JPH09185086A - 表示装置 - Google Patents

表示装置

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Publication number
JPH09185086A
JPH09185086A JP35369795A JP35369795A JPH09185086A JP H09185086 A JPH09185086 A JP H09185086A JP 35369795 A JP35369795 A JP 35369795A JP 35369795 A JP35369795 A JP 35369795A JP H09185086 A JPH09185086 A JP H09185086A
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JP
Japan
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filter means
color
display
liquid crystal
display device
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Application number
JP35369795A
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English (en)
Inventor
Shigeru Yamamoto
滋 山本
Naoki Hiji
直樹 氷治
Taketo Hikiji
丈人 曳地
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Fujifilm Business Innovation Corp
Original Assignee
Fuji Xerox Co Ltd
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Publication date
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Publication of JPH09185086A publication Critical patent/JPH09185086A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 1画素での分光透過率を向上させ、色再現範
囲をより広げるとともに、鮮やかで明るいカラー表示が
可能な表示装置を提供する。 【解決手段】 白色光透過率が電気信号により変化し
て、表示色の濃度が変化するように構成された第1の着
色フィルタ手段51と、同じく、白色光透過率が電気信
号により変化して、第1の着色フィルタ手段の表示色と
補色関係の表示色の濃度が変化するように構成された第
2の着色フィルタ手段52とを光透過方向に積層する。
第1の着色フィルタ手段51または第2の着色フィルタ
手段52の一方における白色光透過率を3段階以上に制
御し、他方における白色光透過率を2段階以上に制御す
るようにする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、多色表示が可能
な表示装置に関する。
【0002】
【従来の技術】この種の表示装置として、液晶表示装置
の実用化が進んでいる。この種の表示装置として代表的
なものは、図20の概略図に示すように、特定の初期分
子配列を持つ液晶層(例えば、ネマティック液晶層)1
1と、2個の偏光子12、13とからなるものである。
この場合、液晶層11は、例えばツイストネマティック
モードで働くものが用いられ、透明電極14、15で挟
まれ、透明電極14と15との間に電圧が印加されるこ
とにより、液晶層の初期分子配列が変形され、その際に
生じる液晶層の複屈折変化が、偏光子12、13により
可視化される。
【0003】液晶層11は、光透過方向に直交する方向
に、マトリクス状に配列された複数の画素に分けられて
いる。そして、フルカラー化のためには、図Bに示すよ
うに、1画素が、光透過方向に直交する方向の3個の副
画素11R,11G,11Bに分けられ、各副画素11
R,11G,11Bのそれぞれに対して、赤、緑、青の
カラーフィルタ16R,16G,16Bが配設される。
【0004】この場合、透明電極15は、図21に示す
ように、副画素毎に分離されて、ガラス基板18、19
上に形成され、副画素11R,11G,11Bは独立に
複屈折変化を制御できるように構成される。そして、液
晶層は、電圧印加制御による複屈折変化により、光透過
状態と、遮光状態とが切り換えられる光シャッターとし
て使用される。
【0005】この表示装置を、その後ろ側から、バック
ライト光源17により照明し、各副画素の透過光を加法
混色させることにより、それぞれ1画素の色を表示す
る。
【0006】しかしながら、上述した表示装置の場合、
赤、緑、青の単色表示のとき、1画素を透過する光量
は、1/3に減少される上、偏光板の透過率が40%程
度のために、明るいオフィス等で表示画面を見るために
は、強いバックライト照明が要求される。このため、携
帯型機器のように低消費電力化が要求される電子機器の
ディスプレイとしての、この種の表示装置の使用の問題
点となっている。
【0007】この問題点を改善するために、特開昭63
−144326号公報には、カラーフィルタの代わり
に、分子の長軸方向と短軸方向とで可視光の吸収に異方
性を持つ2色性色素を一方向に整列させたカラー偏光子
を用いるとともに、液晶層を2層構造にしたものが提案
されている。この公報に記載の表示装置においては、互
いに同じ積層位置に配されるカラー偏光子を互いに補色
関係のものを用いることにより、赤、緑、青の単色表示
のとき、1画素を透過する光量を、2/3にすることが
でき、図Bの場合よりも明るくすることができる。
【0008】また、光シャッターとして使用する液晶層
を、ゲストホスト効果を利用するもので構成すると、偏
光子は、1枚でよくなり、前述したツイストネマティッ
ク液晶を用いるものに比べて明るくすることができる
が、一般にコントラストが低下する問題がある。
【0009】これは、ゲストホストモードで用いられる
2色性色素の2色比が十分に大きくないことが主因であ
る。また、特に、光シャッターとして動作させる黒色の
ゲストホストモードに要求される黒色の2色性色素は、
単一の色素材料では実現できず、例えば赤、青、黄の2
種類の色素材料を構成成分とする2色性色素混合物が用
いられるが、黒色の2色性色素混合物としては十分な2
色比が得られないという不都合がある。また、複数の色
素材料のそれぞれの必要量を、液晶に溶解することが困
難であるという不都合もある。
【0010】このような不都合を解消して高コントラス
トの表示装置を実現する技術として、特開昭60−16
3018号公報には、液晶層を2層にし、黒色の2色性
色素混合物を互いに補色関係にある2組に分け、その組
の一方の組の2色性色素を一方の液晶層に溶解させ、他
方の組の2色性色素を他方の液晶層に溶解させ、これら
2層のゲストホストモードの液晶層を同期して2段階に
電圧印加制御することで、全体として2層の液晶層を光
シャッターとして動作させるようにする技術が示されて
いる。
【0011】しかし、この場合も、フルカラー表示の場
合には、副画素に対応してカラーフィルタを配置する構
成であるので、表示装置としての明るさの問題は、上述
した図21のツイストネマティック液晶を光シャッター
として使用した場合とまったく同様に残る。
【0012】前記のバックライトの消費電力の問題の解
決策としては、外光を利用する反射型ディスプレイがあ
る。しかしながら、前記のカラーフィルタを用いた表示
装置を反射型ディスプレイとした場合には、分光反射率
が1/3以下になり、さらに偏光板が必要な方式では、
1/6以下になるために、表示画面が暗すぎて色が認識
できない表示となってしまう。このために、この種の反
射型ディスプレイは、モノクローム(いわゆる白黒)の
ディスプレイとしてしか用いられなかった。
【0013】反射型カラーディスプレイの構成として、
刊行物1.「SID 92 DIGEST」の437頁
〜440頁には、副画素を、緑とマゼンタのカラーフィ
ルタにより、2分割すると共に、液晶層は、ゲストホス
トモードのものを使用して偏光板を不要とし、さらに反
射板に指向性を付与してゲインを持たせることで、マル
チカラー表示とすることが提案されている。
【0014】しかし、この方式の表示装置では、4色の
マルチカラー表示に制限されてしまうという不都合があ
る。
【0015】また、カラーフィルタを使用せずに、フル
カラー表示する表示装置として、刊行物2.「Opti
cal Engineering,Vol.23,N
o.3」の247頁〜248頁には、ゲストホストモー
ドの液晶パネルを積層し、減色混合してカラー表示する
構造が提案されている。
【0016】前記刊行物2.のカラー表示装置は、図2
2に示すように、黄色の2色性色素を溶解した液晶層2
1Yと、マゼンタ色の2色性色素を溶解した液晶層21
Mと、シアン色の2色性色素を溶解した液晶層21Cと
を、3層に積層した構造を有する。
【0017】各液晶層21Y,21M,21Cは、4枚
のガラス基板22、23、24、25により、順次に挟
まれた構造とされ、各ガラス基板の液晶層側には、光透
過方向に直交する方向に複数の画素を形成するように、
複数に分割された透明電極26aおよび26b、27a
および27b、28aおよび28bが形成されている。
一つの画素は、光透過方向に3層に積層される、黄、マ
ゼンタ、シアンの3色のゲストホストモード液晶層によ
り構成され、透明電極26aおよび26b間、透明電極
27aおよび27b間、透明電極28aおよび28b間
への印加電圧が制御され、前記3層からなる画素の表示
色が減色混合されて、カラー表示される。
【0018】この図22の表示方式は、色再現範囲は広
く、フルカラー表現が可能である。しかし、各色の画素
がガラス基板により離れているので、図22において、
例えば矢印ARで示す斜め方向から表示画面を見た場合
に、視差の発生のために、ずれが生じ、解像度を上げる
ことができない。
【0019】また、ガラス基板の枚数が多いために重量
がかさむ、中間の液晶層パネルの駆動が困難、作成プロ
セスが困難であるなどの欠点がある。
【0020】さらに、画素の駆動を薄膜トランジスタ
(TFT)等で行った場合には、配線等により1層当た
りの画素の開口率が小さくなるが、前記図22の表示装
置では、3層がガラス基板により離れているために、斜
め入射の光に対しては、液晶層パネルの透過率は、1層
当たりの開口率の3乗に比例することになる。このた
め、実際には、全体としての表示パネルの反射率は、か
なり小さくなってしまい、反射型のディスプレイには応
用が困難であった。
【0021】これに対して、ゲストホスト方式の液晶層
パネルを2枚積層して、フルカラー表現を可能にする表
示装置が、特表平3−501064号公報に示されてい
る。この公報に示されている表示装置は、図23に示す
ように、第1の液晶層31と、第2の液晶層32におい
て、1画素がそれぞれ平面的に区分されて配列されてい
る3個の副画素からなるように構成されているが、1画
素は、2色の副画素からなるものとされている。
【0022】図23では、第1の液晶層31は、1画素
を構成する3個の副画素のうち1個の副画素が緑の2色
性色素を溶解した液晶層31Gで構成され、他の2個の
副画素が赤の2色性色素を溶解した液晶層31Rで構成
される。また、第2の液晶層32は、1画素を構成する
3個の副画素のうち1個の副画素が緑の2色性色素を溶
解した液晶層32Gで構成され、他の2個の副画素が青
の2色性色素を溶解した液晶層32Bで構成される。そ
して、緑の2色性色素を溶解した液晶層31Gと32G
とが、光透過方向に並ばないように構成されている。
【0023】図23において、33、34および35は
ガラス基板である。また、36は反射板である。さら
に、37、38は共通透明電極、39は副画素単位に配
設されている透明電極である。
【0024】以下の説明において、液晶層31Gを第1
層の緑領域31G、液晶32Gを第2層の緑領域32
G、液晶層31Rを赤領域31R、液晶層32Bを青領
域32Bと、それぞれ呼ぶことにする。
【0025】図23の構成の表示装置によれば、赤、
緑、青の単色の表示時における各色の特定波長の光が1
画素を透過する面積(以下、色面積率Tcという)を2
/3にでき、また、黄、マゼンタ、シアンの分光反射率
を1/3にすることができる。
【0026】例えば、画素を赤にする場合を例にとる
と、図24に示すようになる。すなわち、この場合、図
24Aに示すように、第1の液晶層31の赤領域31R
は赤着色状態(図ではRと記載する。以下、同じ)に制
御し、緑領域31Gは緑着色状態(図ではGと記載す
る。以下、同じ)に制御する。また、第2の液晶層32
の緑領域32Gは透明状態(図ではTと記載する。以
下、同じ)に制御し、青領域32Bの第1の液晶層31
の赤領域31Rと重なる副画素部分は透明状態に制御
し、緑領域31Gと重なる副画素部分は青着色状態(図
ではBと記載する。以下、同じ)に制御する。
【0027】このように副画素を着色制御すれば加法混
色により、1画素を構成する3の副画素は、図24Bに
示すように、赤、赤、黒となり、1画素は赤に着色され
る。すなわち、1画素の面積の2/3が赤表示の領域に
なり、光波長に対する色面積率Tcとの関係は、図24
Cに示すように表される。緑および青の単色についても
同様である。
【0028】次に、画素をマゼンタ色に着色する場合を
説明すると、図25に示すようになる。すなわち、この
場合、図25Aに示すように、第1の液晶層31の赤領
域31Rは赤着色状態に制御し、緑領域31Gは透明状
態に制御する。また、第2の液晶層32の緑領域32G
は透明状態に制御し、青領域32Bは青着色状態に制御
する。
【0029】このように副画素を着色制御すれば加法混
色により、1画素を構成する3の副画素は、図25Bに
示すように、赤、黒、青となる。したがって、色面積率
がそれぞれ1/3の赤の副画素と青の副画素の加法混色
により1画素はマゼンタ色に着色される。このときの、
光波長に対する色面積率Tcとの関係は、図25Cに示
すように表され、色面積率Tcは1/3となる。黄およ
びシアンについても同様である。
【0030】
【発明が解決しようとする課題】以上のように、特表平
3−501064号公報に示される表示装置は、1層の
液晶層を、赤、緑、青の副画素に分割した構成(赤、
緑、青の色面積率は1/3)に比べて、赤、緑、青の各
色光の透過率は、2倍になり、図23に示したように、
反射板36を液晶表示パネルの下に設けた反射型ディス
プレイとした場合にも、広い色再現範囲を表示すること
ができる。
【0031】しかし、赤、緑、青の各色の色面積率は1
画素の2/3であり、1画素分となっていない。また、
黄、マゼンタ、シアンの各色の色面積率は、従来例と変
わらず、1/3であるので、暗いという問題がある。こ
のため、特に、バックライト使用しない反射型ディスプ
レイに用いた場合には、明度が高い黄色の表示では鮮や
かな表示ができないという問題がある。
【0032】この発明の目的は、新規な色配置構成によ
り、1画素での分光透過率を向上させ、色再現範囲をよ
り広げるとともに、鮮やかで明るいフルカラー表示が可
能な表示装置を提供することである。
【0033】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、この発明による表示装置は、白色光透過率が電気信
号により変化して、表示色の濃度が変化するように構成
された第1の着色フィルタ手段と、前記第1の着色フィ
ルタ手段に対して光透過方向に積層され、白色光透過率
が電気信号により変化して、前記第1の着色フィルタ手
段の表示色と補色関係の表示色の濃度が変化するように
構成された第2の着色フィルタ手段と、前記第1の着色
フィルタ手段または前記第2の着色フィルタ手段の一方
における前記白色光透過率を3段階以上に制御し、他方
における白色光透過率を2段階以上に制御するように前
記第1の着色フィルタ手段および前記第2の着色フィル
タ手段に前記電気信号を供給する制御手段とを備えるこ
とを特徴とする。
【0034】
【作用】以上の構成の表示装置においては、制御手段に
より第1の着色フィルタ手段および第2の着色フィルタ
手段の白色光透過率が制御されて、両方の表示色の濃度
が共に最低とされると、つまり、着色フィルタ手段が共
に、透明とされれば、加法混色により透明(白)が表示
され、両方の表示色の濃度が共に最高にされると、補色
の加法混色により黒が表示される。
【0035】そして、それぞれの表示色の分光透過率が
等しくなるように、2つの着色フィルタ手段の白色光透
過率を連続的に制御すれば、表示色は、白から黒へ、無
彩色が段階的に変化して表示される。ここで、段階的な
変化には、無段階つまり連続的な変化も含むものとす
る。
【0036】また、制御手段による制御により一方の着
色フィルタ手段の表示色の濃度が最低とされて、透明状
態とされ、他方の着色フィルタ手段の表示色が段階的に
濃度制御されると、前記他方の着色フィルタ手段の表示
色に白を混色させた状態の階調表示が行われる。
【0037】また、第1および第2の着色フィルタ手段
の表示色が、互いに補色関係にあり、光波長に対する吸
収と透過の特性が、第1の着色フィルタ手段と、第2の
着色フィルタ手段とでは逆になることから、例えば、一
方の着色フィルタ手段の表示色の濃度を最高にして着色
状態にし、他方の着色フィルタ手段の表示色の濃度を段
階的に変化させると、一方の着色フィルタ手段の表示色
の波長の透過率が、前記濃度変化に応じて段階的に変化
し、一方の着色フィルタ手段の表示色の明るさが制御さ
れるものである。
【0038】
【発明の実施の形態】以下、この発明による表示装置の
いくつかの実施の形態を、図を参照しながら説明する。
【0039】第1の実施の形態は、第1の着色フィルタ
手段および第2の着色フィルタ手段の互いに補色関係の
表示色が、緑とマゼンタである場合の例である。そし
て、この第1の実施の形態においては、着色フィルタ手
段として、2色性色素を液晶に混合し、ゲストホストモ
ードで作用するものを使用するとともに、透過率を最大
にするために、特公平3−52843号公報に示され
た、液晶ドロップレットを樹脂に分散させたPDLC
(Polymer Dispersed Liquid
Crystal)を用いる。ここで、液晶ドロップレ
ットとは、液晶をカプセル状の収容手段に封入したもの
である。
【0040】ここで、カプセルまたはカプセル状という
用語は、外壁面と内壁面とを持つ殻状の収容体のみを意
味するものではなく、媒体材料の連続ウエブまたはシー
ト内に形成された空洞を含む意味に用いられている。
【0041】前記特公平3−52843号公報に示され
た液晶構成体は、湾曲面を有するカプセル状の収容手段
に、誘電異方性が正のネマティック液晶材料が封入され
たものを、例えばポリビニルアルコールなどの支持基材
により支持して、液晶粒の集合層を形成したものであ
る。この液晶粒の集合層に対して電界がかけられないと
きには、カプセルの湾曲面により液晶材料の配向が影響
を受けて、光の散乱が増大し、不透明状態になり、電界
がかけられるときには、液晶材料が電界に応じて配向
し、光の散乱を排除して透明状態を生じさせる。
【0042】液晶材料に2色性色素を混合し、液晶分子
の配向が2色性色素の回転配向を生じさせるようにすれ
ば、光の吸収特性を大きく変化させることができる。す
なわち、電圧無印加の状態では、前述したように液晶ド
ロップレット内の液晶分子の配向は、各ドロップレット
間で異なり、PDLCの層全体では、液晶はランダムに
配向していることと同等となるので、色素も同様にラン
ダム配向となり、PDLC層は、着色状態となる。そし
て、PDLC層と垂直に電圧を印加すると、液晶分子と
2色性色素は、層と垂直に配向し、透明状態になる。
【0043】この特公平3−52843号公報の技術に
よれば、偏光板は不要であり、偏光板による明るさの低
減を回避して高輝度の表示装置を実現することができ
る。
【0044】図1は、この発明による表示装置の第1の
実施の形態の基本的構成を説明するための断面図を示す
ものである。この第1の実施の形態の表示装置は、互い
に、定められた距離づつ隔てられて平行に配された3枚
のガラス基板41、42、43が、例えば10μm程度
のスペーサを分散させたシール剤44、45により固定
されて、2層に積層したセルの構造とされている。各層
のセルがそれぞれ着色フィルタ手段を構成する。
【0045】3枚のガラス基板41、42、43の互い
に対向する面には、ITO膜(酸化インジウム膜)から
なる透明電極46、47、48、49が設けられてい
る。
【0046】そして、2層のセルの上側のセル51に
は、緑の分光濃度が1.2となるように調整した2色性
色素を混合したネマティック液晶(例えば、Merck
ZLI−1840)をポリビニルアルコールを媒体と
してカプセル状とした液晶ドロップレット50gを、や
はりポリビニルアルコールを媒体50Pyとして充填す
る。この例の場合、緑の分光濃度が1.2となるように
調整した2色性色素としては、例えば三井東圧化学株式
会社製の色素M−361とM−403とを1:2の割合
で混合したものを用いた。以上により、セル51は、表
示色が緑の着色フィルタ手段として構成される。
【0047】また、2層のセルの下側のセル52には、
2色性色素としてマゼンタ色素を混合したネマティック
液晶(例えば、Merck ZLI−1840)をポリ
ビニルアルコールを媒体としてカプセル状とした液晶ド
ロップレット50mを、やはりポリビニルアルコールを
媒体50Pyとして充填する。この例の場合、マゼンタ
色素としては、例えば三井東圧化学株式会社製の色素M
−618を、その分光濃度が1.2となるように調整し
たものを用いた。以上により、セル52は、表示色がマ
ゼンタの着色フィルタ手段として構成される。
【0048】そして、透明電極46と透明電極47との
間に、上側のセル51の層に垂直に電圧を印加するため
の電圧源53が接続され、また、透明電極48と透明電
極49との間に、下側のセル52の層に垂直に電圧を印
加するための電圧源54が接続される。この場合、電圧
源53および54は、出力電圧値を零から、連続的に可
変できるものである。
【0049】そして、電圧源53および54の出力電圧
値の変化に応じて、セル51では緑の表示色の濃度が変
化し、セル52ではマゼンタの表示色の濃度が変化す
る。
【0050】例えば、セル52に対する電圧源54から
の印加電圧の変化に応じた、当該セル52の透過スペク
トル変化を図2に示す。また、このときの、このセル5
2における光吸収波長λgでの光透過率の、当該セル5
2に対する印加電圧依存性を示す特性曲線を図3に示
す。
【0051】この図2および図3からわかるように、セ
ル52では、印加電圧に応じて、前記の液晶カプセル内
に混合された2色性色素により、緑色光の波長λgの透
過率が変化する。セル52では、青および赤の光の透過
率は「1」であるので、図2において、緑色光の成分の
透過率の変化は、破線W1,W2,W3…で示すよう
に、白色光透過率の変化を意味する。
【0052】したがって、セル52では、その表示色で
あるマゼンタの濃度が、印加電圧に応じて白色光透過率
が変化することにより、変化する。
【0053】緑の着色フィルタ手段としてのセル51の
場合には、電圧源53からの印加電圧に応じて、前記の
液晶カプセル内に混合された2色性色素により、青およ
び赤の波長の透過率が変化する。したがって、上述のマ
ゼンタの場合と同様にして、電圧源53からの印加電圧
の変化に応じて、セル51の白色光透過率が変化するこ
とにより、その表示色である緑の濃度が変化することに
なる。
【0054】次に、この第1の実施の形態の表示装置で
表示される表示色について説明する。
【0055】まず、電圧源53および54の出力電圧値
が、共に零であるときには、各セル51、52では、2
色性色素による吸収が生じ、セル51は緑色の最も濃い
濃度となり、また、セル52はマゼンタ色の最も濃い濃
度となり、加法混色により、表示装置は、黒を表示す
る。
【0056】また、電圧源53および54の出力電圧値
をそれぞれ所定値以上として、前記の各セル51および
52の液晶カプセル中の2色性色素による吸収がない状
態にすれば、それぞれのセル51および52は、透明と
なり、表示装置としては、白を表示することができる。
【0057】そして、それぞれのセル51、52の表示
色の分光透過率が等しくなるように、2つのセル51、
52の白色光透過率を連続的に制御すれば、表示色は、
白から黒へ、無彩色が段階的に変化して表示される。
【0058】すなわち、色面積率Tcに対するセル51
の透過スペクトル変化は、図4Aに示すように表すこと
ができ、同様に、色面積率Tcに対するセル52の透過
スペクトル変化は、図4Bに示すように表すことができ
るが、白色光透過率の制御により、各波長での2層のセ
ル51、52の加法混色による合成の透過率が、図5に
示すように、等しくなるようにすれば、灰色(グレー)
を表示することができる。こうして、この発明によれ
ば、表示装置として、白から黒まで、無彩色を段階的あ
るいは連続的に変化させることができる。
【0059】次に、表示装置における緑の表示について
説明する。例えばセル52に所定電圧以上の電圧を印加
して、これを図6Bに示すように透明状態とした状態に
おいて、セル51の表示色である緑の濃度を、前述した
ように白色光透過率を変化させることにより、図6Aに
示すように変化させると、表示装置の表示色は、図7に
示すように、緑に白を混色させた場合の階調表示とな
る。
【0060】また、図8Aに示すように、電圧源53の
出力電圧値を零として、セル51を緑の着色状態にした
状態において、図8Bに示すように、セル52の表示色
であるマゼンタの濃度を変化させると、表示装置の表示
色は緑であるが、図9に示すように、その緑の透過率
(明るさ)が当該セル52のマゼンタの濃度に応じて下
がるものとなる。
【0061】表示装置におけるマゼンタの表示は、前述
した緑の表示の場合のセル51および52の制御状態を
まったく逆にすることにより、緑の場合と同様に、白を
混色させた場合の階調表示および明るさの制御が可能に
なる。
【0062】以上のようにして、積層されたセルの2つ
の表示色の色および無彩色の色を階調表示することが可
能になる。この場合に、2つのセルの表示色を補色とし
たことにより、積層パネルとしての表示装置としては、
各セルの表示色の色相を変化させることなく、容易に中
間調表示ができるものである。
【0063】なお、図1に示した2層のセル51、52
の白色光透過率を制御するためにガラス基板に設けた透
明電極46および49を、表示パネルの光透過方向に直
交する方向に、かつ、互いに同一形状および同一ピッチ
で、平面的にマトリクス状に多数個に分割し、各分割電
極により、それぞれの白色光透過率が制御可能となる光
透過方向に並ぶ2層部分を1画素とすることにより、多
数の画素からなる表示装置を実現することができる。こ
の場合に、中間のガラス基板42の両面に設けられる透
明電極は、分割する必要はなく、対向する分割電極に対
する共通電極とされる。
【0064】各画素を構成する2層の液晶セル部分に対
しては、上述とまったく同様にして独立に電圧印加制御
が可能に構成される。この場合、各画素を構成する2層
の液晶セルのそれぞれに対する印加電圧は、各画素位置
に表示しようとする表示色に応じた電圧とされる。この
ように構成することにより、各画素の表示色として、そ
れぞれのセルの表示色と、黒と、白との4色のカラー表
示ができる表示装置が実現できる。
【0065】この第1の実施の形態の表示装置において
は、図4から明らかなように、各着色フィルタ手段とし
てのセル51および52の表示色の単色表示では、色面
積率が「1」である。
【0066】これに対して、例えば図10に示した従来
の表示装置では、黒のゲストモストモードの液晶セル5
5と、この液晶セルに対して平面的に2分割して配置し
た緑およびマゼンタのカラーフィルタ55Gおよび55
Mとを組み合わせた表示装置の場合には、緑とマゼンタ
の単色表示では色面積率は、1/2になる。
【0067】したがって、例えば反射板を表示装置の下
側に設けた反射型ディスプレイとした場合、図1に示し
た第1の実施の形態の表示装置の場合には、単色表示で
の反射率が、図10の表示装置の場合の2倍になり、鮮
やかな色彩が得られる。
【0068】また、バックライトを用いる透過型ディス
プレイの場合であっても、バックライトの輝度は低くて
良いので、低消費電力とすることができる。
【0069】なお、図10において、56u,56dは
ガラス基板、57u,57dは透明電極、58u,58
dは配向膜である。
【0070】以上の例は、4色表示の表示装置の場合で
あるが、次に、この発明の第2の実施の形態として、フ
ルカラー表示の表示装置の場合について説明する。
【0071】この第2の実施の形態は、基本的には第1
の実施の形態の構造と同様の構成を備えるものである
が、複数画素からなる表示パネルを構成するために平面
的にマトリクス状に配列される画素の1画素が、3個の
副画素により構成されるものである。
【0072】図11は、その1画素の断面図で、61は
上側ガラス基板、62は中間ガラス基板、63は下側ガ
ラス基板、64は反射層である。上側ガラス基板61お
よび下側ガラス基板63の中間ガラス基板62との対向
面側には、それぞれ副画素となる色領域に対応する大き
さに分割された、ITO膜(酸化インジウム膜)からな
る分割透明電極65および66が、上側ガラス基板61
と、下側ガラス基板63とで、互いに光透過方向に同じ
位置に整列するように設けられる。
【0073】中間ガラス基板62の、それぞれ上側ガラ
ス基板61と下側ガラス基板63とに対向する両面に
は、前記の複数の分割透明電極65に共通の、ITO膜
(酸化インジウム膜)からなる透明電極67および68
が設けられる。
【0074】そして、上側ガラス基板61と中間ガラス
基板62との間に、後述するような3種の液晶層を含む
上側層71が設けられ、また、下側ガラス基板63と中
間ガラス基板62との間に、後述するような3種の液晶
層を含む下側層72が設けられる。
【0075】そして、上側ガラス基板61の分割透明電
極65の一つと、これに対向する下側ガラス基板63の
分割透明電極66の一つとで、挟まれる上側層71部分
と、下側層72部分との組により一つの副画素が形成さ
れるように構成される。そして、表示パネル構成を示す
図12にも示すように、表示パネルの、例えば水平方向
に並ぶ3個の副画素を1画素として構成する。
【0076】そして、この第2の実施の形態において
は、図11に示すように、上側層71としては、赤の2
色性色素を混合する液晶層71Rと、緑の2色性色素を
混合する液晶層71Gと、青の2色性色素を混合する液
晶層71Bとが、水平方向に順次繰り返し設けられた層
とされている。
【0077】下側の液晶層72は、上側の液晶層71と
補色関係にあるように構成されるため、下側層72とし
ては、上側の液晶層71Rと組となって一つの副画素を
構成するのは、シアンの2色性色素を混合する液晶層7
2Cとされ、上側の液晶層71Gと組となって一つの副
画素を構成するのは、マゼンタの2色性色素を混合する
液晶層72Mとされ、上側の液晶層71Bと組となって
一つの副画素を構成するのは、黄の2色性色素を混合す
る液晶層72Yとされる。
【0078】以下の説明においては、液晶層71Rと液
晶層72Cとの組み合わせの副画素を赤/シアン副画素
R/C、液晶層71Gと液晶層72Mとの組み合わせの
副画素を緑/マゼンタ副画素G/M、液晶層71Bと液
晶層72Yとの組み合わせの副画素を青/黄副画素B/
Yと呼ぶことにする。
【0079】液晶層71R,71G,71B,72C,
72B,72Yのそれぞれは、第1の実施の形態の場合
と同様に、2色性色素を混合したネマティック液晶(例
えば、Merck ZLI−1840)をポリビニルア
ルコールを媒体としてカプセル状とした液晶ドロップレ
ットDpを、樹脂Pyに分散させて構成される。
【0080】また、各副画素R/C,G/M,B/Yを
構成する液晶層71R,71G,71B,72C,72
B,72Yのそれぞれへの電圧印加の制御は、図12に
示すように、ガラス基板61および63上に形成された
TFT(薄膜トランジスタ)80のアクティブマトリク
ス回路および、これを駆動する外部回路により行う。
【0081】すなわち、図12に示すように、各副画素
の電極65または66に対してはTFT80のソース電
極が接続される。そして、表示パネルの垂直方向に同位
置で、水平方向に並ぶすべての副画素のTFT80のゲ
ート電極は共通に接続され、ライン方向の駆動信号が供
給されるゲートライン81の一つにそれぞれ接続され
る。
【0082】また、表示パネルの水平方向に同位置で、
垂直方向に並ぶ画素を構成する副画素のTFT80のド
レインは、図12に示すように、それぞれデータライン
に接続される。この場合、データラインは、3個の副画
素の上側の層用のライン82R,82G,82Bと、3
個の副画素の下側の層用のライン83C,83M,83
Yとからなる。そして、赤/シアン副画素R/CのTF
T80のドレインは、ライン82Rおよび83Cに、緑
/マゼンタ副画素G/MのTFT80のドレインは、ラ
イン82Gおよび83Mに、青/黄副画素B/YのTF
T80のドレインは、ライン82Bおよび83Yに、そ
れぞれ接続される。
【0083】データライン82R,82G,82Bと、
83C,83M,83Yの組には、1画素を表示するた
めの、画素ごとの赤、緑、青のドライブ信号およびシア
ン、マゼンタ、黄のドライブ信号が供給される。これら
赤、緑、青のドライブ信号およびシアン、マゼンタ、黄
のドライブ信号は、カラー表示を行うための画素データ
から生成される。
【0084】次に、この第2の実施の形態の表示パネル
の製法について説明する。
【0085】この第2の実施の形態では、2色性色素を
混合した、正の誘電異方性を有するネマティック液晶
(ZLI−1840)に、ポリビニルアルコールおよび
純水を混合させ、そして、十分混合させることにより、
数μmの大きさの懸濁粒子よりなる乳濁液を得る。これ
を、ガラス基板61上のアクティブマトリクス回路基板
上に、例えばスクリーン印刷により塗布する。
【0086】まず、赤の2色性色素を含む前記乳濁液
を、分割透明電極65、66のピッチに合わせて、1画
素ごとにストライプ状に塗布する。これを、例えばホッ
トプレート上で加熱することにより乾燥させことによ
り、ポリビニルアルコールを硬化させる。これにより、
赤の2色性色素を含む液晶ドロップレットDpを樹脂P
yに分散した液晶層71Rを形成する。
【0087】次に、緑の2色性色素を含む前記乳濁液
を、前記液晶層71Rに隣接して、同様に塗布して、緑
の2色性色素を含む液晶ドロップレットDpを樹脂Py
に分散した液晶層71Gを形成し、最後に、青の2色性
色素を含む前記乳濁液を、前記液晶層71Gに隣接し
て、同様に塗布して、青の2色性色素を含む液晶ドロッ
プレットDpを樹脂Pyに分散した液晶層71Bを形成
する。以上により、基板61上に、赤、緑、青を1組と
して、これを繰り返し配列した上側層71を形成する。
【0088】次に、シアン、マゼンタ、黄をそれぞれ含
む前記のようなネマティック液晶の乳濁液を作成し、上
側層71と同様にして、ガラス基板63上のアクティブ
マトリクス基板上に、順次にシアン、マゼンタ、黄の2
色性色素を含む液晶ドロップレットDpを樹脂Pyに分
散した液晶層72C,72M,72Yを形成して、下側
層72を形成する。
【0089】この上側層71と、下側層72とを、表裏
両面に透明電極67、68を形成したガラス基板62を
挟んで貼り合わせることにより、透過型表示パネルを形
成することができる。そして、図11に示すように、下
側ガラス基板63の下側に、さらに反射層64を設ける
ことにより、反射型ディスプレイを構成することができ
る。
【0090】貼り合わせに際しては、上側層71の液晶
層の表示色と、下側層72の液晶層の表示色とが、互い
に補色関係となるように位置合わせを行う。なお、中間
基板62上の透明電極67、68は、分割透明電位65
および66に対する共通電極であるので、パターニング
および貼り合わせの際の位置合わせ精度は必要としな
い。
【0091】この第2の実施の形態において、2色性色
素としては、すべて三井東圧化学株式会社製の材料を用
いた。すなわち、赤の色素にはM−86を、緑の色素に
はM−361とM403との混合を、青の色素にはSI
−497を、シアンの色素にはM403を、マゼンタの
色素にはM618を、黄の色素にはSI−209を、そ
れぞれ用いた。
【0092】また、アクティブ・マトリクスには、a−
Si(アモルファスシリコン)型TFTを用いて構成す
る。なお、開口率を上げるために、poly−Si(ポ
リシリコン)型TFTや、CdSe(カドミウムセレ
ン)型TFTを用いたり、また、2端子素子であるMI
Mダイオードなどを用いてもよい。
【0093】以上のように構成したこの第2の実施の形
態のカラー表示装置によれば、赤/シアン副画素R/
C、緑/マゼンタ副画素G/M、青/黄副画素B/Yの
各副画素では、上述した第1の実施の形態の説明から容
易に理解されるように、それぞれ積層された2層の2つ
の表示色の色および無彩色の色を階調表示することが可
能になるとともに、各層の表示色の色相を変化させるこ
となく、容易に中間調表示ができる。このため、3つの
副画素の加法混色により、中間調表示も可能な降るカラ
ー表示ができるものである。
【0094】その上、従来の表示装置に比べて、高輝度
で、鮮やかな色表現を行うことできる。例えば、1画素
を赤色に表示する場合には、図13Aに示すように、液
晶層71Rは赤の着色状態、液晶層72Cは透明とし
て、赤/シアン副画素R/Cは赤となるようにする。ま
た、液晶層71Gは透明、液晶層72Mはマゼンタの着
色状態として、緑/マゼンタ副画素G/Mはマゼンタと
なるようにする。さらに、液晶層71Bは透明、液晶層
72Yは黄の着色状態として、青/黄副画素B/Yは黄
となるようにする。
【0095】このようにすれば、マゼンタと黄は、赤を
含むために、図13Bに示すように、赤の特定波長の透
過する面積は、1画素の面積に等しくなり、色面積率は
1となる。このため、従来に比べて、鮮やかな赤表示が
可能になる。
【0096】緑については、図14Aに示すように、緑
/マゼンタ副画素G/Mは緑、赤/シアン副画素R/C
は緑を含むシアン、青/黄副画素B/Yは緑を含む黄と
することにより、図14Bに示すように、緑の特定波長
の透過する面積は、1画素の面積に等しくなり、色面積
率Tcは1となるため、鮮やかな緑表示が可能になる。
【0097】青については、図15Aに示すように、青
/黄副画素B/Yは青、赤/シアン副画素R/Cは青を
含むシアン、緑/マゼンタ副画素G/Mは青を含むマゼ
ンタとすることにより、図15Bに示すように、青の特
定波長の透過する面積は、1画素の面積に等しくなり、
色面積率Tcは1となって、鮮やかな青表示が可能にな
る。
【0098】また、例えばシアンは、図16Aに示すよ
うに、赤/シアン副画素R/Cはシアン、緑/マゼンタ
副画素G/Mは緑、青/黄副画素B/Yは青とする。青
と緑は加法混色によりシアンとなるので、図16Bに示
すように、シアンの色面積率は2/3となり、高い透過
率が得られる。
【0099】また、マゼンタは、図17Aに示すよう
に、赤/シアン副画素R/Cは赤、緑/マゼンタ副画素
G/Mはマゼンタ、青/黄副画素B/Yは青とする。青
と赤は加法混色によりマゼンタとなるので、図17Bに
示すように、マゼンタの色面積率は2/3となり、高い
透過率が得られる。
【0100】また、黄は、図18Aに示すように、赤/
シアン副画素R/Cは赤、緑/マゼンタ副画素G/Mは
緑、青/黄副画素B/Yは黄とする。赤と緑は加法混色
により黄となるので、図18Bに示すように、黄の色面
積率は2/3となり、高い透過率が得られる。
【0101】従来技術の欄で説明した特表平3−501
064号の表示装置の場合には、赤、緑、青の色表示の
場合の色面積率は、2/3であり、また、シアン、マゼ
ンタ、黄の色面積率は1/3であるの比べて、上述した
第2の実施の形態の表示装置によれば、赤、緑、青の色
表示では、1、5倍、シアン、マゼンタ、黄の色表示で
は、2倍になり、各色を高輝度で表示することが可能に
なる。
【0102】以上のようにして、1画素を3個の副画素
に平面的に1/3に分割していながら、それぞれの色の
透過率(色面積率)は、2/3〜1と大きくとることが
でき、すべてのカラー表示色において、透過率の高い表
示を行うことできる。また、偏光板を必要としないため
に、透過率を低下させることもない。
【0103】したがって、図11に示したように、反射
板64を備える反射型ディスプレイの構成とした場合に
も、反射率を高くとることができるために、鮮やかなフ
ルカラー表示が得られ、特に、明度の高い黄色も鮮やか
に表示できる。
【0104】また、図19に示すように、下側ガラス基
板63の下側にバックライト光源90を設けた透過型デ
ィスプレイの構成とした場合にも、このバックライト光
源90の輝度は低くてよい。このため、バックライト光
源90の消費電力を低く押さえることが可能になる。な
お、バックライト光源90は、棒状の光源と、拡散板と
からなり、面光源を構成するものである。
【0105】また、上述の第2の実施の形態の表示装置
においては、中間ガラス基板62のパターニングおよび
プロセスが不要であるために、薄い基板を用いることが
できるので、視差の発生と開口率の低下とを防ぐことが
でき、画素ピッチの高解像度化が可能になる。
【0106】なお、第2の実施の形態では、赤/シアン
副画素R/Cと、緑/マゼンタ副画素G/Mと、青/黄
副画素B/Yとが平面的に配列していれば良いので、
赤、緑、青の層と、シアン、マゼンタ、黄の層とに別れ
ている必要はなく、例えば、上側層71に、赤、マゼン
タ、青の液晶層を配列させ、下側層72に、シアン、
緑、黄の液晶層を配列させるようにしてもよい。
【0107】また、1画素を構成する副画素は、上述の
例のように、3個ではなく、2個でもよく、また、4個
以上であってもよい。
【0108】また、ゲストホスト方式の液晶を用いて着
色フィルタ手段を構成する方法としては、上述の実施の
形態のPDLCを用いるものに限られるものではない。
例えば、ネマティック液晶またはカイラル剤を添加した
コレステリック液晶に2色性色素を混合した構成とした
ものを使用することできる。ただし、この場合には、偏
光板を必要とするとともに、フルカラー表示装置の場合
に、異なる色領域間に壁を設けて色素が互いに拡散しな
いような構造とする必要がある。
【0109】さらに、この場合に、偏光板による透過率
の低下を防ぐためには、ホワイト・テイラーモードとす
ることが望ましいが、この場合には、中間調を表示する
ことができなくなる。さらに、壁を設けることは製造プ
ロセスが複雑となる、壁により、画素の開口率が小さく
なるなどの問題がある。
【0110】これに対して、上述した第1および第2の
実施の形態の場合のように、高分子中に液晶ドロップレ
ットを分散させたPDLCを用いた場合には、液晶ドロ
ップレットは互いに独立しているため、色素の拡散の防
止のための壁を設けなくても、副画素を互いに接して配
置することができる。このため、壁による開口率の低下
をなくすことができる。また、壁を設けるプロセスが不
要のために、前述したような簡単な製法で、表示装置を
構成することができる。
【0111】また、着色フィルタ手段は、上述の例のよ
うな、液晶に2色性色素を混合してゲストホストモード
で使用するものに限られるものではない。例えば、エレ
クトロクロミック素子を用いて構成することもできる。
【0112】
【発明の効果】以上説明したように、この発明によれ
ば、積層された2個の着色フィルタ手段のそれぞれの表
示色を補色とすることで、それぞれの表示色の色および
無彩色の色を階調表示することが可能になる。
【0113】そして、積層された2層の着色フィルタ手
段により構成される1画素を、2層の表示色の組み合わ
せが異なる複数個の副画素で構成することで、容易な混
色制御が可能になる。特に、1画素を赤/シアン、緑/
マゼンタ、青/黄の3個の副画素で構成した場合には、
画素を3分割するにもかかわらず、高い光透過率でフル
カラー表示を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明による表示装置の一実施の形態の原理
的構成を示す図である。
【図2】図1の実施の形態における一方の着色フィルタ
手段の透過スペクトルの例を示す図である。
【図3】図1の実施の形態における一方の着色フィルタ
手段の特定波長の透過率の印加電圧依存性を説明するた
めの図である。
【図4】図1の実施の形態における第1および第2の着
色フィルタ手段の透過率を説明するための図である。
【図5】図1の実施の形態における無彩色の表示制御を
説明するための図である。
【図6】図1の実施の形態における一方の着色フィルタ
手段の表示色の濃度制御を説明するための図である。
【図7】図1の実施の形態における一方の着色フィルタ
手段の表示色の濃度制御状態を説明するための図であ
る。
【図8】図1の実施の形態における一方の着色フィルタ
手段の表示色の明るさ制御を説明するための図である。
【図9】図1の実施の形態における一方の着色フィルタ
手段の表示色の明るさ制御を説明するための図である。
【図10】図1の実施の形態の表示装置と比較する従来
の表示装置の例を示す図である。
【図11】この発明による表示装置の第2の実施の形態
の1画素分の構成例を示す断面図である。
【図12】第2の実施の形態の表示装置の表示駆動方式
の例を説明するための図である。
【図13】第2の実施の形態の表示装置の赤表示の場合
を説明するための図である。
【図14】第2の実施の形態の表示装置の緑表示の場合
を説明するための図である。
【図15】第2の実施の形態の表示装置の青表示の場合
を説明するための図である。
【図16】第2の実施の形態の表示装置のシアン表示の
場合を説明するための図である。
【図17】第2の実施の形態の表示装置のマゼンタ表示
の場合を説明するための図である。
【図18】第2の実施の形態の表示装置の黄表示の場合
を説明するための図である。
【図19】この発明による表示装置の第2の実施の形態
を透過型ディスプレイとする場合の1画素分の構成例を
示す断面図である。
【図20】従来の、液晶を用いた表示装置の概略を説明
するための図である。
【図21】従来の表示装置の例の1画素分の構成例を示
す断面図である。
【図22】他の従来の表示装置の構成例を示す断面図で
ある。
【図23】さらに他の従来の表示装置の構成例を示す断
面図である。
【図24】図23の従来例の表示装置の赤表示の場合を
説明するための図である。
【図25】図23の従来例の表示装置のマゼンタ表示の
場合を説明するための図である。
【符号の説明】
41〜43 ガラス基板 46〜49 透明電極 51 第1の着色フィルタ手段の例としての液
晶セル 52 第2の着色フィルタ手段の例としての液
晶セル 50g 緑の2色性色素を含む液晶ドロップレッ
ト 50m マゼンタの2色性色素を含む液晶ドロッ
プレット 61〜63 ガラス基板 65、66 透明電極 71R 赤の2色性色素を含む液晶ドロップレッ
トを含む液晶層 71G 緑の2色性色素を含む液晶ドロップレッ
トを含む液晶層 71B 青の2色性色素を含む液晶ドロップレッ
トを含む液晶層 72C シアンの2色性色素を含む液晶ドロップ
レットを含む液晶層 72M マゼンタの2色性色素を含む液晶ドロッ
プレットを含む液晶層 72Y 黄の2色性色素を含む液晶ドロップレッ
トを含む液晶層 Dp 液晶ドロップレット Py 樹脂

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】白色光透過率が電気信号により変化して、
    表示色の濃度が変化するように構成された第1の着色フ
    ィルタ手段と、 前記第1の着色フィルタ手段に対して光透過方向に積層
    され、白色光透過率が電気信号により変化して、前記第
    1の着色フィルタ手段の表示色と補色関係の表示色の濃
    度が変化するように構成された第2の着色フィルタ手段
    と、 前記第1の着色フィルタ手段または前記第2の着色フィ
    ルタ手段の一方における前記白色光透過率を3段階以上
    に制御し、他方における白色光透過率を2段階以上に制
    御するように前記第1の着色フィルタ手段および前記第
    2の着色フィルタ手段に前記電気信号を供給する制御手
    段とを備える表示装置。
  2. 【請求項2】前記制御手段は、前記第1の着色フィルタ
    手段および前記第2の着色フィルタ手段を透過する白色
    光の透過率を3段階以上に制御するように、前記第1の
    着色フィルタ手段および前記第2の着色フィルタ手段に
    電気信号を供給することを特徴とする請求項1に記載の
    表示装置。
  3. 【請求項3】前記第1の着色フィルタ手段または前記第
    2の着色フィルタ手段は、2色性色素を含む液晶素子が
    用いられて構成されることを特徴とする請求項1に記載
    の表示装置。
  4. 【請求項4】前記第1の着色フィルタ手段または前記第
    2の着色フィルタ手段は、エレクトロクロミック素子が
    用いられて構成されることを特徴とする請求項1に記載
    の表示装置。
  5. 【請求項5】前記第1の着色フィルタ手段または前記第
    2の着色フィルタ手段は、2色性色素を含む液晶ドロッ
    プレットを含む樹脂が用いられて構成されることを特徴
    とする請求項1に記載の表示装置。
  6. 【請求項6】前記第1の着色フィルタ手段は、前記光透
    過方向に直交する方向に、複数の領域に区分されると共
    に、前記第2の着色フィルタ手段は、前記第1の着色フ
    ィルタ手段の前記複数の領域のそれぞれに対応するよう
    に、前記光透過方向に直交する方向に、複数の領域に区
    分され、前記第1の着色フィルタ手段および前記第2の
    着色フィルタ手段の前記複数の領域のそれぞれは、前記
    制御手段により、それぞれ独立に、前記白色光透過率が
    制御されるようにされた請求項1に記載の表示装置。
  7. 【請求項7】請求項6に記載の表示装置において、 前記第1の着色フィルタ手段および前記第2の着色フィ
    ルタ手段の前記複数の領域のそれぞれは、領域毎に表示
    色が異なる、少なくとも2色の領域を含み、 前記第1の着色フィルタ手段および第2の着色フィルタ
    手段の光透過方向に積層関係となる位置の前記領域の組
    の表示色は、互いに補色関係とされることを特徴とする
    表示装置。
  8. 【請求項8】前記第1の着色フィルタ手段および第2の
    着色フィルタ手段の光透過方向に積層関係となる位置の
    前記領域の組を一つの画素として画像表示することを特
    徴とする請求項6または請求項7に記載の表示装置。
  9. 【請求項9】前記第1の着色フィルタ手段および第2の
    着色フィルタ手段の光透過方向に積層関係となる位置の
    前記領域の組を一つの副画素とし、一つの画素を、少な
    くとも前記領域の組が、赤とシアンの組、緑とマゼンタ
    の組、青と黄の組で着色される3つの前記副画素を含む
    複数の前記副画素で構成したことを特徴とする請求項7
    に記載の表示装置。
  10. 【請求項10】前記第1の着色フィルタ手段または前記
    第2の着色フィルタ手段の一方の側に光源を配置したこ
    とを特徴とする請求項1〜請求項9のいずれかに記載の
    表示装置。
  11. 【請求項11】前記第1の着色フィルタ手段または前記
    第2の着色フィルタ手段の一方の側に反射板を配置した
    ことを特徴とする請求項1〜請求項9のいずれかに記載
    の表示装置。
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