JPH09188917A - 高吸湿性ポリアミド繊維及びその製造方法 - Google Patents
高吸湿性ポリアミド繊維及びその製造方法Info
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- JPH09188917A JPH09188917A JP31132696A JP31132696A JPH09188917A JP H09188917 A JPH09188917 A JP H09188917A JP 31132696 A JP31132696 A JP 31132696A JP 31132696 A JP31132696 A JP 31132696A JP H09188917 A JPH09188917 A JP H09188917A
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Abstract
調が優れた高吸湿性ポリアミド繊維を得る。そして染色
後の色くすみが抑制され色調の良好な高吸湿性衣料製品
とすることができる。 【解決手段】 イソプロピルアルコールを溶媒として
合成されたピロリドン含有率0.1wt%以下かつK値
20〜70のポリビニルピロリドンを、ポリアミドに対
し3〜15wt%含有させることにより、未染色状態で
の黄色度が10以下、かつ、水溶性成分の溶出率が5%
以下である高吸湿性ポリアミド繊維を製造する。
Description
ェアやレッグウェア等の素材として最適な高吸湿性ポリ
アミド繊維に関するものである。
は、高強度、細繊度、耐摩耗性、ソフトさ、光沢特性、
染色鮮明性などの優れた特徴を持っている。そのため
に、パンティストッキング等のレッグウェアやインナー
ウェア、スポーツウェア等の衣料用途に好まれて用いら
れてきている。特に、インナーウェアについては、ポリ
アミド繊維の有するしなやかさ、ドレープ性や表面のな
めらかなタッチ、着用時のひんやり感等が好まれ、女性
用のランジェリーやファンデーションとして多く用いら
れてきている。
その風合いや着心地の良さが好まれ、特に、肌に直接当
たるインナーウェアや中衣には適度な吸湿性を有する綿
が多く用いられている。
さ、ドレープ性、光沢感等の審美性に欠けると共に、表
面のなめらかなタッチ、着用時のひんやり感等について
も不十分であり、特に女性のインナーウェア用には不向
きであった。
ル繊維等の熱可塑性合成繊維は、強度や染色堅牢性など
に優れた特性を有するものの、天然繊維に比べ吸湿性が
劣っている。そのため、着用により生じた水蒸気は十分
吸湿されないので衣服外に放出されず、特に夏の高温多
湿時の蒸れ感は大きく不快を感じるものであった。ポリ
アミド繊維は、ポリエステル繊維よりも平衡水分率(標
準状態での吸湿性)が高いものの、それでも着用の快適
感の観点からは未だ不十分であった。
先に、ポリアミド繊維の吸湿性を向上すべくポリアミド
にポリビニルピロリドン(PVP)とポリエーテルアミ
ド(PEA)および/またはポリエーテルエステルアミ
ド(PEEA)とを添加する技術を提案した(特開平7
−150414号公報)。しかし、この技術では、目標
とする吸湿特性は得られるものの、色調が悪いので審美
性を追及する衣料製品には不満足なものであり、しか
も、より高い品質風合いを目指し、極細糸や高変形糸を
製造しようとすると糸切れが多発し、安定生産が困難で
あるという問題があった。
0415号公報に記載のごとく、還元剤を併用して練込
むことにより白度の良好な吸湿性ポリアミド繊維が得ら
れる技術を先に提案した。そこに記載した技術によると
明るさの点で白に近い繊維は得られるものの、黄色っぽ
い色調を消すことは困難であるので、依然、未染色状態
での黄色度については不満足なものであった。さらに加
えて、極細糸や高変形糸などを製糸する際の糸切れが多
く、生産性を十分満足させることは困難であった。
技術の欠点の解消についてさらに検討を続けた結果、本
発明をなすに至ったものである。
に優れた色調を有するポリアミド繊維を提供すること、
さらに、製糸性良く安定生産が可能な高吸湿性繊維を効
率的に製造する方法を提供することを主な目的とする。
め、本発明の高吸湿性ポリアミド繊維は、ポリビニルピ
ロリドンを、ポリアミドに対し3〜15wt%の量で含
有するポリアミドからなり、かつ、該ポリアミド中のピ
ロリドンの含有率がポリビニルピロリドン含有量の0.
1wt以下であることを特徴とする。
率が0.1wt%以下かつK値が20〜70であるポリ
ビニルピロリドンを、低酸素濃度の環境下で練り混み法
によりポリアミドと混合させ、ポリビニルピロリドン濃
度が10〜50wt%である高濃度マスタポリマを製造
した後、チップブレンド法により所定濃度のポリマ組成
物とし、溶融紡糸により製糸することを特徴とする。
糸の後、1000m/分以上の速度で紡糸引取りし一旦
巻き取ることなく引き続いて延伸し巻取る方法により、
あるいは、溶融紡糸の後、3000m/分以上の速度で
紡糸引取りし実質的に延伸することなく巻取る方法によ
り行うことが好適である。
特定のポリビニルピロリドンを用いることが必要であ
り、これによって、従来のポリアミド繊維の長所を具備
したままで、かつ、黄色度が低くて色調に優れ、吸湿性
に優れ、染色性や洗濯耐久性等も良好であり、しかも、
極細糸や高変形糸などの安定的製糸が可能となるもので
ある。
中に含まれるピロリドンの量が0.1wt%以下と極め
て少ないことを特徴とするものであり、これは、イソプ
ロピルアルコールを重合時溶媒として用いる合成法によ
って得ることができる。
は、水を重合時溶媒として製造された物であるので、そ
の製造時の重合工程において副生成物としてのピロリド
ンの発生が多く、その結果、得られるポリビニルピロリ
ドンはピロリドン含有率が0.13〜0.30wt%程
度と多い物であった。このようにピロリドン含有率が多
いと、それをポリアミドに添加して繊維とした場合、当
然にポリアミド中のピロリドン含有量が多くなって黄色
度が高くなるので、黄色度を10以下に低減させること
は困難である。この結果、黄色度が高くて染色後の色調
にくすみ感がでてしまい、審美性が追及される衣料用途
には不満足なものとなる。
は、所望の吸湿特性を得るためにポリアミドに対し3〜
15wt%の量のポリビニルピロリドン(以下PVPと
いう)を含有することが必要である。さらに、前記した
ようにピロリドン含有量が極端に少ないPVPを用いる
ので、本発明の吸湿性ポリアミド繊維では、繊維中に含
まれるピロリドンの含有率が、PVP量の0.1wt%
以下と少ない。
するために、ポリアミドに対し3〜15wt%含有させ
ることが必要であり、特に4〜8wt%が好ましい。P
VPの含有率が3wt%未満と少な過ぎると十分な吸湿
性が得られない。また15wt%を越える程に多過ぎる
とべたつき感が発現し感触不良となり、しかも、製糸性
が不良となって安定して生産することができなくなる。
1wt%以下とすることが必要であり、好ましくは0.
05wt%以下であり、さらに好ましくは0.03wt
%以下である。このピロリドン含有率が好ましい範囲に
ある場合は、未染色状態での黄色度を10以下とするこ
とができ、衣料用に適した色調良好な繊維が得られるの
である。即ち、未染色状態でのポリアミドフィラメント
の黄色度が10を越えないと、染色した後の色調にくす
み感がなく、色調が良好で高級感のある繊維製品が得ら
れるのである。
t%以下のPVPは、イソプロピルアルコールを重合時
溶媒として製造することによって得られる。また、その
際、重合開始剤として過酸化水素系の触媒を含まないこ
とが、黄色度の原因となる副生成物のピロリドンの発生
をさらに抑制するために好ましい。
が20〜70であることが好ましく、特に20〜60で
あることがより好ましい。K値が低過ぎるPVPはポリ
アミド中に練り込んでも、後述するポリアミド分子鎖と
の絡み合いが弱く、練り混み後のガットの冷却水処理に
よりその多くが溶出し易いので、所望の高吸湿特性を得
るには多くのPVPを練り込まねばならず生産効率が低
下する。一方、K値が高過ぎると、ポリアミド中に練り
込む際の増粘が大きく、溶融吐出によるチップ化が困難
となるので、やはり生産効率が低下する。
は水溶性成分の溶出率が5%以下であることが好まし
く、特に3wt%以下がより好ましい。この溶出率は、
本発明のポリアミドフィラメントを沸騰水中で30分間
処理した際の重量変化率から求めた水溶性成分溶出率の
値である。
中に含有させた後でも、ポリマ表面へブリードアウトし
易い性質を持っている。また、副生成物のピロリドンも
きわめて水溶性が高く、同様にポリマ表面へブリードア
ウトし易い。
アミド繊維では、その中に含有するPVPやピロリドン
の溶出を抑えることが、吸湿特性の保持、及び、良好な
繊維風合や感触の保持のために好ましい。例えば、溶出
率が5%以下のポリアミドフィラメントでは、繊維製品
とした後の着用時にPVPがフィラメント表面に実質的
に析出せず、しなやかな風合いとなめらかな感触の点で
極めて良好なものとなる。
Pとナイロンポリマとの分子鎖の絡み合いを強くする手
段をとることが好ましい。例えば、PVPをエクストル
ーダーによりポリアミド中に練り混みマスタポリマとす
る方法が、ナイロン分子鎖とPVP分子鎖の絡み合いを
強くすることができ、好ましいものである。
濃度での練り混み法により行うことが紡糸時の糸切れを
低減させるために好ましい。これに対し、大気中の酸素
濃度(約20%)と同水準あるいはそれ以上の高い酸素
濃度の環境下で練り込みをしたマスタポリマを用いる場
合は、紡糸時の糸切れが多発し、安定した生産が困難と
なる。その低酸素濃度の水準は、例えば15%以下、好
ましくは10%以下であればよく、そのためには、窒素
のごとき不活性気体をホッパーやシリンダーに流して酸
素濃度を低減させる方法をとればよい。
10〜50wt%とする。10wt%未満ではマスタポ
リマの本来の効果が奏し難く生産性が劣る。50wt%
を超えると安定して練り込むことが困難である。
ミドマスタポリマチップは、次に、実質的に無添加のチ
ップとチップブレンドされて濃度調整するチップブレン
ド法によって濃度調整された後に、溶融紡糸に供給され
る。
したようにポリエーテルアミド(PEA)及び/又はポ
リエーテルエステルアミド(PEEA)を併用する場合
には、ポリアミドの重合前のカプロラクタム水溶液に、
PVPとPEA及び/又はPEEAとを添加する方法を
とることもできる。しかし、PEAやPEEAを併用し
ない場合には、溶出率を5wt%以下と抑えるために、
前記したマスタポリマ法を用いることが必要である。
通常の方法で溶融紡糸法により製糸される。その製糸方
法は、溶融紡糸、冷却、給油の後に、紡糸速度1000
m/分以上で引取り、一旦巻き取ることなく延伸して巻
取る直接紡糸延伸方法によってもよいし、また、300
0m/分以上の高速で紡糸引取りし、延伸することなく
巻取る高速紡糸法によってもよい。
2段製糸法では、未延伸糸巻取りパッケージの巻きフォ
ームが、その吸湿速度の速さのために大きく崩れ易く、
安定した製糸が困難である。
ミドフィラメントは、通常、マルチフィラメントとして
得られ、その単糸の断面形状は丸断面でもよく、三葉や
四葉のような変形断面でもよいが、本発明によると変形
断面の場合でも、安定した製糸が可能となる。また、そ
の繊度は特に限定されないが、単糸繊度が0.5〜8.
0デニール程度であるマルチフィラメントの場合に好適
である。
特別な条件をとることなく、通常の方法で後加工や製編
織され、縫製されて、各種衣料用製品とされる。なかで
も、直接肌に着用されるインナーウェア(ランジェリ
ー、ファウンデーション等)や靴下類(ストッキング、
パンティストッキング、タイツあるいはソックス等)、
あるいは、発汗し易い状態で着用されるスポーツウェア
(ウィンドブレーカー、テニスウェア、スキーウェア、
トレーニングウェア等)として好適である。
するためには、本発明の吸湿性ポリアミド繊維を30重
量%以上用いることが好ましい。
む衣料製品は、乾燥速度が0.015cc/分以上と速
いことがべたつき感を抑え着用快適性に優れた製品とす
るために好適である。そのためにはPVP含有率や溶出
率が大き過ぎない適正水準となるように調整する等の手
段をとればよい。
方法について述べる。 <ピロリドン含有率>繊維試料100mgにヘキサフル
オロイソプロパノール3mlとクロロホルム1mlとを
加え、繊維を溶解した。得られた溶液に、エタノールを
加えてポリマ成分を再沈させ20mlに定溶した。溶液
成分を定法によりガスクロマトグラム分析を行う。装置
はGC14A(島津製作所製)、カラムはNB−1(1
5m)を使用する。ピロリドンの定量にはバレロラクタ
ムの検量線をあらかじめ作成し、用いる。下記式により
ピロリドン含有率を求める。 ピロリドン含有率(wt%) =[(GCピーク面積/検量線
係数)(mg/ml) ×溶液量(ml)/試料量(mg)]×100 <K値>PVPを濃度1%の水溶液とし、その相対粘度
を測定し、Fikentscherの式により求める。 logZ=C[75k2 /(1+1.5kC)+k] 但し、Z:濃度Cの水溶液の相対粘度、k:K値×10
-3、C:水溶液濃度(W/V%)である。 <溶出率>ポリアミドフィラメントを110℃、8時間
乾燥した後、重量を測定する。その後、沸騰水で30分
間処理した後、再度110℃8時間乾燥し、処理前後の
重量減少率を溶出率とする。 <黄色度>27Gの筒編み機により、編み密度45本/
インチの筒編地を作成する。得られた筒編地を2つ折り
として日本電色工業製カラーメーターΣ80により、同
測定器所定の方法にて3刺激値X,Y,Zを測定し、下
記式により黄色度を求める。 YI(黄色度)=100×[1.28X−1.06Z]
/Y <最高吸湿率、標準吸湿率>ポリアミドフィラメントに
より27ゲージ筒編み試料を作製する。作製した試料を
精練し、油剤を除去した後、その約1gをガラス秤量瓶
(風袋重量F)にいれ、乾燥機中110℃2時間の条件
で乾燥する。瓶を密封し、デシケータ中で30分間放冷
した後、試料の入った秤量瓶の総重量(K)を測定す
る。次に、20℃65%RHに設定された恒温恒湿槽
((株)田葉井製作所製の恒温恒湿槽“レインボー”)
に開放状態で入れ、24時間放置する。その後再び密封
状態でデシケーター30分間放置後、試料の入った秤量
瓶の重量(H)を測定する。引続き、30℃90%RH
に設定された恒温恒湿槽に開放状態にした秤量瓶を入
れ、24時間後の総重量(S)を同様に測定する。以上
の各値から下記式により算出する。 最高吸湿率=[(S−K)/(K−F)]×100
(%) 標準吸湿率=[(H−K)/(K−F)]×100
(%) <乾燥速度>上述と同様に試料を作成し、乾燥・放冷・
秤量した後、1ccの蒸留水を試料に滴下し、試料の入っ
た秤量瓶の総重量(W0 )を測定する。次に、20℃6
5%RHに設定された恒温恒湿槽に開放状態で入れた時
から10分間隔で上述の方法と同様に試料の入った秤量
瓶の重量(WT :Tは時間(分))を90分間測定し続
ける。各乾燥時間Tに対応する水分率を下記式により求
める。 時間Tの時の水分率=[(WT −K)/(W0 −K)]
×100(%) 時間Tに対してWT をプロットして乾燥曲線を描き、得
られた乾燥曲線のT=0における接線の傾きから乾燥速
度(CC/min)を求める。このとき水分率100%の時の水
分量(cc)は滴下した蒸留水の量に等しいとする。
溶媒として通常の方法で合成されたK値が30のPVP
(BASF社製“ルビスコール”K30スペシャルグレ
ード:以下K30SPと略記する)を用いた。このPVP
(K30SP)中のピロリドン含有量は0.02wt%で
あった。このPVPをエクストルーダー(φ40mm、2
条、2軸)を用いて、98%硫酸相対粘度ηr が2.7
2のナイロン6に練り混み、ガット状に押し出し、冷却
後にペレタイズすることで、PVP濃度30wt%のマ
スタポリマチップとした。この際、ホッパー、シリンダ
ーに窒素を流すことで、酸素濃度を8%以下とした。
と上記マスタポリマチップとを所定の割合でブレンドし
ながら通常の方法で乾燥した。乾燥して得られたブレン
ドチップにおけるナイロン6に対するPVPの含有率
は、3、7、15wt%とした。
融し、13ホールのY型孔口金より吐出して、紡糸速度
1300m/分、延伸倍率2.3倍、巻き取り速度30
00m/分の直接紡糸延伸法により製糸して、変形度
2.6の三葉断面で、30デニール13フィラメントの
PVP含有ポリアミドマルチフィラメントを得た(水準
No.3、4、5)。
0.7〜2.9wt%と低いものであった。
度も溶出率もともに十分に低く、最高吸湿率が8%以上
と高く、最高吸湿率と標準吸湿との差が4%以上と大き
く、色調、風合感触、吸湿特性ともに優れていた。ま
た、乾燥速度が0.015cc/分以上と高かった。
ルーに染色したところ、明度35、彩度40の良好な発
色性の繊維が得られた。
マブレンド割合を変えPVPの含有率を0.5、2、1
8wt%とした以外は実施例1と同様にしてPVP含有
ポリアミドブレンドチップを得て、同様にマルチフィラ
メントを製糸し(水準 No.1、2、6)、筒編地として
実施例1と同様の測定を実施した。
( No.1、2)は最高吸湿率が7.2%以下と低過ぎ、
また標準吸湿率との差も3.2%以下と低過ぎ、吸湿特
性が劣っていた。また、18wt%の水準( No.6)
は、乾燥速度が低くてべたつき感があり、感触や風合が
劣っていた。
溶媒として合成され、ピロリドン含有率が0.15wt
%、K値が30のPVP(BASF社製“ルビスコー
ル”K30通常グレード:以下K30と略記する)を用
いた以外はすべて実施例1の No.3、4と同様に実施
し、PVPの添加率が3wt%、7wt%のポリアミド
マルチフィラメントを製造した。
度(YI)を測定したところ、表1に示すように、1
5.0、21.2と極めて高かった。
ところ、明度32、彩度28とくすんだ色調となった。
プロピルアルコールを溶媒として合成され、ピロリドン
含有率が0.02wt%、K値が17、60又は90P
VP(BASF社製の“ルビスコール”K17グレー
ド、K60グレード又はK90グレード:以下それぞれ
K17、K60又はK90と略記する)を用い、また、
回転式真空乾燥機中でのポリマブレンド割合を変えPV
Pの含有率を5wt%とした以外はすべて実施例1と同
様に実施し、PVPの添加率が5wt%のポリアミドマ
ルチフィラメントを製造した(水準 No.9、10又は1
1)。
所望の色調及び吸湿特性ともに満足すめるものであっ
た。さらに、 No.10のフィラメントは、紡糸性も特に
問題なく生産性が良好であった。
とおり生産性の点で不十分なものであった。K17を練
り込んだマスタポリマはガットを冷却水に通過したとこ
ろ、ガットからPVPの一部が溶出し、吸湿特性が低下
した。一方、K90を練り込んだ場合はその練り混み時
の粘度上昇が高く、吐出安定性低下し、収率が低下し
た。
PVP粉末を10wt%ブレンドして乾燥する方法によ
り溶融紡糸に供するブレンドチップを製造した以外は、
実施例1と同様にして、PVP含有率10wt%のポリ
アミドフィラメントを製造したところ、得られたフィラ
メントは、溶出率が5.8%と大きくなり、フィラメン
ト表面にざらつき感が生じた。
により高吸湿化したポリアミド繊維の黄色度を著しく低
減させることができ、色調に優れ、染色後の色くすみの
問題を解消することができる。
用感に優れたポリアミド繊維製の衣料用布帛製品とする
ことができ、特に、吸湿性とともに審美性も要求される
各種衣料用ポリアミド繊維製品として、例えば、肌に直
接着用されるインナーウェアや靴下として、また、スポ
ーツウェアとして好適である。
Claims (8)
- 【請求項1】 ポリビニルピロリドンを、ポリアミド
に対し3〜15wt%の量で含有するポリアミドからな
り、かつ、該ポリアミド中のピロリドンの含有率がポリ
ビニルピロリドン含有量の0.1wt%以下であること
を特徴とする高吸湿性ポリアミド繊維。 - 【請求項2】 ポリビニルピロリドンのK値が20〜
70であることを特徴とする請求項1記載の高吸湿ポリ
アミド繊維 - 【請求項3】 繊維の未染色状態での黄色度が10以
下であり、かつ、水溶性成分の溶出率が5%以下である
ことを特徴とする請求項1又は2記載の高吸湿性ポリア
ミド繊維。 - 【請求項4】 ポリビニルピロリドンとしてイソプロ
ピルアルコールを溶媒として合成された物を用いること
を特徴とする請求項1、2又は3記載の高吸湿性ポリア
ミド繊維。 - 【請求項5】 変形断面糸であることを特徴とする請
求項1、2、3又は4記載の高吸湿性ポリアミド繊維。 - 【請求項6】 ピロリドン含有率が0.1wt%以下
かつK値が20〜70であるポリビニルピロリドンを、
低酸素濃度の環境下で練り混み法によりポリアミドと混
合させ、ポリビニルピロリドン濃度が10〜50wt%
である高濃度マスタポリマを製造した後、チップブレン
ド法によりPVPが所定濃度のポリマ組成物とし、溶融
紡糸により製糸することを特徴とする高吸湿性ポリアミ
ド繊維の製造方法。 - 【請求項7】 ポリビニルピロリドンがイソプロピル
アルコールを溶媒として合成された物であることを特徴
とする請求項6記載の高吸湿性ポリアミド繊維の製造方
法。 - 【請求項8】 溶融紡糸による製糸を、溶融紡糸の
後、1000m/分以上の速度で紡糸引取りし一旦巻き
取ることなく引き続いて延伸し巻取る方法により、ある
いは、溶融紡糸の後、3000m/分以上の速度で紡糸
引取りし実質的に延伸することなく巻取る方法により行
うことを特徴とする請求項6又は7記載の高吸湿性ポリ
アミド繊維の製造方法。
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---|---|---|---|
JP31132696A JP3716517B2 (ja) | 1995-11-06 | 1996-11-06 | 高吸湿性ポリアミド繊維及びその製造方法 |
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP7-286917 | 1995-11-06 | ||
JP28691795 | 1995-11-06 | ||
JP31132696A JP3716517B2 (ja) | 1995-11-06 | 1996-11-06 | 高吸湿性ポリアミド繊維及びその製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
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JPH09188917A true JPH09188917A (ja) | 1997-07-22 |
JP3716517B2 JP3716517B2 (ja) | 2005-11-16 |
Family
ID=26556514
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Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP31132696A Expired - Lifetime JP3716517B2 (ja) | 1995-11-06 | 1996-11-06 | 高吸湿性ポリアミド繊維及びその製造方法 |
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Country | Link |
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JP (1) | JP3716517B2 (ja) |
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