JPH0919285A - 植物組織培養培地 - Google Patents

植物組織培養培地

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JPH0919285A
JPH0919285A JP7192615A JP19261595A JPH0919285A JP H0919285 A JPH0919285 A JP H0919285A JP 7192615 A JP7192615 A JP 7192615A JP 19261595 A JP19261595 A JP 19261595A JP H0919285 A JPH0919285 A JP H0919285A
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JP
Japan
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cellulose
culture medium
cyanoethylated
porous body
viscose
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JP7192615A
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English (en)
Inventor
Takaya Satou
貴哉 佐藤
Norimitsu Takahashi
宣光 高橋
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Nisshinbo Holdings Inc
Mitsubishi Chemical Corp
Original Assignee
Mitsubishi Chemical Corp
Nisshinbo Industries Inc
Nisshin Spinning Co Ltd
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Publication date
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  • Breeding Of Plants And Reproduction By Means Of Culturing (AREA)
  • Micro-Organisms Or Cultivation Processes Thereof (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 組織培養植物の増殖から順化、成苗に至るま
で連続して使用できる培地資材を提供すること。 【解決手段】 セルロース、シアノエチル化セルロース
及びその加水分解物から選ばれるセルロース類の多孔体
からなる植物組織培養培地。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、植物組織培養の増
殖から順化、成苗まで連続して使用できる、新規な増殖
順化用植物組織培養培地に関するものである。
【0002】
【従来の技術】高等植物の細胞培養や成長点培養におい
ては、初代培養、継代培養を行い、早生分枝法、プロト
コーム様体法、苗条原基法等により小植物や多芽体を形
成させ、次に苗化培養を行う。この苗化培養段階では、
早生分枝、プロトコーム様体、苗条原基等は茎葉体を生
長させ、ついで不定根が分化してくる。この苗化培養に
おいては、培地が植物の生長、発根にとって重要な要素
である。
【0003】このような植物培養においては、培地材と
して寒天が最も一般的に使われている。しかし、寒天を
用いた場合は培地内に空気が入らないので、発根が悪い
欠点がある。また、特殊な発根用寒天培地で発根をよく
しても、出てきた根が有効に働かず直接栽培用土に移植
すると地上部が枯れてしまう問題点がある。それゆえ、
パーライトやバーミキュライト等の培地で順化させた
後、露地あるいは温室内の土壌に移植する方法が採られ
ているが、順化過程には通常1〜3ヶ月の長期間を要
し、また、順化期間中に活着が悪く培養苗が枯死したり
苗質が水浸状のまま正常な形にならず、手間や歩留りの
点で問題点が多い。さらに、寒天のかわりにロックウー
ルを培地として使用することもあるが、栽培用土に移植
する際に、ロックウール自体が分解せず残ってしまう問
題があり、また、根から分離しようとすると、根を傷め
活着率低下の原因となり問題が残る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記のように、従来技
術では植物組織培養により成苗を得ようとする場合、培
養体からの発根が悪く、初期生育も悪く、活着率の低さ
により歩留りの点で問題があった。本発明は、このよう
な問題点に鑑みてなされたものである。すなわち、本発
明の目的は、組織培養植物の増殖から順化、成苗に至る
まで連続して使用できる培地資材を提供することにあ
る。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の特徴は、セルロ
ース類の多孔体を植物組織培養培地に用いることにあ
る。さらには、シアノエチル基としての窒素分を0.1
重量%以上2重量%未満含有するシアノエチル化セルロ
ースの多孔体を植物組織培養培地として用いることにあ
る。また、さらには、シアノエチル基を酸あるいはアル
カリで処理し、シアノエチル基の少なくとも一部を、カ
ルバモイルエチル基、カルボキシエチル基、カルボキシ
エチル塩の基に加水分解したセルロース誘導体からなる
多孔体を植物組織培養培地として用いることにある。
【0006】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を詳し
く説明する。本発明に用いるセルロース類の多孔体と
は、一般にセルローススポンジとして知られるものを含
み、セルロース、シアノエチル化セルロース及びその加
水分解物から選ばれるセルロース類を素材とし、これが
スポンジ状に加工されたものである。用いるセルロース
類の多孔体の見掛け密度は、0.02〜0.3(g乾燥
重量/ml湿潤時体積)が好ましい。見掛け密度が、大
きすぎると、空隙率が低く硬い多孔体となって、植物体
の生育の妨げとなる。また、小さすぎると、空隙率が高
く多孔体壁が薄くかつ少なくなって、多孔体の強度が低
下する欠点がある。また、平均孔径の好ましい範囲は、
20μm〜5mm程度である。平均孔径が、大きすぎる
と、表面積が低下し、孔内に水を蓄える能力が低下し
て、植物細胞への栄養の供給に支障が生じる。また、小
さすぎると、緻密で硬い多孔体となり、植物細胞の生育
には適さない。
【0007】本発明において、セルロース類の多孔体の
見掛け密度の測定法は、特願平6−54787号明細書
に開示されている。すなわち、湿潤状態の多孔体及び必
要な器具として、容量100ml、栓付のメスフラスコ
と1mg単位まで測れる秤を準備し、次の操作を行う。
湿潤状態の多孔体は、乾燥状態の多孔体を、水面に浮遊
又は水面下に沈めた状態で、アスピレーターにより脱気
し、完全に水で膨潤させて準備する。 1 メスフラスコと栓を乾燥して、その質量(A)を測
る。 2 メスフラスコに、水を満たして栓をする。この際、
気泡がメスフラスコ内に残らないようにする。外部を拭
き、乾かした後、質量(B)を測る。 3 水を捨て、メスフラスコを乾燥させる。前記湿潤状
態の多孔体(サンプリングは、できるだけランダムに)
を、軽く水を切った後、圧力を加えないで、メスフラス
コの標線付近まで入れて、栓をして、質量(C)を測
る。 4 次に、メスフラスコ内に水を加え、気泡を除いた
後、さらに水で満たし栓をする。外部を拭き、乾かした
後、質量(D)を測る。 5 さらに、メスフラスコから取出した全量の多孔体
を、105℃で12時間乾燥した後、質量(E)を測
る。 見掛け密度(g乾燥重量/ml湿潤時体積)は、次の計
算式に従って算出される。 見掛け密度=E/[(B−A)−(D−C)] なお、この値を小数点以下3桁まで算出し、しかも3回
のサンプリングを行い、得られた3つの値の平均値で表
示する。
【0008】また、本発明において、多孔体の平均孔径
の測定は、走査型電子顕微鏡観察によって行う。すなわ
ち、多孔体を鋭利な刃物で切断し、その切断面を走査型
電子顕微鏡を用いて写真撮影する。撮影に際しては、ス
ケールも同時に写真に写し込んでおく。一枚の写真に撮
影された、孔20個を無作為に抽出し、スケールを用い
て、その直径を測定する。一種の多孔体について、断面
写真10枚を撮影し、全部で200個の孔の直径の測定
値の平均をもって、平均孔径とする。
【0009】本発明に用いるセルロース類の多孔体の製
造法は特に限定されないが、好ましくは、ビスコースに
多孔化剤と補強繊維を加え、固化、再生した後、多孔化
剤を水洗、除去してスポンジ状とする方法である。セル
ロース類の多孔体の製造法の代表的な態様に、金型加熱
法がある。すなわち、ビスコースに対し、補強繊維と、
多孔化剤として結晶芒硝を添加混合し、得られた混合物
を、所要形状の金型に流し込み、これを加熱凝固、加熱
再生させた後、酸性水溶液と接触させて、セルロースを
完全再生し、次いで水洗、乾燥することによって製造さ
れる。ビスコース混合物を凝固、再生させるための加熱
温度は、90〜100℃が一般的に採用され、その処理
時間は2時間程度である。
【0010】ビスコースに添加する補強繊維としては、
麻、パルプ解砕物、綿、レーヨンなどのセルロース繊維
が使用される場合が多い。しかし、強度向上や疎水性向
上を目的として、化学繊維を添加してもよい。補強繊維
の太さ、長さに、特に制限はないが、繊維長が余りに長
いものは、混合時に絡みついて、均一混合し難い。ビス
コースに添加する補強繊維の量は、ビスコース中のセル
ロースに対し、1〜50重量%である。
【0011】また、ビスコースに添加する結晶芒硝の平
均粒径は、一般的には1〜5mmであり、その添加量
は、目的とする多孔体の密度に応じて、適宜決められ、
一般には、ビスコース中のセルロースに対し、15〜7
0倍量となる量である。その添加量割合が多ければ、多
孔体の密度は低下し、柔軟性は向上するが強度は低下す
る。一方、その添加割合が少なければ、多孔体の密度は
高くなり、強度は大きくなるが、柔軟性は低下する。ビ
スコースに添加した結晶芒硝は、後続の水洗工程で多孔
体から溶出除去される。一方、セルロース類の多孔体の
平均孔径は、添加する結晶芒硝の粒径を変化させること
によって、調節することが可能である。すなわち、大粒
の芒硝を用いれば、平均孔径は大きくなり、微細粒の芒
硝を用いれば、平均孔径は小さくなる。
【0012】セルロース類の多孔体の製造法の他の代表
的な態様に、押出法がある。すなわち、この方法は、前
記のごとく、ビスコースに対し、補強繊維と、多孔化剤
として結晶芒硝を添加混合して得られる、ビスコース混
合物を、ノズルから塩溶液中に押し出し成形し、再生
し、その後水洗して、多孔体を連続的に得る方法であ
る。連続製造できる点で、金型加熱法より生産性が高
い。
【0013】また、セルロースにシアノエチル基等を導
入した、すなわちセルロースの水酸基の水素をシアノエ
チル基等で置換した、セルロース誘導体の多孔体も、本
発明に使用することができる。この種のセルロース誘導
体の多孔体は、特願平6−54787号明細書に開示さ
れたもので、本発明に好適である。このセルロース誘導
体の多孔体は、ビスコースに補強繊維と結晶芒硝の他
に、アクリロニトリルを添加した混合物を用いて製造さ
れる。アクリロニトリルを添加すること以外は、上記の
2つの方法と同様に製造される。
【0014】シアノエチル化セルロースの多孔体におい
て、シアノエチル基の導入量は、窒素分として0.1重
量%以上、2重量%未満が、本発明に好適である。シア
ノエチル基の導入量が、多すぎるとセルロース類が一部
水中に溶出し、水中での強度低下の原因となり、また少
なすぎると後述のシアノエチル化の効果が期待できなく
なり、好ましくない。また、このシアノエチル化セルロ
ースの多孔体を、酸又はアルカリで処理して、シアノエ
チル基(−CH2 CH2 CN)を加水分解し、その少な
くとも一部をカルバモイルエチル基(−CH2 CH2
ONH2 )、カルボキシエチル基(−CH2 CH2 CO
OH)、及び/又はカルボキシエチル塩の基(−CH2
CH2COOM、但しMはアルカリ由来の基)とした、
シアノエチル化セルロースの加水分解物の多孔体も、本
発明に使用できる。
【0015】本発明に用いるセルロース類の多孔体とし
て好ましいのは、上記のシアノエチル化セルロースの多
孔体又はその加水分解物の多孔体のような、セルロース
誘導体の多孔体であり、乾燥時の柔軟性、湿潤回復性及
びカビや細菌に対する耐性が向上される。すなわち、こ
のようなセルロース誘導体の多孔体は、誘導体の基を導
入していないセルロースの多孔体に比べると、吸水性が
よく、生育がむらなく均一になり、培地として好まし
い。また、カビの攻撃も受け難く、培養中に雑菌が入っ
た場合でも、菌による生育抑制が緩和され、さらに順化
の際に外に出したとき、カビによる根の生育抑制が緩和
されるので好ましい。
【0016】本発明の培地として使用されるセルロース
類の多孔体の形状は、特に限定されるものではなく、ブ
ロック状でもよいし、粒状のものでもよい。茎を挿し増
殖させる場合には、ブロック状のものに穴をあけたもの
の方が、挿す場所が決まっていて、使い易い。カルスや
不定芽の場合は、粒状の方が、培養体全体を埋め込むこ
とができ有利である。粒径としては、特に制限されるも
のではないが、通常0.5〜5mm程度が適当である。
培地の使用量に関しては、適用する植物の種類に応じて
異なり、一義的に決定することは、困難であるが、培養
容器中の収容された培地の高さとして1〜4cm程度に
するのが標準である。
【0017】本発明においては、これらの培地に、無菌
的に培養液を添加し、培養体を植え込み培養する。ここ
で培養体とは、高等植物の細胞培養や成長点培養におい
ては、初代培養、継代培養を行い、早生分枝法プロトコ
ーム様体法、苗条原基法等により形成せられた、小植物
や多芽体を指している。培養する容器としては、一般に
用いられるガラスやポリカーボネート製の容器で、特に
制限されるものではない。
【0018】本発明の培地に添加する培養液としては、
特に制限はなく、MS基本培地、ホワイト培地、ヘラー
培地、ヴィシン&ヴェント培地等の呼称を持つ、植物組
織培養に慣用の組成の培養液を使用することができる。
培養液の添加量は、培地1g当り2.5〜30mlの範
囲が適当である。好ましくは、10〜20mlである。
培養液量が多すぎると、空気相が少なく過湿になり、発
根が悪く、また植物体が水浸状(苗質が水っぽく、透き
通った状態)となり、生育にとって不適である。培養液
量が少なすぎると、培養期間中に乾燥してしまい、生育
不良となり、好ましくない。
【0019】本発明の培地には、必要に応じさらに特別
な養分、抗菌剤、着色剤、湿潤剤などの他の補助成分を
添加することもできる。添加の時期は、セルロース類の
多孔体を製造する際に、ビスコースに対して添加するこ
ともできるし、上記の培養液に、添加することもできる
し、その他任意の段階で添加することが可能である。用
いることのできる抗菌剤は、植物細胞の増殖に悪影響を
与えないものであれば、特に限定されない。例として、
アパタイト系抗菌剤、4級アンモニウム系抗菌剤などが
挙げられる。
【0020】本発明のセルロース類の多孔体を支持体と
する培地を用いることによって、根の成長がよく、植物
体として極めて良好な状態となる。従って、順化時の成
長スピードが早く、歩留りも向上し、植物の種類にもよ
るが、直接培養土に移植することも可能となり、手間の
削減が可能となる。本発明の培地は、使用後も土壌中で
分解して、土壌養分となるので、残留培地が問題になる
恐れもない。
【0021】
【実施例】以下、実施例により、本発明を詳細に説明す
るが、本発明は、その要旨を超えない限り、以下の実施
例に限定されるものではない。
【0022】「製造例1」 (ビスコースの製造)パルプ原料として、針葉樹クラフ
トパルプを用いて、これを通常の方法で、アルカリ浸
漬、圧搾、粉砕して、70℃で3時間老成した後、パル
プ重量に対して35重量%の二硫化炭素を反応させ、セ
ルロースザンテートを得た。このセルロースザンテート
を水酸化ナトリウム水溶液に溶解し、セルロース濃度
9.0%、アルカリ濃度8.5%のビスコースを得た。
このビスコースを20℃で10時間熟成して多孔体製造
用ビスコースとした。
【0023】(多孔体製造用ビスコース混合物の製造)
上記ビスコース100重量部に、補強繊維として平均繊
維長7mm、太さ1.5デニールのセルロース繊維0.
9重量部を加え、平均粒径70μmの結晶芒硝10水塩
を360重量部加えて、10分間、2軸ニーダーを用い
て混練した。
【0024】(多孔体の製造)この原液を、縦10cm
×横10cm×高さ3cmの金型に流し込み、98℃で
約2時間煮沸した。水洗後、1%酢酸水を用いて中和し
た後、水洗し、セルロースの多孔体を得た。得られた多
孔体の、見掛け密度は0.095g/ml、平均孔径は
230μmであった。
【0025】「製造例2」 (多孔体製造用ビスコース混合物の製造)製造例1のビ
スコース100重量部に、補強繊維として平均繊維長7
mm、太さ1.5デニールのセルロース繊維0.9重量
部を加え、さらに、0.88重量部のアクリロニトリル
を添加し10分間混練した後、平均粒径70μmの結晶
芒硝10水塩を360重量部加えて、10分間、2軸ニ
ーダーを用いて混練した。
【0026】(多孔体の製造)この原液を、スクリュー
ポンプを用いて、直径10mmの穴径を有するダイスか
ら、30%塩化アンモニウム水溶液に押し出し、2分間
滞留させ、紐状に成形した。得られた紐状成形体を、硫
酸7重量%からなる再生浴液(70℃)に4分間浸漬し
た後、水洗し、さらに長さ0.5cmに切断して、シア
ノエチル化セルロースの多孔体を得た。得られた多孔体
の見掛け密度は0.042g/ml、平均孔径は260
μmであった。また、この多孔体のN含量は0.17重
量%であった。
【0027】「実施例1」製造例1のセルロースの多孔
体0.5gを、直径2cm、高さ12cmのガラス試験
管に入れ(培地の高さ約3cm)、これに培養液(MS
基本培地、3%サッカロース、pH5.8)5mlを入
れ、密封オートクレーブし培養培地とした。
【0028】これに、サツマイモ無菌培養苗1節(約1
cm)を挿し、25℃で1か月間培養した。培養1か月
後、生育調査(草丈、葉数、生体重及び発根状態)を行
った。さらに、その後バーミキュライトを詰めたポット
に移植し、生育状況を2週間観察した。これらの結果を
表1に示した。比較として、セルロースの多孔体の代わ
りに、寒天(0.8%)を用いた例を、表1に併せて示
した。なお、表中の発根状態については、+++を発根
大(極めて良好)とし、++を発根普通(良好)とし、
+を発根小(不良)とする、3段階評価で示した。
【0029】
【表1】
【0030】実施例1の培養培地で培養した苗は、発根
状態が極めて良好で、しっかりした苗ができ、移植後の
生育も良好で優れていた。
【0031】「実施例2」製造例2の粒状シアノエチル
化セルロースの多孔体5gを、縦6cm×横6cm×高
さ10cmのポリカーボネート製容器に入れ(培地の高
さ約2cm)、これに培養液(MS基本培地、3%サッ
カロース、0.02mg/lインドール酢酸、pH5.
8)20mlを入れ、密封オートクレーブ(高圧滅菌処
理)し、培養培地とした。
【0032】これに、カーネーション無菌培養苗1節
(約1.5cm)を挿し、20℃で1か月間培養した。
培養1か月後、生育調査(草丈、葉数、生体重、苗質及
び発根状態)を行った。さらにその後、バーミキュライ
トを詰めたポットに移植し、生育状況を2週間観察し
た。これらの結果を表2に示した。比較として、シアノ
エチル化セルロースの多孔体の代わりに、寒天(0.8
%)を用いた例及びロックウールを用いた例を、表2に
併せて示した。
【0033】
【表2】
【0034】実施例2の培養培地で培養した苗は、発根
状態が極めて良好で、しっかりした苗ができ、移植後の
生育も良好で優れていた。
【0035】「実施例3」製造例2の粒状シアノエチル
化セルロースの多孔体5gを、縦6cm×横6cm×高
さ10cmのポリカーボネート製容器に入れ(培地の高
さ約2cm)、これに培養液(MS基本培地、3%サッ
カロース、0.5mg/lNAA、0.5mg/lB
A、pH5.8)20mlを入れ、密封オートクレーブ
し、培養培地とした。なお、NAAはナフタレン酢酸系
植物ホルモンの略語であり、またBAはベンジルアデニ
ン系植物ホルモンの略語である。
【0036】これに、キュウリ子葉より再生した無菌再
生植物体(約2cm)を埋め込み、25℃で1か月間培
養した。培養1か月後、生育調査(草丈、葉数、苗質及
び発根状態)を行った。さらにその後、バーミキュライ
トを詰めたポットに移植し、生育状況を2週間観察し
た。これらの結果を表3に示した。比較として、シアノ
エチル化セルロースの多孔体の代わりに、寒天(0.8
%)を用いた例及びバーミキュライトを用いた例を、表
3に併せて示した。
【0037】
【表3】
【0038】実施例3の培養培地で培養した苗は、発根
状態が極めて良好で、しっかりした苗ができ、移植後の
生育も良好で優れていた。
【0039】
【発明の効果】実施例の比較からも明らかなように、本
発明の培地を用いて、植物組織培養を行った場合、従来
の寒天やロックウールを用いた場合に比べ、生育や発根
が良く、順化時に良好な活着率を示し、歩留りも向上
し、極めて有利である。さらに、これまで増殖発根段
階、順化段階と別々2段階の培養が必要であったもの
が、1回で済むようになり、労力的にも極めて有利とな
る。また、使用後、土壌中で分解する点でも、ロックウ
ールに比べて、極めて有利である。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】セルロース、シアノエチル化セルロース及
    びその加水分解物から選ばれるセルロース類の多孔体か
    らなる植物組織培養培地。
  2. 【請求項2】セルロース類の多孔体の、見掛け密度が
    0.02〜0.3g/mlで、平均孔径が20μm〜5
    mmであることを特徴とする請求項1記載の植物組織培
    養培地。
  3. 【請求項3】セルロース類が、セルロースであることを
    特徴とする請求項1又は2記載の植物組織培養培地。
  4. 【請求項4】セルロース類が、シアノエチル基としての
    窒素分を0.1重量%〜2重量%未満含有している、シ
    アノエチル化セルロースであることを特徴とする請求項
    1又は2記載の植物組織培養培地。
  5. 【請求項5】セルロース類が、シアノエチル化セルロー
    スを酸又はアルカリと接触させて、シアノエチル基の少
    なくとも一部を、カルバモイルエチル基、カルボキシエ
    チル基又はその塩の基に加水分解したものであることを
    特徴とする請求項1又は2記載の植物組織培養培地。
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