JPH09191156A - 偏波変調半導体レーザとその作製方法 - Google Patents

偏波変調半導体レーザとその作製方法

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JPH09191156A
JPH09191156A JP8020528A JP2052896A JPH09191156A JP H09191156 A JPH09191156 A JP H09191156A JP 8020528 A JP8020528 A JP 8020528A JP 2052896 A JP2052896 A JP 2052896A JP H09191156 A JPH09191156 A JP H09191156A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】変調時のチャーピングを抑えた偏波変調半導体
レーザである。 【解決手段】分布帰還型半導体レーザの共振器方向に2
つ以上の電極108を有し、電極108に対応して共振
器を構成する第1の光導波路部121と第2の光導波路
部122は、独立に電流注入可能でありかつ利得スペク
トルの注入電流依存性が異なる。この構成で、TEモー
ドでの周回利得とTMモードでの周回利得の競合するバ
イアス状態を選定できる。このバイアス状態のデバイス
に対して、1以上の電極108に微小変調信号を重畳し
て偏波変調する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は,偏波スイッチング
半導体レーザおよびその作製方法等に関する。
【0002】
【従来の技術】偏波スイッチング可能な動的単一モード
(Dynamic Single Mode)半導体レ
ーザとして、1つの例において、小振幅のデジタル信号
を注入電流に重畳したデジタル偏波変調を可能にする素
子構造が提案されている。これは、回折格子からなる分
布反射器を半導体レーザ共振器内部に導入し、その波長
選択性を利用する構造のDFBレーザを用いたものであ
った。発振波長近傍の波長の光のTE、TMモードの両
方に対して、発振しきい値程度の注入の下での利得をお
およそ同程度のものとするために、活性層の量子井戸に
歪を導入したり、ブラッグ波長を利得スペクトルのピー
クよりも短波長側に設定したりしている。そして、複数
の電極を持つ構成とし、これらの複数の電極に対して不
均一に電流注入を行うものであった。不均一注入によっ
て共振器の等価屈折率を不均一に変化させて、TEモー
ドとTMモードのうちで、位相整合条件を満たして最低
のしきい値利得となる波長と偏波モードで発振する構成
になっている。不均一注入のバランスをわずかに変える
ことで位相条件の競合関係が変化して、発振波長と偏波
モードを変えることができるというものであった。
【0003】このデバイスは、出力側と変調側に対する
不均一注入の効果を非対称に引き出すためには片端面無
反射コーティングとすることや、2つの電極の長さを変
えて構造的な非対称性を導入することが有効であった。
【0004】また、特開平2−1117190において
は、直列または並列に接続された2つの半導体装置を開
示し、その一方は主として特定の偏光状態の波を発生ま
たは増幅し、他方は主として別の偏光状態の波を発生ま
たは増幅するものを、1つの共同層または互いに平行す
る層に設けている半導体レーザ装置が提案されている。
【0005】
【発明が解決しようとしている課題】しかし、従来提案
されていた位相条件で偏波モードを選択するDFB系の
偏波スイッチングレーザでは、発振モードの選択が端面
位相に敏感であった。そのために、デバイスの発振波
長、偏波モードの電流注入条件依存性の複雑な振る舞い
や、デバイス間での偏波モードの特性のばらつきが生じ
ていた。この点を改良するべく両側の端面に無反射コー
テイングを施すと、デバイスの導波方向の非対称性が弱
くなり、不均一注入の効果が弱まって、安定した偏波ス
イッチングが得られないという問題点があった。
【0006】また、特開平2−1117190の提案に
おいては、幾何学的形状の選定によって特定の偏波状態
の波を発生または増幅するものとしているのであり、リ
ッジ作成時のエッチング深さ、リッジ幅のプロセス上の
ばらつきに分留まりが左右されるという問題点があっ
た。
【0007】従って、本出願に係る第1の発明の目的
は、変調時のチャーピングを抑えた偏波変調半導体レー
ザ構造とその駆動方法を提供することである(請求項
1、4に対応)。
【0008】また、本出願に係る第2の発明の目的は、
上記偏波変調半導体レーザ装置の製造工程でのばらつき
の影響を抑える作製方法を提供することである(請求項
2に対応)。
【0009】また、本出願に係る第3の発明の目的は、
上記偏波変調半導体レーザ装置の作製方法で、より精度
と安定性の高い作製方法を提供することである(請求項
3に対応)。
【0010】また、本出願に係る第4の発明の目的は、
上記構造の半導体レーザを有する光源装置を提供するこ
とである(請求項5に対応)。
【0011】また、本出願に係る第5の発明の目的は、
上記構造の半導体レーザを有する光通信システムを提供
することである(請求項6に対応)。
【0012】また、本出願に係る第6の発明の目的は、
上記構造の半導体レーザを用いた光通信方法を提供する
ことである(請求項7に対応)。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
本出願に係る第1の発明は、分布帰還型半導体レーザで
あって複数の活性層部分を直列に結合した構造を有し、
これら複数の活性層部分では偏波に対する利得スペクト
ルの注入電流依存性が異なっていることを特徴とする。
【0014】より具体的には、分布帰還型半導体レーザ
の共振器方向に少なくとも2つ以上の電極を有し、該電
極に対応して共振器を構成する第1の光導波路部と第2
の光導波路部は、独立に電流注入可能でありかつ利得ス
ペクトルの注入電流依存性が異なっているので、TEモ
ードでの周回利得とTMモードでの周回利得の競合する
ようなバイアス状態を選定することができる。このよう
なバイアス状態のデバイスに対して、1つないし2つ以
上の電極に微小変調信号を重畳した駆動方法で偏波変調
するものである。或は、上記バイアス状態のデバイスの
2つ以上の電極に微小変調信号とこの符号を反転したも
のを重畳した電流を印加するプッシュプル駆動法によっ
て偏波変調を行なうものである。
【0015】また、本発明の活性層構造を具体的に説明
すると、複数の量子井戸構造からなり、主にTEモード
光の利得に寄与する無歪みないし圧縮歪の量子井戸と、
主にTMモード光の利得に寄与し、TEモード光の利得
にも寄与のある伸張歪の量子井戸とをそれぞれ1つ以上
有しており、これらの井戸で最低準位間のバンドギャッ
プが等しく、上記活性層の部分ごとにこれらの井戸の数
が異なっていることを特徴としている。
【0016】また、本出願に係る第2の発明は、上記分
布帰還型半導体レーザの作製方法であって、(a)各導
波路部分に無歪みないし圧縮歪の量子井戸と伸張歪の量
子井戸とをそれぞれ1つ以上含んだ半導体層を形成する
工程によって活性層となる部分を一回の結晶成長工程で
作製し、(b)一部領域で上記工程で形成された半導体
層の一部を量子井戸層の一部に到達する深さまで除去す
る工程によって一部領域で活性層の層構成を異ならせ、
(c)基板全域に半導体層を形成してレーザの層構造と
する、というものである。
【0017】上記工程(a)において、各導波路部分に
対応する活性層の量子井戸は一回の結晶成長工程で作製
されるので、組成や井戸幅を共通のものとすることがで
きる。導波路部分間での差異は上記工程(b)における
活性層の一部の選択的除去だけとし、その後の成長工程
(c)も共通のものとしている。即ち、各導波路部での
種々のパラメータの作製時のばらつきの影響を抑止し、
意図的に導入する活性層の違いだけを利用することがで
きる。
【0018】また、本出願に係る第3の発明は、上記作
製方法による量子井戸の除去工程を容易かつ確実にする
ために、エッチングストップ層となる半導体層を設ける
ものである。より具体的には、エッチャントに対するエ
ッチングレートの異なる組成の異なる層を設けて、ウェ
ットエッチングによって所望の数の量子井戸までを除去
できるようにし、特に、実質的にエッチングされない層
をストップエッチ層として用いるものである。
【0019】また、本出願に係る第4の発明は、上記偏
波変調半導体レーザと、該半導体レーザから出射する光
の内、前記2つの偏波モードの一方の発振による光のみ
を取り出す偏光子とから成る光源装置であることを特徴
とする。
【0020】また、本出願に係る第5の発明は、上記光
源装置を備えた光送信機、前記偏光板によって取り出さ
れた光を伝送する伝送手段、及び前記伝送手段によって
伝送された光を受信する光受信機から成る光通信システ
ムであることを特徴とする。
【0021】また、本出願に係る第6の発明は、上記光
源装置を用い、所定のバイアス電流に送信信号に応じて
変調された電流を重畳して前記半導体レーザに供給する
ことによって、前記偏光板から送信信号に応じて強度変
調された信号光を取り出し、この信号光を光受信機に向
けて送信する光通信方法であることを特徴とする。
【0022】
【発明の実施の形態】第1の実施例 本発明による第1の実施例を図2のレーザ断面図によっ
て説明する。図2において、121、122は独立して
電流注入可能な2つの導波路部分を示す。活性層を除く
層構成は、導波路部分121、122ともに共通であ
る。n−InP基板101上に、深さ0.05μm・ピ
ッチ0.24μmの回折格子102を形成し、これを概
略0.2μm厚さのn−InGaAsP層103(バン
ドギャップ波長1.15μm)で埋め込み、平坦化して
いる。この上にノンドープの多重量子井戸の活性層10
4がある。活性層104の詳細については後で述べる。
【0023】さらに、上部光ガイド層として厚さ0.1
5μmのp−InGaAsP層(バンドギャップ波長
1.15μm)105、p−InP(厚さ1.5μm)
からなるクラッド層106、p−InGaAs0.3μ
mのコンタクト層107を形成している。また、横方向
の光閉じ込め、キャリアの閉じ込めのために、活性層1
04での幅を2μmとするリッジを形成し、高抵抗In
P層によって埋め込んでいる(不図示)。更に、p側電
極であるCr/AuZnNi/Au層108、基板側の
n電極のAuGeNi/Au層109を形成し、合金化
している。続いて、p側電極108とコンタクト層l0
7までを除去して電極分離領域110とし、レーザの両
端面にはSiO2膜111を形成して反射防止膜として
いる。
【0024】つぎに活性層104の多重量子井戸につい
て、図1(a)によって説明する。活性層104の量子
井戸構造は、0.5%圧縮歪のInGaAs層13を厚
さ4nmの井戸とし、障壁層にバンドギャップ波長1.
15μmのInGaAsP層(厚さ15nm)14を用
いた圧縮歪み量子井戸と、0.8%伸張歪のInGaA
s層15を厚さ18nmの井戸とし、障壁層にバンドギ
ャップ波長1.15μmのInGaAsP層(厚さ15
nm)16を用いた伸長歪み量子井戸とを組み合わせて
いる。図1(b)にこのバンド構造を示す。いずれの量
子井戸構造もバンドギャップ波長はおおよそ1.55μ
mとなっていて、圧縮歪み井戸13では主にTEモード
のブラッグ波長近傍の光に利得を与え(伝導帯の電子の
準位と重い正孔の準位間の遷移に関係する)、伸張歪み
井戸15ではTEモードのブラッグ波長近傍の光(伝導
帯の電子の準位と重い正孔の準位間の遷移に関係する)
とTMモードのブラッグ波長近傍の光(伝導帯の電子の
準位と軽い正孔の準位間の遷移に関係する)の両方に利
得を与える。
【0025】第1の導波路部分121においては、下側
に圧縮歪み井戸13を3個、上側に伸張歪み井戸15を
3個有している。また、第2の導波路部分122におい
ては、下側に圧縮歪み井戸13を3個、上側に伸長歪み
井戸15を2個としている。この層構成は、第1の導波
路部分121だけからなるDFB−LDではTM光での
連続発振となり、第2の導波路部分122だけからなる
DFB−LDではTE光での連続発振となるような層構
成と、グレーティングピッチの組み合わせとなってい
る。しかし、このような一方の導波路部分からなるDF
B−LDにおいては、発振に至らない偏波のブラッグ波
長近傍の光に対しても比較的大きな光学利得を有してい
る。
【0026】このような第1の導波路部分121と第2
の導波路部分122を接続したデバイスにおいては、以
下に述べる特徴があり、動作の記述は単純ではない。1
つは、第1の部分121の利得スペクトルの偏波面依存
性と第2の部分122の利得スペクトルの偏波面依存性
が異なっていることであり、もう1つはDFBレーザで
あることによって、周回損失の波長依存性(或は周回損
失の偏波面依存性)が存在することである。
【0027】この様な構成において、2電極に注入する
電流量を調整して、上記の寄与を含めたTEモードでの
周回利得とTMモードでの周回利得の競合するようなバ
イアス状態を選定することができる。ここから、一方の
電極に注入する電流をわずかに増やして、例えば、TM
モード光で発振した状態を変調バイアス点とする。もう
一方の電極に対しては、バイアス電流に微小変調信号を
重畳して注入し、こうすることで偏波変調動作が得られ
た。
【0028】また、2電極の一方にはバイアス電流に微
小変調信号を重畳して印加し、もう一方には、正負を反
転させた微小変調信号を重畳したバイアス電流を印加す
ることでも、偏波変調動作が得られる。
【0029】第2の実施例 本発明による第2の実施例として、作製し易い層構成に
よる偏波変調デバイスの製造方法を図3によって説明す
る。
【0030】まず、n−InP基板201上に干渉露光
法によって回折格子パタンを形成し、エッチングによっ
て周期的ストライプ溝gを形成する(図3(a))。
【0031】次に、以下の層を結晶成長する。すなわ
ち、ストライプ溝gを埋め込むバンドギャップ波長1.
15μmのn−InGaAsP層202、ノンドープで
バンドギャップ波長1.15μmのi−InGaAsP
層203、第1の量子井戸層として厚さ4nmの0.5
%圧縮歪の量子井戸InGaAs層204と15nm厚
さのバンドギャップ波長1.15μmのInGaAsP
205の障壁層の繰り返しを3層、第2の量子井戸層と
して厚さ18nmの0.5%伸張歪の量子井戸InGa
As層206と15nm厚さのバンドギャップ波長1.
15μmのInGaAsPの障壁層207の繰り返しを
2層、ストップエッチ層として10nm厚さのi−In
P層208、15nm厚さのバンドギャップ波長1.1
5μmのInGaAsPの障壁層209と18nm厚さ
の0.5%伸張歪の量子井戸InGaAs層210と1
5nm厚さのバンドギャップ波長1.15μmのInG
aAsPの障壁層211、厚さ50nmのInP保護層
212である(図3(b))。
【0032】引き続いて、フォトリソグラフイーによっ
て加工したレジストで一部の領域を覆い、開口部につい
てウェットエッチで除去する。すなわち塩酸系のエッチ
ャントで保護層のInP層212を除去し、引き続いて
硫酸系のエッチャントでInGaAs層とInGaAs
P層である211、210、209を除去する。その後
レジストを除去する(図3(c))。
【0033】さらに、塩酸系のエッチングでレジストに
保護されていた部分のInP保護層212と、エッチン
グした部分のストップエッチ層208を除去して、汚
染、ダメージ層を除去する(図3(d))。
【0034】次にウェハを結晶成長装置に導入し、サー
マルクリーニングの後、通常の結晶成長工程と同様に全
面に半導体層を形成する。この層は、バンドギャップ波
長1.15μmのp−InGaAsPの光閉じ込め層
(厚さ0.lμm)213、厚さ1.5μmのp−In
Pの上部クラッド層214、厚さ0.4μmのp−In
GaAsのコンタクト層215である。
【0035】本実施例においては、1回目、2回目の成
長共に、アルシン(AsH3)、ホスフィン(PH3)、
トリメチルインジウム(TMIn)、トリエチルガリウ
ム(TEGa)を原料として用いるCBE法により行
い、ド―パントとしては固体のSiとBeを用いる。こ
の後、通常の工程によって、2μm幅のストライプを残
して、活性層下までのエッチングとこれを埋め込むFe
−InP半絶縁性層を形成し、電流狭窄と横方向の光閉
じ込め構造とする。
【0036】続いて、上面の電極膜216を形成し、電
極216と半導体層の一部をコンタクト層215までを
除去して、電極分離領域220を形成する。最後に、下
面の電極膜217を形成し、電極長250μmずつで2
電極の、共振器長500μmのデバイスとする(図3
(e))。
【0037】本実施例の第1の導波路部分(左側の領
域)においては、下側に圧縮歪み井戸204を3個、上
側に伸張歪み井戸206を2個と伸張歪み井戸210を
1個有している。また、第2の導波路部分(右側の領
域)においては、下側に圧縮歪み井戸204を3個、上
側に伸長歪み井戸206を2個有している。本実施例の
動作の原理、仕方等については第1実施例と同じであ
る。
【0038】第3の実施例 本発明による第3の実施例として、ストップエッチ層を
用いない作製方法について述べる。特に説明しない部分
は、第2の実施例と同じものである。
【0039】まず、n−InP基板301上に干渉露光
法によつて回折格子パタンを形成し、エッチングによっ
て周期的ストライプ溝gを形成する(図4(a))。
【0040】ここに、n−InGaAsP層302、i
−InGaAsP層303、第1の量子井戸層として、
厚さ18nmの0.5%伸張歪の量子井戸InGaAs
層304と15nm厚さのバンドギャップ波長1.15
μmのInGaAsP305の障壁層の繰り返しを3
層、第2の量子井戸層として、厚さ4nmの0.5%圧
縮歪の量子井戸InGaAs層306とバンドギャップ
波長1.15μmのInGaAsPの障壁層307の繰
り返しを3層、厚さ50nmのInP保護層308を形
成する。障壁層307の厚さは、下から2つ目の層30
7−2を25nm、その他を15nmとした(図4
(b))。
【0041】引き続いて、フォトリソグラフィーによつ
て一部の領域を覆い、開口部についてウェットエッチで
除去する。すなわち塩酸系のエッチャントで保護層のI
nP層308を除去し、引き続いて硫酸系のエッチャン
トでInGaAs層とInGaAsP層である307−
3、306−3、307−2層を除去する。ここで、エ
ッチャントとして、InGaAsP層に対して0.18
μm/分のエッチング速度の(H2SO4:H22:H2
O=3:1:1、0℃)を用いた。InGaAs層に対
しては、これより10 倍程度早いエッチングレートと
なり、8秒のエッチングで一番上のInGaAs井戸層
306−3を越えてその下のInGaAsP層307−
2までエッチングが進行した(図4(c))。
【0042】レジストを除去し、塩酸系のエッチングで
レジストに保護されていた部分のInP保護層308を
除去して、汚染、ダメージ層を除去した後に、結晶成長
装置に導入し、サーマルクリーニング後、通常の結晶成
長工程と同様に全面に半導体層を形成する。すなわち、
バンドギャップ波長1.15μmのp−InGaAsP
の光閉じ込め層(厚さ0.lμm)309、厚さ1.5
μmのp−InPの上部クラッド層310、厚さ0.4
μmのp−InGaAsのコンタクト層311であり、
以上でレーザの層構成とする(図4(d))。
【0043】第2の実施例で述べたデバイスと比較する
と、活性層中に電流注入の障害となるInP層が残らな
い点が本実施例の特徴である。また、より井戸幅の狭い
圧縮歪み井戸層306を上側に形成し、これを部分的に
除去する構成としたことで、第1の部分と第2の部分で
の量子井戸層厚さの差を小さくし、第1の部分と第2の
部分での伝搬定数差をより小さく抑えることができる。
動作の原理、仕方等については第2実施例と同じであ
る。
【0044】第4の実施例 図5に、本発明による半導体レーザを波長多重光LAN
システムに応用する場合の各端末に接続される光−電気
変換部(ノード)の構成例を示し、図6、図7にそのノ
ード501を用いた光LANシステムの構成例を示す。
【0045】外部に接続された光ファイバ500を媒体
として光信号がノード501に取り込まれ、分岐部50
2によりその一部が波長可変光フィルタ等を備えた受信
装置503に入射する。この受信装置503により所望
の波長の光信号だけ取り出して信号検波を行う。一方、
ノード501から光信号を送信する場合には、上記実施
例の半導体レーザ装置504を信号に従って制御回路で
適当な方法で駆動し、偏波変調して、偏光板507(こ
れにより偏波変調信号が振幅強度変調信号に変換され
る)を通して(更にアイソレータを入れてもよい)出力
光を合流部506を介して光伝送路500に入射せしめ
る。また、半導体レーザ及び波長可変光フィルタを2つ
以上の複数設けて、波長可変範囲を広げることもでき
る。
【0046】光LANシステムのネットワークとして、
図6に示すものはバス型であり、AおよびBの方向にノ
ード801〜805を接続しネットワーク化された多数
の端末及びセンタ811〜815を設置することができ
る。ただし、多数のノードを接続するためには、光の減
衰を補償するために光増幅器を伝送路800上に直列に
配することが必要となる。また、各端末811〜815
にノード801〜805を2つ接続し伝送路を2本にす
ることでDQDB方式による双方向の伝送が可能とな
る。また、ネットワークの方式として、図6のAとBを
つなげたループ型(図7に示す)やスター型あるいはそ
れらを複合した形態等のものでも良い。
【0047】
【発明の効果】以上説明してきたように第1の発明によ
って、適切なバイアス状態の選定によって安定した偏波
変調ができる分布帰還型半導体レーザが得られる。
【0048】また、第2の発明によって、作製時のばら
つきを抑えて、第1の発明による半導体レーザを安定し
て作製する方法を供するものである。
【0049】また、第3の発明によって、第2の発明に
よる作製法の中でのばらつきを更に抑止した半導体レー
ザの安定性に優れた作製方法を供するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明の第1の実施例による半導体レー
ザの活性層である多重量子井戸の構成を示す図である。
【図2】図2は本発明の第1の実施例の半導体レーザの
構造を示す図でぁる。
【図3】図3は本発明の第2の実施例による半導体レー
ザの作製法を示す図である。
【図4】図4は本発明の第3の実施例による半導体レー
ザの作製法を示す図である。
【図5】図5は図6、図7のシステムにおけるノードの
構成例を示す模式図である。
【図6】図6は本発明の半導体レーザを用いたバス型光
LANシステムの構成例を示す模式図である。
【図7】図7は本発明の半導体レーザを用いたループ型
光LANシステムの構成例を示す模式図である。
【符号の説明】
13、204、306 圧縮歪量子井戸 14、16、205、207、209、211、30
5、307 障壁層 15、206、210、304 伸張歪量子井戸 101、201、301 基板 102 回折格子 103、202、302 InGaAsP層 104 活性層 105 光ガイド層 106、214、310 クラッド層 107、215、311 コンタクト層 108、109、216、217 電極 110、220 電極分離領域 111 反射防止膜 121、122 導波路部分 203、303 i−InGaAsP層 208 ストップエッチ層 212、308 保護層 213、309 光閉じ込め層 500、800、900 光伝送路 501、801〜805、901〜906 ノード 502 光分岐部 503 受信装置 504 本発明の半導体レーザ 506 合流部 507 偏光子 811〜815、911〜916 端末
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成8年8月28日
【手続補正1】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】善図
【補正方法】変更
【補正内容】
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】共振器方向に少なくとも2つ以上の電極を
    有し、該電極に対応して共振器を構成する第1の光導波
    路部と第2の光導波路部に独立に電流注入可能であっ
    て、複数の量子井戸からなる該各導波路部の活性層が、
    無歪みないし圧縮歪の量子井戸と伸張歪の量子井戸とを
    それぞれ1つ以上有しており、これらの井戸で最低準位
    間のバンドギャップが等しく、さらに上記光導波路部分
    ごとにこれらの井戸の数の組み合わせが異なっているこ
    とを特徴とする偏波変調半導体レーザ。
  2. 【請求項2】請求項1記載の偏波変調半導体レーザの作
    製方法において、各導波路部分に無歪みないし圧縮歪の
    量子井戸と伸張歪の量子井戸とをそれぞれ1つ以上含ん
    だ半導体層を形成する工程(a)と、一部領域で上記工
    程(a)で形成された半導体層の一部を量子井戸層の一
    部に到達する深さまで除去する工程(b)と、基板全域
    に半導体層を形成してレーザの層構造とする工程(c)
    とをこの順で含むことを特徴とする偏波変調半導体レー
    ザの作製方法。
  3. 【請求項3】上記(a)の工程で形成する複数の量子井
    戸層の間にエッチングストップ層となる半導体層を形成
    することを特徴とする請求項2記載の偏波変調半導体レ
    ーザの作製方法。
  4. 【請求項4】 請求項1記載の偏波変調半導体レーザの
    駆動方法において、前記独立な電極に注入する電流量を
    調整して、TEモードでの周回利得とTMモードでの周
    回利得の競合するようなバイアス状態を選定した後に一
    方の電極に注入する電流をわずかに増やして、一方のモ
    ード光で発振した状態を変調バイアス点とし、前記独立
    な電極の少なくとも一方に対する微小変調電流信号によ
    って、偏波面の異なる2つの偏波モードとの間で発振モ
    ードをスイッチングさせることを特徴とする半導体レー
    ザの駆動方法。
  5. 【請求項5】請求項1記載の偏波変調半導体レーザと、
    該半導体レーザから出射する光の内、前記2つの偏波モ
    ードの一方の発振による光のみを取り出す偏光子とから
    成ることを特徴とする光源装置。
  6. 【請求項6】請求項1記載の偏波変調半導体レーザと、
    該半導体レーザから出射する光の内、前記2つの偏波モ
    ードの一方の発振による光のみを取り出す偏光子とから
    成る光源装置を備えた光送信機、前記偏光板によって取
    り出された光を伝送する伝送手段、及び前記伝送手段に
    よって伝送された光を受信する光受信機から成ることを
    特徴とする光通信システム。
  7. 【請求項7】請求項1記載の偏波変調半導体レーザと、
    該半導体レーザから出射する光の内、前記2つの偏波モ
    ードの一方の発振による光のみを取り出す偏光子とから
    成る光源装置を用い、所定のバイアス電流に送信信号に
    応じて変調された電流を重畳して前記半導体レーザに供
    給することによって、前記偏光板から送信信号に応じて
    強度変調された信号光を取り出し、この信号光を光受信
    機に向けて送信することを特徴とする光通信方法。
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