JPH09192176A - ベッドのフレーム構造 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 通常使用時には十分なベッド面積を確保し、
各部屋への移動時にはベッド幅を小さく抑えて、開口の
狭い部屋への出入りを可能にする。 【解決手段】 背上げおよび脚下げ可能となるように複
数個所にて折り曲げ自在に組み付けられ、かつ横幅の長
さが可変の複数組のフレームを備えて、該フレームのい
ずれかにベッドを走行可能に支持するキャスターを取り
付ける。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】この発明は、病院及び老人介
護などに用いられ、各部屋間を老人や病人を乗せたまま
移動できるベッドのフレーム構造に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来から、寝たきり老人や病人を介護、
看護するのに、背上げや脚下げができるように複数箇所
で折り曲げて保持できる、チェアベッドと呼ばれるベッ
ドが広く利用されている。

【０００３】そして、かかる介護などに用いるベッドと
して、上記複数箇所で折り曲げを選択的かつ自動的に行
えるものや、このベッドを構成するフレームにこのベッ
ドを移動させるためのキャスターを取り付けたものなど
が種々提案されている。

【０００４】なお、かかるベッドはその上で老人等が寝
返りをうったり、介護サービスを受けられるように、例
えばその横幅寸法が９００〜１０００ｍｍ程度に作られ
ており、必要に応じ、そのベッドの両側に手摺りなどが
連設されている。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、かかる
従来のベッドにあっては、上記介護サービスなどの観点
から横幅寸法が、通常の日本家屋における各部屋間の移
動間口の寸法（例えば９００ｍｍ）を超えることとな
り、各部屋のドアを開いても各部屋間を自由に移動する
ことができないという課題があった。

【０００６】この発明は上記のような従来の課題を解決
するためになされたものであり、通常は寝返りをうった
り、介護サービスを受けたりするために十分なベッド面
積、空間を確保できるとともに、間口寸法が不十分な各
部屋間への移動も容易に実現できるベッドのフレーム構
造を提供することを目的とする。

【０００７】

【課題を解決するための手段】請求項１の発明にかかる
ベッドのフレーム構造は、背上げおよび脚下げ可能とな
るように複数箇所にて折り曲げ自在に組付けられ、かつ
横幅の長さが可変の復数組のフレームを備えて、該フレ
ームの下部にベッドを移行可能に支持するキャスターを
取り付けたものである。

【０００８】また、請求項２の発明にかかるベッドのフ
レーム構造は、各組のフレームを、中央部のメインフレ
ーム部材と、該メインフレーム部材の両側にスライド可
能に伸縮するサイドフレーム部材またはヒンジ部材を介
して折り曲げ可能に取付けられたサイドフレーム部材と
から構成したものである。

【０００９】また、請求項３の発明にかかるベッドのフ
レーム構造は、各組のフレームを、中央部のメインフレ
ーム部材と、該メインフレーム部材の両側に分離可能に
装着されたサイドフレーム部材とから構成したものであ
る。

【００１０】また、請求項４の発明にかかるベッドのフ
レーム構造は、少なくとも臀部を支持する部位のフレー
ムを、中央部のメインフレーム部材と、該メインフレー
ム部材の両側にヒンジ部材を介して折り曲げ可能に取り
付けられたサイドフレーム部材とから構成したものであ
る。

【００１１】

【発明の実施の形態】以下、この発明の実施の一形態を
図について説明する。図１はこの発明のベッドのフレー
ム構造を示す斜視図であり、同図において、１，２，
３，４，５は鉄パイプ、アルミパイプなどを四角形に溶
接などによって組付けて形成した５組のメインフレーム
部材である。

【００１２】これらの各メインフレーム部材１，２，
３，４，５は、図示しないワイヤネット、金属パネル、
樹脂パネルなどのマット受けおよびマットを介して、人
体の頭部、胴部、臀部、脚部、足部をそれぞれ支持する
サイズおよび形状に設計されている。

【００１３】なお、この実施の形態では、各メインフレ
ーム部材１〜５のうち、左右にそれぞれ延びる一対の横
フレーム１ａ，２ａ，３ａ，４ａ，５ａは、各一対の縦
フレーム１ｂ，２ｂ，３ｂ，４ｂ，５ｂよりも太いパイ
プ材にて形成されている。

【００１４】また、各メインフレーム部材部材１〜５の
各縦フレーム１ｂ〜５ｂは、互に隣接する側において横
フレーム１ａ〜５ａのそれぞれから外へ幾分突出して、
ヒンジ部材、例えばピン６によりそれぞれ相互に回動自
在に軸支されている。

【００１５】従って、これらのメインフレーム部材１〜
５はピン６によって相互に折り曲げ可能とされ、かつ図
示しない折り曲げ角度調整部材によりその相互の折り曲
げ角度が調整可能に連結されている。

【００１６】さらに、７，８，９，１０は鉄パイプやア
ルミパイプなどを組付けまたは折り曲げによりコ字状に
形成した各一対のサイドフレーム部材であり、これらの
各サイドフレーム部材７〜１０の両端は、上記メインフ
レーム部材１，２，４，５を構成する各横フレーム１
ａ，２ａ，４ａ，５ａの各両端に開口する、図２に示す
ようなパイプ穴Ｈ内にスライド可能に収納されている。

【００１７】なお、各横フレーム１ａ，２ａ，４ａ，５
ａには、図示しないスライド止め具によって、上記サイ
ドフレーム部材部材７〜１０の各横フレーム１ａ，２
ａ，４ａ，５ａに対する上記スライドおよび抜け（分
離）が規制されるようになっている。またメインフレー
ム部材１，２，４，５，３およびサイドフレーム部材
７，８，９，１０，１１はそれぞれがフレームＡ，Ｂ，
Ｃ，Ｄ，Ｅを構成している。

【００１８】一方、１１は鉄パイプやアルミパイプなど
からなる一対のコ字状のサイドフレーム部材であり、こ
のサイドフレーム部材１１の両端部には、図３および図
４に示すように、これの長手方向に長孔１２がそれぞれ
設けられている。そして、これらの長孔１２が、上記メ
インフレーム部材３を構成する一対の横フレーム３ａ端
の切欠１４内に、水平方向に架設されたヒンジ部材、例
えばピン１３に挿通されている。

【００１９】従って、上記サイドフレーム部材１１はメ
インフレーム部材３の両側に回動および起立可能とさ
れ、かっこの起立状態が図示しない倒れ防止手段によっ
て保持可能とされている。

【００２０】また、メインフレーム部材３の下部には４
本の支柱１５が連設され、これらの各支柱１５の下端に
枠部材１６が取り付けられている。そして、これらの枠
部材１６の４つ角部にキャスター１７が回転自在に取り
付けられている。

【００２１】次に、かかる構成になるベッドのフレーム
構造の使用方法について述べる。通常の使用状態では、
図１に示すように、各サイドフレーム部材７〜１０がメ
インフレーム部材１，２，４，５の各横フレーム１ａ，
２ａ，４ａ，５ａ端から引き出されて、全体が拡げられ
ている。また、他のサイドフレーム部材１１がメインフ
レーム部材３の両側に図３，図４にも詳しく示すように
倒される。

【００２２】また、上記各メインフレーム部材１〜５に
はワイヤネット，金属パネル，樹脂パネルなどのマット
受けがそれぞれ取り付けられ、これらのマット受け上に
マットが載置されている。そして老人などは、そのマッ
ト上に敷いた布団の上で休むことができるようになって
いる。

【００２３】そこで、このベッドをチェア状態とするに
は、メインフレーム部材３に位置するマット上に老人を
座らせて、胴部および頭部に位置するメインフレーム部
材１，２を図６に示すようにヒンジ部としてのピン６を
中心に折り曲げて、所定角度に起立させるとともに、脚
部および足部に位置するメインフレーム部材４，５をピ
ン６を中心に垂下方向へ所定角度だけ折り曲げる。

【００２４】また、このようなチェア状態にあるベッド
に老人を乗せたまま、部屋を移動する場合には、上記各
サイドフレーム部材７〜１０の両端をメインフレーム部
材１，２，４，５の横フレーム１ａ，２ａ，４ａ，５ａ
内に押し入れて、図６に示すように横幅を縮めるととも
に、他のサイドフレーム部材１１の両端をピン１３を中
心に回動操作して立ち上げる。

【００２５】なお、このサイドフレーム部材１１の立ち
上げは、長孔１２をピン１２に沿って摺動させ、切欠１
４の切欠縁１４ａにサイドフレーム部材１１端を当接さ
せることで、上記回動操作が規制される。また、図示し
ない周知の倒れ止め手段によって、上記サイドフレーム
１１の立ち上げ状態が保持される。

【００２６】このようにすることで、ベッド全体の幅は
メインフレーム部材１〜５の幅に対し、これらの両側の
サイドフレーム部材７〜１１の太さを加えたサイズに納
めることが可能になる。従って、このようなフレーム構
造を持ったベッドは、例えば横幅を６００ｍｍ程度にす
ることができ、ドアの開口幅が９００ｍｍ程度でもここ
を容易に通り抜けることができる。

【００２７】なお、上記サイドフレーム部材７〜１１を
上記とは逆方向に操作することで、フレーム構造を図１
に示す状態に戻すことができ、これによって横幅が拡げ
られた広いベッド上で介護サービスを受けたり寝返りを
うったりすることができる。

【００２８】また、上記サイドフレーム部材７〜１０は
各メインフレーム部材１，２，４，５の横フレーム１
ａ，２ａ，４ａ，５ａから抜き取る（分離する）ことに
よって、上記のベッド幅の縮小量をさらに大きなものと
することができる。

【００２９】さらに、上記サイドフレーム部材１１はメ
インフレーム部材３の側方で起立させることで、マット
や布団のずれ止め効果が得られるとともに、手摺りとし
て使用できる。また、このサイドフレーム部材１１をメ
インフレーム部材３に対して、他のサイドフレーム部材
７〜１０とメインフレーム部材１，２，４，５との関係
と同じように、スライド可能とすることができる。

【００３０】また、上記メインフレーム部材１〜５を構
成する横フレーム１ａと縦フレーム１ｂ、横フレーム２
ａと縦フレーム２ｂ、横フレーム３ａと縦フレーム３
ｂ、横フレーム４ａと縦フレーム４ｂ、横フレーム５ａ
と縦フレーム５ｂを、マット受けの板体に一体に組み込
むようにすることも任意である。

【００３１】こうすれば、マット受けと各フレームを樹
脂成形によって簡単かつローコストに形成できる利点が
得られる。なお、本実施の形態では、ヒンジ部材として
ピン６，１３を示したが、他のヒンジ部材であってもよ
いことは勿論である。

【００３２】

【発明の効果】以上のように、請求項１の発明によれば
背上げおよび脚下げ可能となるように複数個所にて折り
曲げ自在に組付けられ、かつ横幅の長さが可変の複数組
のフレームを備えて、該フレームの下部にベッドを移動
可能に支持するキャスターを取り付けるように構成した
ので、通常は寝返りをうったり、介護サービスを受けた
りするための十分なベッド面積、空間を確認できるとと
もに、開口寸法が不十分な各部屋間の移動も容易に実現
できるものが得られる効果がある。

【００３３】また、請求項２の発明によればメインフレ
ーム部材の両端にサイドフレームをスライド可能または
折り曲げ（回動）可能とすることで、フレーム構造の伸
び縮み構造を簡単かつローコストに実現できるという効
果が得られる。

【００３４】また、請求項３の発明によればメインフレ
ーム部材に対してサイドフレーム部材を分離可能とした
ので、フレーム構造の横幅の縮み量をさらに大きくでき
るという効果が得られる。

【００３５】さらに、請求項４の発明によれば臀部に位
置するメインフレーム部材の両端に設けられるサイドフ
レーム部材を、そのメインフレーム部材に対して折り曲
げ自在としたので、このサイドフレーム部材をマットや
布団のずれ止めおよび手摺りとして利用できる効果が得
られる。

【図面の簡単な説明】

【図１】この発明の実施の一形態によるベッドのフレー
ム構造を示す斜視図である。

【図２】図１におけるサイドフレーム部材のメインフレ
ーム部材に対する接続構造を示す要部の断面図である。

【図３】図１における他のサイドフレーム部材のメイン
フレーム部材に対する接続構造を示す要部の正面図であ
る。

【図４】図３に示す接続構造の平面図である。

【図５】図３に示す接続構造の動作状態を示す正面図で
ある。

【図６】図１に示すフレーム構造の移動時の状態を示す
斜視図である。

【符号の説明】

Ａ，Ｂ，Ｃ，Ｄ，Ｅ フレーム １，２，３，４，５ メインフレーム部材 ７，８，９，１０，１１ サイドフレーム部材 １３ ピン（ヒンジ部材） １７ キャスター

Claims (4)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 背上げおよび脚下げ可能となるように複
   数箇所にて折り曲げ自在に組付けられ、かつ横幅の長さ
   が可変の複数組のフレームと、該フレームの下部に取り
   付けられてベッドを移行可能に支持するキャスターとを
   備えたことを特徴とするベッドのフレーム構造。
2. 【請求項２】 上記各組のフレームが、中央部のメイン
   フレーム部材と、該メインフレーム部材の両側にスライ
   ド可能に伸縮されるサイドフレーム部材またはヒンジ部
   材を介して折り曲げ可能に取付けられたサイドフレーム
   部材とから構成されていることを特徴とする請求項１に
   記載のベッドのフレーム構造。
3. 【請求項３】 上記各組のフレームが、中央部のメイン
   フレーム部材と、該メインフレーム部材の両側に分離可
   能に装着されるサイドフレーム部材とから構成されてい
   ることを特徴とする請求項１記載のベッドのフレーム構
   造。
4. 【請求項４】 少なくとも人の臀部を支持する部位に相
   当する上記フレームが、中央部のメインフレーム部材
   と、該メインフレーム部材の両側にヒンジ部材を介して
   折り曲げ可能に取り付けられたサイドフレーム部材とか
   ら構成されていることを特徴とする請求項１に記載のベ
   ッドのフレーム構造。