JP2003311180A - エレクトレット濾過材およびその製造方法 - Google Patents
エレクトレット濾過材およびその製造方法Info
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Abstract
させることなく、フィルター内部まで十分に、かつ、高
度にエレクトレット化することのできる方法を提供す
る。 【解決手段】成形加工されたフィルターをその内部まで
十分に、かつ、高度にエレクトレット化するためには、
成形加工されたフィルターに毎秒5m以上の高速気流を
衝突させることにより、成形加工時に電荷を減衰させる
ことなく、該フィルターの内部まで十分に、かつ、高度
にエレクトレット化することを特徴とする。
Description
ルターをエレクトレット化する方法に関する。
ィルターは、成形加工前の平板状のフィルターシートを
エレクトレット化させてから、プリーツ加工等の成形加
工を施して製造されている。しかしながら、成形加工時
の熱処理などにより電荷が消失してしまうという問題が
あった。また、そのエレクトレット化方法には直流コロ
ナ荷電法が一般的であるが、この荷電法では、高度にエ
レクトレット化させるためには被荷電体を接地極に十分
に接触させる必要がある。しかしながら、成形加工され
たフィルターは非平板状であり、接地極に十分に接触さ
せることができないため、高度にエレクトレット化する
ことができないという問題があった。
理誘電体の両方向から逆極性電荷を同時に作用できるエ
レクトレット体の製造方法について開示されている。こ
れは、成形加工されたフィルターの両方向から正もしく
は負の電荷を有するイオンを作用させて、成形加工され
たフィルターをエレクトレット化する方法であるが、こ
の方法では、フィルターの表面部分、すなわち、正もし
くは負の電荷を有するイオンに曝されている部分に多く
の電荷が蓄積する。そして、その蓄積電荷はイオンに対
して反発電界を形成し、イオンがフィルター内部まで十
分に浸透することができず、その結果、フィルター内部
が十分に荷電されないという欠点を有する。
を解決するためになされたものであり、高速気流を衝突
させることにより、成形加工されたフィルターのフィル
ター内部まで十分に、かつ、高度にエレクトレット化す
ることのできる方法を提供することを目的とする。
ト化方法は、フィルターに高速気流を衝突させる荷電方
法を意味する。本発明者らは鋭意研究した結果、成形加
工されたフィルターをその内部まで十分に、かつ、高度
にエレクトレット化するためには、成形加工されたフィ
ルターに高速気流処理を施すことが重要であることを見
いだした。つまり、成形加工されたフィルターに、気体
を毎秒5m以上の速度で衝突させることにより、成形加
工されたフィルターの内部まで十分に、かつ高度に荷電
することができることを見出したのである。
形加工前のフィルターシートとしては、繊維シート(例
えば、織物、編み物、不織布、及び、これらの複合
体)、多孔フィルム(例えば、穴開きフィルム)、発泡
体、或いはこれらの複合体などがある。フィルターシー
トの目付は5〜1000g/m2が好ましく、より好ま
しくは10〜500g/m2である。
ては、一種類、あるいは、複数の種類から構成されても
よいが、電荷保持の点から体積抵抗率1014Ωcm以上
の材質を少なくとも一種類以上含むことが好ましい。も
し、該フィルターシートが体積抵抗率1014Ωcm以下
の材質のみで構成されていれば、電荷が蓄積しにくく、
該シートを高度にエレクトレット化することはできな
い。また、電荷寿命が極端に短くなってしまうという問
題が生じる。具体的な材質としては、ポリオレフィン、
ポリエステル、ポリカーボネート、ナイロン、ポリ塩化
ビニル、ポリ塩化ビニリデン、フッ素化ポリオレフィン
などが挙げられるが、特にこれらに限定するわけではな
く、また、耐熱性、帯電性を向上させるため、これらの
ポリマーにヒンダードアミン、ヒンダードフェノール、
脂肪族金属塩、結晶核剤などの添加剤を添加したもので
もよい。好ましくは、ポリオレフィン、或いは、上記添
加剤を添加したポリオレフィンを含有しているのがよ
い。また、環境汚染への配慮から、ポリ乳酸といった生
分解性ポリエステルを含有しているのがより好ましい。
に規定はしないが、例えば、多面体状、柱状、棒状、球
状、半球状、楕円球状、錐体状、板状、波状、プリーツ
状、波板状、シート状、フィルム状、又はパイプ状等が
好ましい。
速気流の速度については、フィルターの形状、強度、帯
電性といった性質によって異なるが、毎秒5〜1000
mであることが好ましい。気流速度の下限値はフィルタ
ーを構成するフィルターシートの帯電性によって決ま
る。例えば、ポリプロピレンを主な構成物とするフィル
ターシートであれば、毎秒10m以上が好ましく、より
好ましくは毎秒300m以上である。また、ポリプロピ
レンにヒンダードアミン等の高エレクトレット化に寄与
する添加剤を添加したものが主な構成物であれば、毎秒
5m以上の速度が好ましい。もし、気流速度が下限値よ
り小さければ、気流との摩擦よってフィルターにもたら
される荷電量より、気流接触時に気流中に流れ出てしま
う電荷量の方が大きくなり、フィルターを高度にエレク
トレット化することはできない。速度の上限値について
は、フィルターの形状、強度により決定する。例えば、
メルトブロー不織布といった極細繊維不織布を成形加工
して作製されたフィルターは毎秒1000m以上の気流
を衝突させると、フィルターシートの層間剥離や表面の
毛羽立ちなどにより目付むらが生じシートの均一性が失
われ、高度にエレクトレット化することはできない。
しく、より好ましくは40℃以下である。もし、120
℃以上であると熱により、フィルターシート上の電荷減
衰が生じ、高度にエレクトレット化することができな
い。
ては特に規定はしないが、導電率が低く、誘電率が大き
い方が好ましい。気体の導電率が低いほど、気流との接
触による電荷減衰が少なくなる。気体の誘電率が大きい
ほど、気流との摩擦によりフィルターシートを高度にエ
レクトレット化することができる。使用できる気体の例
として、気体状態が存在するものであればよい。ただ、
取り扱い性の点から、常温常圧で気体である化合物、例
えば、窒素、酸素、水素、大気、六フッ化硫黄、窒素酸
化物、硫黄酸化物、二酸化炭素、水蒸気、アルゴン、ヘ
リウム、ネオン、有機化合物および、それらの混合物と
いったものが好ましく、特に好ましくは、水蒸気、大気
である。
レベルでは、正もしくは負に帯電していてもよいが、気
流全体としては非帯電であることが好ましい。もし、例
えば、正に帯電した気流を成形加工されたフィルターに
衝突させると、気流との接触機会の多い表面部分が正に
帯電する。すると、その表面部分に、帯電気流に対する
反発電界が形成され、結果として、フィルターシート内
部まで十分に荷電されないという問題が生じる。
より具体的に示すが、下記実施例は本発明方法を限定す
る性質のものではなく、前・後記の趣旨に沿って設計変
更することはいずれも本発明の技術的範囲に含まれるも
のである。
力損失、粒子捕集効率の評価は、粒子径0.3μmのD
OP粒子を流量0.5m3/minで試験用フィルター
に供給したとき、フィルターの上流、下流のDOP粒子
個数を粒子計測器((株)RION製KC−14)で計
測した。また、同時に、試験用フィルターの圧力損失を
測定した。なお、粒子捕集効率は以下の数式を用いて算
出した。 粒子捕集効率(%)=(1−下流側粒子個数/上流側粒
子個数)×100
プロピレン製メルトブローン不織布(目付30g/
m2)を山数20、山高さ10mmの条件で、ひだ折り
加工を行い、100mm×100mmで厚み10mmの
大きさの試験用フィルターを作製した。その後、孔径
0.10mm,孔径ピッチ0.6mmの口金より300
m/sの大気を30秒間、試験用フィルターの両面に各
3回、噴射させた。その後、粒子捕集効率、圧力損失を
測定した。その結果、圧力損失15.5mmH2O、粒
子捕集効率98%であった。
ーン不織布(目付30g/m2)をアルミ平板の接地極
に置き、コロナ針電極を用いて、10kV/cmの高電
圧を1分間印加した。さらに、実施例1と同様にして、
試験用フィルターを作製した。その後、粒子捕集効率、
圧力損失を測定した。その結果、圧力損失15.5mm
H2O、粒子捕集効率87%であった。実施例1と比較
して、成形加工時の電荷消失のため、フィルターが高度
にエレクトレット化されていないことが分かる。
プロピレン製メルトブローン不織布(目付30g/
m2)を実施例1と同様にして、試験用フィルターを作
製した。次いで、試験用フィルターをアルミ平板の接地
極に置き、コロナ針電極を用いて、10kV/cmの高
電圧を1分間印加した。その後、粒子捕集効率、圧力損
失を測定した。その結果、圧力損失15.5mmH
2O、粒子捕集効率82%であった。実施例1と比較し
て捕集効率が著しく低くなっている。成形加工後のフィ
ルターに従来の技術である直流コロナ荷電処理を施して
も、高度にエレクトレット化されないことが分かる。
プロピレン製メルトブローン不織布(目付30g/
m2)を実施例1と同様にして、試験用フィルターを作
製した。その後、孔径0.10mm,孔径ピッチ0.6
mmの口金より3m/sの大気を30秒間、試験用フィ
ルターの両面に各3回、噴射させた。その後、粒子捕集
効率、圧力損失を測定した。その結果、圧力損失15.
5mmH2O、粒子捕集効率83%であった。気流の速
度が下限値以下であると高度にエレクトレット化されな
いことが分かる。
プロピレン製メルトブローン不織布(目付30g/
m2)を実施例1と同様にして、試験用フィルターを作
製した。次いで、電界強度5kV/mmの中、1分間、
逆極性電荷を試験用フィルターの両側から作用させ、フ
ィルターのエレクトレット化を行った。その後、粒子捕
集効率、圧力損失を測定した。その結果、圧力損失1
5.5mmH2O、粒子捕集効率90%であった。実施
例1と比較して、粒子捕集効率が低くなっていることが
分かる。これは、逆極性電荷を作用させる方法では、フ
ィルター内部まで十分に荷電することができず、高度に
エレクトレット化されていないことを示唆している。
秒5m以上の速度で衝突させ、該フィルターをエレクト
レット化することにより、成形加工時に電荷を減衰させ
ることなく、該フィルターの内部まで十分に、かつ高度
に荷電することができる。
Claims (2)
- 【請求項1】 成形加工されたフィルターに高速気流を
衝突させることによりエレクトレット化する方法。 - 【請求項2】 請求項1に記載のエレクトレット化方法
でエレクトレット化したことを特徴とするエレクトレッ
ト濾過材。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002121062A JP2003311180A (ja) | 2002-04-23 | 2002-04-23 | エレクトレット濾過材およびその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002121062A JP2003311180A (ja) | 2002-04-23 | 2002-04-23 | エレクトレット濾過材およびその製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2003311180A true JP2003311180A (ja) | 2003-11-05 |
Family
ID=29537109
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2002121062A Pending JP2003311180A (ja) | 2002-04-23 | 2002-04-23 | エレクトレット濾過材およびその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2003311180A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009501438A (ja) * | 2005-07-14 | 2009-01-15 | ダブリュ.エル.ゴア アンド アソシエーツ,ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング | 電子部品冷却用ファン冷却ユニット |
Citations (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS5624013A (en) * | 1979-05-04 | 1981-03-07 | Nitta Kk | Structure of air filter element |
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-
2002
- 2002-04-23 JP JP2002121062A patent/JP2003311180A/ja active Pending
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Legal Events
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