JPH09183624A - 石英ガラス製フランジ及びその製造方法 - Google Patents
石英ガラス製フランジ及びその製造方法Info
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Abstract
の石英ガラス製フランジ及びその製造方法を提供するこ
と。 【構成】複数の透明石英ガラス層が層状に積層する層状
石英ガラスで作成した石英ガラス製フランジにおいて、
前記層状石英ガラスの密度が2.18g/cm3以上
で、フランジのシール面の表面粗さがRa0.5μm以
下、Rmax5μm以下であることを特徴とする石英ガラ
ス製フランジ、及び珪素化合物を火炎中で加水分解して
生成したすす状シリカ微粒子を層状にターゲット上に堆
積させ、それを1300〜1500℃で加熱処理して得
た層状石英ガラスをフランジ形状に研削加工する石英ガ
ラス製フランジの製造方法。
Description
ー、横型及び縦型炉芯管、ボート保持ジグ等の石英ガラ
ス製フランジ、並びにその製造方法に関する。
及び縦型熱処理装置等の石英ガラスジグのフランジ部
は、半導体の熱処理中に容器内に発生した輻射熱が容器
の下端部のフランジに達し、シール用のOリングを熱劣
化させるので、それを防止するため微細な気泡入りの不
透明石英ガラスで作成していた。ところが、前記不透明
石英ガラスは、10〜160μmの微細な気泡が10万
〜60万個/cm3と多数含有することから、弗酸で洗
浄すると該気泡が浸食されフランジ部の表面粗さが大き
くなり、容器内の気密性が失なわれ、熱処理の雰囲気が
不安定になるという欠点があった。前記欠点を解決する
ため、実公平1−43164号公報では不透明石英ガラ
ス性容器本体のシール部にシール面の表面粗さが2μm
以下の透明石英ガラスフランジを溶着した石英ガラス製
容器のフランジ構造が、また特開平7ー237927号
公報では微細な気泡を含有する不透明石英ガラスフラン
ジ部のシール面に、表面が平滑な透明石英ガラス層を形
成させたフランジ部付石英ガラス製容器が提案された。
ところが、前記実公平1−43164号公報記載のフラ
ンジ構造は透明石英ガラスフランジを不透明石英ガラス
製容器に火炎を用いて溶着するため火炎処理中に気泡が
膨張或は発泡し、不透明石英ガラスと透明石英ガラスと
の界面に異常発泡が起こり溶着面の強度が低下するとい
った欠点があった。また、特開平7ー237927号公
報記載のフランジ部付石英ガラス製容器は、シール面の
透明石英ガラス層をベルヌイ法で形成したり、或は透明
石英ガラス板を貼着、圧着する方法を採用するところか
ら手間がかかり、生産性に劣るという欠点があった。
本発明者等は、フランジ部の遮熱性について鋭意研究を
重ねた結果、フランジ用素材として透明石英ガラス層が
層状に積層した層状石英ガラスを用いることで従来の不
透明石英ガラスを用いたフランジと同程度の不透明性を
保持し遮熱性に優れるとともに、シール性にも優れた石
英ガラス製フランジが得られることを見出し、本発明を
完成したものである。すなわち、
英ガラス製フランジを提供することを目的とする。
で、しかも平滑な透明石英ガラスのシール層を有する石
英ガラス製フランジを提供することを目的とする。
ンジの製造方法を提供することを目的とする。
明は、複数の透明石英ガラス層が層状に積層する層状石
英ガラスで作成した石英ガラス製フランジにおいて、前
記石英ガラスの密度が2.18g/cm3以上で、フラ
ンジのシール面の表面粗さがRa0.5μm以下、Rmax
1μm以下であることを特徴とする石英ガラス製フラン
ジ及びその製造方法に係る。
ス層が層状に積層し、各透明石英ガラス層の界面にすす
状シリカ微粒子の焼結体が存在する層状石英ガラスで作
成されたフランジである。前記層状石英ガラスの透明石
英ガラス層の数は赤外線の反射効率を考慮して設定され
るが、層状石英ガラス1cm当たり10層以上、好まし
くは100層以上がよい。前記層数を有することで、本
発明のフランジはシール部に輻射熱が伝達しない透過率
である層状石英ガラスの肉厚4mmで透過率50%以下
とすることができる。その結果、例えば半導体処理容器
内で半導体デバイスを800℃で処理し、炉内で発生し
た赤外線がフランジ部に伝達しても散乱反射されフラン
ジのシール面での熱輻射による温度上昇が抑制されOリ
ングの劣化がない。前記層状石英ガラスでの光線、特に
赤外線の散乱反射の理由としては、透明石英ガラス層と
その界面に存在する不透明層とで屈折率が僅かに異な
り、該界面で光の屈折率に変化が起こり散乱反射するも
のと考えられる。このように本発明で使用する層状石英
ガラスは不透明で気泡を含有することがなく密度が2.
18g/cm3以上と、気泡を含む不透明石英ガラスの
2.1g/cm3より高く、透明石英ガラスの密度2.
203g/cm3に近い値を示す程度に高い。したがっ
て、前記層状石英ガラスでフランジを作成し、その表面
を研磨するか火炎で炙ることにより熱処理容器のチュー
ブ内を真空度10-2torrに減圧しても大気中のガス
が浸入することがない表面粗さであるRa0.5μm以
下、Rmax5μm以下に容易に形成できる。さらに本発
明のフランジを火炎処理して表面に透明石英ガラス層を
0.1mm以上形成するとさらにフランジの表面が平滑
となり、5%弗酸溶液で洗浄してもRaの変化量は0.
1μm/時間以下、Rmaxの変化量は1μm/時間以下
で、10回の洗浄によってもRaが0.5μm以下、R
maxが5μm以下に維持できるフランジが形成される。
は以下のとおりである。すなわち、珪素化合物を酸素、
水素とともに加水分解用のバーナーに供給し、酸水素火
炎で加水分解してすす状シリカ微粒子を生成し、それを
ターゲット上に堆積させて多孔質シリカ母材を形成し、
それを1300〜1500℃で1〜50時間加熱処理す
る。前記多孔質シリカ母材は酸水素バーナーを周期的に
ターゲット上に移動させるか、原料の供給量を変動させ
るか、或は前記両者を変動させて複数の層状構造に製造
される。前記加熱処理で得られた層状石英ガラスをフラ
ンジ状に切削し、その表面を研磨知るか又は、その表面
火炎で炙るか又は火炎処理で表面に0.1mm以上の透
明石英ガラス層を形成して本発明の石英ガラス製フラン
ジが製造される。前記多孔質シリカ母材の加熱処理にお
いて温度が1300℃未満、或は加熱時間が1時間未満
では母材のすす状シリカ微粒子が焼結した状態となり、
密度が2.18g/cm3以下のガスが容易に透過する
焼結体となり、フランジ用素材とすることができない。
また加熱温度が1500℃を超える、或は加熱時間が5
0時間を超えると、密度が2.203g/cm3の透明
石英ガラスとなり、赤外線を散乱反射することができな
い。好ましい加熱条件としては1350℃で5時間の加
熱が挙げられる。また、前記加熱処理において採られる
雰囲気は、特に限定されないが、好ましくはOH基の含
有量が少なくとも1ppm、より好ましくは5ppmの
雰囲気がよい。前記OH基含有量の雰囲気を使用するこ
とにより、透明石英ガラス層の界面での歪みが低減でき
る。OH基濃度が1ppm未満の場合には5%HF溶液
で洗浄した場合のRa、Rmaxの変化量が大きくなる傾向
が認められ、好ましい。
るが、本発明はそれにより限定されるものではない。
/h、水素2.4Nm3/h、及び酸素0.12Nm3/
hをキャリアガスとする気体四塩化珪素を供給しすす状
シリカ微粒子を生成し、それを平面円盤状で厚さ30m
m、直径900mmφの石英ガラス製ターゲット上に吹
き付け、堆積させた。前記ターゲットは、50rpmで
回転しており、100mm間隔にセットした5本のバー
ナーが前記ターゲットに平行に600mm/minの速
度で100mm間隔を往復運動している。原料の四塩化
珪素は1800g/hで3時間供給され、厚さ50m
m、直径800mmφ、密度0.4g/cm3の円盤状
多孔質シリカ母材が形成された。得られた円盤状多孔質
シリカ母材を、電気炉にて大気雰囲気中で1350℃で
5時間加熱保持して、厚さ25mm、直径400mm
φ、密度2.2g/cm3の層状石英ガラスのブロック
を得た。前記ブロックのOH基の含有量は100ppm
で、顕微鏡により、厚さ50μmの透明石英ガラス層が
石英ガラス1cm当たり200本観察された。前記石英
ガラスブロックから肉厚4mmのサンプルを切り出し
て、表面を鏡面研磨し、波長2μmでの透過率を測定し
たところ、透明石英ガラス層が測定光に対して直角の場
合で、透過率は20%であった。
10mm、外径350mm、内径250mmのフランジ
を削りだし、その表面を#400のグリーンカーボンで
研磨し、5%HF溶液で30分間エッチングしたのち、
酸水素火炎で表面を焼き仕上げした。焼き仕上げした表
面粗さはRaが0.1μm、Rmaxが1μmであった。さ
らに、火炎で上記フランジの表面に1mmの透明石英ガ
ラス層を形成し、5%弗酸溶液で30分間のエッチング
処理を5回繰り返したところ、表面粗さRaは0.15
μm、Rmaxは1.2μmと、洗浄前の状態とほとんど
変わらなかった。
し、半導体デバイスの熱処理を行ったところ、フランジ
面からのガスのリークがなくデバイスの歩留の向上がみ
られた。またフランジのシール面では、Oリングが輻射
熱で焼きつことがなく、フランジ面温度を100℃以下
とすることができた。
/h、水素2.4Nm3/h、及び酸素0.12Nm3/
hをキャリアガスとする気体四塩化珪素を供給しすす状
シリカ微粒子を生成し、それを直径400mmφ、長さ
500mmの石英ガラス製ターゲット上に吹き付け、堆
積させた。前記ターゲットは、50rpmで回転してお
り、100mm間隔にセットした5本のバーナーが前記
ターゲットに平行に600mm/minの速度で100
mm間隔を往復運動している。原料の四塩化珪素は18
00g/hで20時間供給され、外径800mmφ、内
径400mmφ、長さ450mm、密度0.4g/cm
3の円筒状多孔質シリカ母材が形成された。前記円筒状
多孔質シリカ母材を、電気炉にて窒素雰囲気中で140
0℃で2時間加熱保持して、外径400mmφ、内径2
00mmφ、長さ200mm、密度2.2g/cm3の
層状石英ガラスのシリンダーを得た。該シリンダーのO
H基の含有量は10ppmであり、顕微鏡の観察で透明
石英ガラス層は、100μmの間隔をなし、石英ガラス
1cm当たり100本観察された。また、前記シリンダ
ーから肉厚4mmのサンプルを切り出して、表面を鏡面
研磨し、波長2μmでの透過率を測定したところ、透明
石英ガラス層が測定光に対し直角の場合で、透過率は3
0%であった。前記石英ガラスシリンダーから、厚さ1
0mm、外径350mm、内径250mmのフランジを
削りだしその表面を#400のグリーンカーボンで研磨
して、5%弗酸溶液で30分間エッチングしたのち、酸
水素火炎で表面を焼き仕上げした。焼き仕上げした後の
フランジの表面粗さはRa0.1μm、Rmaxは1μmで
あり、表面に1mmの透明石英ガラス層が形成されてい
た。前記フランジを5%弗酸溶液で30分間のエッチン
グ処理を5回繰り返したが、表面粗さRaは0.15μ
m、Rmaxは1.2μmで、洗浄前の状態とほとんど変
わっていなかった。前記フランジを縦型チューブの下端
に溶接し、半導体デバイスを加熱処理したが、フランジ
面からのガスのリークがなくデバイスの歩留の向上がみ
られた。またフランジのシール面では、シールに使用し
たOリングが輻射熱で焼きつくことがなく、フランジ面
温度を100℃以下にできた。
個/cm3で密度が2.1g/cm3の肉厚4mmで、波
長2μmでの透過率が10%の不透明石英ガラスを実施
例1と同じ形状のフランジに加工し、表面を酸水素火炎
で焼き仕上をした。フランジ表面の表面粗さRa及びR
maxはそれぞれ1.5μm、7μmであった。前記フラ
ンジを実施例1と同様にエッチング処理したところ、表
面粗さRa及びRmaxはそれぞれ2.0μm、15μmと
なり、表面状態がエッチング処理前と比較して荒れてい
た。前記フランッジを縦型チューブの下端に溶接し、半
導体デバイスの製造に使用したが、エッチング回数が増
えるのに従い、フランジ面からのガスのリークが発生
し、デバイスの歩留が低下してしまった。
に透明石英ガラス板を溶着した。溶着時に、不透明石英
ガラス中の微細気泡が発泡し、部分的に溶着が完全にで
きない部分が発生した。前記フランジを弗酸溶液で洗浄
したところ、シール面での表面粗さは実施例1のフラン
ジと同様な結果を示したが、フランジを固定する金具の
力によって不完全な溶着部で割れが発生し、実際の半導
体デバイスの熱処理においてチューブを取り替える必要
が生じた
等のシール性に優れている上に、使用後の弗酸洗浄によ
っても表面荒れが少なくシール性が保持される。その上
半導体デバイス等の熱処理において、シール部のOリン
グが劣化することがない。前記石英ガラス製フランジ
は、シリカ母材を層状構造に生成し、それを加熱するこ
とで製造された層状石英ガラスをフランジ状に切削する
こと製造でき、製造コストを低くできる。
Claims (6)
- 【請求項1】複数の透明石英ガラス層が層状に積層する
層状石英ガラスで作成した石英ガラス製フランジにおい
て、前記層状石英ガラスの密度が2.18g/cm3以
上で、フランジのシール面の表面粗さがRa0.5μm
以下、Rmax5μm以下であることを特徴とする石英ガ
ラス製フランジ。 - 【請求項2】5%弗酸溶液で洗浄したときのシール面の
表面粗さ変化量がRa0.1μm/時間以下、Rmax1μ
m/時間以下であることを特徴とする請求項1記載の石
英ガラス製フランジ。 - 【請求項3】内部の赤外線透過率が厚さ4mmで50%
以下であることを特徴とする請求項1記載の石英ガラス
製フランジ。 - 【請求項4】フランジの表面に0.1mm以上の透明石
英ガラス層を有することを特徴とする請求項1記載の石
英ガラス製フランジ。 - 【請求項5】珪素化合物を火炎中で加水分解して生成し
たすす状シリカ微粒子を層状にターゲット上に堆積さ
せ、得られた多層構造の多孔質石英ガラス母材を130
0〜1500℃で加熱処理して層状石英ガラスを製造し
たのち、それをフランジ形状に研削加工することを特徴
とする石英ガラス製フランジの製造方法。 - 【請求項6】フランジのシール面を火炎処理し透明石英
ガラス層とすることを特徴とする請求項5記載の石英ガ
ラス製フランジの製造方法。
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---|---|---|---|
JP35196495A JP3649802B2 (ja) | 1995-12-27 | 1995-12-27 | 石英ガラス製フランジ及びその製造方法 |
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---|---|---|---|
JP35196495A JP3649802B2 (ja) | 1995-12-27 | 1995-12-27 | 石英ガラス製フランジ及びその製造方法 |
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Publication Number | Publication Date |
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JPH09183624A true JPH09183624A (ja) | 1997-07-15 |
JP3649802B2 JP3649802B2 (ja) | 2005-05-18 |
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Country | Link |
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2006151715A (ja) * | 2004-11-26 | 2006-06-15 | Sumitomo Electric Ind Ltd | ガラス母材の製造方法及び製造装置 |
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1995
- 1995-12-27 JP JP35196495A patent/JP3649802B2/ja not_active Expired - Fee Related
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