JPH09186381A - レーザ光発生装置 - Google Patents

レーザ光発生装置

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JPH09186381A
JPH09186381A JP7343735A JP34373595A JPH09186381A JP H09186381 A JPH09186381 A JP H09186381A JP 7343735 A JP7343735 A JP 7343735A JP 34373595 A JP34373595 A JP 34373595A JP H09186381 A JPH09186381 A JP H09186381A
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JP
Japan
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laser
light
mixing
laser medium
resonator
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JP7343735A
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English (en)
Inventor
Shiro Shichijo
司朗 七条
Kiyobumi Muro
清文 室
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Mitsui Petrochemical Industries Ltd
Original Assignee
Mitsui Petrochemical Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 変調特性に優れ、小型で安定したレーザ光発
生装置を提供する。 【解決手段】 レーザ光発生装置は、光共振器25内に
配置され、基本波光を発振するレーザ媒質20および該
基本波光とミキシング光とに基づいて和周波光を発生す
る非線形光学素子21と、レーザ媒質21を励起するた
めの励起光を発生する半導体レーザ10と、光共振器2
5の外部に配置され、ミキシング光を発生するための半
導体レーザ30などを備える。レーザ媒質として蛍光時
間の短い材料を用いたり、レーザ媒質のドーピング濃度
を調整したり、ポンピング比を調整することによって、
和周波光の緩和振動が大幅に抑制される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、レーザ媒質および
非線形光学素子を共振器内に配置し、外部からミキシン
グ光を導入して和周波光または差周波光を発生するレー
ザ光発生装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、GaAlAsなどから成る半
導体レーザを用いて、共振器内に配置されたNd:YA
G結晶などのレーザ媒質を励起してレーザ発振を行うよ
うにした固体レーザ装置が知られている。こうした固体
レーザ装置の発振波長は一般に励起光の波長よりも長く
なるため、短波長のレーザ光を必要とする用途、たとえ
ば高密度の光記録などには不向きである。
【0003】より短波長のレーザ光を得るために、レー
ザ媒質および非線形光学結晶を同じ共振器内に配置し
て、レーザ媒質による発振光を第2高調波に変換するS
HG(Second Harmonic Generator) 光源が提案されて
いる。たとえば、レーザ媒質としてYAG結晶を使用
し、非線形光学結晶として燐酸チタニルカリウムKTi
OPO4 (略称KTP)を使用すると、波長1064n
mの発振光を半分の534nmのグリーン光に変換する
ことが可能である。
【0004】さらに短波長のブルーグリーン光を得るた
めに、非線形光学結晶としてKNbO3 を使用すること
によって、YAG結晶の発振波長946nmを半分の4
73nmに変換する例も報告されている。
【0005】しかしながら、第2高調波を発生する方式
では光の変調が難しく、たとえ励起用の半導体レーザを
直接変調してもレーザ媒質の緩和時間の遅れから高速変
調が困難であり、たとえば光ディスクの書込用光源とし
ては不向きである。したがって、こうしたSHG光源を
使用する場合には電気光学変調器等の外部変調器が不可
欠であり、そうすると装置の大型化やコスト増加を招い
てしまう。
【0006】一方、高速変調が可能な短波長光源とし
て、レーザ媒質および非線形光学結晶を配置した共振器
内に外部からミキシング光を導入して、レーザ発振光と
ミキシング光とを混合して和周波を発生させるようにし
た和周波光源が知られている。こうした和周波光源で
は、ミキシング光の変調に応じて和周波光の高速変調が
可能であるため、高密度の光記録などの用途に好適であ
る。
【0007】以上のような第2高調波発生および和周波
発生の非線形光学プロセスにおいて、変換効率を上げる
には非線形光学結晶での位相整合条件が重要である。
【0008】こうした先行技術として、非線形光学結晶
にb軸−KTPを使用した場合、レーザ媒質を励起する
半導体レーザからの励起光808nmとレーザ媒質の発
振光1064nmとを混合して波長459nmの和周波
光を発生させる例が提案されている(特開昭64−62
621)。しかしながら、KTP結晶は温度許容度およ
び波長許容度ともに高いが、変換定数が低いために和周
波光の出力も1mW程度が限界である。
【0009】他の先行技術(特願平5−247089)
において、1)レーザ媒質にNd:YAG結晶、非線形
光学結晶にa軸−KNbO3 をそれぞれ使用した場合、
波長946nmのレーザ発振光を基本波として、波長7
80nmのミキシング光を混合することによって、波長
429nmの和周波光が非臨界型位相整合で発生でき
る。2)レーザ媒質にNd:YVO4 結晶、非線形光学
結晶にa軸−KNbO3をそれぞれ使用した場合、波長
1064nmのレーザ発振光を基本波として、波長69
5nmのミキシング光を混合することによって、波長4
20nmの和周波光が非臨界型位相整合で発生できる。
【0010】こうした和周波レーザ装置における変調特
性については未解明な部分が多いのが現状である。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】図7は、従来の和周波
レーザ装置における光出力変動を示すグラフである。こ
こでは、レーザ媒質としてNdを1at%ドープしたN
d:YAG、非線形光学素子としてa軸−KNbO3
光共振器内にそれぞれ配置して、レーザ媒質の励起用と
して波長780nmの半導体レーザを使用して光共振器
内で波長946nmの基本波をレーザ発振させ、外部か
ら波長780nmの変調ミキシング光を導入して、波長
428nmの変調和周波光を出力する例を示している。
【0012】グラフを見ると、ミキシング光はパルス幅
50μsでパルス変調され、ミキシング光がオンになる
と和周波光もパルス状に発生しており、詳細に見るとパ
ルス立上り時に緩和振動が発生していることが判る。こ
うした現象はミキシング光を変調しない定常発振状態で
は観測されていない。また、変調時の和周波光の周期的
変動に関する論文も今までに報告されていない。
【0013】このような緩和振動は、和周波光を表示、
印字などの用途で比較的低速で変調する場合、顕著に観
測される。一方、光記録用途などの高速で変調する場
合、変調パルスの周期が緩和振動の周期より短くなる
が、緩和振動により変調パルス毎のピーク値がばらつく
ことが予想される。
【0014】したがって、和周波レーザ装置の応用分
野、たとえば計測や光記録などの分野において短波長光
の高速変調で一定のピークパワーが要求されているた
め、こうした緩和振動は不具合となる。この緩和振動
は、レーザ媒質が励起されて出る発振光がミキシング光
との非線形相互作用によりミキシング光のパルス立上り
時に生じるものである。
【0015】本発明の目的は、レーザ光変調特性に優
れ、小型で安定したレーザ光発生装置を提供することで
ある。
【0016】
【課題を解決するための手段】本発明は、共振器内に配
置され、基本波光を発振するレーザ媒質および該基本波
光とミキシング光とに基づいてレーザ光を発生する非線
形光学素子と、前記レーザ媒質を励起するための励起光
を発生する第1半導体レーザと、共振器外部に配置さ
れ、前記ミキシング光を発生するための第2半導体レー
ザと、第2半導体レーザの駆動電流を変調する変調回路
とを備え、ミキシング光の変調時において生じるレーザ
光出力の緩和振動のダンピング時間が10μ秒以下であ
ることを特徴とするレーザ光発生装置である。本発明に
従えば、ミキシング光の変調によって和周波光または差
周波光のレーザ光の変調を行う場合、レーザ光のパルス
波形が理想的な方形波になり、高速な変調が可能にな
る。特に、レーザ光出力の緩和振動のダンピング時間が
10μ秒以下になると、前述したような低速および高速
で変調したときの緩和振動が抑制され、その結果、安定
なピークパワーが得られる。特に変調周波数が100k
Hz以上の場合、効果が大きい。
【0017】また本発明は、共振器内に配置され、基本
波光を発振するレーザ媒質および該基本波光とミキシン
グ光とに基づいてレーザ光を発生する非線形光学素子
と、前記レーザ媒質を励起するための励起光を発生する
第1半導体レーザと、共振器外部に配置され、前記ミキ
シング光を発生するための第2半導体レーザと、第2半
導体レーザの駆動電流を変調する変調回路とを備え、ミ
キシング光の変調時において生じるレーザ光出力の緩和
振動のダンピング時間が、緩和振動の周期より短いこと
を特徴とするレーザ光発生装置である。本発明に従え
ば、レーザ光出力の緩和振動のダンピング時間が緩和振
動の周期より短いことによって、レーザ光のパルス波形
に緩和振動が発生しなくなって、より理想的な方形波に
近付く。そのため、より高速の変調が可能になる。
【0018】また本発明は、レーザ媒質は、Nd:YV
4 またはNd:GdVO4 で形成されていることを特
徴とする。本発明に従えば、レーザ媒質としてNd:Y
VO4 またはNd:GdVO4 などの蛍光寿命が短い材
料を用いることによって、レーザ光出力の緩和振動のダ
ンピング時間が短くなる。そのためレーザ光のパルス波
形が安定化される。
【0019】また本発明は、レーザ媒質のドーピング濃
度は、1〜3at%の範囲であることを特徴とする。レ
ーザ媒質のドーピング濃度が1at%より小さいと、蛍
光寿命が長くなり、3at%より大きいと蛍光寿命が短
くなるがレーザ発振波長での吸収損失も増加して発振閾
値の上昇を招く。したがって、レーザ媒質のドーピング
濃度は、1〜3at%の範囲が好ましい。
【0020】以下、本発明の原理について詳説する。以
下、和周波発生を例にとって説明するが、差周波発生に
ついても同様である。和周波レーザの挙動を記述するレ
ート方程式は、次のように表せる。
【0021】
【数1】
【0022】ここで、τc は光共振器往復時間、τf は
レーザ媒質の蛍光寿命、Im はミキシング光の強度、α
は光共振器ロス、Iはレーザ発振光強度、Gはレーザ媒
質のゲイン、Go は励起光によるゲイン、βは自己飽和
係数、εは和周波変換効率である。
【0023】そこで、定常状態では時間依存項は0とな
るので、式(1)(2)の左辺=0とおく。 Gss−α−ε・Im = 0 …(3) (β・Iss+1)・Gss = Go …(4) これらの式(3)(4)に基づいてゲインと光強度の定
常解Gss、Issを決定する。次に小信号解析による解の
安定性を解析する。
【0024】I = Iss+i(t) G = Gss+g(t) i(t)=io・EXP〔λ・t〕 g(t)=go・EXP〔λ・t〕 となる解を仮定し、式(1)(2)にそれぞれ代入して
展開する。
【0025】 τc ・λ・io−Iss・go = 0 …(5) β・Gss・io +(τf・λ+(β・Iss+1))・go = 0 …(6) これらの式(5)(6)が0以外のgo、ioを解として
有するためには、下記式(7)で示す係数の行列式が0
となる必要がある。
【0026】
【数2】
【0027】これはλについての2次方程式となり、そ
の解λを求めると、 τc・τf・λ2+(β・Iss+1)・τc・λ+β・Gss・Iss = 0 …(8)
【0028】
【数3】
【0029】という解λが得られるが、簡略化のために
発振閾値ではIss=0とするとGss=Goとなり、
【0030】
【数4】
【0031】ここで、rはレーザ媒質を励起する励起光
の出力Pp とレーザ媒質による基本波発振の発振閾値P
t との比Pp/Ptであり、発振閾値の何倍の光出力で励
起するかを表したポンプレートである。iは虚数単位で
ある。解λの実部はダンピングファクタであり、正であ
れば不安定解、負であれば安定解である。また、解λの
虚部は振動周波数に相当する。したがって、ミキシング
光変調時の和周波出力の緩和振動のダンピング時間t
d、緩和振動周波数frは次のようになる。これらtd,
frの意味は図3に示す。
【0032】
【数5】
【0033】ミキシング光がオンになった時の和周波出
力の緩和振動は、このダンピング時間td、緩和振動周
波数frによって特徴づけられ、tdを短く、frを大き
くすることが望ましい。
【0034】和周波光の緩和振動が全く生じないように
するには、緩和振動が減衰するダンピング時間tdを緩
和振動周期より短くなるように設計すればよい。この条
件は次のように表される。
【0035】
【数6】
【0036】という式(13)が成立すれば緩和振動が
生じない。ここで、τp は光共振器内でのフォトンライ
フタイムである。こうした条件を実際の和周波レーザ装
置で実現する手法を下記(1)〜(3)に説明する。
【0037】(1)レーザ結晶の選択 レーザ媒質は材料によって固有の蛍光寿命τfを有して
いる。
【0038】
【表1】
【0039】なお、SFAPは Strontium Vanadium Ap
atite の略称である。式(13)を満足するには、こう
したレーザ媒質の中からできるだけ蛍光寿命の短いもの
を使用することが好ましく、たとえばNd:YVO4
たはNd:GdVO4が特に好ましい。
【0040】(2)Ndイオン濃度の選択 一般に、レーザ媒質の蛍光寿命τf はドーパントの濃度
の関数となっており、たとえばNd濃度の調整によって
蛍光寿命τf を制御できる。たとえば、Nd:YVO4
において、蛍光寿命τf のNd濃度依存性は次の式で表
せる。
【0041】
【数7】
【0042】ここで、τoは極限低濃度での蛍光寿命、
Coはτoが半分になるときのNd濃度、Cはレーザ媒質
のNd濃度である。この式(14)は、たとえばτo =
90μs、Co =2.2at%のときの実験値と良く一
致する。
【0043】図1は、レーザ媒質の上準位の蛍光寿命の
Nd濃度依存性を示すグラフである。グラフを見ると、
Nd濃度が増加するにつれて蛍光寿命が短くなることが
判る。
【0044】図2は、r=15のときの和周波光出力の
ダンピング時間のNd濃度依存性を示すグラフである。
グラフを見ると、Nd濃度が増加するにつれてダンピン
グ時間が短くなることが判る。
【0045】(3)ポンピング比rの向上 式(13)を満足するには、ポンピング比rを大きくし
てもよい。ポンピング比rを大きくするには、励起光の
出力を大きくしてもよいが、通常、励起用の半導体レー
ザは最大出力で動作させているため、レーザ媒質の発振
閾値を下げる必要がある。たとえば、同一のNd:YA
G結晶であっても、波長1064nmのレーザ発振と波
長946nmのレーザ発振とで大きく異なる。
【0046】擬3準位系である波長946nmのレーザ
発振において、946nmの再吸収によるロスが大きい
ため、発振閾値が高くなり、ポンピング比rは6程度の
値にしかならない。一方、4準位系である波長1064
nmのレーザ発振において、ポンピング比rは100以
上も可能である。
【0047】したがって、同一のレーザ媒質において
も、擬3準位系の発振線よりも4準位系の発振線を使用
するほうが、ロスを大幅に低減化できるため、発振閾値
が下がってポンピング比rを大きくできる。また、ロス
低減だけでなく、励起光強度を上げることによってもポ
ンピング比rを大きくすることができる。
【0048】たとえば、a)レーザ媒質としてNdを1
%ドープしたNd:YAG結晶を用いて、擬3準位系の
波長946nmのレーザ発振を発生し、さらに波長78
0nmのミキシング光と混合させて波長428nmの和
周波光を発生させた場合と、b)1%ドープしたNd:
YAG結晶を用いて、4準位系の波長1064nmのレ
ーザ発振を発生し、さらに波長690nmのミキシング
光と混合させて波長418nmの和周波光を発生させた
場合と、c)レーザ媒質としてNdを2%ドープしたN
d:YVO4 結晶を用いて、4準位系の波長1064n
mのレーザ発振を発生し、さらに波長690nmのミキ
シング光と混合させて波長418nmの和周波光を発生
させた場合とを比較検討する。
【0049】たとえば、共振器長を3cm(τc=0.
2ns)、α=0.005、ε=0.003、Im=
0.1(W)として式(13)をもとに計算すると、
a)の場合にはポンピング比rはおよそ610以上、
b)の場合にはポンピング比rはおよそ130以上、と
いう条件が緩和振動を生じないために必要となる。
【0050】しかしながら、a)の場合、現実にはr=
5〜6程度しか実現できないため、式(13)を満足す
ることが困難である。
【0051】図3は、波長946nmの基本波光の強度
変化を示すグラフである。横軸は時間であり、縦軸は基
本波光の出力である。これは、上記a)の場合において
ミキシング光をパルス変調し、さらにポンピング比r=
5を仮定して、式(1)(2)の数値積分によって見積
もった結果をグラフ化している。グラフを見ると、大き
な緩和振動が現われており、緩和振動周波数は約400
kHz、ダンピング時間は約50μsと計測される。つ
まり、ゆっくりした緩和振動が長く持続することを意味
する。これは、図7に示した実験結果と良く一致してい
る。
【0052】一方、上記b)の場合、ポンピング比rを
500以上で動作可能になり、式(13)を満足すると
ともに、緩和振動も解消され、安定した変調波形を持つ
和周波光が得られる。
【0053】他方、上記c)の場合、すなわちレーザ媒
質としてNdを2%ドープしたNd:YVO4 結晶を用
い、ポンピング比r=500と仮定した場合の変調特性
を図4に示す。横軸は時間で、縦軸は基本波光の出力で
ある。グラフを見ると、緩和振動が時間軸で2桁以上小
さくなっており、実用上全く問題ないレベルを達成して
いる。
【0054】このように数値解析によって、変調ミキシ
ング光を光共振器内に導入する際に、光共振器内の基本
波の緩和振動が大幅に低減化できることが判る。
【0055】
【発明の実施の形態】図5は、本発明の実施の一形態を
示す構成図である。ここでは、基本波1064nmとミ
キシング光690nmとの混合によって和周波光418
nmのブルー光を発生させる例を示している。
【0056】和周波レーザ装置は、レーザ媒質20を励
起するための励起光を発生する半導体レーザ10と、N
dが2%ドープされたNd:YVO4 から成るレーザ媒
質20と、KNbO3 結晶から成る非線形光学素子21
と、出力ミラー22と、ミキシング光を発生する半導体
レーザ30などで構成される。基本波を発振する光共振
器25は、レーザ媒質20の光入射面20aと出力ミラ
ー22との間で形成され、光共振器25の内部にはレー
ザ媒質20、非線形光学素子21が配置されている。励
起用の半導体レーザ10は、図示しないペルチェ温度調
整回路によって温度制御されている。
【0057】レーザ媒質20の光入射側の表面20aに
は、レーザ媒質20の発振波長である波長1064nm
に対して反射率が99.9%であって、かつ励起光の波
長809nmに対して透過率が95%以上となるコーテ
ィングが施されている。レーザ媒質20の非線形光学素
子21側の表面20bには、波長1064nmに対して
透過率が99.9%以上となるコーティングが施されて
いる。
【0058】出力ミラー22の表面には、波長1064
nmに対して反射率が99.9%で、かつ和周波光の波
長418nmに対して透過率95%となるコーティング
が施されている。
【0059】半導体レーザ10から放射される励起光
は、紙面に平行な方向に直線偏光しており、レンズ2a
によって平行光となり、偏光ビームスプリッタ11を通
過して、レンズ2bによって集束され、さらにレーザ媒
質20に入射して反転分布を形成する。すると、レーザ
媒質20がNd:YVO4 結晶である場合、波長106
4nmのレーザ発振が光共振器25の内部で起こり、こ
れが基本波光として機能する。
【0060】一方、ミキシング用の半導体レーザ30と
して、波長690nm、出力30mWのもの(東芝製、
TOLD−9151MD)を使用し、ここから放射され
るミキシング光はレンズ35によって平行光となり、さ
らに光アイソレータ15を通過して、紙面に垂直な直線
偏光となり、さらに偏光ビームスプリッタ11で反射さ
れて、非線形光学素子21の表面21aの上にビームウ
エストを形成するように入射する。なお、光アイソレー
タ15は、各光学部品からの戻り光が半導体レーザ30
に戻って縦モードジャンプによる発振の不安定化を防止
するために、戻り光カット用として使用している。ま
た、半導体レーザ30の駆動電流は変調回路31によっ
て変調され、これによってミキシング光も高速変調され
る。
【0061】こうして基本波光およびミキシング光は非
線形光学素子21において混合され、和周波光が出力ミ
ラー22から外部に放射される。なお、基本波1064
nmおよびミキシング光690nmの各偏光方向は、K
NbO3 結晶のb軸方向になるように配置しており、和
周波光418nmの偏光方向はKNbO3 結晶のc軸方
向と一致する。
【0062】図6は、変調されたミキシング光と和周波
光の各出力波形を示すグラフである。横軸は時間であ
り、縦軸は光出力である。ここでは、ポンピング比r=
500でレーザ媒質を励起し、レーザ媒質としてNdド
ープ濃度2%のYVO4 結晶を使用している。グラフを
見ると、和周波光のパルス波形の先頭付近に1周期程度
の緩和振動が観測されるが、これはミキシングLDの出
力変動を反影したもので、和周波光発生での緩和振動で
はない。
【0063】このように本発明の構成によって、緩和振
動が大幅に抑制された和周波パルス光が得られるため、
安定したパルス波形を維持しつつ高速の光変調を実現す
ることができる。ここでは和周波光発生装置で説明した
が、これに限定されるものでなく、差周波光発生装置な
どを含むことはもちろんである。
【0064】
【発明の効果】以上詳説したように本発明によれば、ミ
キシング光の変調によって和周波光の変調を行う場合、
和周波光のパルス波形が理想的な方形波になり、高速な
変調を実現できる。その結果、短波長光の高速変調が可
能になることによって、たとえば光記録の高密度化およ
び高速化が図られる。
【0065】こうしてレーザ光の変調特性に優れ、小型
で安定したレーザ光発生装置を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】レーザ媒質の上準位の蛍光寿命のNd濃度依存
性を示すグラフである。
【図2】和周波光出力のダンピング時間のNd濃度依存
性を示すグラフである。
【図3】波長946nmの基本波光の強度変化を示すグ
ラフである。
【図4】波長946nmの基本波光の強度変化を示すグ
ラフである。
【図5】本発明の実施の一形態を示す構成図である。
【図6】変調されたミキシング光と和周波光の各出力波
形を示すグラフである。
【図7】従来の和周波レーザ装置における光出力変動を
示すグラフである。
【符号の説明】
10、30 半導体レーザ 11 偏光ビームスプリッタ 15 光アイソレータ 20 レーザ媒質 21 非線形光学素子 22 出力ミラー 25 光共振器 31 変調回路

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 共振器内に配置され、基本波光を発振す
    るレーザ媒質および該基本波光とミキシング光とに基づ
    いてレーザ光を発生する非線形光学素子と、 前記レーザ媒質を励起するための励起光を発生する第1
    半導体レーザと、 共振器外部に配置され、前記ミキシング光を発生するた
    めの第2半導体レーザと、 第2半導体レーザの駆動電流を変調する変調回路とを備
    え、 ミキシング光の変調時において生じるレーザ光出力の緩
    和振動のダンピング時間が10μ秒以下であることを特
    徴とするレーザ光発生装置。
  2. 【請求項2】 共振器内に配置され、基本波光を発振す
    るレーザ媒質および該基本波光とミキシング光とに基づ
    いてレーザ光を発生する非線形光学素子と、 前記レーザ媒質を励起するための励起光を発生する第1
    半導体レーザと、 共振器外部に配置され、前記ミキシング光を発生するた
    めの第2半導体レーザと、 第2半導体レーザの駆動電流を変調する変調回路とを備
    え、 ミキシング光の変調時において生じるレーザ光出力の緩
    和振動のダンピング時間が、緩和振動の周期より短いこ
    とを特徴とするレーザ光発生装置。
  3. 【請求項3】 レーザ媒質は、Nd:YVO4 またはN
    d:GdVO4 で形成されていることを特徴とする請求
    項1または2記載のレーザ光発生装置。
  4. 【請求項4】 レーザ媒質のドーピング濃度は、1〜3
    at%の範囲であることを特徴とする請求項1または2
    記載のレーザ光発生装置。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001352118A (ja) * 2000-06-08 2001-12-21 Cyber Laser Kk 光源装置および同光源装置を使用したレーザ装置
JP2003332657A (ja) * 2002-05-17 2003-11-21 Megaopto Co Ltd レーザーシステム
JP2008193066A (ja) * 2007-01-09 2008-08-21 Chiba Univ 光渦レーザービーム発振方法および光渦レーザービーム発振装置

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