JPH09283860A - 偏波方向の安定化した面発光半導体レーザ - Google Patents

偏波方向の安定化した面発光半導体レーザ

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JPH09283860A
JPH09283860A JP8115547A JP11554796A JPH09283860A JP H09283860 A JPH09283860 A JP H09283860A JP 8115547 A JP8115547 A JP 8115547A JP 11554796 A JP11554796 A JP 11554796A JP H09283860 A JPH09283860 A JP H09283860A
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JP
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semiconductor laser
polarization
strain
layer
surface emitting
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JP8115547A
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Mamoru Uchida
護 内田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】偏波方向が安定で且つ高速に偏波スイッチング
が可能で、更に作製の容易な面発光半導体レーザであ
る。 【解決手段】層厚方向にレーザ光を出射する面発光半導
体レーザである。面発光半導体レーザは、基板101上
に、独立な2つの偏波モードを許容する光導波路と、2
つの独立な偏波モードに等しい発振波長を与える分布反
射器108、109と、2つの独立な偏波モードに等し
く利得を与えることが可能で且つ偏波方向を特定する利
得媒質手段である歪み量子井戸活性層104とを有す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光通信、特に光イ
ンタコネクトのための送信機あるいは光情報処理(光メ
モリ、光コンピューティング等)などに用いられる偏波
変調可能な半導体レーザ等に関する。
【0002】
【従来の技術】半導体レーザ等の光デバイスを用いた光
通信技術は、今日、多くの問題点を解決してきた。しか
しながら、いわゆるチャーピングとよばれる、半導体レ
ーザの高速強度変調時のキャリア不均一分布による屈折
率変動が発振光の波形を歪ませる現象は、必ずしも解決
に至っていない。これを解決するために現在用いられて
いる主流の方法は、半導体レーザをCW(連続)で駆動
し、半導体光変調器により強度変調を行うものである。
しかし、この方法でもチャーピングの低減に限界がある
ことが、近年の研究で明らかになってきた。
【0003】一方、レーザ光の偏波面を信号に応じてス
イッチングさせる偏波変調レーザは、通常の強度変調レ
ーザに比べ、変調の際にも、共振器内の光密度とキャリ
ア密度をほんとんど一定にする事が可能なため、チャー
ピングが小さくなり変調速度や伝送距離を向上させるこ
とができる。偏波変調レーザは、たとえば、特開昭62
−42593ないしは特開昭62−144426に開示
されている。
【0004】この骨子は以下のようなものである。図1
3に示すように、ある電流値でTMモードからTEモー
ドヘ偏波が反転する特性を有する半導体レーザを用い
て、TEモードとTMモードが同時発振する電流値をバ
イアス点として信号電流によってTEとTMの閾値利得
をスイッチする。そして、偏波変調レーザの発振端の前
に置かれた偏光子によって、特定方向に偏光した光のみ
を送出するものである。しかしながら、上記文献には、
このようなレーザを実現するための具体的方法について
は何ら明示されていない。
【0005】一般に、半導体レーザの発振モードは以下
の発振条件式で決まる。 閾利得について Γ・gth=Γ・αin+(1-Γ)αexMSC ・・・・・・・・(1) ここで、αM=1/2Leff・ln(1/R1・1/R2) 位相について exp(i・(2neff・Leff/λ+φ))=0 ・・・・・・・(2) ここで Γ:活性層への光閉じ込め係数 gth:閾利得 αin:内部損失 αex:クラッド層の損失 αM:反射損失 αSC:その他の損失(散乱損失、結合損失等) Ri:共振器内の1点からみた実効的な反射率 neff:導波路の実効的な屈折率 Leff:実効的な共振器長 λ:発振波長 φ:位相。
【0006】これに加え、偏波変調レーザに求められる
条件は、発振モードとして2つの独立な偏波モード(M
1とM2)を有し、かつその閾利得がほぽ等しいこと、
すなわち、 gthM1=gthM2 ・・・・・・・・(3) である。
【0007】各変数は波長依存や偏波依存があることか
ら、上記の条件(1)〜(3)をすべて満たすのは容易
ではない。特に(2)式は発振モード(波長、偏波モー
ド、横モード)を決める極めて重要な条件式である。
【0008】通常の構成であるスラブ導波路とファブリ
ペロ共振器を有する半導体レーザで励起される発振モー
ドは、いわゆるTEモードとTMモードとがある。この
種の半導体レーザでは、(3)式を満たすことは比較的
容易であるが、光の閉じこめ効率と反射率の偏波依存性
により、TEモードのみが発振し、且つ、高速変調時に
は多軸モードとなってしまう。
【0009】通常、端面発光型の分布帰還型半導体レー
ザ(DFB−LD)では、TMモードでもTEモードで
も発振させることは可能であり、また、高速変調時にも
チャーピングが小さければ単一軸モードを維持する。そ
の反面、ブラッグ波長の設定と利得プロファイルの位置
関係(いわゆるデチューニング)には極めて高精度な調
整が要求される。また、利得、光閉じこめ係数および反
射率に強い偏波依存性があるため、(1)〜(3)式の
発振条件を満たすには多くのパラメータを制御する必要
がある。
【0010】この一例を図3に示した。図3は、DFB
−LDの共振器損失と利得が釣り合う状態すなわち
(1)式を波長スケールで模式的に表したものである。
まず、光の閉心込め係数に偏波依存性があるため、TE
モードとTMモードで発振波長に差が生じてしまう。通
常のグレーティングで反射器を形成した場合には、反射
率にも偏波依存性があるため、図3のように共振器損失
の大きさにも差ができてしまう。さらに利得に大きな偏
波依存性があるため、Γ・gのピーク波長(λTM
λTM )を各モードのDFBのブラッグ発振波長(λTM
Bragg、λTM Bragg)に合わせ、なおかつ(3)式が成り
立つように閾利得プロファイルを制御することは極めて
困難である。つまり、従来の端面発光型のDFB−LD
では、(1)〜(3)式の発振条件を満足させることは
極めて高度な設計技術とプロセス技術を要求する。
【0011】この端面発光型のDFBレーザに対し、層
厚方向に垂直に共振させ光を取り出す面発光レーザが報
告されている(例えば、H.Soda, K.Iga, Y.Kitahara an
d Y.Suematsu, "GaInAsP/InP surface injection emitt
ing lasers", Japan Journalof Applied Physics, vol.
18, pp.2329-2330(1979))。このレーザでは、活性層と
光導波路が光の伝搬方向に垂直な面に対して等方的であ
るため、発振モードは2つの独立なリニアなTEモード
になる。したがって特別なことをしなくとも2つの偏波
モードはほぼ等しい閾利得を有する。
【0012】その反面、光導波路が完全に等方的な場
合、2つの互いに直交するリニアな偏波モードが同じ閾
利得を持つが偏波の方向は特定できない、即ち偏波方向
がランダムになる。そのため、導波路に異方性を与えて
偏波の方向を特定することが一般的である。具体的に
は、断面が矩形や十字構造の光導波路を用いたもの(た
とえば、K.D.Choquette and R.R.Leibenguth, "Control
of vertical-cavity laser polarization with anisot
ropic transverse cavity geometries", IEEE Photonic
s Technology Letters, vol.1, pp.40-42(1995))やD
BRに偏光子を集積したもの(たとえば、T.Mukaihara,
N.Ohnoki, Y.Hayashi, N.Hatori, F.Koyama, and K.Ig
a, "Polarization control of vertical-cavity surfac
e-emitting lasers using birefringent metal/dielect
ric polarizer loaded on top distributed Bragg refl
ector", IEEE Journal of Selected Topics in Quantum
Electronics, vol.1, pp.667-673(1995))などがあ
る。しかしこれらの構造では、偏波面を安定化すること
はできても偏波スイッチングすることは困難である。さ
らに、基本モードのみが立つようにサイズを限定する必
要があり、高い作製精度が要求される。また、円形の開
口部を設けても完全な円形ビームとはならないため、完
全な円形ビームが得られる円筒形の光導波路を用いた場
合に比べ、ファイバ等の外部光学系との結合効率が落ち
てしまう。結果的に、面発光レーザは、本質的に、端面
発光半導体レーザと比べ、偏波変調レーザとして優れて
いるにも関わらず、実用に供されるものはない。
【0013】
【発明の解決しようとする課題】以上問題点をまとめる
と以下のようになる。従来、偏波変調レーザを作製する
とき、 (1)通常の端面発光型の半導体レーザでは、構造パラ
メータの偏波依存性が大きく、再現性や動作領域(動作
電流や発振波長等の領域)が狭い。 (2)従来の面発光型半導体レーザでは、偏波方向を特
定することと高速に偏波スイッチングを同時に行う方法
がなかった。
【0014】従って、本発明の目的は、偏波方向が安定
で且つ高速に偏波スイッチングが可能で、更に作製の容
易な面発光半導体レーザ等を提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成する本発
明の偏波方向の安定化した面発光半導体レーザは、層厚
方向にレーザ光を出射する面発光レーザであって、独立
な2つの偏波モードを許容する光導波路と、該2つの独
立な偏波モードに等しい発振波長を与える共振器と、該
2つの独立な偏波モードに等しく利得を与えることが可
能で且つ偏波方向を特定する利得媒質手段とを有するこ
とを特徴とする。
【0016】より具体的には、前記独立な2つの偏波モ
ードを許容する光導波路の構造が、(100)面を有す
る半導体基板上に垂直に形成された円筒形光導波路であ
り、前記2つの独立な偏波モードに等しい発振波長を与
える共振器が、該円筒形光導波路の上下に設置された誘
電体或は半導体分布ブラッグ反射器であり、前記利得媒
質手段が、(100)面内に歪みを与えた歪み多重量子
井戸構造の活性層を有することを特徴とする。また、前
記利得媒質手段が、(100)面内に非対称に歪みを導
入した非対称歪み量子井戸活性層を有し、それを構成す
る第1井戸層と第2井戸層それぞれの電子−重い正孔間
遷移の基底準位が等しくなる様に、且つ夫々の量子井戸
層全体にかかる歪み量を緩和する様に、第1井戸層と第
2井戸層に逆の方向の歪み量を与え、障壁層は無歪みで
あり、井戸深さと幅を制御したことを特徴とする。ま
た、前記利得媒質手段が、(100)面内に非対称に歪
みを導入した非対称歪み多重量子井戸構造の活性層を有
し、該非対称歪み活性層の第1井戸層と第2井戸層に異
なる歪み量を与え、それぞれの電子−重い正孔間遷移の
基底準位が異なる様に、井戸層厚と井戸深さが設定され
ていることを特徴とする。
【0017】更に、発振モードを前記独立な2つの偏波
モード間で安定且つ高速にスイッチングする手段を有し
てもよい。スイッチング手段は、前記ブラッグ反射器近
傍に複数に分割して配置されたリング状電極などであ
る。
【0018】また、上記目的を達成する本発明の偏波変
調可能な面発光半導体レーザの駆動方法は、上記偏波変
調可能な面発光半導体レーザにおいて、分割された電極
の一部に注入するキャリアに変調信号を重畳して夫々の
電極の部分に注入するキャリア数を制御することで、発
振モードを独立な2つの偏波モード間で高速にスイッチ
ングすることを特徴とする。
【0019】また、上記目的を達成する本発明の光送信
機は、上記面発光半導体レーザと、該面発光半導体レー
ザからの出力光のうち1つの偏波の光を透過させる偏光
選択手段(偏光子など)と、該面発光半導体レーザの出
力光を入力信号に従って偏波変調する制御手段から構成
されることを特徴とする。
【0020】また、上記目的を達成する本発明の光伝送
システムは、上記面発光半導体レ−ザを用いた送信機を
含むことを特徴とする。この送信機が複数の異なる波長
の光信号を送出することができて波長多重型のネットワ
−クを構成することもできる。
【0021】本発明の骨子は以下のようである。 (1)独立な偏波モードとして、面発光レーザ構造で誘
起される互いに直交する2つの偏波モードを利用する。 (2)光導波路および共振器に偏波依存性のない構造を
使用する。 (3)偏波の方向を特定するために、活性層に歪み多重
量子井戸を用いることで利得に結晶方位依存性を持たせ
る。具体的には、 3−1)対称歪み:対称量子井戸に一定の歪みを与え
る。 3−2)歪み補償:第1井戸層と第2井戸層に逆の歪み
を導入する。 3−3)非対称歪み:非対称量子井戸において、歪みも
非対称に与える。
【0022】更に、(4)2つの偏波モードを高速にス
イッチングするために、分割電極を使用することでキャ
リアの空間分布を制御してもよい。電極を分割しなくて
も、上記構成により偏波方向の安定化はできる。
【0023】各手段の作用は以下の様になる。面発光レ
ーザでは、励起される2つの発振モードは活性層と平行
な面内の互いに直交する2つのリニアな偏波モードであ
る(便宜上この2つの偏波モードをTElおよびTE2
と表記する)。従って、利得媒質、導波路および共振器
が発振方向に垂直な面に関して等方的であるなら、常に
偏波の異なる2つの発振モードが励起されることにな
る。この様子を図4に示した。利得、反射率および閉じ
込め係数に偏波依存性がないので図4のように2つの閾
利得は常にほぼ等しい。通常の端面発光のDFB−LD
に比べ制御パラメータが極めて少ないことがわかる(た
だし、キャリアの意図的でない不均一分布や作製誤差で
両モードの利得の大きさにはやや差が生じ、常に両方の
偏波モードで発振するとは限らない)。
【0024】誘電体或は半導体多層膜で構成した分布反
射器(DBR)は上記2つの偏波モードに対して等しい
反射率を与える。円筒形導波路は、活性層の平行な面に
関して等方的であるとともに、レンズ系やファイバとの
結合にも有利な構造である。
【0025】更に、活性層に歪み多重量子井戸構造を用
いることで、円筒形光導波路のまま偏波方向を特定する
ことができる。(100)面に歪み多重量子井戸を成長
した場合、その結晶が完全結晶であるなら、バルクの活
性層と同様に2次元的に等方的になる。しかし、歪み量
が大きいほど或る方位、具体的には〈011〉方位ある
いは〈01−1〉方向が、他の結晶方位に比べわずかに
利得が高くなることが見いだされている。これは、利得
に歪みによる面方位依存性があることと、結晶の緩和の
され方や欠陥の導入のされ方に面方位依存性があるため
と考えられる。
【0026】したがって、歪み多重量子井戸活性層、円
筒形などの光導波路および面型DBRを用いた場合、特
別なことをしなくとも、〈011〉方向あるいは〈01
−1〉方向に偏波した発振モード(TElあるいはTE
2)が最低の閾利得を持つ。偏波スイッチングさせるた
めには、〈011〉方向あるいは〈01−1〉方向に微
小な利得差あるいは損失差を与えてやればよい。
【0027】本発明では、キャリアの意図的な不均一注
入により利得にさらに異方性を与えることもできること
を示した。具体的には、正電極あるいは負電極を分割し
て、〈011〉方向と〈01−1〉方向のキャリア注入
量を制御することで、活性層におけるキャリア分布を制
御し、両者の利得の大きさをスイッチングさせている。
【0028】また、上記構成の改善法の1つとして、歪
み補償多重量子井戸構造の導入がある。これは、活性層
を圧縮歪み量子井戸層と引っ張り歪み量子井戸層で構成
し、ネットの歪みを小さくして、活性層厚を厚くし、利
得を大きくするためのものである。通常、歪み補‐償量
子井戸構造は、井戸層と障壁層に逆方向の歪みを与える
ものであるが、この方式を用いた端面発光型の半導体レ
ーザの特性は必ずしも良くない。これは、歪み量の異な
る層(特に歪みの方向が逆転する層)を連続的に制御良
く積層することが困難であるからである。たとえば、圧
縮歪みを有する井戸層の上に、その歪みを緩和させるた
めに引っ張り歪みをかけた障壁層を積層しても、面内全
体にわたって均一に歪み補償させることはできず、歪み
の不均一性は残ってしまう。したがって、層数を増やせ
ば増やすほど、不均一歪みの領域が増えてしまう。本発
明では、量子井戸層の井戸層のみに交互に反対方向の歪
みを与え、障壁層には無歪み層を用いることでこの欠点
を解決している。
【0029】他の改善法として、偏波変調の制御性を向
上させることを目的として、活性層に非対称歪み量子井
戸構造を用いる方法がある。これは、エネルギ準位の異
なる複数の量子井戸からなる量子井戸構造を採用し、キ
ャリア注入量を制御する事で、利得スペクトルを変化さ
せ、利得ピークと共振器ピークの差、即ちデチューニン
グ量の調整を可能とするものである。
【0030】以上をまとめると以下のようになる。 (1)円筒形等の光導波路を使用することで、活性層に
平行な面内の導波モードを等方的にすることができる。 (2)面型DBRを用いることで共振器特性を等方的に
することができる。 (3)活性層に歪み多重量子井戸構造を用いることで偏
波方向を特定できる。
【0031】更に、次の様にもできる。 (4)分割型の電極に不均一注入を行うことで、独立な
2つの偏波モードの閾利得を等しくできるとともに、電
極の一部に変調信号を重畳することで偏波変調が実現で
きる。 (5)歪み補償多重量子井戸構造を用いることで、利得
を大きくできるため動作電流を下げることができる。 (6)非対称歪み量子井戸構造を用いることで、デチュ
ーニング量を調整できる。
【0032】
【発明の実施の形態】
第1実施例:歪みMQW活性層)図1は本発明の第1
実施例の断面構造図である。図2はその平面図である。
まず、作製方法を説明する。
【0033】[エビタキシャル成長]たとえば(10
0)面を有するn−InP基板101上に、化学分子線
蒸着法(chemical beam epitaxy)等を用いて以下の半
導体層をエピタキシャル成長する。 n−InGaAsPエッチングストッパ層102・・・
基板101の開口部101aを作るエッチング工程時に
用いるエッチングストッパ層であり、厚さ5nmとし、
その量子効果によりバンドギャップを広げて活性層から
の発光を吸収しないようにした。 n−InPクラッド層103・・・キャリア濃度1×1
18cm-3、厚さ1.5μm. 歪み量子井戸活性層104・・・図5に活性層105の
バンド構造を示した。InGaAsP井戸層(厚さ50
μm、格子不整合量+0.6%)121、InGaAs
P障壁層(発光波長1.15μm、格子不整合量0%)
122を用いている。井戸数は4とした。この結果、利
得ビークは1.55μmとなる。 p−InPクラッド層105・・・キャリア濃度1×1
18cm-3、厚さ1.5μm. p−InGaAsPコンタクト層106・・・バンドギ
ャップエネルギEg=1.15μm、キャリア濃度3×
1019cm-3、厚さ0.5μm。
【0034】[導波路形成]ドライエッチング等を用い
て直径10μm、高さ約3μmの円筒状のメサを形成す
る。次に、エッチングダメージ除去および新たな結晶欠
陥の増殖を防ぐために、CBE法等でエッチング側面を
アンドープInPあるいはFeドープInP(側面保護
層)107でエピタキシャルにコーティングを行った。
基板101裏側に光を取り出すための円状のウィンドウ
101aをウェットエッチングで形成する。塩酸系のエ
ッチング用いることでInGaAsPエッチングストッ
パ層102でエッチングが停止する。
【0035】[反射器の形成]基板101裏側とエピ表
面側に誘電体多層膜(誘電体DBR)108、109を
作製する。本実施例では、SiO2膜とアモルファスS
i膜を交互に積層し、そのブラッグ波長が発振波長とな
るように各層厚を設定するともに、99%以上の反射率
になるように繰り返し数を制御した。本実施例では、上
記エピタキシャル成長後、活性層104のフォトルミネ
ッセンスを測定して利得スペクトルを確認してから、そ
れに合うように誘電体多層膜108、109を積層する
ことで、素子歩留まりを高めている。
【0036】[電極形成]開口径5ミクロンの多分割さ
れたリング状電極110、111を、p−コンタクト層
106とn−クラッド層103上に形成した。本実施例
では、正電極110は〈01−1〉方向に2つに分割さ
れ、負電極111は〈011〉方向に2つに分割した場
合を示した。
【0037】次に、本実施例の動作原理について説明す
る。面発光レーザは活性層104に平行な2つの独立な
リニアな偏波モードを有する。活性層104が均一に作
製できていれば、利得は活性層の面に対して平行な偏波
モードを一様に励起するので、面内における偏光方向は
一定には決まらない。しかし、実際の測定では、基板1
01の結晶面が(100)面のとき、偏波方向は〈01
1〉および〈01−1〉方向あるいはその近傍となるこ
とが多い。これは完全な結晶が作りにくく、格子欠陥や
転移によって結晶光学的特性に異方性が、ある決まった
方向((100)基板の場合には〈011〉ないしは
〈01−1〉方向)に起こりやすいためと考えられる。
更に、意図的に歪みを与えることで利得にさらに面方位
依存性を与え得られることがシミュレーションで見いだ
されている。例えば、(100)InP基板上に形成さ
れたInGaAs井戸層およびInGaAsP障壁層の
多重量子井戸構造に或る範囲の歪みを与えた場合、〈0
11〉方向および〈01−1〉方向が他の結晶方位に比
べ利得が強調される。したがって、この活性層に均一に
キャリアが注入されたとき、導波路と共振器に偏波依存
性がなければ、2つの互いに直交する直線偏波モードが
常に同時に誘起される。こうして、偏光方向の安定化が
できる。
【0038】次に、この状態で、分割された電極11
0、111により、キャリア注入の方向と量を制御すれ
ば、活性層104中のキャリア分布を制御、すなわち利
得の面方位依存を微妙に制御することができる。本実施
例の場合、共振器長および活性層104の面内の大きさ
がキャリアの拡散長程度(3ミクロン程度)であるた
め、〈011〉方向と〈01−1〉方向に分割した多電
極110、111による不均一キャリア注入より、利得
強度の空間分布、すなわち利得分布に変調をかけること
ができる(これらがキャリアの拡散長より大きい場合
は、不均一キャリア注入をしても活性層中のキャリア分
布はほぼ均一になってしまって利得分布に変調をかけら
れない)。このことは閉じこめ係数を制御することと等
価である。本実施例では、2分割リング型電極110、
111の分割方向を上下で直交する配置としたが、この
配置に限るものではない。例えば、両電極とも同方向に
分割されて平行配置にしたり、もっと多分割にして配置
することも効果がある。
【0039】図6は、このようにしてキャリア注入量を
制御したときの、注入電流対光出力特性の一例である。
光出力は、偏光子を介して測定した2つの偏波出力とそ
の和を示している。図6中のバイアス点(約lmA)で
偏光がスイッチングするが、全光出力には変化がないこ
とがわかる。また、この前後で、発振波長の変化も近視
野像の変化もない。すなわち、スイッチングの前後で偏
波のみが変化するいう理想的なスイッチング特性が得ら
れている。
【0040】また、図6中のバイアス点において、分割
されたリング電極110、111の一部に微小な変調電
流(〜μm)を重畳することで偏波変調を行うことがで
きる。変調時のキャリア密度と光密度の変化が少ないた
め、20GHz以上の変調周波数で変調が可能であっ
た。さらに、各電極の分割部に注入するバイアス点での
注入電流バランスを変えることで、バイアス点を変更で
きるため、出力変化や温度変化に対応できることも確認
した。
【0041】本実施例特有の効果は以下の通りである。 (1)製作歩留まりが高い。これは成長のあとに誘電体
多層膜を積層するため、成長した結晶の光学特性を確認
してから適切な多層膜を作製することができるためであ
る。
【0042】(第2実施例:歪み補償MQW)第2の実
施例について説明する。第1実施例では、活性層厚が、
圧縮歪みを導入した井戸層の臨界膜厚によって制限され
ていた。本実施例の目的は、活性層をより厚く形成し、
大きな利得を得ることである。本実施例の特徴は、活性
層に歪み補償量子井戸構造を用いたことである。活性層
104以外の構造および製造方法は第1の実施例と共通
である。図7は第2の実施例の活性層のバンド構造図で
ある。本構造では、非対称歪み多重量子井戸構造におい
て、ネットの歪みが緩和(理想的にはゼロ)されるよう
に、井戸層あるいは障壁層に逆方向の歪みを与え、かつ
その基底準位が等しくなるように井戸深さおよび井戸幅
が非対称に設定されている。
【0043】例えば、第1井戸層131として、圧縮歪
みInGaAsP層(Eg=1.65μm、歪み量1.
5%、厚さ6nm)、第2井戸層132として、引っ張
り歪みInGaAs層(歪み量−0.9%、厚さ10n
m)、障壁層133として無歪みInGaAsP層(E
g=1.15μm、厚さ10nm)を用い、量子井戸数
を10とした。この結果、e(伝導帯の電子準位)−h
h(価電子帯の重い正孔の準位)遷移の基底準位は、第
1井戸層131および第2量子井戸層132ともに1.
3μmとなる。第1井戸層131に導入された圧縮歪み
がやや不均一になったとしても、その後に形成される障
壁層133により完全に歪みゼロに戻るので、その後の
第2井戸層132には再現性良く引っ張り歪みを導入す
ることができる。したがって、層数を重ねても常にネッ
トの歪みを一定に保つことができる。この構造は、活性
層厚の制限が端面発光型半導体レーザ(この型のレーザ
では活性層に沿って光が導波し、活性層は利得媒質層で
あると共に吸収層でもあるので、余り厚くできない)に
比べ緩い面発光半導体レーザで特に効果がある。本実施
例の場合、ネットの歪み量はほぼゼロとなるが、個々の
量子井戸131、132には歪みによる利得の結晶方位
依存性があり、第1実施例と同じように、〈011〉お
よび〈01−1〉方向に利得が強くなる。それととも
に、井戸層数を10と大きくできたため、全利得は第1
実施例よりも大きくなり、駆動電流を小さくすることが
できた。
【0044】(第3実施例:非対称歪みMQW)第3の
実施例について説明する。本実施例の目的は、偏波変調
の制御性を向上させることである。以下、製造方法にお
いて上記実施例と異なる点について述べる。図8は本発
明の断面模式図である。まず、作製方法を説明する。
【0045】[エビタキシャル成長]たとえば(10
0)面を有するn−InP基板101上に、CBE法等
を用いて以下の半導体層をエピタキシャル成長する。 n−InGaAsPエッチングストッパ層102a・・
・基板101の開口部101aを作るエッチング工程時
に用いるエッチングストッパ層であり、厚さ5nmと
し、量子効果により活性層からの発光を吸収しないよう
にした。 i(intrinsic)−InP/InGaAsDBR209
・・・活性層209の発光波長に反射ビークを合わせ
て、かつ反射率が95%以上になるようInPとInG
aAsおよび繰り返し数を調整した。 n−InGaAsPエッチングストッパ層102b・・
・円筒状のメサを作るエッチング工程時に用いるエッチ
ングストッパ層であり、厚さ5nmとし、量子効果によ
り活性層からの発光を吸収しないようにした。 n−InPクラッド層103・・・キャリア濃度1×1
18cm-3、厚さ1.5μm。 非対称歪み量子井戸活性層204・・・図9は第3の実
施例の活性層204のバンド構造図である。第1井戸層
171、障壁層173および第2井戸層172を一単位
とした多重量子井戸構造であり、この2組の量子井戸に
異なる格子不整量を与えることで非対称歪みをかけてお
り、かつそのe−hh遷移の基底準位がわずかに異なる
ように井戸深さおよび井戸幅が非対称に設定されてい
る。例えば、第1井戸層171として、無歪みInGa
AsP層(Eg=1.65μm、厚さ8nm)、第2井
戸層172として、InGaAs層(歪み量0.47
%、厚さ6nm)、障壁層として無歪みInGaAsP
層(Eg=1.15μm、厚さ10nm)とする。 p−InPクラッド層105・・・キャリア濃度1×1
18cm-3、厚さ1.5μm。 p−InGaAsPコンタクト層106・・・Eg=
1.15μm、キャリア密度3×1019cm-3、厚さ
0.5μm。 i−InP/InGaAsDBR209・・・前記と同
構造。ただし、後の電極作製工程のためにリング状にエ
ッチングしてある。その他の工程は第1実施例と同じで
ある。
【0046】動作原理について説明する。非対称歪み量
子井戸活性層204では、歪み量とエネルギー準位の異
なる複数の井戸からなる量子井戸を採用することによっ
て、キャリア注入量によって、利得スベクトルを変化さ
せることができる。この結果、利得ピークと共振器損失
ピークの差、すなわちデチューニング量の調整が可能に
なる。図10は、利得スペクトルのキャリア濃度を模式
的に表したものである。キャリア濃度を変化させること
で、利得ピーク位置を調整できることがわかる。本実施
例の場合、キャリア注入量を5×1017cm-3から6×
1017cm-3に変化させることで、1.30μmから
1.35μmまで利得ピークを変化させることができ
る。
【0047】この方法による効果は以下の通りである。 (1)作製工程が簡素化される。利得ピークと共振器損
失ピークが設計通りでなかったとしても、あるいは経時
変化でずれたとしても、調整することができる。この効
果はDBR208、209を活性層204と一括して作
製する場合に顕著である。 (2)変調可能な動作領域が広くなる。利得スペクトル
を制御する自由度があるので、バイアス点を変更するこ
とで、所望の利得や微分利得を選んでバイアス点が設定
可能である。この結果、よリチャーピングの小さい変調
や光出力の制御が可能になる。
【0048】図9では1組の非対称量子井戸構造の例を
示したが、井戸数の繰り返し数は臨界膜厚を超えない範
囲で増やしてもよい。
【0049】(第4の実施例)図11に本発明の面発光
半導体レーザを光通信の光送信機に適用した実施例を示
した。図11において、901は制御回路、902は上
記実施例で示した本発明の半導体レーザ、903は偏光
子、904は空間を伝搬している光を光ファイバへ結合
する光結合手段、905は光ファイバ、906は端末か
ら送られてきた電気信号、907は、制御回路901か
ら、半導体レーザ902を駆動するために送られる駆動
信号、908は駆動信号907に従って半導体レーザ9
02が駆動されることで出力された光信号、909は、
光信号908の直交する2つの偏波状態のうち1つだけ
を取り出すように調整された偏光子903を通過した光
信号、910は光ファイバ905中を伝送される光信
号、911は本発明の半導体レーザ902を用いた光送
信機である。、この実施例では、光送信機911は、制
御回路901、半導体レーザ902、偏光子903、光
結合手段904、光ファイバ905などから構成されて
いる。
【0050】次に、本実施例の光送信機911の送信動
作について説明する。端末からの電気信号906が制御
回路901に入力されると、上記変調方法に従って本発
明の半導体レーザ902へ駆動信号907が送られる。
駆動信号907を入力された半導体レーザ902は、駆
動信号907に従って偏波状態が変化する光信号908
を出力する。その光信号908は、偏光子903で片方
の偏光の光信号909にされ、更に光結合手段904で
光ファイバ905へ結合される。こうして強度変調され
た光信号910を伝送し通信が行われる。
【0051】この場合、光信号910は強度変調された
状態であるので、従来用いられている強度変調用の光受
信機で光を受信することができる。また、上記構成の半
導体レーザはバイアス電流の制御で波長可変の半導体レ
ーザとしても用いられるので、波長多重通信の送信機と
しても使うことができる。本実施例では、光送信機とし
て構成した場合を示したが、もちろん光送受信機中の送
信部分に用いることもできる。
【0052】更に、適用可能な光通信システムについて
も、強度変調信号を扱う系であれば、単純な2点間の光
通信に限らず、光CATV、光LANなどにも適用でき
る。
【0053】(第5の実施例)図12は、本発明のデバ
イスを、波長多重型のシステム構成時にスター型のトポ
ロジーにおいて使用したシステム例を示す。
【0054】図12において、961−1〜961−n
は本発明の偏波変調面発光半導体レーザ)と偏光子から
なる送信部であり、971−1〜971−nは波長フィ
ルタと光検出器で構成される受信部である。
【0055】本発明の偏波変調レーザの出力波長を変え
るには、通常のDFB−LDと同様にその注入電流バイ
アスを制御してやればよい。本実施例では、1Åずつ並
べた送信器961より10波(n=10)の波長多重を
実現した。受信器971の波長フィルタとしては、この
波長多重度に対応させた適当なフィルタ(半値全巾<
0.5Å)を用いることにより、所望の波長の光信号を
選択的に受信することが可能となる。
【0056】偏波変調レーザと出力部に設けた偏光選択
素子の組み合わせにより、少ない電流変調で大きな消光
比のASK信号が得られ、かつ変調時のスペクトル拡が
り(チャーピング)を極めて小さくできる。これによ
り、従来、FSK方式あるいは外部変調方式でのみ実現
可能とされていた高密度波長多重化が可能となる。
【0057】
【発明の効果】本発明の効果は以下の通りである。 (1)偏波方向が安定な面発光半導体レーザを容易に作
製でき、かつ信頼性が高い。 (2)活性層などを工夫して、動作領域の広い偏波スイ
ッチングが可能である。 (3)偏波依存のパラメータが少ないので設計の自由度
が高い。 (2)動作電流および変調電流が小さいためチャーピン
グが生じにくく、高速変調および長距離伝送が可能であ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明の第1実施例の断面図である。
【図2】図2は同平面図である。
【図3】図3は従来例の問題点を説明する利得スペクト
ルと共振器損失との関係の典型例を表す模式図である。
【図4】図4は本発明の利点を説明する利得スペクトル
と共振器損失との関係の典型例を表す模式図である。
【図5】図5は第1実施例の活性層のバンド図である。
【図6】図6は本発明の注入電流対光出力特性の典型例
を示す図である。
【図7】図7は第2実施例の活性層のバンド図である。
【図8】図8は本発明の第3実施例の断面図である。
【図9】図9は第3実施例の活性層のバンド図である。
【図10】図10は第3実施例の利得のキャリア濃度依
存性を説明する模式図である。
【図11】図11は本発明の面発光半導体レーザを光通
信の光送信機に適用した実施例を示すブロック図であ
る。
【図12】図12は本発明の面発光半導体レーザを用い
た波長多重伝送システムを示すブロック図である。
【図13】図13は従来例の注入電流対光出力特性を示
す図である。
【符号の説明】
101 基板 101a ウインドウ 102、102a、102b エッチングストッパ
層 103、105 クラッド層 104 歪み量子井戸活性層(歪み補償量子井戸活
性層) 106 キャップ層 107 側面保護層 108、109 誘電体DBR 110、111 リング型電極 121、131、172 圧縮歪み井戸層 122、133、173 無歪み障壁層 132 引っ張り歪み井戸層 171 無歪み井戸層 204 非対称歪み量子井戸活性層 208、209 半導体DBR

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 層厚方向にレーザ光を出射する面発光レ
    ーザであって、独立な2つの偏波モードを許容する光導
    波路と、該2つの独立な偏波モードに等しい発振波長を
    与える共振器と、該2つの独立な偏波モードに等しく利
    得を与えることが可能で且つ偏波方向を特定する利得媒
    質手段とを有することを特徴とする偏波方向の安定化し
    た面発光半導体レーザ。
  2. 【請求項2】 前記独立な2つの偏波モードを許容する
    光導波路の構造が、(100)面を有する半導体基板上
    に垂直に形成された円筒形光導波路であり、前記2つの
    独立な偏波モードに等しい発振波長を与える共振器が、
    該円筒形光導波路の上下に設置された誘電体或は半導体
    分布ブラッグ反射器であり、前記利得媒質手段が、(1
    00)面内に歪みを与えた歪み多重量子井戸構造の活性
    層を有することを特徴とする請求項1記載の面発光半導
    体レーザ。
  3. 【請求項3】 前記利得媒質手段が、(100)面内に
    非対称に歪みを導入した非対称歪み量子井戸活性層を有
    し、それを構成する第1井戸層と第2井戸層それぞれの
    電子−重い正孔間遷移の基底準位が等しくなる様に、且
    つ夫々の量子井戸層全体にかかる歪み量を緩和する様
    に、第1井戸層と第2井戸層に逆の方向の歪み量を与
    え、障壁層は無歪みであり、井戸深さと幅を制御したこ
    とを特徴とする請求項1又は2記載の面発光半導体レー
    ザ。
  4. 【請求項4】 前記利得媒質手段が、(100)面内に
    非対称に歪みを導入した非対称歪み多重量子井戸構造の
    活性層を有し、該非対称歪み活性層の第1井戸層と第2
    井戸層に異なる歪み量を与え、それぞれの電子−重い正
    孔間遷移の基底準位が異なる様に、井戸層厚と井戸深さ
    が設定されていることを特徴とする請求項1又は2記載
    の面発光半導体レーザ。
  5. 【請求項5】 更に発振モードを該独立な2つの偏波モ
    ード間でスイッチングする手段を有することを特徴とす
    る請求項1乃至4の何れかに記載の面発光半導体レー
    ザ。
  6. 【請求項6】 前記発振モードを該独立な2つの偏波モ
    ード間でスイッチングする手段が、前記ブラッグ反射器
    近傍に複数に分割して配置されたリング状電極であるこ
    とを特徴とする請求項5記載の面発光半導体レーザ。
  7. 【請求項7】 請求項1乃至6の何れかに記載の面発光
    半導体レーザの駆動方法において、分割された電極の一
    部に注入するキャリアに変調信号を重畳して夫々の電極
    の部分に注入するキャリア数を制御することで、発振モ
    ードを独立な2つの偏波モード間で高速にスイッチング
    することを特徴とする偏波変調可能な面発光半導体レー
    ザの駆動方法。
  8. 【請求項8】 請求項1乃至6の何れかに記載の面発光
    半導体レーザと、該面発光半導体レーザからの出力光の
    うち1つの偏波の光を透過させる偏光選択手段と、該面
    発光半導体レーザの出力光を入力信号に従って偏波変調
    する制御手段から構成されることを特徴とする光送信
    機。
  9. 【請求項9】 請求項1乃至6の何れかに記載の面発光
    半導体レ−ザを用いた送信機を含むことを特徴とする光
    伝送システム。
  10. 【請求項10】 前記送信機が複数の異なる波長の光信
    号を送出することができて波長多重型のネットワ−クを
    構成することを特徴とする請求項9記載の光伝送システ
    ム。
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