JPH09180268A - 光ディスクの製造方法及びその製造装置 - Google Patents

光ディスクの製造方法及びその製造装置

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JPH09180268A
JPH09180268A JP34322295A JP34322295A JPH09180268A JP H09180268 A JPH09180268 A JP H09180268A JP 34322295 A JP34322295 A JP 34322295A JP 34322295 A JP34322295 A JP 34322295A JP H09180268 A JPH09180268 A JP H09180268A
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JP
Japan
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substrate
film
film forming
tank
plasma polymerization
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Pending
Application number
JP34322295A
Other languages
English (en)
Inventor
Toshimi Kobayashi
利美 小林
Ikuo Sakurai
郁男 櫻井
Kazuichi Yamamura
和市 山村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Shin Etsu Chemical Co Ltd
Original Assignee
Shin Etsu Chemical Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】ハードコート用プラズマ重合成膜装置をスパッ
タ工程の前または後の何れに設置しても異物の混入汚染
がなく、連続生産可能な光ディスク製造方法及びその製
造装置を提供する。 【解決手段】円周上等間隔に配置した複数の成膜電極部
及び局所真空排気ポンプの間を間欠的に回転する円周上
に基板を等間隔に保持する複数の第1基板ホルダーを持
つ第1搬送体と、その下部2ケ所の基板ホルダー位置に
おいて相対する第2基板ホルダーを持つ第2搬送体とを
備えた真空成膜室において、第2搬送体の成膜基板受け
位置と渡し位置との中間にあって、第2基板ホルダーの
1基を取り込み、プラズマ重合によるハードコート後は
取り出せる構造としたプラズマ重合成膜槽を配置した光
ディスクの製造方法及びその製造装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は光ディスクの製造方
法及びその製造装置、特にハードコートをプラズマ重合
法により成膜する方法及びその装置に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】記録再生可能な光ディスクについて連続
的に多層成膜する装置が、例えば特開平6−02032
1号公報に開示されている。しかし、この装置では光デ
ィスク基板に第1誘電体膜、記録膜、第2誘電体膜及び
反射膜の計4層しか成膜できない。光ディスクには通常
記録・読み取り面(レーザー光入射側で記録層の反対
側)に通常の使用環境下で発生の可能性のある基板の傷
付き防止と塵埃付着防止のため、紫外線または電子線硬
化樹脂層をハードコート(保護膜、保護コート、読み取
り面保護コートともいう)として施している。このハー
ドコートを施すためには、前記4層の成膜スパッタ工程
の前または後にハードコート塗布工程と硬化工程を必要
とする。ハードコート塗布工程は通常大気中でスピンコ
ート法により、基板のレーザー光入射側にコート液を塗
布し、紫外線または電子線によりコート液を硬化させて
いる。
【0003】一方、このコート液の塗布、硬化の工程を
有機化合物のプラズマ重合膜を成膜させるとした技術も
特開平1−208740号公報等に開示されている。ま
た特開平3−108136号公報には基板上に有機けい
素化合物のプラズマ重合膜を形成させ、記録層側の面同
士を張り合せてディスクを製造する方法が示されてい
る。さらに、このプラズマ重合膜については、「”無機
コーティング”p.97〜132(昭58) 株式会社近代編集社」
に詳述され、特に、トリメチルシランや低沸点シロキサ
ンを用いてプラズマ重合膜が形成されること、およびそ
の際、ヘキサメチルジシラザンやアンモニアを同時混入
することで皮膜に硬度と親水性を付与できることが示さ
れている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】光ディスクは大容量の
記録情報を保護するために、ディスク面上の塵埃の付着
を嫌って保護層を設けている。ディスクにコート液をス
ピンコータにより塗布する場合は、異物量が制御された
クリーンルーム中で塗布するのが普通である。クリーン
ルームは基本的には出来るだけ外気の導入を避けたい
が、コート液からの低沸点モノマーやコート液によって
は溶剤の揮散があるので、大量の外気導入、排出が必要
となり、スピンコータの設置によるクリーンルームの負
荷は極めて大きくなる。また、コート液を紫外線硬化し
た場合、オゾンの発生が避けられず、これも大量の排気
を必要とする。さらに、より本質的には一連の製造工程
において、真空排気を伴うスパッタ工程の前または後
に、大気中でコート液を塗布硬化させる工程を組み入れ
ることになるため、異物混入汚染の可能性が常に存在す
ることになる。特に、スピンコータをスパッタ装置の前
工程として組込んだ場合は、スピンコータからスパッタ
装置への基板のハンドリングを伴い、異物の混入汚染は
避けられないという欠点を持つ。上記のように従来の方
法では、ハードコートにプラズマ重合方法を採用したと
しても、プラズマ重合成膜装置をスパッタ工程の前また
は後に独立して設置することになり、全成膜工程の装置
はクリーンルームの大型化を伴う大掛かりなものとな
り、しかも異物の混入汚染は依然として避けられないと
いう欠点を持ったままである。本発明はこのような欠点
を解決し、ハードコート工程をスパッタ工程の前または
後の何れに設置しても異物の混入汚染がなく、連続生産
可能でコンパクトなプラズマ重合成膜装置を組み込んだ
光ディスクの製造方法及びその製造装置を提供しようと
するものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者等は上記課題を
解決するために、スパッタ装置と連動するハードコート
用プラズマ重合成膜槽を開発し、諸条件を確立して本発
明を完成させたもので、その要旨は、未成膜基板を大気
中より真空を破ることなくロードロック室、基板授受装
置を経由して連続的に真空成膜室に供給し、第2搬送体
経由第1搬送体において成膜領域を限定するマスクを装
着し、各膜に共通するプロセスガスを用いて、少なくと
も第1誘電体膜、記録膜、第2誘電体膜、反射膜の順に
連続してスパッタ法により成膜し、該マスクを第1基板
ホルダーに残したまま成膜基板を第2搬送体、ロードロ
ック室経由大気中に搬出する光ディスクの製造方法にお
いて、成膜基板を第1基板ホルダーから第2基板ホルダ
ーに転送した後、第2基板ホルダーをプラズマ重合成膜
槽位置に回動させ、左右に2分割されているプラズマ重
合成膜槽をプラズマ成膜槽開閉機構によりフランジ面を
密着させて該ホルダーと該アームの一部を包蔵させ、真
空排気した後、プラズマ重合用有機ガスを導入し、上記
多層スパッタ成膜面の反対面にプラズマ放電を印加して
プラズマ重合膜を成形させた後、該有機ガスを強制排出
させ、該槽外環境と同圧力とした後、該槽を開放し、第
2基板ホルダーを回動し、基板授受装置、ロードロック
室を経由してハードコート付き成膜基板を大気中に搬出
することを特徴とする光ディスクの製造方法にある。
【0006】請求項2は、プラズマ重合成膜槽を第2搬
送体の基板ロード位置と第1搬送体への基板・マスク取
付け位置との中間に配備し、未成膜基板裏面に対するハ
ードコート処理を施した後、第1搬送体で正面に多層ス
パッタ成膜を施し、ハードコート付き成膜基板を大気中
に搬出することを特徴とする。
【0007】請求項3は、円周上等間隔に複数の成膜電
極部及び該電極に対向して局所真空排気ポンプを配置
し、円周上にマスク付き基板を等間隔に保持する複数の
第1基板ホルダーを持ち、かつ該電極部と該排気ポンプ
の間を間欠的に回転する第1搬送体を設けて成り、かつ
該第1搬送体の下部2ケ所の基板ホルダー位置において
相対する第2基板ホルダーを有する第2搬送体並びに第
2搬送体の下部に未成膜基板の搬入口と成膜基板の搬出
口を備え、各ロードロック室と連通する横置円筒型真空
成膜室において、第2基板ホルダーの第1基板ホルダー
からの基板・マスク取外し位置と、基板アンロード位置
との中間位置にあって、成膜基板を保持した第2基板ホ
ルダーの1基を取り込み、プラズマ重合成膜後は該ホル
ダーを取り出し得る前記真空成膜室内環境と遮断可能な
2分割横置円筒構造で、かつプラズマ発生電極と真空排
気装置とを装備したプラズマ重合成膜槽を配置したこと
を特徴とする光ディスクの製造装置にある。
【0008】請求項4は、プラズマ重合成膜槽が、2つ
の横置円筒形で各々底を有し、相対する開口側フランジ
面には真空シールを持ち、成膜基板を保持した第1基板
ホルダーと該アームの一部を該フランジ面で該槽内に包
蔵させ、プラズマ重合成膜後は該フランジ面を開放して
該ホルダーを取り出し得るプラズマ成膜槽開閉機構を配
備し、成膜基板の成膜面側の成膜槽に真空排気装置を接
続し、反対面側の成膜槽にプラズマ発生用高周波環状電
極を備え、かつ有機ガス配管を接続した光ディスクの製
造装置にある。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明の作用は、プラズマ重合成
膜槽を第2搬送体の回動経路中に設けたことで、基板表
面の4層成膜工程の前後のいずれかにおいて連続してハ
ードコートが可能となり、異物の混入汚染防止、クリー
ンルームの不要、工程の短縮化、および設備のコンパク
ト化を達成したことにある。以下、本発明の実施の一形
態を図面に基づいて詳細に説明するが、本発明はこれら
に限定されるものではない。先ず、図1は本発明の対象
となる光ディスクの縦断面模式図で、プラスチック基板
の片側表面に第1Si N誘電体膜3、Tb-Fe-Co 合金
記録膜4、第2SiN誘電体膜5、反射膜6の順にスパ
ッタ法で4層成膜し、次いで別法でオーバーコート7を
施し、基板の反対面にハードコート2を塗布して製品と
し、最後にハードコート2面側からレーザー光を照射し
て記録膜4にピット8を形成させた状態を示している。
図2は従来の4層スパッタ法成膜装置の第2搬送体に本
発明のプラズマ重合成膜槽41を配備した状態を示す説明
図である。
【0010】光ディスクの製造方法における最大の問題
点は、工程上での異物の付着であり、これを防止するた
めには、工程を短縮し、かつ異物の発生しない環境を整
えることが必須要件であり、その解決策として、特開平
6−020321号公報、特願平7−083692号及
び特願平7−265798号等がある。これらの製造工
程では、発塵を抑えるため同一のプロセスガスを用いて
一室で複数層の成膜を行なうことで、できるだけ可動部
を少なくし、かつ最も異物付着の可能性の高いマスク交
換も真空下で行うようにしている。しかし、光ディスク
の全製造工程は、通常次のような工程を踏む。即ち射
出成形されたプラスチック基板のレーザー光入射側に、
基板面に対する傷付き防止、帯電防止および異物付着防
止のためにスピンコート法等によりハードコートを施す
(本工程は後述するスパッタ成膜後に行う場合もあ
る)。次いで、該基板をスパッタ装置に移し、レーザ
ー光入射側と反対面でかつ記録グルーブやピット等の情
報が転写された面に、第1誘電体膜、記録膜、第2誘電
体膜、反射膜の順に4層のスパッタ成膜が施される。ス
パッタ装置から取り出された成膜基板は、反射膜の上に
オーバーコート(保護コートともいう)が塗布される。
【0011】オーバーコートの目的は、反射層よりの伝
熱を高めて速やかに放熱させることと、反射層、記録
層、誘電体層を保護することにある。該工程での異物付
着は基本的にディスクの特性に影響を与えることは少な
く、その理由は金属製の反射膜が記録膜を保護するから
である。しかし、ハードコート工程での異物の付着は直
接読取り情報のエラーとなる場合が多い。ハードコート
工程については、前工程装置である射出成形機またはス
パッタ成膜装置からの取出し、ハードコート装置である
スピンコータへの搬入というハンドリング工程を持ち、
かつ、通常のスピンコータは大気中での操作が必須であ
るため、異物の付着を本質的に防止することができなか
った。そこで、本発明では前述の工程短縮、異物発生源
の根絶、全工程のコンパクト化、投資効果等の観点か
ら、従来技術の4層成膜装置にプラズマ重合法によるハ
ードコート槽を付加することで解決した。該ハードコー
ト槽を付加する位置は4層成膜装置の前後いずれでもよ
い。また、必要に応じてオーバーコート槽としてハード
コート槽と同一仕様のものを4層成膜装置の前後いずれ
にでも組込むことができる。オーバーコート及びハード
コートの材質は基本的には同質でよく、紫外線または電
子線硬化性ポリマーを水溶液、エマルジョン分散液また
は溶剤溶液の形態で、スピンコータ、スプレー等で塗布
し、乾燥して造膜させるのが通常の方法であり、膜厚は
2〜15μmとするのが一般的である。その他、前述した
ようにプラズマ重合法があり、本発明では工程短縮、異
物付着防止等の理由からこのプラズマ重合法を採用し
た。
【0012】本発明の光ディスク製造装置の基本は特願
平7−265798号として出願されており、その装置
の要旨を図2により説明すると、円周上等間隔に複数の
成膜電極部15,16,17及び該電極に対向して局所真空排気
ポンプ21を配置し、円周上にマスク付き基板1を等間隔
に保持する複数の基板ホルダー30を配備し、かつ該電極
部と該排気ポンプの間を間欠的に回転可能な第1搬送体
22及び未成膜基板の搬入口(ロード室13へ続く)と成膜
基板の搬出口(アンロード室14に続く)を備え、かつ主
真空排気ポンプを設けて成る横置成膜槽型真空スパッタ
装置において、 1)第1搬送体22の円周上等間隔に基板ホルダー30を少
なくともm+2基(ここにmは成膜数または電極数)配
備し、2)該真空スパッタ装置の下部の未成膜基板の搬
入口と成膜基板の搬出口を一体とした搬出入口の下部に
これと連通する真空室を設け、3)該真空室内に該第1
搬送体とほぼ同一平面上の円周上に未成膜基板または成
膜基板を保持・搬送する少なくとも4基以上n基の基板
ホルダー31を配した第2搬送体23を、基板・マスク取付
位置33と基板・マスク取外し位置34において、第1、第
2両搬送体の両基板ホルダーが対向するように配置し、
かつ両基板ホルダー間で未成膜基板または成膜基板の受
け渡しを行う基板転送手段(図示せず)を設け、4)該
第2搬送体の下部にこれと連通しかつローラコンベアと
ターンテーブルから成る真空基板ケース中継路(以下の
装置は図示せず)、並びにこれと連通しかつローラコン
ベアとゲートバルブから成るロード室及びアンロード室
を設け、5)該ロード室及びアンロード室の外部にロー
ラコンベアから成る基板ケース搬入ステージ及び基板ケ
ース搬出ステージを設け、6)別に複数の未成膜基板を
収納した基板ケースから第2搬送体の基板ホルダーに未
成膜基板を供給し、かつ成膜基板を第2搬送体から基板
ケースに収納する基板授受装置を設けて成る真空基板搬
送装置というものである。
【0013】本発明の最大の特徴は、上記真空基板搬送
装置の第2搬送体23の特定位置にプラズマ重合成膜槽41
を組込んだ光ディスク製造装置であり、かつ該装置を用
いた光ディスクの製造方法にある。以下、本装置を図2
及び図3に基づいて説明する。プラズマ重合成膜槽41
は、上記横置成膜槽型真空成膜室20において、第1基板
ホルダー30から第2基板ホルダー31への基板・マスク取
外し位置34と、基板授受装置(図示せず)への基板アン
ロード位置36との中間にあって、第2基板ホルダー31の
1基を内包し、かつ前記真空成膜室20の環境と遮断可能
な横置成膜槽形カプセル構造とし、プラズマ発生電極42
を装備している。このカプセル構造は2つ割りの横置円
筒形で各々底を有し、相対する開放側フランジ面には真
空シール43を持ち、成膜基板10を保持した第2基板ホル
ダー31と該アーム24の一部を該槽内に包み込むようにし
たプラズマ重合成膜槽開閉機構27を配備し、かつ成膜基
板10の成膜面側の成膜槽に真空排気装置21を接続し、反
対面側の成膜槽にプラズマ発生用高周波環状電極42を備
え、かつ有機ガス配管44を接続している。該槽開閉機構
27として、図3ではねじジャッキ式のものを図示した
が、ラックアンドピニオン式、レール走行式、流体ピス
トン式等でもよく、外部からの信号によって開閉され
る。第1真空成膜室にはスパッタ用のプロセスガス配管
18があり、プラズマ重合成膜槽には、シランガス、シラ
ザンガスまたはアンモニアガスを供給するための二系列
以上の有機ガス配管44が付属し、外部に流量コントロー
ラ、ガス遮断バルブを配備している。
【0014】次に、プラズマ重合成膜槽41の運転方法を
述べる。未成膜基板1を大気中より真空を破ることなく
ロードロック室を経由して連続的に第1真空成膜室20に
供給し、第2搬送体23経由第1搬送体22において、成膜
領域を限定するマスクを装着し、各膜に共通するプロセ
スガスを用いて、少なくとも第1誘電体膜3、記録膜
4、第2誘電体膜5、反射膜6の順に連続してスパッタ
法により成膜し、マスクを第1基板ホルダー30に残した
まま成膜基板10を第2搬送体23、ロードロック室経由大
気中に搬出する光ディスクの製造方法において、成膜基
板10を第1基板ホルダー30から第2基板ホルダー31に転
送した後、該第2基板ホルダーをプラズマ重合成膜槽位
置35に回動させ、左右に2分割されている両プラズマ重
合成膜槽41を開閉機構27により中心に向けて移動させ、
フランジ面を密着させて該ホルダーを包蔵させ、真空排
気した後、上記4層成膜面の反対面に、該槽外から導入
したプラズマ重合用有機ガスを用いてプラズマ放電を印
加し、プラズマ重合膜を形成した後、未反応有機ガスを
強制排出させ、該槽外環境と同圧力とした後、該槽を開
放し、ハードコート付き成膜基板11を大気中に搬出す
る。
【0015】ハードコートは4層スパッタ成膜サイクル
に合わせて操作され、該成膜時間よりも短い時間で終了
するようにコート条件を設定し、これらのシーケンスは
装置外部に設けたシーケンスコントローラーによって制
御される。プラズマ重合用有機ガスとしては、テトラメ
チルシラン、トリメチルシラン、ジメチルシラン、低沸
点シロキサンから選ばれる少なくとも1種のガスと、ア
ンモニア、ヘキサメチルジシラン、ヘキサメチルシクロ
トリシラザンから選ばれる少なくとも1種のガスとの混
合ガスを使用する。このハードコート用プラズマ重合条
件は、例えば、放電電力は1〜3kw、ガス圧は 0.3〜
0.7Torr、有機ガス流量 0.2〜 1.5L/min.、重合時間は2
0〜30秒とする。
【0016】別の実施形態は、プラズマ重合成膜槽41を
第2搬送体23の基板ロード位置32と第1搬送体22への基
板・マスク取付け位置33との中間に配備し、未成膜基板
1裏面に対するハードコート処理を施した後、第1搬送
体22で正面に多層スパッタ成膜を施し、ハードコート付
き成膜基板11を大気中に搬出するようにした光ディスク
の製造方法及び光ディスクの製造装置である。
【0017】
【実施例】次に、本発明の実施形態を実施例、比較例を
挙げて詳細に説明するが、本発明はこれらに限定される
ものではない。 (実施例1)上記第1真空成膜装置を用いてポリカーボ
ネート(PC)基板1に第1誘電体膜3として窒化珪素
膜、記録膜4としてTb-Fe-Co からなるアモルファス
合金記録膜、第2誘電体膜5として窒化珪素膜、反射膜
6としてAl 膜を成膜した。PC基板1は、JIS X 6272
で規定される全面書換型のものを用い、窒化珪素膜には
ターゲットとして窒化珪素焼結体を使用し、第1真空成
膜室20のプロセスArガス圧を5m Torrとし、13.56MHz
の高周波放電を用いた。アモルファス合金記録膜とAl
反射膜は夫々Ar ガス雰囲気で直流放電により成膜し
た。スパッタ成膜時間を各膜について25秒で成膜が終
わるように電力を調整した。この際のスパッタ成膜膜
厚、投入電力および成膜速度を表1に示す。次にハード
コートは、プラズマ重合成膜槽内41のプラズマ重合区域
には13.56MHzの高周波を用い、Ar ガス中で誘導結合に
よりプラズマを発生させ、有機性反応ガスを導入し、ガ
ス圧力を 0.5Torrになるようにガス量を調整して行っ
た。また、成膜時間を24秒とし、成膜速度が基板上で85
Å/kw・sec になるように投入電力を調整した。有機性反
応ガスとしては、テトラメチルシラン1モルに対し、ア
ンモニア1モルを混合したガスを使用した。次いで装置
より取出し、スパッタ成膜したAl 反射膜上に10μmの
アクリル系UV硬化樹脂によるオーバーコートを施して
光ディスクを10枚作製した。この内8枚についてハブを
取り付けた後、信号の書き込みを行い、その欠陥数を測
定した。また2枚についてはハードコート面の鉛筆硬
度、表面抵抗を測定しその結果を表2に記した。
【0018】
【表1】
【0019】
【表2】
【0020】(実施例2)プラズマ重合用混合ガスとし
て、アンモニアの代わりにヘキサメチルジシラザンを使
用した以外は、実施例1と同じ条件で光ディスクを作製
し、性能試験結果を表2に併記した。
【0021】(実施例3)プラズマ重合用混合ガスとし
て、アンモニアの代わりにヘキサメチルシクロトリシラ
ザンを使用した以外は、実施例1と同じ条件で光ディス
クを作製し、性能試験結果を表2に併記した。
【0022】(実施例4)プラズマ重合用混合ガスとし
て、アンモニアを 0.5モルとした以外は、実施例1と同
じ条件で光ディスクを作製し、性能試験結果を表2に併
記した。
【0023】(比較例)実施例1の装置でスパッタ成膜
を行った成膜基板をプラズマ重合成膜槽を素通りさせ、
ハードコートせずに装置の外部に取出し、スピンコータ
によって紫外線硬化樹脂を、硬化後膜厚5μmになるよ
うに塗布硬化させてハードコートとした。次いでその反
対面に10μmの厚さで再度スピンコータによりオーバ
ーコートを行ない、光ディスクを作製し、性能試験結果
を表2に併記した。
【0024】
【発明の効果】本発明によれば、ハードコートおよびオ
ーバーコートをクリーンルームを必要とするスピンコー
タや独立のプラズマ重合装置で行う必要がなく、スパッ
タ成膜後本発明装置に組込まれたプラズマ重合成膜槽で
連続的にハードコートおよびオーバーコートを行うこと
ができ、産業上その利用価値は極めて高い。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の対象となる光ディスクの1実施形態の
縦断面模式図である。
【図2】本発明のスパッタ及びプラズマ重合成膜槽の説
明図である。 (a)正面図、 (b)A−A横断面図、 (c)B−
B縦断面図。
【図3】本発明のプラズマ重合成膜槽の作動説明図であ
る。 (a)槽開放状態、 (b)槽閉鎖状態。
【符号の説明】
1 基板、未成膜基板 2 ハードコー
ト 3 第1誘電膜 4 記録膜 5 第2誘電膜 6 反射膜 7 オーバーコート 8 アドレスビ
ット 9 案内溝 10 成膜基板 11 ハードコート付成膜基板 12 HC・OC
付成膜基板 13 ロード室 14 アンロード
室 15 Si N電極 16 Mo 電極 17 Al 電極 18 プロセスガス
配管 19 成膜電極部 20 第1真空成膜
室 21 真空排気装置 22 第1搬送体 23 第2搬送体 24 支持アーム 25 サーボモータ 26 第2搬送体ス
ライド装置 27 プラズマ重合成膜槽開閉機構 30 第1基板ホルダー 31 第2基板ホルダー 32 基板ロード位
置 33 基板・マスク取付け位置 34 基板・マスク
取外し位置 35 プラズマ重合成膜位置 36 基板アンロー
ド位置 37 内マスク 38 外マスク 39 内マスク固定用電磁石 40 外マスク固定
用電磁石 41 プラズマ重合成膜槽 42 プラズマ電極 43 真空シール 44 有機ガス配管

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】未成膜基板を大気中より真空を破ることな
    くロードロック室、基板授受装置を経由して連続的に真
    空成膜室に供給し、第2搬送体経由第1搬送体において
    成膜領域を限定するマスクを装着し、各膜に共通するプ
    ロセスガスを用いて、少なくとも第1誘電体膜、記録
    膜、第2誘電体膜、反射膜の順に連続してスパッタ法に
    より成膜し、該マスクを第1基板ホルダーに残したまま
    成膜基板を第2搬送体、ロードロック室経由大気中に搬
    出する光ディスクの製造方法において、成膜基板を第1
    基板ホルダーから第2基板ホルダーに転送した後、第2
    基板ホルダーをプラズマ重合成膜槽位置に回動させ、左
    右に2分割されているプラズマ重合成膜槽をプラズマ成
    膜槽開閉機構によりフランジ面を密着させて該ホルダー
    と該アームの一部を包蔵させ、真空排気した後、プラズ
    マ重合用有機ガスを導入し、上記多層スパッタ成膜面の
    反対面にプラズマ放電を印加してプラズマ重合膜を成形
    させた後、該有機ガスを強制排出させ、該槽外環境と同
    圧力とした後、該槽を開放し、第2基板ホルダーを回動
    し、基板授受装置、ロードロック室を経由してハードコ
    ート付き成膜基板を大気中に搬出することを特徴とする
    光ディスクの製造方法。
  2. 【請求項2】プラズマ重合成膜槽を第2搬送体の基板ロ
    ード位置と第1搬送体への基板・マスク取付け位置との
    中間に配備し、未成膜基板裏面に対するハードコート処
    理を施した後、第1搬送体で正面に多層スパッタ成膜を
    施し、ハードコート付き成膜基板を大気中に搬出するこ
    とを特徴とする請求項1に記載の光ディスクの製造方
    法。
  3. 【請求項3】円周上等間隔に複数の成膜電極部及び該電
    極に対向して局所真空排気ポンプを配置し、円周上にマ
    スク付き基板を等間隔に保持する複数の第1基板ホルダ
    ーを持ち、かつ該電極部と該排気ポンプの間を間欠的に
    回転する第1搬送体を設けて成り、かつ該第1搬送体の
    下部2ケ所の基板ホルダー位置において相対する第2基
    板ホルダーを有する第2搬送体並びに第2搬送体の下部
    に未成膜基板の搬入口と成膜基板の搬出口を備え、各ロ
    ードロック室と連通する横置円筒型真空成膜室におい
    て、第2基板ホルダーの第1基板ホルダーからの基板・
    マスク取外し位置と、基板アンロード位置との中間位置
    にあって、成膜基板を保持した第2基板ホルダーの1基
    を取り込み、プラズマ重合成膜後は該ホルダーを取り出
    し得る前記真空成膜室内環境と遮断可能な2分割横置円
    筒構造で、かつプラズマ発生電極と真空排気装置とを装
    備したプラズマ重合成膜槽を配置したことを特徴とする
    光ディスクの製造装置。
  4. 【請求項4】プラズマ重合成膜槽が、2つの横置円筒形
    で各々底を有し、相対する開口側フランジ面には真空シ
    ールを持ち、成膜基板を保持した第1基板ホルダーと該
    アームの一部を該フランジ面で該槽内に包蔵させ、プラ
    ズマ重合成膜後は該フランジ面を開放して該ホルダーを
    取り出し得るプラズマ成膜槽開閉機構を配備し、成膜基
    板の成膜面側の成膜槽に真空排気装置を接続し、反対面
    側の成膜槽にプラズマ発生用高周波環状電極を備え、か
    つ有機ガス配管を接続したものである請求項3に記載の
    光ディスクの製造装置。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100608623B1 (ko) * 2001-12-21 2006-08-09 엘지전자 주식회사 역전구조 디스크의 보호층 코팅방법
JP2012091353A (ja) * 2010-10-25 2012-05-17 Fujifilm Corp 撥水膜の形成方法、撥水膜、インクジェットヘッドのノズルプレート

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