JP2001074174A - 燃料ホース - Google Patents

燃料ホース

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JP2001074174A
JP2001074174A JP25021099A JP25021099A JP2001074174A JP 2001074174 A JP2001074174 A JP 2001074174A JP 25021099 A JP25021099 A JP 25021099A JP 25021099 A JP25021099 A JP 25021099A JP 2001074174 A JP2001074174 A JP 2001074174A
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fuel hose
rubber
layer
resin layer
thin film
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JP25021099A
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Shinji Iio
真治 飯尾
Hiroaki Ito
弘昭 伊藤
Takahiro Nishiyama
高広 西山
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Sumitomo Riko Co Ltd
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Sumitomo Riko Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 必要な柔軟性を備えると共に、アルコール混
合ガソリンに対しても優れた非透過性を示す燃料ホース
を提供する。 【解決手段】 単層又は多層からなるゴム管状体の最内
層の内周面に、ポリブチレン芳香族エステルを以て、好
ましくは0.5mm以下の層厚で薄膜樹脂層を形成す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は主として自動車用の
燃料ホースに関し、更に詳しくは、特にエタノール混合
ガソリン等のアルコール混合ガソリンに対して優れた非
透過性を示す燃料ホースに関する。本発明の燃料ホース
は、自動車等のアルコール燃料電池におけるアルコール
配管ホースとしても好適に使用することができる。
【0002】
【従来の技術】近年、環境問題に関連して大気中へのガ
ソリン放出を低減させる必要から、自動車用燃料配管ホ
ースについてもガソリン透過規制がますます厳しくな
り、旧来のNBR・PVC単層ホース等では対応できな
くなって来ている。
【0003】そこで、ゴム材料よりもガソリン非透過性
が高い樹脂材料に着目すると共に、燃料ホースの柔軟性
をも考慮して、燃料ホースの最内層に薄膜状の樹脂層を
設けてガソリン非透過性を向上させることが検討されて
おり、具体的には、燃料ホースの最内層に薄膜状のポリ
アミド樹脂層や、薄膜状のフッ素樹脂層を設けることが
提案されている。
【0004】例えば、特開平8−118549号公報に
おいては、エピクロルヒドリン未加硫ゴムからなるゴム
管状体と、押出し成形されたフッ素樹脂層とを積層して
加硫接着する発明を開示している。又、特開平6−25
5004号公報においては、加硫したゴム管状体の内周
面にフッ素樹脂粉末を静電塗装した後、加熱及び冷却す
ることにより、ゴム管状体の内周にフッ素樹脂層を形成
した2層構造の燃料ホースの発明を開示している。これ
らの燃料ホースは、通常のガソリンに対し、ゴム単層ホ
ースよりも優れた非透過性を期待することができる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで最近、自動車
排ガスの清浄化の見地から、オクタン価向上剤として添
加されるMTBEの毒性問題より、アルコール混合ガソ
リンへの代替が重要視されている。しかしながら、メタ
ノール,エタノール等を混合したアルコール混合ガソリ
ンは、ゴム材料だけでなく樹脂材料に対しても、恐らく
は透過性の極めて高いアルコールに誘発されて、透過性
がかなり高くなると言う性質がある。
【0006】そして本願発明者の研究によれば、燃料ホ
ースの最内層にポリアミド樹脂層やフッ素樹脂層を設け
た上記従来の燃料ホースにおいても、これらの樹脂層を
ホースに最低限要求される柔軟性を維持し得る薄膜状と
する限り、アルコール混合ガソリンに対する非透過性は
不十分であることが判明した。
【0007】従って、例えば米国で2004年から実施
予定の燃料透過規制等も控え、アルコール混合ガソリン
も含めた各種ガソリンについて厳しいガソリン透過規制
に適合する新たな燃料ホースが強く求められる。そこで
本発明は、必要な柔軟性を維持したもとでゴム管状体の
内周面に薄膜樹脂層を備えた燃料ホースであって、通常
のガソリンに対してはもち論、アルコール混合ガソリン
に対しても優れた非透過性を示す燃料ホースを提供する
ことを、解決すべき課題とする。
【0008】本願発明者は、ポリブチレン芳香族エステ
ル樹脂が、静電塗装等の粉末塗装法によって燃料ホース
としての柔軟性を満たす程度に薄膜化しても、アルコー
ル混合ガソリンに対する非透過性を十分に発揮できるこ
と、又、必要な場合には可塑剤の配合によってポリブチ
レン芳香族エステル樹脂の融点を低下させることで、そ
の粉末の溶融成膜化の際のゴム材料層の熱劣化を回避で
きることを知るに至り、本願発明を完成した。
【0009】
【課題を解決するための手段】(第1発明の構成)上記
課題を解決するための本願第1発明(請求項1に記載の
発明)の構成は、単層又は多層からなるゴム管状体と、
その最内層の内周面に形成された薄膜樹脂層とを備えた
燃料ホースであって、前記薄膜樹脂層がポリブチレン芳
香族エステルを以て形成されている、燃料ホースであ
る。
【0010】(第2発明の構成)上記課題を解決するた
めの本願第2発明(請求項2に記載の発明)の構成は、
前記第1発明に係る薄膜樹脂層が、前記ゴム管状体の最
内層の内周面にポリブチレン芳香族エステルの粉末を付
着溶融して形成したものである、燃料ホースである。
【0011】(第3発明の構成)上記課題を解決するた
めの本願第3発明(請求項3に記載の発明)の構成は、
前記第1発明又は第2発明に係るポリブチレン芳香族エ
ステルが、予め可塑剤を配合することにより融点を低下
させたものである、燃料ホースである。
【0012】(第4発明の構成)上記課題を解決するた
めの本願第4発明(請求項4に記載の発明)の構成は、
前記第1発明〜第3発明に係るポリブチレン芳香族エス
テルがポリブチレンナフタレート(PBN)である、燃
料ホースである。
【0013】(第5発明の構成)上記課題を解決するた
めの本願第5発明(請求項5に記載の発明)の構成は、
前記第1発明〜第4発明に係る薄膜樹脂層の層厚が0.
5mm以下である、燃料ホースである。
【0014】(第6発明の構成)上記課題を解決するた
めの本願第6発明(請求項6に記載の発明)の構成は、
前記第5発明に係る薄膜樹脂層の層厚が0.05〜0.
2mmである、燃料ホースである。
【0015】(第7発明の構成)上記課題を解決するた
めの本願第7発明(請求項7に記載の発明)の構成は、
前記第1発明〜第6発明に係るゴム管状体の少なくとも
最内層が、エピクロルヒドリンゴム(ECO,GEC
O),アクリロニトリルブタジエンゴム(NBR),フ
ッ素ゴム(FKM),アクリロニトリルブタジエン−ポ
リ塩化ビニルブレンドゴム(NBR・PVC),クロロ
スルホン化ポリエチレンゴム(CSM),塩素化ポリエ
チレンゴム(CM),エチレン−プロピレンゴム(EP
M,EPDM)又はウレタンゴム(U)を以て形成され
ている、燃料ホースである。
【0016】
【発明の作用・効果】(第1発明の作用・効果)ポリブ
チレン芳香族エステル樹脂は、通常のガソリンに対して
優れた非透過性を示すことはもち論であるが、アルコー
ル混合ガソリンに対しても他の樹脂材料に比較して非常
に優れたガソリン非透過性を示すことが分かった。例え
ば、ポリアミド樹脂と比較した場合はもち論、優れたガ
ソリン非透過性を示すとして従来評価されているフッ素
樹脂と比較した場合でも、通常のガソリンにおいても、
アルコール混合ガソリンにおいても、良好な非透過性を
示す。
【0017】第1発明においては、単層又は多層からな
るゴム管状体の最内層内周面にポリブチレン芳香族エス
テルの薄膜樹脂層を形成するので、アルコール混合ガソ
リンも含めて、従来にない優れたガソリン非透過性を期
待することができる。
【0018】そして燃料ホースの柔軟性の確保に関して
は、第2発明のように粉末塗装法で薄膜樹脂層を形成す
ることにより、燃料ホースに要求される一定の柔軟性を
確保できる程度に樹脂層を薄膜化することができる。
【0019】更に、ポリブチレン芳香族エステルの融点
が比較的高いことから、上記粉末塗装法を採用した場合
に粉末の溶融成膜時におけるゴム管状体の熱劣化が懸念
される場合が有り得るが、この点に関しても、第3発明
のように樹脂材に予め可塑剤を配合して融点を低下させ
ることにより、ゴム管状体の熱劣化を防止することが可
能である。
【0020】(第2発明の作用・効果)ポリブチレン芳
香族エステルの薄膜樹脂層を粉末溶融法で形成すること
により、樹脂層を十分に薄膜化して、燃料ホースの必要
な柔軟性を確保することができる。しかもポリブチレン
芳香族エステルの薄膜樹脂層においては、このように樹
脂層を薄膜化してもアルコール混合ガソリンも含めて優
れたガソリン非透過性を発揮できることが分かってお
り、従って燃料ホースの柔軟性とガソリン非透過性とを
バランス良く両立させることができる。
【0021】又、上記第1発明に係るポリブチレン芳香
族エステルの薄膜樹脂層は、押出し成形により成膜する
ことも不可能ではないが、ホースの接続部シール性を考
慮して薄膜樹脂層の形成部位を選択できる点、極めて薄
膜の樹脂層の良好な成膜性等の点からも、静電塗装等の
粉末塗装法によって形成することが好ましい。
【0022】(第3発明の作用・効果)薄膜樹脂層の構
成材料たるポリブチレン芳香族エステルに予め適当な可
塑剤を配合して、例えば220〜230°C程度以下に
まで融点を低下させておくと、薄膜樹脂層を粉末溶融法
で形成する際の成膜時におけるゴム管状体熱劣化の懸念
を解消できる。しかも、成膜時に可塑剤が抜け出すた
め、可塑剤の配合によりポリブチレン芳香族エステル薄
膜樹脂層の優れたガソリン非透過性が損なわれないこと
を既に確認している。
【0023】(第4発明の作用・効果)燃料ホースの柔
軟性とガソリン非透過性とをバランス良く両立させる上
で、前記ポリブチレン芳香族エステル中、特にPBNが
優れている。又、上記バランスを損なわない程度に、P
BNにエーテル系又はエステル系セグメントを共重合し
たり、他ポリマーを混合したり、各種添加剤を混合する
こともできる。
【0024】(第5発明の作用・効果)ポリブチレン芳
香族エステルを用いて、ゴム管状体の最内層内周面に
0.5mm以下の層厚の薄膜樹脂層を構成した場合、燃
料ホースの柔軟性とアルコール混合ガソリンも含めたガ
ソリン非透過性とが特にバランス良く両立する。なお、
このような厚さのポリブチレン芳香族エステルの薄膜樹
脂層であっても、好ましくは静電塗装法等の粉末塗装法
により、あるいは場合によって押出し成形法のような他
の形成方法によっても、欠陥のない良好な成膜が可能で
あることを確認している。
【0025】(第6発明の作用・効果)薄膜樹脂層の層
厚が0.05〜0.2mmである場合に、燃料ホースの
柔軟性とアルコール混合ガソリンも含めたガソリン非透
過性とが最もバランス良く両立し、上記第1発明〜第5
発明の効果が特に良好に発揮される。
【0026】(第7発明の作用・効果)燃料ホースのゴ
ム管状体における少なくとも最内層の構成材料を、第7
発明に列挙するものを以て構成することにより、ホース
全体の柔軟性や耐ガソリン性/ガソリン非透過性を良好
に維持すると共に、その接着・加硫系配合剤を適正に添
加することにより、ポリブチレン芳香族エステルの薄膜
樹脂層との良好な接着性を確保することができる。
【0027】
【発明の実施の形態】次に、第1発明〜第7発明の実施
の形態について説明する。以下において単に「本発明」
と言うときは、第1発明〜第7発明を一括して指してい
る。
【0028】〔燃料ホースの利用分野及び構成〕本発明
の燃料ホースは、通常のガソリンやアルコール混合ガソ
リン等の各種燃料の輸送用非透過型ホースとして利用で
き、走行振動やエンジン振動対策と組立て工程での組付
け性とのために柔軟性が要求される自動車用のものに好
ましく用いられるが、アルコールに対する優れた非透過
性から、自動車のアルコール燃料電池等におけるアルコ
ール配管ホースとしても好適に使用することができる。
【0029】本発明の燃料ホースは、第1発明のよう
に、単層又は多層からなるゴム管状体と、その最内層の
内周面に形成された薄膜のポリブチレン芳香族エステル
樹脂層とを備えたものであり、発明の作用・効果を阻害
しない限りにおいて、他の任意のホース構成要素を備え
ていても構わない。例えば、ゴム管状体の外側に耐オゾ
ン性の優れたゴム外管層を設けたり、又は多層からなる
ゴム管状体の層間あるいは該ゴム管状体と前記ゴム外管
層との間に補強糸層や、金属箔等を含むラミネート層を
設けたりすることも、任意に行うことができる。
【0030】燃料ホースの形状は、その使用目的に応じ
て任意に、いわゆる直管状,曲り管状や、これらの形状
の一部が蛇腹形状となったものとすることができる。
【0031】〔燃料ホースの製造〕燃料ホースの製造方
法は、実質的に可能な方法である限りにおいて限定され
ないが、例えば単層のゴム管状体の内周面にPBN樹脂
薄膜層を形成してなり、両端部が直管状でほぼ中央部が
蛇腹形状になった図1の形状の燃料ホースを、以下のよ
うな好ましい方法によって製造することができる。
【0032】即ち、まずゴム管状体を構成するためのゴ
ム材料に必要な加硫剤,接着剤その他の配合剤を配合し
ておき、これを図1の形状に対応したキャビティと中子
を持つ金型に射出成形機により射出して適宜な条件で加
硫させ、ゴム管状体1を作製する。
【0033】次に、このゴム管状体1の内周面の所定部
分(開口端部から一定幅の、パイプ接続部に供される内
周面を除いた部分)に対し、スプレーガンと粉末との摩
擦による粉末の帯電又は電圧発生装置に接続されたスプ
レーガンによる電界等を利用して、PBN粉末又は予め
所定の可塑剤が配合されたPBN粉末を粉末塗装により
付着させ、PBN粉末又は前記可塑剤の配合により融点
が低下したPBN粉末を加熱溶融してPBN薄膜樹脂層
を形成する。
【0034】この時の加熱方法として、例えば粉末塗装
後のゴム管状体1全体を加熱オーブンに入れて全体的に
加熱する方法や、粉末塗装後のゴム管状体1の内側に棒
状の加熱装置を挿入して内側から加熱する方法等があ
る。加熱条件は、PBN粉末の溶融温度やゴム管状体1
を構成するゴムの熱劣化等を勘案して決定するが、例え
ば230〜260°Cで15〜45分間程度が好まし
い。
【0035】最後に、上記加熱によりPBN薄膜を成膜
したゴム管状体1を冷却して、図2(A)及び図2
(B)に示すように、ゴム管状体1の内周面の所定部分
にPBN樹脂薄膜層2(便宜上、誇張した厚さに図示し
ている)を形成した燃料ホース3を得るのである。この
燃料ホース3は、例えば図3に示すように、一方の端部
3bに相手側の金属製パイプ4を挿入して接続すること
により、燃料ホースあるいはアルコール配管ホースとし
て使用される。
【0036】〔薄膜樹脂層〕薄膜樹脂層は、燃料ホース
のゴム管状体最内層の内周面に、ポリブチレン芳香族エ
ステル樹脂を用いて形成される。ポリブチレン芳香族エ
ステルの種類は限定されないが、特にPBN(ポリブチ
レンナフタレート)が好ましい。薄膜樹脂層の形成方法
は限定されず、押出し成形法等によって形成しても良い
が、静電塗装法等の粉末塗装法によることが、平滑で欠
陥のない薄膜樹脂層を形成するために好ましく、又、パ
イプ接続部等を除いた内周面部に選択的に薄膜樹脂層を
形成してホースの接続部シール性を図る上でも、好まし
い。なお、内周面全体にわたって薄膜樹脂層を形成して
も良いが、その場合には、接続部シール性を向上させる
ために更に弾性コーティング又は弾性体挿入を施す。
【0037】特に粉末塗装法によって薄膜樹脂層を形成
する場合、ポリブチレン芳香族エステル樹脂には予め可
塑剤を配合することにより、その融点を低下させておく
ことが望ましい。これによってポリブチレン芳香族エス
テル樹脂の粉末を溶融成膜させる際の温度を、例えば2
30〜240°C程度以下に設定し、ゴム管状体の熱劣
化を可及的に防止することができる。
【0038】配合する可塑剤の種類及び配合量には特段
の限定はないが、例えば、フタル酸エステル系であるジ
メチルフタレート,ジブチルフタレート,ブチルベンジ
ル・フタレート、リン酸エステル系であるトリクレジル
・ホスフェート,クレジル・ジフェニル・ホスフェー
ト、スルホンアミド系であるトルエン・スルホンアミド
等を好ましく使用することができ、これらの配合量とし
ては、ポリブチレン芳香族エステル樹脂100重量部に
対して5〜30重量部程度が好ましい。
【0039】薄膜樹脂層の層厚は、燃料ホースの柔軟性
を特段に阻害しない限りにおいて限定されないが、0.
5mm以下、とりわけ0.05〜0.2mmとすること
が好ましい。薄膜樹脂層が上記の限定に比較して厚過ぎ
ると燃料ホースの柔軟性が損なわれる恐れがあり、薄膜
樹脂層が薄過ぎるとガソリン非透過性が不十分となる恐
れがあり、かつ、押出し成形法による場合は勿論、静電
塗装法等による場合でも成膜性が不十分となる(例え
ば、ピンホール等の欠陥の発生)恐れがある。
【0040】〔ゴム管状体〕ゴム管状体は、単層又は多
層のゴム材料層からなり、上記のようにその肉厚の中間
又は外側にラミネート層,補強糸層,ゴム外管層等の他
のホース構成要素を備えることもできる。これらのラミ
ネート層,補強糸層,ゴム外管層等の具体的な構成は全
く限定されない。
【0041】ゴム管状体を構成するゴム材料層の種類は
限定されないが、その最内層、即ち上記ポリブチレン芳
香族エステル薄膜樹脂層と接する層については、前記第
7発明のようにECO,GECO,NBR,FKM,N
BR・PVC,CSM,CM,EPM,EPDM又はU
を以て形成されていることが、より好ましい。
【0042】ゴム管状体は、ポリブチレン芳香族エステ
ルの薄膜樹脂層に対して接着されていることが好まし
く、かかる接着を良好にするために、ゴム材料中に接着
添加剤を配合したり、ゴムの加硫剤種の適宜な選択を行
ったりすることができる。前記の接着添加剤としては、
例えばフェノール系樹脂,レゾルシン系樹脂,ウレタン
系樹脂,カルボキシル基含有ポリマー,マレイン酸変性
ポリマー及びオリゴマー,カルボジイミド基含有ポリマ
ー及びオリゴマー,脂肪酸アミド,イソシアネート等を
例示することができる。
【0043】
【実施例】〔第1実施例〕 (燃料ホースの作製)前記図1〜図3で説明した要領
で、ゴム管状体が同一であり薄膜樹脂層の構成材料が異
なる、表1の実施例1,比較例1及び比較例2に係る燃
料ホースを作製した。なお、第1実施例においては、薄
膜樹脂層の構成材料に予め可塑剤を配合して樹脂の融点
を低下させることは、行っていない。
【0044】具体的には、各例に係る燃料ホースのゴム
管状体は、未加硫のNBR・PVCに所定の加硫/接着
系配合剤やカーボンブラック等の必要な添加剤を添加し
たもとで、射出成形により、中央部に蛇腹構造部を備え
た、管壁部の厚さ4mm、直管部の内径35mm、長さ
200mmの単層の管状体を、160°C×5分間の条
件で加硫させたものである。
【0045】そしてコロナ放電マイナスチャージ(比較
例2については摩擦帯電)を利用した静電塗装により、
ゴム管状体の内周面の所定部分に、表1の各例に示す種
類の樹脂粉末をそれぞれ0.1mmの層厚で付着させ、
255°C×25分の加熱で溶融成膜させた。表1中、
「VDF/CTFE」とは、ビニリデンフルオライドと
クロロトリフルオロエチレンの共重合体からなるフッ素
樹脂粉末を用いたことを示し、その「共重合比」につい
て「95/5」とあるのは、共重合体におけるビニリデ
ンフルオライド:クロロトリフルオロエチレンのモノマ
ー比が95:5であることを示している。
【0046】(燃料ホースの成膜性評価)上記各例に係
る燃料ホースを半割りし、ゴム管状体の内周面における
薄膜樹脂層の膜化状態を目視観察で評価した。その結果
を表1中に○(平滑に成膜されている)、×(樹脂の粒
が残っている)で表記した。
【0047】(燃料ホースの柔軟性評価)上記各例に係
る長さ200mmの燃料ホースの一端を固定し、他端を
ホースの軸方向に対して直角方向に200mm変位させ
た時の荷重(N)を測定した。その結果を、表1中に○
(荷重700N以下であった)、×(荷重が700Nを
超えた)で表記した。
【0048】(燃料ホースの燃料不透過性評価)JIS
K 6258に規定する「Fuel C」、エタノー
ル:ガソリン(Fuel C)の体積混合比が10:9
0である「E10」、及びメタノール:ガソリン(Fu
el C)の体積混合比が15:85である「M15」
の三種類の試験用ガソリンを準備し、これらを各例に係
るホースに封入して40°Cで168時間放置した。そ
の後、同一の新しいガソリンに入れ換えた後、更に40
°Cで72時間放置して、この更新ガソリンの放置前後
の重量変化から、燃料ホース一本当たり一日当たりの燃
料透過量(g)を算出し、その結果を表1に表記した。
【0049】〔第2実施例〕第1実施例と同じ要領で、
ゴム管状体の構成材料が異なり薄膜樹脂層が同一であ
る、表2の実施例1(第1実施例の実施例1と同一)〜
実施例8に係る燃料ホースを作製した。具体的には、ゴ
ム管状体の構成材料として、表2の「外皮ゴム種」の欄
に示すゴム材料を用い、薄膜樹脂層はいずれも前記実施
例1の場合と同じ構成とした。
【0050】そして、これらの各例に係る燃料ホースに
ついて、第1実施例と同様にして、成膜性評価,柔軟性
評価及び燃料不透過性評価を行った。それらの結果を、
表1の場合と同じ要領で表2に表記した。
【0051】
【表1】
【0052】
【表2】
【図面の簡単な説明】
【図1】ゴム管状体の一例を示す斜視図である。
【図2】図2(A)は本発明の燃料ホースの一例を示す
断面図であり、図2(B)はそのX−X線矢視断面図で
ある。
【図3】本発明の燃料ホースの使用状態を説明する断面
図である。
【符号の説明】
1 ゴム管状体 2 薄膜樹脂層 3 燃料ホース 4 金属製パイプ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) // C08L 21:00 (72)発明者 西山 高広 愛知県小牧市大字北外山字哥津3600番地 東海ゴム工業株式会社内 Fターム(参考) 3H111 AA02 BA12 BA15 BA31 CA42 CA47 CB03 CB08 CB14 CB29 DA09 DB19 EA12 EA16 4F006 AA04 AA12 AA17 AB32 AB35 BA16 CA04 DA03 4F100 AK09B AK14C AK15C AK17C AK18 AK27C AK27J AK29C AK29J AK41B AK51C AK64C AL01C AN00A AN02C BA02 BA03 BA07 BA10A BA10B BA25B CA04B DA11 GB32 JD02 JK17

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 単層又は多層からなるゴム管状体と、そ
    の最内層の内周面に形成された薄膜樹脂層とを備えた燃
    料ホースであって、 前記薄膜樹脂層がポリブチレン芳香族エステルを以て形
    成されていることを特徴とする燃料ホース。
  2. 【請求項2】 前記薄膜樹脂層が前記ゴム管状体の最内
    層の内周面にポリブチレン芳香族エステルの粉末を付着
    溶融して形成したものであることを特徴とする請求項1
    に記載の燃料ホース。
  3. 【請求項3】 前記ポリブチレン芳香族エステルが、予
    め可塑剤を配合することにより融点を低下させたもので
    あることを特徴とする請求項1又は請求項2のいずれか
    に記載の燃料ホース。
  4. 【請求項4】 前記ポリブチレン芳香族エステルがポリ
    ブチレンナフタレート(PBN)であることを特徴とす
    る請求項1〜請求項3のいずれかに記載の燃料ホース。
  5. 【請求項5】 前記薄膜樹脂層の層厚が0.5mm以下
    であることを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか
    に記載の燃料ホース。
  6. 【請求項6】 前記薄膜樹脂層の層厚が0.05〜0.
    2mmであることを特徴とする請求項5に記載の燃料ホ
    ース。
  7. 【請求項7】 前記ゴム管状体の少なくとも最内層が、
    エピクロルヒドリンゴム(ECO,GECO),アクリ
    ロニトリルブタジエンゴム(NBR),フッ素ゴム(F
    KM),アクリロニトリルブタジエン−ポリ塩化ビニル
    ブレンドゴム(NBR・PVC),クロロスルホン化ポ
    リエチレンゴム(CSM),塩素化ポリエチレンゴム
    (CM),エチレン−プロピレンゴム(EPM,EPD
    M)又はウレタンゴム(U)を以て形成されていること
    を特徴とする請求項1〜請求項6のいずれかに記載の燃
    料ホース。
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