JPH09194563A - ウレタン樹脂組成物及び重防食塗料 - Google Patents

ウレタン樹脂組成物及び重防食塗料

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JPH09194563A
JPH09194563A JP8005244A JP524496A JPH09194563A JP H09194563 A JPH09194563 A JP H09194563A JP 8005244 A JP8005244 A JP 8005244A JP 524496 A JP524496 A JP 524496A JP H09194563 A JPH09194563 A JP H09194563A
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JP
Japan
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hydroxyl group
resin composition
urethane resin
curing agent
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JP8005244A
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Inventor
Naoki Yokoyama
直樹 横山
Kenichi Fujino
健一 藤野
Hiroshi Kido
宏 木戸
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Nippon Steel Corp
Nippon Steel Chemical and Materials Co Ltd
Original Assignee
Nippon Steel Corp
Nippon Steel Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 金属材料に対する腐食促進環境下での耐接着
劣化性に優れたウレタン樹脂組成物を提供すること及
び、該ウレタン樹脂組成物を利用して電気防食時の鋼板
における耐陰極剥離性及び耐クロスカット剥離性に優れ
た重防食塗料を提供することを目的とする。 【解決手段】 (a)主剤としてポリオール、(b)硬
化剤としてポリイソシアネート及び(c)改質剤とし
て、ヒドロキシル基及び2個以上のベンゼン環を含有す
る芳香族化合物を必須成分とするウレタン樹脂組成物、
又は(a)主剤としてポリオール、(b’)改質硬化剤
として(イ)ポリイソシアネートと、(ロ)ヒドロキシ
ル基及び2個以上のベンゼン環を含有する芳香族化合物
との付加反応体を必須成分とするウレタン樹脂組成物、
該ウレタン樹脂組成物に顔料成分を配合してなる重防食
塗料。 【効果】 タールエポキシ樹脂塗料系からの転換が急が
れている船舶用、鋼構造物用等のノンタール系重防食塗
料に好適である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ウレタン樹脂組成
物及び重防食塗料に関するものである。更に詳しくは鋼
材等の金属材料に対する接着性、特に腐食促進環境下に
おける耐接着劣化性に優れるウレタン樹脂組成物に関す
るものである。また、該組成物を用いた特に電気防食時
の耐陰極剥離性に優れ、耐クロスカット剥離性にも優れ
た重防食塗料に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、ウレタン樹脂はイソシアネート
化合物と活性水素を有する化合物(例えばポリオール)
とを重付加縮合することにより製造される。こうしたウ
レタン樹脂は、イソシアネート化合物と活性水素を有す
る化合物とについて、それらの具体的組成を適宜選択し
たり、両化合物の比率を変えることにより、熱可塑性に
も熱硬化性にもできる他、硬くも軟らかくも、固形にも
フォーム状にもできる。そのため、弾力性、強靱性、耐
摩耗性、電気絶縁性、耐薬品性、低温特性などに優れる
ところから、断熱材料等のフォーム、絶縁材等の成形
品、エラストマー、塗料、接着剤などの広い用途に適用
されている。
【0003】この場合、イソシアネート化合物は反応性
に富み取扱いに却って支障を来すことがあるため、イソ
シアネート反応基を一次的に保護しブロックすることが
古くから行われている。例えば、そのブロックを目的に
アミドやフェノールなどの改質剤が使用されている。例
えば文献、Ang. Chem. ,59,257(1947)に記載がある。
又、ウレタン樹脂の電気絶縁性等を向上させるために、
(アルキル)ベンゼン環と炭化水素基とからなる完全な
炭化水素化合物、例えばスチレン化キシレンを配合する
方法が知られている(特公昭61−386号公報)。さ
らに、ウレタン樹脂塗料組成物、特に上水道用内面塗料
として、水道管の内外で温度勾配が存在するような環境
下での耐水性を補い素地との密着性を向上させるため
に、フェノール(アルキル誘導体)変性クマロン樹脂若
しくはフェノール変性石油樹脂、スチレン化フェノール
樹脂又は変性シクロペンタジエン系樹脂から選択される
改質剤を配合する方法も既に知られている(特開昭63
−183967号公報)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、これら
従来からのウレタン樹脂組成物は鋼材等の金属材料に対
する接着性、特に塩水噴霧環境等の腐食促進環境下、例
えば船舶や海洋鋼構造物の用途で暴露した時の接着性が
経時的に低下していまい、耐接着劣化性に問題が残って
いる。従って、こうした従来のウレタン樹脂組成物を用
いた塗料は、電気防食時(耐接着劣化が特に問題となる
環境である)の陰極剥離性や耐クロスカット剥離性が十
分とはいえない状況にある。なお、ここで電気防食時の
陰極剥離性とは、塗膜が電気防食の併用に耐えるか否か
の試験であり、クロスカットを入れた試験板の中央部分
に亜鉛やアルミニウム陽極を取り付け、海水又は3%食
塩水に浸漬しクロスカット周辺の塗膜にフクレやハガレ
が生じるか否かを観察して適性を判断する方法をいい、
耐クロスカット剥離性とは、塗膜の腐食性を判断する試
験であり、クロスカットを入れた試験板を腐食を促進す
る環境においてクロスカット周辺での腐食度合いや、フ
クレ、ハガレの状況を観察して適性を判断する方法をい
う。
【0005】本発明は、従来からのウレタン樹脂組成物
の課題であった鋼材等の金属材料に対する接着性や腐食
促進環境下での耐接着劣化性に優れたウレタン樹脂組成
物を提供すること、該ウレタン樹脂組成物を利用して電
気防食時の鋼板における耐陰極剥離性及び耐クロスカッ
ト剥離性に優れた重防食塗料を提供することを目的とす
るものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者等は上記のよう
な目的を達成するために研究を行い、改質剤としてヒド
ロキシル基を有する特定の芳香族化合物を必須成分とし
て配合してなるウレタン樹脂組成物を調整すれば、鋼材
等の金属材料に対する接着性や塩水噴霧環境等の腐食促
進環境下で暴露したときの耐接着劣化性が大幅に改善さ
れること、更に、該ウレタン樹脂組成物を用いた重防食
塗料は、耐接着劣化性がより要求される環境となる電気
防食時の耐陰極剥離性や、耐クロスカット剥離性が大幅
に向上することを見いだし、本発明を完成させた。即ち
本発明の請求項1記載の発明は、(a)主剤として、ポ
リオール、(b)硬化剤として、ポリイソシアネート、
(c)改質剤として、ヒドロキシル基及び2個以上のベ
ンゼン環を含有する芳香族化合物を必須成分とすること
を特徴とするウレタン樹脂組成物である。
【0007】また請求項2記載の発明は、請求項1記載
の発明の構成のうち、(a)主剤のポリオールがビスフ
ェノールA型エポキシ樹脂にアルカノールアミンを付加
反応させたエポキシポリオール、(b)硬化剤のポリイ
ソシアネートがトリレンジイソシアネートのトリメチロ
ールプロパンアダクト物もしくはポリメリックジフェニ
ルメタンジイソシアネート、(c)改質剤のヒドロキシ
ル基及び2個以上のベンゼン環を含有する芳香族化合物
がナフトール、フェニルフェノール、ニトロソナフトー
ル及び式(1)で示される化合物から選択される一種ま
たは二種以上であり、かつ(b)硬化剤のイソシアネー
ト基と(a)主剤のヒドロキシル基及び(c)改質剤の
ヒドロキシル基の配合比が、1/0.5/0.1〜 1
/1.5/0.8(モル比)としたことを特徴とする請
求項1記載のウレタン樹脂組成物である。
【化2】
【0008】また請求項3記載の発明は、(a)主剤と
して、ポリオール、(b’)改質硬化剤として、(イ)
ポリイソシアネートと、 (ロ) ヒドロキシル基及び2個
以上のベンゼン環を含有する芳香族化合物との付加反応
体を必須成分とすることを特徴とするウレタン樹脂組成
物である。また請求項4記載の発明は、請求項3記載の
発明の構成のうち、(イ)のイソシアネート基と(ロ)のヒ
ドロキシル基との付加反応比が、1/0.1 〜 1/
0.8(モル比)、かつ(b’)改質硬化剤のイソシア
ネート基と(a)主剤のヒドロキシル基との配合比が1
/0.8〜1/5.0(モル比)であることを特徴とす
る請求項3記載のウレタン樹脂組成物である。更にまた
請求項5記載の発明は、請求項1又は3記載のウレタン
樹脂組成物に顔料成分を配合しなることを特徴とする重
防食塗料に関するものである。
【0009】以下、本発明について詳細に説明する。本
発明のウレタン樹脂組成物および該組成物を用いた重防
食塗料の(a)主剤として用いるポリオールは、アルコ
ール性水酸基を1分子中に2個以上有する化合物であれ
ば良く、例えばジイソプロパノールアミン、ジエタノー
ルアミン等のアルカノールアミンをビスフェノールA型
エポキシ樹脂、ノボラックフェノール型エポキシ樹脂等
のエポキシ樹脂に付加反応させて得たエポキシポリオー
ル、メタクリル酸のヒドロキシエステル等アルコール性
水酸基を有したアクリルモノマーをビニル重合させて得
たアクリルポリオール、フタル酸等の2塩基酸とグリセ
リン等の多価アルコールを重縮合させて得たポリエステ
ルポリオールおよび多価アルコールやビスフェノールA
等の多価フェノール類にエチレンオキサイドやプロピレ
ンオキサイドを付加重合させて得たポリエーテルポリオ
ール等が挙げられるが、コストと性能のバランスの点か
らビスフェノールA型エポキシ樹脂にアルカノールアミ
ン、特にジエタノールアミンを付加反応させたエポキシ
ポリオールが好ましい。
【0010】原料のビスフェノールA型エポキシ樹脂に
は各種重合度品があるが、ハイソリッド化ないし無溶剤
化指向の場合及び塗装作業性重視の場合には常温で液状
の低重合度のものが好ましく、また、被着体との密着性
を重視する場合には重合度の高いものが好ましい。低重
合度品の例としては、油化シェルエポキシ(株)製、商品
名、エピコート828(重合度0)が、高重合度品の例
としては、東都化成(株)製、商品名、エポトートYD−
927(重合度11)が各々挙げられる。
【0011】本発明のウレタン樹脂組成物の(b)硬化
剤として用いるポリイソシアネートは、イソシアネート
基を1分子中に2個以上有する化合物であれば良く、例
えば汎用型としてはトリレンジイソシアネート(以下、
TDI と略称する)、TDIのトリメチロールプロパン(以
下、TMP と略称する)アダクト物、TDIの3量化物であ
るイソシアヌレート、4,4’−ジフェニルメタンジイ
ソシアネート(以下、MDIと略称する)及びポリメリッ
クジフェニルメタンジイソシアネート(以下、ポリメリ
ックMDIと略称する)が、難黄変型(紫外線暴露下での
変色性)としてはキシリレンジイソシアネート(以下、
XDI と略称する)が、更に無黄変型(紫外線暴露下での
変色性)としてはヘキサメチレンジイソシアネート(以
下、HDIと略称する)、イソホロンジイソシアネート
(以下、IPDIと略称する)、水添XDIおよび水添MDI 等
が挙げられるが、コストと性能のバランスの点からTDI
のTMPアダクト物及びポリメリックMDIが好ましい 。
【0012】本発明のウレタン樹脂組成物の(c)改質
剤もしくは(b’)改質硬化剤に用いるヒドロキシル基
を有する特定の芳香族化合物の第1は、ヒドロキシル基
と2個以上のベンゼン環を含有する芳香族化合物であ
る。該化合物を用いる主な理由は、該改質剤は1分子
中にベンゼン環を2個以上有する大きな分子サイズのヒ
ドロキシル化芳香族のため、組成物への配合、硬化剤へ
の付加を通じて主剤−硬化剤の架橋網目構造に取り込ま
れる際、その網目自由体積の充填効果が有効となり、生
成するウレタン樹脂組成物の密度向上および可塑化によ
る被着体への密着性改善効果が大きいこと。該改質剤
は分子サイズが大きいため組成物への配合、硬化剤への
付加によって硬化剤分子の分子量がより増大し、生成す
るウレタン樹脂組成物の硬化収縮性が低減するとともに
それに伴う被着体への密着性向上が大きいことの2点で
ある。
【0013】このような(c)改質剤化合物もしくは
(b’)改質硬化剤に用いるヒドロキシル基を有する特
定の芳香族化合物の具体的な例としては、1−もしくは
2−ナフトール等のナフトール、4−ニトロソ−1−ナ
フトール等のニトロソナフトール、1−もしくは2−フ
ルオレノール、1−もしくは2−ヒドロキシジフェニレ
ンオキサイド、1−もしくは2−ヒドロキシアントラセ
ンおよび1−もしくは2−ヒドロキシフルオレン、2−
もしくは4−フェニルフェノール等のフェニルフェノー
ル、2−もしくは4−ヒドロキシターフェニルなどが挙
げられる。また、石炭乾留によって得られるコールター
ルを蒸留して塔底から得られるピッチをトルエンで溶剤
抽出後、更にヘキサンで溶剤抽出し、得られた溶剤抽出
物を水酸化カリウム水溶液もしくは水酸化ナトリウム水
溶液でアルカリ抽出し、最後に硫酸水溶液で中和して得
られる主成分が次式(1)で示されるものを使用しても
よい。
【化3】 コストと性能のバランスの点から、ナフトール、フェニ
ルフェノール、ニトロソナフトール及び上記した式
(1)で示される化合物が特に好ましい。
【0014】本発明のウレタン樹脂組成物に用いる
(b’)改質硬化剤としては、前記のポリイソシアネー
トに前記のヒドロキシル基を有する特定の芳香族化合物
を付加反応させて合成した化合物であり、ここにおける
イソシアネート基/ヒドロキシル基の付加反応比は1/
0.1〜1/0.8(モル比)の間が好ましい。また、
付加反応条件は、ヒドロキシル基を有する特定の芳香族
化合物がヒドロキシル基と2個以上のベンゼン環を有す
る芳香族化合物の場合は、50〜100℃の加熱下1〜
5hrが好ましく、又アルコール性ヒドロキシル基を有
する芳香族化合物の場合は、反応性が大きいため室温以
上、3hr以内の条件であればよい。
【0015】本発明の請求項1における、(a)主剤/
(b)硬化剤/(c)改質剤の配合系から成るウレタン
樹脂組成物の配合比は、(b)硬化剤のイソシアネート
基/(a)主剤のヒドロキシル基/(c)改質剤のヒド
ロキシル基=1/0.5/0.1〜1/1.5/0.8
(モル比)の間が好ましい。また、本発明の請求項3に
おける、(a)主剤/(b’)改質硬化剤の配合系から
成るウレタン樹脂組成物の配合比は、(b’)改質硬化
剤のイソシアネート基)/(a)主剤のヒドロキシル基
=1/0.8〜1/5.0(モル比)の間が好ましい。
【0016】次に本発明の重防食塗料は、前記ウレタン
樹脂組成物に顔料成分(着色顔料、体質顔料)を配合し
たものであるが、更に必要に応じて揺変剤及び溶剤など
を配合、分散させて得ることができる。本発明の重防食
塗料に使用する顔料としては、体質顔料に分類されるも
のとしてタルク、カオリン、炭酸カルシウム、ガラスフ
レークおよびフレーク状マイカを挙げることができる。
又、着色顔料に分類されるものとしてカーボンブラッ
ク、二酸化チタン等を挙げることができる。顔料のビヒ
クルに対する配合割合は、防食性を左右する体質顔料の
場合、100〜200重量%の範囲が好ましい。これ
は、防食性の目安となる塗膜の水蒸気透過率が前記体質
顔料の配合割合範囲で最小となるためである。他方、着
色顔料の場合は所望の着色度に応じて適宜割合で配合で
きるが、一般には樹脂成分に対して0〜100重量%の
範囲である。
【0017】重防食塗料に必要に応じて使用する揺変剤
は、塗装1回当たりの膜厚を大きくし、塗膜のタレを小
さくし、更に塗装中の粘度を小さくし作業性を高める目
的で添加されるものである。本発明では酸化ポリエチレ
ンワックス、脂肪酸アマイドワックス、有機ベントナイ
トなどが使用される。塗料組成物(硬化剤を入れる前の
塗料のベース(主剤)を100重量部とする)に対する
揺変剤の配合割合は0.6〜1.2重量部程度が好まし
く添加される。溶剤としては、芳香族系溶剤、ケトン系
溶剤、又はこれらの混合溶剤が適当である。
【0018】ここで本発明のウレタン樹脂組成物が何
故、鋼材等の金属材料に対する耐接着劣化性に優れる
か、又、該組成物を用いた重防食塗料が何故、電気防食
時の鋼板における耐陰極剥離性および耐クロスカット剥
離性に優れるか、その正確な機構は不明であるが以下の
ように推定される。 ・(主剤+硬化剤+改質剤)から成るウレタン樹脂組成
物の場合、第1に改質剤としてのヒドロキシル基を有す
る特定の芳香族化合物を配合した系は改質剤非配合系に
比べ、経時密度変化が少ない。従って、硬化収縮および
収縮に伴う応力の発生が抑制され、耐接着劣化性、耐陰
極剥離性および耐クロスカット剥離性の向上に寄与す
る。
【0019】第2に改質剤を配合したウレタン樹脂組成
物は、改質剤非配合系に比べて高密度の硬化物が得られ
ることから、硬化系の自由体積が該改質剤によって充填
され、それによって外部からの水蒸気、酸素等の浸入が
抑制されるため腐食が抑制され耐接着劣化性の向上等に
寄与する。
【0020】第3に改質剤を配合したウレタン樹脂組成
物は、非配合系に比べて弾性率が低く、柔軟な硬化物が
得られる。これは改質剤の可塑化作用によると思われ
る。即ち、外部からの力で硬化物に歪みが生じても発生
する応力は低く抑えられるため耐接着劣化性の向上に寄
与する。
【0021】第4に改質剤を配合したウレタン樹脂組成
物は、他の化合物を配合したウレタン樹脂組成物に比べ
経時重量変化率が低い。即ち、改質剤の昇華、流出等に
よるロスが少なく、該ロスによって硬化物中に生じるミ
クロポアー等の欠陥が少ないと考えられ、これが耐接着
劣化性の向上等につながる。
【0022】・主剤+改質硬化剤から成るウレタン樹脂
組成物の場合、前記各改質効果は主剤+硬化剤+改質剤
から成る系より向上する。これは改質硬化剤の構造が前
記改質剤たるヒドロキシル基を有する特定の芳香族化合
物を付加反応によって強制的に取り込んだ形態になって
いるため、前記改質剤がフリーの状態で組成物中に存在
する割合が少なく、そのため自由体積の充填効果がより
有効に発現するためである。
【0023】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を、説
明する。本発明のウレタン樹脂組成物を重防食塗料とし
て、或いは接着剤、各種シーリング材、各種成形材用と
して利用する場合の具体的な調整法を説明する。まず本
発明のウレタン樹脂組成物を用いた重防食塗料として
は、前記ウレタン樹脂組成物に顔料(着色顔料、体質顔
料)、揺変剤及び溶剤などを適宜配合、分散させて得る
ことができる。例えば(a)主剤と(c)改質剤及び
顔料(着色顔料、体質顔料)、揺変剤等をボールミル等
で所定の割合で混合分散させて塗料ベース剤を調整す
る。 この塗料ベース剤に、溶剤とともに(b)硬化剤を配
合して撹拌・混合して重防食塗料を調整する。 この調整した重防食塗料をブラスト鋼板に適宜の乾燥
膜厚み例えば、約300μm程度となるように刷毛塗り
等で塗装し、塗膜を硬化させて利用する。
【0024】その他の、本発明のウレタン樹脂組成物の
利用法としては、 1)接着剤として利用する場合、 ・適当な溶剤例えば、トルエン、メチルイソブチルケト
ン、メチルエチルケトン等の存在下で前記した硬化剤+
改質剤を混合機にて撹拌・溶解・混合してワニスを調整
し、これを使用直前に前記した主剤と撹拌、混合して接
着剤を調整、鋼板にキャスト後、溶剤を乾燥、別の鋼板
と貼り合わせて接着するのに使用する。
【0025】2)各種シーリング材として利用する場
合、 ・前記接着剤の主剤に予めシリカ粉又はアルミ粉を分散
させた後、前記硬化剤+改質剤の混合物を使用直前に撹
拌、混合してシーリング材を調整し、シール部分の充填
材として使用する。 3)各種成形材用として利用する場合、 ・主剤+硬化剤+改質剤の3者を混合機にて撹拌、溶
解、混合後、射出成形機で加熱硬化成形するか、金型モ
ールドに仕込み加熱硬化後、金型モールドを外して成形
物を得る。
【0026】
【実施例】次に、実施例で本発明を具体的に説明する。
実施例1〜13および比較例1〜6は各々、主剤+硬化
剤+改質剤から成るウレタン樹脂組成物に関する例、実
施例14〜18および比較例7は各々、主剤+改質硬化
剤から成るウレタン樹脂組成物に関する例、実施例19
〜22および比較例8〜9は各々、該ウレタン樹脂組成
物を用いた重防食塗料に関する例である。
【0027】なお実施例における本発明の樹脂組成物の
評価は、次のように実施した。 ・接着力(kg/cm2):ASTM D 4541に準拠し、
初期値及び塩水噴霧700(hr)後にそれぞれ測定した。
なお、引張試験機のクロスヘッドスピードは10(mm/
分) とした。 ・密度 (g/cm3) :養生3日後〔A〕及び養生21日後
〔B〕にそれぞれ測定した。また、密度変化率〔C〕を
次式;(B−A)/A × 100により算出した。 ・重量減少率(重量%):養生開始から養生21日後ま
での重量の減少を測定した。
【0028】また、本発明の塗料の評価は、次のように
実施した。 ・耐クロスカット剥離性:JIS K5400(9.
1)に準拠し、塩水噴霧700(hr)後に測定した。 ・電気防食時の陰極剥離性:JIS K5400(8.
5.3)に準拠し、クロスカットを入れた試験片の中央
に亜鉛電極(-1000〜-1060mV SCE)を取り付け、20℃にて
3%食塩水に浸漬し、700(hr)後の陰極剥離の大小で
示した。
【0029】実施例1 主剤のポリオールとして、重合度0のビスフェノールA
型エポキシ樹脂(油化シェルエポキシ(株)製、商品
名、エピコート828)にジイソプロパノールアミン
(市販特級試薬)を付加反応させて得たヒドロキシル基
当量が202g/eqであるエポキシポリオールの50
重量%溶液(溶剤は、トルエン:メチルイソブチルケ
トン:メチルエチルケトン=50:30:20重量部の
混合物)を15g、硬化剤のポリイソシアネートとして
イソシアネート基当量が323g/eqであるトリレン
ジイソシアネートのトリメチロールプロパンアダクト物
75重量%酢酸エチル溶液(武田薬品工業(株)製、商
品名、タケネートD-103H)を36g、改質剤のヒドロキ
シル基と2個以上のベンゼン環を有する芳香族化合物と
して、2−ナフトールを5.3g、溶剤としてトルエン:
メチルイソブチルケトン:メチルエチルケトン=50:
30:20重量部の混合溶剤76.5gを配合し、撹拌、
溶解、混合してワニスを調製した。
【0030】このときの硬化剤のイソシアネート基/主
剤のヒドロキシル基の配合比は、1/0.67(モル
比)、硬化剤のイソシアネート基/改質剤のヒドロキシ
ル基の配合比は、1/0.33(モル比)であった。ま
た、硬化剤のイソシアネート基/主剤及び改質剤の総ヒ
ドロキシル基の配合比は、1/1(モル比)であった。
該ワニスをブラスト鋼板上にキャスト後、23℃,65
R.H.%(相対湿度)の条件下で3週間養生し、膜厚約3
00μmのウレタン樹脂組成物硬化物フィルムで被覆さ
れた塗板を調製した。該硬化物フィルムの特性を第1表
に示した。
【0031】密度は養生後3日目時点から21日目時点
まで終始高い値を示し、その変化も少なかった。又、養
生開始時点を基準とし、21日後の重量減少率を測定し
たところ−70重量%を下回っていた。従って、固形分
濃度30重量%は確保されており、改質剤2−ナフトー
ルの昇華、流出等による損失はなかったことが確認でき
た。次に、該塗板を食塩濃度5重量%、温度35℃の条
件下、塩水噴霧環境中に暴露し3000hr後の硬化物フ
ィルムとブラスト鋼板間の接着力を測定、初期値と比較
したところ暴露後の接着力は寧ろ増大していた(第1
表)。ここにおける接着力の測定はASTM D 4541に準拠
し、引っ張り試験機のクロスヘッドスピードは10mm/
分とした。
【0032】実施例2 改質剤として4−フェニルフェノール6.3gを用いた以
外は、実施例1と同じ配合物を第1表記載の割合で配合
後、実施例1と同様の手順に従ってウレタン樹脂組成物
を得た。性状も第1表に併記した。実施例1同様、得ら
れたウレタン樹脂組成物は高密度でその変化も小さく、
経時重量変化も−70%を下回った。同様に塩水噴霧後
の接着力は初期値と同等の優れたものだった。
【0033】実施例3 改質剤として4−ニトロソ−1−ナフトール4.7gを
用い、主剤と硬化剤を第1表記載の通りに配合した以外
は、実施例1と同様の手順に従ってウレタン樹脂組成物
を得た。塩水噴霧後の接着力は初期値を若干下回る程度
の優れたものであった。
【0034】実施例4 石炭乾留によって得られたコールタールを蒸留し、軽質
分をカットして得られたピッチをトルエン抽出後、更に
ヘキサン抽出した成分を10%水酸化カリウム水溶液で
抽出、15%硫酸水溶液で中和分離して得た主成分が式
(1)に示される化合物を改質剤とし、第1表記載の通
りに配合した以外は、実施例1と同様の手順に従ってウ
レタン樹脂組成物を得た。塩水噴霧後の接着力は初期値
を上回る優れたものだった。
【化4】
【0035】実施例5 硬化剤/改質剤の配合量を変え、硬化剤のイソシアネー
ト基/主剤のヒドロキシル基/改質剤のヒドロキシル基
の配合比(モル比)を第1表記載の通りに配合した以外
は、実施例1と同様の手順に従ってウレタン樹脂組成物
を得た。塩水噴霧後の接着力は初期値を大幅に上回る特
に優れたものだった。
【0036】実施例6 硬化剤としてイソシアネート基当量が137g/eqで
あるポリメリックジフェニルメタンジイソシアネート
(日本ポリウレタン工業(株)製、商品名、ミリオネート
MR−200)を第1表記載の通りに配合した以外は、
実施例1と同様の手順に従ってウレタン樹脂組成物を得
た。塩水噴霧後の接着力は初期値を若干上回る程度の優
れたものだった。
【0037】
【表1】
【0038】比較例1〜5 改質剤を用いない(比較例1及び2:硬化剤のイソシア
ネート基/主剤のヒドロキシル基の配合比が異なる)
か、もしくは改質剤の代わりにヒドロキシル基を有しな
い2個以上のベンゼン環を有する芳香族化合物である2
ーメチルナフタレン(比較例3)、もしくはヒドロキシ
ル基は有するがベンゼン環が1個の芳香族化合物である
ベンジルアルコール(比較例4)及びフェノール(比較
例5)を第2表記載の割合で配合した他は実施例1同様
の手順に従い、ウレタン樹脂組成物を得た。改質剤を用
いなかった比較例1及び2の系は、実施例に比べ密度変
化率が大であり、塩水噴霧後の接着力は低値であった。
2−メチルナフタレンを用いた比較例3の系は、重量変
化率が−70%を上回っており、昇華、流出等によるロ
スが認められた。又、塩水噴霧後の接着力は同様に低値
であった。ベンジルアルコール及びフェノールを用いた
比較例4及び5の系の塩水噴霧後の接着力も低値であっ
た。
【0039】
【表2】
【0040】実施例7 主剤のポリオールとして、重合度11のビスフェノール
A型エポキシ樹脂(東都化成(株)製、商品名、エポトー
トYD−927)にジイソプロパノールアミン(市販特
級試薬)を付加反応させて得た、ヒドロキシル基当量が
452g/eqのエポキシポリオール50重量%溶液
(溶剤は、トルエン:メチルイソブチルケトン:メチル
エチルケトン=50:30:20重量部の混合物)を2
5.0g、硬化剤のポリイソシアネートとして実施例1
で用いたものと同じものを17.9g、改質剤として2
−ナフトールを3.0g、溶剤として実施例1で用いた
ものと同じものを50.4g各々配合し、撹拌、溶解、
混合してワニスを調整した。このときの硬化剤のイソシ
アネート基/主剤のヒドロキシル基/改質剤のヒドロキ
シル基の配合比は、1/1/0.37(モル比)であっ
た。(第3表) 特性は実施例1と同様に測定し、結果を第3表に併記し
た。塩水噴霧後の接着力は初期値を大きく上回る非常に
優れたものだった。
【0041】実施例8 第3表記載の配合によって、硬化剤のイソシアネート基
/主剤のヒドロキシル基/改質剤のヒドロキシル基の配
合比を、1/0.73/0.27(モル比)に調整した
以外は実施例7と同様の手順に従ってウレタン樹脂組成
物を得た。特性も第3表に併記した。同様に、塩水噴霧
後の接着力は初期値を大きく上回る非常に優れたものだ
った。
【0042】実施例9 第3表記載の配合によって、硬化剤のイソシアネート基
/主剤のヒドロキシル基/改質剤のヒドロキシル基の配
合比を、1/1/0.56(モル比)に調整した以外は
実施例7と同様の手順に従ってウレタン樹脂組成物を得
た。性状も第3表に併記した。同様に、塩水噴霧後の接
着力は初期値を上回る優れたものだった。
【0043】実施例10 第3表記載の配合によって、硬化剤のイソシアネート基
/主剤のヒドロキシル基/改質剤のヒドロキシル基の配
合比を、1/0.63/0.327(モル比)に調整し
た以外は実施例7と同様の手順に従ってウレタン樹脂組
成物を得た。特性も第3表に併記した。塩水噴霧後の接
着力は初期値を大幅に上回る非常に優れたものだった。
【0044】実施例11 第3表記載の配合によって、硬化剤のイソシアネート基
/主剤のヒドロキシル基/改質剤のヒドロキシル基の配
合比を、1/1/0.74(モル比)に調整した以外は
実施例7と同様の手順に従ってウレタン樹脂組成物を得
た。特性も第3表に併記した。塩水噴霧後の接着力は初
期値を上回る優れたものだった。
【0045】実施例12 第3表記載の配合によって、硬化剤のイソシアネート基
/主剤のヒドロキシル基/改質剤のヒドロキシル基の配
合比を、1/0.57/0.43(モル比)に調整した
以外は実施例7と同様の手順に従ってウレタン樹脂組成
物を得た。特性も第3表に併記した。同様に塩水噴霧後
の接着力は初期値を上回る優れたものだった。
【0046】実施例13 硬化剤のポリイソシアネートに実施例6と同じポリメリ
ックMDIを用い、第3表記載の配合によって、硬化剤
のイソシアネート基/主剤のヒドロキシル基/改質剤の
ヒドロキシル基の配合比を、1/1/0.37(モル
比)に調整した以外は実施例7と同様の手順に従ってウ
レタン樹脂組成物を得た。特性も第3表に併記した。同
様に塩水噴霧後の接着力は初期値を上回る優れたものだ
った。
【0047】比較例6 改質剤を配合せず、硬化剤のイソシアネート基/主剤の
ヒドロキシル基の配合比を、1/1(モル比)に調整し
た以外は実施例7と同様の手順に従ってウレタン樹脂組
成物を得た。(第3表) 特性も第3表に併記した。塩水噴霧後の接着力は初期値
を下回り、良い結果は得られなかった。
【0048】
【表3】
【0049】実施例14 実施例1で用いたものと同じポリイソシアネート溶液2
4.1gと2ーナフトール2.96gを撹拌機、温度
計、環流コンデンサーを備えた100ml4つ口セパラ
ブルフラスコに仕込み、80〜90℃で3hr反応を行い
改質硬化剤を調整した。このときのポリイソシアネート
中のイソシアネート基に対する2ーナフトールのヒドロ
キシル基の付加反応比率は、1/0.27(モル比)で
ある。その後は、主剤として実施例7と同じエポキシポ
リオール溶液を使用し、第4表記載の配合によって改質
硬化剤のイソシアネート基/主剤のヒドロキシル基の配
合比を1/1(モル比)に調整した以外は実施例1と同
様の手順に従い、ウレタン樹脂組成物を得た。特性も第
4表に併記した。塩水噴霧後の接着力は初期値を上回る
優れたものだった。
【0050】実施例15 第4表記載の配合と実施例14と同様の手順に従ってポ
リイソシアネートのイソシアネート基に対する2−ナフ
トールのヒドロキシル基の付加反応比率は、1/0.5
6(モル比)である改質硬化剤を調整した。その後は、
第4表記載の配合によって改質硬化剤のイソシアネート
基/主剤のヒドロキシル基の配合比を1/2.26(モ
ル比)に調整した以外は実施例1と同様の手順に従い、
ウレタン樹脂組成物を得た。特性も第4表に併記した。
塩水噴霧後の接着力は初期値を上回る優れたものだっ
た。
【0051】実施例16 第4表記載の配合と実施例14と同様の手順に従ってポ
リイソシアネートのイソシアネート基に対する2−ナフ
トールのヒドロキシル基の付加反応比率は、1/0.7
5(モル比)である改質硬化剤を調整した。その後は、
第4表記載の配合によって改質硬化剤のイソシアネート
基/主剤のヒドロキシル基の配合比を1/3.92(モ
ル比)に調整した以外は実施例1と同様の手順に従い、
ウレタン樹脂組成物を得た。特性も第4表に併記した。
塩水噴霧後の接着力は初期値を大幅に上回る非常に優れ
たものだった。
【0052】実施例17 第4表記載の配合と実施例14と同様の手順に従ってポ
リイソシアネートのイソシアネート基に対する2−ナフ
トールのヒドロキシル基の付加反応比率が、1/0.7
5(モル比)である改質硬化剤を調整した。その後は、
第4表記載の配合によって改質硬化剤のイソシアネート
基/主剤のヒドロキシル基の配合比を1/1(モル比)
に調整した以外は実施例1と同様の手順に従い、ウレタ
ン樹脂組成物を得た。特性も第4表に併記した。塩水噴
霧後の接着力は初期値を大幅に上回る非常に優れたもの
だった。
【0053】実施例18 改質硬化剤の原料ポリイソシアネートに実施例6と同じ
ものを用い、第4表記載の配合と実施例14と同様の手
順に従ってポリイソシアネートのイソシアネート基に対
する2−ナフトールのヒドロキシル基の付加反応比率
が、1/0.37(モル比)である改質硬化剤を調整し
た。その後は、第4表記載の配合によって改質硬化剤の
イソシアネート基/主剤のヒドロキシル基の配合比を1
/1.60(モル比)に調整した以外は実施例1と同様
の手順に従い、ウレタン樹脂組成物を得た。特性も第4
表に併記した。塩水噴霧後の接着力は初期値を上回る優
れたものだった。
【0054】比較例7 実施例1で用いたものと同じポリイソシアネート溶液2
2.17gとフェノール1.25gを用い、実施例14
と同じ反応条件で改質硬化剤を調整した。このときのポ
リイソシアネート中のイソシアネート基に対するフェノ
ールのヒドロキシル基の付加反応比率が、1/0.20
(モル比)である その後は、第4表記載の配合によって改質硬化剤イソシ
アネート基/主剤のヒドロキシル基の配合比を1/1
(モル比)に調整した以外は実施例1と同様の手順に従
い、ウレタン樹脂組成物を得た。特性も第4表に併記し
た。塩水噴霧後の接着力は初期値を下回った。
【0055】
【表4】
【0056】実施例19 温度計、冷却器、撹拌機、滴下ロートを備えた3lフラ
スコにビスフェノールA460g、プロピレンオキサイ
ド230g、メチルイソブチルケトン800gを仕込
み、ビスフェノールAを溶解させ、温度を40℃に保つ
ように三フッ化硼素エチルエーテルコンプレックス10
gを滴下し3時間反応させ、三フッ化硼素エチルエーテ
ルコンプレックスをトリエチルアミンで中和除去した。
その後、エピクロルヒドリン204gを系内に仕込み温
度を80℃に維持し、触媒としての苛性ソーダ水溶液存
在下、10時間反応させた。水洗により触媒を除去後、
メチルイソブチルケトンを減圧蒸留により留去し、固形
エポキシ樹脂795gを得た。エポキシ当量は1950
g/eq、軟化点は60℃であった。この樹脂500g
をトルエン:メチルイソブチルケトン=1:1(重量
比)の混合溶剤500gに溶解させ、50重量%エポキ
シ樹脂溶液を得た。
【0057】次に、温度計、冷却器、撹拌機を備えた1
lフラスコに上記のエポキシ樹脂溶液484g、ジイソ
プロパノールアミン17gを仕込み、温度80℃で2時
間反応させてエポキシポリオール樹脂ワニスを得た。ア
セチル価化法によるヒドロキシル基当量は、419g/
eqであった。上記エポキシポリオール樹脂ワニス2
3.2gに改質剤の2−ナフトールを2.1g、フェノー
ル変性クマロン樹脂の60重量%トルエン溶液17.9
gを各々配合溶解後、体質顔料としての扁平タルク2
7.8g、着色顔料としてのカーボンブラック0.3g、
二酸化チタン4.8gを配合、ボールミルにて30分間
分散を行い塗料ベース剤を調製した。このときの硬化剤
のイソシアナート基/主剤のヒドロキシル基/改質剤の
ヒドロキシル基の配合比は、1/1.37/0.36
(モル比)である。
【0058】前記塗料ベース剤に、硬化剤として実施例
1と同じもの、すなわちポリイソシアネートとしてトリ
レンジイソシアネートのトリメチロールプロパンアダク
ト物75重量%酢酸エチル溶液(武田薬品工業(株)
製、商品名、タケネートD-103H)を13.1g、溶剤と
してトルエンおよびメチルエチルケトンを各々8.7
g、3.1g配合し、撹拌、混合して重防食塗料を調製
した。該重防食塗料をブラスト鋼板上に乾燥膜厚が約3
00μmとなるように刷毛塗りし、塗板を調製した。2
週間養生後、クロスカット中心部に電気防食のための亜
鉛電極を接続して5%塩水に1週間浸漬した。陰極剥離
性は認められず良好な防食性を確認した。又、前記ブラ
スト鋼板の代わりに錆鋼板に対して同様の塗板を調製
し、実施例1と同様条件で塩水噴霧化で塗板のクロスカ
ット試験を行い、700hr暴露後の剥離幅を測定し
た。結果を第5表に示した。剥離幅は極めて小さく、優
れた防食性を示した。
【0059】実施例20 改質剤として4−フェニルフェノール2.9gを用い、
第4表記載の割合で配合を行った他は実施例7と同様の
手順で重防食塗料を調製し、特性評価を行った。結果を
第5表に併記した。実施例7同様、電気防食時の陰極剥
離は小さくなる上、塩水噴霧下のクロスカット剥離幅も
小さく、優れた防食性を示した。
【0060】比較例8 改質剤としての2−ナフトールおよび4−フェニルフェ
ノールを用いず第4表記載の割合で配合を行った他は、
実施例19と同様の手順で重防食塗料を調製し、特性評
価を行った。結果を第5表に併記した。電気防食時の陰
極剥離性が著しい上、塩水噴霧下のクロスカット剥離幅
も大きく、防食性は不十分であった。
【0061】
【表5】
【0062】実施例21 実施例1と同様の硬化剤としてポリイソシアネートの7
5重量%溶液13.1g、改質剤として2−ナフトール
2.1g、溶剤としてトルエン8.7g、メチルエチルケ
トン3.1gを各々100mlの撹拌機、温度計、環流
コンデンサーを備えた4つ口フラスコに仕込み、80〜
90℃で3hr加熱、撹拌下で反応を行いトリレンジイソ
シアネートのトリメチロールプロパンアダクト物への2
−ナフトール付加物の溶液を得、改質硬化剤とした。こ
のときのポリイソシアネートのイソシアネート基に対す
る2−ナフトールのヒドロキシル基の付加反応比率は1
/0.36(モル比)である。
【0063】次に2−ナフトールを配合しなかった以
外、実施例19で使用したと同じ主剤のエポキシポリオ
ールと顔料とで同様の手順で調製した塗料ベース剤に前
記改質硬化剤と溶剤としてのトルエンおよびメチルエチ
ルケトンを各々8.7g、3.1g配合し、重防食塗料を
調製し、特性評価を行った。このときの改質硬化剤のイ
ソシアナート基と主剤のヒドロキシル基/の配合比は1
/2.13(モル比)であった。結果を第6表に併記し
た。塩水噴霧700hr後のクロスカット剥離幅は、6
mmと極めて小さい上、電気防食時の陰極剥離も小さく
極めて優れた防食性を示した。
【0064】実施例22 硬化剤のポリイソシアネートとして、MDI(日本ポリ
ウレタン(株)製、商品名 MR200)6.1(g)、
改質剤としての2−ナフトール2.1(g)、溶剤とし
てトルエン5.7(g)、メチルエチルケトンを2.5
(g)を各々100(ml)の撹拌機、温度計、環流コ
ンデンサーを備えた4つ口フラスコに仕込み、80〜9
0℃で3(hr)加熱、撹拌下で反応を行いMDIへの
2−ナフトール付加物の溶液を得、改質硬化剤とした。
次に2−ナフトールを配合しなかった以外、実施例19
と同様の手順で調製した塗料ベース剤に前記改質硬化剤
と溶剤としてのトルエンおよびメチルエチルケトンを各
々8.7g、3.1g配合し、重防食塗料を調製し、特性
評価を行った。結果を第6表に併記した。塩水噴霧70
0hr後のクロスカット剥離幅は小さい上、電気防食時
の陰極剥離も小さく極めて優れた防食性を示した。
【0065】比較例9 改質剤として2−ナフトールを用いず第5表記載の割合
で配合を行った他は、実施例22と同様の手順で重防食
塗料を調製し、特性評価を行った。結果を第6表に併記
した。電気防食時の陰極剥離性が著しい上、塩水噴霧下
のクロスカット剥離幅も大きく、防食性は不十分であっ
た。
【0066】
【表6】
【0067】
【発明の効果】本発明のウレタン樹脂組成物は、鋼材等
の金属材料に対する接着性、特に塩水噴霧下等の腐食促
進環境における耐接着劣化性に優れるため、重防食塗
料、構造用接着剤等の接着剤、シーリング剤等、長期耐
久性を要求されるコーティング材料用の素材として有用
である。特にタールエポキシ樹脂塗料系からの転換が急
がれている船舶用、鋼構造物用等のノンタール系重防食
塗料に用いた場合には電気防食時の耐陰極剥離性や塩水
噴霧下のクロスカット剥離幅等で示される防食性に優れ
た特性を示す。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (a)主剤として、ポリオール、(b)
    硬化剤として、ポリイソシアネート及び(c)改質剤と
    して、ヒドロキシル基及び2個以上のベンゼン環を含有
    する芳香族化合物を必須成分とすることを特徴とするウ
    レタン樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 (a)主剤のポリオールがビスフェノー
    ルA型エポキシ樹脂にアルカノールアミンを付加反応さ
    せたエポキシポリオール、(b)硬化剤のポリイソシア
    ネートがトリレンジイソシアネートのトリメチロールプ
    ロパンアダクト物もしくはポリメリックジフェニルメタ
    ンジイソシアネート、(c)改質剤のヒドロキシル基及
    び2個以上のベンゼン環を含有する芳香族化合物がナフ
    トール、フェニルフェノール、ニトロソナフトール及び
    式(1)で示される化合物から選択される一種または二
    種以上であり、かつ(b)硬化剤のイソシアネート基と
    (a)主剤のヒドロキシル基及び(c)改質剤のヒドロ
    キシル基の配合比が、1/0.5/0.1〜 1/1.
    5/0.8(モル比)である請求項1記載のウレタン樹
    脂組成物。 【化1】
  3. 【請求項3】 (a)主剤として、ポリオール、
    (b’)改質硬化剤として、(イ) ポリイソシアネート
    と、 (ロ) ヒドロキシル基及び2個以上のベンゼン環を
    含有する芳香族化合物との付加反応体を必須成分とする
    ことを特徴とするウレタン樹脂組成物。
  4. 【請求項4】 (a)主剤のポリオールがビスフェノー
    ルA型エポキシ樹脂にアルカノールアミンを付加反応さ
    せたエポキシポリオール、(b’)改質硬化剤が(イ)
    ポリイソシアネートとしてトリレンジイソシアネートの
    トリメチロールプロパンアダクト物もしくはポリメリッ
    クジフェニルメタンジイソシアネートのいずれかと、
    (ロ) ヒドロキシル基及び2個以上のベンゼン環を含有
    する芳香族化合物としてナフトール、フェニルフェノー
    ル、ニトロソナフトール及び前記式(1)で示される化
    合物から選択される一種または二種以上との付加反応体
    であり、かつ(イ)のイソシアネート基と(ロ)のヒドロキ
    シル基との付加反応比が、1/0.1 〜 1/0.8
    (モル比)、かつ(b’)改質硬化剤のイソシアネート
    基と(a)主剤のヒドロキシル基との配合比が1/0.
    8〜1/5.0(モル比)である請求項3記載のウレタ
    ン樹脂組成物。
  5. 【請求項5】 請求項1又は3記載のウレタン樹脂組成
    物に顔料成分を配合しなることを特徴とする重防食塗
    料。
JP8005244A 1996-01-16 1996-01-16 ウレタン樹脂組成物及び重防食塗料 Withdrawn JPH09194563A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN115279850A (zh) * 2020-04-10 2022-11-01 关西涂料株式会社 涂料组合物及模内被覆方法

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