JPH09196248A - 燃料ホース - Google Patents

燃料ホース

Info

Publication number
JPH09196248A
JPH09196248A JP687296A JP687296A JPH09196248A JP H09196248 A JPH09196248 A JP H09196248A JP 687296 A JP687296 A JP 687296A JP 687296 A JP687296 A JP 687296A JP H09196248 A JPH09196248 A JP H09196248A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
layer
vulcanized
tubular body
fluororesin
vulcanized rubber
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP687296A
Other languages
English (en)
Inventor
Koyo Murakami
公洋 村上
Hiroaki Ito
弘昭 伊藤
Tetsuji Narasaki
徹司 楢▲崎▼
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sumitomo Riko Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Riko Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sumitomo Riko Co Ltd filed Critical Sumitomo Riko Co Ltd
Priority to JP687296A priority Critical patent/JPH09196248A/ja
Publication of JPH09196248A publication Critical patent/JPH09196248A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Laminated Bodies (AREA)
  • Rigid Pipes And Flexible Pipes (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】接着前処理のような複雑な製造工程をとること
なく、加硫ゴム外層とフッ素樹脂内層との接着性が向上
し、ガソリン、特にアルコール混合ガソリン、サワーガ
ソリン、ガソリン清浄剤等に対して優れた耐性を有する
信頼性の高い燃料ホースを提供する。 【解決手段】加硫フッ素ゴム管状体1の内周面の所定部
分に、フッ素系樹脂層2が形成された燃料ホース3であ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動車等の燃料配
管に用いられる燃料ホースに関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年の環境問題に関連して、大気中に放
出されるガソリンの量を低減させる必要があるため、自
動車等の燃料配管に用いられる燃料ホースについても、
ガソリンの透過量に関する規制が厳しくなっている。そ
のため、従来から用いられている、アクリロニトリルブ
タジエン−ポリ塩化ビニルブレンドゴム(NBR−PV
C)等の単層構造からなる燃料ホースでは、上記規制に
対応しきれなくなっているのが現状である。特に最近で
は、自動車の排気ガスを清浄化する目的で、ガソリン中
にアルコールを添加したアルコール混合ガソリンが用い
られており、このアルコール混合ガソリンはアルコール
無添加のガソリンに比べてガソリン透過性がより高いた
め、耐ガソリン透過性に一層優れた燃料ホースが待望さ
れている。
【0003】そこで、耐ガソリン透過性の向上を図るた
め、ゴムや樹脂から形成された種々の層を組み合わせた
多層構造の燃料ホース、例えば、ゴム外層の内周面に、
フッ素樹脂内層を形成した2層構造の燃料ホースが提案
されている。例えば、特開平6−255004号公報に
は、ゴム外層の内周面にフッ素樹脂粉末を静電塗装した
後、加熱冷却することにより、ゴム外層の内周面にフッ
素樹脂内層を形成した2層構造の燃料ホースが開示され
ている。この手法によれば、シール性が要求されるゴム
外層の端部にはフッ素樹脂内層を形成させずに、ゴム外
層の内周面の所望の場所にのみフッ素樹脂内層を形成す
ることが可能であるとともに、蛇腹形状等に加硫成形し
たゴム外層の内周面に対しても、フッ素樹脂内層を容易
に形成することが可能である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記特
開平6−255004号公報に記載の燃料ホースでは、
ゴム外層とフッ素樹脂内層との接着性の確保のため、ゴ
ム外層の内周面に、ナトリウムエッチング処理、コロナ
処理、低温プラズマ処理等の接着前処理を施す必要があ
り、製造工程が複雑になるという問題が生じる。
【0005】一方、特公昭60−33662号公報およ
び特公昭60−33663号公報には、アクリロニトリ
ル−ブタジエンゴム(NBR)あるいはエピクロルヒド
リンゴムからなる未加硫ゴム外層に、カルボン酸の1,
8−ジアザビシクロ〔5.4.0〕ウンデセン−7塩を
配合し、未加硫ゴム外層とフッ素ゴム内層との接着性の
向上を図った燃料ホースが開示されている。しかしなが
ら、これは未加硫ゴム外層とフッ素ゴム内層との接着を
目的とするものであり、加硫ゴムとの接着を目的とする
ものではない。
【0006】本発明は、このような事情に鑑みなされた
もので、接着前処理のような複雑な製造工程をとること
なく、加硫ゴム外層とフッ素系樹脂内層との接着性に優
れ、ガソリン、特にアルコール混合ガソリン、サワーガ
ソリン、ガソリン清浄剤等に対して優れた耐性を有する
信頼性の高い燃料ホースの提供をその目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の燃料ホースは、単層または多層からなる加
硫ゴム管状体と、この加硫ゴム管状体の最内層の内周面
に形成されたフッ素系樹脂層とを備えた燃料ホースであ
って、上記加硫ゴム管状体の少なくとも最内層が、加硫
フッ素ゴムによって形成され、かつ、上記フッ素系樹脂
層が、フッ素系樹脂の溶融接着体で形成されているとい
う構成をとる。
【0008】すなわち、本発明者らは、上記従来のナト
リウムエッチング処理、コロナ処理、低温プラズマ処理
等の接着前処理といった複雑な製造工程をとらずに、加
硫ゴム管状体とフッ素系樹脂層との接着性の向上を中心
課題として鋭意研究を重ねた。そして、フッ素系樹脂と
の接着性に優れた加硫ゴム材料を得るべく研究を重ねた
結果、加硫フッ素ゴムとフッ素系樹脂とが馴染みが良い
こと、および加硫フッ素ゴムを用いた場合には、加硫フ
ッ素ゴム未使用の場合に比べて、燃料バリヤー性が更に
優れるという知見を得た。そして、この知見に基づいて
更に研究を重ねた結果、加硫ゴム管状体の最内層を形成
するものとして、加硫フッ素ゴムを用い、この内周面に
フッ素系樹脂の溶融接着体からなるフッ素系樹脂層を形
成すると、従来のような煩雑な前処理を行うことなく、
上記最内層の加硫フッ素ゴム管状体内周面とフッ素系樹
脂層とは強固に接着して、両者の接着性の向上を図るこ
とが可能となることを見出し、本発明に到達した。
【0009】なかでも、上記フッ素系樹脂層を、150
〜250℃の範囲において、体積換算で15〜120c
3 /10minのメルトインデックスを有するフッ素
系樹脂粉末を用い、これを上記加硫ゴム管状体の最内層
の内周面に粉末塗装により溶融付着して形成すると、加
硫フッ素ゴムからなる加硫ゴム管状体との接着性におい
て特に優れたものが得られ好ましい。
【0010】
【発明の実施の形態】つぎに、本発明の実施の形態を詳
しく説明する。
【0011】本発明の燃料ホースは、単層または多層か
らなる加硫ゴム管状体と、この加硫ゴム管状体の最内層
の内周面に形成されたフッ素系樹脂層とを備えた構成を
とる。しかも、上記加硫ゴム管状体の少なくとも最内層
が、加硫フッ素ゴムで形成されている。
【0012】上記加硫ゴム管状体は、1層の加硫ゴム層
のみからなる単層構造または2層以上の加硫ゴム層から
なる多層構造のいずれであってもよい。そして、上記加
硫ゴム管状体が単層構造の場合は、この加硫ゴム管状体
が加硫フッ素ゴムで形成されていることが必要であり、
上記加硫ゴム管状体が2層以上の多層構造である場合
は、少なくとも上記加硫ゴム管状体の最内層が加硫フッ
素ゴムで形成されていることが必要である。したがっ
て、上記加硫ゴム管状体が2層以上の多層構造である場
合、最内層以外の各加硫ゴム層の形成材料としては、上
記フッ素ゴムには限定されず、従来から燃料ホースの分
野で一般的に使用されている各種ゴム材料を用いること
ができる。
【0013】すなわち、上記加硫ゴム管状体のうち加硫
ゴム管状体が1層の加硫ゴム層のみからなる単層構造の
場合は、その加硫ゴム層、そして、加硫ゴム管状体が2
層以上の加硫ゴム層からなる多層構造の場合は、複数の
加硫ゴム層のうち少なくとも最内層に位置する加硫ゴム
層を形成するゴム材料として、前述のように、フッ素系
樹脂層との良好な接着性の実現を図るという点から、フ
ッ素ゴムが用いられる。
【0014】上記フッ素ゴムは、特に限定されるもので
はなく、燃料ホースの分野で一般的に使用されているも
のを用いることができる。具体的には、フッ化ビニリデ
ンと6−フッ化プロピレンとの共重合体、フッ化ビニリ
デンと4−フッ化エチレンと6−フッ化プロピレンとの
三元共重合体、4−フッ化エチレンとプロピレンとの共
重合体、ポリフッ化ビニリデンとアクリルゴムとのブレ
ンド物等が好ましく、なかでも、フッ化ビニリデンと6
−フッ化プロピレンとの共重合体、フッ化ビニリデンと
4−フッ化エチレンと6−フッ化プロピレンとの三元共
重合体が特に好ましい。
【0015】また、上記フッ素ゴムは、ポリアミン、ポ
リオール、パーオキサイド等によって加硫化され、加硫
フッ素ゴムとして用いられる。
【0016】そして、上記加硫ゴム管状体が、2層以上
の加硫ゴム層からなる多層構造の場合における、最内層
に位置する加硫ゴム層以外の他の加硫ゴム層形成材料と
しては、特に限定するものではないが、例えば、NBR
−PVC、エピクロルヒドリンゴム、クロロスルホン化
ポリエチレンゴム、塩素化ポリエチレンゴム、エチレン
−プロピレンゴム等があげられる。なお、最内層に位置
する加硫ゴム層以外の他の加硫ゴム層を、上記NBR−
PVC等の材料で形成すれば、フッ素ゴムで形成する場
合に比べてフッ素ゴムの使用量が減少するため、低コス
ト化を図ることができる。
【0017】上記加硫ゴム管状体の最内層の内周面に形
成されるフッ素系樹脂層の形成材料であるフッ素系樹脂
としては、特に制限されるものではなく、例えば、フッ
化ビニリデンと4−フッ化エチレンとの共重合体、フッ
化ビニリデンと6−フッ化プロピレンとの共重合体、フ
ッ化ビニリデンと4−フッ化エチレンと6−フッ化プロ
ピレンとの三元共重合体、フッ化ビニリデンと6−フッ
化プロピレンとの共重合体にフッ化ビニリデンをグラフ
トした重合体、ポリフッ化ビニリデン、エチレンと4−
フッ化エチレンとの共重合体等があげられ、なかでも、
柔軟性が良好という点で、フッ化ビニリデンと4−フッ
化エチレンとの共重合体、フッ化ビニリデンと6−フッ
化プロピレンとの共重合体、フッ化ビニリデンと4−フ
ッ化エチレンと6−フッ化プロピレンとの三元共重合
体、フッ化ビニリデンと6−フッ化プロピレンとの共重
合体にフッ化ビニリデンをグラフトした重合体等が特に
好ましい。これらは、単独であるいは2種類以上併用す
ることができる。
【0018】上記加硫フッ素ゴムからなる加硫ゴム管状
体内周面に形成されるフッ素系樹脂層の形成材料として
は、フッ素系樹脂粉末を用いるのが好ましく、特に15
0〜250℃の温度範囲内における少なくとも一点の温
度(例えば、230℃)において、体積換算で15〜1
20cm3 /10minの範囲であるメルトインデック
スを有するフッ素系樹脂粉末を用いるのが好適である。
すなわち、メルトインデックスが15cm3 /10mi
n未満であると、フッ素系樹脂粉末と、加硫ゴム管状体
の最内層との接着性が得られないばかりでなく、上記加
硫ゴム管状体の最内層の内周面に形成したフッ素系樹脂
層の平滑性が悪くなるからである。つまり、フッ素系樹
脂粉末の溶解粘度が高くなるため、フッ素系樹脂粉末
と、加硫ゴム管状体の最内層とのなじみが悪くなり、加
硫ゴム管状体の最内層の内周面に形成したフッ素系樹脂
層は凹凸のある粗面状態となり、充分な膜物性が得られ
にくくなるからである。逆に、メルトインデックスが1
20cm3 /10minを超えると、フッ素系樹脂粉末
と、加硫ゴム管状体の最内層との接着性は向上するもの
の、加硫ゴム管状体の最内層の内周面に形成したフッ素
系樹脂層の厚みのばらつきが大きくなり、また、分子量
が低くなるため、充分な膜物性が得られにくくなるから
である。
【0019】なお、上記フッ素系樹脂粉末の有するメル
トインデックスは、JIS K 7210に準拠してつ
ぎのようにして測定される。すなわち、測定機のシリン
ダーにフッ素系樹脂を入れ、所定の温度(150〜25
0℃)にて5分間保持した後、2.16kgのおもりを
載せたピストンにて直径2.1mm、長さ8.0mmの
ダイスよりフッ素系樹脂を押し出す。所定時間に押し出
されるフッ素系樹脂の重量を測定し、10分間および体
積に換算する。
【0020】また、上記加硫ゴム管状体のゴム層形成材
料およびフッ素系樹脂層の形成材料には、本発明の効果
を阻害しない範囲内で、酸化防止剤、造核剤、可塑剤、
難燃剤等の他の添加剤を適宜必要に応じて添加すること
も可能である。
【0021】つぎに、本発明の燃料ホースの製造工程
を、燃料ホースの構成として、単層構造からなる加硫ゴ
ム管状体と、この加硫ゴム管状体の内周面に形成された
フッ素系樹脂層とからなる燃料ホースを例に説明する。
すなわち、加硫済みフッ素ゴムからなる加硫ゴム管状体
の内周面に、フッ素系樹脂を溶融接着することにより製
造することができる。より詳しく説明すると、まず、フ
ッ素ゴムを準備し、これを射出成形機により射出し加硫
成形して、図1に示すような、両端部が円筒状を有し、
略中央部が蛇腹形状に加硫成形された単層構造の加硫フ
ッ素ゴム管状体1を作製する。つぎに、この加硫フッ素
ゴム管状体1の内周面の所定部分(図1において、開口
両端から一部内周面を除く)に、上記フッ素系樹脂粉末
を粉末塗装により溶融付着する。具体的には、高電圧発
生装置に接続されたスプレーガンにエア管、樹脂粉末の
供給管を通じてエアとフッ素系樹脂粉末とを供給し、ス
プレーガンに取付けた長いノズルの噴出口から負または
正に帯電させたフッ素系樹脂粉末を噴出して静電塗装す
る。さらに、フッ素系樹脂粉末を加熱溶融して、フッ素
系樹脂粉末を薄膜化する。この加熱方法としては、例え
ば、内周面がフッ素系樹脂粉末で塗装された加硫ゴム管
状体を加熱オーブンに入れて全体的に加熱する方法、あ
るいは加硫ゴム管状体の内側に棒状の加熱装置を挿入し
て内側から加熱する方法等を実施することができる。加
熱条件は、使用するフッ素系樹脂粉末や、加硫フッ素ゴ
ムの種類により適宜に設定されるが、通常、150〜2
50℃で2〜40分間であり、好ましくは170〜24
0℃で3〜35分間である。最後に、上記加熱によりフ
ッ素系樹脂粉末が薄膜化した加硫フッ素ゴム管状体をオ
ーブンから取り出し冷却することにより、図2(A)お
よび(B)に示すように、加硫フッ素ゴム管状体1の内
周面の所定部分に、フッ素系樹脂層2を形成した燃料ホ
ース3を得ることができる。この燃料ホース3は、略中
央域に位置する蛇腹部3aと、その両端に位置する円筒
形状を有する端部3bとから構成されている。そして、
使用時には、例えば、図3に示すように、一方の端部3
bに相手側である金属製パイプ4を挿入し接続すること
により燃料ホースとして使用される。
【0022】上記製造工程においては、加硫フッ素ゴム
管状体1の作製方法として射出成形機による射出成形を
あげているが、これに限定するものではなく、例えば、
押出成形等の成形方法があげられる。
【0023】上記燃料ホース3において、フッ素系樹脂
層2の厚みは、通常、0.02〜1mmの範囲に、好ま
しくは0.05〜0.5mmの範囲に設定される。ま
た、加硫フッ素ゴム管状体1の厚みは、通常、2〜6m
mの範囲に、好ましくは3〜5mmの範囲に設定され
る。
【0024】なお、上記フッ素系樹脂層2は、上記加硫
フッ素ゴム管状体1の内周面の所望の場所、例えば、上
記のように、加硫フッ素ゴム管状体1内周面の両端部に
は形成させないようにする等、所望の場所のみ形成する
ことができる。また、加硫フッ素ゴム管状体1の形状と
しては、図1に示すような中央域が蛇腹形状のものに限
定されず、直管形状あるいは曲管形状であってもよい。
さらに、加硫フッ素ゴム管状体1は、図1に示すような
単層構造のものに限定されるものではなく、2層以上の
加硫ゴム層からなる多層構造を採用することも可能であ
る。
【0025】上記加硫フッ素ゴム管状体1が2層以上の
加硫ゴム層からなる多層構造は、加硫フッ素ゴム管状体
1の外周に、加硫フッ素ゴム管状体1の形状に沿って、
前述の他のゴム材料からなる加硫ゴム層を形成すること
により作製される。この加硫ゴム層の形成方法として
は、まず第1層目を射出成形した後、その外周に第2層
目を射出成形する方法、多層構造を同時に押出成形する
方法等があげられる。
【0026】つぎに、実施例について比較例と併せて説
明する。
【0027】
【実施例1〜3】まず、下記の表1に示す加硫フッ素ゴ
ム管状体の形成材料(A〜C)を準備し、これを先に述
べたように射出成形機により160℃で5分間射出成形
を行い、内径35mm、厚み4mm、長さ200mmの
蛇腹形状に加硫成形した単層構造の加硫フッ素ゴム管状
体を作製した。つぎに、下記の表2に示すメルトインデ
ックスを有するフッ素系樹脂粉末を準備し、これを上記
加硫フッ素ゴム管状体の内周面に、厚み0.2mmとな
るように静電塗装した。この静電塗装は、60kV/1
0mAのコロナ放電(マイナス・チャージ)により行っ
た。さらに、このフッ素系樹脂粉末を塗装した加硫フッ
素ゴム管状体をオーブンに入れて210℃で25分間、
加熱溶融した後、オーブンから取り出して冷却し、上記
加硫フッ素ゴム管状体の内周面にフッ素系樹脂層を形成
し、目的とする燃料ホース(2層構造)を得た。
【0028】
【表1】
【0029】
【表2】
【0030】
【実施例4〜13】上記表1に示す加硫フッ素ゴム管状
体の形成材料(A〜C)を準備し、これを先に述べたよ
うに射出成形機により160℃で5分間射出成形を行
い、内径35mm、厚み1mm、長さ200mmの蛇腹
形状に加硫成形した加硫フッ素ゴム管状体を作製した。
つぎに、この加硫フッ素ゴム管状体を別の金型に設置し
直し、下記の表3に示す配合の加硫NBR−PVC形成
材料(X)を用いて射出成形を行った。上記射出成形の
条件はいずれも上記実施例1〜3と同条件に設定した。
このようにして、内径35mm、厚み4mm(加硫フッ
素ゴム内層の厚み1mm、加硫NBR−PVC外層の厚
み3mm)、長さ200mmの2層構造の加硫ゴム管状
体を作製した。そして、下記の表4および表5に示すメ
ルトインデックスを有するフッ素系樹脂粉末を用い、上
記実施例1〜3と同様にして、内層である加硫フッ素ゴ
ム管状体の内周面にフッ素系樹脂層を形成し、目的とす
る燃料ホース(3層構造)を得た。
【0031】
【表3】
【0032】
【表4】
【0033】
【表5】
【0034】
【比較例1〜5】上記表3に示す配合の加硫NBR−P
VC形成材料(Y)を準備し、これを先に述べたように
射出成形機により160℃で5分間射出成形を行い、内
径35mm、厚み1mm、長さ200mmの蛇腹形状に
加硫成形した加硫ゴム管状体を作製した。つぎに、この
加硫NBR−PVC管状体を別の金型に設置し直し、上
記表3に示す配合の加硫NBR−PVC形成材料(X)
を用いて射出成形を行った。上記射出成形の条件は、い
ずれも上記実施例1〜3と同条件に設定した。このよう
にして、内径35mm、厚み4mm〔加硫NBR−PV
C内層(Y)の厚み1mm、加硫NBR−PVC外層
(X)の厚み3mm〕、長さ200mmの2層構造の加
硫ゴム管状体を作製した。そして、下記の表6に示すメ
ルトインデックスを有するフッ素系樹脂粉末を用い、上
記実施例1〜3と同様にして、内層である加硫NBR−
PVC管状体(Y)の内周面にフッ素系樹脂層を形成
し、目的とする燃料ホース(3層構造)を得た(比較例
1〜4)。
【0035】また、上記表1に示す加硫フッ素ゴム管状
体の形成材料(A)を用いて射出成形を行った。上記射
出成形の条件は、上記実施例1〜3と同条件に設定し
た。つぎに、この加硫フッ素ゴム管状体を別の金型に設
置し直し、上記表3に示す配合の加硫NBR−PVC形
成材料(X)を用いて射出成形を行った。上記射出成形
の条件はいずれも上記実施例11〜20と同条件に設定
した。このようにして、内径35mm、厚み4mm(加
硫フッ素ゴム内層の厚み1mm、加硫NBR−PVC外
層の厚み3mm)、長さ200mmの2層構造の加硫ゴ
ム管状体からなる燃料ホースを作製した(比較例5)。
【0036】
【表6】
【0037】
【従来例】上記表3に示す配合の加硫NBR−PVC形
成材料(Y)を用いて射出成形を行った。上記射出成形
の条件は、上記実施例1〜3と同条件に設定した。この
ようにして内径35mm、厚み4mm、長さ200mm
の蛇腹形状に加硫成形した単層構造の加硫NBR−PV
C管状体からなる燃料ホースを作製した。
【0038】このようにして得られた実施例1〜13
品、比較例1〜5品、および従来品の各燃料ホースにつ
いて、内層の加硫ゴム管状体とフッ素系樹脂層との接着
性(従来例品は測定評価不能)、燃料透過性、フッ素系
樹脂層の引張り破断伸び(従来例品は測定評価不能)の
各特性について調べた。この結果を、下記の表7〜表1
0に示す。なお、上記各特性は、下記の方法により調べ
た。
【0039】〔内層の加硫ゴム管状体とフッ素系樹脂層
との接着性〕接着性の試験は、JIS K 6256に
準じておこなった。すなわち、実施例品および比較例品
の燃料ホースの端部を、燃料ホースの軸方向に幅25m
mとなるようにリング状に切断し、さらに長手方向に切
開して試験サンプルとした。ついで、この試験サンプル
の切開面から、内層(加硫ゴム管状体)およびフッ素系
樹脂層を剥離し、その剥離端を、引張試験機のつかみ治
具に固定して、引張速度25mm/分で引張試験を行
い、得られた荷重から上記二層間の剥離強度を求め、初
期値とした。つぎに、燃料ホースの中にFuel Cを
封入し、温度40℃で72時間放置した後、上記初期値
の測定と同様にして剥離強度を求め、燃料封入後の値と
した。そして、初期(燃料封入前)と燃料封入後におけ
る、内層の加硫ゴム管状体とフッ素系樹脂層との接着性
を評価した。
【0040】〔燃料透過性〕まず、Fuel Cおよび
M15〔メタノール/Fuel C=15/85(体積
混合比)〕の二種類の試験用ガソリンを準備した。そし
て、これら各ガソリンを燃料ホースに封入し、温度40
℃で168時間放置した。ついで、新しいガソリンに入
替えた後、さらに40℃で72時間放置して、放置前後
の重量変化から一日当たりの燃料透過量を算出した。
【0041】〔フッ素系樹脂層の引張り破断伸び〕フッ
素系樹脂層の引張り破断伸びは、ASTM D 638
に準じて測定した。具体的には、各実施例品および比較
例品の燃料ホースから周方向に短冊を切り取った後、こ
の短冊をフッ素系樹脂層側から測定して厚み0.5mm
になるようにスライスした。そして、スライスしたフッ
素系樹脂層をダンベルで打ち抜き、これを引張り速度1
00mm/minで引張り、フッ素系樹脂層の破断する
伸びを測定した。
【0042】
【表7】
【0043】
【表8】
【0044】
【表9】
【0045】
【表10】
【0046】上記表7〜表10の結果から、全ての実施
例品に関して、高い接着性を有し、しかも燃料透過量が
低く耐燃料性に優れ、引張り破断伸びも高く強度的にも
優れていることがわかる。なかでも、実施例1〜11品
の燃料ホース、すなわち、230℃において、体積換算
で15〜120cm3 /10minのメルトインデック
スを有するフッ素系樹脂粉末を用いて形成されたフッ素
系樹脂層を有する燃料ホースは、加硫フッ素ゴム管状体
との接着性および引張り破断伸びに関して特に優れてい
ることが明らかである。これに対して比較例1〜4品は
接着性および耐燃料性に劣ることがわかる。
【0047】
【発明の効果】以上のように、本発明の燃料ホースは、
単層または多層からなる加硫ゴム管状体と、この加硫ゴ
ム管状体の最内層の内周面に形成されたフッ素系樹脂層
とからなり、少なくとも最内層が加硫フッ素ゴム管状体
によって形成され、かつ、上記フッ素系樹脂層が、フッ
素系樹脂の溶融接着体で形成されている。このため、従
来のように、ナトリウムエッチング処理、コロナ処理、
低温プラズマ処理等の接着前処理といった複雑な製造工
程をとることなく、加硫ゴム外層とフッ素樹脂内層との
接着性が向上し、ガソリン、特にアルコール混合ガソリ
ン、サワーガソリン、ガソリン清浄剤等に優れた耐性を
奏する。
【0048】さらに、上記フッ素系樹脂層を、150〜
250℃の範囲において、体積換算で15〜120cm
3 /10minのメルトインデックスを有する特定のフ
ッ素系樹脂粉末を用い、これを上記加硫ゴム管状体の最
内層の内周面に粉末塗装により溶融付着して形成する
と、加硫フッ素ゴムからなる加硫ゴム管状体との接着性
において特に優れたものが得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】加硫フッ素ゴム管状体の一例を示す斜視図であ
る。
【図2】(A)は本発明の燃料ホースの一例を示す断面
図であり、(B)はそのX−X線矢視断面図である。
【図3】本発明の燃料ホースの使用用途を説明する断面
図である。
【符号の説明】
1 加硫フッ素ゴム管状体 2 フッ素系樹脂層 3 燃料ホース

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 単層または多層からなる加硫ゴム管状体
    と、この加硫ゴム管状体の最内層の内周面に形成された
    フッ素系樹脂層とを備えた燃料ホースであって、上記加
    硫ゴム管状体の少なくとも最内層が、加硫フッ素ゴムに
    よって形成され、かつ、上記フッ素系樹脂層が、フッ素
    系樹脂の溶融接着体で形成されていることを特徴とする
    燃料ホース。
  2. 【請求項2】 上記フッ素系樹脂層が、下記のフッ素系
    樹脂粉末(A)を、上記加硫ゴム管状体の最内層の内周
    面に粉末塗装により溶融付着して形成されたものである
    請求項1記載の燃料ホース。 (A)150〜250℃の範囲において、体積換算で1
    5〜120cm3 /10minの範囲であるメルトイン
    デックスを有するフッ素系樹脂粉末。
JP687296A 1996-01-18 1996-01-18 燃料ホース Pending JPH09196248A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP687296A JPH09196248A (ja) 1996-01-18 1996-01-18 燃料ホース

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP687296A JPH09196248A (ja) 1996-01-18 1996-01-18 燃料ホース

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH09196248A true JPH09196248A (ja) 1997-07-29

Family

ID=11650331

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP687296A Pending JPH09196248A (ja) 1996-01-18 1996-01-18 燃料ホース

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH09196248A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5937911A (en) Fuel transporting hose having resin tube of fluorine-contained resin layer and other synthetic resin layer, and process of producing the resin tube
US5941286A (en) Composite fuel and vapor barrier tube and process for making same
EP0534588B1 (en) Hose assembly
US6686012B1 (en) Multi-layer articles including a fluoroplastic layer
EP0743894B1 (en) Process for producing corrugated multi-layer tubing having layers of differing plastic characteristics
CN100392307C (zh) 具有密封层的软管、其直接连接装置组件及其制造方法
US5653266A (en) Chemically bonded multi-wall conduit
JP5013912B2 (ja) 樹脂複合ホース及びその製造方法
EP1169169B1 (en) Tubing for handling hydrocarbon materials and having an outer jacket layer adhered thereto
EP1260747A1 (en) Resin hose for fuel
US20040126527A1 (en) Corrugated hose assembly
JPH10506455A (ja) 燃料輸送用パイプ
WO2002016112A1 (en) Process for preparing a multi-layer article having a fluoroplastic layer and an elastomer layer
JP2003033983A (ja) 燃料ホース
EP0716632B1 (en) Composite fuel and vapor barrier tube and process for making same
US7156125B2 (en) Coaxial hose assembly and method of making same
US20020144742A1 (en) Hose assembly and method of making same
US6773755B2 (en) Process for preparing a multi-layer article having a fluoroplastic layer and an elastomer layer
JP3695158B2 (ja) 燃料ホース
JP3831965B2 (ja) 燃料ホースの製法
JPH09196248A (ja) 燃料ホース
JP3166495B2 (ja) 積層構造ホース
JP4126887B2 (ja) 燃料ホース
JPH09196249A (ja) 燃料ホース
JP2001074174A (ja) 燃料ホース