラー信号が検出され、光ディスクド
ライブコントローラ14を介して、サーボ回路19が、
フォーカス用コイル34及びトラッキング用コイル35
への駆動電流をサーボ制御する。これにより、フォーカ
ス用コイル35の駆動電流の制御によって、フォーカス
用コイル35に発生する磁界が、フォーカス用マグネッ
ト37及びフォーカス用コイル36による磁界と作用す
ることにより、レンズホルダー33が、支持軸32に沿
ってフォーカシング方向に移動調整され、フォーカシン
グが行なわれる。また、トラッキング用コイル35に発
生する磁界が、トラッキング用マグネット39及びトラ
ッキング用ヨーク38による磁界と作用することによ
り、レンズホルダー33が、第一の中点位置を基準とし
て、支持軸32の周りに揺動調整され、対物レンズ26
aが実質的に接線方向であるトラッキング方向に移動調
整されて、トラッキングが行なわれる。このとき、フォ
ーカス用コイル34及びトラッキング用コイル35にそ
れぞれ発生する磁界は、前述したように互いに干渉しな
いようになっているので、上記フォーカシング及びトラ
ッキングがそれぞれ正確に行われる。
【0044】次に、例えば通常の光ディスク(第1の種
類の光ディスク、例えばCD)の再生を行なう場合に
は、トラッキング用コイル35に逆電流が流されること
により、上述のように、レンズホルダー33に取り付け
られた他方の鉄片40が、トラッキング用コイル39の
境界39cに対向するように、レンズホルダー33が、
支持軸32の周りに回動され、第二の中点位置に移動さ
れる。これにより、対物レンズ26bが光路中に挿入さ
れる。尚、再生しようとする光ディスクの判別は、前述
したように、光ディスクのIDの読み取りや、基板厚の
差による反射光量の検出、あるいは径方向の一定距離で
のトラック本数の計測等により行なわれることにより、
上記対物レンズの切換えが行われるが、手動によるスイ
ッチ操作によって、対物レンズの切替が行なわれてもよ
い。ここで、同様にして、光ディスク装置10のスピン
ドルモータ12が回転して、光ディスク11が回転駆動
される。そして、光学ピックアップ20が、ガイド28
に沿って、光ディスク11の半径方向に移動されること
により、対物レンズ26bの光軸が、光ディスク11の
所望のトラック位置まで移動されることにより、アクセ
スが行なわれる。
【0045】この状態にて、光学ピックアップ20に
て、半導体レーザ素子21からの光ビームは、グレーテ
ィング22により3本の光ビームに分割された後、ビー
ムスプリッタ23の反射面23aで反射され、立上げミ
ラー24で光ディスク11に向かって反射される。さら
に、光ビームは、コリメータレンズ25により平行光に
変換され、対物レンズ26bを介して、光ディスク11
の信号記録面に結像される。この際、対物レンズ26b
によって、開口数が通常の光ディスクに対応した適宜
に、例えばNA=0.38に設定されており、光ビーム
は、光ディスク11の信号記録面に正しく結像すること
になる。光ディスク11からの戻り光は、再び対物レン
ズ26b及びコリメータレンズ25,立上げミラー24
を介して、ビームスプリッタ23を透過し、光検出器2
7に結像する。これにより、光検出器27の検出信号に
基づいて、光ディスク11の記録信号が再生される。
【0046】その際、光検出器27からの検出信号か
ら、信号復調器15により、トラッキングエラー信号及
びフォーカシングエラー信号が検出され、光ディスクド
ライブコントローラ14を介して、サーボ回路19が、
フォーカス用コイル34及びトラッキング用コイル35
への駆動電流をサーボ制御する。これにより、フォーカ
ス用コイル35の駆動電流の制御によって、フォーカス
用コイル35に発生する磁界が、フォーカス用マグネッ
ト37及びフォーカス用コイル36による磁界と作用す
ることにより、レンズホルダー33が、支持軸32に沿
ってフォーカシング方向に移動調整され、フォーカシン
グが行なわれる。また、トラッキング用コイル35に発
生する磁界が、トラッキング用マグネット39及びトラ
ッキング用ヨーク38による磁界と作用することによ
り、レンズホルダー33が、第二の中点位置を基準とし
て、支持軸32の周りに揺動調整され、対物レンズ26
aが実質的に接線方向であるトラッキング方向に移動調
整されて、トラッキングが行なわれる。
【0047】このように、上述の実施形態では、二軸ア
クチュエータのレンズホルダーが支持軸の周りに揺動さ
れることにより、複数個の対物レンズのうち、一つの対
物レンズが光路中に挿入されて、信号再生しようとする
光ディスクに対応した対物レンズが使用される。これに
より、光源からの光ビームが上記対物レンズを介して光
ディスクの信号記録面に対して正しく結像されるので、
光ディスクの信号記録面からの戻り光が、光検出器に入
射することによって、複数の異なる形式の光ディスクに
関して、最適な信号再生が行われることになる。
【0048】ここで、各対物レンズの光路中への挿入動
作は、レンズホルダーに設けられた一対のトラッキング
用コイルと固定配置されたトラッキング用マグネットの
相互作用によって、レンズホルダーが支持軸の周りに揺
動されることにより、実現されるので、簡単な構成によ
り、低コストで、再生しようとする光ディスクの形式に
対応した対物レンズの切替が可能となる。また、フォー
カス用コイルは、支持軸を包囲するように、小径に巻回
されていることから、全体に小型に構成されると共に、
有効導体長が大きくとれることになる。さらに、フォー
カス用コイルが、支持軸の周りに小径に巻回されている
ので、フォーカス用コイルにより発生する磁界が比較的
小さくなると共に、フォーカス用コイルが、レンズホル
ダーの端部に取り付けられたトラッキング用コイルに対
して比較的離れて配設されていることにより、フォーカ
ス用コイルとトラッキング用コイルにそれぞれ発生する
磁界が互いに干渉するようなことがない。従って、フォ
ーカシング及びトラッキングがそれぞれ正確に行われる
ことになる。
【0049】尚、上記実施形態による光ディスク装置1
0及び二軸アクチュエータ30においては、トラッキン
グ用マグネット39の磁極39aがS極,磁極39bが
N極に設定されているが、逆極性であってもよい。この
場合、トラッキング用コイル35に流す電流の向きを逆
にすれば、同様に、レンズホルダー33は、第一の中点
位置及び第二の中点位置で、それぞれトラッキングが行
われることになる。また、上記実施形態による光ディス
ク装置10及び二軸アクチュエータ30においては、レ
ンズホルダー33に、二つの対物レンズ26a,26b
が保持されているが、これに限らず、三つ以上の対物レ
ンズが保持されていて、トラッキング用コイル35とト
ラッキング用マグネット39の相互作用によって、各対
物レンズが選択的に光路中に挿入されるようにしてもよ
く、あるいは従来通り唯一つの対物レンズが保持されて
いてもよいことは明らかである。
【0050】
【発明の効果】以上述べたように、本発明によれば、フ
ォーカス用コイルが小型に構成されると共に、フォーカ
ス用コイルとトラッキング用コイルにそれぞれ発生する
磁界が互いに干渉することがなく、光ディスクの再生が
正確に行われる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による二軸アクチュエータを組み込んだ
光ディスク装置の一実施形態の全体構成を示すブロック
図である。
【図2】図1の光ディスク装置における光学ピックアッ
プの構成を示す平面図である。
【図3】図2の光学ピックアップにおける半導体レーザ
素子から立上げミラー,コリメータレンズそして対物レ
ンズに至る光路に沿って見た縦断面図である。
【図4】図2の光学ピックアップにおける二軸アクチュ
エータの断面図である。
【図5】図2の光学ピックアップにおける光学系を示す
平面図である。
【図6】図2の光学ピックアップにおける光学系を示す
側面図である。
【図7】図2の光学ピックアップにおける二軸アクチュ
エータの斜視図である。
【図8】図7の二軸アクチュエータの分解斜視図であ
る。
【図9】図7の二軸アクチュエータにおけるレンズホル
ダーの第一の中点位置における磁気回路を示す概略平面
図である。
【図10】図7の二軸アクチュエータにおけるレンズホ
ルダーの第一の中点位置から第二の中点位置への移動時
の状態を示す概略平面図である。
【図11】図7の二軸アクチュエータにおけるレンズホ
ルダーの中点位置切換えのための電気的構成を示すブロ
ック図である。
【符号の簡単な説明】
10 光ディスク装置 11 光ディスク 12 スピンドルモータ 13 光学ピックアップ 14 光ディスクドライブコントローラ 15 信号復調器 16 エラーコレクション回路 17 インターフェイス 18 ヘッドアクセス制御部 20 光学ピックアップ 21 半導体レーザ素子 22 グレーティング 23 ビームスプリッタ 24 立上げミラー 25 コリメータレンズ 26,26a,26b 対物レンズ 27 光検出器 28 ガイド 29 光学ベース 30 二軸アクチュエータ 31 二軸ベース 32 支持軸 33 レンズホルダー 34 フォーカス用コイル 35 トラッキング用コイル 36 フォーカス用ヨーク 37 フォーカス用マグネット 38 トラッキング用ヨーク 39 トラッキング用マグネット 39a,39b 磁極 40,41 鉄片
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 菅原 豊 東京都品川区北品川6丁目7番35号 ソニ ー株式会社内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持軸に沿って摺動可能に且つこの支持
    軸の周りに揺動可能に支持されていて、光軸が支持軸に
    平行になるように対物レンズを保持する、レンズホルダ
    ーと、 このレンズホルダーに取り付けられたフォーカス用コイ
    ル及びトラッキング用コイルと、 これらフォーカス用コイル及びトラッキング用コイル
    に、それぞれ対向するように固定配置されたフォーカス
    用マグネット及びトラッキング用マグネットとを備え、 さらに、前記フォーカス用コイルが、支持軸を包囲する
    ように小径に巻回されていると共に、 前記トラッキング用コイルが、レンズホルダーの少なく
    とも一端に取り付けられている構成としたことを特徴と
    する二軸アクチュエータ。
  2. 【請求項2】 光ディスクを回転駆動する駆動手段と、 回転する光ディスクに対して対物レンズを介して光を照
    射し、光ディスクの信号記録面からの戻り光を対物レン
    ズを介して光検出器により検出する光学ピックアップ
    と、 対物レンズを二軸方向に移動可能に支持する二軸アクチ
    ュエータと、 光検出器からの検出信号に基づいて、再生信号を生成す
    る信号処理回路と、 光検出器からの検出信号に基づいて、光学ピックアップ
    の対物レンズを二軸方向に移動させるサーボ回路とを備
    え、 前記二軸アクチュエータが、 支持軸に沿って摺動可能に且つこの支持軸の周りに揺動
    可能に支持されていて、光軸が支持軸に平行になるよう
    に対物レンズを保持するレンズホルダーと、 このレンズホルダーに取り付けられたフォーカス用コイ
    ル及びトラッキング用コイルと、 これらフォーカス用コイル及びトラッキング用コイル
    に、それぞれ対向するように固定配置されたフォーカス
    用マグネット及びトラッキング用マグネットとを備え、 さらに、前記フォーカス用コイルが、支持軸を包囲する
    ように小径に巻回されていると共に、 前記トラッキング用コイルが、レンズホルダーの少なく
    とも一端に取り付けられている構成としたことを特徴と
    する光ディスク装置。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN1308941C (zh) * 2004-02-19 2007-04-04 Lg电子有限公司 具有多个镜头的光学拾波装置

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN1308941C (zh) * 2004-02-19 2007-04-04 Lg电子有限公司 具有多个镜头的光学拾波装置

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