JPH09187938A - インクジェットヘッド及びインクジェット記録装置 - Google Patents

インクジェットヘッド及びインクジェット記録装置

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JPH09187938A
JPH09187938A JP37896A JP37896A JPH09187938A JP H09187938 A JPH09187938 A JP H09187938A JP 37896 A JP37896 A JP 37896A JP 37896 A JP37896 A JP 37896A JP H09187938 A JPH09187938 A JP H09187938A
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flow path
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Toshihiro Mori
利浩 森
Teruo Ozaki
照夫 尾▲崎▼
Masahiko Kubota
雅彦 久保田
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Canon Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 インクジェットヘッドを構成する溝付き天板
及び素子基板の位置合わせを精度良く行い、かつ位置合
わせのための工程を簡略化して製造コストを低減させた
インクジェットヘッドを提供する。 【解決手段】 記録用の液体を吐出する複数の吐出口に
記録用の液体を導く液流路を形成するための複数の流路
壁を備えた溝付き部材と、各吐出口から記録用の液体を
吐出するためのエネルギーを発生するエネルギー発生素
子、および各流路壁にそれぞれ嵌合される複数の溝部を
備えた素子基板とを有するインクジェットヘッドにおい
て、各溝部の、吐出口と対向する先端をそれぞれ先細り
の形状にした構成とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は記録用の液体(イン
ク等)を吐出口(オリフィス)から吐出させて被記録媒
体に記録を行うインクジェット記録装置で使用されるイ
ンクジェットヘッドに関するものである。
【0002】
【従来の技術】インクジェット記録装置に使用されるイ
ンクジェットヘッドには、インク(記録用の液体)を吐
出する複数の吐出口と、各吐出口に供給されるインクを
一時的に保持する共通液室と、共通液室と各吐出口とを
連通する複数の液流路とが設けられ、各液流路内にはイ
ンクに吐出エネルギーを与えるためのエネルギー発生素
子である発熱抵抗体(電気熱変換体)が形成されてい
る。各発熱抵抗体はシリコン等からなる素子基板上に設
けられ、発熱抵抗体に電力を供給するための駆動素子で
あるトランジスタアレイや中継配線等と共に一体的に形
成されている。
【0003】このような構成において、被記録媒体に記
録を行う際には、共通液室に供給されたインクが各液流
路内に導かれ、吐出口でメニスカスを形成して保持され
る。このとき発熱抵抗体を選択的に駆動させることによ
り、熱による膜沸騰が生じて液流路内に気泡が発生し、
この気泡の成長によってインクが吐出口から吐出され
る。
【0004】図7は従来のインジェットヘッドの構成を
示す図であり、溝付天板(溝付き部材)の一部を切断し
た様子を示す斜視図である。また、図8は図7に示した
インクジェットヘッドの流路壁と溝部との関係を示す要
部拡大図である。
【0005】図7において、アルミニウム(Al)等か
らなる支持体55上には、熱伝導性に優れた接着剤56
によってシリコン(Si)等からなる素子基板50が接
合されている。素子基板50上には複数の発熱抵抗体5
1が一列に配置され、各発熱抵抗体51の間には溝部5
4(堀り込み部)がそれぞれ形成されている。
【0006】一方、溝付き天板(溝付き部材)52に
は、インクを吐出口58に導く液流路57を形成するた
めの流路壁53が素子基板50の溝部54と同じ配列ピ
ッチで櫛歯状に形成されている。
【0007】インクジェットヘッドはこれら素子基板5
0と溝付き天板52とを一体化して構成される。
【0008】このような構成において、素子基板50と
溝付き天板52とを一体化する際には、まず各流路壁5
3及び各溝部54をそれぞれ1対1で嵌合させるように
して素子基板50上に溝付き天板52を載置し、板バネ
等によって固定する。次に、それらの接触面の一部を接
着剤(不図示)で仮止めした後、例えばシリコン樹脂等
の封止剤を使用して液流路57や共通液室(不図示)を
封止するのが一般的であった。
【0009】なお、図8に示すように、溝部54の幅は
流路壁53と嵌合させやすいように流路壁53の幅より
も広く形成されている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記し
たような従来のインクジェットヘッドでは、図8に示し
たように流路壁の幅に対して溝部の幅が広く形成されて
いるため、溝付き天板と素子基板とを一体化する際に、
位置合わせを精度良く行うことが困難であった。
【0011】近年のインクジェットヘッドは小型化や高
密度化が要求されるようになり、そのために素子基板と
溝付き天板との位置関係を正確に合わせる必要が生じて
いる。素子基板と溝付き天板の位置関係がズレている
と、液流路の体積や吐出口の面積のバラツキが大きくな
り、吐出ムラなどの問題が発生してしまう。
【0012】例えば溝付き天板と溝部とを高精度に位置
合わせする方法として、画像処理装置を用いる方法等が
あるが、位置合わせのための設備費用がかかり、工程も
複雑になるため、製造コストが非常にかかってしまう問
題があった。
【0013】本発明は上記したような従来の技術が有す
る問題点を解決するためになされたものであり、インク
ジェットヘッドを構成する溝付き天板及び素子基板の位
置合わせを精度良く行い、かつ位置合わせのための工程
を簡略化して製造コストを低減させたインクジェットヘ
ッドを提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
本発明のインクジェットヘッドは、記録用の液体を吐出
する複数の吐出口に前記記録用の液体を導く液流路を形
成するための複数の流路壁を備えた溝付き部材と、前記
各吐出口から前記記録用の液体を吐出するためのエネル
ギーを発生するエネルギー発生素子、および前記各流路
壁にそれぞれ嵌合される複数の溝部を備えた素子基板と
を有するインクジェットヘッドにおいて、前記各溝部
の、前記吐出口と対向する先端がそれぞれ先細りの形状
であることを特徴とする。
【0015】このとき、各溝部の、吐出口と対向する先
端がそれぞれV字形状であってもよく、各溝部の、吐出
口と対向する先端がそれぞれ半円形状であってもよい。
特に、溝部先端がV字形状の場合、先端の角度がそれぞ
れ60度から120度の範囲にあることが好ましい。
【0016】また、各流路壁の、吐出口と対向する先端
がそれぞれ先細りの形状であってもよく、各流路壁の、
吐出口と対向する先端がそれぞれV字形状であってもよ
く、各流路壁の、吐出口と対向する先端がそれぞれ半円
形状であてもよい。特に、流路壁先端がV字形状の場
合、先端の角度がそれぞれ60度から120度の範囲に
あることが好ましい。
【0017】これらのインクジェットヘッドは、各溝部
と各流路壁とがそれぞれ嵌合するように、素子基板上に
溝付き部材を載置し、前記溝付き部材を振動させつつ前
記素子基板に位置合わせしてもよい。
【0018】また、エネルギー発生素子として記録信号
に基づいて熱エネルギーを発生する電気熱変換体を備え
ていてもよく、電気熱変換体によって印加される熱エネ
ルギーにより、記録用の液体に生じる膜沸騰を利用して
吐出口より記録用の液体を吐出させてもよい。
【0019】さらに、上記したインクジェットヘッドの
いずれかと、被記録媒体の搬送手段とを有するインクジ
ェット記録装置を構成してもよい。
【0020】上記のように構成された本発明のインジェ
ットヘッドは、素子基板上に設けられた溝部の先端が先
細りの形状となっているため、溝付き部材と素子基板と
を一体化してインクジェットヘッドを構成する際に、溝
付き部材と素子基板との位置関係がズレていても、各溝
部の先端の傾斜に沿ってそれぞれの流路壁を移動させて
位置決めすることができるため、溝付き部材と素子基板
とを精度良く位置合わせすることができる。
【0021】
【発明の実施の形態】次に本発明について図面を参照し
て説明する。
【0022】(第1実施例)図1は本発明のインジェッ
トヘッドの第1実施例の構成を示す図であり、溝付天板
の一部を切断した様子を示す斜視図である。また、図2
は図1に示したインクジェットヘッドを吐出口から見た
様子を示す拡大断面図であり、図3は図1に示したイン
クジェットヘッドの流路壁と溝部との関係を示す要部拡
大図である。
【0023】図1において、アルミニウム(Al)等か
らなる支持体15上には、熱伝導性に優れた接着剤16
によってシリコン(Si)等からなる素子基板10が接
合されている。素子基板10上には複数の発熱抵抗体1
1が一列に配置され、各発熱抵抗体11の間には溝部1
4(堀り込み部)がそれぞれ形成されている。
【0024】一方、溝付き天板(溝付き部材)12に
は、インク(記録用の液体)を吐出口18に導く液流路
17を形成するための複数の流路壁13が、素子基板1
0の溝部14と同じ配列ピッチで櫛歯状に形成されてい
る。
【0025】ここで、図1に示すように溝部14の先端
は先細りとなるV字形状になっており、流路壁13の先
端も溝部14の形状と同様にV字形状になっている。ま
た、溝部14の幅は図2に示すように流路壁13の幅に
対して広く形成されている。
【0026】このような構成において、溝付き天板12
と素子基板10とを一体化してインクジェットヘッドを
構成する際には、まず流路壁13と溝部14とがそれぞ
れ嵌合するようにして溝付き天板12を素子基板10上
に載置し、その後振動を加えながら溝付き天板12を図
1に示す矢印A方向に付勢する。このようにすること
で、図3に示すように位置合わせの初期状態で各流路壁
13の中心と溝部14の中心とがズレていても、各流路
壁13が溝部14の先端の傾斜に沿って溝部中心へと移
動するため、それらの中心がほぼ一致したところに位置
決めされる。
【0027】その後、素子基板10上に位置合わせされ
た溝付き天板12を板バネ等によって固定し、素子基板
10と溝付き天板12との接触面の一部を接着剤(不図
示)で仮止めした後、シリコン樹脂等の封止剤を使用し
て各液流路17や共通液室(不図示)からインクが漏れ
ないように封止する。
【0028】したがって、溝付き天板12と素子基板1
0の位置がズレていても、各流路壁13が溝部先端の傾
斜に沿って移動し、溝部14の中心に位置決めされるた
め、溝付き天板12と素子基板10との位置合わせを精
度良く行うことができる。
【0029】また、溝付き天板12に振動を加えながら
素子基板10に対して位置決めを行うため、簡単な工程
で位置合わせを行うことができるようになる。
【0030】よって、画像処理装置等による高精度な位
置合わせが不要になり、製造工程が簡略化されてコスト
ダウンが可能になる。
【0031】ところで、溝部14の先端形状は、先端の
角度を60°未満で形成すると、先端が尖り過ぎるため
に溝部を形成する工程でエッチングの残りが生じてしま
う。また、先端の角度を120°以上で形成すると、各
流路壁13が溝部14の中心へ移動するときの摩擦抵抗
が大きくなってしまう。よって、溝部14の先端形状を
良好に形成し、かつ流路壁13との摩擦抵抗を減らすた
めに先端の角度は60°〜120°で形成するのが好ま
しい。
【0032】なお、本実施例の各流路壁13の先端形状
は溝部14と同様のV字形状を例にして説明している
が、流路壁13の先端形状はV字形状に限定する必要は
なく、溝部14との摩擦抵抗を減らすためにV字の先端
を丸めたり、半円状の形状などにしてもよい。
【0033】(第2実施例)図4は本発明のインクジェ
ットヘッドの第2実施例の流路壁と溝部との関係を示す
要部拡大図である。
【0034】本実施例のインクジェットヘッドは素子基
板20の各溝部24の先端に流路壁23より幅の狭い溝
をさらに形成している。その他の構成は第1実施例と同
様であるため、その説明は省略する。
【0035】このような構成にすることで、各溝部24
の中心へと導かれた各流路壁23は第1実施例よりも安
定して位置決めされるため、素子基板20と溝付き天板
の位置合わせをより確実に行うことができる。
【0036】(第3実施例)図5は本発明のインクジェ
ットヘッドの第3実施例の流路壁と溝部との関係を示す
要部拡大図である。
【0037】本実施例のインクジェットヘッドは素子基
板30の各溝部34の先端が半円状になり、溝付き天板
の各流路壁33の先端も半円状になっている。その他の
構成は第1実施例と同様であるため、その説明は省略す
る。
【0038】このような構成にすることで、流路壁33
と溝部34との接触面積が小さくなるため、摩擦抵抗を
小さくすることができる。したがって素子基板30と溝
付き天板との位置合わせを少ない力で容易に行うことが
できる。
【0039】次に、上記各実施例のインクジェットヘッ
ドの製造方法の例について簡単に説明する。
【0040】まず、素子基板10となるSiウェハの表
面に熱酸化処理によってSiO2 膜を2〜4μm、好ま
しくは2.5〜3μmの厚さで成膜し、その上に発熱抵
抗体(電気熱変換体)層として例えばHfB2 膜または
TaN膜等を100〜3000オングストローム、好ま
しくは500〜1500オングストロームの厚さで成膜
する。次に電極材料として例えばAl膜、Al−Cu
膜、Al−Si膜等を3000〜10000オングスト
ローム、好ましくは5000〜6000オングストロー
ムの厚さで成膜し、フォトリソグラフィ工程によって、
発熱抵抗体や電極の形状を所望の形になるようにパター
ン形成する。
【0041】このとき、溝部14は前記Siウェハ表面
のSiO2 膜を所望の形状に除去することにより得るこ
とができる。
【0042】次に、保護層として例えばSiO2 膜また
はSi34膜等を1〜2μm、CVD法またはスパッタ
リング法によって成膜する。その後、発熱抵抗体の熱に
よって発生したインクの泡が消滅する時に生じる衝撃か
ら保護するための耐キャビテーション層として例えばT
a膜を500〜5000オングストローム、好ましくは
1000〜2500オングストロームの厚さでスパッタ
リング法により成膜し、フォトリソグラフィ工程により
所望の形状が得られるようにパターンを形成して素子基
板10の作成を終了する。
【0043】このようにして形成された素子基板10
と、インクジェット記録装置との電気的接続を行う第2
の基板(例えばプリント基板)とを、放熱性に優れた支
持体17(例えばAl基板)上に精度良くダイボンディ
ング等によって固定する。
【0044】また、上記基板10と第2の基板(不図
示)との電気的な接続は、ワイヤーボンディングで行わ
れるのが好ましい。
【0045】最後に、少なくともインクの流路と液室と
を形成するための溝付き部材を、記録用の液体の流路と
なる溝部が、素子基板に形成された発熱抵抗体と適切な
位置関係になるように位置合わせを行い、両者をバネ等
で固定した後、インクが液室より漏れないように封止剤
により封止する。
【0046】ところで、本発明は熱エネルギーを利用し
て飛翔液滴を形成し、記録を行うインクジェット記録方
式の記録ヘッド、記録装置において優れた効果をもたら
すものである。
【0047】その代表的な構成や原理については、例え
ば、米国特許第4723129号明細書、同第4740
796号明細書に開示されており、本発明はこれらの基
本的な原理を用いて行うものが好ましい。
【0048】この記録方式はいわゆるオンデマンド型、
コンティニュアス型のいずれにも適用可能である。この
記録方式を簡単に説明すると、液体(インク)が保持さ
れているシートや液流路に対応して配置されている発熱
抵抗体(電気熱変換体)に、記録情報に対応して液体
(インク)に核沸騰現象を越え、膜沸騰現象が生じるよ
うな急速な温度上昇を与えるための少なくとも一つの駆
動信号を印加することによって、熱エネルギーを発生せ
しめ、記録ヘッドの熱作用面に膜沸騰を生じさせる。こ
のように液体(インク)から、電気熱変換体に付与する
駆動信号に一対一に対応した気泡を形成できるため、特
にオンデマンド型の記録法には有効である。この気泡の
成長、収縮により吐出口を介して液体(インク)を吐出
させて、少なくとも一つの滴を形成する。この駆動信号
をパルス形状とすると、即時適切に気泡の成長収縮が行
われるので、特に応答性に優れた記録用の液体の吐出が
達成でき、より好ましい。このパルス形状の駆動信号と
しては、米国特許第4463359号明細書、同第43
45262号明細書に記載されているようなものが適し
ている。なお、上記熱作用面の温度上昇率に関する発明
の米国特許第4313124号明細書に記載されている
条件を採用すると、さらに優れた記録を行うことができ
る。
【0049】記録ヘッドの構成としては、上述の各明細
書に開示れているような吐出口、液流路、電気熱変換体
の組み合わせた構成(直線状液流路または直角液流路)
の他に、米国特許第4558333号明細書、同第44
59600号明細書に開示されているように、熱作用部
が屈曲する領域に配置された構成を持つものも本発明に
含まれる。
【0050】加えて、複数の電気熱変換体に対して、共
通するスリットを電気熱変換体の吐出部とする構成を開
示する特開昭59−123670号公報や熱エネルギー
の圧力波を吸収する開口を吐出部に対応させる構成を開
示する特開昭59−138461号公報に基づいた構成
としても本発明は有効である。
【0051】さらに、本発明が有効に利用される記録ヘ
ッドとしては、記録装置が記録できる記録媒体の最大幅
に対応した長さのフルラインタイプの記録ヘッドがあ
る。このフルラインヘッドは、上述した明細書に開示さ
れているような記録ヘッドを複数組み合わせることによ
ってフルライン構成にしたのものや、一体的に形成され
た一個のフルライン記録ヘッドであっても良い。
【0052】加えて、装置本体に接着されることで、装
置本体との電気的な接続や装置本体からのインクの供給
が可能になる交換自在のチップタイプの記録ヘッド、あ
るいは記録ヘッド自体に一体的に設けられたカートリッ
ジタイプの記録ヘッドを用いた場合にも本発明は有効で
ある。
【0053】また、本発明の記録装置に、記録ヘッドに
対する回復手段や、予備的な補助手段等を付加すること
は、本発明の記録装置を一層安定にすることができるの
で好ましいものである。これらを具体的に挙げれば、記
録ヘッドに対するキャッピング手段、クリーニング手
段、加圧あるいは吸引手段、電気熱変換体あるいはこれ
とは別の加熱素子、あるいはこれらの組み合わせによる
予備加熱手段、記録とは別の吐出を行う予備吐出を行う
手段を付加することも安定した記録を行うために有効で
ある。
【0054】さらに、記録装置の記録モードとしては黒
色等の主流色のみで記録するモードだけでなく、記録ヘ
ッドを一体的に構成したものか、複数個を組み合わせて
構成したものかのいずれでも良いが、異なる色の複色カ
ラーまたは、混色によるフルカラーの少なくとも一つを
備えた装置にも本発明は極めて有効である。
【0055】以上説明した例においては、液体インクを
用いた場合で説明しているが、本発明では室温で固体状
態となるインクであっても、室温で軟化状態となるイン
クであっても用いることができる。上述のインクジェッ
ト記録装置では、インク自体を30℃以上70℃以下の
範囲内で温度調整を行ってインクの粘性を安定吐出範囲
にあるように温度制御するものが一般的であるから、使
用記録信号付与時にインクが液状をなすものであればよ
い。
【0056】加えて、熱エネルギーによるヘッドやイン
クの過剰な温度上昇をインクの固形状態から液体状態へ
の状態変化のエネルギーとして使用せしめることで積極
的に防止するか、またはインクの蒸発防止を目的として
放置状態で固化するインクを用いることもできる。いず
れにしても熱エネルギーの記録信号に応じた付与によっ
てインクが液化してインク液状として吐出するものや記
録媒体に到達する時点ではすでに固化し始めるもの等の
ような、熱エネルギーの付与によって初めて液化する性
質を持つインクの使用も本発明には適用可能である。
【0057】このような場合インクは、特開昭54−5
6847号公報あるいは特開昭60−71260号公報
に記載されているような、多孔質シートの凹部または貫
通孔に液状または固形物として保持された状態で、電気
熱変換体に対して対向するような形態としてもよい。
【0058】本発明においては、上述した各インクに対
して最も有効なものは、上述した膜沸騰方式を実行する
ものである。
【0059】次に本発明のインクジェットヘッドが載置
されるインクジェット記録装置の装置構成について図6
を参照して説明する。図6は本発明のインクジェットヘ
ッドをインクジェットカートリッジ(IJC)に組み込
んで装着したインクジェット記録装置(IJRA)の一
例を示す外観斜視図である。
【0060】図6において、120はプラテン124上
に送紙されてきた記録紙の記録面に対向してインク吐出
を行うノズル群を備えたインクジェットヘッドカートリ
ッジ(IJC)である。116はIJC120を保持す
るキャリッジHCであり、駆動モーター117の駆動力
を伝達する駆動ベルト118の一部と連結し、互いに平
行に配設された2本のガイドシャフト119Aおよび1
19Bと摺動可能とすることにより、IJC120の記
録紙の全幅にわたる往復運動が可能となる。
【0061】126はヘッド回復装置であり、IJC1
20の移動経路の一端、例えばホームポジションと対向
する位置に配設される。伝動機構123を介したモータ
122の駆動力によって、ヘッド回復装置126を動作
せしめ、IJC120のキャピングを行う。このヘッド
回復装置126のキャップ部126AによるIJC12
0のキャピングに関連させて、ヘッド回復装置126内
に設けた適宜の吸引手段によるインク吸引もしくはIJ
C120へのインク供給経路に設けた適宜の加圧手段に
よるインク圧送を行い、インクを吐出口より強制的に排
出させることによりノズル内の増粘インクを除去する等
の吐出回復処理を行う。また、記録終了時等にキャッピ
ングを施すことによりIJC120が保護される。
【0062】130はヘッド回復装置126の側面に配
設され、シリコンゴムで形成されるワイピング部材とし
てのブレードである。ブレード130は、ブレード保持
部材130Aにカンチレバー形態で保持され、ヘッド回
復装置126と同様、モータ122及び伝動機構123
によって動作し、IJC120の吐出面との係合が可能
となる。これにより、IJC120の記録動作における
適切なタイミングで、あるいはヘッド回復装置126を
用いた吐出回復処理後に、ブレード130をIJC12
0の移動経路中に突出させ、IJC120の移動動作に
伴ってIJC120の吐出面における結露、濡れあるい
は塵埃等を拭き取るものである。
【0063】
【発明の効果】本発明は、以上説明したように構成され
ているので、以下に記載する効果を奏する。
【0064】素子基板に設けられた各溝部の、吐出口と
対向する先端をそれぞれ先細りの形状にしたため、溝付
き部材と素子基板と一体化してインクジェットヘッドを
構成する際に、それらの位置関係がズレていても、各流
路壁が溝部先端の傾斜に沿って移動させることで安定し
て位置決めされるため、溝付き部材と素子基板との位置
合わせを精度良く行うことができる。
【0065】また、溝付き部材に振動を加えながら素子
基板に対する位置決めを行うと、簡単な工程で位置合わ
せを行えるようになる。
【0066】したがって画像処理装置等による高精度な
位置合わせが不要になり、製造工程が簡略化されてコス
トダウンが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のインジェットヘッドの第1実施例の構
成を示す図であり、溝付天板の一部を切断した様子を示
す斜視図である。
【図2】図1に示したインクジェットヘッドを吐出口か
ら見た様子を示す拡大断面図である。
【図3】図1に示したインクジェットヘッドの流路壁と
溝部との関係を示す要部拡大図である。
【図4】本発明のインクジェットヘッドの第2実施例の
流路壁と溝部との関係を示す要部拡大図である。
【図5】本発明のインクジェットヘッドの第3実施例の
流路壁と溝部との関係を示す要部拡大図である。
【図6】本発明のインクジェットヘッドをインクジェッ
トカートリッジ(IJC)に組み込んで装着したインク
ジェット記録装置(IJRA)の一例を示す外観斜視図
である。
【図7】従来のインジェットヘッドの構成を示す図であ
り、溝付天板の一部を切断した様子を示す斜視図であ
る。
【図8】図7に示したインクジェットヘッドの流路壁と
溝部との関係を示す要部拡大図である。
【符号の説明】
10、20、30 素子基板 11 発熱抵抗体 12 溝付き天板 13、23、33 流路壁 14、24、34 溝部 15 支持体 16 接着剤 17 液流路 18 吐出口 116 キャリッジ 117 駆動モータ 118 駆動ベルト 119A、119B ガイドシャフト 120 インクジェットカートリッジ 122 モータ 123 伝動機構 124 プラテン 126 ヘッド回復装置 126A キャップ部 130 ブレード 130A ブレード保持部材

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 記録用の液体を吐出する複数の吐出口に
    前記記録用の液体を導く液流路を形成するための複数の
    流路壁を備えた溝付き部材と、 前記各吐出口から前記記録用の液体を吐出するためのエ
    ネルギーを発生するエネルギー発生素子、および前記各
    流路壁にそれぞれ嵌合される複数の溝部を備えた素子基
    板とを有するインクジェットヘッドにおいて、 前記各溝部の、前記吐出口と対向する先端がそれぞれ先
    細りの形状であることを特徴とするインクジェットヘッ
    ド。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載のインクジェットヘッド
    において、 各溝部の、吐出口と対向する先端がそれぞれV字形状で
    あることを特徴とするインクジェットヘッド。
  3. 【請求項3】 請求項2に記載のインクジェットヘッド
    において、 各溝部の、吐出口と対向する先端の角度がそれぞれ60
    度から120度の範囲にあることを特徴とするインクジ
    ェットヘッド。
  4. 【請求項4】 請求項1に記載のインクジェットヘッド
    において、 各溝部の、吐出口と対向する先端がそれぞれ半円形状で
    あることを特徴とするインクジェットヘッド。
  5. 【請求項5】 請求項1ないし4のいずれか1項に記載
    のインクジェットヘッドにおいて、 各流路壁の、吐出口と対向する先端がそれぞれ先細りの
    形状であることを特徴とするインクジェットヘッド。
  6. 【請求項6】 請求項5に記載のインクジェットヘッド
    において、 各流路壁の、吐出口と対向する先端がそれぞれV字形状
    であることを特徴とするインクジェットヘッド。
  7. 【請求項7】 請求項6に記載のインクジェットヘッド
    において、 各流路壁の、吐出口と対向する先端の角度がそれぞれ6
    0度から120度の範囲にあることを特徴とするインク
    ジェットヘッド。
  8. 【請求項8】 請求項5に記載のインクジェットヘッド
    において、 各流路壁の、吐出口と対向する先端がそれぞれ半円形状
    であることを特徴とするインクジェットヘッド。
  9. 【請求項9】 請求項1ないし8のいずれか1項に記載
    のインクジェットヘッドにおいて、 各溝部と各流路壁とがそれぞれ嵌合するように、素子基
    板上に溝付き部材を載置し、前記溝付き部材を振動させ
    つつ前記素子基板に位置合わせすることを特徴とするイ
    ンクジェットヘッド。
  10. 【請求項10】 請求項1ないし9のいずれか1項に記
    載のインクジェットヘッドにおいて、 エネルギー発生素子として記録信号に基づいて熱エネル
    ギーを発生する電気熱変換体を備えていることを特徴と
    するインクジェットヘッド。
  11. 【請求項11】 請求項10に記載ノインウジェットヘ
    ッドにおいて、 電気熱変換体によって印加される熱エネルギーにより、
    記録用の液体に生じる膜沸騰を利用して吐出口よりイン
    クを吐出させることを特徴とするインクジェットヘッ
    ド。
  12. 【請求項12】 請求項1ないし11のいずれか1項に
    記載のインクジェットヘッドと、 被記録媒体の搬送手段とを有することを特徴とするイン
    クジェット記録装置。
JP37896A 1996-01-08 1996-01-08 インクジェットヘッド及びインクジェット記録装置 Pending JPH09187938A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015054521A (ja) * 2013-09-11 2015-03-23 ゼロックス コーポレイションXerox Corporation 固形インク用ジェットプリンタのインク流路内における気泡の発生を制御するシステムおよび方法
JP2018083351A (ja) * 2016-11-24 2018-05-31 キヤノン株式会社 液体供給ユニットの製造方法および液体吐出ヘッドの製造方法
US10442202B2 (en) 2017-06-09 2019-10-15 Canon Kabushiki Kaisha Manufacturing method of bonded-substrate article, manufacturing method of liquid discharge head, bonded-substrate article, and liquid discharge head

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