JPH09196249A - 燃料ホース - Google Patents

燃料ホース

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JPH09196249A
JPH09196249A JP687396A JP687396A JPH09196249A JP H09196249 A JPH09196249 A JP H09196249A JP 687396 A JP687396 A JP 687396A JP 687396 A JP687396 A JP 687396A JP H09196249 A JPH09196249 A JP H09196249A
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JP
Japan
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layer
vulcanized
tubular body
fluororesin
rubber
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Application number
JP687396A
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English (en)
Inventor
Koyo Murakami
公洋 村上
Hiroaki Ito
弘昭 伊藤
Tetsuji Narasaki
徹司 楢▲崎▼
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Sumitomo Riko Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Riko Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】接着前処理のような複雑な製造工程をとること
なく、加硫ゴム外層とフッ素樹脂内層との接着性が向上
し、ガソリン、特にアルコール混合ガソリン、サワーガ
ソリン、ガソリン清浄剤等に対して優れた耐性を有する
信頼性の高い燃料ホースを提供する。 【解決手段】加硫アクリルゴム管状体1の内周面の所定
部分に、フッ素系樹脂層2が形成された燃料ホース3で
ある。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動車等の燃料配
管に用いられる燃料ホースに関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年の環境問題に関連して、大気中に放
出されるガソリンの量を低減させる必要があるため、自
動車等の燃料配管に用いられる燃料ホースについても、
ガソリンの透過量に関する規制が厳しくなっている。そ
のため、従来から用いられている、アクリロニトリルブ
タジエン−ポリ塩化ビニルブレンドゴム(NBR−PV
C)等の単層構造からなる燃料ホースでは、上記規制に
対応しきれなくなっているのが現状である。特に最近で
は、自動車の排気ガスを清浄化する目的で、ガソリン中
にアルコールを添加したアルコール混合ガソリンが用い
られており、このアルコール混合ガソリンはアルコール
無添加のガソリンに比べてガソリン透過性がより高いた
め、耐ガソリン透過性に一層優れた燃料ホースが待望さ
れている。
【0003】そこで、耐ガソリン透過性の向上を図るた
め、ゴムや樹脂から形成された種々の層を組み合わせた
多層構造の燃料ホース、例えば、ゴム外層の内周面に、
フッ素樹脂内層を形成した2層構造の燃料ホースが提案
されている。例えば、特開平6−255004号公報に
は、ゴム外層の内周面にフッ素樹脂粉末を静電塗装した
後、加熱冷却することにより、ゴム外層の内周面にフッ
素樹脂内層を形成した2層構造の燃料ホースが開示され
ている。この手法によれば、シール性が要求されるゴム
外層の端部にはフッ素樹脂内層を形成させずに、ゴム外
層の内周面の所望の場所にのみフッ素樹脂内層を形成す
ることが可能であるとともに、蛇腹形状等に加硫成形し
たゴム外層の内周面に対しても、フッ素樹脂内層を容易
に形成することが可能である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記特
開平6−255004号公報に記載の燃料ホースでは、
ゴム外層とフッ素樹脂内層との接着性の確保のため、ゴ
ム外層の内周面に、ナトリウムエッチング処理、コロナ
処理、低温プラズマ処理等の接着前処理を施す必要があ
り、製造工程が複雑になるという問題が生じる。
【0005】一方、特公昭60−33662号公報およ
び特公昭60−33663号公報には、アクリロニトリ
ル−ブタジエンゴム(NBR)あるいはエピクロルヒド
リンゴムからなる未加硫ゴム外層に、カルボン酸の1,
8−ジアザビシクロ〔5.4.0〕ウンデセン−7塩を
配合し、未加硫ゴム外層とフッ素ゴム内層との接着性の
向上を図った燃料ホースが開示されている。しかしなが
ら、これは未加硫ゴム外層とフッ素ゴム内層との接着を
目的とするものであり、加硫ゴムとの接着を目的とする
ものではなく、また、内層としてフッ素ゴムを用いるた
めコストが高くなる問題があり、採用が困難である。
【0006】本発明は、このような事情に鑑みなされた
もので、接着前処理のような複雑な製造工程をとること
なく、加硫ゴム外層とフッ素系樹脂内層との接着性に優
れ、ガソリン、特にアルコール混合ガソリン、サワーガ
ソリン、ガソリン清浄剤等に対して優れた耐性を有する
信頼性の高い燃料ホースの提供をその目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の燃料ホースは、単層または多層からなる加
硫ゴム管状体と、この加硫ゴム管状体の最内層の内周面
に形成されたフッ素系樹脂層とを備えた燃料ホースであ
って、上記加硫ゴム管状体の少なくとも最内層が、加硫
アクリルゴムによって形成され、かつ、上記フッ素系樹
脂層が、フッ素系樹脂の溶融接着体で形成されていると
いう構成をとる。
【0008】すなわち、本発明者らは、上記従来のナト
リウムエッチング処理、コロナ処理、低温プラズマ処理
等の接着前処理といった複雑な製造工程をとらずに、加
硫ゴム管状体とフッ素系樹脂層との接着性の向上を中心
課題として鋭意研究を重ねた。そして、フッ素系樹脂と
の接着性に優れた加硫ゴム材料を得るべく研究を重ねた
結果、加硫ゴム管状体の最内層を形成するものとして、
加硫アクリルゴムを用い、この内周面にフッ素系樹脂の
溶融接着体からなるフッ素系樹脂層を形成すると、従来
のような煩雑な前処理を行うことなく、上記最内層の加
硫アクリルゴム管状体内周面とフッ素系樹脂層とは強固
に接着して、両者の接着性の向上を図ることが可能とな
ることを見出し、本発明に到達した。
【0009】なかでも、上記フッ素系樹脂層を、150
〜250℃の範囲において、体積換算で15〜120c
3 /10minのメルトインデックスを有するフッ素
系樹脂粉末を用い、これを上記加硫ゴム管状体の最内層
の内周面に粉末塗装により溶融付着して形成すると、加
硫アクリルゴムからなる加硫ゴム管状体との接着性にお
いて特に優れたものが得られ好ましい。
【0010】
【発明の実施の形態】つぎに、本発明の実施の形態を詳
しく説明する。
【0011】本発明の燃料ホースは、単層または多層か
らなる加硫ゴム管状体と、この加硫ゴム管状体の最内層
の内周面に形成されたフッ素系樹脂層とを備えた構成を
とる。しかも、上記加硫ゴム管状体の少なくとも最内層
が、加硫アクリルゴムで形成されている。
【0012】上記加硫ゴム管状体は、1層の加硫ゴム層
のみからなる単層構造または2層以上の加硫ゴム層から
なる多層構造のいずれであってもよい。そして、上記加
硫ゴム管状体が単層構造の場合は、この加硫ゴム管状体
が加硫アクリルゴムで形成されていることが必要であ
り、上記加硫ゴム管状体が2層以上の多層構造である場
合は、少なくとも上記加硫ゴム管状体の最内層が加硫ア
クリルゴムで形成されていることが必要である。したが
って、上記加硫ゴム管状体が2層以上の多層構造である
場合、最内層以外の各加硫ゴム層の形成材料としては、
上記アクリルゴムには限定されず、従来から燃料ホース
の分野で一般的に使用されている各種ゴム材料を用いる
ことができる。
【0013】すなわち、上記加硫ゴム管状体のうち加硫
ゴム管状体が1層の加硫ゴム層のみからなる単層構造の
場合は、その加硫ゴム層、そして、加硫ゴム管状体が2
層以上の加硫ゴム層からなる多層構造の場合は、複数の
加硫ゴム層のうち少なくとも最内層に位置する加硫ゴム
層を形成するゴム材料として、前述のように、フッ素系
樹脂層との良好な接着性の実現を図るという点から、ア
クリルゴムが用いられる。
【0014】上記アクリルゴムは、アクリル酸アルキル
エステル、アクリル酸アルコキシアルキルエステルを主
成分とするものであれば特に限定するものではなく各種
のアクリルゴムを使用することができる。なお、上記主
成分とするとは、好適には、例えば、アクリル酸アルキ
ルエステル、アクリル酸アルコキシアルキルエステル
が、全体の90%以上であることを意味する。上記アク
リル酸アルキルエステルとしては、アクリル酸メチル、
アクリル酸エチル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸
iso−ブチル、アクリル酸tert−ブチル、アクリ
ル酸プロピル、アクリル酸n−オクチル、アクリル酸2
−エチルヘキシル、アクリル酸ラウリル、アクリル酸ス
テアリル等のアルキル基の炭素数が1〜20のアクリル
酸アルキルエステルがあげられる。
【0015】上記アクリル酸アルコキシアルキルエステ
ルとしては、アクリル酸メトキシメチル、アクリル酸メ
トキシエチル、アクリル酸エトキシエチル、アクリル酸
ブトキシエチル、アクリル酸メトキシエトキシエチル等
のアルコキシ基あるいはアルキレン基の炭素数が1〜4
のアクリル酸アルコキシアルキルエステルがあげられ
る。
【0016】また、上記アクリルゴムには、上記で述べ
たアクリル酸アルキルエステル、アクリル酸アルコキシ
アルキルエステルの各成分以外に、エチレン、プロピレ
ン、酢酸ビニルアクリロニトリル等のモノマーを共重合
したものを用いることもできる。
【0017】さらに、架橋活性基として、アリルグリシ
ジルエーテル、グリシジルメタクリレート等のようなエ
ポキシ基含有モノマー、2−クロロエチルビニルエーテ
ル、クロロ酢酸ビニル、サイクロールクロロアセテート
等のような塩素含有モノマー、エチリデンノルボルネン
等のような不飽和基含有モノマー、アクリル酸等のよう
なカルボキシ基含有モノマー等の各成分(モノマー)を
共重合させたものを用いることもできる。
【0018】そして、上記加硫ゴム管状体が、2層以上
の加硫ゴム層からなる多層構造の場合における、最内層
に位置する加硫ゴム層以外の他の加硫ゴム層形成材料と
しては、特に限定するものではないが、例えば、NBR
−PVC、エピクロルヒドリンゴム、クロロスルホン化
ポリエチレンゴム、塩素化ポリエチレンゴム、エチレン
−プロピレンゴム等があげられる。
【0019】上記加硫ゴム管状体の最内層の内周面に形
成されるフッ素系樹脂層の形成材料であるフッ素系樹脂
としては、特に制限されるものではなく、例えば、フッ
化ビニリデンと4−フッ化エチレンとの共重合体、フッ
化ビニリデンと6−フッ化プロピレンとの共重合体、フ
ッ化ビニリデンと4−フッ化エチレンと6−フッ化プロ
ピレンとの三元共重合体、フッ化ビニリデンと6−フッ
化プロピレンの共重合体にフッ化ビニリデンをグラフト
した重合体、ポリフッ化ビニリデン、エチレンと4−フ
ッ化エチレンとの共重合体等があげられ、なかでも、柔
軟性が良好という点で、フッ化ビニリデンと4−フッ化
エチレンとの共重合体、フッ化ビニリデンと6−フッ化
プロピレンとの共重合体、フッ化ビニリデンと4−フッ
化エチレンと6−フッ化プロピレンとの三元共重合体、
フッ化ビニリデンと6−フッ化プロピレンの共重合体に
フッ化ビニリデンをグラフトした重合体等が特に好まし
い。これらは、単独であるいは2種類以上併用すること
ができる。
【0020】上記加硫アクリルゴムからなる加硫ゴム管
状体内周面に形成されるフッ素系樹脂層の形成材料とし
ては、フッ素系樹脂粉末を用いるのが好ましく、特に1
50〜250℃の温度範囲内における少なくとも一点の
温度(例えば、230℃)において、体積換算で15〜
120cm3 /10minの範囲であるメルトインデッ
クスを有するフッ素系樹脂粉末を用いるのが好適であ
る。すなわち、メルトインデックスが15cm3 /10
min未満であると、フッ素系樹脂粉末と、加硫ゴム管
状体の最内層との接着性が得られないばかりでなく、上
記加硫ゴム管状体の最内層の内周面に形成したフッ素系
樹脂層の平滑性が悪くなるからである。つまり、フッ素
系樹脂粉末の溶解粘度が高くなるため、フッ素系樹脂粉
末と、加硫ゴム管状体の最内層とのなじみが悪くなり、
加硫ゴム管状体の最内層の内周面に形成したフッ素系樹
脂層は凹凸のある粗面状態となり、充分な膜物性が得ら
れにくくなるからである。逆に、メルトインデックスが
120cm3 /10minを超えると、フッ素系樹脂粉
末と、加硫ゴム管状体の最内層との接着性は向上するも
のの、加硫ゴム管状体の最内層の内周面に形成したフッ
素系樹脂層の厚みのばらつきが大きくなり、また、分子
量が低くなるため、充分な膜物性が得られにくくなるか
らである。
【0021】なお、上記フッ素系樹脂粉末の有するメル
トインデックスは、JIS K 7210に準拠してつ
ぎのようにして測定される。すなわち、測定機のシリン
ダーにフッ素系樹脂粉末を入れ、所定の温度(150〜
250℃)にて5分間保持した後、2.16kgのおも
りを載せたピストンにして直径2.1mm、長さ8.0
mmのダイスよりフッ素系樹脂を押し出す。所定時間に
押し出されるフッ素系樹脂の重量を測定し、10分間お
よび体積に換算する。
【0022】また、上記加硫ゴム管状体のゴム層形成材
料およびフッ素系樹脂層の形成材料には、本発明の効果
を阻害しない範囲内で、酸化防止剤、造核剤、可塑剤、
難燃剤等の他の添加剤を適宜必要に応じて添加すること
も可能である。
【0023】つぎに、本発明の燃料ホースの製造工程
を、燃料ホースの構成として、単層構造からなる加硫ゴ
ム管状体と、この加硫ゴム管状体の内周面に形成された
フッ素系樹脂層とからなる燃料ホースを例に説明する。
すなわち、加硫済みアクリルゴムからなる加硫ゴム管状
体の内周面に、フッ素系樹脂を溶融接着することにより
製造することができる。より詳しく説明すると、すなわ
ち、まず、アクリルゴムを準備し、これを射出成形機に
より射出し加硫成形して、図1に示すような、両端部が
円筒状を有し、略中央部が蛇腹形状に加硫成形された単
層構造の加硫アクリルゴム管状体1を作製する。つぎ
に、この加硫アクリルゴム管状体1の内周面の所定部分
(図1において、開口両端から一部内周面を除く)に、
上記フッ素系樹脂粉末を粉末塗装により溶融付着する。
具体的には、高電圧発生装置に接続されたスプレーガン
にエア管、樹脂粉末の供給管を通じてエアとフッ素系樹
脂粉末とを供給し、スプレーガンに取付けた長いノズル
の噴出口から負または正に帯電させたフッ素系樹脂粉末
を噴出して静電塗装する。さらに、フッ素系樹脂粉末を
加熱溶融して、フッ素系樹脂粉末を薄膜化する。この加
熱方法としては、例えば、内周面がフッ素系樹脂粉末で
塗装された加硫ゴム管状体を加熱オーブンに入れて全体
的に加熱する方法、あるいは加硫ゴム管状体の内側に棒
状の加熱装置を挿入して内側から加熱する方法等を実施
することができる。加熱条件は、使用するフッ素系樹脂
粉末や、加硫アクリルゴムの種類により適宜に設定され
るが、通常、150〜250℃で2〜40分間であり、
好ましくは170〜240℃で3〜35分間である。最
後に、上記加熱によりフッ素系樹脂粉末が薄膜化した加
硫アクリルゴム管状体をオーブンから取り出し冷却する
ことにより、図2(A)および(B)に示すように、加
硫アクリルゴム管状体1の内周面の所定部分に、フッ素
系樹脂層2を形成した燃料ホース3を得ることができ
る。この燃料ホース3は、略中央域に位置する蛇腹部3
aと、その両端に位置する円筒形状を有する端部3bと
から構成されている。そして、使用時には、例えば、図
3に示すように、一方の端部3bに相手側である金属製
パイプ4を挿入し接続することにより燃料ホースとして
使用される。
【0024】上記製造工程においては、加硫アクリルゴ
ム管状体1の作製方法として射出成形機による射出成形
をあげているが、これに限定するものではなく、例え
ば、押出成形等の成形方法があげられる。
【0025】上記燃料ホース3において、フッ素系樹脂
層2の厚みは、通常、0.02〜1mmの範囲に、好ま
しくは0.05〜0.5mmの範囲に設定される。ま
た、加硫アクリルゴム管状体1の厚みは、通常、2〜6
mmの範囲に、好ましくは3〜5mmの範囲に設定され
る。
【0026】なお、上記フッ素系樹脂層2は、上記加硫
アクリルゴム管状体1の内周面の所望の場所、例えば、
上記のように、加硫アクリルゴム管状体1内周面の両端
部には形成させないようにする等、所望の場所のみ形成
することができる。また、加硫アクリルゴム管状体1の
形状としては、図1に示すような中央域が蛇腹形状のも
のに限定されず、直管形状あるいは曲管形状であっても
よい。さらに、加硫アクリルゴム管状体1は、図1に示
すような単層構造のものに限定されるものではなく、2
層以上の加硫ゴム層からなる多層構造を採用することも
可能である。
【0027】上記加硫アクリルゴム管状体1が2層以上
の加硫ゴム層からなる多層構造は、加硫アクリルゴム管
状体1の外周に、加硫アクリルゴム管状体1の形状に沿
って、前述の他のゴム材料からなる加硫ゴム層を形成す
ることにより作製される。この加硫ゴム層の成形方法と
しては、まず、第1層目を射出成形した後、その外周に
第2層目を射出成形する方法、多層構造を同時に押出成
形する方法等があげられる。
【0028】つぎに、実施例について比較例と併せて説
明する。
【0029】
【実施例1〜10】まず、下記の表1に示す加硫アクリ
ルゴム管状体の形成材料(A〜C)を準備し、これを先
に述べたように射出成形機により160℃で5分間射出
成形を行い、内径35mm、厚み4mm、長さ200m
mの蛇腹形状に加硫成形した単層構造の加硫アクリルゴ
ム管状体を作製した。つぎに、下記の表2および表3に
示すメルトインデックスを有するフッ素系樹脂粉末を準
備し、これを上記加硫アクリルゴム管状体の内周面に、
厚み0.2mmとなるように静電塗装した。この静電塗
装は、60kV/10mAのコロナ放電(マイナス・チ
ャージ)により行った。さらに、このフッ素系樹脂粉末
を塗装した加硫アクリルゴム管状体をオーブンに入れて
210℃で25分間、加熱溶融した後、オーブンから取
り出して冷却し、上記加硫アクリルゴム管状体の内周面
にフッ素系樹脂層を形成し、目的とする燃料ホース(2
層構造)を得た。
【0030】
【表1】
【0031】
【表2】
【0032】
【表3】
【0033】
【実施例11〜16】上記表1に示す加硫アクリルゴム
管状体形成材料A〜Cを準備し、これを先に述べたよう
に射出成形機により160℃で5分間射出成形を行い、
内径35mm、厚み1mm、長さ200mmの蛇腹形状
に加硫成形した加硫アクリルゴム管状体を作製した。つ
ぎに、この加硫アクリルゴム管状体を別の金型に設置し
直し、下記の表4に示す配合のNBR−PVC材料を用
いて射出成形を行った。上記射出成形の条件はいずれも
上記実施例1〜10と同条件に設定した。このようにし
て、内径35mm、厚み4mm(加硫アクリルゴム内層
の厚み1mm、加硫NBR−PVC外層の厚み3m
m)、長さ200mmの2層構造の加硫ゴム管状体を作
製した。そして、下記の表5に示すフッ素樹脂を用い、
上記実施例1〜10と同様にして、内層である加硫アク
リルゴム管状体の内周面にフッ素系樹脂層を形成し、目
的とする燃料ホース(3層構造)を得た。
【0034】
【表4】
【0035】
【表5】
【0036】
【比較例1〜5】上記表4に示す配合のNBR−PVC
材料を用いて射出成形を行った。上記射出成形の条件は
上記実施例1〜10と同条件に設定した。このようにし
て内径35mm、厚み4mm、長さ200mmの蛇腹形
状に加硫成形した単層構造の加硫NBR−PVC管状体
を作製した。つぎに、下記の表6に示すメルトインデッ
クスを有するフッ素系樹脂粉末を準備し、これを上記加
硫NBR−PVC管状体の内周面に、厚み0.2mmと
なるように静電塗装した。この静電塗装は、60kV/
10mAのコロナ放電(マイナス・チャージ)により行
った。さらに、このフッ素系樹脂粉末をオーブンに入れ
て210℃で25分間、加熱溶融した後、オーブンから
取り出して冷却し、上記加硫NBR−PVC管状体の内
周面にフッ素系樹脂層を形成し、目的とする燃料ホース
(2層構造)を得た(比較例1〜4)。
【0037】また、上記表1に示す加硫アクリルゴム管
状体形成材料Aを用いて射出成形を行った。上記射出成
形の条件は上記実施例1〜10と同条件に設定した。こ
のようにして内径35mm、厚み4mm、長さ200m
mの蛇腹形状に加硫成形した単層構造の加硫アクリルゴ
ム管状体からなる燃料ホースを作製した(比較例5)。
【0038】
【表6】
【0039】
【従来例】上記表4に示す配合のNBR−PVC材料を
用いて射出成形を行った。上記射出成形の条件は上記実
施例1〜10と同条件に設定した。このようにして内径
35mm、厚み4mm、長さ200mmの蛇腹形状に加
硫成形した単層構造の加硫NBR−PVC管状体からな
る燃料ホースを作製した。
【0040】このようにして得られた実施例1〜16
品、比較例1〜5品、および従来品の各燃料ホースにつ
いて、内層の加硫ゴム管状体とフッ素系樹脂層との接着
性(比較例5品および従来例品は測定評価不可能)、燃
料透過性、フッ素系樹脂層の引張り破断伸び(比較例5
品および従来例品は測定評価不可能)の各特性について
調べた。この結果を、下記の表7〜表10に示す。な
お、上記各特性は、下記の方法により調べた。
【0041】〔内層の加硫ゴム管状体とフッ素系樹脂層
との接着性〕接着性の試験は、JIS K 6256に
準じておこなった。すなわち、実施例品および比較例品
の燃料ホースの端部を、燃料ホースの軸方向に幅25m
mとなるようにリング状に切断し、さらに長手方向に切
開して試験サンプルとした。ついで、この試験サンプル
の切開面から、内層(加硫ゴム管状体)およびフッ素系
樹脂層を剥離し、その剥離端を、引張試験機のつかみ治
具に固定して、引張速度25mm/分で引張試験を行
い、得られた荷重から上記二層間の剥離強度を求め、初
期値とした。つぎに、燃料ホースの中にFuel Cを
封入し、温度40℃で72時間放置した後、上記初期値
の測定と同様にして剥離強度を求め、燃料封入後の値と
した。そして、初期(燃料封入前)と燃料封入後におけ
る、内層の加硫ゴム管状体とフッ素系樹脂層との接着性
を評価した。
【0042】〔燃料透過性〕まず、Fuel Cおよび
M15〔メタノール/Fuel C=15/85(体積
混合比)〕の二種類の試験用ガソリンを準備した。そし
て、これら各ガソリンを燃料ホースに封入し、温度40
℃で168時間放置した。ついで、新しいガソリンに入
替えた後、さらに40℃で72時間放置して、放置前後
の重量変化から一日当たりの燃料透過量を算出した。
【0043】〔フッ素系樹脂層の引張り破断伸び〕フッ
素系樹脂層の引張り破断伸びは、ASTM D 638
に準じて測定した。具体的には、各実施例品および比較
例品の燃料ホースから周方向に短冊を切り取った後、こ
の短冊をフッ素系樹脂層側から測定して厚み0.5mm
になるようにスライスした。そして、スライスしたフッ
素系樹脂層をダンベルで打ち抜き、これを引張り速度1
00mm/minで引張り、フッ素系樹脂層の破断する
伸びを測定した。
【0044】
【表7】
【0045】
【表8】
【0046】
【表9】
【0047】
【表10】
【0048】上記表7〜表10の結果から、全ての実施
例品に関して、高い接着性を有し、しかも燃料透過量が
低く耐燃料性に優れ、引張破断伸びも高く強度的にも優
れていることがわかる。なかでも、実施例1〜8品、お
よび、実施例11〜16品の燃料ホース、すなわち、2
30℃において、体積換算で15〜120cm3 /10
minのメルトインデックスを有するフッ素系樹脂粉末
を用いて形成されたフッ素系樹脂層を有する燃料ホース
は、加硫アクリルゴム管状体との接着性および引張破断
伸びに関して特に優れていることが明らかである。これ
に対して比較例1〜4品は接着性に劣ることがわかる。
【0049】
【発明の効果】以上のように、本発明の燃料ホースは、
単層または多層からなる加硫ゴム管状体と、この加硫ゴ
ム管状体の最内層の内周面に形成されたフッ素系樹脂層
とからなり、少なくとも最内層が加硫アクリルゴム管状
体によって形成され、かつ、上記フッ素系樹脂層が、フ
ッ素系樹脂の溶融接着体で形成されている。このため、
従来のように、ナトリウムエッチング処理、コロナ処
理、低温プラズマ処理等の接着前処理といった複雑な製
造工程をとることなく、加硫ゴム外層とフッ素樹脂内層
との接着性が向上し、ガソリン、特にアルコール混合ガ
ソリン、サワーガソリン、ガソリン清浄剤等に優れた耐
性を奏する。
【0050】さらに、上記フッ素系樹脂層を、150〜
250℃の範囲において、体積換算で15〜120cm
3 /10minのメルトインデックスを有する特定のフ
ッ素系樹脂粉末を用い、これを上記加硫ゴム管状体の最
内層の内周面に粉末塗装により溶融付着して形成する
と、加硫アクリルゴムからなる加硫ゴム管状体との接着
性において特に優れたものが得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】加硫アクリルゴム管状体の一例を示す斜視図で
ある。
【図2】(A)は本発明の燃料ホースの一例を示す断面
図であり、(B)はそのX−X線矢視断面図である。
【図3】本発明の燃料ホースの使用用途を説明する断面
図である。
【符号の説明】
1 加硫アクリルゴム管状体 2 フッ素系樹脂層 3 燃料ホース

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 単層または多層からなる加硫ゴム管状体
    と、この加硫ゴム管状体の最内層の内周面に形成された
    フッ素系樹脂層とを備えた燃料ホースであって、上記加
    硫ゴム管状体の少なくとも最内層が、加硫アクリルゴム
    によって形成され、かつ、上記フッ素系樹脂層が、フッ
    素系樹脂の溶融接着体で形成されていることを特徴とす
    る燃料ホース。
  2. 【請求項2】 上記フッ素系樹脂層が、下記のフッ素系
    樹脂粉末(A)を、上記加硫ゴム管状体の最内層の内周
    面に粉末塗装により溶融付着して形成されたものである
    請求項1記載の燃料ホース。 (A)150〜250℃の範囲において、体積換算で1
    5〜120cm3 /10minの範囲であるメルトイン
    デックスを有するフッ素系樹脂粉末。
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