JPH09188963A - エレクトレット体の製造方法及び製造装置 - Google Patents

エレクトレット体の製造方法及び製造装置

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JPH09188963A
JPH09188963A JP8056795A JP5679596A JPH09188963A JP H09188963 A JPH09188963 A JP H09188963A JP 8056795 A JP8056795 A JP 8056795A JP 5679596 A JP5679596 A JP 5679596A JP H09188963 A JPH09188963 A JP H09188963A
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雅章 川部
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 被処理誘電体の両方向から逆極性電荷を同時
に作用できるエレクトレット体の製造方法、及びその製
造装置を提供する。 【解決手段】 (1)第1イオン反発性電極41及び第
1イオン吸引性電極42間の誘電体11と第1反発性電
極の間に第1イオン発生手段21から供給されたイオン
の1種を誘電体へ転移させ、そして(2a)第2反発性
電極42と誘電体11の間に第2発生手段22から供給
されたイオンの内、誘電体転移イオンと反対極性イオン
を誘電体上へ転移させるか、(2b)第1反発性電極と
反対側の第2発生手段から供給されたイオンの内、第1
発生手段からの転移イオンと反対極性のイオンを、荷電
誘電体吸引力により誘電体へ転移させることを含む。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、エレクトレット体
の製造方法及び製造装置に関する。本発明によれば、誘
電体を効率よく分極することができ、例えば、表面が高
度にヘテロ荷電(すなわち、正極性及び負極性の両イオ
ンによって荷電)された表面帯電型エレクトレット体、
圧電性エレクトレット体、又は焦電性エレクトレット体
等を製造することができる。
【0002】
【従来の技術】従来、エレクトレット繊維シートなどの
表面帯電型エレクトレット体の製造方法としては、例え
ば、特公平3−54620号、特公平4−8539号及
び特公平3−83283号各公報に記載されているよう
に、直流コロナ放電を利用する方法が一般的に知られて
いた。この方法によれば、例えば、図1に示すように、
不織布などの被エレクトレット化繊維シート1をスチー
ルドラムや水電極からなる接地極8に接触させた状態
で、ワイヤー電極又は針状電極などの放電極9と前記接
地極8との間に直流高電圧を印加し、直流コロナ放電に
より繊維シート1をエレクトレット化する。
【0003】これらの方法で得られたエレクトレット繊
維シートでは、電荷が分極電荷として構成繊維内に保持
される。すなわち、一般に直流高電圧を印加する側の表
面では印加電圧と同極に、接地極と接触させた側の表面
では印加電圧と逆の極に帯電される。しかし、その帯電
の程度や持続性は、必ずしも満足することのできるもの
ではなかった。そもそも、直流コロナ放電によるエレク
トレット化は、図1に示すように、従来から針状電極9
と平板電極8とから形成される著しい不平等電界に基づ
く直流コロナ放電を用いていた。このコロナ放電を発生
させるためには、針状電極9と平板電極8との間に或る
一定以上の電界強度を発生させること、すなわち、コロ
ナ開始電圧以上にすることが必要である。このコロナ開
始電圧は、針状電極9と平板電極8との距離が大きくな
るほど高くなる。
【0004】例えば、図1の被エレクトレット化物1が
コロナ放電により帯電され、その表面とコロナ放電極
(針電極)9との間の電位差が、コロナ開始電圧を下回
るとコロナ放電は起こらなくなる。これは、直流コロナ
において、放電極と対極(アース)とが常にリンクして
いるためである。被エレクトレット化体1の表面電位
(すなわち表面の電荷量)を更に上げようとすれば、よ
り高電圧をかける必要がある。しかし、あまり高電圧に
しすぎると、被エレクトレット化体の弱い箇所を通して
電極間でスパーク放電に至り、被エレクトレット化体に
大きな穴を開けるなどの損傷を生じることがある。ま
た、フェルトのような厚手の不織布を被エレクトレット
化体として処理する場合には、フェルト表面の電荷量が
上がらないためにアース面からの逆電荷の注入が起こら
ず全体としての電荷量が上がらない。従って、得られた
フェルトをフィルターとして用いた場合もその効果は小
さく、不充分であった〔静電気学会誌Vol. 18, No. 2
(1994), P. 119〜127 及び、静電気学会誌 Vol. 18, N
o. 5 (1994), P. 444〜448 〕。
【0005】更に、前記の直流コロナ放電法では、繊維
シートなどの被エレクトレット化体をスチールドラムな
どの平坦な電極表面上に緊密に接触させる必要がある。
従って、例えばマスクやプリーツ加工製品のように平板
状でない被処理体の場合には、完成品に加工した後では
帯電処理を行うことができなかった。すなわち、従来は
繊維シートなどを帯電処理した後に、製品への成形加工
を行っていたが、成形加工時の熱処理などにより電荷が
消失するなどの問題があった。なお、エレクトレット化
された製品を長期に渡って使用しているとエレクトレッ
トの効果が低下してくるため、再エレクトレット化する
ことを要求される場合がある。しかしながら、被エレク
トレット化体の形状が立体的な成形品である場合には、
従来のエレクトレット化方法では、再エレクトレット化
処理を実施することは困難であった。
【0006】一方、エレクトレット体の中でも、圧電性
を示すエレクトレット体は、その圧電性を利用して、例
えば、音響素子又は変位素子等に用いられている。従
来、圧電性エレクトレット体の製造方法としては、例え
ば、被処理誘電体の表面に電極を直接に接触させて設
け、高電圧を印加する方法が知られていた。一般に、圧
電性エレクトレット体を製造する場合には、印加電圧が
高いほど被処理誘電体の分極が容易に行なわれ、そし
て、キュリー温度(低温相で圧電性エレクトレット体に
みられた圧電効果が、その温度で相転移を起こし、その
温度以上では圧電効果を示さない温度)を越えない範囲
内で、被処理誘電体の温度が高いほど被処理誘電体の分
極が容易に行なわれる。しかし、仮に空気中で電極間に
或る一定以上の直流高電圧を印加すると、被処理誘電体
の端部で電極と電極との間に放電が生じ、空気層の絶縁
破壊が生じることがある。空気層の絶縁破壊が生じる
と、高電圧を維持することができなくなるので、分極効
率が著しく低下する。また、例えば、ヒーター又は赤外
線等で被処理誘電体の温度を上げた状態で、空気中で直
流高電圧を印加すると、被処理誘電体の分極が容易にな
るが、空気の温度も同時に上昇しているので、空気層の
絶縁破壊がより起こりやすくなる欠点があった。
【0007】そこで、例えば図2に示すように、所定の
形状に成型した被処理誘電体2の分極面に、その表面積
よりやや小さい表面積を有する一対の電極3a,3bを
設け、被処理誘電体2及び電極3a,3bを絶縁オイル
4中に浸した状態で、それらの電極3a,3bの間に直
流高電圧を印加し、被処理誘電体2を分極化する方法が
採用されていた。例えば、被処理誘電体2としてセラミ
ック材料を用いる場合には、グリーンシートを焼結した
後、銀ペーストを表面に塗布し、焼付けを行なうことに
よって、被処理誘電体2の表面に電極3a,3bを設
け、続いて、被処理誘電体2及び電極3a,3bを絶縁
オイル4中に浸した状態で直流高電圧を印加することに
よって、空気層の絶縁破壊を防止しながら分極化してい
た。分極効率を高めるために、通常、絶縁オイル4の温
度を100℃前後に加熱して分極化処理を行なっている
が、絶縁オイル中では、被処理誘電体2の温度をそれ以
上に上げることが困難であるので、空気層の絶縁破壊は
防止できるものの、分極効率が悪いという欠点があっ
た。
【0008】また、図2に示す方法では、被処理誘電体
2の表面に電極3a,3bを設ける必要があるので、被
処理誘電体が絶縁破壊に到りやすい欠点があった。なぜ
なら、被処理誘電体の表面に微小な凹凸が存在すると、
表面に設けた電極自体も微小な凹凸を有することになる
ため、電界が誘電体の凹部に集中して絶縁破壊が生じる
ことがあった。また、他の原因で絶縁破壊した場合も、
電極が接触しているため、電極に蓄積した電荷が絶縁破
壊部分に一気に流れ込み、被処理誘電体を損傷すること
があった。絶縁破壊を起こすと、その後の電圧が上がら
なくなり、しかも被処理誘電体の損傷も大きい。この場
合、被処理誘電体の分極面が広くなると、絶縁破壊の確
率が高くなり、同時に絶縁破壊部分に流れ込む電荷量も
大きくなるので、大面積の分極面を有する被処理誘電体
の分極は困難であった。また、電極を設ける必要がある
ため、被処理誘電体の形状も限られていた。更には、こ
の方法では、被処理誘電体の表面に電極を設ける必要が
あり、絶縁オイル中に浸す必要があるので、操作が煩雑
であり、連続加工にも不適当であった。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の目的
は、電極と接触させる必要がないので被処理誘電体の大
きさや形状が制限されず、従って、非平板状や厚手の被
処理誘電体でも効果的に処理することができ、高電圧を
印加することができ、必要な場合には被処理誘電体の温
度を容易に制御することができ、スパーク放電や絶縁破
壊などによる被処理誘電体の損傷が起こりにくく、しか
も帯電の程度や持続性も満足することのできるエレクト
レット化手段を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】前記の目的は、本発明に
よる (1)対向して配置し、直流電圧による電位差を設けた
第1のイオン反発性電極と第1のイオン吸引性電極との
間に、それらの電極とはそれぞれ非接触状態で配置した
被処理誘電体と、前記の第1のイオン反発性電極との間
に、第1のイオン発生手段から供給された正極性イオン
又は負極性イオンのいずれか1種のみを、前記の電位差
によって前記の第1のイオン反発性電極から前記の第1
のイオン吸引性電極の方向へ移動させ、前記の被処理誘
電体上へ転移させる工程、及び (2)前記工程(1)と実質的に同時に、(2a)前記
の被処理誘電体と非接触状態で、しかも前記の被処理誘
電体に関して前記の第1のイオン反発性電極とは反対側
に対向して配置した第2のイオン反発性電極と、前記の
被処理誘電体との間に、第2のイオン発生手段から供給
された正極性イオン又は負極性イオンの内、前記の第1
のイオン発生手段から被処理誘電体に転移させたイオン
とは反対の極性のイオンのみを、前記の被処理誘電体と
非接触状態で、しかも前記の被処理誘電体に関して前記
の第1のイオン吸引性電極とは反対側に対向して配置し
た第2のイオン吸引性電極と前記の第2のイオン反発性
電極との間に設けた直流電圧による電位差によって、前
記の第2のイオン反発性電極から前記の第2のイオン吸
引性電極の方向へ移動させ、前記の被処理誘電体上へ転
移させる工程、あるいは、(2b)前記の被処理誘電体
と非接触状態で、しかも前記の被処理誘電体に関して前
記の第1のイオン反発性電極とは反対側に対向して配置
した第2のイオン発生手段から供給された正極性イオン
又は負極性イオンの内、前記の第1のイオン発生手段か
ら被処理誘電体に転移され、前記の被処理誘電体を荷電
したイオンとは反対の極性のイオンのみを、前記の荷電
被処理誘電体の吸引力により、第2のイオン発生手段か
ら被処理誘電体へ転移させる工程、を含むことを特徴と
する、前記の被処理誘電体からエレクトレット体を製造
する方法によって達成することができる。
【0011】また、本発明は、イオン反発性電極;その
イオン反発性電極と対向して配置されたイオン吸引性電
極;前記のイオン反発性電極と前記のイオン吸引性電極
との間にそれぞれに非接触状態で被処理誘電体を配置す
ることのできる手段;前記の被処理誘電体を配置するこ
とのできる手段によって配置される被処理誘電体と前記
のイオン反発性電極との間に、正極性イオン及び/又は
負極性イオンを供給することのできるイオン発生手段;
及び前記のイオン発生手段によって供給される正極性イ
オン又は負極性イオンのいずれか1種のみを、前記のイ
オン反発性電極から前記のイオン吸引性電極の方向へ移
動させ、前記の被処理誘電体に転移させることのできる
電位差を、前記のイオン反発性電極と前記のイオン吸引
性電極との間に直流電圧を印加することによって発生さ
せることのできる手段;を含むことを特徴とする、エレ
クトレット体の製造装置にも関する。
【0012】
【発明の実施の形態】本明細書において『エレクトレッ
ト体』とは、少なくとも一部が分極している誘電体を意
味する。エレクトレット体には、通常、少なくとも表面
の一部が分極している状態、表面とその近傍が分極して
いる状態、更には、表面及びその近傍だけでなく深く内
部も分極している状態など、種々の分極状態が存在し、
これらの種々の分極状態を有するエレクトレット体はい
ずれも本発明のエレクトレット体に含まれる。従って、
本発明のエレクトレット体には、表面及び場合により更
に表面近傍が分極している表面帯電型エレクトレット
体、表面だけでなく内部まで分極しているエレクトレッ
ト体、例えば、圧電性又は焦電性エレクトレット体など
が含まれる。
【0013】本発明によるエレクトレット体における分
極状態の前記の相違は、例えば、被処理誘電体の材料の
種類や形状、及びエレクトレット化条件などの相違によ
り生じる。例えば、ポリエチレン若しくはポリプロピレ
ンなどのポリオレフィン系樹脂、ポリエステル樹脂、又
はポリカーボネート樹脂などの誘電体からなる繊維シー
トやフィルムをエレクトレット化する場合、主として表
裏面及びその近傍、あるいは多少内部に至る範囲におい
て、正負の電荷がトラップされて分極状態が生じると共
に、外部電界が生じる。一方、例えば、チタン酸バリウ
ムなどの無機強誘電体をエレクトレット化する場合、結
晶構造中のチタンイオン(Ti4+)が外部電界によって
変位し、この変位に基づく分子レベルでの分極が生じ
て、材料表面層から内部に向かって微小分極(双極子)
が連続的に存在する構造が得られる。このチタン酸バリ
ウムなどのエレクトレット体では圧電性を示すが、分子
レベルでの分極が連続的であるため、外部電界はほとん
ど示さない。
【0014】本発明においては、誘電体であるかぎり、
任意の有機材料又は無機材料からなる任意の成形体を処
理して、エレクトレット体を得ることができる。有機誘
電体材料としては、各種の有機高分子化合物、例えば、
ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン、
ポリエステル、ポリカーボネート、ポリ塩化ビニル、フ
ッ素化エチレンプロピレン共重合体(FEP)、ポリフ
ッ化ビニリデン(PVDF)、又はフッ化ビニリデン−
トリフルオロエチレン共重合体等を挙げることができ
る。これらの中で、特に、フッ素化エチレンプロピレン
共重合体(FEP)、ポリフッ化ビニリデン(PVD
F)、又はフッ化ビニリデン−トリフルオロエチレン共
重合体等は強誘電体である。強誘電体を本発明によって
処理すると、一般的には、圧電性又は焦電性エレクトレ
ット体が得られる。また、無機誘電体材料としては、例
えば、セラミック材料などを挙げることができ、特に、
チタン酸ジルコン酸鉛(PZT)、チタン酸鉛、又はチ
タン酸バリウム等の無機強誘電体を用いることが好まし
い。
【0015】更に、本発明においては、無機材料と有機
材料との複合材料を用いることもできる。複合材料とし
ては、例えば、圧電セラミックとゴムとの組合せ、又は
圧電セラミックと熱可塑性樹脂(例えば、ポリアセター
ル、若しくはポリフッ化ビニリデン)との組合せなどを
挙げることができる。従来法では、少なくとも一方の電
極と接触した状態で電極間に被処理材料を配置する必要
があったために、被処理材料の形状は、電極間に配置可
能な厚さを有するシートやフィルムなどに限定されてい
たのに対し、本発明では、原則としてそうした制限はな
い。すなわち、本発明では、イオン発生手段から供給さ
れる正極性イオン又は負極性イオンを、イオン反発性電
極からイオン吸引電極の方向へ移動させ被処理誘電体に
転移させることができる距離に、被処理誘電体とイオン
発生手段とイオン反発性電極とイオン吸引電極とを配置
することができれば、被処理誘電体は、任意の形状であ
ることができる。例えば、多面体状、柱状、棒状、球
状、半球状、楕円球状、錐体状、板状、波板状、シート
状、フィルム状、又はパイプ状の成形加工品が含まれ
る。また、従来法では、工程上の制約から、エレクトレ
ット化を行った後に最終製品への加工を行う必要があっ
たが、本発明では最終製品に成形加工(例えば、成形マ
スク用に顔の形状に合わせて椀状に成形加工)を行って
からエレクトレット化を実施することができる。更に、
前記の成形体は、多孔質体又は非多孔質体であることが
でき、多孔質体としては、繊維質多孔質体や発泡体であ
ることができる。
【0016】繊維質多孔質体としては、例えば、織物、
編物、繊維状ポーラスフィルム、又は不織布からなる成
形体を挙げることができる。不織布としては、例えば、
乾式不織布、スパンボンド不織布、メルトブロー不織
布、水流絡合不織布、又は湿式不織布等を挙げることが
できる。これらの繊維質多孔質体は、比較的大きな口径
の多数の空隙を有しているので、たとえ繊維質多孔質体
が強誘電体材料からなる場合であっても、本発明で処理
すると、一般的には、表面帯電型エレクトレット体が得
られる。特に、繊維油剤や接着剤の付着がないメルトブ
ロー不織布や水流絡合不織布などの繊維シートは、表面
帯電型エレクトレットの製造に適している。また、発泡
体としては、例えば、ポリオレフィン系、ポリエステル
系、又はポリウレタン系などの樹脂などからなる連続気
泡型発泡体などを挙げることができる。
【0017】本発明において、第1のイオン発生手段及
び第2のイオン発生手段は、被処理誘電体を荷電するの
に使用する正極性イオン及び/又は負極性イオンを発生
することのできる手段であれば特に制限されないが、例
えば、交流沿面放電素子、イオナイザー素子、直流コロ
ナ型イオン発生素子、又は交流コロナ型イオン発生素子
等を用いることができ、イオン発生量が豊富で、しかも
簡単に安定した放電を起こすことができる点で、交流沿
面放電素子を用いることが好ましい。第1のイオン発生
手段及び第2のイオン発生手段として、それぞれ交流沿
面放電素子を用いる本発明の代表的な一態様を図3に示
す。この態様においては、2つの交流沿面放電素子2
1,22を、所定の空間をあけて対向するように配置す
る。各交流沿面放電素子21,22は、それぞれ誘電体
31,32の一方の表面上に放電極41,42を担持
し、他方の表面上に誘起電極51,52を担持した構造
からなり、放電極41,42を担持した表面が相互に向
かい合うように2つの交流沿面放電素子21,22を配
置する。放電極41,42と誘起電極51,52とは、
図3に示すように、各々交流電源61,62に接続され
る。一般に交流沿面放電素子を用いて沿面放電を発生さ
せる場合には、放電極をアースするのに対し、本発明に
おいては、各放電極41,42を、それぞれ直流電源7
1,72に接続する。また、各直流電源71,72は、
それぞれ、各交流電源61,62を介して誘起電極5
1,52とも接続することになる。一般に交流電源6
1,62は交流発生部とトランスとからなり、直流電源
71,72には、トランスの2次側アース端子から接続
させることができる。
【0018】図3に示す2つの交流沿面放電素子21,
22の間に、それらの素子と非接触状態で、被処理誘電
体11を配置し、交流電源61,62から交流高電圧を
印加すると、放電極41,42から誘電体表面の放電極
担持面側に沿って電離が生じ、正極性イオンと負極性イ
オンの両イオンが生成されて沿面放電が発生する。この
際に同時に、直流電源71及び72からそれぞれ放電極
41及び42に、異なる電位の直流電圧V1及びV2を
印加すると、交流沿面放電素子21,22の間(すなわ
ち、放電極41,42の間)に直流電界(以下、荷電電
界と称することがある)が形成される。なお、各直流電
圧は同時に誘起電極51及び52にも印加される。例え
ば、交流沿面放電素子21の放電極41には正電圧V1
を印加し、交流沿面放電素子22の放電極42には負電
圧V2を印加した場合に発生する各交流沿面放電素子2
1,22における交流波形を図4に示す。すなわち、交
流沿面放電素子21にはアース電位(0V:図4のx)
に対して直流正電位V1(図4のa)が印加されている
ので、誘起電極51の交流波(図4のb)は直流成分V
1だけ昇圧し、放電極41の電位もV1となる。一方、
交流沿面放電素子22にはアース電位(0V:図4の
x)に対して直流負電位V2(図4のc)が印加されて
いるので、誘起電極52の交流波(図4のd)は直流成
分V2だけ降圧し、放電極42の電位もV2となる。
【0019】こうして、交流沿面放電素子21,22の
間に荷電電界が形成されると、放電極41,42は、そ
れぞれイオン吸引性電極及びイオン反発性電極として作
用する。例えば、交流沿面放電素子21の誘電体表面に
生じた正極性イオン及び負極性イオンの内、正極性イオ
ンのみが、第1のイオン反発性電極として作用する放電
極41から第1のイオン吸引性電極として作用する放電
極42の方向へ選択的に移動し、その途中に配置されて
いる被処理誘電体11に付着し、被処理誘電体を荷電す
る。一方、交流沿面放電素子22の誘電体表面に生じた
正極性イオン及び負極性イオンの内、負極性イオンのみ
が、第2のイオン反発性電極として作用する放電極42
から第2のイオン吸引性電極として作用する放電極41
の方向へ選択的に移動し、その途中に配置されている被
処理誘電体11に付着し、被処理誘電体を荷電する。こ
うして被処理誘電体11は、一方から正極性イオンによ
り、他方から負極性イオンにより同時に処理され、被処
理誘電体11は高度にヘテロに荷電(すなわち、正極性
及び負極性の両イオンによって荷電)される。被処理誘
電体11の両面に帯電した電荷によって被処理誘電体1
1の内部に電界が形成され、被処理誘電体11を分極化
する。
【0020】直流電圧V1及びV2は、両者が異なって
いればよく、一方がアースで他方が正電位又は負電位で
あってもよい。この場合も、放電極41,42は、それ
ぞれ対向する放電極42,41に対してイオン反発性電
極及びイオン吸引性電極として作用するので、交流沿面
放電素子21,22の各誘電体表面に生じた正極性イオ
ン及び負極性イオンの内、正極性イオン又は負極性イオ
ンのいずれか一方のみが、選択的に移動し、途中に配置
されている被処理誘電体11に付着し、被処理誘電体を
荷電する。なお、例えば、直流電源装置71,72の機
構内にコンデンサー等を設けて、交流波が直流電源に直
接入るのを防止し、短絡などの危険を防止することがで
きる。
【0021】交流電源により沿面放電を発生させるため
に印加する高周波の交流電圧は特に限定されるものでは
ないが、好ましくは0.2KVp−p以上、より好まし
くは1KVp−p以上(KVp−pは、交流電圧の最大
値ピークから最小値ピークまでの電圧差を示す)であ
る。交流電圧の上限は、沿面放電素子の誘電体を損傷す
ることがない限り、特に限定されない。周波数も特に限
定されるものではないが好ましくは0.1〜100KH
z、より好ましくは1〜50KHzである。電圧が0.
2KVp−p未満になると実質的に放電が起こらなくな
り、周波数が0.1KHz未満になると放電には極めて
大きな電圧が必要となり、100KHzを越えると誘電
加熱により誘電体が過熱状態になって破壊するおそれが
生じるなどの問題がある。放電極41,42に印加する
直流電位差も、目的とする帯電が得られ、かつ絶縁破壊
が生じない範囲である限り、特に限定されるものではな
いが、好ましくは0.5KV以上、より好ましくは1K
V以上である。電位差が0.5KV未満になると、実質
的な帯電量が小さくなるため十分な帯電効果が得られな
くなる。
【0022】なお、図3に示す装置を用いる前記の方法
により圧電性エレクトレット体を製造する場合には、印
加直流電圧は、被処理体の厚さ、分極の容易さ、及び/
又は分極温度に影響を受けるため、一般的に規定するこ
とはできないが、印加直流電圧(V:単位=KV)を被
処理体の厚さ(t:単位=mm)で割った値(V/t)
が5KV/mm以上であるのが望ましい。放電極41,
42に非常に高い荷電電圧をかけた場合は、電極間を広
くすることによって、電界強度を小さくすることがで
き、電極間のスパーク放電による被処理誘電体の損傷を
防止することができる。但し、電極間を広げすぎると、
電界強度が小さくなりすぎて、イオンの移動速度が遅く
なるため、被処理誘電体に付着するイオン量が少なくな
り、エレクトレット体の帯電効率が低下するので好まし
くない。
【0023】本発明で用いる交流沿面放電素子として
は、公知の素子を用いることができる。例えば、誘電体
には、板状又はシート状のガラス、セラミック又はプラ
スチックなどを用いることができる。誘電体の厚みは特
に限定されないが、あまり厚いと放電させるのに非常に
高い電圧が必要となり、あまり薄いと機械的強度が低下
し、絶縁破壊が生じやすくなるので0.1〜5mm程度
のものが好適である。また、図5に示すように、交流沿
面放電素子21の放電極41としては、プラスチックフ
ィルムなどの表面に導電性塗料を塗布したり金属層や導
電性樹脂層によって格子状電極やメッシュ状電極などを
形成したもの、又はアルミニウムや銅などの導電性金属
などから形成される格子状電極やメッシュ状電極などが
適している。
【0024】誘電体31が放電極41の下から表面に露
出するように、放電極41は開孔を有する構造となって
いることが望ましい。誘起電極51も特に限定されるも
のではないが、プラスチックフィルムなどの表面に導電
性塗料を塗布したり金属層や導電性樹脂層によって平板
電極やあみ状電極を形成したもの、又はアルミニウムや
銅などの導電性金属などから形成される平板電極や網状
電極などが適している。交流沿面放電素子においては、
交流沿面放電素子の端部で放電極と誘起電極との間で直
接放電が生じないように誘電体の長さは放電極及び誘起
電極の長さよりも長いことが望ましい。誘電体の長さを
充分に長くすることができない場合には、誘起電極の端
面又は誘起電極の全体を、セラミック膜や高分子化合物
膜などの誘電体で絶縁被覆するのが好ましい。また、放
電極の上にセラミック膜や高分子化合物膜などの誘電体
膜を被覆すると、沿面放電による放電極の消耗を防止す
ることができるので好ましい。
【0025】交流沿面放電素子などのイオン発生手段の
中間にそれらのイオン発生手段とそれぞれ非接触状態で
被処理誘電体を配置することのできる手段としては、被
処理誘電体へのイオンの作用を実質的に妨げずに被処理
誘電体を荷電空間内に配置することのできる手段である
限り特に限定されるものではないが、例えば、被処理誘
電体がシート状などの連続体であれば、荷電空間の両側
にロールなどの支持手段を設置し、このロールの間に被
処理誘電体を通して荷電空間内を通るように配置すれば
よい。また、被処理誘電体が成形マスクのように一つ一
つ独立している場合には、上記のロール間に絶縁性のメ
ッシュなどからなる搬送体を通し、この上に被処理誘電
体を置いて荷電空間内を通るように配置すればよい。
【0026】図3及び図5では、平板状の交流沿面放電
素子について説明したが、交流沿面放電素子は種々の形
状であることができる。例えば、断面弧状の1対の交流
沿面放電素子21,22を用いて本発明を実施すること
により断面弧状の被処理誘電体を効率よく処理すること
もできる。更に、図6に示すように、円筒状の1対の交
流沿面放電素子21,22を用いて円筒状の被処理誘電
体を効率よく処理することもできる。すなわち、直径が
大きな円筒状交流沿面放電素子21と直径が小さな円筒
状交流沿面放電素子22を、所定の空間をあけて同心円
状に配置する。各交流沿面放電素子21,22は、それ
ぞれ誘電体31,32の一方の表面上に放電極41,4
2を担持し、他方の表面上に誘起電極51,52を担持
した構造からなり、放電極41,42を担持した表面が
相互に向かい合うように2つの交流沿面放電素子21,
22を配置する。放電極41,42と誘起電極51,5
2とは、図3に示した態様と同様に、各々交流電源(図
示せず)に接続され、更に各放電極41,42を、それ
ぞれ直流電源(図示せず)に接続する(実質的に誘起電
極51,52も交流電源を介して直流電源と接続されて
いる)。なお、本発明では被処理誘電体の形状による制
限を受けずに分極化することができるので、円筒状以外
の形状の交流沿面放電素子を用いても、円筒状の被処理
誘電体を処理することができる。
【0027】本発明は、交流沿面放電と直流コロナ放電
素子との組合せによって実施することもできる。すなわ
ち、第1イオン発生手段として交流沿面放電素子を用
い、第2イオン発生手段として直流コロナ放電素子を用
いる本発明の代表的な一態様を図7に示す。なお、本発
明において、直流コロナ放電素子とは、被処理誘電体と
の間で直流コロナ放電を起こすことのできる電極を有す
る素子であれば特に制限されず、例えば、針状電極など
の放電極を有する素子を挙げることができる。この態様
においては、交流沿面放電素子21と直流コロナ放電素
子23とを、所定の空間をあけて対向するように配置す
る。交流沿面放電素子21は、前記と同様に誘電体31
の一方の表面上に放電極41を担持し、他方の表面上に
誘起電極51を担持した構造からなり、放電極41を担
持した表面が前記直流コロナ放電素子23と向かい合う
ように2つの素子21,23を配置する。放電極41と
誘起電極51とは、前記と同様に、交流電源61に接続
される。また、放電極41は、一般の沿面放電を発生さ
せる場合と同様に、アースする。
【0028】一方、直流コロナ放電素子23は、直流電
源73と連絡する少なくとも1つ(好ましくは複数個:
図7に示す態様では7個)の放電極(例えば、針状電
極)43を含む。直流コロナ放電素子における放電極の
種類は特に限定されないが、図7には、針金状の電極を
示す。なお、別の態様として、直流コロナ放電素子23
をアースして、交流沿面放電素子21の放電極41に直
流電圧を印加する手段もある。
【0029】図7に示す交流沿面放電素子21と直流コ
ロナ放電素子23との間に、それらの素子と非接触状態
で、被処理誘電体11を配置し、交流電源61から交流
高電圧を印加すると、誘電体表面の放電極担持面側に正
極性イオンと負極性イオンの両イオンが生成されて沿面
放電が発生する。この際に同時に、直流電源73から放
電極43に直流高電圧を印加すると、交流沿面放電素子
21と直流コロナ放電素子23との間(すなわち、交流
沿面放電素子21の放電極41と直流コロナ放電素子2
3の放電極43との間)に直流電界(荷電電界)が形成
される。この荷電電界において、交流沿面放電素子21
の放電極41はイオン反発性電極として作用し、直流コ
ロナ放電素子23の放電極43はイオン吸引性電極とし
て作用する。すなわち、交流沿面放電素子21の誘電体
表面に生じた正極性イオン及び負極性イオンの内、放電
極43に印加された電圧極性と反対極性のイオンのみ
が、直流コロナ放電素子23の放電極43に選択的に吸
引されて、直流コロナ放電素子23の方向に移動し、そ
の途中に配置されている被処理誘電体11に付着し、被
処理誘電体を荷電する。更に、被処理誘電体11の荷電
状態が進行するのに従って、直流コロナ放電素子23の
放電極43から被処理誘電体11に対してコロナ放電が
発生して、前記の交流沿面放電素子21から吸引された
イオンとは逆の極性を有するイオンが被処理誘電体11
に付着し、被処理誘電体を荷電する。こうして被処理誘
電体11は、一方から正極性イオンにより、他方から負
極性イオンにより同時に処理され、高度にヘテロに荷電
される。被処理誘電体11の両面に帯電した電荷によっ
て被処理誘電体11の内部に電界が形成され、被処理誘
電体11を分極化する。なお、この方法では、被処理誘
電体11は直流コロナ放電素子23から、できる限り低
い印加電圧でコロナ放電が発生できるように、交流沿面
放電素子21よりも直流コロナ放電素子23にできるだ
け近い位置に配置することが望ましい。
【0030】交流沿面放電は、前記と同様の高周波の交
流電圧及び周波数により発生させることができる。直流
コロナ放電素子に印加する直流電圧も特に限定されるも
のではないが、帯電量が被処理誘電体と直流コロナ放電
素子との距離に大きく依存するので、その電界強度が好
ましくは1〜15KV/cm、より好ましくは3〜10
KV/cmとなるように印加することが望ましい。電界
強度が1KV/cm未満になると実質的に放電しにくく
なり、15KV/cmを越えると空気の絶縁破壊により
スパーク放電を生じることがある。なお、これらの値は
電極形状や被処理誘電体の材質にも大きく依存するの
で、上記の範囲からはずれて使用されることもある。
【0031】本発明は、第1イオン発生手段及び第2イ
オン発生手段としてそれぞれイオナイザー素子を用いて
実施することもでき、その代表的な一態様を図8に示
す。この態様においては、2つのイオナイザー素子2
4,25を、相互に所定の空間をあけて配置する。各イ
オナイザー素子24,25は、それぞれワイヤー電極、
針状電極などからなる直流コロナ放電極84a,85
a、アース極84b,85b、及び発生したイオンを荷
電空間に送り込むためのガイド板84c,85cからな
り、放電極84a,85aはそれぞれ直流高圧電源74
a,75a(ただし、74aと75aは逆極性)と連絡
し、アース極84b,85bはそれぞれアースと連絡し
ている。2つのイオナイザー素子24,25は、それぞ
れ直流高電圧を印加することによって矢印Bで示される
方向から供給される反応ガス(例えば、空気)をイオン
化することにより、正極性イオン及び負極性イオンを生
成し、ガイド板84c,85cから、矢印Cで示される
方向へ放出される。一方、イオン移動用電極44,45
はそれぞれ直流電源74a,75aと連絡して各々84
a,85aと電位極性が同じであるので、イオン移動用
電極44はガイド板84cから放出されたイオンに対し
てはイオン反発性電極として作用し、ガイド板85cか
ら放出されたイオンに対してはイオン吸引性電極として
作用する。一方、イオン移動用電極45はガイド板84
cから放出されたイオンに対してはイオン吸引性電極と
して作用し、ガイド板85cから放出されたイオンに対
してはイオン反発性電極として作用する。従って、図8
に示すように、イオナイザー素子24から放出された正
極性イオンはイオン移動用電極44からイオン移動用電
極45の方向に移動し、その途中に配置されている被処
理誘電体11に付着し、被処理誘電体を荷電する。一
方、イオナイザー素子25から放出された負極性イオン
はイオン移動用電極45からイオン移動用電極44の方
向に移動し、その途中に配置されている被処理誘電体1
1に付着し、被処理誘電体を荷電する。こうして被処理
誘電体11は、一方から正極性イオンにより、他方から
負極性イオンにより同時に処理され、高度にヘテロに荷
電される。被処理誘電体11の両面に帯電した電荷によ
って被処理誘電体11の内部に電界が形成され、被処理
誘電体11を分極化する。
【0032】本発明は、第1イオン発生手段及び第2イ
オン発生手段としてそれぞれ直流コロナ型イオン発生素
子を用いて実施することもでき、その代表的な一態様を
図9に示す。この態様においては、2つの直流コロナ型
イオン発生素子26,27を、所定の空間をあけて対向
するように配置する。各直流コロナ型イオン発生素子2
6,27はそれぞれ対電極86a,87a、及び放電極
86b,87bからなり、対電極86a,87aはそれ
ぞれ直流電源76a,77a(ただし、76aと77a
は逆極性)と連絡し、放電極86b,87bはそれぞれ
直流電源76b,77b(ただし、76bと77bは逆
極性)と連絡している。図9に示す直流コロナ型イオン
発生素子26,27はそれぞれ5個の対電極86a,8
7a、及び4個の放電極86b,87bを有するが、使
用する環境又は目的に応じて電極の数を変更することが
できる。なお、対電極86a,87a及び放電極86
b,87bは、コロナ放電を起こすことができる形状で
あれば、特に限定されず、例えば、対電極として棒状電
極を用い、放電極として線状電極、又は針状電極等を用
いることができる。
【0033】直流コロナ型イオン発生素子26におい
て、直流電源76a及び76bからそれぞれ対電極86
a及び放電極86bに、同極性であって、しかも異なる
電位の直流電圧V11及びV12を印加する。電圧V1
1とV12との電位差がコロナ放電が起こる電界強度よ
りも大きく、電圧V12の絶対値が電圧V11の絶対値
よりも大きい場合には、直流電源76a及び76bによ
り印加された電圧極性と同極性のイオンが、対電極86
aと放電極86bとの間に生成する。この場合に、電圧
V11,V12が、例えば、負電圧であると、直流コロ
ナ型イオン発生素子26の対電極86aと放電極86b
との間に負極性イオンが発生する。また、直流コロナ型
イオン発生素子27においても、直流電源77a及び7
7bからそれぞれ対電極87a及び放電極87bに、直
流電源76a及び76bにより印加された電圧極性と反
対極性であって、しかも異なる電位の直流電圧V13及
びV14を印加し、電圧V13とV14との電位差がコ
ロナ放電が起こる電界強度よりも大きく、電圧V14の
絶対値が電圧V13の絶対値よりも大きい場合には、直
流コロナ型イオン発生素子26の対電極86aと放電極
86bとの間に生成するイオンと反対極性のイオンが、
対電極87aと放電極87bとの間に生成する。この場
合に、電圧V13,V14が、例えば、正電圧である
と、直流コロナ型イオン発生素子27の対電極87aと
放電極87bとの間に正極性イオンが発生する。
【0034】この際に同時に、直流コロナ型イオン発生
素子26と直流コロナ型イオン発生素子27との間に直
流電界(荷電電界)が形成されるので、対電極86a及
び放電極86b並びに対電極87a及び放電極87b
は、それぞれイオン反発性電極及びイオン吸引性電極と
して作用する。例えば、先に例示した電圧V11〜V1
4を印加する場合、直流コロナ型イオン発生素子26に
生じた負極性イオンが、イオン反発性電極として作用す
る対電極86a及び放電極86bから、イオン吸引性電
極として作用する対電極87a及び放電極87bの方向
に移動し、その途中に配置されている被処理誘電体11
に付着し、被処理誘電体を荷電する。一方、直流コロナ
型イオン発生素子27に生じた正極性イオンが、イオン
反発性電極として作用する対電極87a及び放電極87
bから、イオン吸引性電極として作用する対電極86a
及び放電極86bの方向に移動し、その途中に配置され
ている被処理誘電体11に付着し、被処理誘電体を荷電
する。こうして、被処理誘電体11は、前記と同様に高
度にヘテロに荷電され、分極化される。
【0035】直流コロナ放電を起こすことのできる対電
極と放電極との距離は、約1mm〜20mmが好まし
く、その間の電位差は、電極形状又は距離に依存する
が、約0.1KV〜20KVが好ましい。また、直流コ
ロナ型イオン発生素子26と直流コロナ型イオン発生素
子27との電位差は、特に限定されるものではないが、
好ましくは1KV以上である。電位差が1KV未満にな
ると、実質的な帯電量が小さくなるため十分な帯電効果
が得られなくなる。この電位差の上限は、絶縁破壊を起
こさない範囲である限り特には限定されない。また、対
電極及び放電極の両方でコロナ放電が起こる(両極性コ
ロナ)直流コロナ型イオン発生素子を用いることもでき
るが、先に説明した単一極性イオンを生成することがで
きる直流コロナ型イオン発生素子の方が、帯電効率が高
い。
【0036】本発明は、第1イオン発生手段及び第2イ
オン発生手段としてそれぞれ交流コロナ型イオン発生素
子を用いて実施することもでき、その代表的な一態様を
図10に示す。この態様においては、2つの交流コロナ
型イオン発生素子28,29を、所定の空間をあけて対
向するように配置する。各交流コロナ型イオン発生素子
28,29はそれぞれ誘起電極88a,89a、及び放
電極88b,89bからなり、誘起電極88a,89a
と放電極88b,89bとはそれぞれ交流電源68,6
9と連絡している。この態様においては、各誘起電極8
8a,89aを、それぞれ直流電源78,79に接続す
ると共に、直流電源78,79は交流電源68,69に
も接続される。一般に交流電源68,69は交流発生部
とトランスとからなり、直流電源78,79には、トラ
ンスの2次側アース端子から接続させることができる。
図10に示す交流コロナ型イオン発生素子28,29は
それぞれ5個の誘起電極88a,89a、及び4個の放
電極88b,89bを有するが、使用する環境又は目的
に応じて電極の数を変更することができる。なお、誘起
電極88a,89aは、図10に示すように、例えば、
ガラス、セラミック、又はプラスチック等からなる誘電
体38,39で被覆することが好ましい。火花放電を防
止し、安定なコロナ放電を行なうことできるからであ
る。
【0037】2つの交流コロナ型イオン発生素子28,
29の間に、それらの素子と非接触状態で、被処理誘電
体11を配置し、交流電源68,69から交流高電圧を
印加すると、放電極88b,89bと誘起電極88a,
89aとの間に正極性イオンと負極性イオンの両イオン
が生成する。この際に同時に、直流電源78、79から
異なる電位の直流電圧V21,V22を印加すると、先
に説明した交流沿面放電素子の場合と同様に、交流コロ
ナ型イオン発生素子28,29の間に直流電界(以下、
荷電電界と称することがある)が形成される。交流コロ
ナ型イオン発生素子28,29の間に荷電電界が形成さ
れると、誘起電極88a,89a及び放電極88b,8
9bは、それぞれイオン反発性電極及びイオン吸引性電
極として作用する。例えば、直流電源79に正電圧V2
2を印加すると、交流コロナ型イオン発生素子28に生
じた正極性イオン及び負極性イオンの内、負極性イオン
のみが、イオン反発性電極として作用する誘起電極88
a及び放電極88bから、イオン吸引性電極として作用
する誘起電極89a及び放電極89bの方向に移動し、
その途中に配置されている被処理誘電体11に付着し、
被処理誘電体を荷電する。一方、交流コロナ型イオン発
生素子29に生じた正極性イオン及び負極性イオンの
内、正極性イオンのみが、イオン反発性電極として作用
する誘起電極89a及び放電極89bから、イオン吸引
性電極として作用する誘起電極88a及び放電極88b
の方向に移動し、その途中に配置されている被処理誘電
体11に付着し、被処理誘電体を荷電する。こうして被
処理誘電体11は、前記と同様に高度にヘテロに荷電さ
れ、分極化される。
【0038】交流電源により交流コロナ放電を発生させ
るために印加する高周波の交流電圧は特に限定されるも
のではないが、好ましくは約0.1KVp−p〜50K
Vp−pであり、周波数も特に限定されるものではない
が好ましくは0.1〜100KHzである。電圧が0.
1KVp−p未満になると実質的に放電が起こらなくな
り周波数が0.1KHz未満になると放電には極めて大
きな電圧が必要となり、100KHzを越えると誘電加
熱により誘電体が過熱状態になって破壊するおそれが生
じるなどの問題がある。交流コロナ放電を起こすことの
できる誘起電極と放電極との距離は、約0.1mm〜1
0mmが好ましい。交流コロナ型イオン発生素子28と
交流コロナ型イオン発生素子29との電位差、すなわ
ち、直流電源78,79に印加する電圧差(V22−V
21)は絶縁破壊を起こさない範囲である限り特に限定
されるものではないが、好ましくは0.5KV以上、よ
り好ましくは1KV以上である。電位差が0.5KV未
満になると、実質的な帯電量が小さくなるため十分なエ
レクトレット効果が得られなくなる。
【0039】なお、本発明は、図3、図7、図8、図9
及び図10に示した前記の組合せの他にも、交流沿面放
電素子とイオナイザー素子との組合せ、交流沿面放電素
子と直流コロナ型イオン発生素子との組合せ、交流沿面
放電素子と交流コロナ型イオン発生素子との組合せ、イ
オナイザー素子と直流コロナ放電素子との組合せ、イオ
ナイザー素子と直流コロナ型イオン発生素子との組合
せ、イオナイザー素子と交流コロナ型イオン発生素子と
の組合せ、直流コロナ型イオン発生素子と交流コロナ型
イオン発生素子との組合せ、直流コロナ型イオン発生素
子と直流コロナ放電素子との組合せ、又は交流コロナ型
イオン発生素子と直流コロナ放電素子との組合せによっ
ても実施することができる。なお、本発明には、第1イ
オン発生手段及び第2イオン発生手段としてそれぞれ直
流コロナ放電素子を用いる態様は含まれない。先に説明
したように、直流コロナ放電素子を用いる荷電処理で
は、電極間に高電圧を印加する必要があり、電圧が高す
ぎるとスパーク放電や絶縁破壊などを起こし、被処理誘
電体の損傷を生じることがあるからである。また、圧電
性エレクトレット体を製造する場合には、被処理誘電体
の表面の帯電荷電により形成される電界の作用によって
被処理誘電体を分極化するが、直流コロナ放電素子を用
いる荷電処理による帯電荷電では、分極化に必要とされ
る充分な電界を形成するために必要な帯電電荷を付与す
ることは困難である。
【0040】本発明においては、イオン発生手段から正
極性及び/又は負極性イオンを被処理誘電体に移動させ
る工程を、被処理誘電体を加熱された状態で実施するこ
とができる。加熱条件としては、誘電体の温度を室温か
ら被処理誘電体の融点未満の温度範囲に維持することが
望ましい。特に、圧電性又は焦電性エレクトレット体を
製造する場合には、強誘電体の温度を室温から処理対象
である被処理誘電体のキュリー温度未満の温度範囲内に
維持しながら、前記のイオン移動工程を行なうことが好
ましい。加熱手段は、特に制限されるものではなく、従
来公知の種々の加熱手段、例えば、オーブン若しくは電
熱線等のヒーター、又は赤外線等を用いることができ
る。
【0041】前記イオン移動工程中の被処理誘電体の温
度は、例えば、荷電処理の対象となる被処理誘電体の種
類、荷電処理の条件、又はエレクトレット体に求められ
る分極状態などに応じて適宜選択することができる。例
えば、高い分極効率を示す圧電性又は焦電性エレクトレ
ット体を製造する場合には、用いる被処理誘電体のキュ
リー温度を越えない範囲内で、できるだけ高い温度を選
択することが好ましい。ただし、場合によってはイオン
移動工程領域の出口での被処理誘電体の温度がキュリー
温度を越えない温度であれば、工程の途中でキュリー温
度以上になってもよい。
【0042】前記加熱手段は、荷電空間と加熱空間とが
重複するように配置しても、又は荷電空間と加熱空間と
を分離して配置してもよい。また、加熱処理は、イオン
移動工程前及び/又はイオン移動工程中に行なうことが
できる。例えば、イオン移動工程と加熱処理とを分離
し、イオン移動工程前に加熱処理を施す本発明の一態様
を図11に示す。一対の加熱手段(例えば、ヒーター9
2及び93)及び一対のイオン発生手段(例えば、交流
沿面放電素子21及び22)を直列に配置し、それらの
間に絶縁性のメッシュなどからなり、加熱空間から荷電
空間へ被処理誘電体11を矢印Aで示す方向に搬送する
搬送体94を設ける。この搬送体94上を搬送させる被
処理誘電体11は、先にヒーター92及び93の間を通
過しながら充分に加熱された後に、交流沿面放電素子2
1及び22の間を通過しながら荷電処理が施される。ヒ
ーター92及び93による加熱の程度は、被処理誘電体
11が交流沿面放電素子21及び22の間を通過する際
に、所望の温度になっているように加熱すればよい。一
般に、処理対象である被処理誘電体の温度が高いほど被
処理誘電体の分極が容易に行なわれるので、被処理誘電
体を加熱することによってエレクトレット体の分極効率
を向上させることができる。
【0043】また、被処理誘電体11を充分に時間をか
けて交流沿面放電素子21及び22の間を通過させる
と、放熱によって荷電処理中の被処理誘電体の温度が下
がるので、分極化したままの状態で被処理誘電体11は
冷却される。一般に、高温状態でイオン移動工程を実施
し、続けて、電界を印加した状態で冷却することによっ
て、分極状態をよりよく固定することができるので、エ
レクトレット体の分極効率を更に向上させることができ
る。
【0044】本発明においては、被処理誘電体をイオン
発生手段、イオン反発性電極及びイオン吸引性電極と接
触させる必要がないので、実質的に任意の形状の被処理
誘電体を処理することができる。また、一対のイオン発
生手段、イオン反発性電極及びイオン吸引性電極の間に
配置するか又は通過させるだけで荷電処理することがで
き、被処理誘電体の加熱又は冷却などの温度制御も容易
であるので、煩雑な操作が必要でなく、連続加工にも適
している。しかも、単に荷電電圧を強くすることによっ
て帯電量を多くすることができる。
【0045】更に、沿面放電、イオナイザー、直流コロ
ナ型イオン発生素子、及び/又は交流コロナ型イオン発
生素子を利用する本発明の態様においては、イオン発生
手段に印加する放電電圧と、被処理誘電体にイオンを作
用させるためのイオン反発性電極及びイオン吸引性電極
に印加する荷電電圧とが実質的に独立しているため、最
終的な帯電量は両イオン発生手段間の距離に無関係であ
り、イオン反発性電極とイオン吸引性電極との間に印加
した電位差のみに依存する。このため、被処理誘電体の
形状による制限を受けずにエレクトレット化することが
可能である。更には、フェルトのような厚手の繊維シー
トにおいても、従来の直流コロナのみを印加する方法で
は、逆電離による反対電荷の注入が効果的に起こらず、
帯電量は低かったが、本発明では、被処理誘電体の表裏
から正負のイオンを各々作用させるため、逆電離を起こ
す必要はなく、効果的に帯電させることができる。ま
た、本発明では、イオン反発性電極とイオン吸引性電極
との間の電界強度を小さくすることができる(非常に高
い荷電電圧をかけた場合は電極間を広くするとよい)の
で、電極間のスパーク放電や絶縁破壊などによる被処理
誘電体の損傷の危険性が極めて少なくなった。仮に、荷
電処理中の被処理誘電体の一部で絶縁破壊を起こして
も、その周辺から流れ込む電荷量が限られるため、被処
理誘電体の損傷も少ない。また、絶縁破壊を起こして
も、帯電荷電による分極であるので、そのまま荷電処理
を続けることができ、大面積の被処理誘電体であって
も、分極化することができる。例えば、マイクロホンに
用いられているようなフィルムエレクトレットを製造す
る場合、従来法では、フィルム成形後に直流コロナ放電
などの方法によりフィルムをアース電極と密着させた状
態でエレクトレット化を実施していた。
【0046】これに対して、本発明においては、被処理
誘電体を電極板などのイオン発生手段と密着させる必要
がないので、フィルムの成形と同時に帯電処理すること
ができる。例えば、図12に示すように、Tダイ91
(又はインフレーションダイ)から吐出した樹脂12
が、溶融状態にあるうちから、例えば、交流沿面放電素
子21,22を用いて帯電処理を行なうことができる。
もちろん、延伸処理を施しながら帯電したりすることも
できる。また、熱処理しながら帯電すると、電荷が安定
するので好ましい。なお、フィルムにおいてもその形状
が波型などであってもよい。
【0047】本発明によって得られるエレクトレット体
は、例えば、フィルタ、マスク、防塵衣料など、あるい
はマイクロホンや放射線量計などのセンサーに利用する
ことができ、更にはリューマチ治療の貼付材などのメデ
ィカル分野にも利用することができる。また、特に本発
明によって得られる圧電性又は焦電性エレクトレット体
は、例えば、音波発生装置、音波感知装置、電子フィル
ター、又は高電圧発生器等に利用することができ、具体
的には、例えば、圧電ブザー、着火素子、加速度センサ
ー、スピーカー、深傷用深触子、医療用深触子、血圧モ
ニター、血流モニター、ハイドロホン、又は表面弾性波
(SAW)フィルター等を挙げることができる。
【0048】
【実施例】以下、実施例によって本発明を具体的に説明
するが、これらは本発明の範囲を限定するものではな
い。実施例1 サンプルとして目付45g/m2 、厚み0.7mmのポ
リプロピレン製メルトブロー不織布を用いた。エレクト
レット化装置としては図3に示す装置を用い、対向する
沿面放電素子の電極間の距離を40mmとした。上記サ
ンプルを沿面放電素子21と沿面放電素子22との中間
に通し、電圧6KVp−p、周波数23KHzの交流を
印加することにより各沿面放電素子に沿面放電を発生さ
せると共に、放電極間の電位差を10KVにして、サン
プルを1分間帯電させた。得られたエレクトレット化さ
れたメルトブロー不織布に、大気塵を面風速5cm/秒
の条件で通過させて、初期圧力損失と0.3〜0.5μ
mの大気塵の捕集効率とを求めた。なお、捕集効率はメ
ルトブロー不織布の通過前後での0.3〜0.5μmの
粒子の数をパーティクルカウンターで計測して求めた。
初期圧力損失は1.1〜1.5mmaqで、捕集効率は
90〜95%であった。
【0049】比較例1 直径30μmで長さ250mmのワイヤー20本からな
る放電極と銅製の平板アース極とを20mmの間隔で配
置した。この放電極とアース極との間に16KVの電圧
を印加し、実施例1で用いたのと同じサンプル(ポリプ
ロピレン製メルトブロー不織布)を、この放電極とアー
ス極の中間に通し、1分間帯電処理した。得られたエレ
クトレット化されたメルトブロー不織布の初期圧力損失
は1.1〜1.5mmaqで、捕集効率は50〜60%
であった。実施例1よりも電極間距離が短く、印加電圧
が大きい条件でエレクトレット化したにもかかわらず、
捕集効率はかなり低く、十分にエレクトレット化されて
いないことがわかる。
【0050】実施例2 対向する沿面放電素子の電極間の距離を120mmとし
たこと以外は実施例1の操作を繰り返してエレクトレッ
ト化メルトブロー不織布を得た。得られたエレクトレッ
ト化メルトブロー不織布の初期圧力損失は1.1〜1.
5mmaqで、捕集効率は90〜95%であった。電極
間の距離を広げても実施例1と同様にエレクトレット化
できることがわかった。
【0051】実施例3 エレクトレット化装置としては図7に示す装置を用い、
直径30μmで長さ250mmのワイヤー20本からな
るコロナ放電極43と40mmの間隔をあけて沿面放電
素子21を配置した。電圧6KVp−p、周波数23K
Hzの交流を印加することにより沿面放電素子21に沿
面放電を発生させると共に、放電極43と沿面放電素子
21との間の電位差を10KVとし、実施例1で用いた
のと同じサンプル(ポリプロピレン製メルトブロー不織
布)を、放電極43から約5mmの位置に通し、1分間
帯電処理した。得られたエレクトレット化メルトブロー
不織布の初期圧力損失は1.2〜1.6mmaqで、捕
集効率は90〜95%であった。
【0052】実施例4 サンプルとして、ポリプロピレン繊維85重量%とポリ
エチレン/ポリプロピレン複合繊維15重量%とからな
る目付120g/m2 の水流絡合不織布と、目付80g
/m2 のメルトブロー不織布と、ポリプロピレン繊維4
0重量%とポリエチレン/ポリプロピレン複合繊維60
重量%とからなる目付120g/m2 のニードルパンチ
不織布とを積層し、顔の形状に沿うようにお椀形状に成
形したマスクを使用した。エレクトレット化装置として
は図3に示す装置を用い、対向する沿面放電素子21,
22の放電極間の距離を120mmとした。上記サンプ
ルを沿面放電素子21と沿面放電素子22との中間に通
し、電圧6KVp−p、周波数23KHzの交流を印加
することにより各沿面放電素子に沿面放電を発生させる
と共に、放電極41,42の電位差を15KVにして、
サンプルを1分間帯電させた。得られたエレクトレット
化されたマスクに、平均粒径0.45μmのシリカ微粒
子を濃度30mg/m3 で含む試験塵を面風速8cm/
秒の条件で通過させて、初期圧力損失と捕集効率とを求
めた。なお、捕集効率はマスクの通過前後での粒子の濃
度を光散乱式濃度計で計測して求めた。初期圧力損失は
3.3〜3.8mmaqで、捕集効率は99.88〜9
9.97%と非常に優れた捕集能力を示した。
【0053】比較例2 比較例1と同様の装置を用いたが、放電極とアース極と
を60mmの間隔で配置した。これらの放電極とアース
極との間に30KVの電圧を印加し、実施例4で用いた
のと同じサンプル(マスク)を、この放電極とアース極
の中間に通し、1分間帯電した。得られたエレクトレッ
ト化されたマスクの初期圧力損失は3.3〜3.8mm
aqで、捕集効率は80〜90%であった。実施例4よ
りも電極間距離が短く、印加電圧が大きい条件でエレク
トレット化したにもかかわらず、捕集効率はかなり低
く、十分にエレクトレット化されていないことがわか
る。なお、このマスクをエレクトレット化処理しない状
態での捕集効率は75〜85%である。
【0054】実施例5 サンプルとして、ポリプロピレン繊維80重量%とレー
ヨン繊維20重量%とからなる目付240g/m2 、厚
み1.5mmのニードルパンチ不織布を用いた。エレク
トレット化装置としては図3に示す装置を用い、対向す
る沿面放電素子21,22の放電極間の距離を120m
mとした。上記サンプルを沿面放電素子21と沿面放電
素子22との中間に通し、電圧6KVp−p、周波数2
3KHzの交流を印加することにより各沿面放電素子に
沿面放電を発生させると共に、放電極間の電位差を15
KVにして、サンプルを1分間帯電させた。得られたエ
レクトレット化されたニードルパンチ不織布に、大気塵
を面風速5cm/秒の条件で通過させて、初期圧力損失
と0.3〜0.5μmの大気塵の捕集効率とを求めた。
なお、捕集効率はニードルパンチ不織布の通過前後での
0.3〜0.5μmの粒子の数をパーティクルカウンタ
ーで計測して求めた。初期圧力損失は1.0〜1.3m
maqで、捕集効率は90〜96%であった。
【0055】比較例3 比較例1と同様の装置を用いたが、放電極とアース極と
を20mmの間隔で配置した。これらの放電極とアース
極との間に16KVの電圧を印加し、実施例5で用いた
のと同じサンプル(ニードルパンチ不織布)を、アース
極と接触させた状態で通し、1分間帯電した。得られた
エレクトレット化されたニードルパンチ不織布の初期圧
力損失は1.0〜1.3mmaqで、捕集効率は60〜
70%であった。実施例5よりも電極間距離が短い条件
でエレクトレット化したにもかかわらず、捕集効率はか
なり低く、十分にエレクトレット化されていないことが
わかる。
【0056】実施例6 サンプルとして厚さ50μmのポリテトラフルオロエチ
レン(PTFE)フィルムを使用した。エレクトレット
化装置としては図3に示す装置を用い、対向する沿面放
電素子21,22の放電極間の距離を40mmとした。
上記サンプルを沿面放電素子21と沿面放電素子22と
の中間に通し、電圧6KVp−p、周波数23KHzの
交流を印加することにより各沿面放電素子に沿面放電を
発生させると共に、直流電源71に−1KV、−2KV
又は−5KVを印加し、直流電源72をアースに代えて
放電極間の電位差を各々1KV、2KV又は5KVとし
て、サンプルを1分間帯電させた。帯電直後のサンプル
を銅製アース板に乗せ、帯電直後のサンプルの表面電位
をトレック表面電位計モデル344を用いて測定した。
結果を以下の表1に示す。
【0057】
【表1】 印加電圧 −1KV −2KV −5KV 表面電位(表) −800 〜−900 −1500〜−1800 −4400〜−4700 表面電位(裏) +800 〜+900 +1500〜+1800 +4400〜+4700 表面電位はほとんどの場所で、同極性でその均一性も高
かった。
【0058】比較例4 比較例1と同様の装置を用いたが、放電極とアース極と
を20mmの間隔で配置した。これらの放電極とアース
極との間に−10KVの電圧を印加し、実施例6で用い
たのと同じサンプル(PTFEフィルム)を、この放電
極とアース極の中間に通し、1分間帯電した。実施例6
と同様にして帯電直後の表面電位を測定した。 放電面 −100V以下 反対面 −50V以下 帯電量は非常に小さく帯電圧もばらついた。
【0059】
【発明の効果】本発明によれば、被エレクトレット化体
の大きさや形状が制限されず、従って、非平板状や厚手
の被エレクトレット化体でも効果的に処理することがで
き、高電圧を印加することができ、必要な場合には被処
理誘電体の温度を容易に制御することができ、スパーク
放電や絶縁破壊などによる被エレクトレット化体の損傷
が起こりにくく、しかも被エレクトレット化体の両方向
から異なった極性の電荷を同時に作用させることにより
帯電の程度や持続性も満足することのできるエレクトレ
ット化処理を実施することができる。フィルムへの帯電
においても、Tダイあるいはインフレーションダイ直後
に帯電させることができ、更には、延伸工程中など各種
の処理工程中にも帯電させることができる。
【0060】また、本発明によれば、帯電量はイオン反
発性電極とイオン吸引性電極との間の電界強度によら
ず、イオン反発性電極とイオン吸引性電極間の電位差の
みに依存するので、両イオン電極間を充分広くすること
ができ、被エレクトレット化体の処理空間を広くするこ
とができる。また、一対のイオン発生手段、イオン反発
性電極及びイオン吸引性電極の間に配置するか又は通過
させるだけで荷電処理することができるので、煩雑な操
作が必要でなく、連続加工にも適している。更に、高い
電界強度を用いる必要がないので、電極間のスパーク放
電がなく、被帯電体の損傷がない。以上、本発明を特定
の態様に従って説明したが、当業者に自明の変形は本発
明の範囲に含まれるものと理解されたい。
【図面の簡単な説明】
【図1】コロナ放電に用いる従来法の装置を模式的に示
す断面図である。
【図2】従来法の圧電性エレクトレット体の製造装置を
模式的に示す断面図である。
【図3】一対の交流沿面放電素子を用いる本発明装置の
一態様を模式的に示す断面図である。
【図4】図3の装置を用いて交流及び直流電圧を印加し
た場合に得られる交流波形を示すグラフである。
【図5】本発明装置で用いる交流沿面放電素子の斜視図
である。
【図6】一対の円筒状交流沿面放電素子を用いる本発明
装置の別の態様を模式的に示す断面図である。
【図7】交流沿面放電素子と直流コロナ放電素子とを用
いる本発明装置の一態様を模式的に示す断面図である。
【図8】一対のイオナイザーを用いる本発明装置の一態
様を模式的に示す断面図である。
【図9】一対の直流コロナ型イオン発生素子を用いる本
発明装置の一態様を模式的に示す断面図である。
【図10】一対の交流コロナ型イオン発生素子を用いる
本発明装置の一態様を模式的に示す断面図である。
【図11】加熱装置を設ける本発明装置の一態様を模式
的に示す説明図である。
【図12】Tダイ押出成形に本発明装置を利用する一態
様を模式的に示す説明図である。
【符号の説明】
11・・被処理誘電体;21,22・・交流沿面放電素
子;23・・直流コロナ放電素子;24,25・・イオ
ナイザー;26,27・・直流コロナ型イオン発生素
子;28,29・・交流コロナ型イオン発生素子;3
1,32,38,39・・誘電体;41,42,43,
86b,87b,88b,89b・・放電極;44,4
5・・イオン吸引電極;51,52,88a,89a・
・誘起電極;61,62,68,69・・交流電源;7
1,72,73,74a,75a,76a,76b,7
7a,77b,78,79・・直流電源;84a,85
a・・コロナ放電極;84b,85b・・アース極;8
4c,85c・・ガイド板;86a,87a・・対電
極;91・・Tダイ;92,93・・ヒーター;94・
・搬送体。

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (1)対向して配置し、直流電圧による
    電位差を設けた第1のイオン反発性電極と第1のイオン
    吸引性電極との間に、それらの電極とはそれぞれ非接触
    状態で配置した被処理誘電体と、前記の第1のイオン反
    発性電極との間に、第1のイオン発生手段から供給され
    た正極性イオン又は負極性イオンのいずれか1種のみ
    を、前記の電位差によって前記の第1のイオン反発性電
    極から前記の第1のイオン吸引性電極の方向へ移動さ
    せ、前記の被処理誘電体上へ転移させる工程、及び (2)前記工程(1)と実質的に同時に、(2a)前記
    の被処理誘電体と非接触状態で、しかも前記の被処理誘
    電体に関して前記の第1のイオン反発性電極とは反対側
    に対向して配置した第2のイオン反発性電極と、前記の
    被処理誘電体との間に、第2のイオン発生手段から供給
    された正極性イオン又は負極性イオンの内、前記の第1
    のイオン発生手段から被処理誘電体に転移させたイオン
    とは反対の極性のイオンのみを、前記の被処理誘電体と
    非接触状態で、しかも前記の被処理誘電体に関して前記
    の第1のイオン吸引性電極とは反対側に対向して配置し
    た第2のイオン吸引性電極と前記の第2のイオン反発性
    電極との間に設けた直流電圧による電位差によって、前
    記の第2のイオン反発性電極から前記の第2のイオン吸
    引性電極の方向へ移動させ、前記の被処理誘電体上へ転
    移させる工程、あるいは、(2b)前記の被処理誘電体
    と非接触状態で、しかも前記の被処理誘電体に関して前
    記の第1のイオン反発性電極とは反対側に対向して配置
    した第2のイオン発生手段から供給された正極性イオン
    又は負極性イオンの内、前記の第1のイオン発生手段か
    ら被処理誘電体に転移され、前記の被処理誘電体を荷電
    したイオンとは反対の極性のイオンのみを、前記の荷電
    被処理誘電体の吸引力により、第2のイオン発生手段か
    ら被処理誘電体へ転移させる工程、を含むことを特徴と
    する、前記の被処理誘電体からエレクトレット体を製造
    する方法。
  2. 【請求項2】 圧電性エレクトレット体を製造する、請
    求項1に記載の方法。
  3. 【請求項3】 前記工程(1)及び工程(2)におい
    て、被処理誘電体の温度を室温以上で前記被処理誘電体
    のキュリー温度未満の温度範囲内に維持する、請求項1
    又は請求項2に記載の方法。
  4. 【請求項4】 表面帯電型エレクトレット体を製造す
    る、請求項1に記載の方法。
  5. 【請求項5】 前記工程(1)及び工程(2)におい
    て、被処理誘電体の温度を室温以上で前記被処理誘電体
    の融点未満の温度範囲内に維持する、請求項1又は請求
    項4に記載の方法。
  6. 【請求項6】 第1のイオン発生手段が、交流沿面放電
    素子、イオナイザー、交流コロナ型イオン発生素子、又
    は直流コロナ型イオン発生素子であり、そして第2のイ
    オン発生手段が、交流沿面放電素子、直流コロナ放電素
    子、イオナイザー、交流コロナ型イオン発生素子、又は
    直流コロナ型イオン発生素子である、請求項1〜5のい
    ずれか一項に記載の方法。
  7. 【請求項7】 第1のイオン発生手段及び第2のイオン
    発生手段が共に交流沿面放電素子であり、第1のイオン
    発生手段である交流沿面放電素子の放電極が、第1のイ
    オン発生手段から放出されるイオンの反発性電極である
    と共に、第2のイオン発生手段から放出されるイオンの
    吸引性電極であり、第2のイオン発生手段である交流沿
    面放電素子の放電極が、第2のイオン発生手段から放出
    されるイオンの反発性電極であると共に、第1のイオン
    発生手段から放出されるイオンの吸引性電極である、請
    求項1〜5のいずれか一項に記載の方法。
  8. 【請求項8】 第1のイオン発生手段が交流沿面放電素
    子であり、第2のイオン発生手段が直流コロナ放電素子
    であり、第1のイオン発生手段である交流沿面放電素子
    の放電極が第1のイオン発生手段から放出されるイオン
    の反発性電極であり、直流コロナ放電素子の放電極が第
    1のイオン吸引性電極であり、前記の直流コロナ放電素
    子と、前記の交流沿面放電素子から吸引されたイオンに
    よって荷電された被処理体との間でコロナ放電を行う、
    請求項1〜5のいずれか一項に記載の方法。
  9. 【請求項9】 イオン反発性電極;そのイオン反発性電
    極と対向して配置されたイオン吸引性電極;前記のイオ
    ン反発性電極と前記のイオン吸引性電極との間にそれぞ
    れに非接触状態で被処理誘電体を配置することのできる
    手段;前記の被処理誘電体を配置することのできる手段
    によって配置される被処理誘電体と前記のイオン反発性
    電極との間に、正極性イオン及び/又は負極性イオンを
    供給することのできるイオン発生手段;及び前記のイオ
    ン発生手段によって供給される正極性イオン又は負極性
    イオンのいずれか1種のみを、前記のイオン反発性電極
    から前記のイオン吸引性電極の方向へ移動させ、前記の
    被処理誘電体に転移させることのできる電位差を、前記
    のイオン反発性電極と前記のイオン吸引性電極との間に
    直流電圧を印加することによって発生させることのでき
    る手段;を含むことを特徴とする、エレクトレット体の
    製造装置。
  10. 【請求項10】 前記の被処理誘電体を配置することの
    できる手段によって配置される被処理誘電体に関して前
    記のイオン反発性電極とは反対側に対向して配置され、
    前記の被処理誘電体を配置することのできる手段によっ
    て配置される被処理誘電体と接触しない第2のイオン反
    発性電極;前記の被処理誘電体を配置することのできる
    手段によって配置される被処理誘電体に関して前記のイ
    オン吸引性電極とは反対側に対向して配置され、前記の
    被処理誘電体を配置することのできる手段によって配置
    される被処理誘電体と接触しない第2のイオン吸引性電
    極;前記の被処理誘電体を配置することのできる手段に
    よって配置される被処理誘電体と前記の第2のイオン反
    発性電極との間に、正極性イオン及び/又は負極性イオ
    ンを供給することのできる第2のイオン発生手段;及び
    前記の第2のイオン発生手段によって供給される正極性
    イオン又は負極性イオンの内、前記のイオン発生手段か
    ら被処理誘電体に転移させたイオンとは反対の極性のイ
    オンのみを、前記の第2のイオン反発性電極から前記の
    第2のイオン吸引性電極の方向へ移動させ、前記の被処
    理誘電体に転移させることのできる電位差を、前記の第
    2のイオン反発性電極と前記の第2のイオン吸引性電極
    との間に直流電圧を印加することによって発生させるこ
    とのできる手段;を更に含む、請求項9に記載の装置。
  11. 【請求項11】 イオン発生手段を、交流沿面放電素
    子、イオナイザー、交流コロナ型イオン発生素子、及び
    直流コロナ型イオン発生素子からなる群から選ぶ、請求
    項9又は請求項10に記載の装置。
  12. 【請求項12】 1対の交流沿面放電素子を用いる請求
    項9〜11のいずれか一項に記載の装置。
  13. 【請求項13】 前記の被処理誘電体を配置することの
    できる手段によって配置される被処理誘電体に関して前
    記のイオン反発性電極とは反対側に対向して配置され、
    前記の被処理誘電体を配置することのできる手段によっ
    て配置される被処理誘電体と接触しない第2のイオン発
    生手段である直流コロナ放電素子を更に含み、前記の直
    流コロナ放電素子の放電極をイオン吸引性電極とする、
    請求項9に記載の装置。
  14. 【請求項14】 被処理誘電体を加熱することのできる
    手段を更に含む、請求項9〜13のいずれか一項に記載
    の装置。
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