JPH09195089A - 電気メッキ製品の表面欠陥発生防止のためのロール表面異物除去装置 - Google Patents
電気メッキ製品の表面欠陥発生防止のためのロール表面異物除去装置Info
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- JPH09195089A JPH09195089A JP647196A JP647196A JPH09195089A JP H09195089 A JPH09195089 A JP H09195089A JP 647196 A JP647196 A JP 647196A JP 647196 A JP647196 A JP 647196A JP H09195089 A JPH09195089 A JP H09195089A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 本発明は、横型電気亜鉛メッキセルにおける
コンダクターロール表面に付着した異物を効果的に除去
し、製品への疵入りを防止すること。 【解決手段】 横型電気亜鉛メッキセルにおけるコンダ
クターロール表面に付着する点状及び面状の異物を除去
するために、ロールの回転方向に対し、ドクターブレー
ド・バフ式研磨装置の順にて設置したことを特徴とする
ロール表面付着異物除去装置。
コンダクターロール表面に付着した異物を効果的に除去
し、製品への疵入りを防止すること。 【解決手段】 横型電気亜鉛メッキセルにおけるコンダ
クターロール表面に付着する点状及び面状の異物を除去
するために、ロールの回転方向に対し、ドクターブレー
ド・バフ式研磨装置の順にて設置したことを特徴とする
ロール表面付着異物除去装置。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、横型セルを用い
た亜鉛系電気メッキ設備に関し、通電ロール付着異物を
効果的に除去する研削・研磨装置に関するものである。
た亜鉛系電気メッキ設備に関し、通電ロール付着異物を
効果的に除去する研削・研磨装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】鋼板表面に亜鉛系の金属及び金属合金を
メッキすることにより、鋼板に耐食性を付与させる技術
は現在広く行われており、その中でも、電気メッキは表
面外観が優れることにより、家電・自動車を中心に用途
の拡大を続けている。鋼板への亜鉛系金属の電気メッキ
の方法としては、電極配置において、横型セル・縦型セ
ル・カローゼルのセルの3通りに大きく分けられ、詳細
部を見ると種類は多岐に渡るが、基本的な構造は、被メ
ッキ鋼板を通電ロールと接触させることにより負に帯電
させ、それに対し電極を正に帯電させ、両極間にメッキ
液を充満させる点では同一である。この中でも横型セル
においては、通電ロールには常に大量のメッキ液が付着
する構造となっているため、メッキ液中の異物が通電ロ
ールに付着し、その異物が製品に対し凹んだ点状の連続
欠陥を生じさせる。
メッキすることにより、鋼板に耐食性を付与させる技術
は現在広く行われており、その中でも、電気メッキは表
面外観が優れることにより、家電・自動車を中心に用途
の拡大を続けている。鋼板への亜鉛系金属の電気メッキ
の方法としては、電極配置において、横型セル・縦型セ
ル・カローゼルのセルの3通りに大きく分けられ、詳細
部を見ると種類は多岐に渡るが、基本的な構造は、被メ
ッキ鋼板を通電ロールと接触させることにより負に帯電
させ、それに対し電極を正に帯電させ、両極間にメッキ
液を充満させる点では同一である。この中でも横型セル
においては、通電ロールには常に大量のメッキ液が付着
する構造となっているため、メッキ液中の異物が通電ロ
ールに付着し、その異物が製品に対し凹んだ点状の連続
欠陥を生じさせる。
【0003】また、鋼板と通電ロールの接触圧の変動に
より亜鉛が鋼板ではなく通電ロールに析出してしまう、
いわゆる亜鉛捲きの現象が発生し、これもロールピッチ
で製品に連続の欠陥を生じさせてしまう。このような欠
陥が生じた場合の対応策は、再度調圧工程を通し欠陥を
軽減させ救済を行う方法と、欠陥部のみ精整工程にて分
割する方法があるが、どちらも輸送及び通板の費用がか
かり製品のコストアップにつながる為、通電ロールに付
着した点状または亜鉛捲きの異物を即座に除去する必要
がある。付着異物除去に関しては、研磨を目的としたバ
フを通電ロールへ押しつける装置や、特公昭61−15
3296号公報のように連続研磨紙を通電ロールへ押し
つける装置や、実公平6−25360号公報のように連
続研磨紙での屑をさらにドクターブレードにて除去する
方法がある。
より亜鉛が鋼板ではなく通電ロールに析出してしまう、
いわゆる亜鉛捲きの現象が発生し、これもロールピッチ
で製品に連続の欠陥を生じさせてしまう。このような欠
陥が生じた場合の対応策は、再度調圧工程を通し欠陥を
軽減させ救済を行う方法と、欠陥部のみ精整工程にて分
割する方法があるが、どちらも輸送及び通板の費用がか
かり製品のコストアップにつながる為、通電ロールに付
着した点状または亜鉛捲きの異物を即座に除去する必要
がある。付着異物除去に関しては、研磨を目的としたバ
フを通電ロールへ押しつける装置や、特公昭61−15
3296号公報のように連続研磨紙を通電ロールへ押し
つける装置や、実公平6−25360号公報のように連
続研磨紙での屑をさらにドクターブレードにて除去する
方法がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】通電ロール表面付着異
物の除去方法としてのバフ式研磨装置は、横型セルにお
いてはロール表面に大量のメッキ液が付着しているため
通電ロールとバフとの間にメッキ液が多く入り込み研磨
効率が悪く、亜鉛捲きの除去には若干の効果がみられる
ものの、点状の異物除去には殆ど効果が見られない。対
策として、研磨バフの圧下力を高圧にすると、研磨バフ
と通電ロールとの間に噛み込んだ異物が除去されにくく
なり、逆に通電ロールへの疵入りを発生させ、突発のロ
ール交換が必要となり生産性を圧下させることになる。
また、研磨バフの劣化速度が早くなる為、その交換作業
頻度増加による作業性の悪化およびコスト悪化に繋がっ
てしまう。
物の除去方法としてのバフ式研磨装置は、横型セルにお
いてはロール表面に大量のメッキ液が付着しているため
通電ロールとバフとの間にメッキ液が多く入り込み研磨
効率が悪く、亜鉛捲きの除去には若干の効果がみられる
ものの、点状の異物除去には殆ど効果が見られない。対
策として、研磨バフの圧下力を高圧にすると、研磨バフ
と通電ロールとの間に噛み込んだ異物が除去されにくく
なり、逆に通電ロールへの疵入りを発生させ、突発のロ
ール交換が必要となり生産性を圧下させることになる。
また、研磨バフの劣化速度が早くなる為、その交換作業
頻度増加による作業性の悪化およびコスト悪化に繋がっ
てしまう。
【0005】また、ドクターブレード装置は、液がかか
らないデフレクターロール・ブライドルロールなどのプ
ロセスロールにては設置位置等を考慮する必要はない
が、メッキ液の付着する横型セルの通電ロールへの適用
においては液の飛散の問題がある。従来技術において
は、実公平6−25360号公報のような研磨紙を併用
している場合は、研磨砥粒の落下が避けられず、そのた
め研磨装置の後段に砥粒を回収するドクターブレードを
設置する必要が発生し、そのため除去異物およびメッキ
液が鋼板表面およびメッキセル上に飛散するため、それ
を防止するため飛散防止用の液受け樋や飛散防止カバー
が必要となり、装置費用およびメンテナンス費用の上昇
に繋がってしまっていた。本発明は、通電ロール表面に
付着した、点状付着異物および亜鉛捲きの両方を、通電
ロール表面へ疵を入れることなく効果的に除去すること
のできる、安価でメンテナンスの容易な、通電ロール表
面付着異物除去装置の提供を目的とする。
らないデフレクターロール・ブライドルロールなどのプ
ロセスロールにては設置位置等を考慮する必要はない
が、メッキ液の付着する横型セルの通電ロールへの適用
においては液の飛散の問題がある。従来技術において
は、実公平6−25360号公報のような研磨紙を併用
している場合は、研磨砥粒の落下が避けられず、そのた
め研磨装置の後段に砥粒を回収するドクターブレードを
設置する必要が発生し、そのため除去異物およびメッキ
液が鋼板表面およびメッキセル上に飛散するため、それ
を防止するため飛散防止用の液受け樋や飛散防止カバー
が必要となり、装置費用およびメンテナンス費用の上昇
に繋がってしまっていた。本発明は、通電ロール表面に
付着した、点状付着異物および亜鉛捲きの両方を、通電
ロール表面へ疵を入れることなく効果的に除去すること
のできる、安価でメンテナンスの容易な、通電ロール表
面付着異物除去装置の提供を目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、横型亜鉛系電
気メッキセルにおける通電ロールの回転方向に対し、ド
クターブレード装置、バフ式研磨装置の順に設置された
亜鉛系電気メッキ横型セル内通電ロール異物除去装置で
ある。ドクターブレードの刃の幅は、通電ロール幅より
広くし、通電ロール幅全長にわたり異物除去を行うこと
が望ましく、合わせて幅方向に摺動させる装置を設ける
ことでドクターブレードにより除去された異物が刃の先
端と通電ロール表面との間に噛み込むことを防止してお
り、このドクターブレードにより通電ロール表面のメッ
キ液の多くを除去することでドクターブレードの後段側
に設置されたバフ式研磨装置による亜鉛捲き除去効果を
高めることを特徴としている。
気メッキセルにおける通電ロールの回転方向に対し、ド
クターブレード装置、バフ式研磨装置の順に設置された
亜鉛系電気メッキ横型セル内通電ロール異物除去装置で
ある。ドクターブレードの刃の幅は、通電ロール幅より
広くし、通電ロール幅全長にわたり異物除去を行うこと
が望ましく、合わせて幅方向に摺動させる装置を設ける
ことでドクターブレードにより除去された異物が刃の先
端と通電ロール表面との間に噛み込むことを防止してお
り、このドクターブレードにより通電ロール表面のメッ
キ液の多くを除去することでドクターブレードの後段側
に設置されたバフ式研磨装置による亜鉛捲き除去効果を
高めることを特徴としている。
【0007】
【発明の実施の形態】次に、本発明をさらに具体例を使
って説明する。図1はメッキセルと本発明装置の配置概
要を示す図である。図1において、鋼板1表面に亜鉛系
電気メッキを行う横型メッキセル2において、鋼板1は
通電ロール4にて負に帯電されており、電極3は逆に正
に帯電されていて、その間にメッキ液6が充満してい
る。メッキ液は、メッキセル中心のヘッダー7より流出
されており、電極と鋼板の間を通過後、通電ロールでせ
き止められてから循環タンクに戻る。通電ロールと鋼板
との接触圧を確保し通電効率を上げる為に、バックアッ
プロール5が下より圧下をしている。
って説明する。図1はメッキセルと本発明装置の配置概
要を示す図である。図1において、鋼板1表面に亜鉛系
電気メッキを行う横型メッキセル2において、鋼板1は
通電ロール4にて負に帯電されており、電極3は逆に正
に帯電されていて、その間にメッキ液6が充満してい
る。メッキ液は、メッキセル中心のヘッダー7より流出
されており、電極と鋼板の間を通過後、通電ロールでせ
き止められてから循環タンクに戻る。通電ロールと鋼板
との接触圧を確保し通電効率を上げる為に、バックアッ
プロール5が下より圧下をしている。
【0008】このメッキセル構造において、鋼板の表面
またはメッキ液中に異物があった場合は、通電ロール4
とバックアップロール5にて挟み込まれ、通電ロール4
に圧着される。一度通電ロールに圧着された点状異物8
は、通電ロール円周のピッチにて連続的に鋼板に対し凹
状の疵を発生させ合格製品が採取出来なくなる。また、
バックアップロール5の圧下力が弱くなった場合には、
通電ロール4と鋼板の間の接触抵抗が大きくなり、電位
差を生じる。この電位差により、本来鋼板に電析すべき
亜鉛が通電ロールの表面に面状異物9を析出する。この
電析現象を一般的に亜鉛捲きと称しているが、やはり点
状異物と同様に、鋼板に対して通電ロール円周のピッチ
にて連続的に電析亜鉛の模様を転写させ、製品不合を生
じさせる。
またはメッキ液中に異物があった場合は、通電ロール4
とバックアップロール5にて挟み込まれ、通電ロール4
に圧着される。一度通電ロールに圧着された点状異物8
は、通電ロール円周のピッチにて連続的に鋼板に対し凹
状の疵を発生させ合格製品が採取出来なくなる。また、
バックアップロール5の圧下力が弱くなった場合には、
通電ロール4と鋼板の間の接触抵抗が大きくなり、電位
差を生じる。この電位差により、本来鋼板に電析すべき
亜鉛が通電ロールの表面に面状異物9を析出する。この
電析現象を一般的に亜鉛捲きと称しているが、やはり点
状異物と同様に、鋼板に対して通電ロール円周のピッチ
にて連続的に電析亜鉛の模様を転写させ、製品不合を生
じさせる。
【0009】本発明では、通電ロール最下点付近にて、
通電ロールに付着した点状異物及び面状異物の2種類の
異物を除去するために、通電ロールの回転方向に対し、
前段にドクターブレード10を後段にバフ式研磨装置1
1を設置している。まず、点状異物は、ドクターブレー
ドの刃12により通電ロール表面から除去され、合わせ
てメッキ液の多くも除去されるために除去異物は除去メ
ッキ液と一緒に落下する。除去異物を通板方向出側に落
下させる為に、ドクターブレードの刃の先端と通電ロー
ル表面の接触位置は、通電ロール最下点より回転方向に
対して30°〜150°とする。30°より小さいと、
ドクターブレードで通電ロール表面のメッキ液を除去し
たのち再び通電ロール表面にメッキ液が付着してしま
い、バフ式研磨装置の効果を低減させてしまい、150
°より大きいと除去異物及び除去メッキ液が慣性により
通電ロールの通板方向入側に落下してしまうためであ
る。
通電ロールに付着した点状異物及び面状異物の2種類の
異物を除去するために、通電ロールの回転方向に対し、
前段にドクターブレード10を後段にバフ式研磨装置1
1を設置している。まず、点状異物は、ドクターブレー
ドの刃12により通電ロール表面から除去され、合わせ
てメッキ液の多くも除去されるために除去異物は除去メ
ッキ液と一緒に落下する。除去異物を通板方向出側に落
下させる為に、ドクターブレードの刃の先端と通電ロー
ル表面の接触位置は、通電ロール最下点より回転方向に
対して30°〜150°とする。30°より小さいと、
ドクターブレードで通電ロール表面のメッキ液を除去し
たのち再び通電ロール表面にメッキ液が付着してしま
い、バフ式研磨装置の効果を低減させてしまい、150
°より大きいと除去異物及び除去メッキ液が慣性により
通電ロールの通板方向入側に落下してしまうためであ
る。
【0010】また、この範囲であると飛散防止用のカバ
ーや樋を設ける必要がなく設備費用を抑えることが可能
となる。除去異物は通板方向出側に落下するが、通板方
向出側は、通電ロールとバックアップロールとの間に噛
み込まない位置である為、通電ロールに再度付着するこ
とはない。ドクターブレードは通電ロール上部の架台に
設置されたホルダー13にて固定されている。
ーや樋を設ける必要がなく設備費用を抑えることが可能
となる。除去異物は通板方向出側に落下するが、通板方
向出側は、通電ロールとバックアップロールとの間に噛
み込まない位置である為、通電ロールに再度付着するこ
とはない。ドクターブレードは通電ロール上部の架台に
設置されたホルダー13にて固定されている。
【0011】次に、面状異物については、通電ロール回
転方向に対して、ドクターブレードより後段に設置され
たバフ式研磨装置11にて除去される。前段のドクター
ブレードにて通電ロール表面のメッキ液の多くを除去し
ているため、バフの面状異物の研磨除去効果は、軽圧下
にて十分に効果が得られ、バフの寿命が延びると共にバ
フ起因による通電ロールへの疵入りもなくなる。バフ式
研磨装置によって除去された面状異物およびバフ自体の
砥粒は、非常に微細であり、製品に影響を与えないた
め、バフ式研磨装置の設置位置は、通電ロール回転方向
に対して、ドクターブレードより後段であれば問題な
い。バフ自体の幅は狭い為、スクリュー14にて幅方向
に往復運動を行っている。
転方向に対して、ドクターブレードより後段に設置され
たバフ式研磨装置11にて除去される。前段のドクター
ブレードにて通電ロール表面のメッキ液の多くを除去し
ているため、バフの面状異物の研磨除去効果は、軽圧下
にて十分に効果が得られ、バフの寿命が延びると共にバ
フ起因による通電ロールへの疵入りもなくなる。バフ式
研磨装置によって除去された面状異物およびバフ自体の
砥粒は、非常に微細であり、製品に影響を与えないた
め、バフ式研磨装置の設置位置は、通電ロール回転方向
に対して、ドクターブレードより後段であれば問題な
い。バフ自体の幅は狭い為、スクリュー14にて幅方向
に往復運動を行っている。
【0012】ドクターブレードの刃の材質は、メッキ液
が強酸であり且つ通電ロールと接触していることによ
り、耐酸性且つ絶縁性を兼ね備えた樹脂刃を選定するこ
とが望ましいが、その硬度により、異物除去効果及び寿
命に影響を与えるため、35H B 以上に管理する必要が
ある。35HB 以下の場合、刃の損耗が著しく早くな
り、それに合わせて異物除去効果の著しい低下を招く
為、刃の交換頻度が増加する。交換頻度の増加は、刃購
入費用の増加及び作業性低下を招き望ましくない。
が強酸であり且つ通電ロールと接触していることによ
り、耐酸性且つ絶縁性を兼ね備えた樹脂刃を選定するこ
とが望ましいが、その硬度により、異物除去効果及び寿
命に影響を与えるため、35H B 以上に管理する必要が
ある。35HB 以下の場合、刃の損耗が著しく早くな
り、それに合わせて異物除去効果の著しい低下を招く
為、刃の交換頻度が増加する。交換頻度の増加は、刃購
入費用の増加及び作業性低下を招き望ましくない。
【0013】また、ドクターブレードの刃の先端と通電
ロール表面の接触圧力についても、異物除去効果及び刃
の寿命に影響を与えるため、20〜200g/cmに管
理しなくてはならない。20g/cm以下では、点状異
物の圧着力が強く、通電ロール表面から除去することが
できない。それに加え、メッキ液の除去量も悪く、後段
に設置しているバフ式研磨装置の効果をも低減させてし
まう。一方、200g/cm以上の高圧にしても、異物
除去効果は増加せず、逆に通電ロールへ疵を入れる弊害
が生じた。
ロール表面の接触圧力についても、異物除去効果及び刃
の寿命に影響を与えるため、20〜200g/cmに管
理しなくてはならない。20g/cm以下では、点状異
物の圧着力が強く、通電ロール表面から除去することが
できない。それに加え、メッキ液の除去量も悪く、後段
に設置しているバフ式研磨装置の効果をも低減させてし
まう。一方、200g/cm以上の高圧にしても、異物
除去効果は増加せず、逆に通電ロールへ疵を入れる弊害
が生じた。
【0014】これは、高圧にすることで刃に反りが生
じ、刃の先端が浮く現象が起きるためであり、その浮い
た刃の先端と通電ロールとの間に異物が噛み込んでしま
うからである。接触圧力の調整はドクターブレードの加
圧チューブ15内のエアー圧力を調整することにより行
うが、これは、ドクターブレード操作盤の圧力弁16及
び圧力ゲージ17の操作にて行う。更に、上記の刃への
異物噛み込みを防止するためには、刃を幅方向に摺動さ
せることが有効である。異物に対して噛み込み方向と垂
直方向に力がかかり、刃先端にて異物が回転すること
で、メッキ液と一緒に除去されていく。
じ、刃の先端が浮く現象が起きるためであり、その浮い
た刃の先端と通電ロールとの間に異物が噛み込んでしま
うからである。接触圧力の調整はドクターブレードの加
圧チューブ15内のエアー圧力を調整することにより行
うが、これは、ドクターブレード操作盤の圧力弁16及
び圧力ゲージ17の操作にて行う。更に、上記の刃への
異物噛み込みを防止するためには、刃を幅方向に摺動さ
せることが有効である。異物に対して噛み込み方向と垂
直方向に力がかかり、刃先端にて異物が回転すること
で、メッキ液と一緒に除去されていく。
【0015】この摺動速度は、通電ロールとの周速の比
が0.001〜0.01にしなくてはならない。0.0
01以下では、異物噛み込み防止効果が弱く、また0.
01以上では、効果が変わらない上、刃の寿命を短くし
てしまうためである。摺動速度は、速度マスターロール
18のPLG19の信号をドクターブレード制御盤20
に取り込み、それを元にドクターブレード摺動電磁弁2
1へ信号を与え、エアーシリンダー22を作動させてい
る。
が0.001〜0.01にしなくてはならない。0.0
01以下では、異物噛み込み防止効果が弱く、また0.
01以上では、効果が変わらない上、刃の寿命を短くし
てしまうためである。摺動速度は、速度マスターロール
18のPLG19の信号をドクターブレード制御盤20
に取り込み、それを元にドクターブレード摺動電磁弁2
1へ信号を与え、エアーシリンダー22を作動させてい
る。
【0016】
(実施例1)フェノール系樹脂刃(厚み5mm,幅75
mm,長さ2300mm,刃先端角度30°、硬度38
HB 、ドクターブレード摺動ピッチ0.005)を用い
て、通電ロールと刃先端との接触圧力を変化させ、ドク
ターブレードによる点状異物の発生頻度・刃の寿命・バ
フ式研磨装置による亜鉛捲き除去効果の検証を実機にて
行った。結果は、図2に示す通りである。点状異物除去
には、20g/cm以上の圧下力が必要であり、合わせ
て圧下力上昇に伴い、亜鉛捲き除去効果も増加してい
る。一方、刃の寿命においては、250g/cmを超え
ると著しく低下しており、200g/cm以上ではロー
ルへの疵入りが発生した。なお、寿命は図3のWが5m
mとなった時点とした。従って、通電ロールと刃先端と
の接触圧力は、20g/cm以上、200g/cm以下
とする。
mm,長さ2300mm,刃先端角度30°、硬度38
HB 、ドクターブレード摺動ピッチ0.005)を用い
て、通電ロールと刃先端との接触圧力を変化させ、ドク
ターブレードによる点状異物の発生頻度・刃の寿命・バ
フ式研磨装置による亜鉛捲き除去効果の検証を実機にて
行った。結果は、図2に示す通りである。点状異物除去
には、20g/cm以上の圧下力が必要であり、合わせ
て圧下力上昇に伴い、亜鉛捲き除去効果も増加してい
る。一方、刃の寿命においては、250g/cmを超え
ると著しく低下しており、200g/cm以上ではロー
ルへの疵入りが発生した。なお、寿命は図3のWが5m
mとなった時点とした。従って、通電ロールと刃先端と
の接触圧力は、20g/cm以上、200g/cm以下
とする。
【0017】(実施例2)フェノール系樹脂刃(厚み5
mm,幅75mm,長さ2300mm,刃先端角度30
°、圧下力100g/cm、ドクターブレード摺動ピッ
チ0.005)を用い、硬度を変化させ、異物除去効果
と寿命を検証した結果を図4に示す。硬度が35HB 以
下では、異物除去効果が低下し且つ寿命が短くなってい
る。従って、刃の硬度を35HB 以上である。
mm,幅75mm,長さ2300mm,刃先端角度30
°、圧下力100g/cm、ドクターブレード摺動ピッ
チ0.005)を用い、硬度を変化させ、異物除去効果
と寿命を検証した結果を図4に示す。硬度が35HB 以
下では、異物除去効果が低下し且つ寿命が短くなってい
る。従って、刃の硬度を35HB 以上である。
【0018】(実施例3)フェノール系樹脂刃(厚み5
mm,幅75mm,長さ2300mm,刃先端角度30
°、硬度38HB 、圧下力100g/cm)を用いて、
ドクターブレード摺動ピッチを変化させ、刃の寿命およ
び通電ロールへの疵入り状況を検証した。結果は図5に
示す通りである。ドクターブレード摺動ピッチ0.01
以上にすると寿命が減少傾向に転じた。また、0.00
05にて操業中に、通電ロールへ線状疵入りが発生し
た。ドクターブレード摺動ピッチを0.001以上、
0.01以下とする。
mm,幅75mm,長さ2300mm,刃先端角度30
°、硬度38HB 、圧下力100g/cm)を用いて、
ドクターブレード摺動ピッチを変化させ、刃の寿命およ
び通電ロールへの疵入り状況を検証した。結果は図5に
示す通りである。ドクターブレード摺動ピッチ0.01
以上にすると寿命が減少傾向に転じた。また、0.00
05にて操業中に、通電ロールへ線状疵入りが発生し
た。ドクターブレード摺動ピッチを0.001以上、
0.01以下とする。
【0019】
【発明の効果】このように、本発明によれば横型セルを
用いた亜鉛系電気メッキの通電ロールの表面に発生す
る。点状異物及び亜鉛捲きと呼ばれる面状異物の除去
を、通電ロール回転方向の前段にドクターブレード、そ
して後段にバフ式研磨装置を組み合わせて配置すること
により、効果的に異物を除去することができ、歩留り向
上及びコスト削減を図ることができた。
用いた亜鉛系電気メッキの通電ロールの表面に発生す
る。点状異物及び亜鉛捲きと呼ばれる面状異物の除去
を、通電ロール回転方向の前段にドクターブレード、そ
して後段にバフ式研磨装置を組み合わせて配置すること
により、効果的に異物を除去することができ、歩留り向
上及びコスト削減を図ることができた。
【図1】メッキセルと本発明装置の配置概要を示す図、
【図2】通電ロールと刃先端との接触圧力と異物除去効
果・刃の寿命との関係を示すグラフ、
果・刃の寿命との関係を示すグラフ、
【図3】ドクターブレードの刃の形状を示す図、
【図4】ドクターブレードの刃の硬度と異物除去効果・
刃の寿命との関係を示すグラフ
刃の寿命との関係を示すグラフ
【図5】ドクターブレード摺動ピッチと刃の寿命との関
係を示すグラフである。
係を示すグラフである。
1 鋼板 2 横型メッキセル 3 電極 4 コンダクターロール 5 バックアップロール 6 メッキ液 7 ヘッダー 8 点状異物 9 面状異物 1 0 ドクターブレード 1 1 バフ式研磨装置 1 2 刃 1 3 ホルダー 1 4 スクリュー 1 5 加圧チューブ 1 6 圧力弁 1 7 圧力ゲージ 1 8 速度マスターロール 1 9 PLG 2 0 ドクターブレード制御盤 2 1 ドクターブレード摺動電磁弁 2 2 エアーシリンダー
Claims (4)
- 【請求項1】 横型セルを用いた鋼板の亜鉛系電気メッ
キ設備の通電ロールにおいて、通電ロールの回転方向に
対し、ドクターブレード装置、バフ式研磨装置の順に配
置し、ドクターブレードとロールとの接触位置がロール
の最下点から回転方向に向かい30°〜150°である
ことを特徴とする電気メッキ製品の表面欠陥発生防止の
ためのロール表面異物除去装置。 - 【請求項2】 ドクターブレードの刃の硬度が35HB
以上である樹脂ブレードを用いた請求項1に記載の電気
メッキ製品の表面欠陥発生防止のためのロール表面異物
除去装置。 - 【請求項3】 ドクターブレードの刃の先端と通電ロー
ルとの接触圧が20〜200g/cmである請求項2に
記載の電気メッキ製品の表面欠陥発生防止のためのロー
ル表面異物除去装置。 - 【請求項4】 ドクターブレードが幅方向に摺動し、摺
動の移動速度と通電ロール周速の比が0.001〜0.
01である請求項3に記載の電気メッキ製品の表面欠陥
発生防止のためのロール表面異物除去装置。
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---|---|---|---|
JP00647196A JP3482290B2 (ja) | 1996-01-18 | 1996-01-18 | 電気メッキ製品の表面欠陥発生防止のためのロール表面異物除去装置 |
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Publication Number | Publication Date |
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JPH09195089A true JPH09195089A (ja) | 1997-07-29 |
JP3482290B2 JP3482290B2 (ja) | 2003-12-22 |
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JP (1) | JP3482290B2 (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR100768308B1 (ko) * | 2001-10-31 | 2007-10-17 | 주식회사 포스코 | 아연도금용 아노드 표면의 피막 제거장치 |
CN102677133A (zh) * | 2012-05-29 | 2012-09-19 | 武汉船用机械有限责任公司 | 一种卧式电镀设备 |
-
1996
- 1996-01-18 JP JP00647196A patent/JP3482290B2/ja not_active Expired - Fee Related
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