JP2003064548A - 複合加工糸 - Google Patents
複合加工糸Info
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Abstract
(57)【要約】
【課題】鞘部にポリアミド、芯部にポリエステルを有す
る芯鞘型複合紡糸繊維マルチフィラメントが内層に、ポ
リアミドマルチフィラメントが外層に構成された複合加
工糸であって、吸湿性、吸水性、寸法安定性に優れ、従
来得られなかった、吸水性と寸法安定性に優れ、かつ触
感のソフトな優れた風合いを有し、特に高い吸湿性を有
する快適な布帛製品を提供でき、インナー、スポーツ衣
料品などに幅広く活用できる複合加工糸を提供する。 【解決手段】ポリアミド成分が鞘部に、ポリエステル成
分が芯部に配置された芯鞘型複合紡糸繊維からなるマル
チフィラメントが内層側に配置され、ポリアミドマルチ
フィラメントが外層側に配置された複合加工糸であっ
て、前記ポリアミドマルチフィラメントがポリビニルピ
ロリドンを3〜15wt%含有していることを特徴とす
る複合加工糸。
る芯鞘型複合紡糸繊維マルチフィラメントが内層に、ポ
リアミドマルチフィラメントが外層に構成された複合加
工糸であって、吸湿性、吸水性、寸法安定性に優れ、従
来得られなかった、吸水性と寸法安定性に優れ、かつ触
感のソフトな優れた風合いを有し、特に高い吸湿性を有
する快適な布帛製品を提供でき、インナー、スポーツ衣
料品などに幅広く活用できる複合加工糸を提供する。 【解決手段】ポリアミド成分が鞘部に、ポリエステル成
分が芯部に配置された芯鞘型複合紡糸繊維からなるマル
チフィラメントが内層側に配置され、ポリアミドマルチ
フィラメントが外層側に配置された複合加工糸であっ
て、前記ポリアミドマルチフィラメントがポリビニルピ
ロリドンを3〜15wt%含有していることを特徴とす
る複合加工糸。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、鞘部にポリアミ
ド、芯部にポリエステルを有する芯鞘型複合紡糸繊維か
らなるマルチフィラメントが比較的内層側に配置され、
ポリアミドマルチフィラメントが比較的外層側に配置さ
れた複合加工糸に関するものである。さらに詳しくは吸
水性、寸法安定性に優れ、かつ触感のソフトな優れた風
合いを有し、特に高い吸湿性を有する快適な布帛製品を
提供でき、インナー、スポーツ衣料品などに幅広く活用
できる複合加工糸に関するものである。
ド、芯部にポリエステルを有する芯鞘型複合紡糸繊維か
らなるマルチフィラメントが比較的内層側に配置され、
ポリアミドマルチフィラメントが比較的外層側に配置さ
れた複合加工糸に関するものである。さらに詳しくは吸
水性、寸法安定性に優れ、かつ触感のソフトな優れた風
合いを有し、特に高い吸湿性を有する快適な布帛製品を
提供でき、インナー、スポーツ衣料品などに幅広く活用
できる複合加工糸に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、インナー、スポーツなどの分
野では、汗処理性はもちろんのこと、汗の蒸気によって
発生する蒸れを解消するための優れた吸湿性が求められ
ている。
野では、汗処理性はもちろんのこと、汗の蒸気によって
発生する蒸れを解消するための優れた吸湿性が求められ
ている。
【0003】そこで、吸汗・吸湿作用の良い、綿、麻、
レーヨン、キュプラなどの親水性繊維、またポリエステ
ルなどの疎水性繊維に吸水性や吸湿性を付与した繊維が
用いられてきた。しかし、前者の親水性繊維のみを用い
た布帛は、吸汗性、熱の放散性は良好であるものの、水
分の保持性が大きいため、長時間衣服として用いた場合
には、べとつきや蒸れが生じるという問題があった。ま
た、後者の疎水性繊維に吸水性や吸湿性を付与した繊維
を用いた布帛は、繊維自体は水を保持しないため吸汗量
が充分でなく、また疎水繊維の占める割合が大きいため
に十分な吸湿性もなく、さらにインナーなどの肌に接す
る衣服としては合成繊維特有の粗硬なタッチがあるとい
う問題もあった。
レーヨン、キュプラなどの親水性繊維、またポリエステ
ルなどの疎水性繊維に吸水性や吸湿性を付与した繊維が
用いられてきた。しかし、前者の親水性繊維のみを用い
た布帛は、吸汗性、熱の放散性は良好であるものの、水
分の保持性が大きいため、長時間衣服として用いた場合
には、べとつきや蒸れが生じるという問題があった。ま
た、後者の疎水性繊維に吸水性や吸湿性を付与した繊維
を用いた布帛は、繊維自体は水を保持しないため吸汗量
が充分でなく、また疎水繊維の占める割合が大きいため
に十分な吸湿性もなく、さらにインナーなどの肌に接す
る衣服としては合成繊維特有の粗硬なタッチがあるとい
う問題もあった。
【0004】これらの問題を解決するために、特開平1
1−117135号公報には非水溶性ポリエチレンオキ
シド変性物又は前記変性物とポリアミドの混合物からな
る内層と、ポリアミドからなる外層で構成された複合混
繊加工糸が提案されている。しかし、吸水性および吸湿
性の機能は保持しているものの、ポリエステルなどの寸
法安定性の良い材質が用いられていないために、洗濯、
乾燥後の収縮が大きく、衣料としては寸法安定性に欠け
るものであった。
1−117135号公報には非水溶性ポリエチレンオキ
シド変性物又は前記変性物とポリアミドの混合物からな
る内層と、ポリアミドからなる外層で構成された複合混
繊加工糸が提案されている。しかし、吸水性および吸湿
性の機能は保持しているものの、ポリエステルなどの寸
法安定性の良い材質が用いられていないために、洗濯、
乾燥後の収縮が大きく、衣料としては寸法安定性に欠け
るものであった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明の目的
は、吸水性と寸法安定性に優れ、かつ触感のソフトな優
れた風合いを有し、特に高い吸湿性を有する快適な布帛
製品を提供でき、インナー、スポーツ衣料品などに幅広
く活用できる複合加工糸を提供するものである。
は、吸水性と寸法安定性に優れ、かつ触感のソフトな優
れた風合いを有し、特に高い吸湿性を有する快適な布帛
製品を提供でき、インナー、スポーツ衣料品などに幅広
く活用できる複合加工糸を提供するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の加工糸は上記の
課題を解決するために次の構成を有する。すなわち、 [1]ポリアミド成分が鞘部に、ポリエステル成分が芯
部に配置された芯鞘型複合紡糸繊維からなるマルチフィ
ラメントが内層側に配置され、ポリアミドマルチフィラ
メントが外層側に配置された複合加工糸であって、前記
ポリアミドマルチフィラメントがポリビニルピロリドン
を3〜15wt%含有していることを特徴とする複合加
工糸。
課題を解決するために次の構成を有する。すなわち、 [1]ポリアミド成分が鞘部に、ポリエステル成分が芯
部に配置された芯鞘型複合紡糸繊維からなるマルチフィ
ラメントが内層側に配置され、ポリアミドマルチフィラ
メントが外層側に配置された複合加工糸であって、前記
ポリアミドマルチフィラメントがポリビニルピロリドン
を3〜15wt%含有していることを特徴とする複合加
工糸。
【0007】[2]前記芯鞘型複合紡糸繊維マルチフィ
ラメントとポリアミドマルチフィラメントとのフィラメ
ント数および単糸繊度が下記式(1)および(2)を満
たすことを特徴とする前記[1]に記載の複合加工糸。
ラメントとポリアミドマルチフィラメントとのフィラメ
ント数および単糸繊度が下記式(1)および(2)を満
たすことを特徴とする前記[1]に記載の複合加工糸。
【0008】
PAF≧SSF ・・・(1)
SSd≧1.2×PAd ・・・(2)
ただし、PAF:ポリアミドマルチフィラメントのフィ
ラメント数 SSF:芯鞘型複合紡糸繊維マルチフィラメント数 PAd:ポリアミドマルチフィラメントのフィラメント
の単糸繊度 SSd:芯鞘型複合紡糸繊維マルチフィラメントの単糸
繊度 [3]前記複合加工糸において、芯鞘型複合紡糸繊維マ
ルチフィラメントの芯部のポリエステルの含有量が15
wt%以上であることを特徴とする前記[1]または
[2]に記載の複合加工糸。
ラメント数 SSF:芯鞘型複合紡糸繊維マルチフィラメント数 PAd:ポリアミドマルチフィラメントのフィラメント
の単糸繊度 SSd:芯鞘型複合紡糸繊維マルチフィラメントの単糸
繊度 [3]前記複合加工糸において、芯鞘型複合紡糸繊維マ
ルチフィラメントの芯部のポリエステルの含有量が15
wt%以上であることを特徴とする前記[1]または
[2]に記載の複合加工糸。
【0009】[4]前記芯鞘型複合紡糸繊維マルチフィ
ラメントの芯部のポリエステルが25〜40wt%であ
って、鞘部のポリアミドが60〜75wt%で構成され
ていることを特徴とする前記[1]〜[3]のいずれか
に記載の複合加工糸。
ラメントの芯部のポリエステルが25〜40wt%であ
って、鞘部のポリアミドが60〜75wt%で構成され
ていることを特徴とする前記[1]〜[3]のいずれか
に記載の複合加工糸。
【0010】[5]前記芯鞘型複合紡糸繊維マルチフィ
ラメントの鞘部のポリアミドにポリビニルピロリドンを
3〜15wt%含有していることを特徴とする前記
[1]〜[4]のいずれかに記載の複合加工糸。
ラメントの鞘部のポリアミドにポリビニルピロリドンを
3〜15wt%含有していることを特徴とする前記
[1]〜[4]のいずれかに記載の複合加工糸。
【0011】[6]前記芯鞘型複合紡糸繊維マルチフィ
ラメントおよびポリアミドマルチフィラメントの染色前
の黄色度が10以下であり、かつ水溶性成分の溶出率が
5%以下であることを特徴とする前記[1]〜[5]の
いずれかに記載の複合加工糸。
ラメントおよびポリアミドマルチフィラメントの染色前
の黄色度が10以下であり、かつ水溶性成分の溶出率が
5%以下であることを特徴とする前記[1]〜[5]の
いずれかに記載の複合加工糸。
【0012】[7]流体噴射加工が施されていることを
特徴とする前記[1]〜[6]のいずれかに記載の複合
加工糸である。
特徴とする前記[1]〜[6]のいずれかに記載の複合
加工糸である。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明についてさらに詳細
に説明する。
に説明する。
【0014】本発明では、鞘部にポリアミド、芯部にポ
リエステルを有する芯鞘型複合紡糸繊維マルチフィラメ
ントを内層側に、ポリアミドに対しポリビニルピロリド
ン(以下PVPともいう)を3〜15wt%の量で含有
するポリアミドマルチフィラメントを外層側に構成する
ことが重要である。
リエステルを有する芯鞘型複合紡糸繊維マルチフィラメ
ントを内層側に、ポリアミドに対しポリビニルピロリド
ン(以下PVPともいう)を3〜15wt%の量で含有
するポリアミドマルチフィラメントを外層側に構成する
ことが重要である。
【0015】本発明で用いる芯鞘型複合紡糸繊維マルチ
フィラメントの鞘部のポリアミドおよび外層側のポリア
ミドマルチフィラメントには、所望の高吸湿特性を繊維
に付与するために、PVPをポリアミドに対し、3〜1
5wt%含有させることが好ましく、特に4〜8wt%
が好ましい。PVPの含有率が3wt%未満では十分な
吸湿性が得られないばかりでなく、PVPの特徴である
ソフト感も損なわれる。また15wt%を超えるとべた
つき感が生じ好ましくない。
フィラメントの鞘部のポリアミドおよび外層側のポリア
ミドマルチフィラメントには、所望の高吸湿特性を繊維
に付与するために、PVPをポリアミドに対し、3〜1
5wt%含有させることが好ましく、特に4〜8wt%
が好ましい。PVPの含有率が3wt%未満では十分な
吸湿性が得られないばかりでなく、PVPの特徴である
ソフト感も損なわれる。また15wt%を超えるとべた
つき感が生じ好ましくない。
【0016】また、ピロリドンの含有率は含有PVP量
の0.1wt%以下とすることが好ましく、より好まし
くは0.05wt%以下であり、さらに好ましくは0.
03wt%以下である。ピロリドンの含有率が上記の範
囲内にある場合は、染色前の黄色度を10以下とするこ
とができる。染色前の黄色度が10を超えると、染色後
の色調にくすみ感が出てしまい、衣料用に適した色調良
好な繊維が得られない。すなわち、染色前のポリアミド
繊維やその布帛の黄色度が10以下であると、染色後の
色調にくすみ感がなく、色調良好で高級感のある布帛が
得られるのである。 本発明で用いるピロリドン含有率
0.1wt%以下のPVPはイソプロピルアルコールを
重合時溶媒として用いる方法によって製造することがで
きる。また、その際、重合開始剤として過酸化水素系の
触媒を含まないことが、黄色度の原因となる副生物のピ
ロリドンの発生を抑制するために好ましい。その他の条
件は通常の複合方法を採用すればよい。
の0.1wt%以下とすることが好ましく、より好まし
くは0.05wt%以下であり、さらに好ましくは0.
03wt%以下である。ピロリドンの含有率が上記の範
囲内にある場合は、染色前の黄色度を10以下とするこ
とができる。染色前の黄色度が10を超えると、染色後
の色調にくすみ感が出てしまい、衣料用に適した色調良
好な繊維が得られない。すなわち、染色前のポリアミド
繊維やその布帛の黄色度が10以下であると、染色後の
色調にくすみ感がなく、色調良好で高級感のある布帛が
得られるのである。 本発明で用いるピロリドン含有率
0.1wt%以下のPVPはイソプロピルアルコールを
重合時溶媒として用いる方法によって製造することがで
きる。また、その際、重合開始剤として過酸化水素系の
触媒を含まないことが、黄色度の原因となる副生物のピ
ロリドンの発生を抑制するために好ましい。その他の条
件は通常の複合方法を採用すればよい。
【0017】さらに、本発明で用いる芯鞘型複合紡糸繊
維マルチフィラメントの鞘部のポリアミドおよび外層側
のポリアミドフィラメントは水溶成分の溶出率が5%以
下であることが好ましく、特に3%以下がより好まし
い。この溶出率は、後述するように、本発明で用いるポ
リアミドフィラメントを沸騰水中で30分間処理した際
の重量変化率から求めた水溶性成分溶出率の値である。
維マルチフィラメントの鞘部のポリアミドおよび外層側
のポリアミドフィラメントは水溶成分の溶出率が5%以
下であることが好ましく、特に3%以下がより好まし
い。この溶出率は、後述するように、本発明で用いるポ
リアミドフィラメントを沸騰水中で30分間処理した際
の重量変化率から求めた水溶性成分溶出率の値である。
【0018】PVPは極めて水溶性が高いので、ポリマ
ー中に含有させた後でも、ポリマー表面へブリードアウ
トし易い性質を持っている。また、副生物のピロリドン
も極めて水溶性が高く、同様にブリードアウトし易い。
ー中に含有させた後でも、ポリマー表面へブリードアウ
トし易い性質を持っている。また、副生物のピロリドン
も極めて水溶性が高く、同様にブリードアウトし易い。
【0019】したがって、PVPの含有による高吸湿性
ポリアミド繊維では、その中に含有するPVPやピロリ
ドンの溶出を抑えることが、吸湿特性の保持、および良
好な繊維風合いや感触の保持の点で好ましい。例えば、
溶出率が5%以下のポリアミド繊維では、繊維製品とし
た後の着用時にPVPが繊維表面に実質的に析出せず、
しなやかな風合いとなめらかな感触の点で極めて良好な
ものとなる。
ポリアミド繊維では、その中に含有するPVPやピロリ
ドンの溶出を抑えることが、吸湿特性の保持、および良
好な繊維風合いや感触の保持の点で好ましい。例えば、
溶出率が5%以下のポリアミド繊維では、繊維製品とし
た後の着用時にPVPが繊維表面に実質的に析出せず、
しなやかな風合いとなめらかな感触の点で極めて良好な
ものとなる。
【0020】溶出率を所望の低水準とするためにはPV
Pとナイロンポリマーとの分子鎖の絡み合いを強くする
手段をとることが好ましい。例えば、PVPをエクスト
ルーダーによりポリアミド中に練り込みマスタポリマー
とする方法が、ポリアミド分子鎖とPVP分子鎖の絡み
合いを強くすることができ好ましいものである。
Pとナイロンポリマーとの分子鎖の絡み合いを強くする
手段をとることが好ましい。例えば、PVPをエクスト
ルーダーによりポリアミド中に練り込みマスタポリマー
とする方法が、ポリアミド分子鎖とPVP分子鎖の絡み
合いを強くすることができ好ましいものである。
【0021】その練り込みは低い酸素濃度の条件下での
練り込み法により行うことが紡糸時の糸切れを低減させ
るために好ましい。これに対し、大気中の酸素濃度(約
20%)と同水準あるいはそれ以上の高い酸素濃度の環
境下で練り込みをしたマスタポリマーを用いる場合は、
紡糸時の糸切れが多発し、安定した生産が困難となる。
その低酸素濃度の水準は、例えば15%以下、好ましく
は10%以下であれば良くそのためには窒素のごとき不
活性気体をホッパーやシリンダーに流して酸素濃度を低
減させる方法をとれば良い。
練り込み法により行うことが紡糸時の糸切れを低減させ
るために好ましい。これに対し、大気中の酸素濃度(約
20%)と同水準あるいはそれ以上の高い酸素濃度の環
境下で練り込みをしたマスタポリマーを用いる場合は、
紡糸時の糸切れが多発し、安定した生産が困難となる。
その低酸素濃度の水準は、例えば15%以下、好ましく
は10%以下であれば良くそのためには窒素のごとき不
活性気体をホッパーやシリンダーに流して酸素濃度を低
減させる方法をとれば良い。
【0022】マスタチップ中のPVPの練り込み濃度は
10〜15wt%とする。10wt%未満ではマスタポ
リマーの本来の効果が奏し難しく生産性が劣る。15w
t%を超えると安定して練り込むことが困難となる。
10〜15wt%とする。10wt%未満ではマスタポ
リマーの本来の効果が奏し難しく生産性が劣る。15w
t%を超えると安定して練り込むことが困難となる。
【0023】本発明で用いる芯鞘型複合紡糸繊維マルチ
フィラメントは、前記方法によって得られたPVP含有
ポリアミドマスタポリマーチップを、実質的に無添加の
チップとチップブレンドして濃度調整するチップブレン
ド法によって濃度調整、溶融され、別に溶融されたポリ
エステルと紡糸パックに導かれ、通常の方法で芯鞘構造
をとるように複合流を形成してノズルから紡出され、提
供される。
フィラメントは、前記方法によって得られたPVP含有
ポリアミドマスタポリマーチップを、実質的に無添加の
チップとチップブレンドして濃度調整するチップブレン
ド法によって濃度調整、溶融され、別に溶融されたポリ
エステルと紡糸パックに導かれ、通常の方法で芯鞘構造
をとるように複合流を形成してノズルから紡出され、提
供される。
【0024】また外層部のポリアミドマルチフィラメン
トは、芯鞘型複合紡糸繊維マルチフィラメントの場合と
同様に、PVP含有ポリアミドマスタポリマーチップ
を、実質的に無添加のチップとチップブレンドされて濃
度調整するチップブレンド法によって濃度調整した後に
溶融紡糸に供給され、提供される。
トは、芯鞘型複合紡糸繊維マルチフィラメントの場合と
同様に、PVP含有ポリアミドマスタポリマーチップ
を、実質的に無添加のチップとチップブレンドされて濃
度調整するチップブレンド法によって濃度調整した後に
溶融紡糸に供給され、提供される。
【0025】次に本発明の複合化加工糸の繊度、また本
発明に用いるポリアミドマルチフィラメントおよび芯鞘
型複合紡糸繊維マルチフィラメントの繊度、単糸繊度、
フィラメント数、および断面形状については、特に限定
されたものではないが以下の条件を満たしていることが
好ましい。
発明に用いるポリアミドマルチフィラメントおよび芯鞘
型複合紡糸繊維マルチフィラメントの繊度、単糸繊度、
フィラメント数、および断面形状については、特に限定
されたものではないが以下の条件を満たしていることが
好ましい。
【0026】本発明の複合加工糸の繊度としては、75
Dtex〜200Dtexまでが好ましい。インナー、
スポーツ衣料品などの衣料分野で要求される生地の厚み
を満たす本発明の複合加工糸の繊度は、布帛が一層の場
合は120Dtex〜160Dtexがより好ましく、
2層の場合は75Dtex〜100Dtexがより好ま
しい。また、綿など、他の繊維と交編する場合には、そ
の繊維の機能および太さによって、本発明の複合加工糸
を多少太くしたり、細くしても良い。
Dtex〜200Dtexまでが好ましい。インナー、
スポーツ衣料品などの衣料分野で要求される生地の厚み
を満たす本発明の複合加工糸の繊度は、布帛が一層の場
合は120Dtex〜160Dtexがより好ましく、
2層の場合は75Dtex〜100Dtexがより好ま
しい。また、綿など、他の繊維と交編する場合には、そ
の繊維の機能および太さによって、本発明の複合加工糸
を多少太くしたり、細くしても良い。
【0027】複合紡糸マルチフィラメントの繊度につい
ては、複合加工糸の繊度の40%〜60%であることが
好ましい。繊度が40%未満および60%越える場合は
片方のフィラメントの糸条を占める割合が小さくなり、
後述するフィラメントが有する機能が低下してしまう。
したがって、外層側のポリアミドマルチフィラメントの
繊度も40%〜60%であることが好ましい。
ては、複合加工糸の繊度の40%〜60%であることが
好ましい。繊度が40%未満および60%越える場合は
片方のフィラメントの糸条を占める割合が小さくなり、
後述するフィラメントが有する機能が低下してしまう。
したがって、外層側のポリアミドマルチフィラメントの
繊度も40%〜60%であることが好ましい。
【0028】芯鞘型複合紡糸繊維マルチフィラメントの
芯部のポリエステルの占める割合が、複合加工糸に対し
て、15wt%以上であることが寸法安定性上好まし
い。15wt%未満では、ポリエステルの含有比率が少
なく、十分な寸法安定性が得られない。
芯部のポリエステルの占める割合が、複合加工糸に対し
て、15wt%以上であることが寸法安定性上好まし
い。15wt%未満では、ポリエステルの含有比率が少
なく、十分な寸法安定性が得られない。
【0029】芯鞘型複合紡糸繊維マルチフィラメントに
おける芯部および鞘部の占める割合については、芯部の
占める割合が25wt%〜40wt%であることが好ま
しい。25wt%未満であると、実質、複合加工糸にお
いてポリエステルの含有比率が15wt%未満になり、
十分な寸法安定性が得られない。また、40wt%を越
える場合には鞘部分が薄くなり鞘割れを引き起こすこと
がある。より好ましくは30wt%〜35wt%が、芯
鞘の形態保持、寸法安定性の面から好ましい。また、ポ
リアミドからなる鞘部の占める割合は、芯部が25wt
%の時は75wt%になり、40wt%の時は60wt
%になる。
おける芯部および鞘部の占める割合については、芯部の
占める割合が25wt%〜40wt%であることが好ま
しい。25wt%未満であると、実質、複合加工糸にお
いてポリエステルの含有比率が15wt%未満になり、
十分な寸法安定性が得られない。また、40wt%を越
える場合には鞘部分が薄くなり鞘割れを引き起こすこと
がある。より好ましくは30wt%〜35wt%が、芯
鞘の形態保持、寸法安定性の面から好ましい。また、ポ
リアミドからなる鞘部の占める割合は、芯部が25wt
%の時は75wt%になり、40wt%の時は60wt
%になる。
【0030】外層側のポリアミドマルチフィラメントの
繊度については、複合加工糸の繊度の40%〜60%で
あることが好ましい。すなわち、芯鞘型複合紡糸繊維マ
ルチフィラメントの繊度が複合加工糸の40%の場合
は、ポリアミドマルチフィラメントの繊度は60%に、
60%の場合は40%ととなる。
繊度については、複合加工糸の繊度の40%〜60%で
あることが好ましい。すなわち、芯鞘型複合紡糸繊維マ
ルチフィラメントの繊度が複合加工糸の40%の場合
は、ポリアミドマルチフィラメントの繊度は60%に、
60%の場合は40%ととなる。
【0031】芯鞘型複合紡糸繊維マルチフィラメント、
ポリアミドマルチフィラメントのフィラメントの単糸繊
度については、0.5Dtex〜10Dtexであるこ
とが好ましく、より好ましくは0.8Dtex〜5Dt
exである。単糸繊度が細すぎると、毛細管現象により
吸い上げた水が繊維間に溜まってしまい、べとつき感に
なったり、速乾性、吸水性が低下する。また、単糸繊度
が太すぎると、繊維間の空隙が大きくるため、十分な毛
細管現象が得られず、吸水性が低下する。
ポリアミドマルチフィラメントのフィラメントの単糸繊
度については、0.5Dtex〜10Dtexであるこ
とが好ましく、より好ましくは0.8Dtex〜5Dt
exである。単糸繊度が細すぎると、毛細管現象により
吸い上げた水が繊維間に溜まってしまい、べとつき感に
なったり、速乾性、吸水性が低下する。また、単糸繊度
が太すぎると、繊維間の空隙が大きくるため、十分な毛
細管現象が得られず、吸水性が低下する。
【0032】さらに、両フィラメントの単糸繊度および
フィラメント数については、下記式(1)および(2)
を満たすことが好ましい。
フィラメント数については、下記式(1)および(2)
を満たすことが好ましい。
【0033】
PAF≦SSF ・・・(1)
SSd×1.2≦PAd ・・・(2)
(ただし、PAF:ポリアミドマルチフィラメントのフ
ィラメント数 SSF:芯鞘型複合紡糸繊維マルチフィラメント数 PAd:ポリアミドマルチフィラメントのフィラメント
の単糸繊度 SSd:芯鞘型複合紡糸繊維マルチフィラメントの単糸
繊度である。) すなわち、ポリアミドマルチフィラメントの繊維間に形
成される空隙の大きさおよび数が、芯鞘型複合紡糸繊維
マルチフィラメントの形成する空隙よりも大きくかつ少
なく存在することが好ましい。この場合、毛細管現象に
より外層から内層に水が吸い上げられ、内層の芯鞘型複
合紡糸繊維マルチフィラメントの繊維間で拡散され、優
れた吸汗作用を発揮することができる。逆の場合には、
毛細管現象による吸水力が損なわれ、吸汗作用が著しく
低下する。
ィラメント数 SSF:芯鞘型複合紡糸繊維マルチフィラメント数 PAd:ポリアミドマルチフィラメントのフィラメント
の単糸繊度 SSd:芯鞘型複合紡糸繊維マルチフィラメントの単糸
繊度である。) すなわち、ポリアミドマルチフィラメントの繊維間に形
成される空隙の大きさおよび数が、芯鞘型複合紡糸繊維
マルチフィラメントの形成する空隙よりも大きくかつ少
なく存在することが好ましい。この場合、毛細管現象に
より外層から内層に水が吸い上げられ、内層の芯鞘型複
合紡糸繊維マルチフィラメントの繊維間で拡散され、優
れた吸汗作用を発揮することができる。逆の場合には、
毛細管現象による吸水力が損なわれ、吸汗作用が著しく
低下する。
【0034】芯鞘型複合紡糸繊維マルチフィラメントの
断面形状は特に限定されるものではないが、鞘部が薄す
ぎて破れない限り、偏芯や、三角断面、六角形断面など
の異形断面の方が、繊維間に微細な空隙が形成され、毛
細管現象による吸水性が向上するため、より好ましい。
また、微細な空隙を多数作り出す、丸型と異形断面の組
み合わせたマルチフィラメントでも良い。
断面形状は特に限定されるものではないが、鞘部が薄す
ぎて破れない限り、偏芯や、三角断面、六角形断面など
の異形断面の方が、繊維間に微細な空隙が形成され、毛
細管現象による吸水性が向上するため、より好ましい。
また、微細な空隙を多数作り出す、丸型と異形断面の組
み合わせたマルチフィラメントでも良い。
【0035】外層側のポリアミドマルチフィラメントの
断面形状については、芯鞘型複合紡糸繊維マルチフィラ
メントの断面形状と同様に、毛細管現象による吸水性が
増す異形断面の方が好ましい。さらに、毛細管現象を発
生させるために、芯鞘型複合紡糸繊維マルチフィラメン
トの形成する空隙よりも大きくなるような断面形状をと
ることが好ましい。
断面形状については、芯鞘型複合紡糸繊維マルチフィラ
メントの断面形状と同様に、毛細管現象による吸水性が
増す異形断面の方が好ましい。さらに、毛細管現象を発
生させるために、芯鞘型複合紡糸繊維マルチフィラメン
トの形成する空隙よりも大きくなるような断面形状をと
ることが好ましい。
【0036】本発明の複合加工糸は、外層、内層が完全
に分離・独立している必要はなく、見かけ上、層構造に
なっている状態でも良く、各層を構成する糸条の単繊維
と部分的に混ざっていても、また多少逆転していても構
わないものである。しかしながら、少なくとも外層側の
ポリアミドマルチフィラメントの割合が糸条の側面の面
積割合で6割以上、より好ましくは6.5割以上、さら
に好ましくは7割以上である。ポリアミドマルチフィラ
メントの割合が糸条の側面の面積割合で6割未満の場合
は毛細管現象による十分な吸水性が得られなない。ま
た、PVP含有のポリアミドの優れたソフト感も損なわ
れる。さらに、内層側の芯部にポリエステルが配置され
ることで寸法安定性を付与しているが、この寸法安定性
も損なわれてしまう。このような、糸条の構成により、
外層から取り込まれた水分は内層の芯鞘型複合紡糸繊維
マルチフィラメントに移行し、単糸間で拡散され、速乾
される。
に分離・独立している必要はなく、見かけ上、層構造に
なっている状態でも良く、各層を構成する糸条の単繊維
と部分的に混ざっていても、また多少逆転していても構
わないものである。しかしながら、少なくとも外層側の
ポリアミドマルチフィラメントの割合が糸条の側面の面
積割合で6割以上、より好ましくは6.5割以上、さら
に好ましくは7割以上である。ポリアミドマルチフィラ
メントの割合が糸条の側面の面積割合で6割未満の場合
は毛細管現象による十分な吸水性が得られなない。ま
た、PVP含有のポリアミドの優れたソフト感も損なわ
れる。さらに、内層側の芯部にポリエステルが配置され
ることで寸法安定性を付与しているが、この寸法安定性
も損なわれてしまう。このような、糸条の構成により、
外層から取り込まれた水分は内層の芯鞘型複合紡糸繊維
マルチフィラメントに移行し、単糸間で拡散され、速乾
される。
【0037】本発明の複合加工糸は、流体噴射ノズルを
用いた流体噴射加工方法により、2種類の異なるフィラ
メントにフィード差を付けて送り出すことにより一方が
他方に巻き付きカバーするような状態となり層構造をな
す。この中でも特に流体噴射加工は2種の糸条が内層、
外層のそれぞれ配置されやすく、また外層の糸条はルー
プ構成することから、編物等の布帛にした際の風合いの
向上にもつながる。また、他の製造方法としては、流体
噴射加工後に仮撚加工を行う、複合仮撚加工により、そ
れぞれの捲縮度合いによって一方のフィラメントが他方
を覆うような構造を取り、その結果層構造を構成するも
の、カバーリング機を用いたカバーリング方法等があ
る。
用いた流体噴射加工方法により、2種類の異なるフィラ
メントにフィード差を付けて送り出すことにより一方が
他方に巻き付きカバーするような状態となり層構造をな
す。この中でも特に流体噴射加工は2種の糸条が内層、
外層のそれぞれ配置されやすく、また外層の糸条はルー
プ構成することから、編物等の布帛にした際の風合いの
向上にもつながる。また、他の製造方法としては、流体
噴射加工後に仮撚加工を行う、複合仮撚加工により、そ
れぞれの捲縮度合いによって一方のフィラメントが他方
を覆うような構造を取り、その結果層構造を構成するも
の、カバーリング機を用いたカバーリング方法等があ
る。
【0038】本発明の複合加工糸はこのようなフィラメ
ントの組み合わせにより、高吸湿性、吸水性、寸法安定
性および速乾性に優れかつソフトな肌触りを有するスポ
ーツ、インナーなどの分野で広く活用できる素材を提供
することができる。
ントの組み合わせにより、高吸湿性、吸水性、寸法安定
性および速乾性に優れかつソフトな肌触りを有するスポ
ーツ、インナーなどの分野で広く活用できる素材を提供
することができる。
【0039】なお、本発明における各種特性値は次の方
法で測定するものである。 (1)ピロリドン含有率 繊維試料100mgにヘキサフルオロイソプロパノール
3mlとクロロホルム1mlとを加え、繊維を溶解し
た。得られた溶液に、エタノールを加えてポリマ成分を
再沈させ20mlに定溶した。溶液成分を定法によりガ
スクロマトグラム分析を行う。装置はGC14A(島津
製作所製)、カラムはNB−1(15m)を使用する。
ピロリドンの定量にはバレロラクタムの検量線をあらか
じめ作成し、用いる。下記式によりピロリドン含有率を
求める。
法で測定するものである。 (1)ピロリドン含有率 繊維試料100mgにヘキサフルオロイソプロパノール
3mlとクロロホルム1mlとを加え、繊維を溶解し
た。得られた溶液に、エタノールを加えてポリマ成分を
再沈させ20mlに定溶した。溶液成分を定法によりガ
スクロマトグラム分析を行う。装置はGC14A(島津
製作所製)、カラムはNB−1(15m)を使用する。
ピロリドンの定量にはバレロラクタムの検量線をあらか
じめ作成し、用いる。下記式によりピロリドン含有率を
求める。
【0040】ピロリドン含有率(wt%)=[(GCピ
ーク面積/検量線係数)(mg/ml)×溶液量(m
l)/試料量(mg)]×100 (2)溶出率 ポリアミドフィラメントを110℃で8時間乾燥した
後、重量を測定する。その後、沸騰水で30分間処理し
た後、再度110℃で8時間乾燥し、処理前後の重量減
少率を溶出率とする。 (3)黄色度 27Gの筒編み機により、編み密度45本/インチの筒
編地を作成する。得られた筒編地を2つ折りとして日本
電色工業製カラーメーターΣ80により、同測定器所定
の方法にて3刺激値X,Y,Zを測定し、下記式により
黄色度(YI)を求める。
ーク面積/検量線係数)(mg/ml)×溶液量(m
l)/試料量(mg)]×100 (2)溶出率 ポリアミドフィラメントを110℃で8時間乾燥した
後、重量を測定する。その後、沸騰水で30分間処理し
た後、再度110℃で8時間乾燥し、処理前後の重量減
少率を溶出率とする。 (3)黄色度 27Gの筒編み機により、編み密度45本/インチの筒
編地を作成する。得られた筒編地を2つ折りとして日本
電色工業製カラーメーターΣ80により、同測定器所定
の方法にて3刺激値X,Y,Zを測定し、下記式により
黄色度(YI)を求める。
【0041】YI(黄色度)=100×[1.28X−
1.06Z]/Y (4)最高吸湿率と標準吸湿率との差(ΔMR(%)) 試験対象とする糸条の27ゲージ筒編み試料を作製す
る。作製した試料を精練し、油剤を除去した後、その約
1gをガラス秤量瓶(風袋重量F)にいれ、乾燥機中1
10℃2時間の条件で乾燥する。ガラス秤量瓶を密封
し、デシケータ中で30分間放冷した後、試料の入った
ガラス秤量の総重量(K)を測定する。次に、20℃6
5%RHに設定された恒温恒湿槽((株)田葉井製作所
製の恒温恒湿槽“レインボー”)に秤量ビンを開放状態
で入れ、24時間放置する。その後再び密封状態でデシ
ケーター30分間放置後、試料の入った秤量瓶の重量
(H)を測定する。引続き、30℃90%RHに設定さ
れた恒温恒湿槽に開放状態にした秤量瓶を入れ、24時
間後の総重量(S)を同様に測定する。以上の各値から
下記式により算出する。
1.06Z]/Y (4)最高吸湿率と標準吸湿率との差(ΔMR(%)) 試験対象とする糸条の27ゲージ筒編み試料を作製す
る。作製した試料を精練し、油剤を除去した後、その約
1gをガラス秤量瓶(風袋重量F)にいれ、乾燥機中1
10℃2時間の条件で乾燥する。ガラス秤量瓶を密封
し、デシケータ中で30分間放冷した後、試料の入った
ガラス秤量の総重量(K)を測定する。次に、20℃6
5%RHに設定された恒温恒湿槽((株)田葉井製作所
製の恒温恒湿槽“レインボー”)に秤量ビンを開放状態
で入れ、24時間放置する。その後再び密封状態でデシ
ケーター30分間放置後、試料の入った秤量瓶の重量
(H)を測定する。引続き、30℃90%RHに設定さ
れた恒温恒湿槽に開放状態にした秤量瓶を入れ、24時
間後の総重量(S)を同様に測定する。以上の各値から
下記式により算出する。
【0042】最高吸湿率=[(S−K)/(K−F)]
×100(%) 標準吸湿率=[(H−K)/(K−F)]×100
(%) ΔMR=最高吸湿率−標準吸湿率 ΔMR≧2.0以上で、インナーとして快適と感じる、
十分な吸湿性を有すると判断される。 (5)乾燥時間 試験対象とする糸条の27ゲージ筒編み試料を作製す
る。作製した試料を精練し、油剤を除去した後、20℃
×65%RHに設定された恒温恒湿槽に開放状態で48
時間放置し、乾燥させる。その後、幅40cm×長さ4
0cmの試験片を5枚採取する。試験片が完全に水中に
浸るように沈め、10分間放置する。その後、家庭用洗
濯機の脱水装置により30秒脱水する。脱水後、試料の
重量を測定し、WT0とする。この後、20℃×65%
RHに設定された恒温恒湿槽に試験片をしわのない様に
均一に広がるように洗濯ばさみでつるし、放置する。そ
の後5分毎に測定していく。この時の試験片の重量をW
Tm(m:放置時間)とすると、 水分率=(WTm−WT0)×100 が5%以下になるまでにかかる時間を求める。5枚の試
料が乾燥するのにかかった時間の平均値を乾燥時間とす
る。 (6)編み地の吸水高さ 試験対象とするフィラメントを28GGシングル編み機
で、300mm/100Wで天竺編地を編成する。作製
した試料を精練し、油剤を除去した後、20℃×65%
RHに設定された恒温恒湿槽に開放状態で48時間放置
し、乾燥させる。試料より、幅1cm×長さ20cmの
編地試験片を経方向、緯方向でそれぞれ5本ずつ採取す
る。試験片の一端をつかみ具によって固定し、他端側の
約2cm長さを20±2℃の蒸留水中に浸す。浸漬開始
から10分後までに毛細管現象によって水が上昇した距
離(mm)を0.5mm間隔で読みとり、経方向、緯方
向の試験片についてそれぞれ5回測定し、その平均値で
もって表す。 (7)洗濯収縮率 試験対象とする糸条の27ゲージ筒編み試料を作製す
る。作製した試料を精練し、油剤を除去した後、20℃
×65%RHに設定された恒温恒湿槽に開放状態で48
時間放置し、乾燥させる。その後、幅50cm×長さ5
0cmの試験片を5枚採取する。各試験片の緯、経にそ
れぞれ30cm幅のマーキングを行う。この試験片を家
庭用洗濯機で、お湯温度40℃、合成洗剤12.5g、
選択時間25分の条件で洗濯する。その後、すすぎを1
0分間行った後、マーキングの幅Lを測定する。経方
向、緯方向について、下記式により洗濯収縮率を求め平
均値を算出する。
×100(%) 標準吸湿率=[(H−K)/(K−F)]×100
(%) ΔMR=最高吸湿率−標準吸湿率 ΔMR≧2.0以上で、インナーとして快適と感じる、
十分な吸湿性を有すると判断される。 (5)乾燥時間 試験対象とする糸条の27ゲージ筒編み試料を作製す
る。作製した試料を精練し、油剤を除去した後、20℃
×65%RHに設定された恒温恒湿槽に開放状態で48
時間放置し、乾燥させる。その後、幅40cm×長さ4
0cmの試験片を5枚採取する。試験片が完全に水中に
浸るように沈め、10分間放置する。その後、家庭用洗
濯機の脱水装置により30秒脱水する。脱水後、試料の
重量を測定し、WT0とする。この後、20℃×65%
RHに設定された恒温恒湿槽に試験片をしわのない様に
均一に広がるように洗濯ばさみでつるし、放置する。そ
の後5分毎に測定していく。この時の試験片の重量をW
Tm(m:放置時間)とすると、 水分率=(WTm−WT0)×100 が5%以下になるまでにかかる時間を求める。5枚の試
料が乾燥するのにかかった時間の平均値を乾燥時間とす
る。 (6)編み地の吸水高さ 試験対象とするフィラメントを28GGシングル編み機
で、300mm/100Wで天竺編地を編成する。作製
した試料を精練し、油剤を除去した後、20℃×65%
RHに設定された恒温恒湿槽に開放状態で48時間放置
し、乾燥させる。試料より、幅1cm×長さ20cmの
編地試験片を経方向、緯方向でそれぞれ5本ずつ採取す
る。試験片の一端をつかみ具によって固定し、他端側の
約2cm長さを20±2℃の蒸留水中に浸す。浸漬開始
から10分後までに毛細管現象によって水が上昇した距
離(mm)を0.5mm間隔で読みとり、経方向、緯方
向の試験片についてそれぞれ5回測定し、その平均値で
もって表す。 (7)洗濯収縮率 試験対象とする糸条の27ゲージ筒編み試料を作製す
る。作製した試料を精練し、油剤を除去した後、20℃
×65%RHに設定された恒温恒湿槽に開放状態で48
時間放置し、乾燥させる。その後、幅50cm×長さ5
0cmの試験片を5枚採取する。各試験片の緯、経にそ
れぞれ30cm幅のマーキングを行う。この試験片を家
庭用洗濯機で、お湯温度40℃、合成洗剤12.5g、
選択時間25分の条件で洗濯する。その後、すすぎを1
0分間行った後、マーキングの幅Lを測定する。経方
向、緯方向について、下記式により洗濯収縮率を求め平
均値を算出する。
【0043】
洗濯収縮率(%)=[(L−30)/L」×100
(8)インナーウェア製品の蒸れ感、べとつき感
25℃65%RHに調温調湿された部屋内で、Tシャツ
に縫製したサンプルを被験者20名が着用し、それぞれ
4段階(むれ感やべとつき感を感じる0点、少し感じる
2点、あまり感じない4点、全く感じない5点)でもっ
て評価した。 着用者のタイムスケジュール; 20分:安静状態→
10分:歩行(ランニング機械使用、100m/分)→
10分:安静状態で評価 (9)インナーウェア製品の風合い 上記(8)項の20分安静後の風合いについてそれぞれ
4段階(サラサラかつソフト5点、サラサラあるいはソ
フトの片方のみ2点、着心地が悪い0点)でもっって評
価した。
に縫製したサンプルを被験者20名が着用し、それぞれ
4段階(むれ感やべとつき感を感じる0点、少し感じる
2点、あまり感じない4点、全く感じない5点)でもっ
て評価した。 着用者のタイムスケジュール; 20分:安静状態→
10分:歩行(ランニング機械使用、100m/分)→
10分:安静状態で評価 (9)インナーウェア製品の風合い 上記(8)項の20分安静後の風合いについてそれぞれ
4段階(サラサラかつソフト5点、サラサラあるいはソ
フトの片方のみ2点、着心地が悪い0点)でもっって評
価した。
【0044】
【実施例】(実施例1)
(1)ポリアミドマルチフィラメント
PVPとして、イソプロピルアルコールを溶媒として通
常の方法で合成されたK値が30のPVP(BASF社
製“ルビスコール”K30スペシャルグレード:以下K
30SPと略記する)を用いた。このPVP(K30SP)
中のピロリドン含有量は0.02wt%であった。この
PVPをエクストルーダー(φ40mm、2条、2軸)
を用いて、98%硫酸相対粘度ηr が2.72のナイロ
ン6に練り混み、ガット状に押し出し、冷却後にペレタ
イズすることで、PVP濃度30wt%のマスタポリマ
チップとした。この際、ホッパー、シリンダーに窒素を
流すことで、酸素濃度を8%以下とした。
常の方法で合成されたK値が30のPVP(BASF社
製“ルビスコール”K30スペシャルグレード:以下K
30SPと略記する)を用いた。このPVP(K30SP)
中のピロリドン含有量は0.02wt%であった。この
PVPをエクストルーダー(φ40mm、2条、2軸)
を用いて、98%硫酸相対粘度ηr が2.72のナイロ
ン6に練り混み、ガット状に押し出し、冷却後にペレタ
イズすることで、PVP濃度30wt%のマスタポリマ
チップとした。この際、ホッパー、シリンダーに窒素を
流すことで、酸素濃度を8%以下とした。
【0045】回転式真空乾燥機中で、ナイロン6チップ
と上記マスタポリマチップとを所定の割合でブレンドし
ながら通常の方法で乾燥した。乾燥して得られたブレン
ドチップにおけるナイロン6に対するPVPの含有率
は、6wt%とした。
と上記マスタポリマチップとを所定の割合でブレンドし
ながら通常の方法で乾燥した。乾燥して得られたブレン
ドチップにおけるナイロン6に対するPVPの含有率
は、6wt%とした。
【0046】それぞれのブレンドチップを270℃で溶
融し、36ホールのY型孔口金より吐出して、紡糸速度
1300m/分、延伸倍率2.3倍、巻き取り速度30
00m/分の直接紡糸延伸法により製糸して、丸断面
で、78デシッテクス36フィラメントのPVP含有ポ
リアミドマルチフィラメント延伸糸を得た。得られた延
伸糸は、黄色度が8.3、水溶性成分溶出率も1.4
と、ともに十分に低く、ΔMRも4.3と高い値になっ
た。 (2)芯鞘型複合紡糸繊維マルチフィラメント 上記(1)項の、PVP含有率6wt%のナイロン6チ
ップとポリエチレンテレフタレートのチップとをエクス
トルーダ型複合紡糸機に供し、おのおの別々に溶融した
後、ポリエステルとナイロンの重量比率が35:65に
なるように複合流を形成して吐出し、1500m/mi
nで引き取り、延伸ローラ(160℃)で熱セットし、
4000m/minで巻き上げ、丸形断面、78デシテ
ックス48フィラメントの延伸糸を得た。得られた延伸
糸は、黄色度が7.9、水溶性成分溶出率が1.3とと
もに十分に低く、ΔMRも3.8と高い値になった。
融し、36ホールのY型孔口金より吐出して、紡糸速度
1300m/分、延伸倍率2.3倍、巻き取り速度30
00m/分の直接紡糸延伸法により製糸して、丸断面
で、78デシッテクス36フィラメントのPVP含有ポ
リアミドマルチフィラメント延伸糸を得た。得られた延
伸糸は、黄色度が8.3、水溶性成分溶出率も1.4
と、ともに十分に低く、ΔMRも4.3と高い値になっ
た。 (2)芯鞘型複合紡糸繊維マルチフィラメント 上記(1)項の、PVP含有率6wt%のナイロン6チ
ップとポリエチレンテレフタレートのチップとをエクス
トルーダ型複合紡糸機に供し、おのおの別々に溶融した
後、ポリエステルとナイロンの重量比率が35:65に
なるように複合流を形成して吐出し、1500m/mi
nで引き取り、延伸ローラ(160℃)で熱セットし、
4000m/minで巻き上げ、丸形断面、78デシテ
ックス48フィラメントの延伸糸を得た。得られた延伸
糸は、黄色度が7.9、水溶性成分溶出率が1.3とと
もに十分に低く、ΔMRも3.8と高い値になった。
【0047】また、各々のフィラメント数および単糸繊
度はPA=36≦SSF=48、SSd×1.2=1.
95≦PAd=2.17を満たしている。 (3)流体噴射加工 図1に示す流体噴射加工工程において、ポリアミドマル
チフィラメントを鞘糸側給糸A、芯鞘型複合紡糸繊維マ
ルチフィラメントを芯糸側給糸Bとし、それぞれフィー
ドローラ1および2を介して、4の流体乱流ノズルに送
り込み混繊させる。この時、より密に混繊させるため
に、芯糸側の芯鞘型複合紡糸繊維マルチフィラメントに
水付与ガイド3を用いて、水を付与する。その後デリベ
リローラ5とフィードローラ7の間で、ヒータ6を用い
てループセットした後、テイクアップローラ8に巻き取
る。条件の詳細は下記の通りである。 得られた複合加工糸は、繊度が166デシテックス、ポ
リアミド繊維の含有率が52.5wt%、芯鞘型複合紡
糸繊維マルチフィラメントの含有率が47.5wt%、
芯部ポリエステルの含有率は16.6%であった。ま
た、顕微鏡拡大観察による外層配置率は77%であっ
た。該加工糸を28GGシングル編機で天竺編地を作製
し、98℃の浴槽でリラックス精練し、120℃のテン
ターでセット後、酸性染料で98℃で染色し、120℃
でセットした。得られた布帛の密度は目付が167g/
cm2、厚さ0.57mmであった。表1に布帛の物性
を示す。優れた吸水性および速乾性を有しており、かつ
快適性の基準となるΔMRについては4.1%と非常に
優れていることが分かる。また、その効果として、被着
試験により、濡れ・べとつき感および肌触りの風合いに
おいて、スポーツ、インナー素材として好適な結果を得
ていることが分かる。
度はPA=36≦SSF=48、SSd×1.2=1.
95≦PAd=2.17を満たしている。 (3)流体噴射加工 図1に示す流体噴射加工工程において、ポリアミドマル
チフィラメントを鞘糸側給糸A、芯鞘型複合紡糸繊維マ
ルチフィラメントを芯糸側給糸Bとし、それぞれフィー
ドローラ1および2を介して、4の流体乱流ノズルに送
り込み混繊させる。この時、より密に混繊させるため
に、芯糸側の芯鞘型複合紡糸繊維マルチフィラメントに
水付与ガイド3を用いて、水を付与する。その後デリベ
リローラ5とフィードローラ7の間で、ヒータ6を用い
てループセットした後、テイクアップローラ8に巻き取
る。条件の詳細は下記の通りである。 得られた複合加工糸は、繊度が166デシテックス、ポ
リアミド繊維の含有率が52.5wt%、芯鞘型複合紡
糸繊維マルチフィラメントの含有率が47.5wt%、
芯部ポリエステルの含有率は16.6%であった。ま
た、顕微鏡拡大観察による外層配置率は77%であっ
た。該加工糸を28GGシングル編機で天竺編地を作製
し、98℃の浴槽でリラックス精練し、120℃のテン
ターでセット後、酸性染料で98℃で染色し、120℃
でセットした。得られた布帛の密度は目付が167g/
cm2、厚さ0.57mmであった。表1に布帛の物性
を示す。優れた吸水性および速乾性を有しており、かつ
快適性の基準となるΔMRについては4.1%と非常に
優れていることが分かる。また、その効果として、被着
試験により、濡れ・べとつき感および肌触りの風合いに
おいて、スポーツ、インナー素材として好適な結果を得
ていることが分かる。
【0048】(比較例1)
(1)ポリアミドマルチフィラメント
実施例1と同様の製造方法で、48ホールの口金を用
い、78デシッテクス48フィラメントのポリアミドマ
ルチフィラメントを得た。 (2)芯鞘型複合紡糸繊維マルチフィラメント 実施例1と同様の製造方法で、36ホールの口金を用
い、78デシッテクス36フィラメントの芯鞘型複合紡
糸繊維マルチフィラメントを得た。
い、78デシッテクス48フィラメントのポリアミドマ
ルチフィラメントを得た。 (2)芯鞘型複合紡糸繊維マルチフィラメント 実施例1と同様の製造方法で、36ホールの口金を用
い、78デシッテクス36フィラメントの芯鞘型複合紡
糸繊維マルチフィラメントを得た。
【0049】ここで、フィラメント数および単糸繊度は
PAF≦SSFかつSSd×1.2≦PAdを満たして
いない。 (3)流体噴射加工 実施例と同様に、ポリアミドマルチフィラメントを鞘糸
側給糸、芯鞘型複合紡糸マルチフィラメントを芯糸側給
糸とし、実施例の加工条件で流体噴射加工を施した。
PAF≦SSFかつSSd×1.2≦PAdを満たして
いない。 (3)流体噴射加工 実施例と同様に、ポリアミドマルチフィラメントを鞘糸
側給糸、芯鞘型複合紡糸マルチフィラメントを芯糸側給
糸とし、実施例の加工条件で流体噴射加工を施した。
【0050】得られた複合加工糸は、繊度が166デシ
テックス、ポリアミド繊維の含有率が52.5wt%、
芯鞘型複合紡糸繊維マルチフィラメントの含有率が4
7.5wt%、芯部ポリエステルの含有率は16.6%
と同様の結果となった。この複合加工糸について実施例
1と同条件で、編、染色、仕上げ加工を実施したとこ
ろ、目付167g/cm2、厚さ0.57mmの布帛を
得た。表1より吸湿性は実施例1と同様に非常に優れた
結果となっているが、吸水性は著しく低下している。こ
れは、繊維間で形成される空隙の大きさが内層の方が大
きくなったため、毛細管現象による吸水性がなくなった
ためである。
テックス、ポリアミド繊維の含有率が52.5wt%、
芯鞘型複合紡糸繊維マルチフィラメントの含有率が4
7.5wt%、芯部ポリエステルの含有率は16.6%
と同様の結果となった。この複合加工糸について実施例
1と同条件で、編、染色、仕上げ加工を実施したとこ
ろ、目付167g/cm2、厚さ0.57mmの布帛を
得た。表1より吸湿性は実施例1と同様に非常に優れた
結果となっているが、吸水性は著しく低下している。こ
れは、繊維間で形成される空隙の大きさが内層の方が大
きくなったため、毛細管現象による吸水性がなくなった
ためである。
【0051】(比較例2)実施例1の78デシテックス
36フィラメントのポリアミドマルチフィラメントを鞘
糸側給糸に、比較例1の78デシッテクス48フィラメ
ントの同じくポリアミドマルチフィラメントを芯側給糸
として実施例1および比較例1と同様の条件で流体噴射
加工および編、染色、仕上げ加工を行った。得られた複
合加工糸は繊度が169デシテックス、得られた布帛は
目付170g/cm2、厚さ0.59mmの布帛を得
た。表1より、吸水性、風合い、および特に吸湿性はΔ
MR4.3と非常に優れているが、洗濯収縮率が高く、
寸法安定性に劣る結果となった。これはポリエステルな
ど、寸法安定性を付与する材質が含有されていないため
である。
36フィラメントのポリアミドマルチフィラメントを鞘
糸側給糸に、比較例1の78デシッテクス48フィラメ
ントの同じくポリアミドマルチフィラメントを芯側給糸
として実施例1および比較例1と同様の条件で流体噴射
加工および編、染色、仕上げ加工を行った。得られた複
合加工糸は繊度が169デシテックス、得られた布帛は
目付170g/cm2、厚さ0.59mmの布帛を得
た。表1より、吸水性、風合い、および特に吸湿性はΔ
MR4.3と非常に優れているが、洗濯収縮率が高く、
寸法安定性に劣る結果となった。これはポリエステルな
ど、寸法安定性を付与する材質が含有されていないため
である。
【0052】(比較例3)84デシッテクス33フィラ
メントのレーヨン繊維を鞘糸側給糸、実施例1の78デ
シッテクス48フィラメントの芯鞘型複合紡糸繊維マル
チフィラメントを芯糸側給糸とし、実施例1および比較
例1と同様の条件で流体噴射加工および編、染色、仕上
げ加工を行った。得られた複合加工糸は繊度が172デ
シテックス、得られた布帛は目付174g/cm2、厚
さ0.63mmの布帛を得た。表1より、親水性のセル
ロース繊維の効果で吸水性に非常に優れた値になってい
る。しかし、被着試験では蒸れ感およびべとつき感を感
じる人が多い結果となった。このことから、親水性繊維
を用いると、吸水、吸湿性は向上するものの、繊維に水
分が含まれてしまうために、速乾性が悪く、蒸れ、べと
つきの原因となってしまう。
メントのレーヨン繊維を鞘糸側給糸、実施例1の78デ
シッテクス48フィラメントの芯鞘型複合紡糸繊維マル
チフィラメントを芯糸側給糸とし、実施例1および比較
例1と同様の条件で流体噴射加工および編、染色、仕上
げ加工を行った。得られた複合加工糸は繊度が172デ
シテックス、得られた布帛は目付174g/cm2、厚
さ0.63mmの布帛を得た。表1より、親水性のセル
ロース繊維の効果で吸水性に非常に優れた値になってい
る。しかし、被着試験では蒸れ感およびべとつき感を感
じる人が多い結果となった。このことから、親水性繊維
を用いると、吸水、吸湿性は向上するものの、繊維に水
分が含まれてしまうために、速乾性が悪く、蒸れ、べと
つきの原因となってしまう。
【0053】
【表1】
【0054】
【発明の効果】本発明は、吸水性と寸法安定性に優れ、
かつ触感のソフトな優れた風合いを有し、特に高い吸湿
性を有する快適な布帛製品を提供でき、インナー、スポ
ーツ衣料品などに幅広く活用できる複合加工糸を提供す
ることができる。
かつ触感のソフトな優れた風合いを有し、特に高い吸湿
性を有する快適な布帛製品を提供でき、インナー、スポ
ーツ衣料品などに幅広く活用できる複合加工糸を提供す
ることができる。
【図1】本発明の加工糸を得るための加工工程の一例で
ある。
ある。
【符号の説明】
A:鞘糸
B:芯糸
1:フィードローラ
2:フィードローラ
3:水付与ガイド
4:流体噴射ノズル
5:デリベリローラ
6:チューブヒータ
7:フィードローラ
8:テイクアップローラ
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
(51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考)
D04B 1/24 D04B 1/24
(72)発明者 梅田 和生
滋賀県大津市大江1丁目1番1号 東レ株
式会社瀬田工場内
Fターム(参考) 4L002 AA06 AA07 AB02 AB04 AB05
BA01 EA03 FA01
4L035 EE05 LA01 LC02 LC08 MD06
4L036 MA05 MA06 MA15 MA24 MA33
MA39 PA33 PA42 PA46 RA25
UA06
4L041 AA07 BA02 BA05 BA21 BB07
BC02 CA06 CA21 CB13 CB16
DD01 DD21
Claims (7)
- 【請求項1】ポリアミド成分が鞘部に、ポリエステル成
分が芯部に配置された芯鞘型複合紡糸繊維からなるマル
チフィラメントが内層側に配置され、ポリアミドマルチ
フィラメントが外層側に配置された複合加工糸であっ
て、前記ポリアミドマルチフィラメントがポリビニルピ
ロリドンを3〜15wt%含有していることを特徴とす
る複合加工糸。 - 【請求項2】前記芯鞘型複合紡糸繊維マルチフィラメン
トとポリアミドマルチフィラメントとのフィラメント数
および単糸繊度が下記式(1)および(2)を満たすこ
とを特徴とする請求項1に記載の複合加工糸。 PAF≦SSF ・・・(1) SSd×1.2≦PAd ・・・(2) ただし、PAF:ポリアミドマルチフィラメントのフィ
ラメント数 SSF:芯鞘型複合紡糸繊維マルチフィラメント数 PAd:ポリアミドマルチフィラメントのフィラメント
の単糸繊度 SSd:芯鞘型複合紡糸繊維マルチフィラメントの単糸
繊度 - 【請求項3】前記複合加工糸において、芯鞘型複合紡糸
繊維マルチフィラメントの芯部のポリエステルの含有量
が15wt%以上であることを特徴とする請求項1また
は2に記載の複合加工糸。 - 【請求項4】前記芯鞘型複合紡糸繊維マルチフィラメン
トの芯部のポリエステルが25〜40wt%であって、
鞘部のポリアミドが60〜75wt%で構成されている
ことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の複合
加工糸。 - 【請求項5】前記芯鞘型複合紡糸繊維マルチフィラメン
トの鞘部のポリアミドにポリビニルピロリドンを3〜1
5wt%含有していることを特徴とする請求項1〜4の
いずれかに記載の複合加工糸。 - 【請求項6】前記芯鞘型複合紡糸繊維マルチフィラメン
トおよびポリアミドマルチフィラメントの染色前の黄色
度が10以下であり、かつ水溶性成分の溶出率が5%以
下であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記
載の複合加工糸。 - 【請求項7】流体噴射加工が施されていることを特徴と
する請求項1〜6のいずれかに記載の複合加工糸。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001382630A JP2003064548A (ja) | 2001-06-14 | 2001-12-17 | 複合加工糸 |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001-179955 | 2001-06-14 | ||
JP2001179955 | 2001-06-14 | ||
JP2001382630A JP2003064548A (ja) | 2001-06-14 | 2001-12-17 | 複合加工糸 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2003064548A true JP2003064548A (ja) | 2003-03-05 |
Family
ID=26616888
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2001382630A Pending JP2003064548A (ja) | 2001-06-14 | 2001-12-17 | 複合加工糸 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2003064548A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2019014505A (ja) * | 2017-07-05 | 2019-01-31 | Kbセーレン株式会社 | 嗜好性飲料抽出フィルター用マルチフィラメント |
KR102031752B1 (ko) | 2019-03-13 | 2019-11-08 | 주식회사 에너솔라 | 복합 화재 감시 및 진단 기능을 갖는 감지 모듈을 구비한 수배전반 |
-
2001
- 2001-12-17 JP JP2001382630A patent/JP2003064548A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2019014505A (ja) * | 2017-07-05 | 2019-01-31 | Kbセーレン株式会社 | 嗜好性飲料抽出フィルター用マルチフィラメント |
KR102031752B1 (ko) | 2019-03-13 | 2019-11-08 | 주식회사 에너솔라 | 복합 화재 감시 및 진단 기능을 갖는 감지 모듈을 구비한 수배전반 |
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