JPH11337518A - 炭化水素センサ - Google Patents

炭化水素センサ

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JPH11337518A
JPH11337518A JP10142710A JP14271098A JPH11337518A JP H11337518 A JPH11337518 A JP H11337518A JP 10142710 A JP10142710 A JP 10142710A JP 14271098 A JP14271098 A JP 14271098A JP H11337518 A JPH11337518 A JP H11337518A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、固体電解質にバリウムセリウム系
酸化物を用いた限界電流式の炭化水素センサに関し、雰
囲気酸素濃度に関わらず安定に且つ高感度に炭化水素を
検知できるセンサを提供する。 【解決手段】 バリウムセリウム系酸化物の固体電解質
上に少なくとも一方の電極としてAlを主成分とした材
料を用いて、カソードにおける酸素をブロッキングし、
これにより安定で高感度、且つ、小型、簡便、低コスト
な炭化水素センサーを提供することができる。また、限
界電流式としてアノードにAgを主成分とした材料を用
いる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、300℃〜800
℃程度までの温度領域における雰囲気中の炭化水素の検
知およびその濃度の測定に使用される固体電解質を利用
した炭化水素センサに関する。
【0002】
【従来の技術】炭化水素センサは、住環境内の炭化水素
の検知から自動車エンジンや、燃焼ストーブ、触媒燃焼
機器の排ガス中の炭化水素の検知が可能であり、燃焼機
関と燃焼機器の燃焼制御(リーンバーン)用センサとし
て利用される。従来の炭化水素を測定あるいは検知する
方法として、大別すると以下のような、半導体型と電解
質型とがある。
【0003】半導体型センサは、TiO2 、SnO2
どの酸化物半導体を用いて、炭化水素、H2 のほか、C
Oなど他の還元ガスにも反応して検知することができ、
検出ガスに選択性を付加させるために、半導体には触媒
活性な材料を混合させて用いられる。このような半導体
型は、触媒で検出用ガスを燃焼させるため雰囲気中に酸
素が必要であり、酸素がない状態、あるいは酸素濃度が
変化する雰囲気中では正確に炭化水素濃度を検知するこ
とはできない。
【0004】他方、電解質を用いた型のセンサは、電解
質が良好なプロトン伝導体が必要とされてきた。センサ
を燃焼機関等で高温雰囲気中で使用されるためには、室
温以上で使用できる酸化物系のプロトン伝導体が必要で
ある。近年、酸化物のプロトン伝導体としてCaZr
0.9 In0.1 3-α酸化物が開発され炭化水素センサへ
の応用が試されている。
【0005】現在知られるカルシウムジルコニウム系酸
化物固体電解質を用いた炭化水素センサには、Pd−A
u電極を用いた起電力式炭化水素センサが知られ(日比
野、棚木、岩原;1994年電気化学協会第61回講演
大会 要旨集、pp99)、また、多孔質アルミナを拡
散律速層として具備した限界電流検知型炭化水素センサ
が知られている(稲葉、高橋、佐治、塩岡;1995年
化学センサ学会秋季大会 要旨集 pp145)。
【0006】しかしながら、固体電解質としてカルシウ
ムジルコニウム系酸化物のプロトン伝導性は、600℃
で約5×10-4S/cmと小さく、センサの感度を上げ
るため、起電力式では作動温度を700℃以上の高温に
設定したり、電流検知式では薄膜化をしなければ使用が
困難であり、より高いプロトン伝導性のある固体電解質
材料が求められていた。
【0007】また、カルシウムジルコニウム系酸化物を
使用したセンサの検知機構と構造についても、起電力式
センサでは、やはり電極の触媒機能を利用するものであ
るため、酸素がない状態または酸素濃度変化の大きい雰
囲気中では、正確な炭化水素の検知ができなかった。限
界電流式センサでは、アルミナ多孔質を拡散律速層に用
いるが、炭化水素の電解電圧の設定が困難であった。
【0008】そこで、本発明者らは、高プロトン伝導性
を示すバリウムセリウム系酸化物を用いた定電位電解式
(限界電流式)の炭化水素センサを我々は、提案してき
た(特開平9−105884)。このセンサは、炭化水
素に良好に応答し、酸素がない状態では数ppmオーダ
ーから数%オーダーまでの広い範囲で炭化水素をリニア
検出できる。
【0009】しかしながら、炭化水素濃度が微量(10
ppm以下)でかつ、酸素がない状態から酸素が混合さ
れた状態に変化されると、電極間の出力電流が増加する
現象がみられた。これは、バリウムセリウム系酸化物電
解質が、酸化物イオンをも伝導する特性を有し、カソー
ド側より酸素が電解質中に取り込まれるために起こるも
のである。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】炭化水素センサは、住
環境の炭化水素の検知、車のエンジンや、ストーブなど
の燃焼機器からの燃焼排ガスの炭化水素濃度検知器とし
て利用するには、選択性があり、どのような雰囲気中で
も、酸素濃度の影響を受けることなく、高感度で信頼性
が高いことが必要である。さらに、炭化水素センサは、
測定雰囲気中に直接配置されることが多く、小型で使用
が簡便であり、且つ製造コストが低いことが、望まれて
いる。
【0011】従来の限界電流式の炭化水素センサは、電
解質層に高プロトン伝導性を示すバリウムセリウム系酸
化物を用い、電極に白金を使用していたが、上記のよう
な環境では、雰囲気中の炭化水素に良好に応答するが、
同時に雰囲気中の酸素の存在により、特に、その酸素濃
度により出力が変動し、大きな誤差となっていた。この
現象は、カソード側で雰囲気から酸素が取り込まれて、
白金電極でイオン化され、その酸素イオンあるいは酸化
物イオンが電解質層を透過するために起こる。
【0012】本発明の目的は、測定雰囲気中の酸素の存
在とその濃度に影響されることなく、炭化水素を高精度
に検知ができるセンサを提供するものである。本発明の
別の目的は、このようにカソードにおいて酸素に鈍感
で、且つアノードにおける炭化水素に敏感な高感度の炭
化水素センサを提供するものである。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記課題に鑑
み、従来の白金系の電極に代えて、カソードを雰囲気中
の酸素に影響を受けない電極材料を使用して、電極表面
で酸素の遮断して電解質中への浸入を阻止し、雰囲気酸
素の濃度に影響されない炭化水素センサを得るものであ
る。
【0014】本発明のセンサにおいては、具体的にはカ
ソードの電極材料に金属Al又はそれを主体とした材料
を用いて、金属Al表面の酸素に対する触媒不活性を利
用し、酸素のカソードにおける解離を防止し解離したイ
オンの電解質層への移動を遮断するものである。本発明
においては、特に、金属アルミニウム含有層に、アルミ
ニウム酸化皮膜を被着形成させてカソード電極を構成す
るものである。
【0015】本発明は、プロトンの伝導性の高いバリウ
ムセリウム系酸化物の固体電解質に使用し、このバリウ
ムセリウム系酸化物が同時に酸化物イオンに対して示す
高い伝導性を無効にするのに、金属Alとアルミニウム
酸化皮膜とを具備したカソードを構成して、これによ
り、酸素に鈍感で、且つ炭化水素に優れて敏感な炭化水
素センサを実現するのである。
【0016】また、本発明は、高性能なセンサ特性を得
るために従来の白金系に代わる新しいアノード材料を提
案するものである。本発明は、アノードにAgを主体と
する材料を用いることにより、炭化水素の検出感度を高
めて、高精度に検知を行うことを可能にするものであ
る。
【0017】本発明の炭化水素センサは、上記のカソー
ドとアノードとを形成した固体電解質層に、そのアノー
ド側に、律速拡散層が形成され、炭化水素濃度をリニア
に検出できるプロトン電導型限界電流式センサとして利
用される。
【0018】
【発明の実施の形態】本発明の炭化水素センサーの基本
構成は、固体電解質層と、固体電解質層の両面に対向し
て取着された一対の電極からなっており、、固体電解質
層にバリウムセリウム系酸化物を用い、一対の電極のう
ちのカソードに金属Al含有層が用いられる。他方の電
極、即ちアノードには、従来のアノード金属材料が利用
でき、通常は、白金電極が使用できる。
【0019】固体電解質層は、バリウムセリウム系酸化
物の薄肉のセラミック層が利用でき、その表面には肉厚
方向に対向する金属電極を形成される。固体電解質に
は、一般式BaCeO3-α で表されるバリウムセリウ
ム系酸化物が使用される。バリウムセリウム系酸化物
は、セリウムの一部が、他の希土類元素をで置換された
ものが利用され、置換元素には、例えば、Y、Gd、D
yなどが利用される。
【0020】金属電極のうちカソードは、セラミック層
の表面にAlを主成分とする材料で皮膜形成される。金
属Al含有層は、Alのみから直接形成したAl層やA
lが主成分となる材料を含む。Al層からなるカソー
ド、例えば、Al電極は、好ましくは、金属Alを含む
多孔質皮膜が好ましい。電極の多孔質皮膜は、気体が移
動できる程度の微細な気孔を有するものがよい。カソー
ドの金属Alは、表面が非常に薄い酸化皮膜により被覆
されており、Al単独でも酸素の解離を阻害し、電解質
層への浸入をブロッキングすることができる。
【0021】Al含有層は、金属Alを主成分とし、且
つ、Si、Sn、Zn、Ga、In、Zn、Cd、C
u、Ag、Ni、Co、Fe、Mn及びCrの金属及び
その酸化物から選ばれた少なくとも1種を含むものがよ
い。Al含有層は、このような金属Alとの混合物から
焼き付けて焼結により固体電解質上に多孔質皮膜に形成
することもできる。
【0022】このような金属Al含有層の焼結電極は、
Si、Sn、Znなどの上記の金属粒子またはその酸化
した酸化物は、金属Al粒子を担持して安定した多孔体
を形成し、金属粒の一部は、Al粒子を合金化し、酸化
物との焼結体を形成し、特に、Al融点以上のセンサの
使用温度においても、Al粒子の脱落や金属Al含有層
の崩壊を防止し、カソードを安定化させる。
【0023】この金属Al含有層内では、金属Al粒子
は互いに接続して電気的に導通して電極を形成し、多孔
体の気孔が固体電解質層を移動してきたプロトンの充電
により発生した水素ガスの通路として利用され、雰囲気
中に水素放散させる。
【0024】金属Al含有層の焼結電極は、上記の金属
が、金属Alとともに粉末状にしてペーストに調製さ
れ、固体電解質層表面に塗布されて、さらに、固体電解
質層を加熱して、塗膜が焼き付けられて焼結電極に形成
される。
【0025】他方のアノードについては、Agが特に好
ましく、カソードの上記Al含有層を対極としてアノー
ドにAg電極を使用することにより、炭化水素濃度の検
出感度を高めることができる。
【0026】アノードは、Agを主成分とする材料を使
用することができ、Agが50%以上含まれていればよ
く、たとえばPtが10%程度混合されていてもよい。
Agと共にさらにSiO2 などが混合されていてもよ
い。アノードは、電極材料のペーストをスクリーン印刷
して焼き付ける方法やスパッタやメッキなど方法も採用
される。
【0027】アノードには、カソードと同様に、Al電
極を使用することもできる。一対の電極とも上記のAl
含有層とすることにより、酸素ブロッキングの効果が認
められ、炭化水素の検出ができる。この場合、炭化水素
の感度もすこし減少する。
【0028】カソード及びアノードを形成した固体電解
質層を電流限界式炭化水素センサとして利用するには、
固体電解質層に拡散律速層が形成される。拡散律速層の
例として、固体電解質層のアノード側表面に、セラミッ
ク板により覆われたアノード室が形成され、セラミック
板と固体電解質層との間にアノード室と外部雰囲気に連
通する拡散律速孔が形成される。拡散律速孔は、アノー
ド室内部とアノード室外の雰囲気との炭化水素分圧の差
に比例して、貫通孔内の炭化水素の流速を規定するもの
である。拡散律速孔は、連通気孔を多数形成した多孔体
でもよい。
【0029】本発明の炭化水素センサは、使用時には、
アノードとカソードの間に印加した電位差の下で、雰囲
気中の炭化水素は、拡散律速孔を拡散移動してアノード
に達し、アノードで電解によりプロトンに解離し、プロ
トン伝導性固体電解質中を電導し、カソードで水素とし
て放出される。このとき、プロトン移動量に応じてアノ
ードとカソード間に電流が流れ、雰囲気から拡散律速さ
れた炭化水素量(即ち雰囲気中炭化水素濃度)に比例し
た限界電流が現れる。
【0030】センサは、固体電解質層がプロトン伝導性
を発揮する温度に加熱されるが、センサ自体に電熱ヒー
タが固定されて、加熱され温度制御されてもよい。
【0031】センサの温度範囲は、最高温度は、概して
言えば、電極の耐熱性で決められる。200〜1000
℃の範囲が可能であるが、カソードのAl含有層の表面
酸化を行う意味で、300℃以上の作動温度が望まし
い。特に、300〜800℃の温度範囲が好ましい。
【0032】(実施例1)図1に本発明の電流検知式炭
化水素センサの構造を示す。センサは、固体電解質1に
10mm×10mm、厚さ0.45mmのBaCe0.8
Gd0.2 3-α焼結体を使用し、焼結体の薄膜の片側
に、カソード2(作用極)をAlを主成分とする材料で
形成し、他方のアノード3(参照極)として白金電極を
用いて形成した。
【0033】カソード側のAl含有層は、Alを主成分
とした材料として、Al粉末とSi粉末5%(重量)と
シリカ(SiO2 )粉末 1〜 2%(重量)とに、熱
硬化性樹脂液とを混合して、ペーストを調整し、固体電
解質1の片側表面にペーストをスクリーン印刷して所望
パターンの塗膜を塗着した後、850℃で当該塗膜を焼
き付けて形成した。 他方のアノード側の白金(Pt)
電極も、白金粉末を含むペーストを他方の表面にスクリ
ーン印刷して、同時に焼き付けたものである。
【0034】この試作センサを評価するため、電気炉中
で予備実験を行った。温度を600℃にして、ブタンガ
ス(1%)中と空気中での電圧−電流特性(ポテンシャ
ルステップ法)を調べた。図2に結果を示す。
【0035】両電極をともに白金電極としたセンサで
は、空気中での電流出力はアノーディック(参照極に対
して)およびカソーディックに電圧を印加しても酸素イ
オン電導と見られる電流が流れ、0Vを点に対象な特性
が得られている。
【0036】一方、金属Al含有電極を用いたセンサ
は、図2に示すように、空気中ではほとんど電流が流れ
ないのに対して、ブタンガス中ではプロトン電導による
と考えられる電流が流れる(バリウムセリウム系酸化物
はプロトンと酸化物イオンの混合イオン電導体であるた
め)。即ち、空気中(酸素の存在する状態)では、Al
電極により酸素はブロッキングされ、炭化水素中では、
カソーディック印加でプロトン伝導が生じるものと考え
られる。この原理を用いることにより酸素の有無に依存
しない炭化水素が実現できる。
【0037】次に実際に、このセンサが炭化水素センサ
として機能するかを実際の自動車エンジンを用いて調べ
た。素子温度を600℃前後に保持し、Al電極側が負
極になるように電圧1.2Vを印加し、種々炭化水素濃
度での出力を調べた。図3に、炭化水素濃度と出力の関
係を示す。また、比較のため両方の電極に白金を用いた
従来のセンサの出力特性も併せて示す。従来センサで
は、炭化水素濃度が低い状態で酸素が混入したとき、図
に示すように、出力が跳ね上がった。しかし、本発明の
センサでは、出力は抑えられていることがわかる。この
ことより、明らかに本発明のセンサが炭化水素を検知
し、酸素混入時も妨害されずに安定に検知可能であるこ
とがわかる。
【0038】ここで、本発明のセンサの反応機構および
原理を推察する。図4には、電解質1上のAl電極のX
線回折パターンを示す。回折図から、Al電極は、一部
アルミニウム酸化物を形成していることがわかる。も
し、Alのすべてが酸化物になっているのであれば、こ
れは不導体であるので電極として機能しないと考えられ
る。然しながら、上述の如く、印加電極極性とガス雰囲
気の種類により電導が見られることから、Al電極は、
図5にその構造を模式的に示すように、電極内部はAl
金属20の状態を保ち、その金属表面に酸化皮膜21
(アルマイト層)が形成されて、使用中に金属Alの融
点の660℃以上の温度であっても、酸化皮膜21がA
l金属20の融解と凝縮を防ぐものと考えられる。
【0039】(実施例2)本実施例は、一対の電極とバ
リウムセリウム系酸化物を固体電解質1に用いた炭化水
素拡散律速層を具備する炭化水素センサにおいて、カソ
ードにAlを主成分とする材料を用いた炭化水素センサ
の例を示す。この例は、カソードのAl電極表面がアル
ミニウム酸化物の層を形成した例である。
【0040】図6に本発明の限界電流式炭化水素センサ
の構造を示す。センサは、固体電解質1に10mm×1
0mmで厚さ0.45mmのBaCe0.8 0.2 3-α
焼結体を使用し、アノード3に白金電極、カソード2に
金属Al含有層で構成した。この例では、金属Al含有
層のAlを主成分とした材料には、Al粉末に、Cu粉
末0.1%、Si粉末2%とSiO2 粉末を混合したペ
ーストを調整し、固体電解質1上にスクリーン印刷した
後、900℃で焼き付けて、焼結電極とした。
【0041】センサには、固体電解質層のアノード側に
拡散律速層が形成され、拡散律速層は、固体電解質層1
のアノード3側の表面に、セラミック基板4をその周縁
部のみ無機接着剤8を介して接着して被せてアノード室
30を形成し、セラミック基板4と固体電解質層1との
間に雰囲気に通ずる炭化水素の拡散律速孔31が形成さ
れて成るものである。さらに、センサは、セラミック基
板4の外側にヒーター9を備えて、センサを所定の温度
に加熱することができる。こうして、プロトン電導型限
界電流式の炭化水素センサが形成された。
【0042】上記の実施例1と同様、被検ガスに自動車
の排ガスを用いセンサの検知特性を調べた。素子温度を
600℃前後に保持し、印加電圧1.2Vで各種ガス濃
度の電流出力を調べた。図7に、炭化水素濃度と出力の
関係を示す。また、比較のためアノードとカソードとに
共に白金電極を用いた従来のセンサの出力特性も合わせ
て示す。
【0043】従来センサでは、炭化水素濃度が低い状態
で酸素が混入したとき、図7に示すように、出力が跳ね
上がった。しかし、本発明のセンサでは、酸素による出
力電流の変動がなく、出力が安定していることが判る。
このことより、明らかに本発明のセンサは、酸素混入時
も安定に炭化水素を検知し得ることがわかる。このこと
は、このセンサは、実施例1と同様に、Alを主成分と
する電極の表面が酸化皮膜で被覆されており、カソード
からの酸素の流入をブロッキングしているものと考えら
れる。
【0044】本実施例から明らかなように、バリウムセ
リウム系酸化物を固体電解質層にカソードにAlを主成
分とする材料を用いた炭化水素センサは、酸素の有無に
関係せずに安定して炭化水素を検知できることがわかっ
た。また、同時にAl電極表面がアルミニウム酸化物の
層を形成したカソードを具備したセンサが酸素の影響を
受けない構成条件であることを示された。
【0045】(実施例3)本実施例は、一対の電極とバ
リウムセリウム系酸化物を固体電解質に用いた炭化水素
拡散律速層を具備する炭化水素センサにおいて、アノー
ドにAgを主成分とする材料を用いた例を示すものであ
る。
【0046】センサは、固体電解質層1に実施例2と同
様に外形10mm×10mmで厚さ0.45mmのBa
Ce0.8 Gd0.2 3-α焼結体を使用し、固体電解質1
の表面上に、図6に示すように、アノード3としてAg
電極を、カソード2としてAlを主成分とする材料を用
いてAl含有電極を形成した。各々ペースト状にした電
極材料は固体電解質1上にスクリーン印刷して塗膜形成
し乾燥後に、850℃で焼き付けて焼結電極とした。
【0047】さらに、固体電解質層上のアノード3側
に、セラミック基板4と無機接着剤8により被せて、炭
化水素の拡散律速孔を形成、セラミック基板4の外面に
加熱用の抵抗加熱式のヒーター9を固定して、限界電流
式センサとした。
【0048】このセンサの特性は、実施例2と同じ条件
で、被検ガスに自動車の排ガスを用いて、排ガス中で上
記センサを600℃に加熱し、電極間1.2V印加し
て、調べた。図8に、排ガス中の炭化水素濃度と電流出
力の関係を示す。また、比較のため同面積のアノードに
Ptを、カソードにAlを用いたセンサの出力特性も合
わせて示す。本発明センサの出力が従来センサより、感
度が約10倍になっていることがわる。このように、カ
ソードのAl電極の対極として、アノード材料をAgを
主成分とする材料を用いることにより、炭化水素をより
高感度、高精度に検知することができる。
【0049】
【発明の効果】本発明の炭化水素センサは、プロトン伝
導とともに酸化物イオンの伝導も有する固体電解質を使
用して、カソードの電極材料にAlを主体とした材料を
用いるので、カソードでの酸素の解離を遮断し、雰囲気
中に共存する酸素にに影響されないで、炭化水素を正確
に測定することができる。
【0050】本発明の炭化水素センサは、同時にアノー
ドにAgを主体とする材料を用いることにより、高感度
に炭化水素検知を行うことができ、小型、簡便、低コス
トな炭化水素センサを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例に係る炭化水素センサの概念的
断面。
【図2】本発明のセンサの電圧−電流特性図。
【図3】本発明の実施例に係る炭化水素センサの雰囲気
中炭化水素濃度と電流出力との関係を示す図。
【図4】本発明の炭化水素センサのアノード側Al電極
表面のX線回折線チャート図。
【図5】本発明の炭化水素センサのアノード側Al電極
の構造を示す模式的断面図。
【図6】本発明の実施例に係る限界電流式炭化水素セン
サの模式的断面図。
【図7】本発明の実施例の限界電流式炭化水素センサに
おける炭化水素濃度と電流出力との関係を示す図。
【図8】本発明の他の実施例の限界電流式炭化水素セン
サにおける炭化水素濃度と電流出力との関係を示す図。
【符号の説明】
1 固体電解質 2 カソード 3 アノード 4 基板 8 無機接着剤 9 ヒーター

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 バリウムセリウム系酸化物より成る固体
    電解質層と、該電解質層の表面に接触する一対の電極
    と、から成る炭化水素センサにおいて、当該一対の電極
    のうちのカソードが金属Al含有層で形成されたことを
    特徴とする炭化水素センサ。
  2. 【請求項2】 金属Al含有層が、Alを主成分とし、
    且つ、Si、Sn、Zn、Ga、In、Zn、Cd、C
    u、Ag、Ni、Co、Fe、Mn及びCrの金属及び
    その酸化物から選ばれた少なくとも1種を含むことを特
    徴とする請求項1に記載の炭化水素センサ。
  3. 【請求項3】 金属Al含有層は、表面がアルミニウム
    酸化皮膜に被覆されてなる多孔質層である請求項1又は
    2に記載の炭化水素センサ。
  4. 【請求項4】 当該一対の電極のうちのアノード側に固
    体電解質層に接続されて拡散律速層を備えて成る請求項
    1ないし3何れかに記載の炭化水素センサ。
  5. 【請求項5】 上記一対の電極のうちのアノードがAg
    含有層で構成されていることを特徴とする請求項1ない
    し4の何れかに記載の炭化水素センサ。
  6. 【請求項6】 バリウムセリウム系酸化物が、第3の金
    属元素に希土類元素を含むことを特徴とする請求項1に
    記載の炭化水素センサ。
  7. 【請求項7】 希土類元素が、Gdであることを特徴と
    する請求項6に記載の炭化水素センサ。
  8. 【請求項8】 上記炭化水素センサが、300〜800
    ℃の温度範囲で加熱されて使用される請求項1ないし7
    の何れかに記載の炭化水素センサ。
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