JPH09197507A - 連写カメラ - Google Patents

連写カメラ

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JPH09197507A
JPH09197507A JP848296A JP848296A JPH09197507A JP H09197507 A JPH09197507 A JP H09197507A JP 848296 A JP848296 A JP 848296A JP 848296 A JP848296 A JP 848296A JP H09197507 A JPH09197507 A JP H09197507A
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JP
Japan
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plate
traveling
shutter
traveling plate
film
Prior art date
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Pending
Application number
JP848296A
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English (en)
Inventor
Manabu Tobiyo
学 飛世
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Fujifilm Holdings Corp
Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
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Publication date
Application filed by Fuji Photo Film Co Ltd filed Critical Fuji Photo Film Co Ltd
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Publication of JPH09197507A publication Critical patent/JPH09197507A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 走行板の速度に依存する露光ムラを防止す
る。 【解決手段】 1回のシャッタレリーズに応答して走行
板48は、捩じりバネ67の付勢によりチャージ位置か
ら走行完了位置に向けて移動して、スリット付きの4枚
のシャッタ円板が同時に回転されて各スリットで8個の
絞り開口41a〜41hを順次に横切って8回の露光が
行われる。捩じりバネ67は、腕の長い一端67aで走
行板48を押す力のうち水平方向の成分が、走行板48
のチャージ位置から走行完了位置に向けての移動にした
がって大きくなるように配置したから、走行板48の移
動方向に沿う力が走行板48をチャージ位置で付勢する
ときよりも走行完了位置で付勢するときの方が強くで
き、捩じり量に対して反比例して走行板48を安定して
走行させることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、1回のレリーズ操
作により複数の露光を行う連写カメラに関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】従来、安価なレンズ付きフイルムユニッ
トが広く販売されており、これには写真フイルムが工場
で予め装填されている。このレンズ付きフイルムユニッ
トは、写真撮影後に、そのままの状態で現像所へ提出す
ればよく、面倒な写真フイルムの装填や、取り出しが不
要である。このようなレンズ付きフイルムユニットに
は、連写機能を持たせたものが特開平7−110507
号公報に提案されている。このレンズ付きフイルムユニ
ットのシャッタ機構には、フイルム給送方向に隣接する
シャッタ開口から等距離の位置に各々の回転中心が決め
られた4枚のシャッタ円板が設けられている。これらの
シャッタ円板には回転中心から異なる位置にそれぞれ1
個のスリットが設けられている。
【0003】前述したシャッタ機構には、ローコスト化
を図るために、引っ張りコイルバネの付勢力で走行板を
直線移動させ、この走行板の直線運動を回転運動に変換
してシャッタ円板を回転させて前記スリットが順次にシ
ャッタ開口を横切って連写撮影が行えるようになってい
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】走行板は、シャッタ円
板を回転させる分だけ走行させる必要がある。この間で
は、速度が略一定でないと、シャッタ円板の回転速度が
変化する。シャッタ円板の回転速度が変わるとシャッタ
スピードが変化することになるから露光ムラとなる。と
ころが、一般的に引っ張りコイルバネは、変形量に対し
て付勢力が異なる。したがって、走行板の走行距離が長
くなればなるほど、バネの変形量が大きくなるため、付
勢力の変化も著しいものとなってしまう。しかも、走行
板の走行が完了した時点でもある程度の付勢が必要とな
るため、バネの配置に大きなスペースが必要となる。
【0005】本発明は上述した従来技術のもつ欠点を解
決するためになされたもので、連写画面の各々に生じる
露光ムラを防止するように工夫した連写カメラをコンパ
クトで、しかもローコストで提供することを目的とす
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明では、フイルム巻き上げ操作に応答してチャ
ージ位置にセットされ、シャッタレリーズに応答してチ
ャージ位置から走行完了位置に向けて直線移動する走行
板と、この走行板を走行完了位置に向けて付勢する捩じ
りバネと、前記走行板の走行完了位置に向けての直線運
動を回転運動に変換して前記シャッタ円板を回転させる
駆動伝達系と、前記駆動伝達系に設けられ、シャッタ円
板の回転を緩速化する減速手段と、前記シャッタ円板の
スリットがシャッタ開口を通過した後に前記減速手段を
駆動伝達系に連結させ、次に通過するシャッタ開口に対
してスリットが一定の角度位置に達した時点で減速手段
と駆動伝達系との連結を解除する間欠手段とを備え、前
記捩じりバネは、前記走行板に係合する腕の長い一端で
走行板を押す力の成分のうち、水平方向に押す成分が、
前記走行板がチャージ位置から走行完了位置に向けて移
動するにしたがって大きくなるように配置したものであ
る。
【0007】シャッタレリーズに応答して捩じりバネの
付勢により走行板がチャージ位置から走行完了位置に向
けて直線移動する。この移動は、駆動伝達系で回転運動
に変換されてシャッタ板を回転させる。シャッタ板が観
点すると、シャッタ板に設けたスリットが順次に複数の
シャッタ開口を横切って複数回の露光を行う。シャッタ
円板のスリットがシャッタ開口を通過した後に間欠手段
は、減速手段と駆動伝達系とを連結させ、シャッタ円板
の回転を緩速化し、また、次に通過するシャッタ開口に
対してスリットが一定の角度位置に達し時点で間欠手段
は、減速手段と駆動伝達系との連結を解除する。捩じり
バネは、走行板に係合する一端の腕を長くしたから、少
ないスペースで、しかも長い区間において走行板を付勢
することができる。しかも、走行板に係合する腕の長い
一端で走行板を押す力の成分のうち、水平方向に押す成
分が、走行板がチャージ位置から走行完了位置に向けて
移動するにしたがって大きくなるように配置したから、
走行板の移動方向に沿う力が走行板をチャージ位置で付
勢するときよりも走行完了位置で付勢するときの方で強
くでき、捩じり量に対して反比例するから走行板を安定
して走行させることができる。
【0008】
【発明の実施の形態】図1ないし図3に示すように、レ
ンズ付きフイルムユニット10(以下、「フイルムユニ
ット」と称す。)は、前カバー11、露光ユニット1
2、本体基部13、写真フイルムパトローネ14、及び
後カバー15とから構成されており、露光ユニット12
が前カバー11と本体基部13との間に組み込まれてい
る。また、前カバーと露光ユニット12との間には、2
枚のレンズプレート16,17が挟装されている。
【0009】レンズプレート16,17には、上下2
段、左右2列、計4個の撮影レンズ18がそれぞれアク
リル等の透明な樹脂で一体的に形成されている。各々の
撮影レンズ18の8本の光軸18a〜18hは平行とな
っている。
【0010】本体基部13には、内部を上下2段、左右
4列、計8個の部屋19a〜19hに仕切った暗箱19
が一体に形成されている。撮影レンズ18の各光軸18
a〜18hは暗箱19の各仕切り部屋19a〜19hの
略中心を通る。暗箱19を挟む両側には、フイルムロー
ル室20、及びパトローネ室21が一体に設けられてい
る。パトローネ室21には、パトローネ22が、またフ
イルムロール室20にはパトローネ22から写真フイル
ム23を引き出してロール形態としたフイルムロール2
4がそれぞれ装填される。
【0011】このような形態の写真フイルムパトローネ
14は、本体基部13に後カバー15を被せることによ
って、フイルムロール24とパトローネ22との間のフ
イルム展延部が本体基部13の背面に形成されたアパー
チャー36に位置決めされる。アパーチャー36は、ア
スペクト比をハイビジョン比率にした画面サイズとなっ
ている。1回のシャッタレリーズでアパーチャー36を
通して写真フイルム23に写し込む1画面は、各撮影レ
ンズ18を透過した時系列的な被写体光が各部屋19a
〜19hを通ってそれぞれ写真フイルム23に入射する
8個のコマで構成されている。
【0012】パトローネ22には、写真フイルム23の
後端が係止されたスプール25が回動自在に収納されて
いる。パトローネ室21の上部には、巻き上げノブ26
が回動自在に配設されている。巻き上げノブ26には、
スプール25に係合する係合部27が設けられている。
巻き上げノブ26の外周には歯列28が形成されてい
る。本体基部13には、逆止爪29が形成されている。
逆止爪29は、歯列28に噛合しており、巻き上げ方向
とは逆の方向に巻き上げノブ23が回転することを阻止
している。
【0013】後カバー15には、パトローネ室21の底
面を覆うプルトップ式の蓋30が一体に設けられてい
る。この蓋30を開放状態にしてパトローネ室21から
撮影済みの写真フイルムを収納したパトローネ22を取
り出すことができる。なお、後カバー15には、ファイ
ンダー接眼窓31と巻き上げノブ23の一部を外部露呈
させる開口32とが一体に形成されている。
【0014】前カバー11には、シャッタボタン33、
ファインダー対物窓34、及び撮影レンズ18を外部に
露呈させる開口35が一体に形成されている。開口35
は、各撮影レンズ18をぞれぞれ外部に露呈する8個の
開口35a〜35hで構成されている。シャッタボタン
33は、前カバー11の上面の一部を切り欠いて弾性自
在に形成されており、シャッタレリーズ時に押下操作さ
れる。なお、押圧操作を解除すると、シャッタボタン3
3はそれ自身の弾性により元の位置に復帰する。
【0015】本体基部13の前面には、露光ユニット1
2がビス等で着脱自在に取り付けられる。なお、この露
光ユニット12には、接眼レンズと対物レンズとからな
るファインダー光学系39が組み込まれている。
【0016】露光ユニット12は、光密な箱にシャッタ
機構、シャッタチャージ機構、フイルム巻き止め機構、
及びフイルムカウンタ機構等を一体的に組み込んだユニ
ット化部品とされている。箱は、前板40,中板41、
及び後板42で構成されている。シャッタ機構は、図4
及び図5に示すように、前板40と中板41との間に組
み込まれたシャッタ円板42〜45、間欠接続手段であ
る外接ゼネバ機構46、減速手段であるガバナー機構4
7と、中板41と後板42との間に組み込まれた駆動部
材である走行板48、切換え遮蔽板49、及び全遮蔽板
50等から構成されている。
【0017】前板40、中板41、及び後板42には、
撮影レンズ18の光軸18a〜18h上にそれぞれ開口
40a〜40h,41a〜41h,42a〜42hが形
成されている。このうち中板41の開口41a〜41h
が絞り開口とされている。これらの絞り開口41a〜4
1hは、固定絞りとシャッタ開口とを兼用しており、こ
れらの内径はいずれも等しくなっている。なお、開口4
0a〜40h,42a〜42hは、画角外の有害光をカ
ットする大きさに決められている。
【0018】絞り開口41a〜41hの前面には、4つ
のシャッタ円板42〜45が回動自在に設けられてい
る。これらのシャッタ円板42〜45の回転中心は、上
方に配列された4個の絞り開口41e〜41hの中心を
通る水平線よりも上方の位置で、且つ隣接する絞り開口
41eと41f,41gと41hから等距離の位置に2
個のシャッタ円板44,45の回転中心が、また下方に
配列された4個の絞り開口41a〜41dの中心を通る
水平線よりも下方の位置で、且つ隣接する絞り開口41
aと41b,41cと41dから等距離の位置に2個の
シャッタ円板42,43の回転中心がそれぞれ決められ
ている。
【0019】シャッタ円板42〜45には、各々1個ず
つのスリット42a,43a,44a,45aが形成さ
れている。これらのスリット42a,43a,44a,
45aは、各回転中心から同じ半径上に形成されてお
り、そのスリット長(シャッタ円板の半径方向の長さ)
が絞り開口41a〜41hの内径以上となっている。
【0020】シャッタ円板42〜45の外周には、全周
にわたって同じ歯数のギヤ42b,43b,44b,4
5bが形成され、上下方向で回転中心を同じにしたシャ
ッタ円板同士のギヤ42bとギヤ44b、及びギヤ43
bとギヤ45bとがそれぞれ互いに噛合している。そし
て、ギヤ44bとギヤ45bとには、ギヤ52が噛合し
ている。ギヤ52は、二段ギヤとなっており、他方のギ
ヤ53にはギヤ54が噛合している。ギヤ54は二段ギ
ヤとなっており、他方のギヤ55には、中板41の開口
56を介して走行板48の走行駆動伝達用のラック48
aが噛合している。
【0021】各シャッタ円板42〜45は、走行板48
がフイルム給送方向に沿って走行することによってそれ
ぞれ2回転する。これらのスリット42a,43a,4
4a,45aは、シャッタ円板42〜45の2回転によ
り各絞り開口41a〜41hを2回横切る。この横切り
は、シャッタ円板42,43のスリット42a,43a
が下段の絞り開口列41a〜41dを、またシャッタ円
板44,45のスリット44a,45aが上段の絞り開
口列41e〜41hをそれぞれ順に横切る。
【0022】走行板48の下方には、上側の絞り開口列
41e〜41hと下側の絞り開口列41a〜41dとを
シャッタ円板42〜45の1回転目と2回転目とで択一
的に遮蔽する切換え遮蔽板49が、絞り開口41a〜4
1hの背後でフイルム給送方向に移動自在に配置されて
いる。切換え遮蔽板49には、下段の絞り開口列41a
〜41dを同時に露呈させる4つの開口49a〜49h
と、上段の絞り開口列41e〜41hを同時に露呈させ
る4つの開口49e〜49hとが、フイルム給送方向に
所定間隔ずらして形成されており、バネ56により開口
49d〜49hが下段の絞り開口列41d〜41hを同
時に露呈する切換え位置に向けて付勢されている。
【0023】切換え遮蔽板49には、突出片57と段差
部58とがそれぞれ一体に形成されており、走行板48
がチャージ位置に向けて移動された際に、走行板48の
立ち下がり片48bが突出片57を引っ掛けて、開口4
9a〜49dが下段の絞り開口列41a〜41dを同時
に露呈する初期位置に向けて移動される。初期位置に移
動されると、切換え遮蔽板49は段差部58に入り込む
切換えレバー59の一端59aで保持される。切換えレ
バー59は、一端59aが段差部58に入り込む方向に
向けて捩じりバネ60で付勢されている。
【0024】シャッタレリーズ後に走行板48がシャッ
タ円板42〜45を1回転させる位置まで走行すると、
走行板48の立ち下がり片48bが切換えレバー59の
他端59bに当接し、切換えレバー59をバネ60の付
勢方向とは逆方向に回転させる。これにより、切換え遮
蔽板49の保持が解除され、切換え遮蔽板49は切換え
位置に向けてバネ56の付勢により瞬時に移動する。切
換え遮蔽板49が切換え位置に移動した際には、切換え
レバー59の一端59aが突出片57に当接して切換え
遮蔽板49が切換え位置で保持される。
【0025】シャッタ円板45には、ギヤ60が噛合し
ている。このギヤ60は二段ギヤとなっており、他方の
ギヤ61にはゼネバ機構46が噛合している。ゼネバ機
構46にはガバナ機構47が噛合している。間欠接続手
段であるゼネバ機構46は、2個のピン62a,62b
を備えたピンギヤ62と、4つの溝63a〜63dを備
えたマルタクロス63とから構成されている。ピンギヤ
62は、シャッタ円板42〜45に対して2回転し、各
スリット42a〜45aが各絞り開口41a〜41hを
通過している間ではピン62a,62bと溝63a〜6
3dとの噛合が解除され、絞り開口41a〜41hを通
過していない間ではピン62a,62bが溝63a〜6
3dに噛合する。
【0026】マルタクロス63が停止中には、シャッタ
円板42〜45が走行板48の走行に従動して高速回転
する。また、マルタクロス63が回転すると、ガバナ機
構47がシャッタ円板42〜45の回転を減速させる。
これにより、シャッタ円板42〜45は、露光間隔が露
光時間よりも遅くなる。
【0027】ガバナ機構47は、シャッタ円板42〜4
5の回転を緩速化する減速手段であり、周知のガンギ車
64とアンクル65とから構成されている。このアンク
ル65は、レバー板65aとともに切換え手段を構成し
ており、レバー板65aに軸着されている。レバー板6
5aは、中板41に植設された軸65bを中心にしてア
ンクル65をガンギ車64に噛合させる噛合位置とこれ
から退避した退避位置との間で移動自在に取り付けられ
る。このレバー板65aには、中板41の長穴41iを
通して中板41の裏面に突出する突状部65cが設けら
れている。
【0028】シャッタ円板42〜45の各露光時間は、
走行板48の走行速度と、ガバナ機構47の遅延が解除
された時点でのスリット42a〜45aと絞り開口41
a〜41hとの間の角度によって決まり、露光ムラを防
止するためにこれらを一定にする必要がある。本実施例
ではシャッタ円板42〜45の回転中心に対して各絞り
開口41a〜41hの角度が異なる2種類の角度の配列
となっているため、前述した角度を一定にするために
は、ピンギヤ62の2つのピン62a,62bの間隔を
2種類の角度と同じ比率にする。これにより、ガバナ機
構47の遅延駆動がシャッタ円板42〜47の露光間隔
内で確実に伝達されるとともに、ガバナ機構47の遅延
駆動が解除された時点でのスリット42a〜45aと絞
り開口41a〜41hとの間の角度が全て同じとなる。
【0029】走行板48は、フイルム給送方向に沿った
チャージ位置と走行完了位置との間で移動自在に組み込
まれている。この走行板48の背面には、後板42の長
孔66を介して後板42の背面側に突出したピン48c
が一体に設けられている。このピン48cには、捩じり
バネ67の一端67aが引っ掛けられている。捩じりバ
ネ67は、後板42に一体に形成された4本の突出ピン
68にコイル部67cが固定され、また他端67bが後
板42に形成したストッパーピン69に引っ掛けられて
おり、走行板48を走行完了位置に向けて付勢してい
る。
【0030】捩じりバネ67は、走行板48の走行安定
化のために、走行板48を常に一定に付勢するのが理想
である。しかしながら、一般的にバネでは、変形に応じ
て付勢力が変化するから、走行板48が移動する間で付
勢力を一定にすることは困難である。そこで、シャッタ
円板42〜45の回転が露光ムラの生じない速度に納ま
るように、チャージ位置と走行完了位置とでそれぞれ走
行板48を付勢する力の差を30g・mm以下にする特
性が必要であることが分かった。
【0031】また、捩じりバネ67の一端67aの腕が
短いと、走行板48の走行距離の全てをカバーすること
ができない。さらに、捩じりバネ67の付勢が大きすぎ
るとシャッタ円板42〜45の回転速度が速くなって露
光不足となり、また付勢が小さいとガバナ機構47等が
駆動した際の最大負荷時に走行板48を走行させること
ができなくなる。そこで、捩じりバネ67では、走行板
48の走行によって生じる捩れに対して30〜60g・
mm、望ましくは50〜80g・mmの力で走行板67
を付勢する特性が必要になることが分かった。
【0032】このような特性になるように最適な捩じり
バネ67の形状、及び配置を考慮すると、コイル部67
cの巻線上のうち、走行板48の走行完了位置に沿った
端部からこの腕の長い一端67aを走行板48の移動方
向と直交する方向に沿って突出させた形状とし、このと
きに走行完了位置にある走行板48のストッパーピン4
8cに係合させ、走行板48がチャージ位置にセットさ
れたときにコイル部67cの巻線中心に向けて捩じられ
るように捩じりバネ67を配置すればよいことが分かっ
た。これによれば、走行板48の移動方向(水平方向)
に沿う力がチャージ位置で付勢するときよりも走行完了
位置で付勢するときの方で強くでき、コイル部67cの
捩じり量に対して反比例するから、前述した特性で走行
板48を付勢することができる。
【0033】シャッタチャージ機構、及びフイルム巻き
止め機構等は、スプロケット70、三段ギヤ71、走行
板48、連結板72、レリーズ連動レバー73、巻き止
めレバー74、及び、回転部材75等から構成されてい
る。詳しくは図7に示すように、スプロケット70は、
暗箱19の上方で写真フイルム22のパーフォレーショ
ンに係合しており、1画面分のフイルム移送に連動して
1回転する。このスプロケット70には同軸にギヤ76
が一体に固定されている。
【0034】ギヤ76には、三段ギヤ71のうち真ん中
のギヤ77に噛合しており、1画面分のフイルム移送に
連動してスプロケット70と同じに1回転する。三段ギ
ヤ71の上方には、歯欠けギヤ78が一体に形成されて
いる。歯欠けギヤ78は、後板42の開口87を介して
走行板48のラック48dに臨んでいる。巻き上げノブ
26の巻き上げ操作が行われると、写真フイルム23の
移送に連動してスプロケット70及び三段ギヤ71が回
転し、歯欠けギヤ78のギヤ部78bがラック48cに
噛合することで、走行板48を走行完了位置からチャー
ジ位置に移動させる。
【0035】連結板72は、箱の内部で走行する走行板
48と、箱の外部に配置されたレリーズ連動レバー7
3、及び、巻き止めレバー74との連結を光密にした状
態で行わせるためのものであり、中板41に形成された
別室79の中で、下降位置と上昇位置との間で昇降自在
に組み込まれている。
【0036】連結板72には、弾性自在な爪片72a、
開口72b、及びロック爪72cが一体に形成されてい
る。弾性自在な爪片72aは、別室79に形成された開
口80を介して箱の内部で走行する走行板48の走行路
内に臨んでおり、中板41の内部に形成された固定爪8
1に係合して連結板72を下降位置に保持している。走
行板48がチャージ位置に移動すると、走行板48に形
成した突起部48fが爪片72aを撓ませて、爪片72
aと固定爪81との係合を解除する。
【0037】連結板72の開口72bには、レリーズ連
動レバー73の連動棒73aが入り込んでいる。レリー
ズ連動レバー73は、シャッタボタン33の押下操作に
連動して光軸18a〜18hに沿った回転軸を中心に初
期位置と押下位置との間で回転し、捩じりバネ82によ
り初期位置に向けて付勢されている。この捩じりバネ8
2は、連動棒73aを介して連結板72を上昇位置に向
けて付勢している。これにより、連結板72の爪片72
aと固定爪81との係合が解除された後には、捩じりバ
ネ82の付勢により連結板72が上昇位置に、またレリ
ーズ連動レバー73が初期位置にそれぞれ移動する。連
結板72が上昇位置に移動すると、これのロック爪72
cが走行板48の保持爪48eに係合して走行板48を
チャージ位置に保持する。
【0038】回転部材75は、円板75aの外周に溝7
5bが形成されており、スプロケット70と一体に回転
する。円板75aの外周には、巻き止めレバー74の一
端74aが臨んでいる。巻き止めレバー74は、一端7
4aの他に、斜面部74bと巻き止め爪74cとが一体
に形成されており、光軸18a〜18hに対して直交す
る方向に沿った回転軸に、巻き止め位置と巻き止め解除
位置との間で回動自在に配置され、捩じりバネ83によ
り巻き止め位置に向けて付勢されている。斜面部74b
には、開口72bを挿通した連動棒73aの先端が臨ん
でいる。
【0039】1画面分の長さだけ写真フイルム23の巻
き上げが行われると、回転部材75が1回転する。回転
部材75が1回転すると、溝75bに一端74aが入り
込んでスプロケット70の回転が阻止される。このと
き、巻き止めレバー74が巻き止め位置に向けて回転す
るため、巻き止め爪74cが巻き上げノブ26の歯列2
8に噛合して巻き上げノブ26の巻き上げ操作が禁止さ
れる。
【0040】シャッタボタン33の押下操作が行われる
と、レリーズ連動レバー73が押下位置に回転する。レ
リーズ連動レバー73が押下位置に回転すると、これに
従動する連動棒73aにより連結板72が下降位置に移
動する。連結板72が下降位置に移動するとロック爪7
2cと走行板48の保持爪48eとの係合が解除され、
走行板48のチャージ位置での保持が解除される。この
とき、走行板48は、ラック48dに歯欠けギヤ78の
歯欠け部78aが対峙しているから、ギヤ部78bに噛
合することなく、チャージ位置に向けて走行する。
【0041】一方、レリーズ連動レバー73が押下位置
に回転した際には、連動棒73aの先端が巻き止めレバ
ー74の斜面部74bに当接し、巻き止めレバー74を
巻き止め解除位置に向けて回転させる。巻き止めレバー
74が巻き止め解除位置に回転すると、一端74aが溝
75bから退避し、また巻き止め爪74cが歯列28か
ら退避するから、スプロケット70の回転と巻き上げノ
ブ26の回転操作とのロックが解除される。この連結板
72が下降位置に移動した際には、爪片72aが固定爪
81に係合するから、レリーズ連動レバー73が押下位
置の状態で保持される。これにより、連動棒73aの先
端が巻き止めレバー74の斜面部74bを押した状態の
ままとなっているので、巻き止めレバー74は巻き止め
位置に回転することはない。
【0042】ところで、巻き上げ操作時に走行板48が
走行完了位置からチャージ位置に向けて移動すると、ラ
ック48dと歯欠けギヤ78との噛合によりシャッタ円
板42〜45が逆回転して露光が行われてしまう。そこ
で、フイルム巻き上げ操作の際に生じる露光を防止する
ために、全遮蔽板50が配置されている。
【0043】全遮蔽板50には、8個の開口50a〜5
0hが形成されており、切換え遮蔽板49の背後でフイ
ルム給送方向に移動自在に配置されている。この全遮蔽
板50は、各開口50a〜50hから各絞り開口41a
〜41hを全部露呈する全露呈位置と各開口50a〜5
0hが各絞り開口41a〜41hを全部遮蔽する全遮蔽
位置との間で移動が行われ、バネ84により全露呈位置
に向けて付勢されている。
【0044】また、全遮蔽板50には、全露呈位置に向
けて移動する方向に斜面をもった係合部50iが一体に
設けられている。係合部50iは、全遮蔽板50が全露
呈位置に移動した時に前述したレバー板65aの突状部
65cを押し上げてレバー板65aを噛合位置に移動さ
せ、また全遮蔽板50が全遮蔽位置に向けて移動した時
に突状部65cから退避してレバー板65aの押し上げ
を解除する。係合部50iが退避すると、レバー板65
aがこれ自身の重さにより退避位置に移動する。
【0045】三段ギヤ71の下方には、歯欠けギヤ85
が一体に形成されている。この歯欠けギヤ85には切り
欠き部85aが形成されている。切り欠き部85aに
は、全遮蔽板50に突出して形成したL字片86が後板
42の開口87を介して臨んでいる。
【0046】スプロケット70の回転に従動して歯欠け
ギヤ85が回転すると、走行板48のチャージ位置への
移動が開始される前に、切り欠き部85aが縁でL字片
86を引っ掛けて全遮蔽板50を全遮蔽位置に移動させ
る。その後、走行板48のチャージ位置への移動が完了
するまでの間で、この位置でL字片86に歯欠けギヤ8
5の歯を順次に係合させてゆくことで、全遮蔽板50を
全遮蔽位置の状態で保持する。そして、走行板48のチ
ャージ位置への移動が完了した時点で切り欠き部85a
がL字片86に対峙するから、全遮蔽板50はバネ84
の付勢により全露呈位置に戻される。
【0047】フイルムカウンタ機構は、回転部材75の
先端に形成した一歯ギヤ75c、枚数表示板88、及び
カム部88aとから構成されており、これらは天板89
によって箱に取り付けられている。一歯ギヤ75cは、
枚数表示板88の外周に形成した歯列88bに噛合して
おり、1画面分の長さだけ写真フイルム23が巻き上げ
られると、一歯ギヤ75cの1回転により枚数表示板8
8が一目盛り分だけ歩進する。枚数表示板88の上面に
は、前カバー11と後カバー15とを組み合わせること
で形成される表示窓90を通してその時点での残りの撮
影枚数を表示する数字が表記されている。
【0048】最後の画面に撮影を行った後の巻き上げ操
作によって枚数表示板88が歩進すると、枚数表示板8
8の下面に一体に形成したカム部88aが、レリーズ連
動レバー73に一体に形成した立ち上がり突起73bの
上面に入り込む。その後、走行板48がチャージ位置に
到達することで、連結板72が上昇位置に向けて移動
し、これに連動してレリーズ連動レバー73も初期位置
に向けて回転する。この回転中に立ち上がり突起73b
がカム部88aに当接し、レリーズ連動レバー73を押
下位置と初期位置との間のフイルム収納許容位置に保持
する。レリーズ連動レバー73がフイルム収納許容位置
となると、連結板72が走行板48をチャージ位置に保
持した状態となり、また、連動棒73aが巻き止めレバ
ー74を巻き止め解除位置に保持した状態となる。これ
により、最後の画面に撮影を行った後の巻き上げ操作に
よって、走行板48をチャージ位置に保持したまま撮影
済みの写真フイルム23の全てをパトローネ22の内部
に収納させることができる。
【0049】上記構成の作用について説明する。シャッ
タレリーズ完了後には、図8に示すように、シャッタ円
板42〜45の各スリット42a〜45aが回転中心を
通る水平線上に位置しており、このうちシャッタ円板4
2,44のスリット42a,45bがシャッタ円板4
3,45に対して180度ずれた位置の状態となってい
る。このため、絞り開口41a〜41hは、シャッタ円
板42〜45で遮蔽された状態となっている。
【0050】ゼネバ機構46は、ピンギヤ62のピン6
2bとマルタクロス63の溝63aとの係合が解除され
る直前の状態とされている。走行板48は、走行完了位
置の状態となっている。フイルム巻き止め機構は、レリ
ーズ連動レバー73が押下位置の状態、また連結板72
が下降位置の状態、さらに、巻き止めレバー74が巻き
止め解除位置の状態となっている。
【0051】切換え遮蔽板49は、切換えレバー59の
先端59aが段差部58に当接しており、下段の絞り開
口列41a〜41dを全部露呈した初期位置の状態とさ
れている。全遮蔽板50は、全露呈位置の状態となって
おり、係合部50iが突状部65cに当接してアンクル
65がガンギ車64に噛合する位置にレバー板65を保
持している。
【0052】巻き上げノブ26をフイルム巻き上げ方向
に回転させる巻き上げ操作を行うと、写真フイルム23
がフイルムロール室20からパトローネ室21に向けて
移送され、この移送に連動してスプロケット70が回転
する。スプロケット70の回転に連動して三段ギヤ71
が回転すると、図9に示すように、最初に歯欠けギヤ8
5の切り欠き部85aが縁でL字片86を引っ掛けて全
遮蔽板50を全遮蔽位置に移動させる。この全遮蔽板5
0の移動により係合部50iが突状部65bから退避し
た位置に移動する。これにより、レバー板65aは、軸
65bを中心として自重で退避位置に回転する。その
後、歯欠けギヤ78のギヤ部78bがラック48dに噛
合して走行板48をチャージ位置に向けて移動させる。
【0053】走行板48がチャージ位置に向けて移動す
ると、シャッタ円板42〜45が回転するが、この間で
全遮蔽板50が絞り開口41a〜41hを全部遮蔽して
いるので、露光が行われることはない。また、このとき
のシャッタ円板42〜45の回転がガンギ車64に伝達
されるが、レバー板65aが退避位置に移動しているか
ら、減速手段の駆動伝達が断たれている。したがって、
フイルム巻き上げ時に減速駆動が伝達されないから、巻
き上げ操作がスムーズに行える。
【0054】走行板48がチャージ位置に移動した際に
は、走行板48の往復移動長が同じであるため、シャッ
タ円板42〜45が逆方向に2回転して前述した初期状
態と同じ状態となる。
【0055】走行板48がチャージ位置に到達すると、
突起部48fが連結板72の爪片72aを撓ませて爪片
72aと固定爪81aとの係合が解除される。これによ
り、捩じりバネ82の作用によりレリーズ連動レバー7
3が初期位置に、また連結板72が上昇位置にそれぞれ
移動する。そして、連結板72が上昇位置に移動する
と、ロック爪72cが走行板48の保持爪48eに係合
して走行板48をチャージ位置に保持する。走行板48
がチャージ位置に到達した後には、歯欠けギヤ78の歯
欠け部78aがラック48dに対面するため、走行板4
8がこれ以上移動することはない。このとき、捩じりバ
ネ67は、一端67aがコイル部67cの巻き中心に向
けて捩じられた状態となる。
【0056】レリーズ連動レバー73が初期位置に回転
することにより連動棒73aの斜面部74dへの押圧が
解除されるから、巻き止めレバー74が捩じりバネ83
の付勢により巻き止め位置に向けて回転する。このと
き、未だスプロケット70が1回転していないから、巻
き止めレバー74の一端74aが円板75aの周面に当
接した状態となる。
【0057】1画面分の長さだけ写真フイルム23が巻
き上げられると、スプロケット70が1回転し、一端7
4aが溝75bに入り込む。これにより、巻き止めレバ
ー74が巻き止め位置に回転し、スプロケットの回転が
阻止される。このとき、巻き止め爪74cが巻き上げノ
ブ26の歯列28に係合して巻き上げノブ26の回転操
作も阻止される。またスプロケット70が1回転した際
には、三段ギヤ71が1回転している。したがって、切
り欠き部85aがL字片86に対面するため、全遮蔽板
50がバネ84の付勢により全露呈位置に戻される。こ
の全遮蔽板50の移動により、係合部50iが突状部6
5cの下に入り込んでこれを押し上げてレバー板65a
が噛合位置に移動する。これにより、図8に示した状態
に戻り、アンクル65がガンギ車64に噛合する。
【0058】シャッタボタン33を押下操作すると、レ
リーズ連動レバー73が押下位置に回転し、連動棒73
aを介して連結板72も下降位置に移動する。これによ
り、連結板72のロック爪72cが走行板48の保持爪
48eから退避して走行板48のチャージ位置での保持
が解除される。このとき、捩じりバネ67がバネを巻き
戻す方向に付勢するため、走行板48が走行完了位置に
向けて移動する。
【0059】走行板48の直線駆動は、走行駆動用のラ
ック48aに噛合したギヤ55によって回転駆動に変換
され、シャッタ円板42〜45に伝達される。各シャッ
タ円板42〜45の回転方向は、図10に矢印で示した
方向となっている。ゼネバ機構46は、ピンギヤ62の
ピン62bとマルタクロス63の溝63aとの係合が解
除される直前の状態とされているため、次のピン62a
と溝63bとが噛合するまでの間では、シャッタ円板4
2〜45が走行板48を付勢する捩じりバネ67の付勢
力によって回転する。この回転により、図11に示すよ
うに、各スリット42a〜45aが点線で示す位置から
実線で示す位置にまで回転する。
【0060】この回転中には、上段左側のシャッタ円板
44と下段左側のシャッタ円板42とのスリット44
a,42aがそれぞれ絞り開口41a,41eを横切っ
ているが、切換え遮蔽板49が下段の絞り開口列41a
〜41dだけを露呈しているので、スリット42aが横
切る絞り開口41aだけを被写体光が通過する。この被
写体光は、暗箱19の仕切り部屋19aを通して写真フ
イルム23に入射し、仕切り部屋19aのサイズで潜像
画像のコマが形成される。
【0061】その後、スリット42a〜45aが実線で
示す位置にまでシャッタ円板42〜45が回転すると、
ピンギヤ62のピン62aがマルタクロス63の溝63
bに噛合する。このため、その後はガバナ機構47の減
速駆動が与えられるため、シャッタ円板42〜45の回
転が減速される。
【0062】ガバナ機構47の減速駆動は、マルタクロ
ス63が回転している間でシャッタ円板42〜45に与
えられる。この間のシャッタ円板43〜45の回転は、
各スリット42a〜45aが図12に点線で示す位置か
ら実線で示す位置までの間となっている。同図に示す点
線の位置となると、ピン62aと溝63bとの係合が解
除され、マルタクロス63の回転が停止する。これによ
り、ゼネバ機構46は、ガバナー機構47の減速駆動を
解除した作動停止の状態とされる。このとき、スリット
42aと次に横切る絞り開口41bとの間の角度が初期
状態と同じ角度となるので、次回の2回目の露光は1回
目の露光と同じ露光時間で行えるようになる。
【0063】ゼネバ機構46が次に作動するまでの間で
は、再び捩じりバネ67の付勢力によって走行板48が
走行し、各スリット42a〜45aが図13に示す点線
で示す位置から実線で示す位置にまでシャッタ円板42
〜45が回転する。この回転中に、スリット42aが横
切る絞り開口41bに対応するコマに2回目の露光が行
われる。その後は、各スリット42a〜45aが図14
に点線で示す位置から実線で示す位置にまで回転する範
囲で、シャッタ円板42〜45にガバナ機構47の減速
駆動が与えられる。この時点でシャッタ円板42〜45
は半回転しており、その後、図15から図18に示す順
で、シャッタ円板42〜45がさらに半回転する。この
間の図15の際にスリット43aが絞り開口41cを横
切って3回目の露光が、また、図17の際にスリット4
3aが絞り開口41dを横切って4回目の露光が行われ
る。そして、図18に示す状態でシャッタ円板42〜4
5が1回転した状態となる。
【0064】シャッタ円板42〜45を1回転させる位
置まで走行板48が走行すると、図19に示すように、
立ち下がり片48bが切換えレバー59の他端59bに
当接し、切換えレバー59をバネ60の付勢に抗して時
計方向に回転させる。これにより切換えレバー59の一
端59aと切換え遮蔽板49の段差部58との係合が解
除され、バネ56の付勢により切換え遮蔽板49が瞬時
に切換え位置に向けて移動する。このとき、切換えレバ
ー59の一端59aが切換え遮蔽板49の突出片57に
係合して、切換え遮蔽板49を切換え位置に保持する。
【0065】切換え遮蔽板49が切換え位置に移動する
と、上段の絞り開口列41e〜41hが露呈される。そ
の後、シャッタ円板42〜45は、図11〜図18で説
明したと同じに再び1回転し、図11に示した際にスリ
ット44aが絞り開口41eを横切って5回目の露光
が、図13に示した際にスリット44aが絞り開口41
fを横切って6回目の露光が、図15に示した際にスリ
ット45aが絞り開口41gを横切って7回目の露光
が、そして、図17に示した際にスリット45aが絞り
開口41hを横切って最後の8回目の露光がそれぞれ順
に行われる。その後、走行板48が走行完了位置に到達
して停止し、シャッタ円板42〜45が図18に示す状
態となる。これにより、露光枠19にセットされた写真
フイルム23には、1画面を上下2段、左右4列に分割
した8コマに時系列的な潜像画像が全て露光されてい
る。
【0066】露光が完了した時点では、連結板72が下
降位置に保持されていることから、巻き止めレバー74
が捩じりバネ83の付勢に抗して巻き止め解除位置に保
持されている。これにより、次回のフイルム巻き上げ操
作が行える。
【0067】以下、前述したと同じに巻き上げ操作を行
った後にシャッタレリーズを繰り返し行うことで、写真
フイルム23の各画面には、8コマの時系列的な潜像画
像が露光される。そして、最後の画面に撮影を行った後
の巻き上げ操作によって、走行板48がチャージ位置に
復帰すると、枚数表示板88のカム部88aがレリーズ
連動レバー73の立ち上がり突起73bに当接し、レリ
ーズ連動レバー73をフイルム収納許容位置に保持す
る。これにより、走行板48をチャージ位置に保持した
ままで巻き止めレバー74を巻き止め解除位置に保持す
ることができるため、最後の巻き上げ操作によって写真
フイルム23の全部をパトローネ22の内部に収納する
ことができる。
【0068】撮影済みのフイルムユニット10は、その
ままの状態で現像所に提出される。現像所では、後カバ
ー15の底蓋30を開いてパトローネ22を取り出し
て、従来通りの処理で写真フイルム23に現像び焼付け
処理を行い、図20に示すようなプリント写真90が得
られる。このプリント写真90は、アスペクト比がハイ
ビジョン比率とされたサイズとなっており、各コマの画
像が左上から右上へ、左下から右下への順で時系列的に
記録されている。
【0069】図21は、従来技術で説明した引っ張りコ
イルバネを用いて走行板を走行させたときのシャッタ円
板42〜45の回転位置を表したグラフである。シャッ
タ円板42〜45の回転は、時間t1で開始され、t2
で終了する。これらの時間のうち同図にAで示す区間は
ガバナー機構46の減速が断たれる区間であり、またB
で示す間隔はガバナー機構46の駆動が伝達される区間
である。このグラフの傾きは、シャッタ円板42〜45
の回転速度を示している。
【0070】Aで示す区間では、走行板48を付勢する
バネの付勢力によってシャッタ円板42〜45の回転速
度が決まる。引っ張りコイルバネは、チャージ位置より
も走行完了地位の方が走行板48を付勢する力が弱くな
る。したがって、同図に示すように、1回目の露光が行
われるA1の区間よりも8回目の露光が行われるA8の
区間の方が速度が遅くなっている。
【0071】しかしながら、本実施例では、図19にも
示したように、コイル部67cの巻線のうち、走行板4
8の走行完了位置の方向に沿った端側から腕の長い一端
67aを走行板48の移動方向と直交する方向に沿って
突出させて走行完了位置にある走行板48に係合させ、
走行板48がチャージ位置にセットされたときにコイル
部67cの巻線中心に向けて捩じられるように捩じりバ
ネ67が配置されているから、チャージ位置にある走行
板48に係合しているときには、コイル部67cの捩じ
り量が強いのに対し、走行板48の移動方向(水平方
向)に沿った付勢力の成分が弱く、また、走行完了位置
にある走行板48に係合しているときにはコイル部67
cの捩じり量が弱いのに対し、走行板48の移動方向
(水平方向)に沿った付勢力の成分が強い。したがっ
て、図21に示すA1の区間の1回目と8回目との露光
時のシャッタ円板42〜45の回転速度が略同じにな
り、露光ムラの防止が行える。
【0072】上記実施例では、レンズ付きフイルムユニ
ット10の連写用シャッタ機構について説明している
が、本発明ではこれに限らず、連写機能を付与した一般
的なカメラにも採用することができるのはいうまでもな
い。また、本発明では、シャッタ開口列を4列に限定し
ない。さらにまた、シャッタ開口列を上下2段に限るこ
となく、1段でもよいし、3段以上でもよい。また、予
め装填しておくフイルムとしては、135タイプのパト
ローネ付き写真フイルムの他に、例えばスプールの回転
により写真フイルムを送り出すタイプを装填してもよ
い。
【0073】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、捩じり
バネは、走行板に係合する一端の腕を長くしたから、少
ないスペースで、しかも長い区間において走行板を付勢
することができる。また、走行板に係合する腕の長い一
端で走行板を押す力の成分のうち、水平方向に押す成分
が、走行板がチャージ位置から走行完了位置に向けて移
動するにしたがって大きくなるように配置したから、走
行板の移動方向に沿う力が走行板をチャージ位置で付勢
するときよりも走行完了位置で付勢するときの方で強く
でき、コイル部の捩じり量に対して反比例し、走行板を
安定して走行させることができ、連写画面に生じる露光
ムラを確実に防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】レンズ付きフイルムユニットの分解斜視図であ
る。
【図2】レンズ付きフイルムユニットの横断面図であ
る。
【図3】レンズ付きフイルムユニットの縦断面図であ
る。
【図4】シャッタ機構の一部を示す分解斜視図である。
【図5】シャッタ機構の他部を示す分解斜視図である。
【図6】シャッタチャージ機構、フイルム巻き止め機
構、及びフイルムカウンタ機構等の要部を示す分解斜視
図である。
【図7】フイルム巻き止め機構、及びシャッタチャージ
機構等の概略説明図である。
【図8】シャッタ円板、全遮蔽板、及び切換え手段の初
期状態を示す説明図である。
【図9】フイルム巻き上げ操作時のシャッタ円板、全遮
蔽板、及び切換え手段の状態を示す説明図である。
【図10】シャッタ円板、及びゼネバ機構等のシャッタ
レリーズ直後の状態を示す説明図である。
【図11】ゼネバ機構が停止中にシャッタ円板が回転し
て1回目、又は5回目の露光を行った状態を示す説明図
である。
【図12】図11で説明した露光後にゼネバ機構が作動
する間でシャッタ円板が回転する状態を示す説明図であ
る。
【図13】ゼネバ機構が停止中にシャッタ円板が回転し
て2回目、又は6回目の露光を行った状態を示す説明図
である。
【図14】図13で説明した露光後にゼネバ機構が作動
する間でシャッタ円板が回転する状態を示す説明図であ
る。
【図15】ゼネバ機構が停止中にシャッタ円板が回転し
て3回目、又は7回目の露光を行った状態を示す説明図
である。
【図16】図15で説明した露光後にゼネバ機構が作動
する間でシャッタ円板が回転する状態を示す説明図であ
る。
【図17】ゼネバ機構が停止中にシャッタ円板が回転し
て4回目、又は8回目の露光を行った状態を示す説明図
である。
【図18】図16で説明した露光後にゼネバ機構が作動
する間でシャッタ円板が回転する状態を示す説明図であ
る。
【図19】シャッタ円板が1回転した後に切換え遮蔽板
が切り換わる状態を示す説明図である。
【図20】得られたプリント写真を示す正面図である。
【図21】従来技術で説明した引っ張りコイルバネを用
いた例の時間に対してシャッタ円板の回転位置を示した
グラフである。
【符号の説明】
18 撮影レンズ 41a〜41h 絞り開口 42〜45 シャッタ円板 42a,43a,44a,45a スリット 46 ゼネバ機構 47 ガバナ機構 48 走行板 49 切換え遮蔽板 50 全遮蔽板 67 捩じりバネ 70 スプロケット

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 1回のシャッタレリーズによりスリット
    が形成されたシャッタ円板を回転させ、複数のシャッタ
    開口を横切るように前記スリットを順次に通過させるこ
    とによって時間的なズレをもって複数回の露光を行う連
    写カメラにおいて、 フイルム巻き上げ操作に応答してチャージ位置にセット
    され、シャッタレリーズに応答してチャージ位置から走
    行完了位置に向けて直線移動する走行板と、この走行板
    を走行完了位置に向けて付勢する捩じりバネと、前記走
    行板の走行完了位置に向けての直線運動を回転運動に変
    換して前記シャッタ円板を回転させる駆動伝達系と、前
    記駆動伝達系に設けられ、シャッタ円板の回転を緩速化
    する減速手段と、前記シャッタ円板のスリットがシャッ
    タ開口を通過した後に前記減速手段を駆動伝達系に連結
    させ、次に通過するシャッタ開口に対してスリットが一
    定の角度位置に達した時点で減速手段と駆動伝達系との
    連結を解除する間欠手段とを備え、前記捩じりバネは、
    前記走行板に係合する腕の長い一端で走行板を押す力の
    成分のうち、水平方向に押す成分が、前記走行板がチャ
    ージ位置から走行完了位置に向けて移動するにしたがっ
    て大きくなるように配置したことを特徴とする連写カメ
    ラ。
JP848296A 1996-01-22 1996-01-22 連写カメラ Pending JPH09197507A (ja)

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