JPH09182567A - 食品成形機の材料供給機構 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 食品の成形機の材料供給機構で、ホッパ内の
粘性を有する材料をも満遍なくほぐして下方の供給ロー
ラ等に対して定容積、定密度で供給可能にする。 【解決手段】 ホッパ３内の材料２を搬出コンベアベル
ト６等を介在して所定量ずつ分給するように設けた食品
成形機の材料供給機構１において、ホッパ３内の下部
に、材料２を下方へ送り出すための内向きに回転する一
対の撹拌バー４、５を段差を付けて軸支し、下部の撹拌
バー４の回転速度を上部の撹拌バー５のそれより高速度
に設定して構成する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、例えば寿司や海苔
巻等を自動成形機によって製造する際、ホッパ内の材料
（米飯）を搬出コンベアベルト等を介在して成形機構に
一定量ずつ分給するための食品成形機における材料供給
機構に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来の食品成形機における材料供給機構
は、図４に示した如く、ホッパａの下部に一対の撹拌バ
ーｂ、ｂを平行に軸支し、この両撹拌バーｂ、ｂが等速
度で対向回転されるよう構成されている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の材料供給機構によれば、一対の撹拌バーｂ、ｂは等
速度で対向回転されるために、ホッパａ内の材料ｃを下
方へ水平な搬出コンベアベルトｄ上へ送り込むだけの機
能しか持たないことになる。従って、材料ｃが粘性を有
する米飯の場合、これを満遍なくほぐしながら下方へ掻
き出すことは殆んど不可能で、米飯が塊った状態やほぐ
された状態等の様々の形態で下方へ送り込まれることと
なって、搬出コンベアベルトｄ、供給コンベアベルト
ｅ、図示しない供給ローラ等を介在して成形機構ｆに対
し定量、定密度供給が困難となり、ために製品の品質に
バラツキが生じる問題がある。

【０００４】さらに、一対の撹拌バーｂ、ｂをホッパａ
から取り外す（分解）際、これらの多数の撹拌羽根ｇ・
・・が互いに干渉し合うこととなって簡単に分解して洗
浄することができない問題点も有している。

【０００５】本発明は、上記従来技術の有するこのよう
な問題点に鑑みなされたもので、ホッパ内の粘性を有す
る米飯等でも、これをよくほぐして下方の搬出コンベア
ベルト、供給ローラ、成形機構に対して定量及び定密度
供給を可能にし、もって、定量、均質の製品を容易にし
て、かつ確実に成形できるようにした食品成形機の材料
供給機構を提供することを目的とする。

【０００６】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の食品成形機の材料供給機構は、ホッパ内の
材料を搬出コンベアベルト等を介在して成形機構に所定
量ずつ分給するように設けた食品成形機の材料供給機構
において、前記ホッパ内の下部に、材料を下方へ送り出
すための内向きに回転する一対の撹拌バーを段差を付け
て軸支し、下部の撹拌バーの回転速度を上部の撹拌バー
のそれより高速度に設定したことを特徴としている。

【０００７】

【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施形態につい
て図面を参照して詳記する。図１に示したように、材料
供給機構１は、材料たる米飯２等を収容するホッパ３
と、一対の撹拌バー４、５とを具備し、間欠回転する水
平な搬出コンベアベルト６の上流側上部に配設されてい
る。

【０００８】ホッパ３内の下部に、上記した一対の撹拌
バー４、５を、前後方向（図１において左右方向）及び
上下方向に一定の軸間距離Ｌ、ｌをおいて内向きに回転
されるよう各々軸支させてあり、これによって、一対の
撹拌バー４、５は天地方向に段差が付けられている。

【０００９】而して、上記一対の撹拌バー４、５のう
ち、下部の撹拌バー４の回転速度は、上部の撹拌バー５
のそれよりも高速度に設定してある。即ち、下部の撹拌
バー４の回転速度を本実施形態では上部の撹拌バー５の
回転速度のほぼ２倍に設定してあり、このことによっ
て、ホッパ３内の米飯２を上部の撹拌バー５により下部
の撹拌バー４の上部に掻き出し、これを下部の撹拌バー
４の高速回転によって満遍なくほぐしながら下方へ送り
出すように設けられている。

【００１０】上記した一対の撹拌バー４、５は図２及び
図３に示したように、基端にギヤ９、９ａを各々固定
し、基端近くを軸受１０に回転自在に貫通して支持され
ている回転軸７、７ａと、この回転軸７、７ａに対して
軸方向へ抜き差し自在に外装可能にして、かつ外周面か
ら半径方向へ多数の撹拌羽根１１・・・を突設させてあ
る中空軸８、８ａとで形成させてある。

【００１１】上記回転軸７と中空軸８は、回転軸７の基
端近くに貫通固定させてある係止ピン１２と中空軸８の
基端に切欠して対設させてある係止凹部１３とを係止す
ることで、図２に示した如く軸回り方向に対して一体に
固定される。

【００１２】上記した多数の撹拌羽根１１・・・は、中
空軸８に対して側面略十字形状に、かつ軸方向へ一定の
間隔をおいて交互に突設させてある。また、この各撹拌
羽根１１・・・は、金属、プラスチック等の丸棒状部材
によって粘性を有する米飯等が付着し難いように形成さ
れている。

【００１３】従って、上記構成の撹拌バー４、５は、ホ
ッパ３に対して次のようにして組み込まれる。先ず、ホ
ッパ３の左右の側板１４、１５間に、撹拌羽根１１・・
・を備えた中空軸８を水平に保持させておき、一方の側
板１５に穿設してある軸受１０の嵌合用孔１６に対し、
上記した回転軸７の先端を外側から挿入することで、該
回転軸７を中空軸８内に挿通する。次いで、前記回転軸
７の先端を他方の側板１４に固設させてある軸受１７に
嵌挿させると共に、上記軸受１０の円筒部１０ａを上記
嵌合用孔１６に嵌合させ、該軸受１０と側板１５をボル
ト、ナット１８にて固定し、一方、前記回転軸７の先端
中心に穿設させてあるネジ孔７ａには止めネジ１９を外
側から螺着することで図２に示した如く組み込まれる。

【００１４】また、ホッパ３内部や撹拌バー４、５の洗
浄に際して、当該撹拌バー４、５をホッパ３から分解す
るときは、上記した組み込み時とは反対の作業手順によ
り行なうことができるが、一対の撹拌バー４、５は既説
の通り段差を付けてあるため、上記した組み込み及び分
解時において、撹拌バー４、５が互いに邪魔になること
はないから、上記組み込み及び分解が簡単、かつ容易と
なる。

【００１５】さらに、上記一対の撹拌バー４、５は、図
１に示した如く、各回転軸７、７ａにギヤ比の異なるギ
ヤ９、９ａ、即ち回転軸７ａには大きいギヤ９ａを、回
転軸７には小さいギヤ９を固定して互いに噛合させ、モ
ータ２０の図示しない軸に連動連結されている減速機２
１の軸２１ａに固定した駆動ギヤ２２と上記ギヤ９を噛
合させることで各々内向きに、既述した回転速度で回転
される。

【００１６】なお、本発明の材料供給機構１は、図１に
示した如く、本体フレーム２３に間欠搬出コンベアベル
ト６、供給コンベアベルト２４、成形機構２５、米飯圧
縮移送機構２６、切断機構２７と、これらの駆動源２
８、２９等を具備してなる海苔巻成形機はもとより、こ
れ以外に、ホッパ３の下部、または、間欠搬出コンベア
ベルト６の下流側に、対向回転する複数のローラからな
る供給ローラを配設し、この下方に成形型を備えた成形
機構を配設してなる図示しない寿司成形機やおむすび成
形機等に対しても適用されるものである。

【００１７】

【発明の効果】本発明は以上説明したように構成されて
いるので、ホッパ内の米飯等は、上部の撹拌バーの低速
回転によってゆっくり下方に送り出され、これが下部の
撹拌バーの高速回転によって高速で下方へ掻き出される
ので粘性を有する米飯でも満遍なくほぐすことができ、
ために、ホッパ下方にある間欠搬出コンベアや供給ロー
ラ等に対して定量及び定密度供給が可能となって、成形
機構により同容積、かつ均質で商品価値の高い製品を容
易かつ確実に成形することができる。

【００１８】さらに、一対の撹拌バーは上下方向に段差
を有するので、ホッパに対する組み込み及び分解時に、
互いに邪魔になることはないから、簡単に組み込み及び
分解でき、分解洗浄が極めて容易にできる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明に係る食品成形機の材料供給機構におけ
る一実施の形態を示す断面図である。

【図２】同上一実施の形態における撹拌バーを示す断面
図である。

【図３】同上一実施の形態における撹拌バーを分解して
示す正面図である。

【図４】従来の食品成形機の材料供給機構を示す断面図
である。

【符号の説明】

１ 材料供給機構 ２ 材料 ３ ホッパ ４、５ 一対の撹拌バー ６ 搬出コンベアベルト

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 ホッパ内の材料を搬出コンベアベルト等
   を介在して成形機構に所定量ずつ分給するように設けた
   食品成形機の材料供給機構において、 前記ホッパ内の下部に、材料を下方へ送り出すための内
   向きに回転する一対の撹拌バーを段差を付けて軸支し、
   下部の撹拌バーの回転速度を上部の撹拌バーのそれより
   高速度に設定したことを特徴とする食品成形機の材料供
   給機構。