JPH09196481A - 混合冷媒の組成変更方法及び回路構造 - Google Patents

混合冷媒の組成変更方法及び回路構造

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JPH09196481A
JPH09196481A JP853396A JP853396A JPH09196481A JP H09196481 A JPH09196481 A JP H09196481A JP 853396 A JP853396 A JP 853396A JP 853396 A JP853396 A JP 853396A JP H09196481 A JPH09196481 A JP H09196481A
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JP
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refrigerant
boiling point
circuit
point component
liquid
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JP853396A
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Jiro Fukutome
二朗 福留
Isahiro Tanaka
勇大 田中
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Yanmar Co Ltd
Original Assignee
Yanmar Diesel Engine Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 代替冷媒である低沸点冷媒と高沸点成分との
混合冷媒を使用する空調装置において、外気温度の高い
状態での冷房時に、低沸点冷媒が多く含まれる冷媒気圧
の上昇によりコンプレッサーの吐出圧力が異常に高くな
るという不具合を解消する。 【解決手段】 レシーバー6内の気相冷媒を濃縮器10
に導入し、冷却して気液分離し、低沸点成分濃縮蒸気を
液化タンク11に分離貯蔵し、高沸点成分濃縮凝縮液を
空調本流回路MRに還元する。または、レシーバー6の
送出する高圧液体冷媒を、気液分離器20、濃縮器10
を介して気液分離し、低沸点成分濃縮蒸気を液化タンク
11に分離貯蔵し、高沸点成分濃縮凝縮液を空調本流回
路MRに還元する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、代替フロンを混合
してなる混合冷媒を使用する空調装置及び冷凍機におけ
る組成可変型空調用冷媒の循環構造及び方法に関する。
【0002】
【従来の技術】空調用冷媒として使用されていた特定フ
ロンは、オゾン層の破壊に繋がるため全廃されて指定フ
ロンに交換され、更に代替フロンに交換されつつある昨
今である。ここで、特定フロンにはR12(CCl2
2 )、指定フロンにはR22(CHClF2 )、そし
て、代替フロンは、元素成分としてClを含まず、C・
H・Fのみよりなり、その種類としてはR134a、R
32、R125等があり、また、これらの個々に異なる
特性を、空調用冷媒として活用すべく、R134a、R
32、R125を各々一定割合で(前者より52%、2
3%、25%)混合した混合冷媒R407cが公知とな
っている。混合冷媒R407cの中で、R32及びR1
25は低沸点成分で、ある程度低温でも気化して高圧化
を惹起する。対して、R134aは高沸点成分で、ある
程度高温でも液体のままで、冷媒の低圧化要素となるも
のである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】R407c等の混合代
替冷媒は、R22等の既存冷媒と同等の作動圧力となる
よう成分比率を適正化しているが、図19(冷媒R2
2、R407c、R125、及びR32の温度に対する
飽和蒸気圧の違いを示す図)に示す如く、完全に同一で
はなく、温度に対する飽和圧力変化が大きい傾向があ
る。外気温度が高い状態での冷房時にコンデンサとなる
室外熱交換器の冷媒凝縮温度は約50℃となるが、この
領域では、作動圧力(飽和蒸気圧力)がR22より高
く、コンプレッサ負荷が増大することとなる。更に混合
冷媒には、凝縮熱の伝達性能、即ち放熱性能が低く、凝
縮過程の進行につれ凝縮温度が上昇して、空気との有効
温度差が減少し、熱交換率が低下するという特有の問題
がある。これは、外気温度の高い状態での冷房時におけ
る室外熱交換器の他、特に比較的室内温度が高い時にお
ける暖房時に、コンデンサとなる室内熱交換器にて起こ
る問題であって、これを補填するのに、やはりコンプレ
ッサーの吐出圧力を、上昇させなければならないのであ
る。
【0004】そのため、一時的にコンプレッサーの吐出
圧力を低減できるように、混合冷媒の組成を変更するこ
とが考えられるが、この組成変更のための回路を設ける
場合にも、その回路構造が大がかりとなっては、全体の
配設スペースも拡大してしまうので、コンパクトな回路
構造とすることが望まれるのである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、以上のような
課題を解決し、特に、外気温度の高い時の冷房性能、及
び比較的室内温度が高い時の暖房性能を向上し、コンプ
レッサー吐出圧を低減すべく、次のような方法及び構造
を採用する。まず第一に、高沸点成分と低沸点成分の混
合冷媒を循環させる空調用冷媒回路において、気液共存
状態の混合冷媒を気液分離し、低沸点成分の濃縮化され
た気相冷媒を抽出して貯蔵し、高沸点成分の濃縮化され
た液相冷媒を空調回路に還元する混合冷媒の組成変更方
法を採用する。
【0006】第二に、高沸点成分と低沸点成分の混合冷
媒を循環させる空調用冷媒回路において、レシーバー内
の気相冷媒を、該レシーバーより送出される高圧液体冷
媒を減圧沸騰させて得る気液二相冷媒によって冷却して
部分液化し、低沸点成分の濃縮化された残存気相冷媒を
抽出して貯蔵し、高沸点成分の濃縮化された液相冷媒を
空調回路に還元する混合冷媒の組成変更方法を採用す
る。
【0007】第三に、高沸点成分と低沸点成分の混合冷
媒を循環させる空調用冷媒回路に配設する混合冷媒の組
成変更回路であって、レシーバー内の蒸気を濃縮器に導
入し、該濃縮器内の蒸気を液化タンクに導入して貯蔵す
る低沸点成分濃縮回路と、該濃縮器から空調回路へ凝縮
液を戻す回路と、該レシーバーより送られる高圧液体冷
媒の一部を導入して減圧し、該濃縮器及び液化タンクに
通過させる冷却回路とよりなる混合冷媒の組成変更回路
構造を採用する。
【0008】第四に、高沸点成分と低沸点成分の混合冷
媒を循環させる空調用冷媒回路に配設する混合冷媒の組
成変更回路であって、レシーバー内の気相中に、該レシ
ーバーより送られる高圧液体冷媒の一部を導入して減圧
した気液二相冷媒を通過させる冷却管を貫通させ、該レ
シーバー内の蒸気を液化タンクに導入して貯蔵する構造
とした混合冷媒の組成変更回路構造を採用する。
【0009】第五に、高沸点成分と低沸点成分の混合冷
媒を循環させる空調用冷媒回路に配設する混合冷媒の組
成変更回路であって、レシーバーの上方にアキュムレー
ターを配して一体化し、該アキュムレーター内に、レシ
ーバー内の蒸気を導入する液化タンクを内設した混合冷
媒の組成変更回路構造を採用する。
【0010】第六に、高沸点成分と低沸点成分の混合冷
媒を循環させる空調用冷媒回路において、レシーバーよ
り送出される高圧液体冷媒を減圧して気液分離し、低沸
点成分の濃縮化された気相冷媒を抽出して貯蔵し、高沸
点成分の濃縮化された液相冷媒を空調回路に還元する混
合冷媒の組成変更方法を採用する。
【0011】第七に、高沸点成分と低沸点成分の混合冷
媒を循環させる空調用冷媒回路に配設する混合冷媒の組
成変更回路であって、レシーバーより送出される高圧液
体冷媒の一部を減圧して気液分離器に導入し、該気液分
離器内の蒸気を濃縮器に導入し、該濃縮器内の蒸気を液
化タンクに導入して貯蔵する低沸点成分濃縮回路を有す
るとともに、該気液分離器内の凝縮液を減圧して濃縮器
に通過させた気液二相冷媒と、該濃縮器内の凝縮液を減
圧した気液二相冷媒とを液化タンクに通過させ、空調回
路に還元する高沸点成分濃縮回路を有する混合冷媒の組
成変更回路構造を採用する。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態について、図
面より説明する。図1はレシーバー6の気相冷媒より低
沸点成分濃縮蒸気を分離する構造のα型組成変更回路
図、図2はα型組成変更回路における電磁弁の開閉操作
に基づく冷媒の流れを示す図で、(1)は通常運転時、
(2)は組成変更運転時の図、図3は同じく(3)は1
34a濃縮運転時、(4)は組成復帰時の図、図4はα
1型組成変更回路を具備する空調冷媒回路全体図、図5
は戻し回路R4を空調本流回路MRに合流させる場合の
α型組成変更回路図、図6はレシーバー6と濃縮器10
を上下一体状としたα2型組成変更回路図、図7は濃縮
器を削除し、レシーバー6内に冷却管16を貫設したα
3型組成変更回路図、図8は同じくレシーバー6内に傾
斜状冷却管16’を貫設したα3’型組成変更回路図、
図9は図8中a−a線断面図、図10は上下にアキュム
レーター部9’とレシーバー部6’を形成する気液分離
ユニットUを具備するα4型組成変更回路図、図11は
α・α1・α2・α3・α3’・α4型組成変更回路の
気液分離過程における冷媒温度と冷媒組成との関連を示
す図、図12はレシーバー6より送出する高圧液体冷媒
より低沸点成分濃縮蒸気を分離する構造のβ型組成変更
回路図、図13はβ1型組成変更回路を具備する空調冷
媒回路全体図、図14はβ・β1型組成変更回路の気液
分離過程における冷媒温度と冷媒組成との関連を示す
図、図15は気液共存状態における気相と液相での組成
不均衡状態を示す図、図16は分離冷媒組成と分離量に
よる循環冷媒組成の変位を示す図、図17は空調冷媒
を、R22、R407c、及び組成変更(高沸点成分濃
縮)後のR407cとした時の、それぞれのコンプレッ
サー吐出圧力とコンデンサー加熱能力との関連を示す
図、図18は同じくコンプレッサー所要動力とコンデン
サー加熱能力との関連を示す図である。
【0013】まず、空調用冷媒の循環回路の概略につい
て図4及び図13より説明する。なお、図4及び図13
は、暖房設定時のものである。コンプレッサー1よりオ
イルセパレーター2を経て四方弁3に気体冷媒を吐出
し、暖房時には、該四方弁3から、まず室内機4の室内
熱交換器5に送られる。該室内熱交換器5は、凝縮器
(コンデンサー)Cとして機能して、室内に凝縮熱を放
出して暖房し、冷媒は液化凝縮され、膨張弁12’で減
圧沸騰して気液二相状態となり、室外機に送られ、まず
レシーバー6に送られる。該レシーバー6では気液分離
されて、液体冷媒が一定量貯蔵されてから送出され、膨
張弁12にて減圧沸騰されて気液二相状態となり、過冷
却熱交換器7及び室外熱交換器8に送られるものであ
り、該室外熱交換器8は蒸発器(エバポレーター)Eと
して機能し、冷媒は室外より気化熱を奪って気化し、そ
の後、四方弁3を介して、過冷却熱交換器7を通り、該
過冷却熱交換器7通過時に、過冷却となったレシーバー
6から室外熱交換器8に向かう気液二相冷媒を暖め、ア
キュムレーター9にて完全に気液分離されて、気体冷媒
のみがコンプレッサー1に吸入されるのである。
【0014】なお、冷房時には、四方弁3を切り換え
て、コンプレッサー1の吐出する気体冷媒は、まず室外
熱交換器8に送られ、該室外熱交換器8は、凝縮器Cと
して機能して冷媒を液化凝縮し、レシーバー6を介し
て、蒸発器Eとして機能する室内機4の室内熱交換器5
に液体冷媒を送り、ここで気化した気液混合冷媒を、ア
キュムレーター9に通して、気体冷媒のみをコンプレッ
サー1に戻すのである。
【0015】このように、レシーバー6は、冷房時も暖
房時も、凝縮器Cから蒸発器Eへの経路上に介在し、導
入される気液混合冷媒から液体冷媒を一定量溜めて送り
出すという装置である。本発明は、このレシーバー6よ
り送られる液体冷媒の組成を変更して、蒸発器Eに送り
出すものであり、特に、外気温度の高い場合の冷房時に
は、気体冷媒の割合が高くなって冷媒圧力が上昇し、コ
ンプレッサー吐出圧が過剰となるので、このような非常
時に、冷媒組成を変えることで、冷媒の低圧化を図るも
のである。即ち、空調冷媒として低沸点の冷媒(低沸点
成分)と高沸点の冷媒(高沸点成分)との混合冷媒を使
用する場合において、外気温度の高い時における冷房時
のコンプレッサー吐出圧の上昇要因となる気体冷媒中に
おける低沸点成分の混合比率を低下させ、即ち、高沸点
冷媒を濃縮化して、室外熱交換器に送り、外気温度が高
い状態での該室外熱交換器における凝縮率を向上させる
のである。空調冷媒にR407cを使用する場合には低
沸点成分のR32・R125の比率を低減し、高沸点成
分のR134aを濃縮化する。以下、R407cを空調
冷媒とすることを前提に説明する。
【0016】この組成変更方法の前提条件として、図1
5のように、気液分離状態における冷媒は、気相に低沸
点成分(R32・R125)が、液相に高沸点成分(R
134a)が、それぞれ平均混合比率よりも多い比率で
存在する。従って、この気液混合状態となった冷媒より
気相冷媒を抜き取り、液相冷媒を空調循環させるように
すれば、高沸点成分が濃縮された冷媒を空調循環させる
こととなるのである。
【0017】具体的な組成変更方法及び回路構造とし
て、まず、図1に示すα型組成変更回路より説明する。
レシーバー6内において、図15図示の気液分離状態が
発生しており、気相は、低沸点成分の混合比率が多く、
液相は、高沸点成分の混合比率が多い状態となってい
る。即ち、気相・液相で、組成が不均衡となっている。
この気相から、低沸点成分の濃縮した蒸気を、回路R1
aを介して濃縮器10に送り込み、冷却して更に凝縮液
を分離する。この凝縮液は、レシーバー6より送り込ま
れた蒸気中に含まれていた高沸点成分が濃縮された状態
となっており、これを、R2を介してレシーバー6内に
戻す。従って、レシーバー6の液相は、一層、高沸点成
分が濃縮された状態となる。その一方、濃縮器10内の
気相は、凝縮液を分離することで、一層、低沸点成分が
濃縮化された状態となっており、この気相中の蒸気を、
回路R1bを介して液化タンク11に送り込み、冷却し
て液化し、液化タンク11にて貯蔵するのである。
【0018】該回路R1a・R1bを介して、冷媒中の
低沸点成分が濃縮される。この両回路R1a・R1bを
合わせて、低沸点成分濃縮回路R1とする。また、R2
は、高沸点成分の濃縮化した凝縮液を空調回路(この場
合はレシーバー6)に戻す回路であり、これを高沸点成
分濃縮回路R2とする。
【0019】濃縮器10及び液化タンク11の冷却媒体
は、レシーバー6より空調冷媒として送り出される高圧
液体冷媒を使用する。即ち、レシーバー6下手側の空調
本流回路MRにおける膨張弁12の手前より、冷却回路
R3を分岐させて高圧液体冷媒の一部を導入し、キャピ
ラリーチューブ13にて減圧沸騰させ、濃縮器10及び
液化タンク11に通過させるのである。なお、冷却回路
R3の終端部は膨張弁12の下手側における空調本流回
路MRに合流させており、キャピラリーチューブ13を
介して減圧され、気液二相状態となった冷却回路R3中
の冷媒は、膨張弁12にてやはり減圧されて気液二相状
態となった冷媒中に戻され、蒸発器Eへと空調循環され
る。
【0020】液化タンク11とレシーバー6との間に
は、液化タンク11内にて貯蔵した冷媒を戻すための、
電磁弁14を介設する戻し回路R4を設けている。この
電磁弁14の切換によって、通常運転と、高沸点成分を
濃縮化して冷媒循環させる運転とに切り換えられる。図
2及び図3の(1)〜(4)は、電磁弁14の操作に基
づく冷媒の流れを示す。なお、図1では開示されていな
いが、レシーバー6からの液体冷媒の回路より分岐する
冷却回路R3におけるキャピラリーチューブ13の手前
にも電磁弁15を介設している。
【0021】まず、(1)は、電磁弁14・15とも閉
弁しており、通常の運転状態、即ち低沸点成分と高沸点
成分とが初期混合比率で混合されたR407cが空調循
環されているのである。そして、冷房能力の低下時やコ
ンプレッサー吐出圧上昇時等の緊急時において、高沸点
成分を濃縮させて空調循環させる時には、電磁弁14は
閉弁したままで、電磁弁15を開弁する。すると(2)
の如く、冷却回路R3に、空調本流回路MRより高圧液
体冷媒が流れ込み、キャピラリーチューブ13を介して
気液二相状態となった冷媒が、濃縮器10内に導入され
たレシーバー6内の気相冷媒を冷却して気液分離し、低
沸点成分の濃縮化された気相冷媒が液化タンク11に送
られる。電磁弁14は閉弁した状態なので、液化タンク
11には低沸点成分の濃縮化した冷媒が液化して溜めら
れていく。こうして、分離した低沸点成分の貯蔵量が目
的値に達すると(或いは、空調冷媒の高沸点成分の濃縮
度が目的値に達すると)、(3)の如く、電磁弁15を
閉弁し、冷却用回路R3への液体冷媒の導入を遮断し
て、それ以上の低沸点成分の分離を停止し、高沸点成分
の濃縮した状態の冷媒を空調循環させて、空調運転が行
われるのである。そして、最初の(1)図示の通常運転
に戻す時には、電磁弁14を開弁し、液化タンク11内
に貯蔵された低沸点成分の濃縮化された冷媒をレシーバ
ー6内に戻すのである。
【0022】なお、図1のように、電磁弁15を設けず
に、常時、冷却回路R3に高圧液体冷媒が導入される状
態にしてもよい。この場合には、電磁弁14の開弁時に
も冷却回路R3内を冷媒が流れるので、濃縮器10及び
液化タンク11における冷却がなされて、低沸点成分の
濃縮化した冷媒が液化タンク11内に流れ込むが、電磁
弁14を開弁しているので、そのままレシーバー6に戻
され、空調循環する冷媒の組成は結果的に変動しないの
である。
【0023】図4図示の冷媒回路における組成変更回路
(α1型)は、基本的に図1図示のタイプAのものと同
一であるが、空調本流回路MRより冷却回路R3を分岐
させず、膨張弁12下流側の空調本流回路MRを、その
まま濃縮器10及び液化タンク11に通過させ、冷却回
路R3として使用している。即ち、膨張弁12下流側
の、蒸発器Eに送り込む気液二相冷媒をそのまま濃縮器
10及び液化タンク11における気液分離用の冷却に用
いているのである。
【0024】なお、液化タンク11内に貯蔵する低沸点
成分濃縮液体冷媒は、図5や図6の如く、レシーバー6
に戻さずに、冷媒本流回路MR中(例えばアキュムレー
ター9の手前)に戻してもよい。図6では膨張弁12手
前の高圧液体冷媒の流動部分に合流させている。また、
低沸点成分の分離を効率化するには、濃縮器10の大型
化が必要であるが、液化タンク11との位置関係もあっ
て、配設スペースが限られる場合に、図6のように、濃
縮器10の上方に液化タンク11を配設し、濃縮器10
のを液化タンク11と一体化した構造としてもよい(α
2型)。
【0025】濃縮器10は、レシーバー6の蒸気を導入
して、凝縮液を、重力を用いて流出させる構造なので、
必ずレシーバー6よりも上方でなければならない。しか
し、その上に図6のように液化タンク11を濃縮器10
の上方に配設するのでは、かなりの高さを要する。この
コンパクト化を図る組成変更回路として、濃縮器10を
削減した図7図示のα3型を説明する。レシーバー6の
上方には、レシーバー6内の蒸気を導入する液化タンク
11を直接配設している。そして、濃縮器10に代え
て、レシーバー6の気相にて気液分離作用をなすべく、
該レシーバー6の気相部分に、冷却回路R3’の一部を
貫通させている。冷却回路R3’は、前記冷却回路R3
と同様に、レシーバー6より送出される高圧液体冷媒
を、空調本流回路MRにおける膨張弁12の手前より導
入し、キャピラリーチューブ13を介して減圧沸騰させ
て気液二相状態となった冷媒を、レシーバー6の貫通部
分(冷却管16とする。)に通過させ、この過程で、該
レシーバー6内の気相冷媒を冷却して気液分離し、高沸
点成分を多く含む凝縮液は、レシーバー6内の液相に還
元され、該レシーバー6内の気相における低沸点成分を
濃縮化させる。こうしてレシーバー6内の低沸点成分が
濃縮化された蒸気を、上方に延設する低沸点成分濃縮回
路R1’を介して直接液化タンク11に送るのである。
【0026】また、図8図示のα3’型では、冷却回路
R3’におけるレシーバー6内の貫通部分である冷却管
16’を、熱交換率向上のため、断面形状を図9の如く
構成し、また、傾斜状にして、外面に螺旋溝16’aを
穿設している。こうして、冷却管16’上にて結露する
高沸点成分の濃縮化された凝縮液は、螺旋溝16’aを
伝って、下方傾斜向きに流れ、レシーバー6の内壁面を
伝って、レシーバー6内の液相に還元される。このよう
な構造により、冷却管16’上における凝縮率が向上
し、また、レシーバー6内の液相表面を乱すことなく、
凝縮液が還元されるのである。
【0027】図10図示のα4型は、下方にレシーバー
部6’を、上方に、図4や図13図示のコンプレッサー
1の吸入側に配設するアキュムレーター9に相当するア
キュムレーター部9’を形成する気液分離ユニットUを
設けている。即ち、レシーバー6とアキュムレーター9
とを一体化しており、両者の配設スペースの削減に貢献
しており、更に、α3型(α3’型)のように、濃縮器
を介さず、レシーバー部6’からの蒸気を導入する液化
タンク11を、アキュムレーター部9’内に内設してい
るので、液化タンク11の配設スペース分がそのまま削
減される。
【0028】該アキュムレーター部9’は、気液分離作
用を有するものであって、蒸発器Eより導入される冷媒
管17には、気液二相冷媒が流入し、これを気液分離し
て、冷媒管18を介してコンプレッサー1に低圧気体冷
媒を送出する。この作用により、隔壁一枚を隔てて下方
に配設されているレシーバー部6’を冷却し、これによ
り、レシーバー部6’内の気相にて、気液分離がなさ
れ、低沸点成分の濃縮化された気体冷媒が、低沸点成分
濃縮回路R1’を介して液化タンク11に導入される。
液化タンク11も、アキュムレーター部9’における気
液分離作用にて冷却され、内部に導入された低沸点成分
の濃縮化された気体冷媒は液化されて貯蔵されるのであ
る。
【0029】このように、α4型の気液分離ユニットU
を用いる場合には、R3やR3’のような冷却回路を必
要としない。冷却回路R3(R3’)は、空調本流回路
MRより高圧液体冷媒を導入して、気液二相冷媒を再び
空調本流回路MRに還元するが、冷却回路R3(R
3’)の空調本流回路MRへの合流部における上流側と
下流側とで圧力差が生じ、空調本流回路MRにおける圧
力の安定性に欠ける。α4型の場合には、アキュムレー
ターに導入する冷媒管17・18は、空調本流回路MR
の一部であり、その気液分離作用をそのまま組成変更用
の冷却作用に使用しているので、前記のような冷却回路
を必要とせず、このような圧力の不安定を生じないので
ある。
【0030】α型及びα型を基本とするα1〜α4型組
成変更回路の構造は、レシーバー内の気相冷媒を、レシ
ーバーより送出される高圧液化冷媒を減圧沸騰して得る
気液二相冷媒にて冷却することで気液分離する方法を用
いている点で共通する。この組成可変過程における冷媒
温度と、循環冷媒(空調本流回路MRを循環する空調用
冷媒)中の高沸点成分(本実施例では134a)の濃度
の変位を図11より説明する。レシーバー6(或いは気
液分離ユニットU中のレシーバー部6’)内の冷媒温度
をt1とする。この状態において、レシーバー6内で
は、既に、液相冷媒A(飽和液)中の134a濃度d1
が、気相冷媒B(飽和蒸気)中の134a濃度d2より
も高い状態となっている(d1>d2)。液相冷媒A
は、冷却回路R3(α1の場合は空調本流回路MR、α
3の場合はR3’)で低圧沸騰されて蒸気を発生し、そ
の低温にて、レシーバー6中の気相冷媒B(α、α1、
α2型の場合は気相冷媒Bを導入した濃縮器10中の蒸
気)を、目標の凝縮割合X%まで凝縮すべく、冷媒温度
がt2に達するまで冷却して気液分離する。こうして気
液分離して得た凝縮液Baは134a濃度がd3と高
く、蒸気Bbの134a濃度はd4と低い状態となって
いる。蒸気Bbは液化タンク11にて冷却凝縮され、冷
媒温度t3以下で、134a濃度d4の液化低沸点成分
濃縮冷媒(液化32/125リッチ冷媒)となって貯蔵
されるのである。
【0031】次に、図12より、レシーバーより送出さ
れる高圧液体冷媒を減圧沸騰させて気液分離して組成変
更を行うβ型組成変更回路の構造について説明する。空
調本流回路MRにおける膨張弁12の手前より、組成変
更用導入回路R5を分岐させて、レシーバー6より送出
される高圧液体冷媒を導入し、キャピラリーチューブ1
9を通じて減圧沸騰させて気液分離器20内に導入す
る。なお、キャピラリーチューブ19と気液分離器20
との間に電磁弁24を介設している。
【0032】気液分離器20より濃縮器10に対して、
低沸点成分濃縮回路R6を介設しており、気液分離器2
0内の気相冷媒を濃縮器10内に導入する一方、気液分
離器20内の液相冷媒を高沸点成分濃縮回路R7に流入
して、キャピラリーチューブ21を介して減圧沸騰させ
て気液二相状態にして、濃縮器10を通過させる。この
通過時に、濃縮器10内に導入された気液分離器20か
らの蒸気が冷却されて液化分離し、気相冷媒は、電磁弁
25を介設した低沸点成分濃縮回路R8を経て液化タン
ク11内に導入され、一方、液相冷媒は、高沸点成分濃
縮回路R9に流入し、キャピラリーチューブ23にて減
圧沸騰して気液二相となる。高沸点成分濃縮回路R9
は、濃縮器10を通過した高沸点成分濃縮回路R7と合
流して、高沸点成分濃縮回路R10となって液化タンク
11を通過し、液化タンク11内に導入された濃縮器1
0からの気相冷媒を冷却して液化するのである。
【0033】液化タンク11に貯蔵される液化低沸点成
分濃縮冷媒は、戻し回路R11を通じて、電磁弁26の
開弁時に、空調本流回路MRにおける膨張弁12の下手
側に戻されるものであり、該戻し回路R10にはキャピ
ラリーチューブ23を介設して、該液化低沸点成分濃縮
冷媒を減圧沸騰するようにしており、また、キャピラリ
ーチューブ23の下手側にて、液化タンク11を通過し
た高沸点成分濃縮回路R9を合流させており、液化タン
ク11からキャピラリーチューブ23を介して気液二相
状態となった低沸点成分濃縮冷媒が、高沸点成分濃縮回
路R9より流入する気液二相状態の高沸点成分濃縮冷媒
と合流して、空調本流回路MRに戻される。そして、電
磁弁26の閉弁時には、該電磁弁24が開弁している限
り、高沸点成分濃縮回路R9からの高沸点成分濃縮冷媒
(気液二相状態)のみが空調本流回路MRに戻されるの
で、空調本流回路MRを空調循環する高沸点成分の濃度
が増大するのである。
【0034】組成変更運転時には、電磁弁24及び電磁
弁25を開弁し、電磁弁26を閉弁することで、気液分
離器20及び濃縮器10を経て気液分離された冷媒よ
り、気相の低沸点成分濃縮冷媒が、低沸点成分濃縮回路
R6・R8を介して液化タンク11内に導入され、液化
貯蔵される一方、液相の高沸点成分濃縮冷媒が高沸点成
分濃縮回路R7・R9・R10を介して、空調本流回路
MRに戻され、高沸点成分が濃縮化されるのである。ま
た、液化タンク11内の貯蔵量、或いは、気液分離度の
調整時に、電磁弁25を開閉調整する。
【0035】図13に図示したβ1型組成変更回路にお
いては、気液分離器20の凝縮液を流入する高沸点成分
濃縮回路R7のみを液化タンク11に通過させて、空調
本流回路MRにおける膨張弁12の下流側に合流させる
ようにしており、濃縮器10の凝縮液を流入する高沸点
成分濃縮回路R9は、低圧の気液二相冷媒が流動するア
キュムレーター9の上流側に合流させており、液化タン
ク11内にて貯蔵される低沸点成分濃縮冷媒を戻す戻し
回路R11は、該高沸点成分濃縮回路R9の途中部に合
流するようにしている。低圧の気液二相冷媒が流通して
いる箇所であれば、このように、合流点を様々に設定す
ることができるのである。また、組成変更運転時に開弁
する電磁弁27を、気液分離器20より濃縮器10に配
管した低沸点成分濃縮回路R6のみに介設している。
【0036】以上のβ型・β1型組成変更回路による組
成変更過程における冷媒温度と、循環冷媒(空調本流回
路MRを循環する空調用冷媒)中の高沸点成分(本実施
例では134a)の濃度の変位を図14より説明する。
組成変更用導入回路R5より導入された高圧液体冷媒C
を、キャピラリーチューブ19を介して減圧し、蒸気を
発生させる。この時の冷媒中の高沸点成分(134a)
の濃度をd5とする。高圧液体冷媒Cは、気液分離器2
0にて、冷媒温度t4状態で、液相冷媒Caと気相冷媒
Cbに分離する。液相冷媒Ca及び気相冷媒Cbの各1
34a濃度は、d6及びd7(d6>d7)である。気
相冷媒Cbは、更に冷媒温度t5まで冷却されて、濃縮
器10にて、134a濃度d8の液相冷媒Ccと134
a濃度d9の気相冷媒Cdとに分離され、気相冷媒Cd
は更に液化タンク11にて冷媒温度t6まで冷却され、
134a濃度d10の液化低沸点成分濃縮冷媒(液化3
2/125リッチ冷媒)となり、貯蔵される。そして、
134a濃度がd6・d8と高濃度の液相冷媒Ca・C
cは、空調本流回路MRに戻されるのである。
【0037】以上のようなα型(α1〜α4型)及びβ
型(β1型)の組成変更回路を有する空調回路におい
て、循環冷媒134a濃度、即ち、組成変更により得ら
れる空調循環冷媒中の高沸点成分の濃度は、図16に示
すように、分離高沸点成分(134a)濃度と分離冷媒
割合との関係から求められる。分離冷媒134a濃度と
は、分離して得る気相冷媒中の高沸点成分の濃度であ
り、これは、低沸点成分と高沸点成分の沸点差と冷媒温
度との関係から決定するもので、濃縮器10や気液分離
器20、或いはキャピラリーチューブ等、組成変更回路
の熱交換特性に起因する。また、分離冷媒割合とは、空
調循環させる全冷媒の中における組成変更回路に導入す
る冷媒の割合を示すもので、これは、電磁弁の開閉時間
に起因する。即ち、目標とする循環冷媒134a濃度を
得るには、組成変更回路の特性に基づいて、電磁弁の開
閉時間を調整すればよいのである。組成変更回路の特性
に基づき分離冷媒134a濃度が32%である場合に、
目標とする循環冷媒134a濃度をdとすれば、分離冷
媒割合が0.20となるように、電磁弁の開閉時間を設
定すればよいのである。
【0038】こうして、組成変更回路を通じて、必要時
に低沸点成分濃縮冷媒を分離して貯蔵し、空調回路に高
沸点成分濃縮冷媒を還元させる方法を用いることによる
効果を図17及び図18より説明する。図17及び図1
8において、コンデンサーとは凝縮器であって、暖房時
においては室内熱交換器5、冷房時においては室外熱交
換器8となるが、この場合は特に冷房時の室外熱交換器
8を指す。この凝縮器にて、例えば加熱能力Wを得よう
とする場合に、もともと指定冷媒であるR22を使用す
れば、図17の如く、コンプレッサーの吐出圧力はp1
で済んだのが、組成変更しない混合冷媒R407cを使
用すると、p3まで大幅に上昇することとなり、コンプ
レッサーの耐久性に影響を及ぼすものとなっていた。こ
れが、本発明の組成変更回路により、高沸点成分(13
4a)を濃縮化することで、同じ加熱能力を得るのに、
吐出圧力がp2で済むようになり、R22を使用した時
のp1には及ばないものの、コンプレッサーの負担を大
幅に軽減できるようになったのである。
【0039】但し、図18に示すように、高沸点成分が
濃縮する分だけ、熱効率は低減してしまい、その分、コ
ンプレッサーの所要動力を必要とする。例えば、同じく
凝縮器にて加熱能力Wを得る場合に、R22を使用して
いた場合には、コンプレッサーの所要動力がw1で済ん
だものが、組成変更しない混合冷媒R407cを使用す
ることで、所要動力がw2必要となる。そして、更に組
成変更してR407c中の高沸点成分134aを濃縮化
すると、所要動力は、更に高くなって、w3となってし
まうのである。但し、これは、冷房時におけるコンプレ
ッサー吐出圧力の上昇に比べれば、コンプレッサーの容
量さえあればクリアできる問題である。従って、通常時
の外気温度が高くない場合には、所要能力の比較的かか
らない、組成変更しない状態の混合冷媒407cを循環
させておき、外気温度が非常に高くて、凝縮器の加熱能
力の高く設定しなければならず、そのために、コンプレ
ッサーの吐出圧力が非常に高くなるおそれのある時にの
み、混合冷媒の組成変更を行い、高沸点成分134aを
濃縮化すればよいのである。
【0040】
【発明の効果】本発明は、混合冷媒を使用する空調循環
回路において、以上のような方法及び構造を採用するこ
とにより、次のような効果を奏する。まず、請求項1記
載の方法を採用することにより、外気温度の高い時の冷
房時や、比較的室内温度の高い場合の暖房時で、コンプ
レッサーの吐出圧力が異常上昇するおそれのある場合
に、空調冷媒中の高沸点成分を濃縮化し、気体冷媒の圧
力上昇要因となる低沸点成分の濃度を低減することで、
コンプレッサーの取り込む気体冷媒圧力を低減し、吐出
圧力を抑制することができて、その大容量化を回避する
ことができるのである。
【0041】そして、請求項2記載の方法を採用するこ
とで、もともと気液分離能力のあるレシーバーを利用し
て混合冷媒の組成変更をすることができ、また、気液分
離用の冷却用冷媒を、レシーバーの送出する高圧液体冷
媒を減圧沸騰して使用することで、熱効率が高い冷却効
果を得ることができ、回路構造の拡大化を抑制しなが
ら、前記の効果を得られる混合冷媒の組成変更を可能と
するこのである。
【0042】この方法を使用する組成変更構造として、
請求項3記載の構造を採用することで、濃縮器が更にレ
シーバー内の気相冷媒の気液分離を促進し、低沸点成分
濃縮回路を通じて、低沸点成分の濃縮化した蒸気を分離
し、液化タンクに液化して一定量貯蔵する一方、高沸点
成分濃縮回路を通じて、高沸点成分の濃縮化した凝縮液
を空調回路に還元して空調循環する混合冷媒中の高沸点
成分を濃縮化することができ、コンプレッサーの吐出圧
力を低減することができるのである。
【0043】また、請求項4記載の構造とすることで、
組成変更回路が、濃縮器が削減される分だけコンパクト
化し、レシーバー内に冷却管を貫通させるという簡素な
構造で気液分離を促進することができるのである。
【0044】また、請求項5記載の構造とすることで、
アキュムレーターの気液分離(冷却)効果を利用して、
レシーバー内の気液分離を促進することができ、濃縮器
も削減できて、レシーバー及びアキュムレーターの一体
化により、両者の接地スペースを削減することができ、
更には、請求項3乃至請求項5記載のような冷却回路を
なくしたので、冷却回路を空調回路に合流させる際に冷
媒の圧力差が生じて不安定となるという不具合を生じず
にすむ。
【0045】そして、請求項6記載の方法を用いること
により、組成変更回路に導入する冷媒として、レシーバ
ーより送出される高圧液体冷媒を使用し、濃縮器の上流
側で気液分離器にて予め気液分離させておくことで、気
液分離の促進性が向上し、効率よく混合冷媒の組成変更
がなされ、高沸点成分を高めて、コンプレッサーの吐出
圧力の低減を図ることができるのである。
【0046】この請求項6記載の方法を採用して、請求
項7の如き組成変更回路構造とすることで、気液分離効
率の高い、即ち、組成変更能力の優れた組成変更回路を
提供でき、効率よく混合冷媒の組成変更がなされ、高沸
点成分を高めて、コンプレッサーの吐出圧力の低減を図
ることができるのである。
【図面の簡単な説明】
【図1】レシーバー6の気相冷媒より低沸点成分濃縮蒸
気を分離する構造のα型組成変更回路図である。
【図2】α型組成変更回路における電磁弁の開閉操作に
基づく冷媒の流れを示す図で、(1)は通常運転時、
(2)は組成変更運転時の図である。
【図3】同じく(3)は134a濃縮運転時、(4)は
組成復帰時の図である。
【図4】α1型組成変更回路を具備する空調冷媒回路全
体図である。
【図5】戻し回路R4を空調本流回路MRに合流させる
場合のα型組成変更回路図である。
【図6】レシーバー6と濃縮器10を上下一体状とした
α2型組成変更回路図である。
【図7】濃縮器を削除し、レシーバー6内に冷却管16
を貫設したα3型組成変更回路図である。
【図8】同じくレシーバー6内に傾斜状冷却管16’を
貫設したα3’型組成変更回路図である。
【図9】図8中a−a線断面図である。
【図10】上下にアキュムレーター部9’とレシーバー
部6’を形成する気液分離ユニットUを具備するα4型
組成変更回路図である。
【図11】α・α1・α2・α3・α3’・α4型組成
変更回路の気液分離過程における冷媒温度と冷媒組成と
の関連を示す図である。
【図12】レシーバー6より送出する高圧液体冷媒より
低沸点成分濃縮蒸気を分離する構造のβ型組成変更回路
図である。
【図13】β1型組成変更回路を具備する空調冷媒回路
全体図である。
【図14】β・β1型組成変更回路の気液分離過程にお
ける冷媒温度と冷媒組成との関連を示す図である。
【図15】気液共存状態における気相と液相での組成不
均衡状態を示す図である。
【図16】分離冷媒組成と分離量による循環冷媒組成の
変位を示す図である。
【図17】空調冷媒を、R22、R407c、及び組成
変更(高沸点成分濃縮)後のR407cとした時の、そ
れぞれのコンプレッサー吐出圧力とコンデンサー加熱能
力との関連を示す図である。
【図18】同じくコンプレッサー所要動力とコンデンサ
ー加熱能力との関連を示す図である。
【図19】冷媒R22、R407c、R125、及びR
32の温度に対する飽和蒸気圧の違いを示す図である。
【符号の説明】
C 凝縮器 E 蒸発器 MR 空調本流回路 R1a・R1b・R1’・R6・R8 低沸点成分濃縮
回路 R2・R7・R9・R10 高沸点成分濃縮回路 R3・R3’ 冷却回路 R4・R11 戻し回路 R5 組成変更用導入回路 6 レシーバー 9 アキュムレーター 10 濃縮器 11 液化タンク 12 膨張弁 13 キャピラリーチューブ 14・15 電磁弁 16・16’ 冷却管 U 気液分離ユニット 19 キャピラリーチューブ 20 気液分離器 21・22・23 キャピラリーチューブ 24・25・26・27 電磁弁

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 高沸点成分と低沸点成分の混合冷媒を循
    環させる空調用冷媒回路において、気液共存状態の混合
    冷媒を気液分離し、低沸点成分の濃縮化された気相冷媒
    を抽出して貯蔵し、高沸点成分の濃縮化された液相冷媒
    を空調回路に還元することを特徴とする混合冷媒の組成
    変更方法。
  2. 【請求項2】 高沸点成分と低沸点成分の混合冷媒を循
    環させる空調用冷媒回路において、レシーバー内の気相
    冷媒を、該レシーバーより送出される高圧液体冷媒を減
    圧沸騰させて得る気液二相冷媒によって冷却して部分液
    化し、低沸点成分の濃縮化された残存気相冷媒を抽出し
    て貯蔵し、高沸点成分の濃縮化された液相冷媒を空調回
    路に還元することを特徴とする混合冷媒の組成変更方
    法。
  3. 【請求項3】 高沸点成分と低沸点成分の混合冷媒を循
    環させる空調用冷媒回路に配設する混合冷媒の組成変更
    回路であって、レシーバー内の蒸気を濃縮器に導入し、
    該濃縮器内の蒸気を液化タンクに導入して貯蔵する低沸
    点成分濃縮回路と、該濃縮器から空調回路へ凝縮液を戻
    す回路と、該レシーバーより送られる高圧液体冷媒の一
    部を導入して減圧し、該濃縮器及び液化タンクに通過さ
    せる冷却回路とよりなることを特徴とする混合冷媒の組
    成変更回路構造。
  4. 【請求項4】 高沸点成分と低沸点成分の混合冷媒を循
    環させる空調用冷媒回路に配設する混合冷媒の組成変更
    回路であって、レシーバー内の気相中に、該レシーバー
    より送られる高圧液体冷媒の一部を導入して減圧した気
    液二相冷媒を通過させる冷却管を貫通させ、該レシーバ
    ー内の蒸気を液化タンクに導入して貯蔵する構造とした
    ことを特徴とする混合冷媒の組成変更回路構造。
  5. 【請求項5】 高沸点成分と低沸点成分の混合冷媒を循
    環させる空調用冷媒回路に配設する混合冷媒の組成変更
    回路であって、レシーバーの上方にアキュムレーターを
    配して一体化し、該アキュムレーター内に、レシーバー
    内の蒸気を導入する液化タンクを内設したことを特徴と
    する混合冷媒の組成変更回路構造。
  6. 【請求項6】 高沸点成分と低沸点成分の混合冷媒を循
    環させる空調用冷媒回路において、レシーバーより送出
    される高圧液体冷媒を減圧して気液分離し、低沸点成分
    の濃縮化された気相冷媒を抽出して貯蔵し、高沸点成分
    の濃縮化された液相冷媒を空調回路に還元することを特
    徴とする混合冷媒の組成変更方法。
  7. 【請求項7】 高沸点成分と低沸点成分の混合冷媒を循
    環させる空調用冷媒回路に配設する混合冷媒の組成変更
    回路であって、レシーバーより送出される高圧液体冷媒
    の一部を減圧して気液分離器に導入し、該気液分離器内
    の蒸気を濃縮器に導入し、該濃縮器内の蒸気を液化タン
    クに導入して貯蔵する低沸点成分濃縮回路を有するとと
    もに、該気液分離器内の凝縮液を減圧して濃縮器に通過
    させた気液二相冷媒と、該濃縮器内の凝縮液を減圧した
    気液二相冷媒とを液化タンクに通過させ、空調回路に還
    元する高沸点成分濃縮回路を有することを特徴とする混
    合冷媒の組成変更回路構造。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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EP1186839A2 (en) 2000-09-08 2002-03-13 Hitachi Air Conditioning Systems Co., Ltd. Refrigeration cycle
JP2007224868A (ja) * 2006-02-27 2007-09-06 Hitachi Ltd ヒートポンプシステム,ヒートポンプシステムの潤滑水温度調整方法,ヒートポンプシステムの運転方法

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