JPH09184821A - 窒素酸化物センサ素子 - Google Patents
窒素酸化物センサ素子Info
- Publication number
- JPH09184821A JPH09184821A JP7352373A JP35237395A JPH09184821A JP H09184821 A JPH09184821 A JP H09184821A JP 7352373 A JP7352373 A JP 7352373A JP 35237395 A JP35237395 A JP 35237395A JP H09184821 A JPH09184821 A JP H09184821A
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- JP
- Japan
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- layer
- oxide
- sensor
- gas
- oxide layer
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Abstract
(57)【要約】 (修正有)
【課題】 高温作動が可能な酸化物電極を用いた窒素酸
化物センサにおける炭化水素ガスあるいはNOガスの干渉
を排除して高温の排気ガス中に直接挿入して使用される
センサを提供する。 【解決手段】 イオン伝導体に一対の電極を設け、その
一方の検知極が酸化物(1)と集電体(3)とから構成
され、両電極間に生ずる起電力によりNOx ガス濃度を検
知するセンサにおいて、当該検知極の当該酸化物層
(1)の外縁に沿って、非イオン伝導体の緻密層の1部
または全部を酸化物層(1)の下に形成する。
化物センサにおける炭化水素ガスあるいはNOガスの干渉
を排除して高温の排気ガス中に直接挿入して使用される
センサを提供する。 【解決手段】 イオン伝導体に一対の電極を設け、その
一方の検知極が酸化物(1)と集電体(3)とから構成
され、両電極間に生ずる起電力によりNOx ガス濃度を検
知するセンサにおいて、当該検知極の当該酸化物層
(1)の外縁に沿って、非イオン伝導体の緻密層の1部
または全部を酸化物層(1)の下に形成する。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば燃焼炉や自
動車エンジン等の燃焼ガス中の窒素酸化物濃度を検出す
るセンサに関し、さらに詳しくは高温の排気ガス中に直
接挿入して使用でき且つNO2 に対して高感度な窒素酸化
物センサに関する。
動車エンジン等の燃焼ガス中の窒素酸化物濃度を検出す
るセンサに関し、さらに詳しくは高温の排気ガス中に直
接挿入して使用でき且つNO2 に対して高感度な窒素酸化
物センサに関する。
【0002】
【従来の技術】各種排気ガス中のNOx ガスの検知は、環
境問題の深刻化とともにその必要性が増してきている。
しかしながら、従来の検知方式は化学発光式あるいは赤
外線吸収式等の方式であり、連続監視や排気ガス中への
直接挿入ができない等の欠点を有しており、さらに装置
が複雑であり高価である。このため、自動車等に搭載す
ることはまず不可能である。このようなことから排気ガ
ス中に直接挿入し、連続監視が可能で小型安価な固体素
子型のNOx センサが望まれており、いくつかの固体素子
型でセンサが研究されているが、未だ実用に耐えるもの
が開発されていないのが現状である。固体素子型のセン
サで研究段階ではあるがこれまで発表されているもので
代表的なものは、イオン伝導体に一対の電極を設けて、
その一方の電極に硝酸塩を用いて副電極を構成したもの
である(例えば特開平4−142455)。これは両極
間に発生する起電力を測る方式であり、副電極を設けて
いない方の電極は基準極として通常大気雰囲気に曝させ
るものである。この起電力型のもので両極を同じ測定対
象雰囲気に曝して使用する簡素化されたタイプのものも
報告されている。しかし、この方式のセンサにあっては
副電極として硝酸塩を使用するため、耐熱性に限界(4
50℃)があること、水蒸気の干渉が大きい等の欠点を
有しておりまた、長期の安定性に不安がある。一方各種
酸化物自体の半導体を利用した電気伝導度変化型のセン
サも考えられている。このタイプのセンサは、酸化物が
NOx ガスに触れることでその電気伝導度が変化すること
を利用したものである。電気伝導度の変化は主として酸
化物表面にNOx ガスが吸着することにより起こるため、
ガスの化学吸着が起きにくい500℃以上の温度ではそ
のセンサ出力は急激に小さくなる欠点を有している。こ
のような従来技術の問題点に鑑み、本発明者等は、先に
検知極を各種の酸化物で構成した起電力型のNOx センサ
を提案し(特願平6−194605、特願平6−216
698、特願平6−216699等)、さらにスピネル
構造を有する酸化物を電極に使用したものがNO2 ガスに
高感度であることを見いだし特許出願した。これらのセ
ンサは、500〜700℃の温度範囲で作動する高温型
のセンサでなおかつ、平面型の簡素化された構造とする
ことが可能であるという特徴を有するものである。しか
しながら、これらのセンサは、用いる酸化物を適宜選択
することで、NOあるいはNO2 単独ガスに十分な感度を有
しているものの、電極に酸化物を使用したことによると
思われる炭化水素ガスの干渉の問題があることが判っ
た。また、電極に用いる酸化物の種類によっては、NOガ
スとNO2 ガスに対するセンサの起電力の変化が逆向きと
なり、一方のガスが他方のガスの干渉ガスとして作用す
るという問題も生じている。この問題に対しては、本発
明者等は、先に上述の酸化物を使用したセンサがCO,CO
2, H2O等の影響を受けないことを利用して、検知極の酸
化物層1の上に炭化水素系のガスを燃焼させる酸化触媒
層5を設ける方法や、検知極の酸化物層1を単一酸化物
層で形成し、その厚みをNOx 検知に必要な最小限の厚さ
以上となし、酸化物層1の表層部で酸化を行わせる方法
を提案した。しかしながら、これらの方式を採用するに
当たって、プロセス技術あるいは製造上のバラツキや設
計上の問題に起因する不具合が生じた。すなわち、単一
酸化物層を用いる場合においては酸化物の膜の外縁部が
薄くなることや、膜側面から十分酸化されない干渉ガス
がイオン伝導体と酸化物の界面に流入し、センサ出力に
影響する。また、特定の酸化触媒層5で酸化物電極全体
を被覆したとしても、触媒層5とイオン伝導体の界面付
近での反応が電気化学的反応であるとやはり干渉ガスの
影響がある。
境問題の深刻化とともにその必要性が増してきている。
しかしながら、従来の検知方式は化学発光式あるいは赤
外線吸収式等の方式であり、連続監視や排気ガス中への
直接挿入ができない等の欠点を有しており、さらに装置
が複雑であり高価である。このため、自動車等に搭載す
ることはまず不可能である。このようなことから排気ガ
ス中に直接挿入し、連続監視が可能で小型安価な固体素
子型のNOx センサが望まれており、いくつかの固体素子
型でセンサが研究されているが、未だ実用に耐えるもの
が開発されていないのが現状である。固体素子型のセン
サで研究段階ではあるがこれまで発表されているもので
代表的なものは、イオン伝導体に一対の電極を設けて、
その一方の電極に硝酸塩を用いて副電極を構成したもの
である(例えば特開平4−142455)。これは両極
間に発生する起電力を測る方式であり、副電極を設けて
いない方の電極は基準極として通常大気雰囲気に曝させ
るものである。この起電力型のもので両極を同じ測定対
象雰囲気に曝して使用する簡素化されたタイプのものも
報告されている。しかし、この方式のセンサにあっては
副電極として硝酸塩を使用するため、耐熱性に限界(4
50℃)があること、水蒸気の干渉が大きい等の欠点を
有しておりまた、長期の安定性に不安がある。一方各種
酸化物自体の半導体を利用した電気伝導度変化型のセン
サも考えられている。このタイプのセンサは、酸化物が
NOx ガスに触れることでその電気伝導度が変化すること
を利用したものである。電気伝導度の変化は主として酸
化物表面にNOx ガスが吸着することにより起こるため、
ガスの化学吸着が起きにくい500℃以上の温度ではそ
のセンサ出力は急激に小さくなる欠点を有している。こ
のような従来技術の問題点に鑑み、本発明者等は、先に
検知極を各種の酸化物で構成した起電力型のNOx センサ
を提案し(特願平6−194605、特願平6−216
698、特願平6−216699等)、さらにスピネル
構造を有する酸化物を電極に使用したものがNO2 ガスに
高感度であることを見いだし特許出願した。これらのセ
ンサは、500〜700℃の温度範囲で作動する高温型
のセンサでなおかつ、平面型の簡素化された構造とする
ことが可能であるという特徴を有するものである。しか
しながら、これらのセンサは、用いる酸化物を適宜選択
することで、NOあるいはNO2 単独ガスに十分な感度を有
しているものの、電極に酸化物を使用したことによると
思われる炭化水素ガスの干渉の問題があることが判っ
た。また、電極に用いる酸化物の種類によっては、NOガ
スとNO2 ガスに対するセンサの起電力の変化が逆向きと
なり、一方のガスが他方のガスの干渉ガスとして作用す
るという問題も生じている。この問題に対しては、本発
明者等は、先に上述の酸化物を使用したセンサがCO,CO
2, H2O等の影響を受けないことを利用して、検知極の酸
化物層1の上に炭化水素系のガスを燃焼させる酸化触媒
層5を設ける方法や、検知極の酸化物層1を単一酸化物
層で形成し、その厚みをNOx 検知に必要な最小限の厚さ
以上となし、酸化物層1の表層部で酸化を行わせる方法
を提案した。しかしながら、これらの方式を採用するに
当たって、プロセス技術あるいは製造上のバラツキや設
計上の問題に起因する不具合が生じた。すなわち、単一
酸化物層を用いる場合においては酸化物の膜の外縁部が
薄くなることや、膜側面から十分酸化されない干渉ガス
がイオン伝導体と酸化物の界面に流入し、センサ出力に
影響する。また、特定の酸化触媒層5で酸化物電極全体
を被覆したとしても、触媒層5とイオン伝導体の界面付
近での反応が電気化学的反応であるとやはり干渉ガスの
影響がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、高温作動が
可能な酸化物電極を用いた窒素酸化物センサにおける実
用上の課題即ち炭化水素ガスあるいはNOガスの干渉の問
題を解決して、高温の排気ガス中に直接挿入して使用で
きる窒素酸化物センサを提供すべくなされたものであ
る。特に、干渉ガスの影響を排除するために上部に触媒
層5を設ける場合や酸化物電極の厚さに冗長性を持たせ
る場合にその効果を確実にすることを目的としたもので
ある。
可能な酸化物電極を用いた窒素酸化物センサにおける実
用上の課題即ち炭化水素ガスあるいはNOガスの干渉の問
題を解決して、高温の排気ガス中に直接挿入して使用で
きる窒素酸化物センサを提供すべくなされたものであ
る。特に、干渉ガスの影響を排除するために上部に触媒
層5を設ける場合や酸化物電極の厚さに冗長性を持たせ
る場合にその効果を確実にすることを目的としたもので
ある。
【0004】
【課題を解決するための手段】図1に本発明者らが干渉
ガスの影響を排除するために提案した従来のNOx センサ
の構成を示す。(a)は単一酸化物層1の厚みに冗長性
を持たせ、その表層部で干渉ガスを酸化させ無害化させ
る方式を採用したもので、(b)は検知極の酸化物層1
の上に酸化触媒層5を積層したものである。(a)の方
式においては検知極の酸化物層1はスパッタリング法や
スクリーン印刷により形成されるが、その際パターンの
外縁部は厚さが薄くなってしまう。厚さが薄くなった外
縁部では干渉ガスを酸化するに十分な表層部の厚さがな
いため、干渉ガスが酸化物層1とイオン伝導体の界面付
近で燃焼し、センサ出力に影響がでる。これは製造プロ
セス技術上の問題であるが不可避の問題である。そこ
で、成膜後に外縁部の厚さが薄い部分や不均一な部分を
トリミングしてしまう方法も考えられるが、例え外縁部
が直角に近い側面となっても、この側面からの干渉ガス
流入の影響があり完全な対策とはならない。一方、
(b)の方式においては検知極の酸化物層1が完全に触
媒層5で覆われるため、このような現象は起こらない
が、通常触媒層5の担体にはアルミナ、チタニア、マグ
ネシアやシリカ等の金属酸化物が使用されるため、イオ
ン伝導体として代表的な安定化ジルコニアとの界面で
は、酸素イオンが介在した燃焼反応あるいは還元反応が
電気化学的反応として生起する可能性がある。実際この
ような現象によると思われるセンサ出力の変化が認めら
れる。
ガスの影響を排除するために提案した従来のNOx センサ
の構成を示す。(a)は単一酸化物層1の厚みに冗長性
を持たせ、その表層部で干渉ガスを酸化させ無害化させ
る方式を採用したもので、(b)は検知極の酸化物層1
の上に酸化触媒層5を積層したものである。(a)の方
式においては検知極の酸化物層1はスパッタリング法や
スクリーン印刷により形成されるが、その際パターンの
外縁部は厚さが薄くなってしまう。厚さが薄くなった外
縁部では干渉ガスを酸化するに十分な表層部の厚さがな
いため、干渉ガスが酸化物層1とイオン伝導体の界面付
近で燃焼し、センサ出力に影響がでる。これは製造プロ
セス技術上の問題であるが不可避の問題である。そこ
で、成膜後に外縁部の厚さが薄い部分や不均一な部分を
トリミングしてしまう方法も考えられるが、例え外縁部
が直角に近い側面となっても、この側面からの干渉ガス
流入の影響があり完全な対策とはならない。一方、
(b)の方式においては検知極の酸化物層1が完全に触
媒層5で覆われるため、このような現象は起こらない
が、通常触媒層5の担体にはアルミナ、チタニア、マグ
ネシアやシリカ等の金属酸化物が使用されるため、イオ
ン伝導体として代表的な安定化ジルコニアとの界面で
は、酸素イオンが介在した燃焼反応あるいは還元反応が
電気化学的反応として生起する可能性がある。実際この
ような現象によると思われるセンサ出力の変化が認めら
れる。
【0005】以上述べた現象は、干渉ガスの酸化反応が
イオン伝導体と電極との界面で電気化学的な過程で進行
するためであると推定される。本発明においては、この
現象を防止するため(a),(b)いずれの方式におい
ても有効な対策を採用する。すなわち、図2に示すよう
に検知極酸化物層1の外縁部、あるいは触媒層5の外縁
部が緻密な非イオン導電性の下地層の上に形成される。
この結果、外縁部から流入した干渉ガスはイオン導電体
と酸化物電極の界面近傍で燃焼することはなく、大部分
は緻密な非イオン導電性層の上部付近で燃焼することに
なり、干渉ガスの影響はなくなる。ここで、下地層とし
て形成される層は非イオン導電性層であることが重要で
ある。すなわち、この下地層がイオン導電性を有する場
合は、下地層表面で電気化学的反応が生じた場合にイオ
ンの化学ポテンシャル変化が基板のイオン導電体に伝わ
る恐れがあり、初期の目的を達成できなくなる。さら
に、下地層が通気性を有しない緻密質であることは、干
渉ガスをイオン伝導体界面に到達させないという要請か
ら必須の要件である。
イオン伝導体と電極との界面で電気化学的な過程で進行
するためであると推定される。本発明においては、この
現象を防止するため(a),(b)いずれの方式におい
ても有効な対策を採用する。すなわち、図2に示すよう
に検知極酸化物層1の外縁部、あるいは触媒層5の外縁
部が緻密な非イオン導電性の下地層の上に形成される。
この結果、外縁部から流入した干渉ガスはイオン導電体
と酸化物電極の界面近傍で燃焼することはなく、大部分
は緻密な非イオン導電性層の上部付近で燃焼することに
なり、干渉ガスの影響はなくなる。ここで、下地層とし
て形成される層は非イオン導電性層であることが重要で
ある。すなわち、この下地層がイオン導電性を有する場
合は、下地層表面で電気化学的反応が生じた場合にイオ
ンの化学ポテンシャル変化が基板のイオン導電体に伝わ
る恐れがあり、初期の目的を達成できなくなる。さら
に、下地層が通気性を有しない緻密質であることは、干
渉ガスをイオン伝導体界面に到達させないという要請か
ら必須の要件である。
【0006】本発明の構成においては下地層が非イオン
導電性であればよいことから、センサの構成上必要であ
る集電体3を金属で形成し、そのまま当該下地層として
利用することが可能である。この構成では、単に従来形
成していた集電体3の形状を変更して図3に示すように
酸化物層1または触媒層5の外縁に沿って形成すればよ
く、従来の工程を変更することなく実施できる点で特に
優位な構成である。集電体3の金属としては、使用環境
で酸化されて好ましくない酸化物を形成することを避け
るため、Pt,Au, Ir, Pd等の貴金属またはその合金材が
適している。一方、高価な貴金属を使用することからコ
スト面や貴金属特有の触媒作用が問題であれば、下地層
をSiO2,Al2O3 等を主材とする化学的に安定なセラミッ
クスあるいはガラスを使用して形成しても良い。
導電性であればよいことから、センサの構成上必要であ
る集電体3を金属で形成し、そのまま当該下地層として
利用することが可能である。この構成では、単に従来形
成していた集電体3の形状を変更して図3に示すように
酸化物層1または触媒層5の外縁に沿って形成すればよ
く、従来の工程を変更することなく実施できる点で特に
優位な構成である。集電体3の金属としては、使用環境
で酸化されて好ましくない酸化物を形成することを避け
るため、Pt,Au, Ir, Pd等の貴金属またはその合金材が
適している。一方、高価な貴金属を使用することからコ
スト面や貴金属特有の触媒作用が問題であれば、下地層
をSiO2,Al2O3 等を主材とする化学的に安定なセラミッ
クスあるいはガラスを使用して形成しても良い。
【0007】下地層と酸化物層1あるいは触媒層5の重
なる部分の幅は、上記目的を達成できる長さがあればよ
く、薄膜プロセスを使用してマイクロ化されたセンサで
は数百ミクロンのオーダーでも効果がある。しかし、本
質的には酸化物層1あるいは触媒層5が、どのような厚
さで、どのような製造方法により形成されるかによって
最適幅が決まることは、上述の説明から明らかである。
従って、最適幅は適宜それぞれのセンサの設計上あるい
は製造上の要求を加味して設定されるべきものである。
なる部分の幅は、上記目的を達成できる長さがあればよ
く、薄膜プロセスを使用してマイクロ化されたセンサで
は数百ミクロンのオーダーでも効果がある。しかし、本
質的には酸化物層1あるいは触媒層5が、どのような厚
さで、どのような製造方法により形成されるかによって
最適幅が決まることは、上述の説明から明らかである。
従って、最適幅は適宜それぞれのセンサの設計上あるい
は製造上の要求を加味して設定されるべきものである。
【0008】
〔実施例1〕図1に実施例のセンサ構造を示す。0.25
×3×50mmのイットリア(8mol%)安定化ジルコニ
ア基板の片面に対向する一対の電極を設け、一方の電極
はNiCr2O3 のスパッタ膜を形成しこれにPt電極を付加し
検知極1とし、他方はPt電極のみの対極2とする。NiCr
2O4 のスパッタ膜はRfスパッタリング装置により作動ガ
スとしてアルゴン−酸素の混合ガスにより成膜した。基
板裏面には自己加熱用のヒーターを設ける。これらの電
極、およびヒーターは各材料の粉末をペースト化し、ス
クリーン印刷により所定形状に印刷した後焼成し形成す
る。この際、検知極1の集電体のPt膜形状を図1のよう
に酸化物層1の一辺にのみ沿って形成したサンプルと、
本発明による酸化物層1の外縁に沿って集電体3を形成
したサンプルの2種類を作製し、比較した。以上のセン
サユニットを500℃の炉中で、センサを650℃に自
己加熱しながら、模擬ガスを炉中に導入し、センサ出力
を調べた。炭化水素系ガスとしてプロピレンを使用した
場合の、50ppm のNO2 ガスに対するセンサ出力の変動
を見た結果を図4に示す。本発明のセンサでは従来セン
サに比べてプロピレン濃度が増してもプロピレンの干渉
が小さいことが明らかである。
×3×50mmのイットリア(8mol%)安定化ジルコニ
ア基板の片面に対向する一対の電極を設け、一方の電極
はNiCr2O3 のスパッタ膜を形成しこれにPt電極を付加し
検知極1とし、他方はPt電極のみの対極2とする。NiCr
2O4 のスパッタ膜はRfスパッタリング装置により作動ガ
スとしてアルゴン−酸素の混合ガスにより成膜した。基
板裏面には自己加熱用のヒーターを設ける。これらの電
極、およびヒーターは各材料の粉末をペースト化し、ス
クリーン印刷により所定形状に印刷した後焼成し形成す
る。この際、検知極1の集電体のPt膜形状を図1のよう
に酸化物層1の一辺にのみ沿って形成したサンプルと、
本発明による酸化物層1の外縁に沿って集電体3を形成
したサンプルの2種類を作製し、比較した。以上のセン
サユニットを500℃の炉中で、センサを650℃に自
己加熱しながら、模擬ガスを炉中に導入し、センサ出力
を調べた。炭化水素系ガスとしてプロピレンを使用した
場合の、50ppm のNO2 ガスに対するセンサ出力の変動
を見た結果を図4に示す。本発明のセンサでは従来セン
サに比べてプロピレン濃度が増してもプロピレンの干渉
が小さいことが明らかである。
【0009】
【発明の効果】干渉ガスの影響を排除すべくなされた従
来の高温の排気ガス中に直接挿入して使用できるセンサ
の欠点を改善し、その効果を確実にすることができるの
みならず、金属集電体を非イオン伝導層として利用する
場合においては、新たに工程を設けることなく、干渉ガ
スの影響を低減する効果が得られる。
来の高温の排気ガス中に直接挿入して使用できるセンサ
の欠点を改善し、その効果を確実にすることができるの
みならず、金属集電体を非イオン伝導層として利用する
場合においては、新たに工程を設けることなく、干渉ガ
スの影響を低減する効果が得られる。
【図1】従来のNOx センサの構成を示す図である。
(a)は単一酸化物層の厚みに冗長性を持たせ、その表
層部で干渉ガスを酸化させ無害化させる方式を採用した
ものであり、(b)は検知極の酸化物層の上に酸化触媒
層を積層したものである。
(a)は単一酸化物層の厚みに冗長性を持たせ、その表
層部で干渉ガスを酸化させ無害化させる方式を採用した
ものであり、(b)は検知極の酸化物層の上に酸化触媒
層を積層したものである。
【図2】本発明のNOx センサの構成を示す図である。
(a)は検知極酸化物層の外縁部が緻密な非イオン導電
性の下地層の上に形成されたものであり、(b)は触媒
層の外縁部が緻密な非イオン導電性の下地層の上に形成
されたものである。
(a)は検知極酸化物層の外縁部が緻密な非イオン導電
性の下地層の上に形成されたものであり、(b)は触媒
層の外縁部が緻密な非イオン導電性の下地層の上に形成
されたものである。
【図3】本発明の他のNOx センサの構成を示す図であ
る。(a)は酸化物層の外縁に沿って集電体を形成した
ものであり、(b)は触媒層の外縁に沿って集電体を形
成したものである。
る。(a)は酸化物層の外縁に沿って集電体を形成した
ものであり、(b)は触媒層の外縁に沿って集電体を形
成したものである。
【図4】炭化水素ガスとしてプロピレンを使用した場合
の、50ppm のNO2 ガスに対するセンサ出力の変動を示
す図である。
の、50ppm のNO2 ガスに対するセンサ出力の変動を示
す図である。
1 検知極(酸化物層) 2 対極 3 集電体 4 固体電解質体 5 触媒層
Claims (2)
- 【請求項1】 イオン伝導体に一対の電極を設け、その
一方の検知極が酸化物と集電体とから構成され、両電極
間に生じる起電力によりNOx ガス濃度を検知するセンサ
であって、当該検知極の当該酸化物層の外縁に沿って、
非イオン伝導体の緻密層が酸化物層の下にその一部また
は全部が形成されていることを特徴とする窒素酸化物セ
ンサ素子。 - 【請求項2】 当該非イオン伝導層が当該検知極の集電
体として形成されていることを特徴とする請求項1記載
の窒素酸化物センサ素子。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7352373A JPH09184821A (ja) | 1995-12-28 | 1995-12-28 | 窒素酸化物センサ素子 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7352373A JPH09184821A (ja) | 1995-12-28 | 1995-12-28 | 窒素酸化物センサ素子 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH09184821A true JPH09184821A (ja) | 1997-07-15 |
Family
ID=18423629
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP7352373A Pending JPH09184821A (ja) | 1995-12-28 | 1995-12-28 | 窒素酸化物センサ素子 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH09184821A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN104698127A (zh) * | 2013-12-09 | 2015-06-10 | 瑞士西门子有限公司 | 包括冗余检测器的烟雾检测组件 |
-
1995
- 1995-12-28 JP JP7352373A patent/JPH09184821A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN104698127A (zh) * | 2013-12-09 | 2015-06-10 | 瑞士西门子有限公司 | 包括冗余检测器的烟雾检测组件 |
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