JPH09193164A - 樹脂成形用金型 - Google Patents

樹脂成形用金型

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JPH09193164A
JPH09193164A JP979396A JP979396A JPH09193164A JP H09193164 A JPH09193164 A JP H09193164A JP 979396 A JP979396 A JP 979396A JP 979396 A JP979396 A JP 979396A JP H09193164 A JPH09193164 A JP H09193164A
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resin molding
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弘之 新納
Akira Yabe
明 矢部
Hiroaki Okano
宏昭 岡野
Kazuyuki Inui
一幸 乾
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 耐久性の高いフッ素樹脂層を設けてある金型
を提供する事。 【解決手段】 成型用型枠1,2の樹脂注入空間3に臨
む成型面にフッ素樹脂層Aを設けてある樹脂成形用金型
において、前記成形面に沿うフッ素樹脂成型体6におけ
る前記成形面側の対向面を、紫外線吸収剤の存在下で紫
外光照射によって改質した改質面とし、その改質面を前
記成型面に対して、接着材を介して接着してフッ素樹脂
層Aを形成してある。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、樹脂成型用金型に
関し、例えば、樹脂製品を射出成形するような場合に用
いられる樹脂成型用金型に関する。
【0002】
【従来の技術】例えば、樹脂製品を射出成形するような
場合に用いられる金型は、樹脂注入空間内に注入した樹
脂(以下注入樹脂と略称する)を硬化させたのち取出す
際に離型性が良好であることや、高い断熱性を有するこ
とが望まれる。そこで、従来、この種の金型としては、
樹脂注入空間に臨む表面にフッ素樹脂をコーティングし
てフッ素樹脂層を形成しておき、樹脂成型の際に注入樹
脂と成型面との間にフッ素樹脂層を介在させることによ
り、硬化した注入樹脂と前記成型面との離型性や断熱性
を高めることが考えられている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上述した従
来の金型によれば、前記フッ素樹脂層は20〜40μm
の薄層にしか形成できない場合が多く、前記金型の繰り
返し使用に伴って金型から剥離して損失し易く、耐久性
に乏しく、また、コーティングの際に、前記成型面の表
面状態や、前記フッ素樹脂の流動性の状態等によって
は、前記フッ素樹脂が均一にコーティングされずに、十
分な離型性を発揮しない事があるうえに断熱性を発揮出
来ず、前記成形面の表面状態や、前記フッ素樹脂の流動
性等に対して十分な管理を行うことが困難な現状にあっ
ては、先の耐久性の問題もあいまって、フッ素樹脂のコ
ーティングによって、十分な離型性を発揮させることは
多くの手間を要するものとなっていた。また、金型の断
熱性が低かったり、一様でない場合には、成型される樹
脂製品にウェルドラインや、フローマーク、ボイド等の
不都合が発生しやすいということが知られている。そこ
で、本発明の目的は、上記欠点に鑑み、耐久性の高いフ
ッ素樹脂層を設けてある金型を提供する事にある。
【0004】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
の本発明の特徴構成は、成型用型枠の樹脂注入空間に臨
む成型面にフッ素樹脂層を設けてある樹脂成形用金型に
おいて、前記フッ素樹脂層を、前記成形面に沿うフッ素
樹脂成型体における前記成形面側の対向面を、紫外線吸
収剤の存在下で紫外光照射によって改質した改質面と
し、その改質面を前記成型面に対して、接着材を介して
接着して形成してあることにあり、その作用・効果は以
下の通りである。
【0005】〔作用効果〕つまり、成型用型枠の樹脂注
入空間に臨む成型面にフッ素樹脂層を設けてある樹脂成
形用金型であるから、従来のフッ素樹脂コーティングを
施してある金型同様に、樹脂成型の際に注入樹脂と成型
面との間にフッ素樹脂層を介在させることができるよう
になるので、硬化した注入樹脂と前記成型面との離型性
を高めることができるとともに、高い断熱性が得られ
る。ここで、前記フッ素樹脂層を、前記成形面に沿うフ
ッ素樹脂成型体を前記成形面に接着材によって接着して
形成するから、表面状態の均一なフッ素樹脂層を形成し
易く、全体的にほぼ一様な高い断熱性を得る事が出来
る。このとき、単純にフッ素樹脂成型体を前記成形面に
接着すると、前記成形面と前記フッ素樹脂成型体との接
着性が低くなり、容易に剥離して強い耐久性が得られな
いという虞れがある。それに対して、前記フッ素樹脂成
型体は、予め、紫外線吸収剤の存在下で紫外光照射する
ことによって、前記成形面側の対向面を、フッ素樹脂の
表面の撥水基を親水基に置換して、ぬれ性の高い表面状
態になっている改質面としてあるから、一般的な接着材
とのなじみがよくなっている。そのため、接着材の強固
な接着性を得られるので、前記成型用型枠に対して強固
に、前記フッ素樹脂成型体を接着することが出来、剥離
しにくく耐久性の高いフッ素樹脂層を形成することが出
来る。そのため、例えば、樹脂を射出成形するような場
合に、硬化した注入樹脂の離型性を、繰り返し利用によ
っても長期的に向上させることができた。その結果、金
型の寿命が延び、メンテナンスの手間の軽減、離型性の
向上による製品の歩留り向上などを達成することが可能
となり、樹脂成型品の製造コストの低下に寄与すること
が出来た。
【0006】
【発明の実施の形態】以下に本発明の実施の形態を図面
に基づいて説明する。図1に示すように、本発明の樹脂
成型用金型は、固定側型枠1、移動側型枠2からなり、
前記固定側型枠1と移動側型枠2とを突き合わせると、
前記両型枠1,2の間に樹脂注入空間3を形成する構成
にしてある。また、前記固定側型枠1には射出成形用の
樹脂を注入するゲート4を設けてあり、前記移動側型枠
2には、その金型の樹脂注入空間3内で硬化し、移動側
型枠2に付着して取出される樹脂製品を離型するための
押し出しピン5を設けてある。さらに、前記固定側型枠
1、移動側型枠2、及び、押し出しピン5の前記樹脂注
入空間3に臨む内壁面(成形面)にはフッ素樹脂からな
るフッ素樹脂層Aを設けてある。
【0007】以下に、前記固定側型枠1を例にして、前
記フッ素樹脂層Aの形成方法を示す。図2に示すよう
に、まず、前記成形面1aに沿うシート状のフッ素樹脂
成型体6を設けておく、このフッ素樹脂成型体6におけ
る前記成形面1a側の対向面を、紫外線吸収剤の存在下
で紫外光照射によって改質し、改質面6aとしておく。
その改質面6aを前記成型面6に対して、接着材7を介
して接着して前記フッ素樹脂成型体6における前記成形
面1a側とは反対側の面を前記樹脂注入空間3に臨ませ
て、前記フッ素樹脂成型体6を全体としてフッ素樹脂層
Aに形成してある。
【0008】尚、前記移動側型枠2についても同様にし
てシート状のフッ素樹脂成型体6によりフッ素樹脂層A
を設け、前記押し出しピン5の前記樹脂注入空間3に臨
む端面5a、及び、その近傍に対しても、柱状のフッ素
樹脂成型体6を同様にして改質し、先と同様に接着して
フッ素樹脂層Aを形成しておく。
【0009】先に述べたフッ素樹脂成型体6としては、
ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、テトラフル
オロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共
重合体(PFA)、テトラフルオロエチレン−ヘキサフ
ルオロプロピレン−パーフルオロアルキルビニルエーテ
ル共重合体(EPE)、テトラフルオロエチレン−エチ
レン共重合体(ETFE)、ポリクロロトリフルオロエ
チレン(PCTFE)、クロロトリフルオロエチレン−
エチレン共重合体(ECTFE)、ポリビニリデンフル
オライド(PVDF)、ポリビニルフルオライド(PV
F)、フッ化炭素類と有機シリコーンの重合体、または
これらの混合物からなるフィルムもしくはシート状体、
あるいは、塊状体、さらには、ガラス繊維等の充填材を
混合して成形してある成形体を用いることが出来る。
【0010】また、前記紫外線吸収剤としては、水、ホ
ウ素化合物、アルミニウム化合物、アンモニウム化合
物、ヒドラジン類等を用いることが出来、これら化合物
は、紫外光照射時に前記フッ素樹脂成型体に接触させて
おけば、照射された紫外光を効率よく吸収し、フッ素樹
脂成型体にエネルギー供給させる事が出来る。中でも、
紫外線吸収剤にヒドラジン類をもちいれば、高い量子収
率でアミノラジカルや、水素ラジカル等の活性種を生成
でき、フッ素樹脂の表面にアミノ基を導入する等の改質
を効果的に行えるので有利である。尚、これら紫外線吸
収剤のうち、ホウ素化合物やアルミニウム化合物等につ
いては、予め前記フッ素樹脂成型体の成分として添加し
てあっても同様の効果を示す。予め前記フッ素樹脂成型
体の成分として添加することのできる紫外線吸収剤とし
ては、他に酸化亜鉛、ケイ素化合物等が挙げられる。
【0011】また、前記紫外光照射の方法としては、4
00nm以下の波長の光(紫外光)を発光する種々の手
段を利用でき、中でも、アルゴンフッ素エキシマーレー
ザー、クリプトンフッ素エキシマーレーザー、キセノン
塩素エキシマーレーザー、キセノンフッ素エキシマーレ
ーザー、を用いれば好ましく、このようなエキシマーレ
ーザーを用いれば直接的に高強度の紫外光を発光でき
る。尚、他にも、Nd/YAGレーザー、色素レーザ
ー、アルゴンイオンレーザー、クリプトンイオンレーザ
ー等を、非線形光学材料等により紫外レーザーに変換し
ても紫外光照射を行うことが出来る。
【0012】また、接着材7としては、耐熱性に優れた
ものを利用することが好ましく、エポキシ系、フェノー
ル系、シリコーン系、ポリイミド系の接着材が利用で
き、例えばこれらの樹脂をシート状に成型しておき、例
えば、一液性のエポキシ樹脂系接着材であれば、前記フ
ッ素樹脂成型体と成形面とのあいだに介在させておき、
前記フッ素樹脂成型体とともに一体加熱することにより
強固に接着することができる。
【0013】尚、固定側型枠1、移動側型枠2を総称し
て成形用型枠と称し、これら成形用型枠によって樹脂注
入空間3を形成可能に構成したものを金型と称するもの
とする。
【0014】
【実施例】以下に本発明の実施例を説明する。先の実施
の形態に記載の金型Xと、先の実施の形態における改質
処理を施すことなくフッ素樹脂成型体を接着することに
よりフッ素樹脂層を形成した金型Yと、フッ素樹脂をコ
ーティングすることによってフッ素樹脂層を形成した金
型Zとを用いて樹脂製品の射出成形をおこなった。その
結果、金型Yのフッ素樹脂層は使用に伴い比較的容易に
剥離してしまい、長期使用に耐えないことが分かり、金
型Zについては、使用につれて、ウェルドラインやフロ
ーマークの発生が目立つようになり、長期使用には耐え
ないことが分かったものの、金型Xについてはウェルド
ラインやフローマークは長期にわたって見られず、高い
耐久性を有することが証明できた。
【0015】尚、特許請求の範囲の項に、図面との対照
を便利にするために符号を記すが、該記入により本発明
は添付図面の構成に限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【図1】金型の縦断側面図
【図2】樹脂層の製造を示す図
【符号の説明】
1,2 成形用型枠 1a 成形面 3 樹脂注入空間 6 フッ素樹脂成型体 6a 改質面 7 接着材 A フッ素樹脂層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 矢部 明 茨城県つくば市東1丁目1番 工業技術院 物質工学工業技術研究所内 (72)発明者 岡野 宏昭 大阪府枚方市中宮大池1丁目1番1号 株 式会社クボタ枚方製造所内 (72)発明者 乾 一幸 大阪府枚方市中宮大池1丁目1番1号 株 式会社クボタ枚方製造所内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 成型用型枠(1),(2)の樹脂注入空間
    (3)に臨む成型面(1a)にフッ素樹脂層(A)を設
    けてある樹脂成形用金型であって、前記成形面(1a)
    に沿うフッ素樹脂成型体(6)における前記成形面(1
    a)側の対向面を、紫外線吸収剤の存在下で紫外光照射
    によって改質した改質面(6a)とし、その改質面(6
    a)を前記成型面(1a)に対して、接着材(7)を介
    して接着して前記フッ素樹脂層(A)を形成してある樹
    脂成形用金型。
  2. 【請求項2】 前記フッ素樹脂成形体がポリテトラフル
    オロエチレン(PTFE)、テトラフルオロエチレン−
    パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PF
    A)、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピ
    レン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体
    (EPE)、テトラフルオロエチレン−エチレン共重合
    体(ETFE)、ポリクロロトリフルオロエチレン(P
    CTFE)、クロロトリフルオロエチレン−エチレン共
    重合体(ECTFE)、ポリビニリデンフルオライド
    (PVDF)、ポリビニルフルオライド(PVF)、フ
    ッ化炭素類と有機シリコーンの重合体、の少なくとも一
    種以上からなる請求項1記載の樹脂成型用金型。
  3. 【請求項3】 前記紫外線吸収剤が水、ホウ素化合物、
    アルミニウム化合物、アンモニウム化合物、ヒドラジン
    類、酸化亜鉛、ケイ素化合物の少なくとも一種以上であ
    る請求項1〜2のいずれかに記載の樹脂成型用金型。
  4. 【請求項4】 前記紫外光がアルゴンフッ素エキシマー
    レーザー、クリプトンフッ素エキシマーレーザー、キセ
    ノン塩素エキシマーレーザー、キセノンフッ素エキシマ
    ーレーザーの少なくとも一種以上である請求項1〜3の
    いずれかに記載の樹脂成型用金型。
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