JPH09214059A - 量子細線を利用した半導体光デバイスおよびそれを用いた光源装置、光通信方式、光通信システム - Google Patents

量子細線を利用した半導体光デバイスおよびそれを用いた光源装置、光通信方式、光通信システム

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JPH09214059A
JPH09214059A JP8034380A JP3438096A JPH09214059A JP H09214059 A JPH09214059 A JP H09214059A JP 8034380 A JP8034380 A JP 8034380A JP 3438096 A JP3438096 A JP 3438096A JP H09214059 A JPH09214059 A JP H09214059A
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semiconductor
waveguide
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Seiichi Miyazawa
誠一 宮澤
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Abstract

(57)【要約】 【課題】再現性が良く安定して動作する偏波変調半導体
レーザ、偏波無依存の光増幅器などの半導体光デバイス
である。 【解決手段】半導体光デバイスは、量子細線5を有した
利得領域と、非電流注入状態においてTMモード光とT
Eモード光の一方に対しては水平方向の屈折率導波構造
を形成しTMモード光とTEモード光の他方に対しでは
水平方向の屈折率導波構造を形成しない導波路領域を集
積化した半導体レーザ構造を有する。利得領域と導波路
領域により共振器を形成し、電極12、13で利得領域
と導波路領域に独立に電流注入できる。導波路領域は量
子井戸領域9とその無秩序化領域を有する様に構成でき
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高速変調時等にお
いても動的波長変動を抑えて直接変調方式での駆動を可
能とする偏波スイッチングする半導体レーザおよび偏波
無依存の光増幅器などの半導体光デバイス、並びにその
作製法等に関するものである。
【0002】
【従来の技術】偏波スイッチング可能な動的単一モード
(Dynamic Single Mode)半導体レ
ーザとして、既に、小振幅のデジタル信号を注入電流に
重畳してデジタル偏波変調を可能にする素子構造が提案
されている。
【0003】これは、グレーティングからなる分布反射
器を半導体レーザ共振器内部に導入し、その波長選択性
を利用する構造のDFBレーザを用いたものであった。
このレーザでは、発振波長近傍の波長の光のTE、TM
モードの両方に対して、発振しきい値程度の電流注入条
件下の利得をおおよそ同程度のものとするために、活性
層の量子井戸に引っ張り歪を導入したり、ブラッグ波長
を利得スペクトルのピークよりも短波長側に設定したり
している。そして、複数の電極を持つ構成とし、これら
の複数の電極に対して不均一に電流注入を行うものであ
った。こうして、不均一注入によって共振器の等価屈折
率を不均一に変化させて、TEモードとTMモードのう
ちで、位相整合条件を満たして最低のしきい値利得とな
る波長と偏波モードで発振させる。この際、不均一注入
のバランスをわずかに変えることで位相条件の競合関係
が変化して、発振波長と偏波モードを変えることができ
るというものであった。このデバイスでは、出力側と変
調側に対する不均一注入の効果を非対称に引き出すため
に、片面無反射コーティングとすること、2つの電極長
を変えるという様な構造的な非対称性を導入することが
有効であった。
【0004】また、特開平2−117190において、
直列または並列に接続された2つの半導体装置から成
り、その一方は主として特定の偏光状態の波を発生また
は増幅し、他方は主として別の偏光状態の波を発生また
は増幅するものが、1つの共同層または互いに平行する
層に設けられている半導体レーザ装置が提案されてい
る。
【0005】
【発明が解決しようとしている課題】しかし、従来提案
されている位相条件で偏波モードを選択するDFB型の
偏波スイッチングレーザでは、発振モードの選択が端面
位相に敏感であった。そのために、デバイスの発振波
長、偏波モードの電流注入条件依存性の複雑な振る舞い
や、デバイス間での偏波モードの特性のばらつきが生じ
ていた。また、この点を改良するべく両側の端面に無反
射コーティングを施すと、デバイスの導波方向の非対称
性が弱くなり、不均一注入の効果が弱まって安定した偏
波スイッチングが得られないという問題点があった。ま
た、特開平2−117190による提案においては、リ
ッジの幾何学的形状の選定によって特定の偏波状態の波
を発生または増幅するものとしているのであり、リッジ
作成時のエッチング深さ、リッジ幅のプロセス上のばら
つきに歩留まりが左右されるという問題点があった。
【0006】よって、本発明の目的は、再現性が良く安
定して動作する偏波変調半導体レーザおよび偏波無依存
の光増幅器などの半導体光デバイスおよびそれを用いた
光源装置、光通信方式、光通信システム等を提供するこ
とにある。
【0007】
【課題を解決する為の手段】本発明の基本概念は、T
E、TMモードの一方の利得が他方より大きな利得領域
と、これに直列に形成された屈折率の変化を用いた偏波
選択領域により、TE或はTM光を選択し、一方の利得
を増加させることにより、安定に偏波変調等を実現しよ
うとするものである。この結果、端面反射、位相などに
依存されない安定な偏波変調等が実現できる。
【0008】上記目的を達成する為に、本出願の第1の
発明は、少なくとも2つの分別可能な半導体レーザ構造
から成る半導体光デバイスが形成されていて、夫々1つ
について少なくとも1個の電流注入を行なう為の構造を
有し、且つ該半導体デバイス間で独立に電流注入可能な
構造を有する構成において、一方の領域はTEモードと
TMモードの一方に関する利得が他方のモードと同程度
か、わずかに強くなるように量子細線により構成されて
おり、もう一方の領域の屈折率を変える事によりレーザ
の発振を制御したり、TE/TMの利得を選択出来る構
成になっている事を特徴とする。請求項1、2に対応
し、第1、第2実施例に示す。詳細には、この半導体光
デバイスは、量子細線を有した利得領域と、非電流注入
状態においてTMモード光とTEモード光の一方に対し
ては水平方向の屈折率導波構造を形成しTMモード光と
TEモード光の他方に対しでは水平方向の屈折率導波構
造を形成しない導波路領域を集積化した半導体レーザ構
造において、該利得領域と該導波路領域により共振器を
形成し、かつ該利得領域と該導波路領域に独立に電流注
入することを可能としたことを特徴とする。前記導波路
領域は量子井戸領域とその無秩序化領域とを有する様に
構成できる。
【0009】本出願の第2の発明は、導波路領域におい
て光が通る領域が超格子により形成され、周囲が超格子
のdisorder(無秩序化)により形成されている
ことにより、TE/TMの利得を選択できる構成になっ
ている事を特徴とする。請求項3に対応し、第3実施例
に示す。
【0010】本出願に係る第3の発明は、量子細線によ
る利得領域に波長選択機構が形成されている。請求項4
に対応し、第4実施例に示す。
【0011】本出願に係る第4の発明は、量子細線によ
る利得領域以外に波長選択機構が形成されている。請求
項5に対応し、第5実施例に示す。
【0012】本出願に係る第5の発明は、III−V族
においてグレーティング(凹凸構造)が形成された{1
11}面又は{110}面又はこれらの面から僅かに傾
いた基板を用い、量子細線の作製精度を上げている。請
求項6に対応し、第6実施例に示す。
【0013】本出願に係る第6の発明は、III−V族
において両性不純物を使用する事により電流の閉じ込め
効率の良い構成にしている。請求項7に対応し、第7実
施例に示す。
【0014】本出願に係る第7の発明は、異なる断面形
状を持つ量子細線を有した複数の利得領域が形成され、
導波路領域での偏波変調の再現性を改善している。請求
項8に対応し、第8実施例に示す。
【0015】本出願に係る第8の発明は、本発明のレー
ザの端面に低反射膜を形成しないで、偏波変調可能な半
導体レーザとして構成したものである。請求項9に対応
し、第1実施例等に示す。
【0016】本出願に係る第9の発明は、本発明のレー
ザの端面に低反射膜を形成することにより、光増幅器と
して構成したものである。請求項10に対応し、第9実
施例に示す。
【0017】本出願に係る第10の発明は、上記構造の
半導体レーザと、該半導体レーザから出射する光の内、
前記2つの偏波モードの一方の発振による光のみを取り
出す偏光子などの偏光選択手段とから成る光源装置とし
て構成される。請求項11に対応し、第10実施例に示
す。
【0018】本出願に係る第11の発明は、上記構造の
半導体レーザと、該半導体レーザから出射する光の内、
前記2つの偏波モードの一方の発振による光のみを取り
出す偏光選択手段とから成る光源装置を備えた光送信
機、前記偏光選択手段によって取り出された光を伝送す
る伝送手段、及び前記伝送手段によって伝送された光を
受信する光受信機から成る光通信システムとして構成さ
れる。請求項12に対応し、第10、第11実施例に示
す。
【0019】本出願に係る第12の発明は、上記構造の
半導体レーザと、該半導体レーザから出射する光の内、
前記2つの偏波モードの一方の発振による光のみを取り
出す偏光選択手段とから成る光源装置を用い、所定のバ
イアス電流に送信信号に応じて変調された電流を重畳し
て前記半導体レーザに供給することによって、前記偏光
選択手段から送信信号に応じて強度変調された信号光を
取り出し、この信号光を光受信機に向けて送信する光通
信方法に関わる。請求項13に対応し、第10、第11
実施例に示す。
【0020】
【発明の実施の形態】本発明では以下の基本的概念を実
現する為の最適化構造を提供するものである。本発明を
実現する第1の技術は、活性層に一次元量子細線を用い
ることにより、半導体レーザのTE/TMモード利得が
等しいか、一方のモード利得が大きくなる様な領域を形
成する。まず、量子細線による偏波モードの基本的概念
を記述する。たとえば、図1(a),(b),(c)に
示す様な量子細線構造を半導体レーザの活性層に使用
し、その細線の長手方向をレーザストライプ(即ち共振
器方向)に平行とする。各細線のレーザストライプに直
交する断面の活性層の面方向の長さをLy、厚さ方向の
長さをLzとすると、Ly/Lz≫1の場合、z方向に
垂直な量子薄膜と等価になることからTE偏光の利得が
高くなり図1(b)となる。そして、Ly/Lz≪1の
場合は、図1(c)に示す様に、TM偏光を示す様にな
る。そして、LyとLzがほぼ等しい場合は、TM、T
Eモードの利得が等しくなる(無偏光)。本発明の基本
的考え方は、上記特性を利用し半導体レーザの共振器方
向にLy、Lzのほぼ等しいか、一方が大きな量子細線
の利得領域を設けておき、この利得領域と直列に形成し
た導波領域で屈折率をわずかに変化させることにより、
レーザのTE/TM発振モードを制御しようとするもの
である。
【0021】(第1実施例)上記基本的概念を具体化し
た第1実施例を説明する。図2をもって本デバイスの作
製法について説明する。図2(a)において、1は基板
であるところのn−InPである。この上にクラッド層
である2のn−InPを厚さ1.0μm形成している。
この上に、3に示す光ガイド層であるn−InGaAs
P層を厚さ0.03μm形成する。ここで一旦成長を中
断する。この後は、利得領域と導波領域を独立に形成す
る。まず、量子細線で形成される利得領域について述べ
る。利得領域以外には成長しない為に、4に示す絶縁マ
スクを用いて選択成長をする。ここでは、絶縁膜として
Si34を使用している。
【0022】図2(b)を用いて利得領域の形成方法に
ついて記述する。5の量子細線の作製法としては、活性
層となるInGaAsを成長しておき、後に記述するグ
レーティング法などで加工する。ここでは、電子ビーム
による露光法を用いてレジストを加工し、そのあとCF
4のドライエッチングにより、InGaAsを量子サイ
ズに加工している。量子井戸の形状は、Lyが30nm
で、Lzが25nmである。TEモードの利得が多少大
きく、発振しやすい状況にある。この加工の後、6に示
す上部光閉じ込め層undoped lnGaAsPを
0.02μmの厚さで形成し、続いて、7に示すBe
doped InP層を厚さ1.5μm、8のキャップ
層であるBe doped InGaAsを厚さ0.5
μm形成して利得領域の成長を終了する。
【0023】続いて、図2(b)に示す4の絶縁層を除
去し、屈折率制御層を形成する。利得部分を形成した上
には成長をさせないため、8のBe doped In
GaAsの上に4と同様な絶縁物を形成し、選択成長を
行う。この条件下で、図2(c)の9に示す多層の量子
井戸(MQW)を形成する。厚みは0.5μmである。
9に示すMQW層は、undopedで利得領域の活性
層5より出る光に対して透過層として働く様に量子井戸
の厚みをコントロールしてある。ここでは、InPバリ
アでInGaAs井戸となっている。井戸の厚さは1n
mである。
【0024】続いて、この多層膜9の一部に導波路を加
工する。図3(a)、図3(b)に導波路の形成法を記
述する。図3(b)に示すように、導波路はMQW層9
のDisorder(無秩序化)で作成している。図3
(b)中、16は拡散を防ぐSi34膜である。この
時、量子細線領域10にもZn拡散を防ぐSi34を形
成し、Disorderを防いでいる。このサンプル
を、拡散炉の中に入れてZnを、Si34膜16が形成
されていない領域に部分的に拡散する。11はZnの拡
散により形成されたMQW層のDisorder領域で
ある。図3(a)は拡散が完了した本デバイスの上面図
である。10は利得領域、9はMQW領域、11は拡散
領域である。絶縁物16を取り除いた後に、この上に図
3(c)に示すように、19のクラッド層であるp−I
nPを形成する。厚みは、1.0μmである。この結
果、光は11に示したDisorder領域に閉じ込め
られる。
【0025】図4は各領域の電極を形成した図である。
14のn型電極、および12の利得領域10へのp型電
極、13の導波領域へのp型電極をとり、偏波変調レー
ザが形成できる。15の分離領域は、19に示したp−
InPクラッド層をエッチングして形成する。この15
の領域は、利得領域10と導波路領域の電流のクロスト
ークを防ぐために形成している。しかし、あまり深く切
ると光の伝搬に悪影響がある。溝を設ける場合、光の伝
搬を妨げない程度に溝を設けることが望ましい。ここで
はp−InP19を20に示す様に薄く残した。約0.
3μmである。横方向の閉じ込め構造は、リッジの両側
を高抵抗層17で埋め込んでいる。
【0026】このレーザの動作について記述する。図3
をもって説明する。本レーザの目的は、11の導波路で
ある拡散領城へ流す電流により、TEモード発振、TM
モード発振を制御しようとするものである。電流を流し
ていない場合、11に示した導波路は、TMモードの屈
折率が9に示したMQW領域より、1〜3×10-3程度
大きく、TM光は11の導波路に閉じ込められる。一
方、TE光に関しては、11に示した導波路の方が9の
MQW層より小さいため、光が11に示した導波路に閉
じ込められず、9のMQW領城に拡散する。よって、利
得領域10に結合する光はTM光の方が大きい。この結
果、導波路である拡散領城11に電流を流していない状
態では、TM光でのレーザ発振が優位となる。
【0027】これに対して、11に電流を流すと、11
の拡散領域での屈折率が低下する。この量は、1〜5×
10-3程度と、拡散により11の拡散領域と9のMQW
領域に生じた屈折率の差を逆転する。つまり、TM光も
11の導波路に閉じ込まり難い状態となる。この結果、
TE、TM光の利得領城10への結合は同程度になる。
この状態になるとTEモードでの発振が優位となる。な
ぜなら、本実施例の利得領域10のゲインはわずかにT
Eモードが強い状態にしてあるからである。TE、TM
光の利得領域10への結合が同程度になると、TEモー
ドでの発振が優位となる。
【0028】以上説明した様に、利得領域10への光の
結合状態をかえることによりレーザの発振モードを変化
させることができる。
【0029】従来、利得領域には量子井戸層が活性層と
してよく用いられていたが、量子井戸ではTEモードの
利得がTMモードの利得より遥かに大きく、多少TE、
TMの反射率が変化し、利得領域への結合が変わって
も、TMモードが発振することは困難でモードの選択は
でき難かった。また、TE/TMモード利得を近付ける
方法としては、ひずみを活性層に導入する方法が行われ
ているが、利得の微妙な調整は困難で、TE/TM変調
を実現するには歩留まりが悪すぎた。これに対し、本発
明の様に、利得領域に量子細線を使用することにより、
TE、TMモードのゲイン差が量子細線の形状により精
度よく制御できる為、上述の様なわずかな光の結合変化
で、再現性よくTE、TMモードの制御ができる様にな
る。
【0030】図4において、利得領域の電極12と導波
路領域の電極13に段差があるが、この段差はなくても
よい。集積化するには平坦な方が望ましい。また、図4
の利得領城はBH(Buried Hetero)構造
により横方向の閉じ込めを行っている。高抵抗のInP
層17で、電流は18に示した様に中央領域を流れ、効
率の良い注入ができる。また、光も5に示した活性領城
の中央に閉じ込められる。なお、導波路領域では、先に
述べた超格子9のDisorderによる光閉じ込めを
行っている。また、利得領域10の光閉じ込めはかなら
ずしもBH型でなくてもよい。
【0031】(第2実施例)図5は、横方向の光の閉じ
込めを加えたレーザの実施例である。図5(a)は全体
の完成図である。構成について説明する。21は基板で
あるところのn−InP膜、22はクラッド層であると
ころのSi doped lnP膜(厚さ1.5μm)
である。23は、光ガイド層で、InPとInGaAs
の超格子により形成されている。InGaAs井戸層の
厚さは1nmである。
【0032】ここで一旦成長を中断し、第1実施例と同
様に選択成長を用いて利得領域36と導波路領城37を
分割して作成する。工程は、第1実施例と同様である。
25は活性層であるInGaAs量子細線である。26
は光ガイド層であるundoped lnGaAsP
で、27は上部クラッド層であるBe doped I
nP膜、28はキャップ層であるBe doped I
nGaAs層である。32は電極である。この構成が利
得領域36となる。一方、導波路領域37は、23の下
部光ガイド層の上に、29の多重量子井戸(MQW)を
形成している。これはundopedで高抵抗層となっ
ており、厚みは0.3μmである。
【0033】図5(b)は導波路領域37の断面図であ
る。MQW層29の中央は図5(b)の38に示す構
に、Znドーパントにより拡散され、p型の導電型にな
っている。この拡散の後、この上には図5(b)に示す
ように、39のp−lnPが形成されている。さらに、
33に示すように導波路領域37の電極が形成される。
34は基板側の共通電極である。これが、導波路領域3
7の構成である。利得領域36と導波路領域37は図5
(a)の様につながっている。35は、利得領城36の
電流と導波路領城37の電流が干渉しないように分離す
るための溝となっている。ここでは29のMQW層の一
部を削る程度の溝を形成している。
【0034】本実施例では、図5(a)に示す様に利得
領域36の電流閉じ込めと光の閉じ込めをリッジ型で行
っている。40は高抵抗層であり、拡散領域38に対応
したリッジ中央部のみに電流が集中する様にしてある。
また、このリッジは横方向の光の閉じ込めにも役立って
いる。図5(b)において38は先にも述べた様にZn
を拡散した領域である。拡散していない部分に比べ、電
流を流していない状態では屈折率が高くTM光は、38
の拡散領域に閉じ込められる。導波路領域37のリッジ
はこの場合、電流を閉じ込めるより、TE/TM光の閉
じ込めをよくするために使用されている。
【0035】本実施例の駆動方法について記述する。3
6の利得領域では量子細線25の形状により、TE光の
利得がTMより幾分高い状態にしておく。37の導波路
領域に電流を流していない状態では、38にはTM光が
閉じ込められ易く、この集積化レーザはTMモードで発
振する。これに対して、導波路領域37に電流を流す
と、屈折率が低下し、TM光は拡散し利得領域36への
結合割合が低下する。この結果、利得領域36ではTE
モードが優先され、全体としてはTEモードで発振す
る。導波路領域37のリッジは、拡散による閉じ込めが
屈折率差(拡散領域38とその周りのMQW層29の
差)でl×10-3と、かなり弱く、不安定な動作をする
こともあるため、TE/TM光の閉じ込めを補足する為
に作り付けた。この結果、TE/TM変調がさらに安定
して実現できる様になった。
【0036】(第3実施例)図6に第3の実施例につい
て記述する。第1、第2実施例では、電流によるTEモ
ードの閉じ込めを強くして偏波変調を実現した。第3実
施例では、利得領域59でTMモードの利得を大きく
し、導波路領域60では、電流を流していない状態で、
TEモードの閉じ込めが優位な導波路を用いる。
【0037】基本的な構成について以下に記述する。4
1はn−InP、42はSi doped InP、4
3はundoped lnGaAsP光ガイド層、45
は量子細線の活性層である。この量子細線は、第1実施
例と異なり、TMモードの方が大きな利得を持つ様にす
る。46は上部光閉じ込め層undoped lnGa
AsPで、47はBe doped InP上部クラッ
ド層、48がBe doped lnGaAsキャップ
層、52が利得領域59の電極である。49はp型にド
ーピングした導波路領域60の多重量子井戸(MQW)
で、58が上部クラッドであるp−InPで、これによ
り光がMQW層49に閉じ込められる。そしで、53が
導波路領域60の電極である。54は利得領域59と導
波路領域60を電気的に分離するための溝である。51
は導波路領城60、利得領域59の共通電極である。
【0038】図6(b)は利得領域の断面図である。4
5はTMモードが強い量子細線活性層である。50は、
再成長により形成した電流ブロック層で、電流55は中
央に集中する。図6(c)は導波路領域60の断面図で
ある。49はMQW層で、57はDisorderによ
り形成された無秩序化領域である。56は拡散をすると
きの拡散ブロック層でSiO2を使用した。拡散後、こ
れを取り除き、58の上部クラッド層、および53の電
極を形成する。導波路領域60において、電流を流して
いない状態での、49のMQW層と、57の無秩序化領
域のTEに対する屈折率はn49(MQW層の屈折率)
>n57(無秩序化領域57の屈折率)となる。この結
果、TE光が中央に示す49の量子井戸領域に閉じ込め
られ伝搬する。一方、TM光に対してはn49<n57
となる為、TM光は発散し、この集積レーザはTEモー
ドで発振する。これに対して、電流を流した時は、n4
9の屈折率が低下しTE光もTM光と同様に閉じ込めが
弱くなる。よって、利得の大きなTMモードでの発振が
優位となる。
【0039】(第4実施例)第4実施例を図7を用いて
説明する。第4実施例は、波長選択用グレーティングを
用いたことが特徴である。グレーティングは図7(a)
の67に示す様に、上部光閉じ込め層66上に形成され
る。形成法としては、上部光閉じ込め層66を形成した
後、レジストを塗り干渉露光法によりこのレジスト上に
240nmピッチの一次グレーティングパターンを形成
し、このレジストをマスクとしてドライエッチングによ
り、66の光閉じ込め層を一部削りグレーティング67
を刻み込んでいる。65の量子細線が延びている方向と
は垂直な方向にグレーティング67を形成している。
【0040】この後、このグレーティング67上に、6
8の上部クラッドのInP、続いて69のコンタクト層
であるInGaAsを形成して利得領域78を作成す
る。この後、導波路領域79を選択成長を用いて形成す
る。70はMQW層であり、これまでの第1、第2実施
例と同様に71に示す様に中央付近をZnにより拡散し
ている。この結果、電流が流れない状態ではTM光が7
1に対応した導波路に閉じ込められ、この集積型レーザ
ではTMモードが発振する。これに対して、導波路領域
79に電流を流した時点ではTEモードの発振を行う
為、量子細線領域65では、わずかにTEモードの利得
が優位になる様に量子細線形状を設計する。尚、61は
n−InP基板、62はSi doped InP層、
63はundoped lnGaAsP光ガイド層であ
る。
【0041】図8は、電極まで形成した本実施例の図で
ある。電極72は利得領域78に電流を流すもの。73
は導波路領域79に電流を流す電極である。74は共通
電極である。75は、電流の利得領域78と導波路領城
79のクロストークをなくすための分離領城である。こ
れまでの実施例では、溝を設けていたが、ここではun
doped lnP膜で埋め込んでいる。利得領域78
に形成されたグレーティング67により単一モードにて
発振し、波長安定化が出来た。また、この波長安定化状
態でもTE/TMモードの変調が可能であることが確認
された。
【0042】(第5実施例)第5実施例は、波長選択用
グレーティングが導波路領城にあることが特徴である。
図9(a)において、84がグレーティングであり、9
0は導波路を構成するZnを拡散してundoped
MQWをDisorderした領域である。89は、M
QW層である。構成はこれまでと同様の構成となってお
り、85の量子細線の発振波長に対しては透明な構成で
ある。
【0043】図9(b)は図9(a)を横から見た図で
ある。91が利得領域で、92は導波路領域である。9
3は、電流の利得領域91と導波路領域92のクロスト
ークをなくすための分離領城である。ここではundo
ped lnP膜を埋め込んでいる。高抵抗となるため
電流のクロストークは低減される。電極は示していな
い。また、81はn−InP基板、82はSi dop
ed InP、83はundoped lnGaAsP
光ガイド層、86は上部光閉じ込め層undoped
lnGaAsP、87はBe doped InP上部
クラッド層、88がBe doped lnGaAsキ
ャップ層である。本実施例はDBRタイプのレーザであ
り、導波路90で偏波を選択する導波路領域92のキャ
リアの変化は、利得領域91に比較して小さいため、レ
ーザ光発振時の波長幅は狭くできる。
【0044】上記実施例において、位相調整領域を設け
てもよいし、電極を複数にして各電極への注入電流を制
御して発振波長をチューナブルにもできる。
【0045】(第6実施例)続いて、量子細線をグレー
ティング(凹凸構造)を用いて作製した例について記述
する。本発明の第6の実施例を図10を用いて説明す
る。図10(a)において、ジンクプレンド(閃亜鉛
鉱)構造を有した半導体{111}面から5度(0〜2
0度位ならよい)の面方位を持つ半導体基板181上
に、189に示した様にピッチΛlのグレーティング1
82を形成する。作製法としては、干渉露光法とドライ
エッチングを利用する。図10(a)中、182は干渉
露光にて作製されたピッチ240nmの周期構造であ
り、固体ソースのMBE法、または一部の分子線源をガ
ス化したGSMBE法、または分子線源に有機金属を用
いるMOMBE法、または全ての分子線源をガス化した
CBE法によって、周期構造182上に半導体膜183
を成長する。
【0046】この時に、成長条件として斜面部分の面1
85({100}面)より平面188({111}面)
での成長速度が遅くなるような条件を選ぶことである。
{111}面からなるテラス188と{100}面又は
{113}のステップからなる面185の組み合わせ
は、成長速度差がつきやすい本条件に適した構成であ
る。こうして、ノコギリ形状184を形成することがで
きる。この上に同様の条件で、半導体膜183とは異な
る材質の半導体膜186を成長する。この結果、186
の半導体膜はステップ部分185に集中するような形と
なる。この半導体膜186上に、186の半導体膜とは
異なる187の半導体膜を堆積する。この繰り返しによ
り組成の異なる領域が部分的に形成できる。
【0047】上述した様に、本実施例の1つのポイント
は成長速度の異なる面を形成することにある。186の
様に形成された膜の成長しやすい面上の部分の一片の長
さが、量子効果が期待出来るサイズ(<50nm)程度
で、容易に制御できることを満たせば、容易に半導体領
域を細線状に部分的に閉じ込めることができる。成長法
としては、先にも記述した固体ソースのMBE法、GS
MBE法、MOMBE法、CBE法の他にMOCVD
法、MOVPE法、OMVPE法などによって半導体結
晶を成長できる。
【0048】ここで、半導体膜186に形成される量子
細線の大きさについて記述する。量子効果を得るために
は半導体膜186の一辺を50nm以下にすることが必
要である。そして、この部分の大きさは図10(a)の
189に示した様に、グレーティングのピッチと(11
1)面からの傾斜角で決定される。具体的な一例を述べ
る。図10(b)は図10(a)の一部分を拡大したも
のである。195は、干渉露光とドライエッチングにて
作製したグレーティングピッチである。Λ1は120n
mである。この上にエピタキシャル法によって膜191
を積層すると、ステップ(100)面の幅194(B)
は次の様な式で決定される。B=Λ1sinθ/sin
θ’ここでθは{111}面からの基板の傾斜角度19
2、θ’は、ここでは{111}面とステップを形成し
ている面(例えば(100)面とすると、この面)がな
す角θ’(193)=54.7度である。基板の傾斜角
192をθ=5度程度とすると、ステップに形成される
(100)面の幅194(B)は12nmとなる。この
上にエピタキシャル成長により、結晶を成長する。例え
ば、MBE法を用いたGaAs上のGaAs膜の成長で
あれば、(100)面と(111)面との成長速度の差
は3倍程度とれ(100)面の方が速い。図10(a)
に示した様にステップ185に対応したところに量子細
線が形成される。供給する材料を変えることにより容易
に量子細線の多層化が可能である。
【0049】この様に作製した量子細線の利得領域とT
E/TMモードを選択する導波路領域を集積することに
より、安定にTE/TM変調するレーザが作製できる。
図11は、この様な方法で作製した量子細線を含むレー
ザである。103は量子細線を作製する為のグレーティ
ングである。104はこれにより作製された量子細線で
ある。109は導波路領城のMQW層である。110は
拡散を用いて作製した導波路領城である。また、101
は基板、102は下部クラッド層、106は光ガイド
層、107、108は利得領城の上部クラッド層、キャ
ップ層である。この様なグレーティング103を用いて
活性領域104を作製した結果、従来より精度の良い量
子細線ができ、波長の制御が良くなった。本現象は、
{110}面をわずかに傾けた基板においても実現でき
る。
【0050】(第7実施例)本発明の第7の実施例につ
いて図12を用いて以下に記述する。本実施例は量子細
線に注入される電流方向を規定することにより効率よく
TE/TMモード変調を実現しようとするものである。
【0051】基本的概念について説明する。SiはII
I−V化合物にとって両性不純物として働く。Gaサイ
トに入れ替わればn型に、Asサイトと入れ替わればp
型に極性を変化させる。一般的に、{111}A面上に
Si doped GaAsを成長させるとp型GaA
sが成長できる。これに対して{100}面上に成長さ
せるとn型が形成できる。この特性を利用して電流狭窄
を実現する。
【0052】この特性を利用し量子細線に電流を注入す
る方法について述べる。図12(a)は本実施例の半導
体レーザの活性層領域を示した図である。基板には{1
11}面から数度傾いたものを用い、p‐AIGaAs
クラッド層である141を成長した。このクラッド層1
41上に、142に示したp−AlGaAsグレーティ
ングを形成する。この上に、Be−doped GaA
sまたはAlGaAsを成長するとグレーティングはノ
コギリ形状になる。この時、143は全層p型である。
この層143におけるp型キャリアの活性化率は、テラ
ス{111}A面よりステップ{100}面の方が活性
化率はよく、ステップ方向の方が低抵抗となる。この層
143上に、undoped GaAs144を形成
し、斜面に量子細線領域145を形成する。続いて、1
46のSn−doped AlGaAsを成長する。S
nはIV族であるが、Siの様に両性不純物的振る舞い
をしないため、146全層がn型となる。続いて、14
7に示す層を成長する。ここで層147はSiのドーピ
ングを行なった。層147の(111)斜面部148は
p型となり、149のステップ部分はn型となる。さら
に、150のSn−doped AlGaAsを形成し
ている。
【0053】この結果、層147のテラス斜面部148
に対応した領域では、層146、147、150により
npn接合が形成されるため、電流152がブロックさ
れ流れにくい。さらに、層143、層144のステップ
に対応した{100}面の活性化率は{111}A面に
比較して高く、電流が{100}面に対応した部分に集
中しやすい。よって電流は、149のステップ部分を通
って斜面に沿って流れる。こうして、量子細線145に
特定方向より、効率よく電流を流すことが可能となる。
【0054】また、図12(b)に示す様にレーザの電
流狭窄領域に対応した部分にのみグレーティングを形成
しておくと、{111}A面に対応した平坦な領域では
電流プロックが生じ電流152は流れない。よって、グ
レーティングのある部分153付近のみ電流151が通
電できる。本方法は、このSi−doped GaA
s、AlGaAs膜による横方向P/Nの変化とBe−
dopedによる組み合わせにより量子細線へ供給され
る電流の方向を規定し、かつレーザとしての電流を狭窄
しようとするものである。
【0055】この結果、特に電流狭窄構造を設定するこ
と無く、{100}面が形成されているグレーティング
部分のみに電流を流すことができる。BH加工、リッジ
加工なしに電流を閉じ込めることが容易となった。本実
施例において、量子細線の構造、TE/TMモード変調
の動作原理は上記実施例と同じである。
【0056】(第8実施例)本実施例は、利得領域を2
つ設け、利得特性を異ならせたことにより、安定性のよ
いTE/TM偏波変調を実現するものである。図13を
もって説明する。129と130は量子細線を有した利
得領域である。131は、量子井戸のDisorder
を利用した導波路領域である。通常のTE/TM変調
は、131に示す導波路領域により行われるが、131
の導波路領域で十分な制御ができない場合、歩留まりを
よくするために、129と130の利得領域をそれぞれ
異なったモードの利得が大きくなる様に配置しておく。
そして、131の領域で安定して偏波変調が出来るよう
に2つの異なる領城129、130で共振器全体での利
得のバランスを制御するものである。この結果、従来に
比較して格段に公差が大きくなり、歩留まりが向上し
た。
【0057】図13(a)において、128は導波路領
域を形成する多重量子井戸構造、121は基板、122
は利得領城の下部クラッド層、123は利得領城の下部
光ガイド層、124は量子細線の活性層、125は利得
領城の上部光ガイド層、126は利得領城の上部クラッ
ド層、127は利得領城のキャップ層、135は導波路
領域131のクラッド層、136は電極分離溝である。
図13(b)の132はDisorderをした導波路
領域である。この実施例では、電流を流していない場
合、TM光が閉じ込められる。この導波路領域が、TE
光が閉じ込められる構成でもよい。利得のバランスを取
る為に利得領域129,130を2つ設けたのが本実施
例の特徴である。図13(b)中、133と134は利
得領域における電流注入領域である。
【0058】(第9実施例)本発明の第9の実施例は、
光増幅器に関するものである。上記実施例中に記載した
レーザの端面に低反射膜を形成する(たとえばSiO2
/ZrO膜を用いて)ことにより、上記レーザを光増幅
器として使用することができる。また、各領域で電流を
選択的に供給することにより、TE/TMモード選択型
の光増幅器として使用できる。
【0059】(第10実施例)図14に、本発明による
半導体レーザを波長多重光LANシステムに応用する場
合の各端末に接続される光−電気変換部(ノード)の構
成例を示し、図15にそのノード281を用いた光LA
Nシステムの構成例を示す。
【0060】外部に接続された光ファイバ280を媒体
として光信号がノード281に取り込まれ、分岐部27
2によりその一部が波長可変光フィルタ等を備えた受信
装置273に入射する。この受信装置273により所望
の波長の光信号だけ取り出して信号検波を行う。一方、
ノード281から光信号を送信する場合には、上記実施
例の半導体レーザ装置274を適当な方法で駆動し、偏
波変調して、偏光板277及びアイソレータ275を通
して出力光を分岐部276を介して光伝送路280に入
射せしめる。また、半導体レーザ及び波長可変光フィル
タを2つ以上の複数設けて、波長可変範囲を広げること
もできる。
【0061】光LANシステムのネットワークとして、
図15に示すものはバス型であり、AおよびBの方向に
ノードを接続しネットワーク化された多数の端末及びセ
ンタ282を設置することができる。ただし、多数のノ
ードを接続するためには、光の減衰を補償するために光
増幅器を伝送路280上に直列に配することが必要とな
る。また、各端末282にノード281を2つ接続し伝
送路を2本にすることでDQDB方式による双方向の伝
送が可能となる。また、ネットワークの方式として、図
15のAとBをつなげたループ型やスター型あるいはそ
れらを複合した形態のものでも良い。
【0062】(第11実施例)図16は、本発明の半導
体レーザを用いた双方向光CATVシステムの構成例を
示す模式図である。図16において、290はCATV
センタ、292は夫々光ファイバ291によってセンタ
290と接続されたサブセンタ、293はサブセンタに
接続された、各加入者の受像機である。センタ290
は、本発明の光源装置を備え、複数の画像信号を夫々波
長の異なる信号光に載せて、受像機293に送信する。
受像機293は、波長可変光フィルタ及び光検出器を含
み、入射した信号光の内、所望の波長の信号光だけを検
出して、モニタに画像を再生する。加入者は、波長可変
光フィルタの透過波長を変化させることによって、チャ
ネルを選択し、所望の画像を得ることが出来る。
【0063】従来は、DFBレーザの動的波長変動の影
響により、DFBフィルタをこのようなシステムに用い
ることが困難であったが、本発明により可能となった。
【0064】さらに、加入者に外部変調器を持たせ、加
入者からの信号をその変調器からの反射光で受け取り
(簡易型双方向光CATVの一形態、例えば、石川、古
田“光CATV加入者系における双方向伝送用LN外部
変調器”,OCS91−82,p.51)、図16のよ
うなスター型ネットワークを構築することで、双方向光
CATVが可能となり、サービスの高機能化が図れる。
【0065】
【発明の効果】上記に説明した様に、本発明によれば、
量子細線による利得領域と多重量子井戸等による導波路
領城を集積化することにより、ゲイン領城におけるTE
/TM利得の制御が良くなり、安定してTE/TMの選
択ができる様になった。
【0066】より具体的には、導波路領域において、光
の通る領城をDisorderしない第2の発明によ
り、光の吸収が少ない偏波変調レーザが実現できた。こ
れは、無秩序化しない多重量子井戸領域では不純物準位
等の光吸収に関係する要素が少ないからである。また、
量子細線を用いた活性層とグレーティングを形成する第
3の発明により、しきい電流が低く、波長安定化したT
E/TMモード選択レーザが作製できた。また、グレー
ティングの形成位置を導波路領域にする第4の発明によ
り、キャリアの変動の少ないTE/TM変調ができ、発
振波長幅の狭いTE/TMモード選択レーザが作製でき
た。また、成長速度の面方位依存性を利用する第5の発
明により、低しきい電流で波長制御性の良いTE/TM
モードを効率よく制御することが出来た。また、両性不
純物を使用する第6の発明により、単純な工程において
電流閉じ込めが可能となった。また、利得領域を2つ設
ける第7の発明により、偏波変調レーザの再現性が改善
された。また、無反射コーティングする第9の発明によ
り、光増幅器として使用することができた。また、各領
域への電流注入割合を変化させることにより、TE/T
Mモード選択型の光増幅器としても使用できる。
【0067】更に、第10、第11、第12の発明によ
れば、レーザ発振の偏波モードを、電流注入量によって
制御できる生産性の良い半導体レーザを用いて、性能の
良い光源装置、光通信システム、光通信方法を比較的容
易に実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】量子細線の断面形状とTE/TM偏波の関係を
説明する図。
【図2】本発明の第1実施例の作製工程図。
【図3】本発明の第1実施例の作製工程図。
【図4】本発明の第1実施例の斜視図。
【図5】本発明の第2実施例の構造を説明する図。
【図6】本発明の第3実施例の構造を説明する図。
【図7】本発明の波長選択用回折格子を有した第4実施
例の作製工程図。
【図8】本発明の第4実施例の斜視図。
【図9】本発明の波長選択用回折格子を有した第5実施
例の構造を説明する図。
【図10】本発明のグレーティングを用いて量子細線を
作製した第6実施例の製法を説明する図。
【図11】本発明の第6実施例の構造を説明する図。
【図12】本発明のグレーティングを用いて量子細線を
作製した第7実施例の製法と動作を説明する図。
【図13】本発明の第8実施例の構造を説明する図。
【図14】図15のシステムにおけるノードの構成例を
示す模式図。
【図15】本発明の半導体レーザを用いた光LANシス
テムの構成例を示す模式図。
【図16】本発明の半導体レーザを用いた双方向光CA
TVシステムの構成例を示す模式図。
【符号の説明】
1、21、41、61、81、101、121、181
基板 2、7、19、22、27、39、42、47、58、
62、68、82、87、102、107、122、1
26、135、141 クラッド層 3、6、23、26、43、46、63、66、83、
86、106、123、125 光ガイド層(光閉じ
込め層) 4、16、56 絶縁マスク 5、25、45、65、85、104、124、14
5、186 量子細線 8、28、48、69、88、108、127 キャ
ップ層(コンタクト層) 9、29、49、70、89、109、128 多重
量子井戸層 10、36、59、78、91、129、130 利
得領域 11、38、57、71、90、110、132 多
重量子井戸層の拡散領域 12、13、14、32、33、34、51、52、5
3、72、73、74 電極 15、35、54、75、93、136 分離溝(分
離領域) 17、40、50 高抵抗層 18、55、151、152 電流 37、60、79、92、131 導波路領域 67、84 波長選択用グレーティング 103、142、153、182 グレーティング
(グレーティング領域) 133、134 電流注入領域 143、144、146、147、150、183、1
87、191 半導体層 148、188 テラス面 149、185 ステップ面 184 ノコギリ形状 189、195 ピッチ 272、276 光分岐部 273 受信装置 274 半導体レーザ 275 アイソレータ 277 偏光子 280、291 光伝送路 281 ノード 282 端末 290 センタ 292 サブセンタ 293 受像機

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】量子細線を有した利得領域と、非電流注入
    状態においてTMモード光とTEモード光の一方に対し
    ては水平方向の屈折率導波構造を形成しTMモード光と
    TEモード光の他方に対しでは水平方向の屈折率導波構
    造を形成しない導波路領域を集積化した半導体レーザ構
    造において、該利得領域と該導波路領域により共振器を
    形成し、かつ該利得領域と該導波路領域に独立に電流注
    入することを可能としたことを特徴とする半導体光デバ
    イス。
  2. 【請求項2】前記導波路領域は量子井戸領域とその無秩
    序化領域とを有することを特徴とする請求項1記載の半
    導体光デバイス。
  3. 【請求項3】前記導波路領域において光が導波する領域
    が無秩序化されていないことを特徴とする請求項2記載
    の半導体光デバイス。
  4. 【請求項4】前記利得領域は波長選択を目的としたグレ
    ーティングを有していることを特徴とする請求項1記載
    の半導体光デバイス。
  5. 【請求項5】前記量子細線を有した利得領域以外にグレ
    ーティングを形成していることを特徴とする請求項1記
    載の半導体光デバイス。
  6. 【請求項6】前記量子細線が、凹凸構造が形成された
    {111}面又は{110}面又はこれらの面から僅か
    に傾いた基板上に形成されていることを特徴とする請求
    項1記載の半導体光デバイス。
  7. 【請求項7】前記基板上に形成される半導体層にドーパ
    ントとして両性不純物が使用されたことを特徴とする請
    求項6記載の半導体光デバイス。
  8. 【請求項8】異なる断面形状を持つ量子細線を有した複
    数の利得領域が形成されたことを特徴とする請求項1記
    載の半導体光デバイス。
  9. 【請求項9】偏波変調可能な半導体レーザとして動作可
    能である様に構成されたことを特徴とする請求項1乃至
    8のいずれかに記載の半導体光デバイス。
  10. 【請求項10】レーザ端面に低反射コーティングを施し
    て半導体光増幅器として動作可能であることを特徴とす
    る請求項1乃至8のいずれかに記載の半導体光デバイ
    ス。
  11. 【請求項11】請求項9に記載の半導体レーザと、該半
    導体レーザから出射する光の内、前記2つの偏波モード
    の一方の発振による光のみを取り出す偏光選択手段とか
    ら成ることを特徴とする光源装置。
  12. 【請求項12】請求項9に記載の半導体レーザと、該半
    導体レーザから出射する光の内、前記2つの偏波モード
    の一方の発振による光のみを取り出す偏光選択手段とか
    ら成る光源装置を備えた光送信機、前記偏光選択手段に
    よって取り出された光を伝送する伝送手段、及び前記伝
    送手段によって伝送された光を受信する光受信機から成
    ることを特徴とする光通信システム。
  13. 【請求項13】請求項9に記載の半導体レーザと、該半
    導体レーザから出射する光の内、前記2つの偏波モード
    の一方の発振による光のみを取り出す偏光選択手段とか
    ら成る光源装置を用い、所定のバイアス電流に送信信号
    に応じて変調された電流を重畳して前記半導体レーザに
    供給することによって、前記偏光選択手段から送信信号
    に応じて強度変調された信号光を取り出し、この信号光
    を光受信機に向けて送信することを特徴とする光通信方
    法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006245136A (ja) * 2005-03-01 2006-09-14 Sumitomo Electric Ind Ltd 半導体光素子
KR100734831B1 (ko) * 2005-07-28 2007-07-03 한국전자통신연구원 Tm-모드 다이오드 레이저를 이용한 파장변환 광소자 및그 제조 방법
JP2011258855A (ja) * 2010-06-11 2011-12-22 Seiko Epson Corp 発光装置、およびプロジェクター

Cited By (3)

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