JPH09190778A - カラー陰極線管 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】治具を要することなくシールドカップへのゲッ
ターサポートスプリングの固定位置を簡単に設定して高
精度でゲッターサポートスプリングを溶接する。 【解決手段】電子銃を構成するシールドカップ１の開放
端縁に一端を固定すると共に他端にゲッターを装架した
ゲッターサポートスプリング３を具備し、ゲッターサポ
ートスプリング３の一端近傍にシールドカップ１の開放
端縁に対して管軸方向から当接して当該ゲッターサポー
トスプリング３の管軸方向固定位置を規定する突起３ａ
を備え、シールドカップ１の開放端縁に管軸方向に突出
させてゲッターサポートスプリング３のシールドカップ
１の円周方向固定位置を規定するゲッターサポートスプ
リング位置出し突起７を形成した。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、カラー陰極線管に
係り、特に電子銃を構成するシールドカップに一端を固
定して他端にゲッターを支持したゲッターサポートスプ
リングを正確な位置に設置したカラー陰極線管に関す
る。

【０００２】

【従来の技術】テレビジョン受像管や情報端末のモニタ
ー管として用いられるカラー陰極線管は、真空外囲器の
一端に複数（一般に、３本）の電子ビームを発射する電
子銃を内蔵し、他端内面に複数色（同、３色）の蛍光体
膜を塗布した蛍光面と、この蛍光面に近接して設置した
色選択電極であるシャドウマスクを内蔵し、前記電子銃
から出射される複数の電子ビームを前記真空外囲器の外
部に設置した偏向ヨークで発生した磁界により二次元走
査することによって、所要の画像を表示するようになっ
ている。

【０００３】図６は本発明を適用するカラー陰極線管の
構造例を説明する断面図であって、２０はパネル部、２
１はネック部、２２はファンネル部、２３は蛍光体膜、
２４はシャドウマスク、２５はマスクフレーム、２６は
磁気シールド、２７はシャドウマスク懸架機構、２８は
インライン電子銃、２９は偏向ヨーク、３０はビーム補
正装置、３１は内部導電膜である。また、１は電子銃２
８を構成するシールドカップ、２は内部導電膜３１から
電子銃２８に陽極電圧を供給すると共に電子銃２８をネ
ック部２１内の所定位置に位置ずけるためのコンタクト
スプリング、３はシールドカップ１に一端を固定し、他
端にゲッターを支持したゲッターサポートスプリング、
４はゲッターである。

【０００４】このカラー陰極線管は、パネル部２０とネ
ック部２１、およびパネル部２０とネック部２１とを連
接するファンネル部２２とから真空外囲器が形成され
る。

【０００５】パネル部２０の内面には３色の蛍光体を塗
布した蛍光体膜２３が形成された所謂表示画面を有し、
ネック部２１の内部には３本の電子ビームをインライン
に出射する電子銃２８が収納され、また、パネル部２０
の蛍光体膜２３に近接して多数の開孔もしくはすだれ形
状を有するシャドウマスク２４が設置されている。

【０００６】なお、Ｂｃ，Ｂｓは電子ビームを示し、フ
ァンネル部２２とネック部２１の遷移領域には偏向ヨー
ク２９が外装されている。

【０００７】電子銃１９から発射された３本の電子ビー
ムＢは偏向ヨーク２０で発生される垂直および水平偏向
磁界により水平と垂直の２方向に偏向され、シャドウマ
スク２４の開孔で色選択を受けてそれぞれの蛍光体に射
突することで蛍光体膜２３にカラー画像を形成する。

【０００８】ゲッター４は電子銃２８のシールドカップ
１に一端を固定したゲッターサポートスプリング３の先
端部に支持され、真空外囲器の内部空間にゲッター材料
を蒸発飛散させることにより、当該真空外囲器の真空度
を上げるためのもので、電子銃の組み立て工程でそのシ
ールドカップに溶接される。

【０００９】従来、シールドカップ１へのゲッターサポ
ートスプリング３の位置出しは当該ゲッターサポートス
プリングの一端近傍に形成した爪をシールドカップの開
放端縁に当接して管軸方向の位置を、またシールドカッ
プの円周方向の位置出しはシールドカップ１に形成され
ているコンタクトスプリング溶接突起６に治具を当てて
行う方法と、当該シールドカップの側壁に形成した刻印
を目安として行っていた。

【００１０】図７は従来のカラー陰極線管における電子
銃を構成するシールドカップの構成の説明図であって、
（ａ）は正面図、（ｂ）は部分破断した側面図である。

【００１１】同図において、１はシールドカップ、５は
電子ビーム通過口、６はコンタクトスプリング溶接突
起、８はゲッターサポートスプリング位置だし用の刻印
である。

【００１２】この刻印８はシールドカップ１の外壁中心
から一方のコンタクトスプリング溶接突起６側に２．０
±０．１ｍｍの位置で、管軸方向に５．０ｍｍ、シール
ドカップ１の開放端縁から１．０ｍｍ後退した位置に形
成される。また、この刻印８はシールドカップ１の円周
方向反対側にも形成される。

【００１３】ゲッターサポートスプリングの管軸方向位
置出しは上記の爪をシールドカップ１の開放端縁に当接
することで行うと共に、上記刻印８に合わせてシールド
カップ１の円周方向溶接位置が規定されて固定される。
管軸方向の取付け精度はこの爪の成形精度で決定され
る。

【００１４】

【発明が解決しようとする課題】シールドカップ１への
ゲッターサポートスプリングの取付け時にシールドカッ
プ１に形成されているコンタクトスプリング溶接突起６
に治具を当ててシールドカップ円周方向の位置出しを行
う方法ではそのための治具を必要とするため、作業効率
が低下し、また刻印を利用する方法では作業者が目測で
位置設定を行うものであるため、正確な位置出しを行う
ことが困難であった。

【００１５】本発明の目的は、上記従来技術の問題点を
解消し、治具を要することなくシールドカップへのゲッ
ターサポートスプリングの固定位置を簡単に設定して高
精度でゲッターサポートスプリングを溶接可能としたシ
ールドカップを備えたカラー陰極線管を提供することに
ある。

【００１６】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項１に記載の第１の発明は、内面に複数色の蛍
光体膜を有すると共に当該蛍光体膜に近接してシャドウ
マスク構体を懸架したパネル部、複数の電子ビームを発
射する電子銃を収納するネック部、および前記パネル部
とネック部を連接するファンネル部とからなる真空外囲
器と、前記ファンネル部とネック部の遷移領域に外装さ
れた偏向ヨーク、および前記電子銃を構成するシールド
カップの開放端縁に一端を固定すると共に他端にゲッタ
ーを装架したゲッターサポートスプリングを少なくとも
具備したカラー陰極線管において、前記ゲッターサポー
トスプリングの前記一端近傍に前記シールドカップの開
放端縁に対して管軸方向から当接して当該ゲッターサポ
ートスプリングの管軸方向固定位置を規定する突起を備
え、前記シールドカップの前記開放端縁に管軸方向に突
出させて前記ゲッターサポートスプリングの前記シール
ドカップの円周方向固定位置を規定するゲッターサポー
トスプリング位置出し突起を形成したことを特徴とす
る。

【００１７】また、請求項２に記載の第２の発明は、前
記ゲッターサポートスプリングの管軸方向固定位置を規
定する前記突起が当該ゲッターサポートスプリングの幅
方向両側縁の一部をそれぞれ切り起こした一対の爪から
なり、前記ゲッターサポートスプリング位置出し突起が
前記一対の爪を間に嵌入する間隔で当該シールドカップ
の前記開放端縁を管軸方向に突出形成させた一対の矩形
突起から構成したことを特徴とする。

【００１８】さらに、請求項３に記載の第３の発明は、
第１の発明における前記ゲッターサポートスプリングの
管軸方向固定位置を規定する前記突起が当該ゲッターサ
ポートスプリングの幅方向両側縁の一部をそれぞれ切り
起こした一対の爪からなり、前記ゲッターサポートスプ
リング位置出し部が前記一対の爪を底部両端で支える如
く前記シールドカップの開放端縁から前記管軸方向に切
り欠いた凹陥部から構成したことを特徴とする。

【００１９】

【発明の実施の形態】ゲッターサポートスプリングの一
端近傍に形成した突起はゲッターサポートスプリングの
管軸方向位置出し突起であり、ゲッターサポートスプリ
ングをシールドカップの開放端縁に対して管軸方向から
当接して管軸方向固定位置を規定する。

【００２０】前記シールドカップの前記開放端縁に管軸
方向に突出させて形成した突起は前記ゲッターサポート
スプリングの前記シールドカップの円周方向固定位置を
規定するゲッターサポートスプリング位置出し突起であ
る。

【００２１】シールドカップにゲッターサポートスプリ
ングを溶接する際、ゲッターサポートスプリングに形成
した突起をシールドカップの開放端に形成した突起に当
接嵌合することで当該ゲッターサポートスプリングの管
軸方向とシールドカップ円周方向の両位置を正確に設定
することができる。

【００２２】また、ゲッターサポートスプリングの管軸
方向固定位置を規定する突起は当該ゲッターサポートス
プリングの幅方向両側縁の一部をそれぞれ切り起こした
一対の爪から構成し、ゲッターサポートスプリング位置
出し突起は上記一対の爪を間に嵌入する間隔で当該シー
ルドカップの開放端縁を管軸方向に突出形成させて形成
した一対の矩形突起から構成する。

【００２３】これにより、治具を必要としないでシール
ドカップへのゲッターサポートスプリングの正確な位置
出しを行うことがができる。

【００２４】さらに、前記ゲッターサポートスプリング
の管軸方向固定位置を規定する前記突起が当該ゲッター
サポートスプリングの幅方向両側縁の一部をそれぞれ切
り起こした一対の爪からなり、前記ゲッターサポートス
プリング位置出し部が前記一対の爪を底部両端で支える
如く前記シールドカップの開放端縁から前記管軸方向に
切り海田凹陥歩から構成したことで、治具を必要としな
いでシールドカップへのゲッターサポートスプリングの
正確な位置出しが可能となる。

【００２５】以下、本発明の実施例につき、図面を参照
して詳細に説明する。

【００２６】図１は本発明によるカラー陰極線管に用い
られる電子銃を構成するシールドカップの構成例の説明
図であって、（ａ）は正面図、（ｂ）は部分破断した側
面図である。

【００２７】同図において、１はシールドカップ、５は
電子ビーム通過口、６はコンタクトスプリング溶接突
起、７はゲッターサポートスプリング位置出し突起であ
る。

【００２８】シールドカップ１の開放端縁に形成される
ゲッターサポートスプリング位置出し突起７は、シール
ドカップ１の側壁の中心から両側に一対と反対側に１対
形成され、各対の突起の間の間隔は溶接するゲッターサ
ポートスプリングの幅に対応させて決定される。

【００２９】この実施例では、突起対はシールドカップ
１の側壁の中心から両側に角度θ＝９．２°±１．５°
の位置から幅２〜３ｍｍの大きさで形成される。また、
その管軸方向の突出両は０．８ｍｍである。

【００３０】図２は本発明によるカラー陰極線管の１実
施例におけるシールドカップとゲッターサポートスプリ
ングの位置合わせ状態の説明図であって、（ａ）は要部
斜視図、（ｂ）は（ａ）のＡ−Ａ潜像担持体からＢ−Ｂ
方向から見た部分図である。同図において、図１と同一
符合は同一部分に対応し、３はゲッターサポートスプリ
ング、３ａは切り越し片からなる突起で当該ゲッターサ
ポートスプリング３の管軸方向位置を規定する。また、
３ｂは当該ゲッターサポートスプリングの長手方向中心
に沿って形成した凹部、３ｃは溶接点である。

【００３１】図示したように、シールドカップの開放端
縁にはコンタクトスプリング溶接用の突起６とは別個に
当該ゲッターサポートスプリング３の円周方向位置規定
用の一対の突起７が形成されている。

【００３２】ゲッターサポートスプリング３の一端は上
記一対の突起７の間に管軸方向から挿入されてその幅方
向位置に形成されている一対の突起３ａをシールドカッ
プの開放端縁に当接させる。

【００３３】これにより、ゲッターサポートスプリング
３は、その管軸方向とシールドカップの円周方向共に所
定の位置に位置合わせされる。この状態で溶接点３ｃで
溶接して固定する。

【００３４】図３はゲッターサポートスプリングに形成
する突起の他の形状を説明する要部図であって、（ａ）
は図２と同様の爪状の突起３’ａを切欠きの上方から下
方に突出させたもの、（ｂ）の切り越し突起３”ａは管
軸と平行は方向に突出させたもの、（ｃ）の突起３”’
ａは押し出しで形成したものである。

【００３５】これら何れの突起によっても、前記シール
ドカップに形成した一対の突起７の間で当該シールドカ
ップの開放端縁に当接して管軸方向の位置出しが可能で
ある。

【００３６】これら何れの突起によっても、前記シール
ドカップに形成した一対の突起７の間で当該シールドカ
ップの開放端縁に当接して管軸方向の位置出しが可能で
ある。

【００３７】図４は本発明によるカラー陰極線管に用い
られる電子銃を構成するシールドカップの他の構成例を
説明する側面図であって、９は凹陥部である。

【００３８】同図において、ゲッターサポートスプリン
グ３の位置出し部をゲッターサポートスプリングに形成
した一対の爪３ａを底部両端で支える如くシールドカッ
プ１の開放端縁から前記管軸方向に切り欠いて凹陥部９
を形成したものである。

【００３９】この構成により、ゲッターサポートスプリ
ング３をシールドカップ１に形成した凹陥部９に挿入し
て、その爪３ａを当該凹陥部９の底部両端で支えること
により、ゲッターサポートスプリング３の固定部の位置
出しが可能となる。

【００４０】図５は本発明によるカラー陰極線管に用い
られる電子銃の全体構成を説明する側面図であって、２
８は電子銃、Ｐはピン、Ｓはステム、Ｋはカソード、Ｇ
はグリッド群である。

【００４１】この電子銃は前記図２で説明した構成でシ
ールドカップ１にゲッターサポートスプリング３を溶接
したもので、このゲッターサポートスプリング３はコン
タクトスプリング２の間に一端が固定され、その他端に
ゲッター容器４が支持されている。

【００４２】このゲッター４内にはゲッターが収納さ
れ、カラー陰極線管の組み立て後に外部から与えられる
高周波等により加熱されて蒸発飛散され、真空外囲器内
の真空度を高くするものである。

【００４３】この実施例により、ゲッターサポートスプ
リングは正確な位置に溶接され、真空外囲器内の真空度
が効率良く高められるため、高品質のカラー陰極線管が
得られる。

【００４４】

【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
治具を必要としないでシールドカップへのゲッターサポ
ートスプリングの正確な位置出しが行われ、高性能のカ
ラー陰極線管を提供することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明によるカラー陰極線管に用いられる電子
銃を構成するシールドカップの構成例の説明図である。

【図２】本発明によるカラー陰極線管の１実施例におけ
るシールドカップとゲッターサポートスプリングの位置
合わせ状態の説明図である。

【図３】ゲッターサポートスプリングに形成する突起の
他の形状を説明する要部図である。

【図４】本発明によるカラー陰極線管に用いられる電子
銃を構成するシールドカップの他の構成例を説明する側
面図である。

【図５】本発明によるカラー陰極線管に用いられる電子
銃の全体構成を説明する側面図である。

【図６】本発明を適用するカラー陰極線管の構造例を説
明する断面図である。

【図７】従来のカラー陰極線管における電子銃を構成す
るシールドカップの構成の説明図である。

【符号の説明】 １ シールドカップ ２ コンタクトスプリング ３ ゲッターサポートスプリング ３ａ 切り越し片からなる突起 ３ｂ 凹部 ３ｃ 溶接点 ４ ゲッター ５ 電子ビーム通過口 ６ コンタクトスプリング溶接突起 ７ ゲッターサポートスプリング位置出し突起 ８ 刻印 ９ 凹陥部。

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】内面に複数色の蛍光体膜を有すると共に当
   該蛍光体膜に近接してシャドウマスク構体を懸架したパ
   ネル部、複数の電子ビームを発射する電子銃を収納する
   ネック部、および前記パネル部とネック部を連接するフ
   ァンネル部とからなる真空外囲器と、前記ファンネル部
   とネック部の遷移領域に外装された偏向ヨーク、および
   前記電子銃を構成するシールドカップの開放端縁に一端
   を固定すると共に他端にゲッターを装架したゲッターサ
   ポートスプリングを少なくとも具備したカラー陰極線管
   において、 前記ゲッターサポートスプリングの前記一端近傍に前記
   シールドカップの開放端縁に対して管軸方向から当接し
   て当該ゲッターサポートスプリングの管軸方向固定位置
   を規定する突起を備え、前記シールドカップの前記開放
   端縁に前記ゲッターサポートスプリングの前記シールド
   カップの円周方向固定位置を規定するゲッターサポート
   スプリング位置出し部を形成したことを特徴とするカラ
   ー陰極線管。
2. 【請求項２】請求項１において、前記ゲッターサポート
   スプリングの管軸方向固定位置を規定する前記突起が当
   該ゲッターサポートスプリングの幅方向両側縁の一部を
   それぞれ切り起こした一対の爪からなり、前記ゲッター
   サポートスプリング位置出し部が前記一対の爪を間に嵌
   入する間隔で当該シールドカップの前記開放端縁を管軸
   方向に突出形成させた一対の矩形突起から構成したこと
   を特徴とするカラー陰極線管。
3. 【請求項３】請求項１において、前記ゲッターサポート
   スプリングの管軸方向固定位置を規定する前記突起が当
   該ゲッターサポートスプリングの幅方向両側縁の一部を
   それぞれ切り起こした一対の爪からなり、前記ゲッター
   サポートスプリング位置出し部が前記一対の爪を底部両
   端で支える如く前記シールドカップの開放端縁から前記
   管軸方向に切り欠いた凹陥部から構成したことを特徴と
   するカラー陰極線管。