JPH09194525A - オレフィン重合用触媒 - Google Patents

オレフィン重合用触媒

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JPH09194525A
JPH09194525A JP753596A JP753596A JPH09194525A JP H09194525 A JPH09194525 A JP H09194525A JP 753596 A JP753596 A JP 753596A JP 753596 A JP753596 A JP 753596A JP H09194525 A JPH09194525 A JP H09194525A
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hydrocarbon
transition metal
compound
phenanthroline
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JP753596A
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Shigeru Igai
滋 猪飼
Koji Imaoka
孝治 今岡
Masato Murakami
村上  真人
Yoshiyuki Kai
甲斐  義幸
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Ube Corp
Original Assignee
Ube Industries Ltd
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  • Transition And Organic Metals Composition Catalysts For Addition Polymerization (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【構成】 特定の周期律表第VIII族遷移金属化合物と、
周期律表第 I〜III 族主元素金属の有機金属化合物、有
機アルミニウムオキシ化合物、及び該遷移金属化合物と
反応してカチオン性遷移金属化合物を生成できるイオン
性化合物から選択される助触媒とからなるオレフィン重
合用触媒。 【効果】 本発明の触媒は、活性及び分子量が高く、か
つ分子量分布が狭く、αオレフィンとの共重合性が良
く、優れた物性を有する重合体を製造することができ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、新規なオレフィン
重合用触媒に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、オレフィン重合触媒として高活性
で、生成ポリマーの分子量分布、共重合における組成分
布が狭く、物性の優れたオレフィン重合体を得ることが
できるTi、Zr、Hf等のメタロセン型錯体とメチルアルモ
キサン等の有機アルミニウムオキシ化合物との組み合わ
せからなる触媒系が注目されている。これらについて
は、Macromlecular Science,1994年,C34, No3, 439頁、
Progress Polymer Science,1995 年,20 巻,309頁, 同45
9 頁などに記載されている。
【0003】一方、これまで周期律表第VIII族遷移金属
化合物、又はそれと有機金属化合物との組合せによるエ
チレン重合用の触媒系も知られている、例えば、Angewa
ndteChemie, Internal Edition in English, 1978年、
第17巻、No.6、466 頁、同1985年、第24巻、No.7、599
頁、Transition Metal Catalyzed Polymerization 2nd,
1986 年、ケンブリッジ大学、Quirk Roderic P 著書、
472 頁、Transition Metals and Organometallics as C
atalysts for Olefin Polymerization, 1988年、Spring
er-Verlag Berlin Heidelberg, W. Kaminsky and H.Sin
n 著書、349 頁にNi(0価)化合物と(C6H5)3P=CR-C(O)
R で示されるイリッド化合物とを反応させて合成した(C
6H5)2P=CR-C(O)R のP とO でNiに二座配位したNiイリッ
ド錯体を用いてエチレンを重合する方法が記載されてい
る。
【0004】さらに特開平3-131608号公報、特開平1316
11号公報、特開平6-122720号公報などには、(C6H5)3P=C
R-C(O)R において二つの炭素原子についた置換基がお互
いに単環状あるいは多環状炭化水素基を形成しているイ
リッド化合物とNi(0価)化合物の存在下、さらにはル
イス塩基の共存下でのエチレン重合体の製造方法が提案
されている。Journal of Molecular Catalysis vol.41,
p123 (1987)には、Niイリッド錯体を触媒としてエチレ
ンを高活性で、かつ高重合するために、重合系にNi( シ
クロオクタジエン)2、Rh(アセチルアセトナート)(エ
チレン)2 等の錯体を添加する方法が知られているが、
ポリマー中に遷移金属化合物の残渣が多くなり好ましく
ない。
【0005】第VIII族遷移金属に属するPd化合物と有機
アルミニウムとの組合せを用いたオレフィン重合につい
ては、例えばMakromol.Chem.,Rapid Commun.1990年、11
巻、285 頁に塩化Mgに担持された塩化Pdとトリエチルア
ルミニウムとからなる触媒系を用いたエチレンの重合が
開示されている。J.Am.Chem.Soc.1981年、103 巻、4627
頁にはテトラキス(アセトニトリル)Pdビス(テトラフ
ルオロボレート)、及びそのトリス(トリフェニルホス
フィン)錯体である(CH3CN)(PPh3)3Pd(BF4)2を用いたポ
リスチレンの製造が報告されているが、エチレン重合に
適用した場合にはオリゴマーが生成することが記載され
ている。
【0006】本発明者らはすでに特開平7-82314 号公報
においてPd化合物と有機オキシ化合物からなるオレフィ
ン重合用の触媒系を提案している。前記のPd化合物も含
めて提案された遷移金属化合物はエチレンの重合活性は
高いが、αオレフィンの重合については活性、分子量と
もに小さく、エチレンとの共重合性について何も記載さ
れておらず明らかではない。
【0007】前記の問題点を解決する提案として、ジイ
ミンを配位子とするNi、Pd化合物を含むエチレン及びプ
ロピレン、1-ヘキセンなどのαオレフィンの重合活性が
高く、高分子量のポリマーが得られる触媒系がJ.Am.Che
m.Soc.1995年、117 巻、6414頁に記載されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】気相重合法などの工業
的に使用するための触媒製造方法については記載がな
い。さらにエチレンとαオレフィンとの共重合性につい
ても不明であり、工業的に使用できる高性能な新たな触
媒系の開発が望まれている。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、式(1)又は
式(2)で示される周期律表第VIII族遷移金属化合物
と、周期律表第 I〜III 族主元素金属の有機金属化合
物、有機アルミニウムオキシ化合物、及び該遷移金属化
合物と反応してカチオン性遷移金属化合物を生成できる
イオン性化合物から選択される助触媒との組み合わせか
らなるオレフィン重合用触媒に関する。 LMX2 (1) Q(Pz)2 MX2 (2) (式中、Mは第VIII族遷移金属、Xは水素、ハロゲン、
炭素数1から20の炭化水素基、炭素数1から20の炭化水
素オキシ基、炭素数1から20の炭化水素アミノ基、又は
炭素数1から20の炭化水素を含有するシリル基であり、
Lは2,2-ビピリジン、2,2-ビキノリン、1,10- フェナン
スロリン、又は2,2-ビピリミジンにおいて少なくとも一
個の水素原子が炭化水素基、シリル基、炭化水素オキシ
基、炭化水素アミノ基で置換された配位子であり、Pz
はピラゾイル基、置換ピラゾイル基、Qは二個のピラゾ
イル基又は置換ピラゾイル基を連結する連結基であ
る。)
【0010】本発明で、式(1)又式(2)の周期律表
第VIII族遷移金属は、Ni、Pd、またはPtであり、Xとし
て好ましいのは水素、ハロゲン、炭素数1から 6の炭化
水素基、炭素数1から 6の炭化水素を含有するシリル
基、炭素数1から 6の炭化水素オキシ基、又は炭素数1
から 8の炭化水素アミノ基である。Xの具体例として
は、ハロゲンとして塩素原子、臭素原子、炭化水素基と
してメチル基、ベンジル基、ネオペンチル基、ビス( ト
リメチルシリル) メチル基、炭化水素オキシ基としてメ
トキシ基、エトキシ基、イソプロポキシ基、t- ブトキ
シ基、炭化水素アミノ基としてジメチルアミノ基、ジエ
チルアミノ基、ジイソプロピルアミノ基、ジブチルアミ
ノ基、ジオクチルアミノ基、炭化水素を含有するシリル
基としてトリメチルシリル基を挙げられる。
【0011】Lは、2,2-ビピリジン[2,2-bipyridine]、
2,2-ビキノリン[2,2-biquinoline]、1,10- フェナンス
ロリン[1,10-phenanthroline] 、又は2,2-ビピリミジン
[2,2-bipyrimidine]の少なくとも一個の水素原子が炭素
数1から12の炭化水素基、炭素数1から12の炭化水素を
含有するシリル基、炭素数1から12の炭化水素オキシ
基、又は炭素数1から12の炭化水素アミノ基で置換され
た配位子である。置換基は複数個であってもよく、特に
2,2-ビピリジン、1,10- フェナンスロリン、2,2-ビピリ
ミジンいずれにおいても2,9 の位置が好ましい。
【0012】置換基の具体例としては、炭化水素基とし
てメチル基、エチル基、イソプロピル基、ブチル基、t-
ブチル基、s-ブチル基、ヘキシル基、ネオペンチル基、
オクチル基、ベンジル基、2,6-ジメチルフェニル基、2,
6-ジイソプロピルフェニル基、3,5-ジメチルフェニル
基、3,5-ジイソプロピルフェニル基、ビス( トリメチル
シリル) メチル基、炭化水素オキシ基としてメトキシ
基、エトキシ基、イソプロポキシ基、t- ブトキシ基、
炭化水素アミノ基としてジメチルアミノ基、ジエチルア
ミノ基、ジイソプロピルアミノ基、ジブチルアミノ基、
ジオクチルアミノ基、炭化水素を含有するシリル基とし
てトリメチルシリル基が挙げられる。
【0013】本発明のLの具体例としては、4,4-ジフェ
ニル-2,2- ビピリジン、4,4-ジメチル-2,2- ビピリジ
ン、2,9-ジフェニル-2,2- ビピリジン、2,9-ジメチル-
2,2- ビピリジン、2,9-ジiso-プロピル-2,2- ビピリジ
ン、2,9-ジt-ブチル-2,2- ビピリジン、2.13- ジメチル
-2,2- ビキノリン、5-メチル-1,10-フェナンスロリン、
4,7-ジメチル-1,10-フェナンスロリン、4,7-ジフェニル
-1,10-フェナンスロリン、2,9-ジメチル-4,7- ジフェニ
ル-1,10-フェナンスロリン、2,9-ジメチル-1,10-フェナ
ンスロリン、2,9-ビス(トリメチルシリルメチル)-1,1
0-フェナンスロリン、2,9-ビス(トリフェニルシリルメ
チル)-1,10-フェナンスロリン、2,9-ジエチル-1,10-フ
ェナンスロリン、2,9-ジエチル-1,10-フェナンスロリ
ン、2,9-ジプロピル-1,10-フェナンスロリン、2,9-ジn-
ブチル-1,10-フェナンスロリン、2,9-ジiso-ブチル-1,1
0-フェナンスロリン、2,9-ジsec-ブチル-1,10-フェナン
スロリン、2,9-ジt-ブチル-1,10-フェナンスロリン、2,
9-ジヘキシル-1,10-フェナンスロリン、2,9-ビス(3,5-
ジメチルフェニル)-1,10-フェナンスロリン、2,9-ビス
(2,6-ジメチルフェニル)-1,10-フェナンスロリン、2,
9-ビス(2,6-ジiso-プロピルフェニル)-1,10-フェナン
スロリン、2,9-ジ(4-メチルフェニル)-1,10-フェナン
スロリン、2,9-ジ(3-メチルフェニル)-1,10-フェナン
スロリン、2,9-ジ(2-メチルフェニル)-1,10-フェナン
スロリン、2,9-ジ(ビフェニル)-1,10-フェナンスロリ
ン、2,9-アダマンチル- メチル-1,10-フェナンスロリ
ン、5,6-ジメチル-1,10-フェナンスロリン、3,4,7,8-テ
トラメチル-1,10-フェナンスロリンを挙げることがで
る。
【0014】式(2)において、Pzはピラゾイル基又
は置換ピラゾイル基であり、置換ピラゾイル基としては
例えば3,5-ジメチルピラゾイル基、3,5-ジフェニルピラ
ゾイル基、3,5-ジ(o- 又はp-置換フェニル) ピラゾイル
基を挙げることができる。Qは二個のピラゾイル基又は
置換ピラゾイル基を連結する連結基であり、二種のピラ
ゾイル基の窒素原子と結合を有し、具体的には硼素、ア
ルミニウム、又はガリウムからなる-B(R)-、-Al(R)- 、
-Ga(R)- 、炭素、珪素、又はゲルマニウムからなる-C(R
2)- 、-Si(R2)-、-Ge(R2)-、窒素、燐、砒素からなる-N
(R)-、-P(R)-、-As(R)- 、酸素、イオウ、セレンからな
る-O- 、-S- 、-Se-、-S(O)-、-Se(O)-、-S(O2)- 、-Se
(O2)-等である。ここでRは水素、炭素数1から12の炭
化水素基、炭素数1から12の炭化水素を含有するシリル
基である。3,5-ジ(o- 又はp-置換フェニル) ピラゾイル
基においてo-又はp-置換基は炭素数1から12の炭化水素
基、炭素数1から12の炭化水素を含有するシリル基、1
から12の炭化水素オキシ基などである。Q(Pz)2
具体例としては、ビス(3,5- ジメチルピラゾイル)ボロ
ン、ビス(3,5- ジフェニルピラゾイル) ボロンが挙げら
れる。
【0015】式(1)又は式(2)で示される周期律表
第VIII族遷移金属化合物は一般的な合成法で容易に得ら
れる。例えば、入手可能な第VIII族遷移金属のハロゲン
物、硫酸塩、炭酸塩、水酸化物、硝酸塩とL又はQ(P
z)2 との反応によって、さらには有機金属化合物によ
る炭化水素化、アルカリ金属の炭化水素オキシ塩による
炭化水素オキシ化、アルカリ金属の炭化水素アミン塩に
よる炭化水素アミノ化などによって本発明の第VIII族遷
移金属化合物が得られる。
【0016】本発明では式(1)又は式(2)で示され
る周期律表第VIII族遷移金属化合物と周期律表第 I〜II
I 族主元素金属の有機金属化合物、有機アルミニウムオ
キシ化合物、それに代わる該遷移金属化合物と反応して
カチオン性遷移金属化合物を生成できるイオン性化合物
の内、少なくとも一種類の助触媒との組合せでオレフィ
ンの重合を行うことができる。
【0017】本発明で助触媒としての周期律表第 I〜II
I 族主元素金属の有機金属化合物としては、メチルリチ
ウム、ブチルリチウム、フェニルリチウム、ジブチルマ
グネシウム、トリメチルアルミニウム、トリエチルアル
ミニウム、トリイソブチルアルミニウム、トリヘキシル
アルミニウム、トリオクチルアルミニウムを挙げること
ができる。有機金属化合物としては、有機アルミニウム
が特に好ましい。さらに、有機金属化合物としては、エ
チルマグネシウムクロライド、ブチルマグネシウムクロ
ライド、ジメチルアルミニウムクロライド、ジエチルア
ルミニウムクロライド、セスキエチルアルミニウムクロ
ライド、エチルアルミニウムジクロライドのような有機
金属ハロゲン化合物、ジエチルアルミニウムハイドライ
ド、セスキエチルアルミニウムハイドライドなどの水素
化有機金属化合物も含まれる。
【0018】本発明における有機アルミニウムオキシ化
合物とは、一般式(-Al(E)O-)n で示される直鎖状、ある
いは環状重合体である(Eは炭素数1〜10の炭化水素基
であり、一部ハロゲン原子及び/ 又は炭化水素オキシ基
で置換されたものも含む。nは重合度であり、5以上、
好ましくは10以上である)。Eとしてはメチル基、エチ
ル基、プロピル基、イソブチル基などが挙げられるが、
メチル基が特に好ましい。
【0019】本発明において、第VIII族遷移金属化合物
と反応してカチオン性遷移金属化合物を生成できるイオ
ン性化合物としては、周期律表第IV族メタロセン触媒系
でよく知られたB(C6F5)4 - 、B(C6H3-3,5- (CF3)2)4 -
ようなボレートのアニオンと、例えば(CH3)2N(C6H5)H+
のような活性プロトンを有するアンモニウムカチオン、
活性プロトンを含有しない(C6H5)3C+ のような三置換カ
ルボニウムカチオン、カルボランカチオン、メタルカル
ボランカチオン、遷移金属を有するフェロセニウムカチ
オンとのイオン化合物を用いることができる。
【0020】特表平1-501950号公報、特表平1-502036号
公報、特開平3-163088号公報、同3-139504号公報、特開
平3-179006号公報、J.Am.Chem.Soc.1995年、117 巻、64
14頁等に開示されているようなもの全てを採用できる。
また、特開平3-207703号公報、特表平5-503546号公報、
同502906号公報、同 507756 号公報、同505838号公報に
開示されているようにイオン性化合物とともにさらに有
機アルミニウムを加えた触媒系が開示されているが本発
明においても同様な助触媒の組合せを採用できる。
【0021】本発明において助触媒としては有機アルミ
ニウムオキシ化合物、前記イオン性化合物が好ましく、
また、有機アルミニウムオキシ化合物とイオン性化合物
を併用することも好ましく、さらに、重合系内の水分、
その他の不純物の捕捉剤として有機金属化合物を有機ア
ルミニウムオキシ化合物とイオン性化合物の各々に併用
することが特に好ましい。
【0022】本発明においては、遷移金属化合物及び/
又は、前記の各種の助触媒を無機化合物、又は有機高分
子化合物に担持して用いることができる。特開昭61-314
04号公報、同61-276805 号公報、同61-108610 号公報、
同61-296008 号公報、特表昭63-501368 号公報、特開平
1-207303号公報、特表平1-503715号公報、同2-503687号
公報、特開平2-170805号公報、特表平3-502210号公報、
及び特開平3-234710号公報には、多孔性無機化合物に遷
移金属化合物、又は遷移金属化合物及び有機アルミニウ
ムオキシ化合物及び/又は有機アルミニウム化合物を担
持させる方法も記載されている。
【0023】担体としての無機化合物としては、無機酸
化物、無機塩化物、無機水酸化物が好ましく、少量の炭
酸塩、硫酸塩を含有したものも採用できる。特に好まし
いものは無機酸化物であり、シリカ、アルミナ、マグネ
シア、チタニア、ジルコニア、カルシアなどを挙げこと
ができる。これらの無機酸化物は、平均粒子径が 5〜15
0 μ、比表面積が2 〜800m2/g の多孔性微粒子が好まし
く、例えば100 〜800℃で熱処理して用いることができ
る。
【0024】有機高分子化合物としては、側鎖に芳香族
環、置換芳香族環、あるいはヒドロキシ基、カルボキシ
ル基、エステル基、ハロゲン原子などの官能基を有する
ものが好ましい。具体例としては、エチレン、プロピレ
ン、ポリブテンなどの化学変成によって前記官能基を有
するαオレフィンホモポリマー、αオレフィンコポリマ
ー、アクリル酸、メタクリル酸、塩化ビニル、ビニルア
ルコール、スチレン、ジビニルベンゼンなどのホモポリ
マー、共重合体、さらにそれらの化学変成物を挙げるこ
とができる。これらの有機高分子化合物は、平均粒子径
が 5〜250 μの球状微粒子が用いられる。遷移金属化合
物及び/又はイオン性化合物を担持することによって、
触媒の重合反応器への付着による汚染を防止することが
できる。
【0025】本発明においては、特に限定されないが、
前記の触媒系で、以下のような方法でオレフィンを重合
することができる。ただし、本発明においてオレフィン
重合とは、異種オレフィンの共重合も含む。 遷移金属化合物の炭化水素あるいはハロゲン化炭化水
素の溶液〔N〕あるいはスラー〔M〕と助触媒の炭化水
素あるいはハロゲン化炭化水素の溶液あるいはスラー
〔I〕を予め接触させた後、オレフィンの重合を行う。 〔M〕とオレフィンを予め接触した後、〔I〕を接触
させて重合を行う。 〔I〕とオレフィンを予め接触した後、〔M〕を接触
させて重合を行う。 遷移金属化合物の炭化水素あるいはハロゲン化炭化水
素の溶液〔N〕と助触媒の炭化水素あるいはハロゲン化
炭化水素の溶液〔P〕を混合した後、担体と接触、担体
を分離し、オレフィンを接触させて重合を行う。 〔N〕と担体とを接触した後、〔P〕を接触し、担体
を分離してオレフィンの重合を行う。 〔P〕と担体とを接触した後、〔N〕を接触し、担体
を分離してオレフィンの重合を行う。
【0026】各成分を溶解、スラリー化するための炭化
水素溶媒としては、例えば、ヘキサン、ヘプタン、オク
タン、シクロヘキサン、ミネラルオイル、ベンゼン、ト
ルエン、キシレン等の不活性炭化水素、ハロゲン化炭化
水素溶媒としては、クロロホルム、メチレンクロライ
ド、ジクロロエタン、クロロベンゼンなどを挙げること
ができる。
【0027】上記において、各成分の接触は、通常0 〜
100 ℃、10〜180 分行う。各成分の使用量は、有機アル
ミニウムオキシ化合物/遷移金属化合物のモル比は通常
10〜10000 、好ましくは100 〜3000、イオン性化合物/
遷移金属化合物のモル比は、通常0.01〜100 、好ましく
は0.1 〜10である。さらに有機金属化合物を共用する場
合には、有機金属化合物/遷移金属化合物のモル比は通
常0.1 〜10000 、好ましくは 1〜1000である。
【0028】本発明でのオレフィン重合は、通常担持触
媒を使用する流動、あるいは攪拌気相法、不活性炭化水
素溶媒中でのスラリー法、高温下、不活性炭化水素溶媒
中での溶液法、高温・高圧重合法いずれの重合方法にも
採用できる。重合条件は、例えば、気相法あるいはスラ
リー法においては、温度5 〜110 ℃、時間10〜360 分、
圧力が常圧〜100kg/cm2 、溶液法では、温度100 〜250
℃、時間 1〜60分、圧力が10〜300kg/cm2 下で、高温高
圧重合法では、温度120 〜300 ℃、 5〜600 秒、圧力が
400kg/cm2 以上で行われる。
【0029】また、重合活性の向上、生成ポリマーの固
体触媒の形状保持、本重合反応容器への触媒導入の容易
さ、重合反応容器への触媒付着防止、気相反応容器中で
の流動性向上などを目的として、オレフィンを前記の各
種重合方法に従って、予め予備重合したものを本重合で
触媒として使用することができる。予備重合は、例え
ば、不活性炭化水素溶媒中でのスラリー法において、通
常 5〜80℃、 5〜60分、遷移金属 1ミリグラム原子当た
りオレフィン重合体が 1〜100g得られる条件で行うこと
ができる。
【0030】本発明でのオレフィンの具体例としては、
エチレン、プロピレン、ブテン-1、4-メチルペンテン-
1、ヘキセン-1、オクテン-1などの非環状モノオレフィ
ン、シクロペンテン、シクロヘキセン、ノルボルネンな
どの環状モノオレフィンを挙げることができる。また、
上記オレフィンの重合、共重合において、さらに少量の
ジシクロペンタジエン、5-エチリデン-2- ノルボルネ
ン、あるいは1,5-ヘキサジエンなどの非共役ジオレフィ
ンを共重合させることができる。
【0031】
【実施例】実施例において「重合活性」とは、重合反応
に使用した遷移金属化合物触媒の遷移金属 1ミリモル当
たりの重合体収量(kg)である。分子量は、ポリスチレン
を標準物質として用いたGPC から求めた重量平均分子量
Mwによって評価した。
【0032】実施例1 〔エチレンの重合〕トルエン200ml にメチルアルモキサ
ン( 東ソー・アクゾー社製)10mmol をトルエン溶液とし
て添加し、溶液を20℃に保つ。エチレンを1000ml/min.
の速度で流通しながら遷移金属化合物として(2,9- ジメ
チル-1,10-フェナンスロリン)NiBr2;10 μmol をトルエ
ン溶液として添加して、1 時間重合を行った。HCl 含有
エタノール溶液で重合を停止し、ろ過、乾燥して白色の
エチレン重合体を6.85(kg/mmol.M.h.atm) の収率で得
た。GPC で求めた重量平均分子量Mwは53000 、Mw/Mn は
2.8 であった。
【0033】実施例2 〔エチレンの重合〕トルエン200ml にトリイソブチルア
ルミニウム10mmol、ジメチルアニリニウムテトラキス
(ペンタフルオロフェニル)ボレート[(CH3)2N(C6H5)H
+ B(C6F5)4 -]30 μmol をトルエン溶液として添加し、
溶液を20℃に保つ。エチレンを1000ml/min. の速度で流
通しながら上記遷移金属化合物10μmol をトルエン溶液
として添加して、1 時間重合を行った。HCl 含有エタノ
ール溶液で重合を停止し、ろ過、乾燥して白色のエチレ
ン重合体を4.56(kg/mmol.M.h.atm) の収率で得た。重量
平均分子量Mwは68000 であった。
【0034】実施例3 遷移金属化合物として(2,9- ジメチル-1,10-フェナンス
ロリン)NiBr2の代わりに(2,9- ジフェニル-2,2- ビピリ
ジン)NiBr2を用いた以外は実施例1と同様にエチレンの
重合を行った。エチレン重合体を2.26(kg/mmol.M.h.at
m) の収率で得た。重量平均分子量Mwは49000 であり、M
w/Mn は3.2 であった。
【0035】実施例4 遷移金属化合物として(2,9- ジメチル-1,10-フェナンス
ロリン)NiBr2の代わりに(2,9- ジメチル-1,10-フェナン
スロリン)Ni(CH3)2 を用いた以外は実施例2と同様にエ
チレンの重合を行った。エチレン重合体を6.33(kg/mmo
l.M.h.atm) の収率で得た。重量平均分子量Mwは54000
であり、Mw/Mn は3.5 であった。
【0036】実施例5 遷移金属化合物として(2,9- ジメチル-1,10-フェナンス
ロリン)NiBr2の代わりに(2,9- ジフェニル-2,2- ビピリ
ジン)NiBr2を用いた以外は実施例2と同様にエチレンの
重合を行った。エチレン重合体を4.58(kg/mmol.M.h.at
m) の収率で得た。重量平均分子量Mwは78000 であり、M
w/Mn は3.5 であった。
【0037】実施例5 〔エチレンとプロピレンの共重合〕トルエン200ml にメ
チルアルモキサン( 東ソー・アクゾー社製)10mmol をト
ルエン溶液として添加し、溶液を20℃に保つ。エチレン
とプロピレンを1/1 容積比、1000ml/min. の速度で流通
しながら(2,9- ジメチル-1,10-フェナンスロリン)NiB
r2;10 μmol をトルエン溶液として添加して、1 時間重
合を行った。HCl 含有エタノール溶液で重合を停止し、
ろ過、乾燥してゴム状のエチレン・プロピレン共重合体
を4.01(kg/mmol.M.h.atm) の収率で得た。1H-NMRで分析
の結果、エチレン含有量82モル% 、重量平均分子量Mwは
46000 であり、Mw/Mn は3.3 であった。
【0038】実施例6 〔エチレンとプロピレンの共重合〕トルエン200ml にト
リイソブチルアルミニウム10mmol、ジメチルアニリニウ
ムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート[(CH
3)2N(C6H5)H + B(C6F5)4 -]30 μmol をトルエン溶液と
して添加し、溶液を40℃に保つ。エチレンとプロピレン
を1/1 容積比、1000ml/min. の速度で流通しながら(2,9
- ジメチル-1,10-フェナンスロリン)NiBr2;10 μmol を
トルエン溶液として添加して、1 時間重合を行った。HC
l 含有エタノール溶液で重合を停止し、ろ過、乾燥して
ゴム状のエチレン・プロピレン共重合体を4.12(kg/mmo
l.M.h.atm) の収率で得た。エチレン含有量77モル% 、
重量平均分子量Mwは55000 であり、Mw/Mn は3.1 であっ
た。
【0039】
【発明の効果】本発明の新規な第VIII族遷移金属化合物
を用いてオレフィンを重合して得られた(共)重合体
は、活性及び分子量が高く、分子量分布が狭く、αオレ
フィンとの共重合性が良く、従って本触媒系からは優れ
た物性を有する重合体を製造することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 甲斐 義幸 千葉県市原市五井南海岸8番の1 宇部興 産株式会社高分子研究所内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 式(1)又は式(2)で示される周期律
    表第VIII族遷移金属化合物と、周期律表第 I〜III 族主
    元素金属の有機金属化合物、有機アルミニウムオキシ化
    合物、及び該遷移金属化合物と反応してカチオン性遷移
    金属化合物を生成できるイオン性化合物から選択される
    助触媒との組み合わせからなるオレフィン重合用触媒。 LMX2 (1) Q(Pz)2 MX2 (2) (式中、Mは第VIII族遷移金属、Xは水素、ハロゲン、
    炭素数1から20の炭化水素基、炭素数1から20の炭化水
    素オキシ基、炭素数1から20の炭化水素アミノ基、又は
    炭素数1から20の炭化水素を含有するシリル基であり、
    Lは2,2-ビピリジン、2,2-ビキノリン、1,10- フェナン
    スロリン、又は2,2-ビピリミジンにおいて少なくとも一
    個の水素原子が炭化水素基、シリル基、炭化水素オキシ
    基、炭化水素アミノ基で置換された配位子であり、Pz
    はピラゾイル基、置換ピラゾイル基、Qは二個のピラゾ
    イル基又は置換ピラゾイル基を連結する連結基であ
    る。)
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2008093879A1 (ja) * 2007-02-01 2008-08-07 Sumitomo Chemical Company, Limited 共役芳香族化合物の製造方法
CN117229434A (zh) * 2023-11-14 2023-12-15 传化智联股份有限公司 一种阳离子型稀土催化剂及其制备方法和应用

Cited By (3)

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WO2008093879A1 (ja) * 2007-02-01 2008-08-07 Sumitomo Chemical Company, Limited 共役芳香族化合物の製造方法
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