JP3643153B2 - 粉砕機の制御装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、粉砕機の制御装置に係り、ことに、被粉砕物の生産量、粒径分布の良好な制御応答性を実現し、かつ、粉砕機の故障発生を防止するに好適な粉砕機の制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
図2は、本発明の適用対象となる粉砕機と、従来技術による制御装置を図示している。被粉砕原料1を供給するフィーダー2は原料供給指令信号3に従って被粉砕原料運搬速度を加減され、信号3に比例する原料を粉砕機のホッパ4に与える。被粉砕原料は電動機5により回転され、被粉砕物の保有手段をなすターンテーブル6上に落下し、後述する分級手段により捕集された粗粒被粉砕物11、13と混合され保有被粉砕物7となる。保有被粉砕物7は遠心力により、粉砕手段8をなす前述のターンテーブルの外周に置かれた回転ローラーにより粉砕され、該外周を吹き上げる搬送空気9に乗り、分級手段(ベーン12)により分級され、そのうちの微粒分は粉砕機生産物10として需要先へと輸送される。
【0003】
次に、搬送空気9に乗った被粉砕物は、重力とのバランスにより大粒径の粒子が前述の保有手段6へと再循環する重力分級捕集被粉砕物11の流れを、さらに、比較的に粒径が小さく、該重力分級を通過した被粉砕物は分級手段のベーン12により旋回を受けて遠心力により、粒径が大なる粒子が再循環する遠心分級捕集被粉砕物13の流れを生じる。
【0004】
昨今では、遠心力分級において鋭敏な特性を得るため、前記ベーンに換えて、遠心力を与えるための回転羽根を電動機で駆動する回転式分級機が採用される場合もあるが、基本的機能としては同等に考えればよい。
従来技術の制御装置は被粉砕原料の供給量に応じて粉砕手段8の加圧力指令信号16、分級手段12の分級特性指令信号17を加減する構成である。ここで、原料供給フィーダー指令信号3は、通例、粉砕機生産物10の流量が需要先の需要量に対して過不足のないように加減され、当該生産物流量がオンライン計測可能な場合は、該流量計測値と目標値の偏差のPI(比例積分式)調節により与えればよい。しかしながら、多くの場合、該流量はオンライン計測が困難であるから、該流量と因果関係にある状態量で同様の目的を達する。例えば、被粉砕原料が石炭で、需要先がドラムボイラであれば、該ドラムの蒸気圧力は、バーナに供給される微粉炭流量と直接的な因果関係を有するから、該ドラム圧力が目標値となるよう、該偏差のPI調節により、フィーダー指令信号3を加減すればよい。
【0005】
そして、このとき加圧力指令信号16は関数要素18により、粉砕機の粉砕能力は該加圧力とともに増加することに基づき、被粉砕原料の供給量増加に応じて、加圧力を増加する方向で与えられる。
また、分級特性指令信号17は関数要素19により、一般に粉砕機は高負荷運転で粉砕機生産物10の粒径分布が悪化(粗粒分が増加)する傾向にあるため、被粉砕原料の供給量増に応じて分級設定を絞る(旋回力を増して粗粒の捕集効率を上げる)方向で与えられる。ただし、需要先の事情により、低負荷運転時にいっそうの粒度の向上を要求される場合もあり、関数要素18、19の設定法について、上述のごとく画一的に論じにくいが、指令信号16、17が被粉砕原料の供給量の関数となる点は従来技術において共通している。
また、従来技術では、しばしば粉砕機の回転動力を検出器28で表示し、内部の異常監視に供してきた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
図2に示す従来技術の制御回路は、粉砕手段8の摩耗が軽微な場合は、通常は問題となる事態は発生しない。しかしながら、当該摩耗がある程度進行すると粉砕機の特性が変化するため、加圧力指令信号16、分級特性指令信号17を変化させたり、場合によっては粉砕手段8の交換を推奨する必要があるにもかかわらず、上記従来技術には当該機能はない。従って、従来技術では粉砕機生産物10の粒度が変化したり、保有被粉砕物7の量が変化して被粉砕原料1の増減に対する粉砕機生産物10の応答時定数が相違したり、さらに摩耗により粉砕能力が著しく低下して運転不能(設計値を大幅に越える保有被粉砕物7の量が蓄積)の事態を招くことすらある。
【0007】
このような事態を防ぐため、従来は管理者が回転動力検出器28を監視し、被粉砕原料1供給量に比して当該動力が適切か否かで粉砕手段8の摩耗状況を判断し、必要な措置を講じてきた。しかしながら、日常的に運転負荷変化を行なう粉砕機にあっては、熟練管理者といえども、この方法では摩耗状況の把握が困難である。
【0008】
つまり、運転動力は本質的に粉砕機の保有被粉砕物7の量に依存し、当該判断には該保有量を把握せねばならないが、当該把握は負荷一定時(定常状態)以外では高度な課題となるからである。
すなわち、定常状態であれば当該保有量は被粉砕原料1供給量、分級機構12の設定(捕集されて再び保有被粉砕物となる量に影響)から一義的に定まる平衡値となり、当該供給量、当該設定から(当該保有量を直接意識しなくても結果として)熟練者は正常な回転動力を判断できる。これに対し、負荷変化中はまさに当該平衡状態へ向けた変化の過程であり、保有被粉砕物7の量の把握は難しい。
【0009】
結局、従来技術では、原料1供給量の高頻度変化運用において、時事刻々の当該供給量を知っても保有被粉砕物7の量の把握が困難だから、本質的に該保有量に対応して求まる回転動力の正常値(粉砕手段8の摩耗が許容範囲の際の値)が不明である。よって、熟練管理者にとっても回転動力検出器28指示の妥当性評価は一般に難しく、当該摩耗への対処は困難といえる。
【0010】
本発明の目的は、以上の不具合を解消し、高頻度負荷変化の粉砕機における、粉砕機構の摩耗に対処することができる、粉砕機の制御装置を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため本願で特許請求する発明は以下のとおりである。
(1)粉砕機内で回転する被粉砕物保有手段と、該保有手段へ原料を供給する手段と、前記保有手段に所要加圧力で押圧される粉砕手段と、該粉砕手段により粉砕された被粉砕物の粗粒分を保有手段に再循環するとともに微粒分を粉砕機生産物として需要側に送るための分級手段と、保有手段への原料供給量を制御する手段と、該原料供給量に基づき分級手段の分級特性を制御する手段と、前記原料供給量に基づき粉砕手段の加圧力を制御する手段とを備えた粉砕機の制御装置において、原料供給手段の原料供給量制御信号と粉砕手段の加圧力制御信号と分級手段の分級特性制御信号とを入力し、前回計算時点の粉砕手段の摩耗状況推定値に基づき、粉砕機内の粉砕、分級、混合、滞留を模擬した動特性モデルを用いて被粉砕物保有量を算出し、これにより粉砕機の回転動力予測値を得る第1の演算手段と、第1の演算手段で得た回転動力予測値と回転動力計測値の偏差を入力して、粉砕手段の摩耗状態の前回計算時点の推定値を補正して今回計算時点の当該推定値を得る第2の演算手段と、今回計算時点の粉砕手段の摩耗状況推定値の設計条件からの相違に応じて粉砕手段の加圧力補正信号を得る第3の演算手段と、第3の演算手段により得た加圧力補正信号により粉砕手段の加圧力を補正する手段を設けたことを特徴とする粉砕機の制御装置。
【0012】
(2)粉砕機内で回転する被粉砕物保有手段と、該保有手段へ所要量の原料を供給する手段と、前記保有手段に所要加圧力で押圧される粉砕手段と、該粉砕手段で粉砕された被粉砕物の粗粒分を保有手段に再循環するとともに微粒分を需要先へ送るための分級手段と、需要先の需要量に応じて保有手段への原料供給量を制御する手段と、該原料供給量に基づき粉砕手段の加圧力を制御する手段と、前記原料供給量に基づき分級手段の分級特性を制御する手段とを備えた粉砕機の制御装置において、原料供給手段の原料供給量信号と粉砕手段の加圧力信号と分級手段の分級特性信号とを入力し、前回計算時点の粉砕手段の摩耗状況推定値に基づき、粉砕機の動特性モデルを用いて被粉砕物保有量を算出し、これにより粉砕機の回転動力予測値を得る第1の演算手段と、第1の演算手段で得た回転動力予測値と回転動力計測値の偏差を入力して、粉砕手段の摩耗状態の前回計算時点の推定値を補正して今回計算時点の当該推定値を得る第2の演算手段と、今回計算時点の粉砕手段の摩耗状況推定値の設計摩耗条件からの相違に応じて分級手段の分級特性補正信号を得る第3の演算手段と、第3の演算手段により得た分級特性補正信号により分級手段の分級特性制御量を補正する手段を設けたことを特徴とする粉砕機の制御装置。
【0013】
(3)粉砕機内で回転する被粉砕物保有手段と、該保有手段へ所要量の被粉砕原料を供給する手段と、前記保有手段に所要加圧力で押圧される粉砕手段と、該粉砕手段を通過した被粉砕物の粗粒分を保有手段に再循環するとともに微粒分を粉砕機生産物として需要先へ送るための分級手段と、保有手段外周部を吹き上げ粉砕手段で粉砕された被粉砕物を分級手段に搬送するとともに、分級手段で分級された微粒分を需要先に搬送する搬送空気の供給手段と、需要先の需要量に基づき保有手段への原料供給量を制御する手段と、該原料供給量に基づき粉砕手段の加圧力を制御する手段と、上記原料供給量に基づき分級手段の分級特性を制御する手段とを備えた粉砕機の制御装置において、原料供給量制御信号、加圧力制御信号、分級特性制御信号を入力し、現時点の粉砕手段摩耗量の仮定値、または、前回計算時点での摩耗量推定値に基づき、動特性モデルを用いて被粉砕物保有量を算出し、これにより粉砕機の回転動力予測値を第1の演算手段と、第1の演算手段で求めた回転動力予測値と回転動力測定値との偏差を入力してファジィ推論により、粉砕手段の摩耗量の前回計算時点の推定値を補正して今回計算時点の摩耗量推定値を得る第2の演算手段と、今回計算時点の摩耗量推定値の設計摩耗条件からの相違に応じてファジィ推論により粉砕手段の加圧力補正信号と分級手段の分級特性補正信号とを得る第3の演算手段と、第3の演算手段により得た加圧力補正信号により粉砕手段の加圧力を補正する手段と、第3の演算手段より得た分級特性補正信号により分級手段の分級特性を補正する手段とを設けたことを特徴とする粉砕機の制御装置。
【0014】
本発明では、粉砕機構の摩耗を推定するにあたり、現時点の粉砕手段の摩耗量は未知であるから、まず、摩耗の仮定値により実プラントの回転動力を予測し、当該予測値と実測値との偏差に応じて上述の仮定値を補正し、求める推定値となす。
具体的には、第1の演算手段において、周期的に被粉砕物保有量を求めるにあたり、前回の計算時点で求めた当該摩耗量推定値に基づき、現在の当該摩耗量の仮定値を粉砕機の動特性モデルに与える。当該仮定値は、前回と今回の計算時点の間隔が小さければ、摩耗量の前回値そのままでよいし、そうでない場合は、時間間隔に応じた摩耗量増加分を考慮する。いずれにせよ、当該仮定値は第2の演算手段での計算の初期値にあたるから、真値に近いほど推定が速く収束する。
【0015】
第1の演算手段は、粉砕機の動特性モデルを用いて、記憶しておいた前回計算時点の被粉砕物保有量、現時点の粉砕手段摩耗量の仮定値、被粉砕原料の供給量から、現時点の被粉砕物保有量を算出し、さらに、当該保有量に対応する回転動力の予測値を求める。
第2の演算手段は、一般的に、回転動力の実測値が予測値より大であれば、摩耗量は過小評価であったとして、当該仮定値を増加方向に修正し、逆の場合も同様に作用する。
【0016】
なお、第1と第2の演算手段の作動形態は、各計算時点において、上述の運転動力の予測値と実測値の偏差が規定値以内となるまで収束計算を繰り返す場合と、1回または規定回数で当該収束計算を打ち切る場合がある。これらは、採用する計算機の計算速度と各計算時点の時間間隔の兼ね合いで決定する。
【0017】
【発明の実施の形態】
本発明における粉砕機の制御装置は、粉砕機の動特性モデルを用い、粉砕機構の摩耗量仮定値(通常は前回の計算における推定値)に基づき、現時点における被粉砕物保有量を求め、これにより、粉砕機の運転動力の予測値を算出する第1の演算手段、および当該予測値と実測の運転動力の偏差から、先の粉砕機構の摩耗量仮定値を修正して現時点の当該摩耗量の推定値とする第2の演算手段を中心に構成される。ここに、第1の演算手段中の動特性モデルとは、非定常状態について、周期的な計算により、現時点の粉砕機の操作量と1計算周期前に求めた粉砕機の状態量から、現時点の粉砕機の状態量を求める手段をいう。また、第2の演算手段において、運転動力の偏差から摩耗量仮定値を修正するにあたり、系の確率微分方程式に基づく最尤推定法、経験的知見によるファジィ推論、実機特性の学習に基づくニューラルネットワーク、最も簡単に実施可能なPI動作等が適用できる。
【0018】
本発明は、上記構成により負荷変化時も含め、粉砕手段の摩耗の推定値を得た後、第3の演算手段により、当該摩耗量の推定値に基づいて加圧力指令信号、および分級特性指令信号の補正量を求めたり、必要な場合、粉砕手段の交換を推奨するメッセージを表示することにより達成される。
以下、本発明の内容を図面を使って詳細に説明する。
【0019】
図1は本発明の実施例であり、以下、従来技術による図2の実施例と共通の部位には同一の部品番号を付し、説明を省略する。
第1の演算手段21は、当該時点において実機粉砕機と同一の操作量(原料供給指令信号3、加圧力指令信号16、分級特性指令信号17)を入力し、現時点の摩耗状況(摩耗量)の仮定値(前回計算時点の推定値27)に基づき、動特性モデルを用いて被粉砕物7保有量を算出し、これにより、回転動力予測値25を得る。
【0020】
当該動特性モデルとしては、着目する諸量の関係を実測データで整理した統計モデルでも使用可能であるが、粉砕機内の諸過程(粉砕、分級、混合、滞留等)を忠実に模擬した物理モデルが最も広範囲の条件で高精度であり、本例では、物理モデルを用いる。さらに、物理モデルも手法上、各種あって、例えば、発明者自身の研究による「微粉炭ボイラ制御装置」(特願昭63−131342;昭63/5/31)に記したモデルも使用可能であるが、本例では発明者の最新の研究に係わり、粒度分布をわずか4つの変数(さきの特許出願にかかる実施例の手法では30程度の粒度分布のサンプル点を用いていた)で模擬可能で、高精度、低計算量な手法(計測自動制御学会中国支部学術講演会;平3/12/13にて発明者が講演)を採用することとし、次節を設けて詳細を説明する。
【0021】
第2の演算手段22は、回転動力計測値29の偏差26を入力し、ファジィ推論により、摩耗状況の仮定値(前回計算時点の推定値27)を補正して、今回計算時点の当該推定値27を得る。
第3の演算手段23は、今回計算時点の摩耗状況推定値27の粉砕手段の設計摩耗条件からの相違に応じて、ファジィ推論により、加圧力補正信号34、分級特性補正信号35を求める。一般には、摩耗の進行とともに加圧力を増加、分級設定を絞り(50%通過粒径を低下)の方向に補正すればよい。
【0022】
第1の演算手段において、動特性モデルは以下に述べる手順に従い、加圧力指令信号16から粉砕速度定数P、分級特性指令信号17から分級特性cj (ξ)、原料供給指令信号3からQibをそれぞれ与えて、被粉砕物7保有量をGb として求めればよい。
粉砕機内の現象
断面を微小時間に通過する粒子中、粒径ξ以下なる質量割合により粒度分布が定義可能で、その密度関数をg(ξ)と表記し、適宜に場所を示す添字を付加する。サンプルされた静止状態の質量粒度分布密度f(ξ)との関係は質量流量Qを用いて次式となる。
【0023】
【数1】
g(ξ)≡E{Q|(ξ,ξ+dξ〕}f(ξ)/E{Q} (1)
粉砕前後の諸量にそれぞれ添字ipopを与えると、粒度分布について次の関係がある。
【数2】
Figure 0003643153
【0024】
ここに、粒径ξを対数軸にとると条件付確率密度gopipは Austin らの解明した粉砕分布定数と一致し、これをsとする。
【数3】
opip(ξ|η)=s(ξ−η) (3)
質量流量については、粉砕機構内で蓄積はないと仮定して次式を得る。
【0025】
【数4】
E{Qop}=E{Qip} (4)
第j番目の分級機構について、各「粒子の通過」は互いに独立事象であって、Θj をインジケータとすれば、実験により解明されている分級効率cj (ξ)と次の関係がある。
【0026】
【数5】
Pr{Θj =0|(ξ,ξ+dξ〕}=Cj (ξ) (5)
Pr{Θj =1|(ξ,ξ+dξ〕}=1−Cj (ξ) (6)
分級入口粉体流、循環粉体流、および通過粉体流に係わる諸量にそれぞれ添字ijrjojを与えると、ベイズ定理により粒度分布密度の次の表式を得る。
【0027】
【数6】
rj(ξ)=Cj ( ξ)gij(ξ)/rj (7)
oj(ξ)=〔1−Cj ( ξ)〕gij(ξ)/(1−rj ) (8)
ここに、
【0028】
【数7】
Figure 0003643153
分級機構周辺の流量は次のとおり求められる。
【0029】
【数8】
Figure 0003643153
分級機構(j=0,………,n)からの循環粉体流と、原料粉体流(添字ib)とを混合して流出粉体流(添字ob)となす機構を考える。ここで混合機構粉体保有量Gb とQobとの間に次の関係を仮定する。
【0030】
【数9】
E{Qob}=E{P}E{Gb } (12)
Pは粒径と独立とし、この仮定を正当化するため、混合機構と続く粉砕機構の間に仮想的な分級機構(j=0)を設けて Austin らの解明したξに依存する粉砕速度定数を考慮する。
ここで(1)と(12)に着目し、混合により粒径は変化しないと考えて、(ξ,ξ+dξ〕に属する粒子のマスバランス式が得られる。
【0031】
【数10】
Figure 0003643153
モデルの数学的記述
Ξが分布密度g(ξ)に従うときλ、ρで規準化(アフィン変換)したモーメントを考える。
【0032】
【数11】
k (λ,ρ)≡E{〔(Ξ−λ)/ρ〕k } (14)
このとき、キュムラントβk (λ,ρ)が対応して求められる。本モデルでは分布密度を次の4パラメータで整理する。
【0033】
【数12】
μ=V1(0,1),σ=〔V2(0,1)〕1/2 (15)
Skewness: β3(μ,σ)=V3(μ,σ) (16)
Excess: β4(μ,σ)=V4(μ,σ)−3 (17)
これらより一意にエッジワース展開係数αk が求まり、分布密度を具体的に表示できる。
【0034】
【数13】
Figure 0003643153
ここにp(ξ;μ,σ)はガウス分布、hk はk次のエルミート多項式である。
(3)を(2)に代入すると重畳積分であって、キュムラントの和に帰着し、以下を得る。
【0035】
【数14】
Figure 0003643153
ここに、添字は、sは粉砕分布定数sを、それ以外は各粒度分布密度gを指す。さらに、μop、σop、β3op, σop)、β4op, σop)は(15)〜(17)および次式を用いて計算できる。
【0036】
【数15】
Figure 0003643153
j (ξ)は適当なγmj、λmj、ρmjを用いて近似できる。
【0037】
【数16】
j (ξ)≒Σm γmjp(ξ;λmj,ρmj) (24)
ij(ξ)は(18)の形式であり、(7)、(10)より循環粉体流の諸量が具体的に求められる。
【0038】
【数17】
Figure 0003643153
ここに次の関係がある。
【0039】
【数18】
Figure 0003643153
また、αOrjmk は次式にエルミート多項式の加法定理を適用し、係数を整理して得られる。
【0040】
【数19】
Figure 0003643153
(25)は分布密度の重みつき混合であり、添字m についてαOrjmk からVk (λmrj , ρmrj )が一意に求まり、同一λ、ρのVk は重みつき加算が可能だから、結局、(23)、(15)〜(17)を用いてμrj、σrj、β3rj, σrj)、β4rj, σrj)が計算できる。添字ojの通過粉体流についても同様の議論である。
適当に選んだλb 、ρb で規準化すると(13)よりvkob についての微分方程式を得る。
【0041】
【数20】
Figure 0003643153
(23)、(15)〜(17)を適用すれば、一般に、μ、σ、β3, σ)、β4, σ)とvk (λ,ρ)の相互変換が可能だから、(30)を離散時間系の逐次計算として、解くことができる。このとき Pade 近似の採用で安定な数値計算が可能となる。
【0042】
【発明の効果】
本発明によれば、次の効果がある。
1)頻繁な負荷変化を行なう粉砕機にあっても、常時、負荷静定をもつことなく、粉砕機構の摩耗量を把握できる。
2)粉砕機の加圧力が、粉砕機構の摩耗量に応じて調節され、高速負荷変化時にあっても、粉砕機出口粒径分布の低下、粉体生産量の伸び悩みが防げる。また、不必要な加圧による摩耗も予防できる。
3)粉砕機の分級設定が、粉砕機構の摩耗量に応じて調節され、高速負荷変化時にあっても、該粉砕機生産物の良好な粒度分布が維持できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例を示す図。
【図2】従来技術の説明図。
【符号の説明】
1…被粉砕原料、2…フィーダー、3…原料供給指令信号、4…ホッパ、5…電動機、6…ターンテーブル、7…保有被粉砕物、8…粉砕手段、9…搬送空気、10…粉砕機生産物、11…重力分級捕集被粉砕物、12…ベーン、13…遠心分級被粉砕物、16…加圧力指令信号、17…分級特性指令信号、18、19…関数要素、21…第1の演算手段、22…第2の演算手段、23…第3の演算手段、24…信号減算要素、25…回転動力予測値、26…回転動力予測誤差、27…摩耗状況推定値、28…回転動力検出器、29…回転動力計測値、30…加圧指令基本信号、31…分級特性指令基本信号、32…信号加算要素、33…信号加算要素、34…加圧力補正信号、35…分級特性補正信号。

Claims (3)

  1. 粉砕機内で回転する被粉砕物保有手段と、該保有手段へ原料を供給する手段と、前記保有手段に所要加圧力で押圧される粉砕手段と、該粉砕手段により粉砕された被粉砕物の粗粒分を保有手段に再循環するとともに微粒分を粉砕機生産物として需要側に送るための分級手段と、保有手段への原料供給量を制御する手段と、該原料供給量に基づき分級手段の分級特性を制御する手段と、前記原料供給量に基づき粉砕手段の加圧力を制御する手段とを備えた粉砕機の制御装置において、原料供給手段の原料供給量制御信号と粉砕手段の加圧力制御信号と分級手段の分級特性制御信号とを入力し、前回計算時点の粉砕手段の摩耗状況推定値に基づき、粉砕機内の粉砕、分級、混合、滞留を模擬した動特性モデルを用いて被粉砕物保有量を算出し、これにより粉砕機の回転動力予測値を得る第1の演算手段と、第1の演算手段で得た回転動力予測値と回転動力計測値の偏差を入力して、粉砕手段の摩耗状態の前回計算時点の推定値を補正して今回計算時点の当該推定値を得る第2の演算手段と、今回計算時点の粉砕手段の摩耗状況推定値の設計条件からの相違に応じて粉砕手段の加圧力補正信号を得る第3の演算手段と、第3の演算手段により得た加圧力補正信号により粉砕手段の加圧力を補正する手段を設けたことを特徴とする粉砕機の制御装置。
  2. 粉砕機内で回転する被粉砕物保有手段と、該保有手段へ所要量の原料を供給する手段と、前記保有手段に所要加圧力で押圧される粉砕手段と、該粉砕手段で粉砕された被粉砕物の粗粒分を保有手段に再循環するとともに微粒分を需要先へ送るための分級手段と、需要先の需要量に応じて保有手段への原料供給量を制御する手段と、該原料供給量に基づき粉砕手段の加圧力を制御する手段と、前記原料供給量に基づき分級手段の分級特性を制御する手段とを備えた粉砕機の制御装置において、原料供給手段の原料供給量信号と粉砕手段の加圧力信号と分級手段の分級特性信号とを入力し、前回計算時点の粉砕手段の摩耗状況推定値に基づき、粉砕機の動特性モデルを用いて被粉砕物保有量を算出し、これにより粉砕機の回転動力予測値を得る第1の演算手段と、第1の演算手段で得た回転動力予測値と回転動力計測値の偏差を入力して、粉砕手段の摩耗状態の前回計算時点の推定値を補正して今回計算時点の当該推定値を得る第2の演算手段と、今回計算時点の粉砕手段の摩耗状況推定値の設計摩耗条件からの相違に応じて分級手段の分級特性補正信号を得る第3の演算手段と、第3の演算手段により得た分級特性補正信号により分級手段の分級特性制御量を補正する手段を設けたことを特徴とする粉砕機の制御装置。
  3. 粉砕機内で回転する被粉砕物保有手段と、該保有手段へ所要量の被粉砕原料を供給する手段と、前記保有手段に所要加圧力で押圧される粉砕手段と、該粉砕手段を通過した被粉砕物の粗粒分を保有手段に再循環するとともに微粒分を粉砕機生産物として需要先へ送るための分級手段と、保有手段外周部を吹き上げ粉砕手段で粉砕された被粉砕物を分級手段に搬送するとともに、分級手段で分級された微粒分を需要先に搬送する搬送空気の供給手段と、需要先の需要量に基づき保有手段への原料供給量を制御する手段と、該原料供給量に基づき粉砕手段の加圧力を制御する手段と、上記原料供給量に基づき分級手段の分級特性を制御する手段とを備えた粉砕機の制御装置において、原料供給量制御信号、加圧力制御信号、分級特性制御信号を入力し、現時点の粉砕手段摩耗量の仮定値、または、前回計算時点での摩耗量推定値に基づき、動特性モデルを用いて被粉砕物保有量を算出し、これにより粉砕機の回転動力予測値を得る第1の演算手段と、第1の演算手段で求めた回転動力予測値と回転動力測定値との偏差を入力して粉砕手段の摩耗量の前回計算時点の推定値を補正して今回計算時点の摩耗量推定値を得る第2の演算手段と、今回計算時点の摩耗量推定値の設計摩耗条件からの相違に応じて粉砕手段の加圧力補正信号と分級手段の分級特性補正信号とを得る第3の演算手段と、第3の演算手段により得た加圧力補正信号により粉砕手段の加圧力を補正する手段と、第3の演算手段より得た分級特性補正信号により分級手段の分級特性を補正する手段とを設けたことを特徴とする粉砕機の制御装置。
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