JPH09180165A - 磁気記録媒体 - Google Patents

磁気記録媒体

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JPH09180165A
JPH09180165A JP7338465A JP33846595A JPH09180165A JP H09180165 A JPH09180165 A JP H09180165A JP 7338465 A JP7338465 A JP 7338465A JP 33846595 A JP33846595 A JP 33846595A JP H09180165 A JPH09180165 A JP H09180165A
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正紀 佐武
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博司 橋本
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 分散性、耐久性が優れた結合剤を含む下層塗
布層を設けた耐久性、電磁変換特性に優れた磁気記録媒
体を得る。 【解決手段】 非磁性支持体上に非磁性粉末または強磁
性粉末を結合剤中に分散した下層塗布層と強磁性粉末を
結合剤中に分散した上層磁性層を設けた磁気記録媒体に
おいて、下層塗布層の結合剤がジオールと有機ジイソシ
アネートを主要原料とした反応生成物であるポリウレタ
ン樹脂からなり、環状構造を有する短鎖ジオールをポリ
ウレタン樹脂中に17〜40重量%含み、かつポリウレ
タン樹脂全体に対して、エーテル基を1.0〜5.0m
mol/gを含む長鎖ジオールをポリウレタン樹脂中に
10〜50重量%含む磁気記録媒体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】強磁性微粉末と結合剤とを分
散させた上層磁性層と下層塗布層を設けてなる少なくと
も2層以上の複数の層を有する優れた電磁変換特性をも
つ磁気記録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】磁気記録媒体は、録音用テープ、ビデオ
テープあるいはフロッピーディスクなどとして広く用い
られている。磁気記録媒体は、強磁性粉末が結合剤(バ
インダ)中に分散された磁性層を非磁性支持体上に積層
している。磁気記録媒体は、電磁変換特性、走行耐久性
および走行性能などの諸特性において高いレベルにある
ことが必要とされる。すなわち、音楽録音再生用のオー
ディオテープにおいては、より高度の原音再生能力が要
求されている。また、ビデオテープについては、原画再
生能力が優れているなど電磁変換特性が優れていること
が要求されている。とくに、高密度記録が要求されるデ
ジタルビデオ用の磁気記録媒体においては、より高度な
電磁変換特性が要求されている。このような優れた電磁
変換特性を有すると同時に、磁気記録媒体は前述のよう
に良好な走行耐久性を持つことが要求されている。そし
て、良好な走行耐久性を得るために、一般には研磨材お
よび潤滑剤が磁性層中に添加されている。
【0003】しかしながら、研磨材によって優れた走行
耐久性を得るためには、その添加量をある程度多くする
必要があり、そのため強磁性粉末の充填度が低下する。
また優れた走行耐久性を得るために粒子径の大きな研磨
材を使用した場合には、磁性層表面に研磨材が過度に突
出し易くなる。従って、研磨材による走行耐久性の改良
は上記の電磁変換特性の劣化をもたらす場合が多く問題
となる。そして、潤滑剤によって上記走行耐久性を向上
させる場合には、その添加量を多くする必要があり、こ
のため結合剤が可塑化され易くなり、磁性層の耐久性が
低下する傾向がある。また、上記耐久性および電磁変換
特性を向上させるためには、磁性層の主成分の一つであ
る結合剤も、当然のことながら重要な働きを担ってい
る。従来から用いられている塩化ビニル樹脂、セルロー
ス樹脂、ウレタン樹脂、アクリル樹脂等では、磁性層の
耐摩耗性が劣り、磁気テープの走行系部材を汚染すると
いう問題があった。
【0004】このような問題を改善する方法として、硬
い結合剤を用いて磁性層の硬度を上げる方法が行われて
いる。さらに、耐久性、電磁変換特性を改善するため
に、上層磁性層とともに下層塗布層の少なくとも2層か
らなる層を設けることが提案されている。例えば、特開
平7−176042号公報には、上層以外の磁性層にビ
スフェノールAのエチレンオキサイド、プロピレンオキ
サイド構造を含む芳香族系ポリウレタンを用いることを
開示しているが、下層の分散性が低く電磁変換特性およ
び耐久性も不十分である。また、Tg=−50℃〜50
℃であることが示されており、実施例でビスフェノール
Aのポリエチレンオキサイド付加物を鎖延長剤に用いた
ポリウレタン、ブタンジオールアジペートポリオールを
用いているが、Tg=−20℃であり、塗膜全体の強度
が低下するので耐久性が低下する。
【0005】また、非磁性下層に、多価OHウレタンを
用いることを特開平4−238111号公報が開示して
おり、実施例では長鎖ジオ−ルとして、カプロラクトン
ポリオ−ル含量が60%のものを用いているが、分散性
が不十分である。特開平2−113424号公報、特開
平5−242450号公報には、中間層、非磁性層に陰
性官能基含有ウレタンを含むことを開示しているが、ポ
リウレタン中の長鎖ジオ−ル含量に関する記載はない
が、実施例ではポリエステル系を用いているが、これら
は分散性、耐久性が不充分である。また、特開平3−8
3221号公報には、上層にTg=−20〜40℃のポ
リエステルウレタン、下層にTg=−50℃〜−10℃
のポリエーテルウレタンを用いることを開示している
が、Tgが低いために塗膜強度が低下するので耐久性が
不十分である。さらに、特開平3−88119号公報に
は、下層に脂肪族ポリウレタン、上層に芳香族ポリウレ
タン用いた磁気記録媒体が記載されているが、長鎖ジオ
ール、短鎖ジオール、エーテル含量についての記載はな
く、実施例ではTg≦20℃と記載されているが、塗膜
強度が低いので耐久性が不十分であり、また分散性も不
十分である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、磁性体の分
散性に優れ、高度な電磁変換特性をもち、且つ塗膜強度
が高いので繰り返し走行やスチル耐久性にも優れた磁気
記録媒体を提供することを課題とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、非磁性支持体
上に非磁性粉末または強磁性粉末を結合剤中に分散した
下層塗布層と強磁性粉末を結合剤中に分散した上層磁性
層を設けた磁気記録媒体において、下層塗布層の結合剤
がジオールと有機ジイソシアネートを主要原料とした反
応生成物であるポリウレタン樹脂からなり、環状構造を
有する短鎖ジオールをポリウレタン樹脂中に17〜40
重量%含み、かつポリウレタン樹脂全体に対して、エー
テル基を1.0〜5.0mmol/gを含む長鎖ジオー
ルをポリウレタン樹脂中に10〜50重量%含むととも
に、上層磁性層の厚みを1μm以下とした前記の磁気記
録媒体である。環状構造を有する短鎖ジオールの分子量
が500未満であり、かつ前記エーテル基を含む長鎖ジ
オールの分子量が500〜5000である前記の磁気記
録媒体である。ポリウレタン樹脂中に1分子あたり3〜
20個のOH基を有する前記の磁気記録媒体である。ポ
リウレタン樹脂は分子中に、−SO3M 、−OSO3
、−COOM、−PO32、−OPO32、−NR2
(ここで、Mは水素、アルカリ金属、アルカリ土類金
属、アンモニウム、Rは炭素数1〜12のアルキル基を
示す)から選ばれた少なくとも1種の極性基を有する前
記の磁気記録媒体である。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明の磁気記録媒体用結合剤中
に含まれるポリウレタン樹脂の原料である環状構造を有
する短鎖ジオールは、ビスフェノールA、下記の式1で
示される水素化ビスフェノールA、ビスフェノールS、
ビスフェノールPおよびこれらのエチレンオキド、プロ
ピレンキシド付加物。シクロヘキサンジメタノール、シ
クロヘキサンジオール、ハイドロキノン、ビス(2−ヒ
ドロキシエチル)テトラブロモビスフェノ−ルA、ビス
(2−ヒドロキシエチル)テトラブロモビスフェノ−ル
S、ビス(2−ヒドロキシエチル)テトラメチルビスフ
ェノールS、ビス(2−ヒドロキシエチル)ジフェニル
ビスフェノールS、ビス(2−ヒドロキシエチル)ジフ
ェニルビフェノール、ビス(2−ヒドロキシエチル)チ
オジフェノール、ビス(2−ヒドロキシエチル)ビスフ
ェノールF、ビフェノール、ビスフェノールフルオレ
ン、ビスフェノールフルオレンジヒドロキシエチルエー
テル、さらに好ましくは、水素化ビスフェノールA、ビ
スフェノールS、ビスフェノールPおよびこれらのエチ
レンオキド、プロピレンキシド付加物。シクロヘキサン
ジメタノール、シクロヘキサンジオール等の芳香族、脂
環族を有するジオールである。
【0009】
【化1】
【0010】さらに好ましくは、式1で示す水素化ビス
フェノールAおよびそのエチレンオキシド、プロピレン
オキシド付加物が挙げられる。ポリウレタン樹脂中の短
鎖ジオールの含有量は、17〜40重量%が好ましく、
さらに好ましくは20〜35重量%である。17重量%
未満では得られる塗膜が軟らかくなりすぎ充分な強度が
得られず、スチル耐久性が低下する。また、40重量%
より大では、溶剤への溶解性が低下し非磁性粉末、また
は磁性粉末の分散性が低下しやすいので上層に塗布する
上層磁性層の電磁変換特性が低下しやすいとともに、塗
布層の強度が小さくなる。
【0011】また、環状構造を有する短鎖ジオールは、
分子量が50〜500であることが好ましく、より好ま
しくは100〜300である。50未満では、磁性層が
もろくなり耐久性が低下する。また500より大である
と、塗布層のガラス転移温度Tgが低下し、軟らかくな
り耐久性が低下する。ポリウレタン樹脂中のエーテル基
の含有量は、1.0〜5.0mmol/gであることが
好ましく、より好ましくは2.0〜4.0mmol/g
である。1mmol/g未満であると微粉末への吸着性
が低下し、分散性が低下する。一方、5.0mmol/
g以上であると、溶剤への溶解性が低下し、分散性が低
下する。
【0012】ポリウレタン樹脂中のOH基の含有量は、
1分子あたり3個〜20個であることが好ましく、より
好ましくは1分子あたり4個〜5個である。1分子あた
り3個未満であるとイソシアネート硬化剤との反応性が
低下するために、塗膜強度が低下し、耐久性が低下しや
すい。また、20個より大であると溶剤への溶解性が低
下し、分散性が低下しやすい。また、ポリウレタン樹脂
の主要原料であるエーテル基を含む長鎖ジオールの含有
量は、10〜50重量%であることが好ましく、さらに
好ましくは30〜40重量%である。10重量%未満で
あると溶剤への溶解性が低下するので分散性が低下す
る。また、50重量%より大であると塗膜強度が低下す
るので耐久性が低下する。
【0013】長鎖ジオールは具体的には、ビスフェノー
ルA、水素化ビスフェノールA、ビスフェノールS、ビ
スフェノールPおよびこれらのエチレンオキシド、プロ
ピレンオキシド付加物、ポリプロピレングリコール、ポ
リエチレングリコール、ポリテトラメチレングリコール
である。さらに好ましくは、ビスフェノールA、水素化
ビスフェノールAおよびこれらのエチレンオキシド、プ
ロピレンオキシド付加物であり、とくに下記の式2で示
される化合物が好ましい。
【0014】
【化2】
【0015】また、nおよびmの値は、3〜24であ
り、好ましくは3〜20であり、より好ましくは4〜1
5である。n、mが3よりも小さいとウレタン結合濃度
が高くなり、溶剤への溶解性が低下したり、塗膜が脆く
なりやすく、さらに分散性、耐久性が低下する。24よ
りも大きくなると塗膜が軟らかくなり、スチル耐久性が
低下する。また、長鎖ジオールにおいて、Rは、以下の
、が好ましく、
【0016】
【化3】
【0017】のものがより好ましい。本発明は、ポリ
ウレタン樹脂が環状構造を有するので、塗膜強度が高
く、耐久性に優れ、プロピレンの分枝CH3 を有するの
で、溶剤への溶解性に富み分散性に優れる。また、式2
の長鎖ジオールにおいて、Xは、水素、またはメチル基
が好ましく、メチル基がより好ましい。長鎖ジオールの
重量平均分子量(Mw)は、500〜5000であり、
5000より大では塗膜強度が低下し、軟らかくなるの
で耐久性が低下する。
【0018】また、本発明のポリウレタン樹脂の数平均
分子量(Mn)は5000〜100,000が好まし
く、さらに好ましくは10,000〜50,000であ
り、特に好ましくは20,000〜40,000であ
り、5000未満では、下層塗布層の強度が低下し、耐
久性が低下する。また、100,000より大では溶剤
への溶解性が低下し、分散性が低下する。本発明のポリ
ウレタン樹脂のガラス転移温度Tgは、50〜200℃
であり、好ましくは、80〜150℃であり、さらに好
ましくは、100〜130℃である。50℃未満のもの
は高温での下層塗布層の強度が低下するので耐久性、保
存性が低下する。また、200℃より大のものはカレン
ダー成形性が低下し、電磁変換特性が低下する。
【0019】ポリウレタン樹脂中のOH基の含有量を調
整するために用いる化合物としては、OH基が3官能以
上の化合物を用いることができる。具体的には、トリメ
チロールエタン、トリメチロールプロパン、無水トリメ
リット酸、グリセリン、ペンタエリスリトール、ヘキサ
ントリオール等が挙げられ、従来技術として説明した特
公平6−64726号に記載のポリエステルポリオール
原料として用いられる2塩基酸と前記化合物をグリコー
ル成分として得られる3官能以上OH基をもつ分枝ポリ
エステル、ポリエーテルエステルが挙げられる。好まし
くは、3官能のものが好ましく、4官能以上になると反
応過程においてゲル化しやすい。
【0020】本発明のポリウレタン樹脂からなる結合剤
には、分子中に−SO3M 、−OSO3M、−COO
M、−PO3M’2 、−OPO3M’2、−NR2 、−N+
2R’COO- (ここで、Mは水素、アルカリ金属、
アルカリ土類金属、アンモニウム塩であり、M’は水
素、アルカリ金属、アルカリ土類金属、アンモニウム塩
であり、R、R’はアルキル基であり、Xはハロゲンを
示す)から選ばれた少なくとも1種の極性基を含むこと
が好ましく、とくに好ましくは、−SO3M 、−OSO
3M である。これらの極性基の量は好ましくは、1×1
-5〜2×10-4eq/gであり、特に好ましくは5×
10-5〜1×10-4eq/gである。1×10-5eq/
gより少ないと下層塗布層に混合する磁性体あるいは非
磁性体の粉末への吸着が不充分となるために分散性が低
下し、2×10-4eq/gより多くなると溶剤への溶解
性が低下するので分散性が低下する。
【0021】本発明の結合剤には、本発明のポリウレタ
ン樹脂に塩化ビニル系の合成樹脂を併用しても良い。併
用することができる塩化ビニル系樹脂の重合度は200
〜600が好ましく、250〜450が特に好ましい。
塩化ビニル系樹脂はビニル系モノマー、例えば酢酸ビニ
ル、ビニルアルコール、塩化ビニリデン、アクリロニト
リルなどを共重合させたものでもよい。また、ニトロセ
ルロース樹脂などのセルロース誘導体、アクリル樹脂、
ポリビニルアセタール樹脂、ポリビニルブチラール樹
脂、エポキシ樹脂、フェノキシ樹脂等を併用しても良
く、これらは、単独でも組み合わせでも使用することが
できる。他の合成樹脂を併用する場合には、下層塗布層
に含まれるポリウレタン樹脂は、結合剤中に10〜10
0重量%を含有されていることが好ましく、さらに好ま
しくは20〜100重量%の量である。特に好ましくは
50〜100重量%の量である。10重量%未満では溶
媒への溶解性が低下し、分散性が低下する。
【0022】また塩化ビニル系樹脂は、結合剤中に10
〜80重量%含有されていることが好ましく、さらに好
ましくは20〜70重量%の量である。特に好ましくは
30〜60重量%の量である。また、本発明の環状構造
を有する短鎖ジオールには、他のジオールを併用するこ
とができる。具体的には、エチレングリコール、1,3
−プロピレンジオール、1,2−プロピレングリコー
ル、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオー
ル、1,6−ヘキサンジオール、2,2−ジメチルプロ
パンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノ
ナンジオール、ジエチレングリコール、シクロヘキサン
−1,4−ジオール、シクロヘキサン−1,4−ジメタ
ノール等の脂肪族ジオール、脂環族ジオール等、また、
ビスフェノールA、ビスフェノールAのエチレンオキサ
イドまたはプロピレンオキサイド付加物等の芳香族ジオ
ール、N−ジエタノールアミンのエチレンオキシドまた
はプロピレンオキシド付加物等のジオールを挙げること
ができる。これらのなかでも好ましくは、ビスフェノー
ルAまたは水素化ビスフェノールAのエチレンオキシド
付加物、プロピレンオキシド付加物であり、更に好まし
くはビスフェノールAのプロピレンオキシド付加物であ
る。これらを用いることによって、環状構造により高強
度、高Tgであって、高耐久性の塗布膜が得られる。さ
らに分枝CH3 の導入により溶剤への溶解性に優れるた
め高分散性が得られる。
【0023】また、本発明の結合剤中には有機ジイソシ
アネートを含有させることができる。有機ジイソシアネ
ート化合物の例としては、2,4−トリレンジイソシア
ネート、2,6−トリレンジイソシアネート、キシレン
−1,4−ジイソシアネート、キシレン−1,3−ジイ
ソシアネート、4−4’−ジフェニルメタンジイソシア
ネート、4,4−ジフェニルエーテルジイソシアネー
ト、2−ニトロジフェニル−4,4’−ジイソシアネー
ト、2,2’−ジフェニルプロパン−4,4’−ジイソ
シアネート、4,4’−ジフェニルプロパンジイソシア
ネート、m−フェニレンジイソシアネート、p−フェニ
レンジイソシアネート、ナフチレン−1,4−ジイソシ
アネート、ナフチレン−1,5−ジイソシアネート、
3,3’−ジメトキシジフェニル−4,4’−ジイソシ
アネート等の芳香族ジイソシアネート、リジンジイソシ
アネート等の脂肪族ジイソシアネート、イソホロンジイ
ソシアネート、水添化トリレンジイソシアネート、水添
化ジフェニルメタンジイソシアネート等の脂環族ジイソ
シアネート等を挙げることができる。下層塗布層に含ま
れるポリイソシアネート化合物は、結合剤中に10〜5
0重量%の範囲で含有されていることが好ましく、さら
に好ましくは20〜40重量%の範囲である。
【0024】また、電子線照射による硬化処理を行う場
合には、ウレタンアクリレート等のような反応性二重結
合を有する化合物を使用することができる。樹脂成分と
硬化剤との合計(すなわち結合剤)の重量は、非磁性体
または磁性体粉末100重量部に対して、通常15〜4
0重量部の範囲内にあることが好ましく、さらに好まし
くは20〜30重量部である。
【0025】本発明の磁性層あるいは非磁性層に使用さ
れるその他の添加剤としては潤滑効果、帯電防止効果、
分散効果、可塑効果、などをもつものが使用される。二
硫化モリブデン、二硫化タングステン、グラファイト、
窒化ホウ素、フッ化黒鉛、シリコーンオイル、極性基を
もつシリコーン、脂肪酸変性シリコーン、フッ素含有シ
リコーン、フッ素含有アルコール、フッ素含有エステ
ル、ポリオレフイン、ポリグリコール、アルキルリン酸
工ステルおよびそのアルカリ金属塩、アルキル硫酸エス
テルおよびそのアルカリ金属塩、ポリフェニルエーテ
ル、フッ素含有アルキル硫酸工ステルおよびそのアルカ
リ金属塩、炭素数10〜24の不飽和結合を含んでも、
また分枝していてもよい一塩基性脂肪酸、およびこれら
の金属塩(Li、Na、K、Caなど)または、炭素数
12〜22の不飽和結合を含んでもまた分枝していても
よい、一価、二価、三価、四価、五価、六価アルコー
ル、炭素数12〜22のアルコキシアルコール、炭素数
10〜24の不飽和結合を含んでもまた分枝していても
よい一塩基性脂肪酸と炭素数2〜12の不飽和結合を含
んでもまた分枝していてもよい一価、二価、三価、四
価、五価、六価アルコールのいずれか一つ、とからなる
モノ脂肪酸エステルまたはジ脂肪酸エステルまたはトリ
脂肪酸工ステル、アルキレンオキシド重合物のモノアル
キルエーテルの脂肪酸エステル、炭素数8〜22の脂肪
酸アミド、炭素数8〜22の脂肪族アミンなどが使用で
きる。これらの具体例としてはラウリン酸、ミリスチン
酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、ステアリ
ン酸ブチル、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、エ
ライジン酸、ステアリン酸オクチル、ステアリン酸アミ
ル、ステアリン酸イソオクチル、ミリスチン酸オクチ
ル、ステアリン酸ブトキシエチル、アンヒドロソルビタ
ンモノステアレート、アンヒドロソルビタンジステアレ
ート、アンヒドロソルビタントリステアレート、オレイ
ルアルコール、ラウリルアルコール等があげられる。
【0026】また、アルキレンオキサイド系、グリセリ
ン系、グリシドール系、アルキルフェノールエチレンオ
キサイド付加体等のノニオン界面活性剤、環状アミン、
エステルアミド、第四級アンモニウム塩類、ヒダントイ
ン誘導体、複素環類、ホスホニウムまたはスルホニウム
類等のカチオン系界面活性剤、カルボン酸、スルホン
酸、リン酸、硫酸エステル基、リン酸エステル基などの
酸性基を含むアニオン界面活性剤、アミノ酸類、アミノ
スルホン酸類、アミノアルコールの硫酸またはリン酸エ
ステル類、アルキルベダイン型等の両性界面活性剤等も
使用できる。これらの界面活性剤については、「界面活
性剤便覧」(産業図書株式会社発行)に詳細に記載され
ている。これらの潤滑剤、帯電防止剤等は必すしも10
0%純粋ではなく、主成分以外に異性体、未反応物、副
反応物、分解物、酸化物等の不純分が含まれてもかまわ
ない。これらの不純分は30%以下が好ましく、さらに
好ましくは10%以下である。
【0027】本発明で使用されるこれらの潤滑剤、界面
活性剤は非磁性層、磁性層でその種類、量を必要に応じ
使い分けることができる。例えぱ、非磁性層、磁性層で
融点、の異なる脂肪酸を用い表面へのにじみ出しを制御
する、沸点や極性の異なるエステル類を用い表面へのに
じみ出しを制御する、界面活性剤量を調節することで塗
布の安定性を向上させる、潤滑剤の添加量を非磁性層で
多くして潤滑効果を向上させるなどが考えられ、無論こ
こに示した例のみに限られるものではない。また本発明
で用いられる添加剤のすべてまたはその一部は、磁性塗
料製造のどの工程で添加してもかまわない、例えば、混
練工程前に強磁性粉末と混合する場合、強磁性粉末と結
合剤と溶剤による混練工程で添加する場合、分散工程で
添加する場合、分散後に添加する場合、塗布直前に添加
する場合などがある。
【0028】本発明で使用されるこれら潤滑剤としては
具体的には、日本油脂社製:NAA一102、ヒマシ油
硬化脂肪酸、NAA一42、カチオンSA、ナイミーン
L−201、ノニオンE−208、アノンBF、アノン
LG、ブチルステアレート、ブチルラウレート、エルカ
酸、関東化学社製:オレイン酸、竹本油脂社製:FAL
一205、FAL−123、新日本理化社製:エヌジェ
ルブLO、信越化学社製:TA一3、ライオンアーマー
社製:アーマイドP、ライオン社製:デュオミンTD
O、日清製油社製:BA−41G、三洋化成社製:プロ
ファン2012E、ニューポールPE61、イオネット
MS−400などがあげられる。
【0029】下層塗布層である下層非磁性層または下層
磁性層について含まれる粉体について説明する。本発明
の下層塗布層に用いられる無機粉末は、磁性粉末、非磁
性粉末を問わない。例えば非磁性粉末の場合、金属酸化
物、金属炭酸塩、金属硫酸塩、金属窒化物、金属炭化
物、金属硫化物、等の無機質化合物から選択することが
できる。無機化合物としては例えばα化率90〜100
%のα−アルミナ、β−アルミナ、γ−アルミナ、炭化
ケイ素、酸化クロム、酸化セリウム、α−酸化鉄、コラ
ンダム、窒化ケイ素、チタンカーバイド、酸化チタン、
二酸化ケイ素、酸化すず、酸化マグネシウム、酸化タン
グステン、酸化ジルコニウム、窒化ホウ素、酸化亜鉛、
炭酸カルシウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、二硫
化モリブデンなどが単独または組合せで使用される。特
に好ましいのは二酸化チタン、酸化亜鉛、酸化鉄、硫酸
バリウムであり、更に好ましいのは二酸化チタンであ
る。これら非磁性粉末の平均粒径は0.005〜2μm
が好ましいが、必要に応じて平均粒径の異なる非磁性粉
末を組み合わせたり、単独の非磁性粉末でも粒径分布を
広くして同様の効果をもたせることもできる。とりわけ
好ましいのは非磁性粉末の平均粒径は0.01μm〜
0.2μmである。非磁性粉末のpHは6〜9の間が特
に好ましい。非磁性粉末の比表面積は1〜100m2
g、好ましくは5〜50m2/g、更に好ましくは7〜
40m2/gである。非磁性粉末の結晶子サイズは0.
01μm〜2μmが好ましい。DBPを用いた吸油量は
5〜100ml/100g、好ましくは10〜80ml/100g、更
に好ましくは20〜60ml/100gである。比重は1〜1
2、好ましくは3〜6である。形状は針状、球状、多面
体状、板状のいずれでも良い。
【0030】これらの非磁性粉末の表面にはAl2O3、SiO
2、TiO2、ZrO2、SnO2、Sb2O3、ZnOで表面処理すること
が好ましい。特に分散性に好ましいのはAl2O3、SiO2、T
iO2、ZrO2であるが、更に好ましいのはAl2O3、SiO2、ZrO
2である。これらは組み合わせて使用しても良いし、単
独で用いることもできる。また、目的に応じて共沈させ
た表面処理層を用いても良いし、先ずアルミナで処理し
た後にその表層をシリカで処理する方法、またはその逆
の方法を採ることもできる。また、表面処理層は目的に
応じて多孔質層にしても構わないが、均質で密である方
が一般には好ましい。
【0031】下層塗布層にカーボンブラックを混合させ
て公知の効果であるRsを下げることができるととも
に、所望のマイクロビッカース硬度を得る事ができる。
このためにはゴム用ファーネスブラック、ゴム用サーマ
ルブラック、カラー用カーボンブラック、アセチレンブ
ラック等を用いることができる。カーボンブラックの比
表面積は100〜500m2/g、好ましくは150〜
400m2/g、DBP吸油量は20〜400ml/100g、
好ましくは30〜200ml/100gである。カーボンブラ
ックの平均粒径は5nm〜80nm、好ましく10〜5
0nm、さらに好ましくは10〜40nmである。カー
ボンブラックのpHは2〜10、含水率は0.1〜10
%、タップ密度は0.1〜1g/ml、が好ましい。本発
明に用いられるカ−ボンブラックの具体的な例としては
キャボット社製、BLACKPEARLS 2000、
1300、1000、900、800,880,70
0、VULCAN XC−72、三菱化成工業社製、#
3050B、3150B、3250B、#3750B、
#3950B、#950、#650B、#970B、#
850B、MA−600、コロンビアカ−ボン社製、C
ONDUCTEX SC、RAVEN 8800,8000,700
0,5750,5250,3500,2100,2000,1800,1500,1255,1250、ア
クゾー社製ケッチェンブラックECなどが挙げられる。
【0032】本発明の下層塗布層にはまた、磁性粉末を
用いることもできる。磁性粉末としては、γ−Fe
23、Co変性γ−Fe23、α−Feを主成分とする
合金、CrO2等が用いられる。とくに、Co変性γ−
Fe23 が好ましい。本発明の下層に用いられる強磁
性粉末は上層磁性層に用いられる強磁性粉末と同様な組
成、性能が好ましい。
【0033】本発明の磁気記録媒体に使用される強磁性
粉末は、強磁性酸化鉄、コバルト含有強磁性酸化鉄又は
強磁性合金粉末でSBET 比表面積が40〜80m2/g
、好ましくは50〜70m2/g である。結晶子サイ
ズは12〜25nm、好ましくは13〜22nmであ
り、特に好ましくは14〜20nmである。長軸長は
0.05〜0.25μmであり、好ましくは0.07〜
0.2μmであり、特に好ましくは0.08〜0.15
μmである。強磁性金属粉末としてはFe、Ni、Fe
−Co、Fe−Ni、Co−Ni、Co−Ni−Fe等
が挙げられ、金属成分の20重量%以下の範囲内で、ア
ルミニウム、ケイ素、硫黄、スカンジウム、チタン、バ
ナジウム、クロム、マンガン、銅、亜鉛、イットリウ
ム、モリブデン、ロジウム、パラジウム、金、錫、アン
チモン、ホウ素、バリウム、タンタル、タングステン、
レニウム、銀、鉛、リン、ランタン、セリウム、プラセ
オジム、ネオジム、テルル、ビスマスを含む合金を挙げ
ることができる。また、強磁性金属粉末が少量の水、水
酸化物または酸化物を含むものなどであってもよい。
【0034】また、本発明の磁気記録媒体は、ポリエチ
レンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポ
リエステル樹脂フイルムを支持体とすることが好まし
く、とくにポリエチレンナフタレートを用いることによ
って強度が大きく電磁変換特性の優れた磁気記録媒体が
得られる。本発明のポリウレタンは、公知のポリウレタ
ンに比べて、芳香族や脂環族などの環状構造を含む短鎖
ジオールを多く含むので公知のポリウレタンに比べて、
塗膜が高強度、高Tgが得られる。特に高温環境での繰
り返し走行などに優れる。また、短鎖ジオール含量が多
いので実質的にポリウレタン中のウレタン結合濃度が増
加するので、更に高強度、高Tgが得られた。
【0035】特に重層構成を有する磁気記録媒体におい
ては、電磁変換特性を向上させるために上層磁性層厚み
を薄くすると塗膜全体の強度が低下するが本発明のポリ
ウレタンを下層に用いることで上層磁性層を薄層にして
も塗膜強度が向上できたためと考えられる。公知のポリ
ウレタンでは環状構造やウレタン結合濃度が増加すると
溶剤溶解性が低下し、磁性体や非磁性粉体の分散性が低
下して下層の平滑性が低下し、上層の平滑性も低下して
しまうが本発明のポリウレタンは溶剤溶解性にも優れて
おり分散性にも優れている利点がある。
【0036】これは、 本発明のポリウレタンには親水
性のエーテル基が極微量含有しているので溶剤溶解性を
低下させずにポリウレタンの磁性体、非磁性粉体への吸
着がしやすくなるために分散性が向上したと考えられ
る。
【0037】また、適度な靱性も付与できるので塗膜全
体が脆くならないので繰り返し走行性も低下しない利点
もある。OH基を分子中に3個以上有することで、磁性
体への吸着がしやすくなるために更に分散性が向上する
作用をもつと考えられる。又、一般的に用いられている
イソシアネート系硬化剤との反応性も向上するので、よ
り高度な耐久性が得られた。
【0038】
【実施例】
ポリウレタン合成例 還流式冷却器、攪拌機を具備し、予め窒素置換した容器
に表1に示したジオールをシクロヘキサノン中にて窒素
気流下で60℃で溶解した。次いで触媒として、ジ−n
−ジブチルスズジラウレートを使用した原料の総量に対
して60ppm加え更に15分間溶解した。更に表1に
示したMDI、TMPを加え90℃にて4時間加熱反応
し、ポリウレタン樹脂1〜13を得た。得られたポリウ
レタンのOH含量、分子量を表1に示す。なお、ポリウ
レタン樹脂のOH含量は、JIS K0070の試験方
法により求めたOH価及びGPCを用いて求めたポリス
チレン換算での数平均分子量から一分子あたりのOH基
数で示した。
【0039】
【表1】
【0040】表における%は重量%を示し、OH含量
は、1分子当たりの個数を示す。表におけるジオール
は、下記のものを示す。 HBpA:水素化ビスフェノールA(新日本理化製リカ
ビノールHB) 化合物A:ビスフェノールAのポリプロピレンオキシド
付加物(分子量600) 化合物B:ビスフェノールAのポリプロピレンオキシド
付加物(分子量1000) PCL600:ポリカプロラクトンポリオール(分子量
600) PCL1000:ポリカプロラクトンポリオール(分子
量1000) NPG:ネオペンチルグリコール PPG600:ポリプロピレングリコール(分子量60
0) DEIS:スルホイソフタル酸エチレンオキシド付加物 TMP:トリメチロールプロパン 実施例1 実施例中の「部」の表示は「重量部」を示す。 (上層磁性層用塗布液の調整)強磁性合金粉末(組成:
Fe92%、Zn4%、Ni4%、Hc2000Oe、
結晶子サイズ15nm、BET比表面積59m/g、
長軸径0.12μm,針状比7、σs140emu/
g)100部をオープンニーダーで10分間粉砕し、次
いで塩化ビニル/酢酸ビニル/グリシジルメタクリレー
ト=86/9/5の共重合体にヒドロキシエチルスルホ
ネートナトリウム塩を付加した化合物(SO3Na=6
×10-5eq/g,エポキシ=10-3eq/g、Mw
30,000)を7.5部及びポリウレタン樹脂(東洋
紡績製UR8300)10部(固形分)、シクロヘキサ
ノン60部で60分間混練し、次いで 研磨剤 Al23(粒子サイズ0.3μm) 2部 カーボンブラック (粒子サイズ 40nm) 2部 メチルエチルケトン/トルエン=1/1 200部 を加えてサンドミルで120分間分散した。これに ポリイソシアネート 5部(固形分) (日本ポリウレタン製 コロネート3041) ブチルステアレート 2部 ステアリン酸 1部 メチルエチルケトン 50部 を加え、さらに20分間攪拌混合したあと、1μmの平
均孔径を有するフィルターを用いて濾過し、上層用磁性
層塗布液を調製した。
【0041】(下層塗布層用塗布液の調整)α−Fe2
3ヘマタイト(平均粒径0.15μm、SBET52m2
/g、表面処理Al23、SiO2、pH6.5〜8.
0)85部 をオープンニーダーで10分間粉砕し、次
いで塩化ビニル/酢酸ビニル/グリシジルメタクリレー
ト=86/9/5の共重合体にヒドロキシエチルスルホ
ネートナトリウム塩を付加した化合物(SO3Na=6
×10-5eq/g、エポキシ=10-3eq/g、Mw3
0,000)を11部およびポリウレタン樹脂110部
(固形分)、シクロヘキサノン60部で60分間混練
し、次いで メチルエチルケトン/シクロヘキサノン=6/4 200部 を加えてサンドミルで120分間分散した。これに ブチルステアレート 2部 ステアリン酸 1部 メチルエチルケトン 50部 を加え、さらに20分間攪拌混合したあと、1μmの平
均孔径を有するフィルターを用いて濾過し、下層塗布層
用塗布液を調製した。非磁性支持体の厚さ10μmのポ
リエチレンナフタレート支持体上に接着層としてスルホ
ン酸含有ポリエステル樹脂を乾燥後の厚さが0.1μm
になるようにコイルバーを用いて塗布した。次いで得ら
れた下層塗布層用塗布液を2.0μmに、さらにその直
後に上層磁性層用塗布液を乾燥後の厚さが0.1μmに
なるように、リバースロールを用いて同時重層塗布し
た。上層磁性層用塗布液が塗布された非磁性支持体を、
塗布液が未乾燥の状態で3000ガウスの磁石で磁場配
向を行ない、さらに乾燥後、金属ロール−金属ロール−
金属ロール−金属ロール−金属 ロール−金属ロール−
金属ロールの組み合せによるカレンダー処理を(速度1
00m/分、線圧300kg/cm、温度90℃)で行
なった後8mm幅に裁断した。
【0042】実施例2〜5 上層用磁性層塗布液は実施例1のものを用い、下層塗布
層用塗布液はポリウレタン樹脂1を表2に示したものに
変更した以外は実施例1と同様に作製した。
【0043】実施例6 上層磁性層厚みを1.0μmとした以外は実施例1と同
様に作製した。
【0044】実施例7 下層用のα−Fe23ヘマタイトを酸化チタン(平均粒
径0.035μm、結晶型ルチル、TiO2 含有量90
%以上、表面処理層アルミナ、SBET40m2/g、真比
重4.1、pH=7)とした以外は実施例1と同様に作
製した。
【0045】実施例8 上層用ポリウレタン樹脂(東洋紡績製UR8300)を
ポリウレタン樹脂1とした以外は実施例1と同様に作製
した。
【0046】比較例1〜5、7 ポリウレタン樹脂Aを表2に示したポリウレタン樹脂に
変更して、実施例1と同様の方法で作成した。
【0047】比較例6 上層磁性層厚みを1.5μmとした以外は実施例1と同
様に作成した。
【0048】得られた磁気記録媒体を下記に記載の測定
方法によって測定し、その結果を表2に示す。
【0049】〔測定方法〕 電磁変換特性:試料テープにVTR(ソニー製:TR
705)を用いて7MHzの信号を記録し再生した。比
較例2のテープを基準テープとし、このテープの7MH
zの再生出力を0dBとしたときの相対的な再生出力を
測定した。 Ra:デジタルオプチカルプロフィメ−タ−(WYK
O製)を用いた光干渉法により、カットオフ0.25m
mの条件で中心線平均粗さをRaとした。 スチル耐久性: 40゜C80%RH環境下において、
のVTRを用いてスチル状態で、再生出力が記録信号
の50%になるまでの時間(スチル耐久時間)を測定し
た。 繰り返し走行性:60分長のテープをのVTRを用
いて40℃80%RH環境下で100回連続繰り返し走
行させ、ビデオヘッドの汚れを観察し、またビデオ出力
を連続して記録し、1回目の出力を0dBとして出力低
下を測定した。 ビデオヘッド汚れ 優秀・・・・・汚れが観察されなかったもの 不良・・・・・汚れが目視で観察されたもの 下層用塗布液のポットライフ:塗布液調整直後の液粘
度をB型粘度計(東京計器製)で測定し、塗布液を23
℃下で5時間静置保存し、塗布液粘度が直後の粘度より
も増加したものを不良とし、変化ないものを優秀とし
た。
【0050】
【表2】
【0051】
【発明の効果】本発明の磁気記録媒体は、下層塗布液の
結合剤として特定の化学構造を有するポリウレタンを用
いたので、下層塗布液の分散性が向上し、上層に塗布し
た磁性層の表面性が向上し電磁変換特性が向上した。ま
た、塗膜強度が高く、特に高温環境でのスチルライフ、
ヘッド汚れが改良された。さらに、予期せぬ効果として
下層塗布液のポットライフが向上した。また、本発明の
ポリウレタンは、上層のみまたは単層で用いるのに比べ
て、下層に用いることで、下層塗布層用塗布液の液粘度
が安定しているために重層での塗布適性に優れており、
とくに重層塗布の際に下層に用いると塗布液の凝集によ
って発生する40nm以上の粗さの割合が減少するので
ヘッドとのスペーシングロスが減り、高度な電磁変換特
性を得る効果がある。
フロントページの続き (72)発明者 沖田 務 神奈川県小田原市扇町2丁目12番1号 富 士写真フイルム株式会社内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 非磁性支持体上に非磁性粉末または強磁
    性粉末を結合剤中に分散した下層塗布層と強磁性粉末を
    結合剤中に分散した上層磁性層を設けた磁気記録媒体に
    おいて、下層塗布層の結合剤がジオールと有機ジイソシ
    アネートを主要原料とした反応生成物であるポリウレタ
    ン樹脂からなり、ポリウレタン樹脂は環状構造を有する
    短鎖ジオールを17〜40重量%含み、かつポリウレタ
    ン樹脂全体に対して、エーテル基を1.0〜5.0mm
    ol/gを含む長鎖ジオールをポリウレタン樹脂中に1
    0〜50重量%含み、上層磁性層の厚みが1μm以下で
    あることを特徴とする磁気記録媒体。
  2. 【請求項2】 環状構造を有する短鎖ジオールの分子量
    が500未満であり、かつ前記エーテル基を含む長鎖ジ
    オールの分子量が500〜5000であることを特徴と
    する請求項1記載の磁気記録媒体。
  3. 【請求項3】 ポリウレタン樹脂中に1分子あたり3〜
    20個のOH基を有することを特徴とする請求項1記載
    の磁気記録媒体。
  4. 【請求項4】 ポリウレタン樹脂は分子中に、−SO3
    M 、−OSO3M 、−COOM、−PO32、−OP
    32、−NR2 (ここで、Mは水素、アルカリ金属、
    アルカリ土類金属、アンモニウム、Rは炭素数1〜12
    のアルキル基を示す)から選ばれた少なくとも1種の極
    性基を有することを特徴とする請求項1〜3記載の磁気
    記録媒体。
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