JP3063716B2 - バイオセンサの電位印加方法 - Google Patents
バイオセンサの電位印加方法Info
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Description
ク測定で液体試料の分析を行うバイオセンサへの電位印
加方法に関する。
能を利用することによる化学センサの一種である。バイ
オセンサは、酵素、抗体等及び微生物などの固定化物
と、電気化学デバイス又は電子デバイスとの組合せによ
り構成されている。利用した生体成分又は生体がある分
子を識別すると、特定の物理的あるいは化学的な変化が
伴って引き起こされ、その変化を電気化学デバイス又は
電子デバイスで検知するようになっている。
を利用すると、 グルコースオキシダーゼ グルコース+O2+H2O−−−−−−→ グルコン酸+H2O2 の反応に伴うO2の減少あるいはH2O2の生成を電極で
検知したり、グルコン酸の生成に伴うH+の生成をイオ
ン選択性電界効果形トランジスタで検知したり、或いは
酵素反応熱をサーミスタで検知するなどの方法を介して
グルコースの定量が可能なセンサが得られる(新素材便
覧、通算資料調査会)。
合に、O2の減少或いはH2O2の生成を電極で検知する
バイオセンサは、酸素消費量を酸素電極によって測定す
るか、若しくは過酸化水素の生成量を過酸化水素電極に
よって測定している。
センサとしては、酸素を電子受容体として用いず、有機
化合物や金属錯体を電子受容体として用いる構成のもの
があり、このタイプのセンサは、酵素反応の結果生じた
電子受容体の還元体を、電極で酸化することにより、そ
の酸化電流から濃度を測定している(特開平9−243
599号公報参照)。
バイオセンサは、対をなす作用極及び対極と、参照極と
を備えており、図4に示すように参照極に対する作用極
に0.7Vの電位を直接印加していたため、6.0μA
以上の過大な過渡電流が発生し、酵素を固定化した有機
薄膜の破壊や剥がれなどによる劣化が生じ、バイオセン
サの使用寿命を低下させるという問題がある。
されたバイオセンサも同様に作用極に対極を基準として
200mVの電位を直接印加しているため、バイオセン
サの使用寿命を低下させる可能性がある。
されたバイオセンサは、60mV/Sで正電位側に掃引
しているが、その掃引は、試料溶液の電位とは無関係に
200mVの電位を印加した直後から行なうものである
ため、掃引前の電圧印加によりバイオセンサの電極構造
にダメージを与えてしまい、60mV/Sでの掃引によ
る測定を正常に行うことができないという問題があっ
た。
により、有機薄膜の破壊を大巾に低減し、長寿命化させ
たバイオセンサの電位印加方法を提供することにある。
め、本発明に係るバイオセンサの電位印加方法は、アン
ペロメトリック測定で液体試料の分析を行うバイオセン
サの作用極と参照極との間に印加する測定電位を、前記
参照極の電位を基準として漸増させて印加するものであ
る。
作用極と対極との間に発生する、過大な過渡電流を低減
するため、参照極に対して作用極に100mV/sc
c.以下の速度でスロープ状に測定電位を印加するもの
である。
えないように、前記測定電位印加速度を制御しながら、
参照極に対して作用極に測定電位を印加するものであ
る。
0.8Vの測定電位を印加するものである。
は0.7Vの測定電位を印加するものである。
オセンサを一旦浸漬させて、バイオセンサの作用極に流
れる過渡電流を低減して安定させ、その後、バイオセン
サを測定試料中に浸漬させるものである。
して、その電位から電圧を漸増させて、作用極と参照極
との間に最適な測定電位を印加し、急激な電圧印加によ
る電極の破壊を回避する。
より説明する。図1は、本発明の一実施形態に係るバイ
オセンサを示す断面図である。
オセンサ1は、絶縁基板1d上に作用極1a、対極1
b、参照極1cからなる電極構造をもつ過酸化水素検出
型のアンペロメトリックバイオセンサとして構成される
ものである。
ス、またはセラミックなどを主成分とする素材からな
り、その一面が平坦面として形成されている。
縁基板1dの一面側の平坦面上に、参照極1cを中心に
据えて両側に作用極1aと対極1bとを配設している。
試料と反応せず、耐薬品性および過酸化水素検出特性に
優れた素材、例えば白金等から構成されている。また参
照極1cは、電位の再現性が高く取扱いが容易な素材、
例えば銀/塩化銀等から構成されている。
極1a、対極1b、参照極1cは、酸化酵素を固定した
固定化酵素膜11によりスピンコート,ディップコー
ト,スプレーコートなどの方法により密着して被覆され
ている。また、酸化酵素としては、酵素反応の生成物と
して過酸化水素を生成するグルコース酸化酵素、乳酸酸
化酵素、尿酸酸化酵素、エタノール酸化酵素等が用いら
れる。
位を印加する装置を示す構成図である。
された容器、2はバイオセンサ1の各電極1a、1b、
1cを電気的に制御するポテンシオスタットである。ま
た3はデジタル信号をアナログ信号に変換するD/A変
換器、4はアナログ信号をデジタル信号に変換するA/
D変換器、5はバイオセンサ1への印加電圧の制御を行
うマイクロコンピュータ、6は測定データを表示する表
示装置である。
料溶液中のグルコース濃度を測定する場合について説明
する。
7内に充填し、容器7の緩衝液中にバイオセンサ1の作
用極1a、対極1b、参照極1cを浸漬させる。
との間に測定電位を印加していたが、本発明の一実施形
態1では、測定電位を最初に印加する際に発生する過大
な過渡電流を低減するため、対極1bではなく、作用極
1aと参照極1cとの間に、容器7に充填した前記緩衝
液の電位を基準として0mVから電圧を漸増させて印加
し、作用極1に参照極1cに対して100mV/S以下
の印加速度でマイクロコンピュータ5からの指令に基づ
いてポテンシオスタット2により電極1a、1b、1c
の電圧を制御する。
に、作用極1に流れる過渡電流値が2.0〜3.0μA
以下の決められた値を越えないように電位印加速度の制
御を行う。
ましくは0.7Vの電位をもつ測定電位を印加する。そ
して、作用極1aでの過渡電流が低下し、ほぼ一定の安
定した定常電流に達した後、バイオセンサを容器7内の
緩衝液から取出す。
充填した測定を行う試料溶液中に浸漬する。
の試料溶液中のグルコースから固定化酵素膜1eのグル
コースオキシダーゼの働きによってグルコン酸と過酸化
水素が発生する。
加されている作用極1aの表面において酸化され、その
過酸化水素量に対応する電流値が流れる。この電流値を
検出することにより、試料溶液中のグルコース濃度を得
る。その測定結果は、表示装置6に表示される。
イオセンサが浸漬される試料溶液の電位を基準として、
作用極と参照極との間に測定電位を漸増しながら印加す
るため、バイオセンサの電極構造に電圧印加によるスト
レスが加わることがなく、バイオセンサの破壊を防止す
ることができ、長寿命化を実現することができる。
極構造へのダメージが小さい2.0〜3.0μA以下と
なるように、100mV/sec以下の印加速度で測定
電位に達するように制御することにより、バイオセンサ
の破壊をより有効に防止することができる。
せて、バイオセンサの作用極に流れる過渡電流を低減し
て安定させ、その後、バイオセンサを測定試料中に浸漬
させて試料溶液中の濃度を測定するため、試料溶液中の
濃度測定を正確に行うことができる。
断面図である。
ンサへの電圧印加方法を示す図である。
ンサへの電圧印加を行う装置を示す構成図である。
法を示す図である。
Claims (6)
- 【請求項1】 アンペロメトリック測定で液体試料の分
析を行うバイオセンサの作用極と参照極との間に印加す
る測定電位を、前記参照極の電位を基準として漸増させ
て印加することを特徴とするバイオセンサの電位印加方
法。 - 【請求項2】 前記測定電位を最初に印加する際に作用
極と対極との間に発生する、過大な過渡電流を低減する
ため、参照極に対して作用極に100mV/scc.以
下の速度でスロープ状に測定電位を印加することを特徴
とする請求項1に記載のバイオセンサの電位印加方法。 - 【請求項3】 前記過渡電流の大きさが一定値を越えな
いように、前記測定電位印加速度を制御しながら、参照
極に対して作用極に測定電位を印加することを特徴とす
る請求項2に記載のバイオセンサの電位印加方法。 - 【請求項4】 前記作用極には、最終的に0.2〜0.
8Vの測定電位を印加するものであることを特徴とする
請求項1に記載のバイオセンサの電位印加方法。 - 【請求項5】 前記作用極には、最終的に望ましくは
0.7Vの測定電位を印加するものであることを特徴と
する請求項1又は3に記載のバイオセンサの電位印加方
法。 - 【請求項6】 固定化酵素を含まない緩衝液にバイオセ
ンサを一旦浸漬させて、バイオセンサの作用極に流れる
過渡電流を低減して安定させ、その後、バイオセンサを
測定試料中に浸漬させることを特徴とする請求項1に記
載のバイオセンサの電位印加方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9350800A JP3063716B2 (ja) | 1997-12-19 | 1997-12-19 | バイオセンサの電位印加方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9350800A JP3063716B2 (ja) | 1997-12-19 | 1997-12-19 | バイオセンサの電位印加方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH11183438A JPH11183438A (ja) | 1999-07-09 |
JP3063716B2 true JP3063716B2 (ja) | 2000-07-12 |
Family
ID=18412965
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP9350800A Expired - Fee Related JP3063716B2 (ja) | 1997-12-19 | 1997-12-19 | バイオセンサの電位印加方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3063716B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
GB2417323A (en) * | 2004-08-17 | 2006-02-22 | Oxford Biosensors Ltd | A method of operating an electrochemical sensor by applying a time variable potential between the electrodes. |
-
1997
- 1997-12-19 JP JP9350800A patent/JP3063716B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Publication date |
---|---|
JPH11183438A (ja) | 1999-07-09 |
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