JPH09197146A - 気送用光ファイバの梱包方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 保護フィルムの取り外しの際の気送用光ファ
イバの帯電を有効に防止して、気送用光ファイバを長尺
の気送パイプ内に円滑に通線できるようにする。 【解決手段】 気送用光ファイバ２をボビン１に巻き付
けた状態で、その上から導電性の保護フィルム３を巻き
付ける。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、所定のエリア内に
予め配線された気送パイプ内に気体圧送により通線され
る気送用光ファイバの梱包方法に関する。

【０００２】

【従来の技術】光ネットワークを構築する場合に、所定
のエリア内に予め気送パイプを布設しておき、この気送
パイプ内に加圧空気を導入しつつ、ボビンに巻かれた気
送用光ファイバを挿入して通線する方法が従来より提供
されている(たとえば、特開昭５９−１０４６０７号公
報参照)。

【０００３】このような方法に使用される気送用光ファ
イバとしては、たとえば、図３に示す構造のものがあ
る。

【０００４】同図(a)のものでは、複数(この例では６
本)の光ファイバ心線１０と１本の引裂紐１２とからな
る集合体の周りに、プラスチック製の押さえ巻層１４
と、発泡ポリエチレン樹脂などの外層１６とを順次形成
してユニット化されている。また、同図(b)のもので
は、複数(本例では４本)の光ファイバ心線１０全体の外
周をシリコン樹脂などの充填層１８で覆った上から、軽
量な発泡ポリエチレン樹脂の外層１６を被覆してユニッ
ト化されている。

【０００５】なお、図３の気送用光ファイバは、複数の
光ファイバ心線を集合してユニット化したものである
が、複数のテープ心線を集合してユニット化したもの
や、単一の光ファイバ心線、あるいは単一のテープ心線
の場合もある。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】ところで、図３(a)，
(b)に示したような各構造の気送用光ファイバは、通
常、ハンドリングや搬送の容易性のためにボビンに巻か
れたうえで、さらにその上から、塩化ビニル樹脂などの
高分子樹脂でできた保護フィルムを巻き付けている。

【０００７】その理由は、気送用光ファイバをボビンに
巻き付けただけでは、埃が表面に付着して汚れたり、ま
た、気送用光ファイバが外気にそのまま曝されると、紫
外線を受けて特性が劣化するなどの不都合が生じるの
で、これを回避するためである。

【０００８】しかし、従来のように、保護フィルムとし
て塩化ビニル樹脂などの高分子樹脂でできたものを単に
使用するのは、次の問題がある。

【０００９】すなわち、気送用光ファイバを気送パイプ
内に挿入するために保護フィルムを取り外す必要がある
が、その際に、気送用光ファイバと保護フィルムとが擦
れ合うことにより、気送用光ファイバに静電気が発生し
て帯電する。

【００１０】そして、気送用光ファイバがこのように帯
電した状態のままで気送パイプ内に挿入された場合に
は、気送用光ファイバが気送パイプの内壁に電気的に吸
着される。その結果、気送パイプに沿って気送用光ファ
イバを通線しようとしても、この吸着力が摩擦抵抗とし
て作用し、気送用光ファイバを長距離にわたって円滑に
通線することが困難になる。

【００１１】本発明は、上記の問題点を解決するために
なされたもので、保護フィルムを取り外す際の気送用光
ファイバの帯電を有効に防止して、気送用光ファイバを
長尺の気送パイプ内に円滑に通線できるようにすること
を課題とする。

【００１２】

【課題を解決するための手段】本発明は、上記の課題を
解決するため、次のようにしている。

【００１３】請求項１記載の発明では、気送用光ファイ
バをボビンに巻き付けた状態で、その上から導電性の保
護フィルムを巻き付けている。

【００１４】請求項２記載の発明では、請求項１記載の
構成において、導電性の保護フィルムとして、アルミニ
ュウム、カーボン等の導電体、または帯電防止剤を混入
したものを使用している。

【００１５】

【発明の実施の形態】図１は本発明の気送用光ファイバ
の梱包状態を示す斜視図、図２は梱包状態を部分的に拡
大して示す正面図である。

【００１６】これらの図において、１はボビン、２は気
送用光ファイバ、３は導電性の保護フィルムであり、ボ
ビン１の胴部１aに気送用光ファイバ２が巻き付けら
れ、さらに、その上から導電性の保護フィルム３が巻き
付けられている。

【００１７】導電性の保護フィルム３としては、たとえ
ば、従来の塩化ビニル樹脂などの高分子樹脂に、アルミ
ニュウムやカーボンなどの導電体、または、帯電防止剤
を混入したものや、さらには、アルミニュウム箔を使用
することができる。具体的には、高分子樹脂として塩化
ビニルを使用する場合に、表面抵抗値を１０¹⁴(Ω−cm)
以下にすることが好ましい。

【００１８】このような導電性の保護フィルム３を使用
すれば、気送用光ファイバ２の表面に埃が付着して汚れ
たり、また、紫外線を受けて特性が劣化するなどの不都
合が回避されるだけでなく、気送用光ファイバ２を気送
パイプ内に挿入するために保護フィルム３を取り外す際
に、気送用光ファイバ２と保護フィルム３とが擦れ合っ
ても、保護フィルム３は導電性があるので、気送用光フ
ァイバ２に静電気が発生して帯電することがないため、
気送パイプ内に気送用光ファイバ２を円滑に通線するこ
とができる。

【００１９】

【発明の効果】本発明によれば、保護フィルムを取り外
す際の気送用光ファイバの帯電が防止されるために、気
送用光ファイバを気体圧送する際に、気送用光ファイバ
が気送パイプの内壁に吸着されることが少なくなり、気
送用光ファイバを円滑に通線することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の気送用光ファイバの梱包状態を示す斜
視図である。

【図２】図１における梱包状態を部分的に拡大して示す
正面図である。

【図３】気送用光ファイバの構造を示す断面図である。

【符号の説明】

１…ボビン、２…気送用光ファイバ、３…導電性の保護
フィルム。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 辻 貢司 兵庫県伊丹市池尻４丁目３番地 三菱電線 工業株式会社伊丹製作所内

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 気送用光ファイバをボビンに巻き付けた
   状態で、その上から導電性の保護フィルムを巻き付ける
   ことを特徴とする気送用光ファイバの梱包方法。
2. 【請求項２】 請求項１記載の気送用光ファイバの梱包
   方法において、 前記導電性の保護フィルムは、アルミニュウム、カーボ
   ン等の導電体、または帯電防止剤を混入したものからな
   ることを特徴とする気送用光ファイバの梱包方法。