JPH09189676A - 濃度測定方法および装置 - Google Patents

濃度測定方法および装置

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JPH09189676A
JPH09189676A JP8002027A JP202796A JPH09189676A JP H09189676 A JPH09189676 A JP H09189676A JP 8002027 A JP8002027 A JP 8002027A JP 202796 A JP202796 A JP 202796A JP H09189676 A JPH09189676 A JP H09189676A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】液体試料を分析するにあたり、簡単な構成であ
りながら、長時間安定性に優れ高精度測定が可能な測定
方法および測定装置を提供する。 【解決手段】アンペロメトリック検出を行う装置におい
て、白金作用電極に銀/塩化銀電極に対し+0.3〜
1.0Vの測定対象物質検出電圧を印加し、0.5〜
5.0秒に1回の間隔で該電圧を印加し続けた時間の
0.2〜10%に相当する時間、0.0〜0.2Vの電
圧に保持するように電圧を印加し、その後再び前記検出
電圧に戻すという操作を行いながら測定を行い、検出電
圧を印加した状態および0.0〜0.2Vの電圧を印加
した状態の両期間の1〜10倍の平均化時間をとって白
金作用電極の出力電流値を平均化し、この電流平均値変
化から、溶液中の測定対象物質の濃度を電気化学的に測
定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は液体試料を分析する
にあたり、簡単な構成でありながら長時間にわたる安定
性に優れ、高精度測定が可能な測定方法および測定装置
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】酵素電極は、分子認識・変換機能を有す
る酵素と検出器である電極とを一体化した分析デバイス
であり、酵素反応の有する高選択性、迅速性および電気
化学検出法の有する簡便性等を併せもち、これらの長所
から種々の分野で利用されている。いわゆるバイオセン
サーと総称される装置の中で酵素電極を用いたものが最
も一般的である。酵素電極を用いた物質あるいは当該酵
素反応の基質の測定は、酵素反応により生成あるいは消
費される物質の量を測定することで基質に対する物質の
濃度情報を得るといった原理にもとづいている。たとえ
ば白金電極上にグルコース酸化酵素を固定化した固定化
酵素電極を用いたバイオセンサーでは、酵素を触媒とす
るグルコースの酸化反応で生成する過酸化水素を一定電
圧を印加した白金電極、すなわちトランスデューサーで
電気分解し、その際流れる電流を検出する、つまりアン
ペロメトリック検出を行うことにより、溶液中のグルコ
ース濃度を求める。
【0003】一般的に過酸化水素は、金、白金、パラジ
ウム等の貴金属作用電極において銀/塩化銀電極や飽和
カロメル電極等の基準電圧を示す参照電極に対し、+
0.3〜1.0Vの印加電圧で電気分解され、その際に
流れる酸化電流を用いて検出される。しかし、このよう
な方法で過酸化水素を測定する場合、長時間の測定に伴
い電極感度の変動が認められる場合が多い。これは、長
時間にわたる作用電極への比較的高い電圧の連続印加
が、電極表面での酸化物被膜の生成を促したり、あるい
は被測定溶液中に共存する不純物が電圧印加により作用
電極表面に吸着を引き起こし、これらが通電を妨害する
ことにより、見かけ上の抵抗値が上昇し、結果として電
極活性を下げて感度低下を起こすことが多い。
【0004】このような不都合を解決するための手段と
してこれまでに種々の方法が考案されている。
【0005】たとえば、特開昭57−60255号では
測定前に、逆の極性の電圧を印加することで、下地白金
電極上の通電妨害物質を除去する電極の活性化方法が提
示されている。
【0006】また、特開平4−230841号では測定
直前だけではなく所定時間毎に作用電極にリフレッシュ
電圧なる逆の極性の電圧を印加することで、下地白金電
極上の通電妨害物質を除去するといった電極の活性化方
法が提示されている。
【0007】さらに、特開昭64−28557号では、
非測定時に保存用順バイアス電圧供給手段により作用電
極に酸化、還元反応を行わない微小な順バイアス電圧を
印加することで、下地白金電極表面における通電妨害物
質被膜の形成等に起因する電極活性の劣化を阻止する方
法が提示されている。
【0008】さらにまた、特開昭63−198861号
では、ポーラログラフ電極、つまりアンペロメトリック
法に用いる電極に一定周波数のパルス状電圧を印加して
作用電極を能動期と非能動期に交互におくことにより、
電極使用開始時における安定化に要する時間を短縮し、
加えて、パルスの周波数を適切に設定することで電極感
度を増大させるといった方法が示されている。
【0009】また、作用電極への電圧印加を中止し、電
圧解放状態で作用電極電圧を自然分極電圧に保持するこ
とで、酸化物被膜の生成や不純物の吸着による感度低下
を防ぐといった方法が一般に行われている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかし、特開昭57−
60255号で開示されているように、測定前に電圧操
作を行って電極表面の酸化物被膜や吸着物質等の通電妨
害物質を除去する場合、濃度測定の間隔が長くなると間
隔の増大にともない電極上の妨害物質量が増大するの
で、活性化処理を行っても通電妨害物質を完全に除去す
ることができないという不都合があった。
【0011】また、特開昭57−60255号や特開平
4−230841号で開示されている、測定前に逆の極
性の電圧を印加する方法では、負電圧印加により電極表
面の過度の変化を招き、測定電圧に戻した後、残余電流
が計測可能な値に減少するまでの時間が長く、濃度測定
を迅速に行うことができないといった問題がある。
【0012】さらに、特開昭64−28557号で開示
されているように、非測定時に保存用順バイアス供給手
段により作用電極に微小な順バイアス電圧を印加し続け
た場合においても、測定時に検出電圧を印加した時には
負電圧印加の場合と同様に残余電流が計測可能な値に減
少するまでの時間が長くなり、迅速な濃度測定を行うこ
とができない。
【0013】さらにまた、特開昭63−198861号
で提示されている方法では、白金作用極に10Hz以上
100kHz以下という高い周波数でパルス状電圧を印
加しており、能動期のデータのみを得ようとすると電圧
パルス切り換えに同期したデータ取り込みが必要とな
り、回路の複雑化が避けられないという問題がある。
【0014】さらに、測定前あるいは非測定時に電圧を
開放する場合においては、長時間にわたり高い電圧を印
加し続けた電極の自然分極電圧は容易には下がらず、通
電妨害物質の離脱が迅速に行われないので、短時間で電
極の活性化を行うことは困難である。
【0015】本発明は上記の問題点に鑑みて行われたも
のであり、固定化酵素を利用するバイオセンサーの検出
器となる電極において、使用中の電圧連続印加による電
極活性の低下を抑制し、高感度かつ精度良く濃度測定を
行うことができる電極活性維持を実現する濃度測定方法
およびその装置を提供することを目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】本発明は、下記の濃度測
定方法及び濃度測定装置に関する。
【0017】項1. 少なくとも白金作用電極と対極を
有するアンペロメトリック検出を行う装置を用いる測定
方法において、白金作用電極に、銀/塩化銀電極に対し
+0.3〜1.0Vの測定対象物質検出電圧を印加し、
測定時および非測定時を問わず0.5〜5.0秒に1回
の間隔で測定対象物質検出電圧を印加し続けた時間の
0.2〜10%の割合に相当する一定時間だけ、0.0
〜0.2Vの電圧を印加し、その後再び前記測定対象物
質検出電圧に戻すという操作を行いながら測定を行い、
検出電圧を印加した状態および0.0〜0.2Vの電圧
を印加した状態の両期間の1〜10倍の平均化時間をと
って白金作用電極の出力電流値を平均化し、この電流平
均値変化から、溶液中の測定対象物質の濃度を電気化学
的に測定することを特徴とする測定対象物質の濃度測定
方法。
【0018】項2. 少なくとも白金作用電極と対極と
を有するアンペロメトリック検出を行う装置であり、
(1)白金作用電極に銀/塩化銀電極に対して任意の値
の電圧を任意の時間印加して保持する保持機構と、
(2)項1で定められた割合の一定時間だけ、作用電極
に0〜0.2Vの電圧を印加し、その後検出電圧に戻す
機構と、(3)上記の機構を駆動させながら測定対象物
質濃度を測定する機構を有する濃度測定装置。
【0019】
【発明の実施の形態】本発明で使用する白金作用電極
は、たとえば測定対象物質である過酸化水素、アスコル
ビン酸、尿酸、アミン類などを適当な電圧で検出するこ
とができる。過酸化水素検出電圧は銀/塩化銀参照電極
に対して+0.3〜1.0Vであることが望ましい。+
0.3V以下であると充分な応答値が得られず、また測
定値の安定性にも問題があり、また1.0V以上である
と過度の白金表面の酸化をまねく。
【0020】また、白金電極表面あるいは電極表面近傍
に酵素を公知の方法で固定化することにより、機能性酵
素電極として利用することができ、固定化酵素リアクタ
ーで過酸化水素を生成させ、流れにのせて電極に導く場
合も利用可能である。また、酵素を適当な担体に担持さ
せたカラムと白金作用電極を組み合わせた場合には、酵
素反応により消費された物質、あるいは生成した物質の
検出部として用いることも可能である。さらに、適当な
流路系との組み合わせでフローインジェクション方式の
濃度測定装置に、あるいはバッチ方式の濃度測定装置に
おける検出器として利用できる。この場合に固定化酵素
として用いることが可能な酵素は、グルコース酸化酵
素、アルコール酸化酵素、乳酸酸化酵素等の過酸化水素
生成型酸化還元酵素であり、また、グルコース酸化酵素
とグルコアミラーゼのように過酸化水素生成型酸化還元
酵素と測定対象物質より過酸化水素生成型酸化還元酵素
の基質を生成する酵素の組み合わせ、さらにはグルコー
ス酸化酵素とムタロターゼとインベルターゼのように過
酸化水素生成型酸化還元酵素と測定対象物質より最終検
出段階の過酸化水素生成型酸化還元酵素の基質まで導く
酵素系の組み合わせを用いることが可能である。
【0021】本発明は2電極および3電極方式の測定装
置に適用可能であるが、2電極方式の場合、電圧切り替
え時に流れる大きな突入電流により対極の表面が変化
し、対極の自然分極電圧が変動しやすい。その結果、対
極を基準として作用電極に印加される電圧が変化するの
で、常に一定の活性化効果が得られず、活性化処理終了
状態における作用電極の表面状態が異なることになり、
得られる電気信号レベルが変化すると思われるので、3
電極方式がより望ましい。
【0022】一般的に白金作用電極をアノーディックに
分極して物質濃度の測定を実施する場合、白金表面の酸
化皮膜形成、吸着物質による検出の妨害などが起こる。
そこで作用電極上に形成された酸化物被膜や吸着物質等
の通電妨害物質が除去される電圧を作用電極に印加する
活性化処理を測定中においても連続的に行うことで、電
極表面の通電妨害物質量の増大を抑えることができ、そ
の結果電極の活性低下を防ぐことができる。
【0023】この電極の活性低下を防ぐために用いる印
加電圧としては0.0〜0.2Vが望ましく、該電圧に
保持する時間を、作用電極の電圧を検出電圧に保持し続
けた時間の0.2〜10%とすることにより、通電継続
時間に依存して電極活性が低下する場合でも効果的に活
性低下を防ぐことができる。また、2電圧間での電圧切
り替え操作を0.5〜5.0秒毎に測定時にも連続的に
行うことにより、長時間にわたっての測定の場合におい
ても精度よい測定を行うことが可能となる。
【0024】電極表面の通電妨害物質等に起因する活性
低下は、通電継続時間に依存しており、妨害物質の除去
等による活性の回復は通電電流にもとづいて行われるの
であるから、活性化処理の時間を通電継続時間に対して
一定の比率以上にすることで、活性化処理効果を得るこ
とができる。
【0025】偶然にも測定開始時に電圧を変化させる、
または測定中のみ電圧を変化させると測定精度の低下が
避けられない。そこで電圧を変化させてよいかどうかの
判断する必要性がある。しかし本発明の方法ではその必
要がなく電気回路および制御アルゴリズムを著しく簡単
にできる利点がある。
【0026】上記の電圧で電極の活性化が達成される理
由は必ずしも明らかではないが以下のように推定され
る。
【0027】図6に白金作用電極を0.1Mの硫酸水溶
液中に浸漬し、対銀/塩化銀参照電極に対し−0.35
V〜+1.3Vの範囲で、1.0V/秒の速度で電圧を
掃引した際の電流値を記録したいわゆるサイクリックボ
ルタモグラムを示す。この図において電流値がプラスの
範囲で第2象限に水素の吸着波が観察され、続いて第1
象限で一旦電流値はほぼ0を示し、次に0.3V付近か
らプラス方向に増大する。この増大は白金表面の酸化に
もとづくものである。+1.3Vで電圧掃引方向を逆転
すると電流値は第4象限をとおり、約+0.25Vにお
いて比較的大きな還元電流が記録される。これは前記の
正方向電圧掃引において形成された白金酸化皮膜が還元
され白金面が復活する際に認められるものである。さら
にマイナス方向に電圧を掃引すると酸素の還元電流が観
察される(第3象限)。サイクリックボルタモグラムは
上記の操作を繰り返し記録したものである。
【0028】さて、処理電圧を電極のボルタモグラムに
おいて還元波がほぼ消失する電圧である0.2V以下に
設定することで、通電妨害物質の除去を効果的に行うこ
とが可能であることがわかった。その上処理電圧を0V
以上とすることで、電極表面を過度に変化させることな
く活性化処理を行い、しかも処理後に検出電圧に戻した
際に残余電流が計測可能な値にまで減少する時間を短縮
し、迅速かつ高精度な濃度測定が可能となる。
【0029】活性化処理時に印加する電圧に関しては、
より低い電圧では処理電圧印加時間を短くすることがで
きるが、検出電圧に戻した際の残余電流の安定化に時間
がかかり、また、白金作用電極のボルタモグラムにおけ
る還元ピーク電圧より高い処理電圧では、充分な活性化
の効果が得られないので、活性化処理時に印加する電圧
は過度の電極表面の変化をもたらす負電圧を避け0.0
Vから白金作用電極のボルタモグラムにおいて還元波が
消失する電圧までの範囲、すなわち銀/塩化銀参照電極
に対して0.0〜0.2Vの範囲とすることが好まし
い。
【0030】なお、実際の測定に用いられるたとえばリ
ン酸ナトリウム緩衝液中でサイクリックボルタモグラム
を記録すると図7のようになる。硫酸水溶液中では観察
された白金表面の酸化にもとづく酸化波や、+0.25
V付近の還元波は明瞭には観察されない。しかし実際に
本発明の測定方法および測定装置を用いると感度の安定
性が飛躍的に改善される。したがって、前記の硫酸水溶
液中の挙動から推定される電極表面の変化が、硫酸中ほ
ど顕著ではないが、実際には起きていると推定される。
【0031】処理電圧の印加方法としては、電圧発生回
路が発生する電圧を一定の掃引速度で変化させる装置構
成を用いた測定方法が考えられるが、+0.3〜1.0
Vの電圧を発生させる回路と0.0〜0.2Vの電圧を
発生させる回路を所定時間毎に切り替えることができる
装置構成が簡便であり、好んで用いられる。
【0032】通常、電圧印加回路を解放した場合には、
白金電極はその電極の有する自然分極電圧となる。この
電圧は白金のような不溶性固体電極の場合非常に不安定
であり、放置することにより0.0〜0.2Vに保つこ
とは実質上不可能である。
【0033】本発明では、測定対象物質検出電圧印加状
態と0.0〜0.2Vの電圧印加状態の両期間の1〜1
0倍の平均化時間をとって白金作用電極の出力電流値を
平均化し、この電流平均値変化から、溶液中の測定対象
物質の濃度の測定を行うが、測定対象物質検出電圧印加
状態から0.0〜0.2Vの電圧印加状態への電圧切り
替え時に発生する負の突入電流と、逆に0 .0〜0.
2Vの電圧印加状態から検出電圧印加状態への電圧切り
替え時に発生する正の突入電流それぞれの最大電流値よ
りも低いレベルに出力制限を設定しても良く、この場合
は白金作用電極の平均の出力電流値を小さくすることが
でき、測定感度をあげ高感度な濃度測定が可能となる。
【0034】
【表1】
【0035】表1は0.0〜0.2Vの電圧を印加する
時間間隔および白金作用電極を過酸化水素検出電圧状態
においた時間と0.0〜0.2Vの電圧状態においた時
間の割合とベース電流値との関係を示したものである。
ポテンショスタットからの出力値を時定数2秒のローパ
スフィルターにかけてデータ処理を行った。0.0〜
0.2Vの電圧印加操作の間隔が短いほど、また印加時
間が長いほどベース電流値が大きくなっている。これ
は、0.0〜0.2Vの電圧印加状態から検出電圧印加
状態への電圧切り替え時に観測される大きな正の突入電
流が、0.0〜0.2Vの電圧印加状態の時間が長いほ
ど大きくなり、そのため検出電圧印加状態と0.0〜
0.2V電圧印加状態の出力電流値の平均が押し上げら
れるためである。
【0036】検出部にグルコース酸化酵素を固定化した
固定化酵素電極を利用したこの測定系での20mMグル
コースに対する電流応答値は600nA程度であること
から、検出感度を考慮した場合、0.0〜0.2Vの電
圧印加は0.5〜5.0秒間隔で行うのがよく、該電圧
に保持する時間は、白金作用電極電圧を測定対象物質検
出電圧に保持した時間の0.2〜10%とするのが望ま
しい。より短い時間間隔、またはより長い電圧印加時間
ではベース電流値の増大を招き、検出信号とのS/N比
を悪化させ、測定感度の低下を引き起こし望ましくな
い。また、該電圧を印加する時間を検出電圧印加時間の
0.2%未満にした場合、充分な活性化処理が行われず
電極感度の低下を防ぐことが出来ない。
【0037】また、非通電時には、作用電極と参照電極
とを電気的に接続することにより、作用電極電圧を0V
に保持する機構を測定装置に組み込むことも可能であ
り、または、バックアップ回路で作用電極電圧を0.0
〜0.2Vに保持する機構を組み込み、非通電時に酸化
物被膜の生成や不純物の吸着による感度低下を防ぐこと
も可能である。
【0038】本発明の装置に関し、 (1)白金作用電極に印加する電圧を銀/塩化銀電極に
対して任意の値に、任意の時間保持する保持機構として
は、印加電圧回路に2種類のゼナーダイオードからなる
基準電圧回路をつなぎ、保持する電圧に相当するダイオ
ードの両端電圧を加える方法;CPUとPIO(パラレ
ルインターフェース)を接続し、さらにそのPIOにD
/A変換用ICをつなぎ、該D/A変換用ICの出力を
電圧印加回路に加える、あるいは直接作用電極に出力電
圧を加える方法などがある。
【0039】(2)請求項1で定められた割合の一定時
間、作用電極に印加する電圧を0〜0.2Vに保持し、
その後検出電圧に戻す機構としては、上記の印加電圧回
路の基準電圧回路に用いるゼナーダイオードを接点スイ
ッチを用いて切り替える方法や、CPUからの指示にも
とづきD/A変換用ICの出力値を制御する方法などが
利用できる。
【0040】(3)上記の機構を駆動させながら測定対
象物質濃度を測定する機構としては、(A)印加電圧回
路は独立のCPUで制御するか、もしくは電気回路で構
成する。
【0041】(B)1つのCPUで印加電圧を変化さ
せ、PIO(もしくはD/A出力)をホールドし、時分
割処理で電流値を電圧値に変換した後、A/D変換しC
PUで取り込む方法などがある。
【0042】
【実施例】本発明の実施例を以下に示すが、本発明はこ
れに限定されるものではない。
【0043】
【実施例1】図2に示すように、緩衝液槽(1)より緩
衝液(2)をポンプ(3)により送液し、オートサンプ
ラー(4)より試料10μlを注入し、これをフローセ
ル(5)中で、3mm2の白金にグルコース酸化酵素を
公知の方法で固定化した酵素電極を作用極、1.5mm
2の白金を対極、銀/塩化銀電極を参照極とする3電極
方式で電流検出した。(6)は検出に用いた電気回路で
ある。また(7)は記録計である。
【0044】図3は、20mMグルコースを電位操作を
行いながら15分間隔で5回測定したときの応答電流値
の変化を示したものである。測定は作用電極に図1に示
すように、参照極に対し+0.6Vの過酸化水素検出電
圧を995ミリ秒印加し、その後+0.1の電圧を99
5ミリ秒に対し0.2%となる5ミリ秒印加し、再び+
0.6Vに戻すという電圧操作を繰り返し行いながら行
った。ポテンショスタットのローパスフィルターは2秒
に設定した。5回の測定における応答電流の平均値は6
07.3nA、平均変動率(CV%)は0.88%であ
った。また、図4には応答の初期値を100%とした時
の相対応答値の変化を示す。5回目の測定で相対応答値
は98.3%であった。
【0045】
【比較例1】実施例1に示す測定装置において、電圧操
作を行わずに20mMグルコースの電流検出を、参照極
に対し0.6Vの電圧で15分間隔で行なった。測定毎
に応答は低下し、応答電流の平均値は554.1nA、
平均変動率(CV%)は3.56%であった。また、相
対応答値は図5に示すとおり、5回の測定で91.5%
にまで減少した。
【0046】
【発明の効果】本発明の濃度測定装置を用いることによ
り、短時間で電極の活性化を行い、高感度に再現性よく
濃度測定を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1での電圧印加モードを示す図
である。
【図2】本発明の実施例1で用いた濃度測定装置の図で
ある。
【図3】本発明の実施例1における20mMグルコース
の応答電流値の変化を示す図である。
【図4】本発明の実施例1における20mMグルコース
の相対応答値の変化を示す図である。
【図5】本発明の比較例1における20mMグルコース
の相対応答値の変化を示す図である。
【図6】硫酸水溶液中で記録した白金電極のサイクリッ
クボルタモグラムである。
【図7】リン酸緩衝液中で記録した白金電極のサイクリ
ックボルタモグラムである。
【符号の説明】
1・・・緩衝溶液槽 2・・・緩衝液 3・・・ポンプ 4・・・オートサンプラー 5・・・フローセル 6・・・検出用電気回路 7・・・記録計

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】少なくとも白金作用電極と対極を有するア
    ンペロメトリック検出を行う装置を用いる測定方法にお
    いて、白金作用電極に、銀/塩化銀電極に対し+0.3
    〜1.0Vの測定対象物質検出電圧を印加し、測定時お
    よび非測定時を問わず0.5〜5.0秒に1回の間隔で
    測定対象物質検出電圧を印加し続けた時間の0.2〜1
    0%の割合に相当する一定時間だけ、0.0〜0.2V
    の電圧を印加し、その後再び前記測定対象物質検出電圧
    に戻すという操作を行いながら測定を行い、検出電圧を
    印加した状態および0.0〜0.2Vの電圧を印加した
    状態の両期間の1〜10倍の平均化時間をとって白金作
    用電極の出力電流値を平均化し、この電流平均値変化か
    ら、溶液中の測定対象物質の濃度を電気化学的に測定す
    ることを特徴とする測定対象物質の濃度測定方法。
  2. 【請求項2】少なくとも白金作用電極と対極とを有する
    アンペロメトリック検出を行う装置であり、 (1)白金作用電極に銀/塩化銀電極に対して任意の値
    の電圧を任意の時間印加して保持する保持機構と、 (2)請求項1で定められた割合の一定時間だけ、作用
    電極に0〜0.2Vの電圧を印加し、その後検出電圧に
    戻す機構と、 (3)上記の機構を駆動させながら測定対象物質濃度を
    測定する機構を有する濃度測定装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2016175397A1 (ko) * 2015-04-29 2016-11-03 가톨릭관동대학교산학협력단 순환전압전류법을 이용한 농도계측장치

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