JPH09192514A - 粉砕機の制御方法および制御装置 - Google Patents

粉砕機の制御方法および制御装置

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JPH09192514A
JPH09192514A JP670496A JP670496A JPH09192514A JP H09192514 A JPH09192514 A JP H09192514A JP 670496 A JP670496 A JP 670496A JP 670496 A JP670496 A JP 670496A JP H09192514 A JPH09192514 A JP H09192514A
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crushed
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JP670496A
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Katsumi Shimodaira
克己 下平
Yukio Miyama
幸穂 深山
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Mitsubishi Power Ltd
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Babcock Hitachi KK
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 製品搬出量の大きな変動を抑制しつつ過大振
動の回避を行なうことができる粉砕機の制御方法および
制御装置を提供する。 【解決手段】 粉砕機に発生する過大な振動の検知また
は予知時に、被粉砕物の保有量が基準値以下である場合
は、粉砕機への原料供給量を増加し、定常状態において
被粉砕物保有量で負荷指令信号50とバランスする粉砕
ローラ7の加圧力を求め、刻々の粉砕ローラ加圧力指令
信号14し、被粉砕物の保有量が基準値以上である場合
は、粉砕機への原料供給量を減少させ、定常状態におい
て当該被粉砕物保有量で負荷指令信号とバランスする分
級特性を求め、分級特性調整手段への指令信号13と
し、被粉砕物の保有量が基準値にほぼ等しい場合は、粉
砕ローラ7の加圧力をあらかじめ定めた変化率で低減
し、定常状態において被粉砕物保有量の増加を相殺する
に必要な分級特性の値を算出し、分級特性調整手段への
指令信号13とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、粉砕機の制御方法
および制御装置に係り、特に、石炭焚きボイラに微粉炭
を供給する場合のように、製品流量の変化が製品需要先
に悪影響を及ぼすような用途に供される粉砕機におい
て、製品流量の変化を最小に保ちつつ、振動回避に必要
な操作を自動的に実施することを可能とする粉砕機の制
御方法および制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】図6は、従来技術による粉砕機とその制
御装置の一例である。まず、対象となる粉砕機について
説明する。原料1は供給指令信号3に従ってフィーダ2
により、粉砕機上部に設けられたホッパ4から粉砕機に
投入されて保有手段5上に落下し、後述する分級手段に
より発生する粗粒の再循環流10と混合し、被粉砕物6
となる。
【0003】被粉砕物6は保有手段5の自転により発生
する遠心力により、保有手段5の中心部から外周方向へ
と移動し、保有手段5と粉砕ローラ7との間で圧砕さ
れ、保有手段5の外周より吹き上げる搬送気体8によっ
て吹き上げられる。吹き上げられた被粉砕物は、粉砕機
上部に位置し、回転羽根を原動機で回転させる回転式分
級器9により旋回を与えられ、粒径が大なる粒子は遠心
力を受けて再循環流10を形成する。一方、粒径が小さ
な粒子は回転式分級器9をすり抜けて製品11となり、
需要先へと搬送される。
【0004】回転式分級器は、回転羽根の回転数を制御
することにより鋭敏な分級特性を得ることが可能である
ため、製品粒径に対する要求が厳しい用途においては、
近年、一般的に採用されている。分級手段としては、こ
の他に固定されたベーンにより旋回を与える固定式分級
器等があるが、ベーンの角度を制御することにより分級
特性を調整することが可能であり、機能としては回転式
分級器と同様に考えればよい。
【0005】また、搬送用気体8の供給量は、搬送用気
体供給路途中に設けた調整手段12により調整される。
従来技術による粉砕機の制御は、必要な粒度の製品11
を過不足なく需要先に供給することを目的として、以下
のような構成をとる。供給指令信号3は、多くの場合、
製品11の流量が需要先からの負荷指令信号50に一致
するように加減されるものであり、製品11の流量がオ
ンライン計測可能な場合は、その計測値と負荷指令信号
50の偏差のPI調節により与えればよい。ところが、
多くの場合、製品11の流量はオンライン計測が困難で
あるから、該流量と因果関係のある需要先の状態量を用
いて同様の目的を達する。原料として石炭、需要先とし
て微粉炭焚きドラムボイラを例にとると、ドラムボイラ
の発生蒸気圧力は、粉砕機よりバーナに供給される微粉
炭流量と直接的な因果関係を有するから、該蒸気圧力の
目標値に対する偏差のPI調節により供給指令信号3を
加減すればよい。
【0006】他の操作量については、一般に原料1の投
入量に応じて分級特性指令信号13、加圧力指令信号1
4、搬送気体供給量指令信号15を加減する構成であ
る。分級特性指令信号13は関数要素16により、一般
に粉砕機は高負荷運転で製品11の粗粒が増加する傾向
にあるため、原料1の投入量が増加すると共により強い
旋回力を与えて粗粒の捕集効率を向上させる方向で与え
られる。
【0007】加圧力指令信号14は関数要素17によ
り、粉砕機の粉砕能力は加圧力の増加と共に向上するこ
とに基づき、原料1の投入量に応じて増加する方向で与
えられる。搬送気体供給量指令信号15は関数要素18
により、生成される製品11を搬送するに充分な輸送能
力を与えるため、原料1の投入量に応じて増加する方向
で与えられる。
【0008】昨今は、需要先の要求により、低負荷運転
時にいっそうの製品の細粒化を求められるなど、関数要
素16、17、18の設定法について上記のように画一
的には論じにくいが、指令信号13、14、15が原料
1の投入量の関数となる点は共通している。粉砕機の運
転中は常時微小な機械振動が観測される。この機械振動
は、通常数十μmp-p程度であり、特に運転に支障をきた
すものではない。しかし、まれに100μmp-p以上もの
非常に大きな振幅の振動が発生することがあり、このよ
うな過大な振動が継続すると当該粉砕機が破損する恐れ
がある。従って、あらかじめ過大な振動を回避するよう
な運転操作を行なうと共に、万一発生した場合は直ちに
解消するような操作を行なう必要がある。
【0009】従来技術では、実機での試運転において代
表的な運転条件(粉砕機負荷、製品11粒度分布)にお
いて、警報値を超える振動が発生しない操作条件を試行
錯誤的に求め、良好な成績が得られた運転操作が再現さ
れるよう、関数要素16、17、18の最終調整を行な
うことで、過大な振動の発生を防止しようとしていた。
【0010】また、検出器19で粉砕機振動を常時監視
し、基準値を超える過大な振動が検出された場合は警報
を発していた。これを受けた運転員が分級器回転数の減
少、加圧力の減少などの過大な振動を回避するに有効で
あると経験的に知見された操作を手動で実施し、過大な
振動の解消を図っていた。これまで述べてきた従来例の
他、振動の大きさを適正に保つことを目的とする粉砕機
の制御方式として、例えば特開平1−34448号公
報、特開平4−205010号公報に開示されているよ
うな粉砕機の制御技術が提案されている。
【0011】第2の従来例(特開平1−34448号公
報)では粉砕機の振動および被粉砕物層6の層厚と製品
11の粒度に相関性があることを知見し、製品11粒度
を一定に保つことを目的として、粉砕機の振動および被
粉砕物層6の層厚を制御変数、搬送気体8の流量、粉砕
ローラ7の加圧力、原料1の投入量を操作変数とし、粉
砕機の振動が大きくなった場合には前記3操作をそれぞ
れ大、小、大、また被粉砕物の層厚が大きくなった場合
には前記3変数がそれぞれ小、大、大となるようにし
て、制御変数が規定値に戻るよう制御するものである。
【0012】一方、第3の従来例(特開平4−2050
10号公報)は、過大な振動の前兆として粉砕ローラ7
の支持構造物に大きな加速度が生じることを知見し、当
該箇所に設置した加速度センサに設定値を超える加速度
が検知された場合には、まず粉砕ローラ7加圧力を増
し、それでも加速度が設定値以下にならなければ原料1
投入量を増すことにより自励振動を回避しようとするも
のである。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】従来技術では、以下に
述べるような問題があった。第1従来例(図6)は、要
するに試運転時に良好な成績が得られた操作を供給指令
信号3を基準として再現するものである。本方式では同
一の操作を行なうことにより、試運転時の粉砕機の状態
を再現できることを前提としている。
【0014】しかしながら、天然に産出する石炭、石灰
石などを原料1とする場合には、よく知られているよう
に、その性状(被粉砕性など)が産地、ロット(lot)に
より大きく変わる。限られた試運転期間中に全ての種類
の原料1を用いた試験をおこなうことは現実的ではな
く、代表的な数種のみとするのが一般的である。従っ
て、実際の運用においては、粉砕機が常に試運転と同じ
状態にあるとはいえず、時として警報値を越える過大な
振動が発生することがあった。
【0015】警報値を超える過大な振動が発生した場
合、従来技術ではすでに述べたように、経験的に知り得
た振動回避操作を手動で実施していた。手動操作による
振動回避では、確実かつ迅速に過大な振動を回避するた
めにかなり大きめの操作を急速に実施していた。ところ
で、これらの手動操作による回避では、過大な振動を確
実に解消することに主眼が置かれたため、当該操作が製
品11に及ぼす影響については考慮がなされてはいなか
った。
【0016】振動回避操作としては、粉砕ローラ7の加
圧力低減と、分級器9の回転数低減の2つの操作が有効
であることが経験的に判明している。それぞれの回避操
作により製品11の流量は以下のような過渡応答を示
す。まず、粉砕ローラ7加圧力を低減した場合について
述べる。なお、問題を単純にするために、操作はステッ
プ状に行なわれるものとする。
【0017】粉砕ローラ7加圧力の低減により粉砕能力
が低下する。粉砕能力の低下は、大まかに言って被粉砕
物6が一度の圧砕により製品粒度の細粒となる割合の低
下と言い換えることができる。図7に原料1投入量な
ど、粉砕ローラ7の加圧力以外の操作を一定とした場合
の、定常状態における粉砕ローラ7の加圧力と被粉砕物
6の保有量との関係を示す。製品11の流量は定常時に
おいて原料1の投入量に等しいことを考慮すると、図7
は、「粉砕ローラ7の加圧力と規定量の製品11を得る
ために必要な被粉砕物6の保有量との関係」を示してい
ると考えることができる。
【0018】今、原料1の投入量および粉砕ローラ7の
加圧力ともに90%対定格負荷時比(以下同じ)で定常
運転中に過大な振動が発生したため、粉砕ローラ7の加
圧力を70%に低減したものとする。過大な振動が発生
するまでの粉砕機の状態は、図7中のA点で表される。
振動解消のため粉砕ローラ7の加圧力をステップ状に低
減するが、被粉砕物6の量は直ちには変わらないため粉
砕機の状態は図7のB点に移行する。すなわち当該ステ
ップ変化直後の被粉砕物6の保有量では、粉砕ローラの
加圧力70%においては80%の製品11流量しか得ら
れないことがわかる。
【0019】従って、製品11の流量は図9に示すよう
に80%程度にまでステップ状に減少する。その後粗粒
の蓄積により粉砕機の状態が図7のC点へと徐々に移行
するにともない、製品11の流量も徐々に増加し、やが
て、原料1の投入量と一致する90%で整定する。次に
分級器9の回転数を低減した場合の過渡応答について述
べる。原料1の投入量80%、分級器9の回転数90%
で定常運転中に過大な振動を回避するべく分級器9の回
転数を60%まで減じたものとする。分級器9の回転数
と被粉砕物6の保有量との関係を示した図8では、分級
器9の回転数の低減によりE点からF点へと移行したこ
とになる。粉砕ローラ7の加圧力低減操作とは逆に「分
級器9の回転数60%では、ステップ操作直後の被粉砕
物6保有量で90%の製品11流量が得られる」ことが
わかる。従って、図10のように製品11の流量は90
%程度までステップ状に増加した後、過剰な被粉砕物6
が徐々に排出されることにより粉砕機状態がE点からG
点に移行するに従い、徐々に減少し、やがて原料1の投
入量に一致する80%に回復した状態で整定する。
【0020】実際の振動回避操作も速やかな解消を図る
ため、ほぼステップ状に行なわれる。このため、実機に
おいてもほぼ同じ状況が発生していると考えられる。上
記のような製品11流量の過渡的な変動は、粉砕機の用
途によって、需要先に悪影響を及ぼす場合がある。例え
ば石炭焚きドラムボイラを需要先とする微粉炭製造に使
用する場合、すでに述べたように、製品11流量とドラ
ムボイラの蒸気圧力変動には直接的な因果関係があるた
め、製品11の流量の過剰/不足は蒸気圧力変動の要因
となる。また、燃焼用空気に過渡的に過不足が生じるた
め燃焼排ガス中のO2 成分制御の外乱となる。さらに、
近年の高度に最適化がなされたバーナにおいては燃焼状
態が最適点からはずれてしまい、排ガス中のNOx、C
O成分の増加を招く原因となるなどの問題があった。
【0021】また、第2従来例(特開平1−34448
号公報)では、製品11の粒度分布の指標としての粉砕
機振動の大きさと被粉砕物6の層厚を一定に保つべく、
原料1の投入量、粉砕ローラ7の加圧力、搬送気体8の
供給量を調整するものである。本技術によれば、確かに
粉砕機振動の大きさを一定に保つことは可能である。し
かしながら、本技術は主に製品11の粒度分布を一定に
保つことを目的として考案されたものであり、操作量の
変化に伴う製品11の流量の変化に対する考慮がなされ
ていない。
【0022】例えば、定常状態において原料1の投入量
を増加させることは、製品11の供給量を増加させるこ
とに他ならない。また、粉砕ローラ7加圧力を急速に小
さくした場合に生ずる問題については、先に述べたとお
りである。同様に、搬送気体8の増加も製品11の流量
の過渡的な増加を招くと共に、需要先が石炭焚きボイラ
である場合には、バーナに供給される石炭と搬送用気体
である空気の割合が変わる。近年のバーナは規定の石炭
と搬送用空気の割合において高度に最適化がなされてお
り、該割合の変化は微粉炭がボイラのバーナで燃焼する
際のNOx、COなどの生成が増加する原因となるた
め、燃焼制御の観点からも搬送用気体8を変化させるこ
とは好ましくない。
【0023】第3従来例(特開平4−205010号公
報)では、過大な振動の予兆現象である。粉砕ローラ7
の支持構造の加速度を検知し、過大な振動を回避すべ
く、まず粉砕ローラ7の加圧力を操作し、効果が得られ
なければ原料1の投入量を増加するものである。本技術
も、第2従来例と同じく粉砕機振動の回避のみに着目し
ており、当該操作により生じる製品11流量の変化に対
しては配慮がなされない。
【0024】このため、石炭焚きボイラへ微粉炭を供給
する石炭ミルのように、製品11の流量の変化が需要先
に影響を及ぼすような用途に供される粉砕機においては
第2、第3従来例になる技術を適用することは困難であ
った。本発明の目的は、過大な粉砕機振動の未然回避操
作、または発生後の解消操作においても、製品11の流
量の変動を最小限にとどめることを可能とする粉砕機の
制御方法および制御装置の提供にある。
【0025】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
本願で特許請求する発明は以下のとおりである。 (1)粉砕機内で水平に回転する被粉砕物の保有手段
と、該保有手段の外周近傍に押圧されつつ自転し該保有
手段と共に被粉砕物の粉砕手段を構成する粉砕ローラ
と、粉砕手段を通過した被粉砕物の粗粒分を前述の保有
手段へ再循環させる分級手段と、該分級手段の分級特性
の調整手段と、粉砕ローラの加圧力調整手段と、前記保
有手段への原料供給量調整手段と、負荷指令信号に基づ
き上記各調整手段に対する制御指令信号を発する制御手
段と、粉砕機に発生する過大な振動を検知する過大振動
検知手段または過大振動の発生を予測する過大振動発生
予測手段の少なくとも一方とを有する粉砕機の制御方法
において、過大な振動が検知またはその発生が予測され
た場合に、 ア)粉砕機への原料投入量を増加させ、できればその最
大値に変更すると共に、当該操作により刻々増加する被
粉砕物保有量に対し、定常状態において、当該被粉砕物
保有量で負荷指令とバランスする粉砕ローラ加圧力を算
出し、その値を刻々の粉砕ローラ加圧力指令信号とする
か、 イ)粉砕機への原料投入量を減少させ、できればその最
小値に変更すると共に、当該操作により刻々減少する被
粉砕物保有量に対し、定常状態において、当該被粉砕物
保有量で負荷指令とバランスする分級特性を算出し、そ
の値を刻々の分級特性指令信号とするか、 ウ)粉砕ローラ加圧力をあらかじめ定めた変化率で低減
し、定常状態において当該操作により生じる被粉砕物保
有量の増加を相殺するに必要な、分級特性の刻々の値を
算出し、その値を刻々の分級特性指令信号とするか、の
いずれかの操作を、当該時点の粉砕機の状態に基づいて
選択、実施することを特徴とする粉砕機の制御方法。
【0026】(2)請求項1の粉砕機の制御方法におい
て、前述の操作法の選択は当該時点の被粉砕物保有量、
ミル差圧、被粉砕物の保有手段の回転トルクまたは粉砕
ローラのリフトに基づき、それらのうちのいずれか一つ
の値が、それに対する基準値以下である場合には ア)粉砕機への原料投入量を増加させ、できればその最
大値に変更すると共に、当該操作により刻々増加する被
粉砕物保有量に対し、定常状態において、当該被粉砕物
保有量で負荷指令とバランスする粉砕ローラ加圧力を算
出し、その値を刻々の粉砕ローラ加圧力指令信号とする
操作を、それらのうちのいずれか一つの値が、それに対
する基準値以上である場合には イ)粉砕機への原料投入量を減少させ、できればその最
小値に変更すると共に、当該操作により刻々減少する被
粉砕物保有量に対し、定常状態において、当該被粉砕物
保有量で負荷指令とバランスする分級特性を算出し、そ
の値を刻々の分級特性指令信号とする操作を、それらの
うちのいずれか一つの値が、それに対する基準値にほぼ
等しい場合には ウ)粉砕ローラ加圧力をあらかじめ定めた変化率で低減
し、定常状態において当該操作により生じる被粉砕物保
有量の増加を相殺するに必要な、分級特性の刻々の値を
算出し、その値を刻々の分級特性指令信号とする操作
を、それぞれ選択、実施することを特徴とする粉砕機の
制御方法。
【0027】(3)粉砕機内で回転する被粉砕物の保有
手段と、該保有手段の 外周近傍に押圧されつつ回転し
該保有手段とともに被粉砕物の粉砕手段を構成する粉砕
ローラと、粉砕手段を通過した被粉砕物の粗粒分を前記
保有手段へ再循環させる分級手段と、該手段の分級特性
の調整手段と、粉砕ローラの加圧力調整手段と、粉砕機
への原料供給量調整手段と、負荷指令信号に基づき上記
各調整手段に対する制御指令信号を発する制御手段と、
粉砕機に発生する過大な振動を検知する過大振動検知手
段または過大振動の発生を予知する過大振動発生予測手
段の少なくとも一つを有する粉砕機の制御装置におい
て、過大な振動の検知または予知時に、その時点におけ
る被粉砕物の保有量が基準値以下である場合は、粉砕機
への原料供給量を増加し、できればその最大値に変更す
るとともに、当該操作により刻々増加する被粉砕物保有
量に対し、定常状態において当該被粉砕物保有量で負荷
指令信号とバランスする粉砕ローラの加圧力を求め、そ
の値を刻々の粉砕ローラ加圧力指令信号とする手段と、
その時点における被粉砕物の保有量が基準値以上である
場合は、粉砕機への原料供給量を減少させ、できればそ
の最小値に変更するとともに、当該操作により刻々減少
する被粉砕物保有量に対し、定常状態において、当該被
粉砕物保有量で負荷指令信号とバランスする分級特性を
求め、その値を刻々の分級特性調整手段への指令信号と
する手段と、その時点における被粉砕物の保有量が基準
値にほぼ等しい場合は、粉砕ローラ加圧力をあらかじめ
定めた変化率で低減し、定常状態において当該操作によ
り生じる被粉砕物保有量の増加を相殺するに必要な分級
特性の刻々の値を算出し、その値を刻々の分級特性調整
手段への指令信号とする手段とを備えたことを特徴とす
る粉砕機の制御装置。
【0028】(4)粉砕機内で回転する被粉砕物保有手
段と、該保有手段の外周近傍に押圧されつつ回転し該保
有手段とともに被粉砕物の粉砕手段を構成する粉砕ロー
ラと、粉砕手段を通過した被粉砕物の粗粒分を前記保有
手段へ再循環させる分級手段と、該分級手段の分級特性
の調整手段と、粉砕ローラの加圧力調整手段と、粉砕機
への原料供給量調整手段と、負荷指令信号に基づき上記
各調整手段に対する制御指令信号を発する制御手段と、
負荷指令信号に基づき被粉砕物搬送用気体供給量を調整
する手段と、粉砕機に発生する過大な振動を検知する過
大振動検知手段または過大振動の発生を予知する過大振
動発生予測手段の少なくとも一つを有する粉砕機の制御
方法において、上記制御手段は以下1)〜4)の演算と
処理を一定周期で繰り返しすことを特徴とする。
【0029】1)初期状態では負荷指令信号と該指令信
号に基づく分級器回転数基準信号と粉砕ローラ加圧力基
準信号とを粉砕機への原料供給量指令信号、分級機の分
級特性指令信号、粉砕ローラ加圧力指令信号として各調
整手段に送る。
【0030】2)過大振動発生の検知、または過大振動
発生予知時には、(i)その時点における被粉砕物の保
有量が基準値以下である場合は、その時の粉砕機内状態
量を初期値として、原料の供給量を増加させ、できれば
最大とし、その他の操作量は現状維持として制御装置内
の動特性シミュレーションモデルに入力し、1演算周期
後の被粉砕物保有量を算出し、(ii)現在の搬送用気体
供給量、分級機回転数および現在の負荷指令信号に一致
する原料供給量を入力として固定し、定常状態における
被粉砕物の保有量が前記(i)で算出したそれに一致す
る粉砕ローラ加圧力を動特性シミュレーションにより探
索し、その値を新たな粉砕ローラの新加圧力指令信号と
し、(iii)その時点における被粉砕物の保有量が基準値
以上である場合は、現在の粉砕機内部状態を初期値とし
て原料供給量を減少させ、できれば最小とし、その他の
操作量は現状維持として動特性シミュレーションモデル
に入力し、1演算周期後の被粉砕物保有量を算出し、
(iv)現在の搬送用気体供給量、分級器回転数および現
在の負荷指令信号に一致する原料供給量を入力として固
定し、定常状態における被粉砕物保有量が上記(iii)で
算出したそれに一致する分級器回転数を動特性シミュレ
ーションモデルにより探索し、その値を新たな分級器回
転数指令信号とし、(v)その時点における被粉砕物の
保有量が基準値とほぼ等しい場合は、現在の粉砕機内部
状態を初期値として、粉砕ローラ加圧力を現在よりあら
かじめ定めた値だけ減じた値とし、その他の操作量は現
状維持として動特性シミュレーションモデルに入力し、
1演算周期後の状態を算出し、(vi)上記(v)で算出
した粉砕機の状態を初期値として、分級器回転数のみを
減少させ、被粉砕物保有量が現在値に一致する分級器回
転数を動特性シミュレーションモデルにより探索し、
(vii)上記(v)、(vi) で算出した粉砕ローラ加圧力
および分級器回転数をそれぞれの新たな指令信号とす
る。
【0031】3)過大振動発生の検知または予知がな
く、かつ被粉砕物保有量が一制御サイクル前と同じとき
は、負荷指令信号を原料供給量指令信号とし、分級器回
転数基準信号、粉砕ローラ加圧力基準信号には現在の指
令信号値をそのまま与える。 4)過大振動発生の検知または予知がなく、かつ被粉砕
物保有量が一制御サイクル前より増加または減少した場
合は、上記2)の振動回避操作とは逆の演算により、分
級器回転数、粉砕ローラ加圧力を基準値まで回復(増
加)させる。
【0032】
【発明の実施の形態】
振動発生とその抑制についての考察 発明者らが粉砕機の過大な振動の発生原因に関して鋭意
解析を進めた結果、過大な振動は粉砕ローラ7の自励振
動によるものと判明しており、その発生メカニズムは次
のように考えられている。
【0033】前述のように粉砕ローラ7は回転する保有
手段5の外周で直立、接触し自転している。このため、
粉砕機の運転中、粉砕ローラ7は保有手段5の回転によ
る力を受け、ローラ支持構造のたわみにより静止位置よ
り若干移動した位置で自転している。通常、粉砕機の運
転中は粉砕ローラ7と保有手段5が直接接触することは
なく、両者の間には被粉砕物6の層が存在する。ところ
で、被粉砕物6に含まれる細粒が増加するに従い、被粉
砕物6の層内の摩擦係数が低下することが知られてい
る。被粉砕物6の層内の摩擦係数が小さくなると、粉砕
機内では次のような現象が繰り返される 粉砕ローラ7は保有手段5に引きずられ、静止位置か
ら保有手段5の回転方向へ水平に移動する。 粉砕ローラの移動量に比例して、粉砕ローラ7が静止
位置へ復帰しようとする力は大きくなる。 前記粉砕ローラ7の復帰しようとする力が、粉砕ロー
ラ7と保有手段5の間の被粉砕物6層内の摩擦力を上回
ると、被粉砕物6層内で滑りが発生する。 引きずる力から解放された粉砕ローラ7は静止位置近
傍へと瞬間的に復帰する。
【0034】この粉砕ローラ7の水平運動の周期が粉砕
ローラ7の持つ固有振動のそれと一致した場合に、粉砕
ローラ7の自励振動が発生すると考えられている。これ
までの経験から、粉砕機負荷が低い場合、回転分級器9
の回転数が高い場合、および粉砕ローラ7の加圧力が高
い場合には相対的に過大な振動が発生しやすいという知
見を得ているが、これは以下のように説明される。
【0035】まず粉砕機負荷が低い場合は、原料投入量
が少なくなり、これに伴い、保有手段5上の被粉砕物6
が減少する。このため、粉砕ローラ7の粉砕能力に余裕
が生じ、相対的に、粉砕ローラ7と保有手段5の間の被
粉砕物の層が薄くなると共に、被粉砕物6層中の細粒が
増加し、粉砕ローラ7の水平運動を引き起こす。次に、
回転分級器9の回転数を増加した場合であるが、より細
かい粒子まで再循環流10に含まれることになるため、
被粉砕物6中の細粒が増加し、粉砕ローラ7の水平運動
を引き起こす。
【0036】最後に、粉砕ローラ7の加圧力を増加した
場合は、粉砕ローラ7が静止位置に復帰しようとする力
が、加圧力の増加と共に大きくなるため、被粉砕物6層
中の滑りが発生し易くなるために、粉砕ローラ7の水平
運動を引き起こすのである。すでに述べた、過大な粉砕
機振動を解消するために有効な操作として知見されてい
る、粉砕ローラ7加圧力および分級器9の回転数の低減
操作は、上記メカニズムによればいずれも粉砕ローラ7
の自励振動を回避する方向にあり、その妥当性が改めて
確認された。
【0037】従って本発明の目的は、言い換えれば、こ
れらの振動回避操作を製品11の影響を最小限にとどめ
ながら自動的に実施する制御装置の実現にあるとも言え
る。先に、粉砕ローラ7の加圧力、および分級器9の回
転数低減操作によって生じる製品11の流量の過渡的な
過不足について、各操作量における静定時の被粉砕物6
の保有量に対する過不足が主たる原因であると説明し
た。このことは、現在の製品流量11を得るに必要十分
な被粉砕物6の保有量を保つよう、粉砕ローラ7の加圧
力、または分級器9の回転数と原料1の投入量を協調し
て操作することにより目的とする操作が実現されること
を示唆している。これは、例えば前述の図7でいえば原
料1の投入量が90%のバランス点を示す線(等製品流
量線)上をA点からC点まで移動させることに他ならな
い。
【0038】ところで実機において粉砕ローラ7の加圧
力、分級器9の回転数の増加減少と原料1の投入量によ
る被粉砕物6の保有量の増加減少とを比較した場合、粉
砕ローラ7の加圧力と分級器9の回転数を増加減少する
ことの方がはるかに容易である。例えば粉砕ローラ7の
加圧力は数秒で20%変化し、この変化に対応する被粉
砕物量の変化量は20%程度であるのに対して、フィー
ダ2の最大供給能力は一秒あたり被粉砕物6の保有量の
数パーセント程度でしかない。
【0039】従って、制御装置の構成にあたっては、こ
れまでの説明のように粉砕ローラ7の加圧力または分級
器9の回転数の新たな設定値をまず定め、当該操作量で
バランスする被粉砕物6に対する過不足を原料1の投入
量を過渡的に加減することで補うのではなく、逆にでき
れば、当該時点で実施しうる最大流量または最小流量の
原料1を供給し、粉砕機の動特性シミュレーションモデ
ルを使って、それにより生じる1演算周期後の被粉砕物
6の増加または減少に見合う粉砕ローラ7の加圧力また
は分級器9の回転数を求めるとする方が現実的である。
【0040】結局、本発明の目的は、過大な粉砕機の振
動の発生もしくはその可能性の少なくともいずれか一方
を検知する手段と、被粉砕物6の保有量を計測または推
定する手段と、少なくとも前記過大な粉砕機の振動発生
101、もしくはその可能性を通報する信号102の少
なくとも一方、負荷指令信号50、および被粉砕物6の
保有量計測値もしくは推定値を入力として、当該時点の
被粉砕物6の保有量が基準値以下であれば原料1の投入
量の新たな指令値を増加し、できれば実施可能な最大の
値とするとともに、原料1の投入量以外の操作量を現状
で固定した場合の1演算周期後の被粉砕物6の保有量予
測値を求め、その被粉砕物6の保有量において、負荷指
令50に等しい製品11の流量でバランスする被粉砕ロ
ーラ7の加圧力の新たな指令値を算出し、当該時点の被
粉砕物6の保有量が基準値以上であれば原料1の投入量
の新たな指令値を減少し、できれば実施可能な最小の値
とするとともに、原料1の投入量以外の操作量を現状で
固定した場合の1演算周期後の被粉砕物6の保有量予測
値を求め、その被粉砕物6の保有量において、負荷指令
50に等しい製品11の流量でバランスする分級器9の
回転数の新たな指令値を算出して、前記算出した原料1
の投入量、粉砕ローラ7の加圧力、分級器9の回転数指
令値により粉砕機の制御を行なうコントローラを具備す
ることにより達成される。
【0041】過大な粉砕機の振動、またはその前兆とな
る現象もしくは可能性が検出された場合、それが解消さ
れるまでの間、原料1の投入量を最大(または最小)に
するとともに、当該操作により生じる被粉砕物6の保有
量の増加(または減少)に合わせて、図7(図8)の等
製品流量線上を移動するよう粉砕ローラ7の加圧力(分
級器9の回転数)の新たな指令値を決定する。
【0042】本操作により被粉砕物6の保有量と粉砕ロ
ーラ7の加圧力(分級器9の回転数)は常に平衡点近傍
に保たれるため、製品流量に対して与える影響はごくわ
ずかなものに抑えることが可能となる。粉砕ローラ7の
加圧力低減、および分級器9の回転数低減のいずれを選
択するかは、製品11の粒度に対する影響、および当該
時点の被粉砕物6の保有量を考慮して次のように決定す
る。
【0043】まず、製品11の粒度に対する両操作の影
響について考察すると、製品11の粒度を直接支配して
いる分級器9の回転数を減じることにより、製品11の
粒度が悪化する(粒径が大きくなる)ことは容易に推察
される。粉砕ローラ7の加圧力を低減した場合も製品1
1の粒度は相対的に悪化するものの、分級器9の回転数
を減じた場合に比較すると軽微である。従って、粉砕ロ
ーラ7の加圧力の低減を優先することが望ましい。
【0044】次に、被粉砕物6の保有量であるが、いわ
ゆる「メタルタッチ」、「ハラボテ」を避けるため、被
粉砕物6の保有量を設計範囲内に保つ必要がある。従っ
て、被粉砕物6の保有量がその設計範囲の下限(または
上限)に近い場合は被粉砕物6の保有量を増やす(また
は減らす)操作を行ない、できれば原料1の投入量を最
大(または最小)にすると共に粉砕ローラ7の加圧力
(分級器9の回転数)を減じる操作を選択する必要があ
る。
【0045】上述の理由から、被粉砕物6の保有量が基
準値(設計値の上限値に対して十分な余裕をもたせて設
定する)以下であれば、製品11の粒度の観点から、原
料1の投入量増加、粉砕ローラ7の加圧力低減操作を選
択する。もしも、被粉砕物6の保有量が基準値以上であ
れば、ハラボテ防止のため、原料投入量の減少、分級器
9の回転数を低減することによる振動回避操作を選択す
る。また、被粉砕物6の保有量が基準値とほぼ等しい場
合は原料投入量のハンチングを防ぐため、原料投入量は
負荷指令50と等しい値とし、粉砕ローラ7の加圧力の
低減と分級器9の回転数の低減それぞれにより生じる被
粉砕物6の保有量の増加/減少量が相殺するよう、両者
を協調して低減する。
【0046】これまでの説明では、過大な粉砕機振動の
回避操作のみを述べてきた。しかし、いずれの振動回避
操作も、製品11の粒度を悪化させる方向にある。ま
た、粉砕ローラ7の加圧力の低減は負荷指令50の変化
に対する製品11の流量の応答時定数を大きくする要因
となるため、各操作量は可能な限り大きくすることが望
ましい。
【0047】そこで、過大な粉砕機信号が発生したとき
より粉砕機の運転条件が変化した場合には、各操作量を
望ましい値にまで回復させる。具体的には、過大な粉砕
機振動が検知されず、かつ、前回の振動回避操作終了時
点から運転条件の変化したことが検知された場合、振動
回避操作とは逆の操作により粉砕ローラ7加圧力および
分級器9の回転数の増加を図ることにより、振動回避と
粉砕機運転特性の妥協点を探索する。
【0048】なお、「運転条件の変化」とは被粉砕物6
に占める細粒の割合が変化する要因となる、原料1の性
状の変化、または負荷指令信号50の変化を指す。以上
の作用により、振動回避操作は当該振動を解消するに必
要最小限度の操作にとどめられ、製品11の流量は回避
操作中も負荷指令信号50近傍に保たれる。また、製品
11の粒度の悪化も必要最低限に保たれるため、需要先
に対して与える悪影響は最小限に抑制される。
【0049】さらに、運転条件が変化し、過大な粉砕機
振動が発生しにくい状態となった場合には、粉砕ローラ
7の加圧力、分級器9の回転数の新たな妥協点を自動的
に探索するため、粉砕機は常に最適な操作量に保たれ
る。
【0050】
【実施例】図1に本発明の一実施例を示す。図1中、図
6と同じ部品に対しては同一の符号を付し説明を省略す
る。コントローラ200は、負荷指令信号50、分級器
回転数基準信号60、粉砕ローラ加圧力基準信号61、
過大振動発生信号101、過大振動発生予測信号102
を入力として、フィーダ指令信号3、分級器回転数指令
信号13および粉砕ローラ加圧力指令信号14を算出す
る。
【0051】過大振動発生信号101および過大振動発
生予測信号102は共にデジタル信号として与えられ、
過大な粉砕機振動の発生、またはその可能性が検知され
た場合にHighとなる。本実施例では、前者を検出器19
によって得られた粉砕機振動計測値を図2に示すような
入出力特性を有する関数発生器104により2値化する
ことにより作成する。後者は、粉砕ローラ7のブラケッ
トに設けた加速度計105の出力を図3に示すような入
出力特性を有する関数発生器106により2値化するこ
とにより作成する。これは、先に説明した粉砕ローラ7
の自励振動のきっかけとなる粉砕ローラ7の水平運動を
とらえることで過大な粉砕機振動、すなわち粉砕ローラ
7の自励振動を予測するものである。
【0052】また、被粉砕物6の保有量については、当
該量と直接的な因果関係を有する(粉砕ローラリフト量
(ローラ加圧用ロッドの上下移動量で測定)、被粉砕物
保有手段回転用モータのトルクなどから算出することも
可能であるが、本実施例においては、コントローラ20
0に内蔵した粉砕機の動特性シミュレーションモデルに
より逐次推定する。
【0053】コントローラ200は次のような演算を一
定周期で繰り返す。 1)初期状態では、負荷指令信号50、分級器回転数基
準信号60、粉砕ローラ加圧力基準信号61をそのまま
フィーダ指令信号3、分級器回転数指令信号13および
粉砕ローラ加圧力指令信号14とする。 2)過大振動発生信号101および過大振動発生予測信
号102のいずれか一方がHighであれば振動回避操作が
必要であると判断し、後に述べる手順に従って、フィー
ダ指令信号3、および分級器回転数指令信号13または
粉砕ローラ加圧力指令信号14のいずれかの新たな値を
算出する。 3)過大振動発生信号101および過大振動発生予測信
号102の双方がLow で、かつ被粉砕物保有量が一制御
サイクル前と同じであれば、負荷指令信号50をフィー
ダ指令信号3とし、分級器回転数基準信号60、粉砕ロ
ーラ加圧力基準信号61には現在の指令値をそのまま与
える。 4)過大振動発生信号101および過大振動発生予測信
号102の双方がLow で、かつ被粉砕物保有量が一制御
サイクル前より増加もしくは減少した場合は、負荷指令
信号50または原料1の性状に変化があったものと判断
し、振動回避操作とは逆の演算により、分級器回転数、
粉砕ローラ加圧力を基準値まで回復するよう試みる。
【0054】次に、振動回避操作における、分級器回転
数指令信号13および粉砕ローラ加圧力指令信号14の
算出手段について述べる。コントローラ200は内蔵し
た粉砕機の動特性シミュレーションモデルに実機の操作
信号および投入される原料の性状を逐次入力することに
より当該粉砕機の内部状態を常に正確に把握している。
過大な振動を解消するために粉砕ローラ加圧力低減操作
が選択されると、次の手順により粉砕ローラ加圧力指令
信号の新たな値が算出される。 1) 現在の粉砕機内部状態を初期値として、原料1の
投入量を増加、できれば最大とし、その他の操作量は現
状維持として動特性シミュレーションモデルに入力し、
1演算周期後の被粉砕物6の保有量を算出する。 2) 現在の搬送用気体供給量、分級器回転数および現
在の負荷指令信号に一致する原料投入量を入力として固
定し、定常状態における被粉砕物6の保有量が1)で算
出したそれに一致する粉砕ローラ加圧力を動特性シミュ
レーションモデルにより探索しその値を新たな粉砕ロー
ラ7の加圧力指令値とする。
【0055】分級器回転数低減操作が選択された場合は
次の手順により分級器回転数指令信号の新たな値が算出
される。 3) 現在の粉砕機内部状態を初期値として、原料1の
投入量を減少、できれば最小とし、その他の操作量は現
状維持として動特性シミュレーションモデルに入力し、
1演算周期後の被粉砕物6保有量を算出する。 4) 現在の搬送用気体供給量、分級器回転数および現
在の負荷指令信号に一致する原料投入量を入力として固
定し、定常状態における被粉砕物6の保有量が3)で算
出したそれに一致する分級器回転数を動特性シミュレー
ションモデルにより探索しその値を新たな分級器回転数
指令値とする。
【0056】さらに、原料投入量を固定し粉砕ローラ加
圧力と分級器回転数を協調して振動を低減する場合は次
の手順により両操作量の新たな指令信号が算出される。 5) 現在の粉砕機内部状態を初期値として、粉砕ロー
ラ加圧力を現在値よりあらかじめ定めた値だけ減じた値
とし、その他の操作量は現状維持として動特性シミュレ
ーションモデルに入力し、1演算周期後の粉砕機の状態
を算出する。 6) 5)で算出した粉砕機の状態を初期値として、分
級器回転数のみを減少させ、被粉砕物保有量が現在値に
一致する分級器回転数を動特性シミュレーションモデル
により探索する。 7) 5)、6)で算出した粉砕ローラ加圧力および分
級器回転数をそれぞれの新たな指令値とする。
【0057】次に本実施例による過大振動回避操作の際
の製品11の流量の応答、および状態の推移について考
察する。図4に製品11の流量の応答を、図5に粉砕ロ
ーラ加圧力減操作中の粉砕機状態の推移を示す。負荷指
令80%、粉砕ローラ加圧力90%、分級器回転数80
%の整定状態(図5中のA点)にあった粉砕機は図4の
時刻iにおいて過大な粉砕機振動を検知し、直ちに振動
回避操作を開始する。
【0058】時刻iでは被粉砕物6保有量が設定値以下
であるため、コントローラ200はまず粉砕ローラ加圧
力減操作により過大な振動の回避を図ろうとする。すな
わち、すでに述べた手順により、原料投入量指令を最大
値にすると共に、1演算周期ごとに、粉砕ローラ加圧力
指令信号を当該時点の被粉砕物6保有量とバランスする
値に更新する。
【0059】本操作は図5に示したように、過大な粉砕
機振動が継続する間、演算周期ごとに粉砕機加圧力ステ
ップ減操作を繰り返すことになる。しかし、演算周期が
十分短ければ、1演算周期中に生じる被粉砕物6の保有
量の過不足はごくわずかに抑えられるため、製品11の
流量はほとんど変化しない。本例では過大な粉砕機振動
が継続したため、この粉砕ローラの加圧力減操作は被粉
砕物6の保有量が設定値に達するまで(図4のi点から
ii点までの期間)続けられ、粉砕機状態は図5のB点に
至る。
【0060】被粉砕物6の保有量が設定値に達した後は
ハラボテ防止のため、被粉砕物6の保有量を設定値に保
った状態で粉砕ローラ加圧力と分級器回転数を協調して
低減し、時刻iii において過大な振動の解消に至った。
その後、時刻ivに被粉砕物6の保有量の変化から運転条
件の変化(原料性状の変化)を検知し、まず分級器回転
数の、その後粉砕ローラ加圧力の回復を試み、時刻viで
新たな運転条件に最適な操作量に整定している。
【0061】最後に、コントローラ200に内蔵する動
特性シミュレーションモデルについて説明する。本実施
例では、発明者自身の研究に係わり、粒度分布をわずか
4つの変数で模擬可能で、高精度、低計算量な手法を採
用することとし、以下詳述する。 1 記号・略号・用語 1.1 添字 下記の添字は特定の部位、機構、関数、時点を示す。
【0062】 b :混合機構 ib :粉砕機入口 ij :第j番目の分級機構入口 ip :粉砕機構入口 j :第j番目の分級機構 ob :混合機構出口 op :粉砕機構出口 rj :第j番目の分級機構による循環流 s :粉砕分布定数 oj :第j番目の分級機構による通過流
【0063】 1.2 記号 βk :k次キュムラント μ :平均 ξ :対数粒径(ノミナルな値) σ :標準偏差 b(ξ) :粉砕速度定数 c(ξ) :部分分級効率 f(ξ) :一般に確率密度関数 g(ξ) :粒度分布確率密度関数 g(ξ|η) :条件付き確率密度関数 Ξ :粒子の対数粒径(確率変数) s(ξ) :粉砕分布定数 vk (λ,ρ):(λ,ρ)に規格化したk次モーメント E{・} :期待値 E{・|・} :条件付き期待値 Var {・} :分散 Pr{・} :確率 Q :重量流量 Θ :分級過程で、ある粒子が通過(Θ=1)、または捕集(Θ =0)の事象を現すインジケータ(確率変数)
【0064】1.3 語句 確率変数 :「揺らぎ」や情報不足のため、確率的な
変数値の評価を要す(値を確定的に知り得ない;雑音、
粉体流量、石炭性状が典型的)変数。従って、確率Pr
{x<X≦x+Δx}(確率変数Xの値がxの近傍とな
る確率)を fx( X ) Δx ( fx ( X ):xの確率密度関数)で与え、必要な統
計量を計算する。 キュムラント:特性関数(確率密度関数のフーリエ変
換)の対数をローラン展開した際、第k次の展開係数を
k次キュムラントと呼ぶ。応用上、「モーメントと相互
変換可能」、「重畳積分(粉砕機構での粒度分布変化)
が加算に帰着」など、便利な性質がある。 Skewness :歪度と訳され、分布の左右対称性の程度
を示す。 Excess :尖度と訳され、分布の中心部、裾の部分
の割合を示す(正規分布では=3)。 条件付き確率密度:2つの事象の因果関係を考えると
き、一方の情報を得たときの他方の確率密度を示す。具
体的には粉砕機構入口で粒径がη<Θip≦η+dηの粒
子が粉砕後にξ<Θip≦ξ+Δξになる確率はΘopのΘ
ipに対する確率密度関数( Conditional probability d
ensity function of Θop given by Θip)を用いて
opip(ξ|η)dξと表される。
【0065】2粉砕機内の現象 2.1 粒度分布の表記 断面を微小時間に通過する粒子中、粒径ξ以下なる質量
割合により粒度分布が定義可能で、その密度関数をg
(ξ)と表記し、適宜に場所を示す添字を付加する。サ
ンプルされた静止状態の質量粒度分布密度f(ξ)との
関係は質量流量Qを用いて次式となる。
【0066】
【数1】
【0067】2.2粉砕機構 粉砕前後の所量にそれぞれ添字ip、opを与えると、
粒度分布について次の関係がある。
【0068】
【数2】
【0069】ここに、粒径ξを対数軸にとると条件付き
確率密度gopipは、L. Austin らの解明した粉砕分布
定数( Power Technology, Vol. 29, pp.263-275(198
1), 同, Vol.33, pp.113-125(1982), 同, Vol.33, pp.1
27-134(1982)に記載) と一致し、これをsとする。
【0070】
【数3】 gopip(ξ|η)=s(ξ−η) (3) この粉砕分布定数sは粉砕機構を通過する粒子粉砕性に
依存することが知られている。質量流量については、粉
砕機構内で蓄積はないと仮定して次式を得る。
【0071】
【数4】 E{Qop}=E{Qip}| (4) 2.3分級機構第j番目の分級機構について、各「粒子
の通過」は互いに独立事象であって、Θj をインジケー
タとすれば、実験により解明されている分級効率c
j (ξ)(廻ほか、粉体工学誌、Vol. 25, pp.430-436
(1988)に記載)と次の関係がある。
【0072】
【数5】 Pr{Θj =0|(ξ,ξ+dξ)}=cj (ξ) (5) Pr{Θj =1|(ξ,ξ+dξ)}=1−cj (ξ) (6) 分級器入口、循環流、および通過流に係る諸量にそれぞ
れ添字ij、rj、ojを与えると、ベイズ定理により
粒度分布密度を表す次式を得る。
【0073】
【数6】
【0074】である。分級機構周辺の流量は次のとおり
求められる。
【0075】
【数7】 E{Qrj}=E{Θj ij}=rj E{Qij} (10) E{Qoj}=E{(1−Θj )Qij}=(1−rj)E{Qij}(11) 2.4混合機構 分級機構(j=0,……,n)からの循環流と原料(添
字ib)とを混合して流出流(添字ob)となす機構を
考える。ここで、混合機構保有被粉砕物Gb とQobとの
間に次の関係を仮定する。
【0076】
【数8】 E{Qob}=E{P}E{Gb } (12) Pは粒径と独立とし、この仮定を正当化するため、混合
機構と、それに続く粉砕機構の間に仮想的な分級機構
(j=0)を設けて前出の L. Austinらが解明したξに
依存する粉砕速度定数を考慮する。
【0077】ここで、前出の第(1)式と第(12)式
に着目し、混合により粒径は変化しないと考えて、
(ξ,ξ+dξ)に属する粒子のマスバランス式が得ら
れる。
【0078】
【数9】
【0079】3モデルの数学的記述 3.1分布密度のパラメタライズ Θが分布密度g(ξ)に従うときλ,ρで規準化(アフ
ィン変換)したモーメントを考える。
【0080】
【数10】
【0081】このとき、キュムラントβk (λ,ρ)が
対応して求められる。本モデルでは分布密度を次のパラ
メータで整理する。
【0082】
【数11】 μ=v1(0,1),σ=〔v2(0,1)〕1/2 (15) Skewness: β3(μ,σ)=v3(μ,σ) (16) Excess: β4(μ,σ)=v4(μ,σ)-3 (17) これらにより、一意にエッジワース展開係数αk が求ま
り、分布密度を具体的に表示できる。
【0083】
【数12】
【0084】ここに、p(ξ;μ, σ)はガウス分布、
k はk次のエルミート多項式である。 3.2粉砕機構 前出の第(3)式を第(2)式に代入すると重畳積分で
あって、キュムラントの和に帰着し、以下を得る。
【0085】
【数13】 v1op ( μip, σip) =v1s( μip, σip) (19) v2op ( μip, σip) =1+v2s( μip, σip) (20) v3op ( μip, σip) =v3ip ( μip, σip) +v3s( μip, σip) (21) v4op ( μip, σip) =v4ip ( μip, σip) +v4s( μip, σip) +6v2s( μip, σip) (22) ここに、添字sは粉砕分布定数sを、それ以外は各粒度
分布密度gを指す。さらに、μop、σop、β3op, σ
op)、β4op, σop)は前出の第(15)式〜第(1
7)式および次式を用いて計算できる。
【0086】
【数14】
【0087】3.3分級機構 cj (ξ) は、適当なτmj、λmj、ρmjを用いて近似で
きる。
【0088】
【数15】
【0089】gij(ξ) は第(18)式の形式であり、
第(7)式および第(10)式より、循環流の諸量が具
体的に求められる。
【0090】
【数16】
【0091】また、α0rjmk は、次式にエルミート多項
式の加法定理を適用し、係数を整理して得られる。
【0092】
【数17】
【0093】前出の第(25)式は分布密度の重み付き
混合であり、添字mについてα0rjm k からvk ( λmrj,
ρmrj ) が一意に求まり、同一λ、ρのvk は重み付き
加算が可能だから、結局前出の第(23)式、第(1
5)式〜第(17)式を用いて、μrj、σrj、β3
rj, σrj)、β4rj, σrj) が計算できる。添字oj
の通過流についても同様の議論である。
【0094】3.4混合機構 適当に選んだλb 、ρb で基準化すると、前出の第(1
3)式よりvkob についての微分方程式を得る。
【0095】
【数18】
【0096】第(23)式、第(15)式〜第(17)
式を適用すれば、一般にμ、σ、β 3(μ, σ)、β
4(μ, σ)とvk ( λ, ρ) の相互変換が可能だから、
1.3.2 、1.3.3 の結論を代入して(30)を解くことが
できる。このときPade近似の採用で、安定な数値計算が
可能となった。従って、初期条件としてE{Qob}、v
kob ( λb,ρb )を与え、実機粉砕機と同様の操作量を
与え、以上の諸式を逐次解くことにより、被粉砕物6の
保有量E{Gb }および、その粒度分布である、v
kb(λib, ρib) を求めることができる。
【0097】
【発明の効果】本発明によって、以下の効果が得られ
る。 1)従来手動で実施していた過大振動回避操作を自動的
に、必要最低限の操作で実施することが可能となる。 2)過大な粉砕機振動の回避操作に伴う、製品流量の過
渡応答を最小限に抑えることが可能となり、需要先への
悪影響を防止できる。 3)運転条件(負荷、原料性状)において、過大な粉砕
機振動を抑制したうえで取りうる最良の製品粒度、負荷
応答性が常に得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例説明用系統図。
【図2】本発明で使用する過大振動発生検出器の特性
図。
【図3】本発明で使用する過大振動発生予測用加速度計
の特性図。
【図4】本発明の実施例による過大振動回避操作の経過
説明図。
【図5】図4の実施例における粉砕ローラ加圧力と製品
流量と被粉砕物保有量の関係図。
【図6】従来技術説明用系統図。
【図7】粉砕ローラ加圧力低減による従来技術の説明
図。
【図8】分級機回転数低減による従来技術の説明図。
【図9】図7の従来技術適用時の粉砕機内状態量の経過
説明図。
【図10】図8の従来技術適用時の粉砕機内状態量の経
過説明図。
【符号の説明】
1…原料、2…フィーダ、3…フィーダ指令信号、4…
ホッパ、5…保有手段(テーブル)、6…被粉砕物、7
…粉砕ローラ、8…搬送用気体、9…回転式分級器、1
0…再循環流、11…製品、12…搬送用気体流量調整
手段、13…分級器回転数指令信号、14…加圧力指令
信号、15…搬送気体供給量指令信号、16、17、1
8…関数発生器、19…過大振動発生検出器、50…負
荷指令信号、60…分級器回転数基準信号、61…粉砕
ローラ加圧力基準信号、101…過大振動発生信号、1
02…過大振動発生予測信号、104…関数発生器、1
05…加速度計、106…関数発生器。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 粉砕機内で水平に回転する被粉砕物の保
    有手段と、該保有手段の外周近傍に押圧されつつ自転し
    該保有手段と共に被粉砕物の粉砕手段を構成する粉砕ロ
    ーラと、粉砕手段を通過した被粉砕物の粗粒分を前述の
    保有手段へ再循環させる分級手段と、該分級手段の分級
    特性の調整手段と、粉砕ローラの加圧力調整手段と、前
    記保有手段への原料供給量調整手段と、負荷指令信号に
    基づき上記各調整手段に対する制御指令信号を発する制
    御手段と、粉砕機に発生する過大な振動を検知する過大
    振動検知手段または過大な振動の発生を予測する過大振
    動発生予測手段の少なくとも一方とを有する粉砕機の制
    御方法において、過大な振動が検知またはその発生が予
    測された場合に、 ア)粉砕機への原料投入量を増加させ、できればその最
    大値に変更すると共に、当該操作により刻々増加する被
    粉砕物保有量に対し、定常状態において、当該被粉砕物
    保有量で負荷指令とバランスする粉砕ローラ加圧力を算
    出し、その値を刻々の粉砕ローラ加圧力指令信号とする
    か、 イ)粉砕機への原料投入量を減少させ、できればその最
    小値に変更すると共に、当該操作により刻々減少する被
    粉砕物保有量に対し、定常状態において、当該被粉砕物
    保有量で負荷指令とバランスする分級特性を算出し、そ
    の値を刻々の分級特性指令信号とするか、 ウ)粉砕ローラ加圧力をあらかじめ定めた変化率で低減
    し、定常状態において当該操作により生じる被粉砕物保
    有量の増加を相殺するに必要な、分級特性の刻々の値を
    算出し、その値を刻々の分級特性指令信号とするか、の
    いずれかの操作を、当該時点の粉砕機の状態に基づいて
    選択、実施することを特徴とする粉砕機の制御方法。
  2. 【請求項2】 請求項1の粉砕機の制御方法において、
    前述の操作法の選択は当該時点の被粉砕物保有量、ミル
    差圧、被粉砕物の保有手段の回転トルクまたは粉砕ロー
    ラのリフトに基づき、それらのうちのいずれか一つの値
    が、それに対する基準値以下である場合には ア)粉砕機への原料投入量を増加させ、できればその最
    大値に変更すると共に、当該操作により刻々増加する被
    粉砕物保有量に対し、定常状態において、当該被粉砕物
    保有量で負荷指令とバランスする粉砕ローラ加圧力を算
    出し、その値を刻々の粉砕ローラ加圧力指令信号とする
    操作を、それらのうちのいずれか一つの値が、それに対
    する基準値以上である場合には イ)粉砕機への原料投入量を減少させ、できればその最
    小値に変更すると共に、当該操作により刻々減少する被
    粉砕物保有量に対し、定常状態において、当該被粉砕物
    保有量で負荷指令とバランスする分級特性を算出し、そ
    の値を刻々の分級特性指令信号とする操作を、それらの
    うちのいずれか一つの値が、それに対する基準値にほぼ
    等しい場合には ウ)粉砕ローラ加圧力をあらかじめ定めた変化率で低減
    し、定常状態において当該操作により生じる被粉砕物保
    有量の増加を相殺するに必要な、分級特性の刻々の値を
    算出し、その値を刻々の分級特性指令信号とする操作
    を、それぞれ選択、実施することを特徴とする粉砕機の
    制御方法。
  3. 【請求項3】 粉砕機内で回転する被粉砕物の保有手段
    と、該保有手段の外周近傍に押圧されつつ回転し該保有
    手段とともに被粉砕物の粉砕手段を構成する粉砕ローラ
    と、粉砕手段を通過した被粉砕物の粗粒分を前記保有手
    段へ再循環させる分級手段と、該手段の分級特性の調整
    手段と、粉砕ローラの加圧力調整手段と、粉砕機への原
    料供給量調整手段と、負荷指令信号に基づき上記各調整
    手段に対する制御指令信号を発する制御手段と、粉砕機
    に発生する過大な振動を検知する過大振動検知手段また
    は過大振動の発生を予知する過大振動発生予測手段の少
    なくとも一つを有する粉砕機の制御装置において、過大
    な振動の検知、または予知時に、その時点における被粉
    砕物の保有量が基準値以下である場合は、粉砕機への原
    料供給量を増加し、できればその最大値に変更するとと
    もに、当該操作により刻々増加する被粉砕物保有量に対
    し、定常状態において当該被粉砕物保有量で負荷指令信
    号とバランスする粉砕ローラの加圧力を求め、その値を
    刻々の粉砕ローラ加圧力指令信号とする手段と、その時
    点における被粉砕物の保有量が基準値以上である場合
    は、粉砕機への原料供給量を減少させ、できればその最
    小値に変更するとともに、当該操作により刻々減少する
    被粉砕物保有量に対し、定常状態において、当該被粉砕
    物保有量で負荷指令信号とバランスする分級特性を求
    め、その値を刻々の分級特性調整手段への指令信号とす
    る手段と、その時点における被粉砕物の保有量が基準値
    にほぼ等しい場合は、粉砕ローラ加圧力をあらかじめ定
    めた変化率で低減し、定常状態において当該操作により
    生じる被粉砕物保有量の増加を相殺するに必要な分級特
    性の刻々の値を算出し、その値を刻々の分級特性調整手
    段への指令信号とする手段とを備えたことを特徴とする
    粉砕機の制御装置。
  4. 【請求項4】 粉砕機内で回転する被粉砕物保有手段
    と、該保有手段の外周近傍に押圧されつつ回転し該保有
    手段とともに被粉砕物の粉砕手段を構成する粉砕ローラ
    と、粉砕手段を通過した被粉砕物の粗粒分を前記保有手
    段へ再循環させる分級手段と、該分級手段の分級特性の
    調整手段と、粉砕ローラの加圧力調整手段と、粉砕機へ
    の原料供給量調整手段と、負荷指令信号に基づき上記各
    調整手段に対する制御指令信号を発する制御手段と、負
    荷指令信号に基づき被粉砕物搬送用気体供給量を調整す
    る手段と、粉砕機に発生する過大な振動を検知する過大
    振動検知手段または過大振動の発生を予知する過大振動
    発生予測手段の少なくとも一つを有する粉砕機の制御方
    法において、上記制御手段は以下1)〜4)の演算と処
    理を一定周期で繰り返すことを特徴とする粉砕機の制御
    方法。 1)初期状態では負荷指令信号と該指令信号に基づく分
    級器回転数基準信号と粉砕ローラ加圧力基準信号とを粉
    砕機への原料供給量指令信号、分級機の分級特性指令信
    号、粉砕ローラ加圧力指令信号として各調整手段に送
    る。 2)過大振動発生の検知、または過大振動発生予知時に
    は、(i)その時点における被粉砕物の保有量が基準値
    以下である場合は、その時の粉砕機内状態量を初期値と
    して、原料の供給量を増加させ、できれば最大とし、そ
    の他の操作量は現状維持として制御装置内の動特性シミ
    ュレーションモデルに入力し、1演算周期後の被粉砕物
    保有量を算出し、(ii)現在の搬送用気体供給量、分級
    機回転数および現在の負荷指令信号に一致する原料供給
    量を入力として固定し、定常状態における被粉砕物の保
    有量が前記(i)で算出したそれに一致する粉砕ローラ
    加圧力を動特性シミュレーションにより探索し、その値
    を新たな粉砕ローラの新加圧力指令信号とし、(iii)そ
    の時点における被粉砕物の保有量が基準値以上である場
    合は、現在の粉砕機内部状態を初期値として原料供給量
    を減少させ、できれば最小とし、その他の操作量は現状
    維持として動特性シミュレーションモデルに入力し、1
    演算周期後の被粉砕物保有量を算出し、(iv)現在の搬
    送用気体供給量、分級器回転数および現在の負荷指令信
    号に一致する原料供給量を入力として固定し、定常状態
    における被粉砕物保有量が上記(iii)で算出したそれに
    一致する分級器回転数を動特性シミュレーションモデル
    により探索し、その値を新たな分級器回転数指令信号と
    し、(v)その時点における被粉砕物の保有量が基準値
    とほぼ等しい場合は、現在の粉砕機内部状態を初期値と
    して、粉砕ローラ加圧力を現在よりあらかじめ定めた値
    だけ減じた値とし、その他の操作量は現状維持として動
    特性シミュレーションモデルに入力し、1演算周期後の
    状態を算出し、(vi)上記(v)で算出した粉砕機の状
    態を初期値として、分級器回転数のみを減少させ、被粉
    砕物保有量が現在値に一致する分級器回転数を動特性シ
    ミュレーションモデルにより探索し、(vii)上記
    (v)、(vi) で算出した粉砕ローラ加圧力および分級
    器回転数をそれぞれの新たな指令信号とする。 3)過大振動発生の検知、または予知がなく、かつ被粉
    砕物保有量が一制御サイクル前と同じときは、負荷指令
    信号を原料供給量指令信号とし、分級器回転数基準信
    号、粉砕ローラ加圧力基準信号には現在の指令信号値を
    そのまま与える。 4)過大振動発生の検知、または予知がなく、かつ被粉
    砕物保有量が一制御サイクル前より増加、もしくは減少
    した場合は、上記2)の振動回避操作とは逆の演算によ
    り、分級器回転数、粉砕ローラ加圧力を基準値まで回復
    (増加)させる。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2019141755A (ja) * 2018-02-16 2019-08-29 株式会社Ihi 制御装置
WO2019244678A1 (ja) * 2018-06-19 2019-12-26 三菱日立パワーシステムズ株式会社 竪型粉砕機
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