JPH09179105A - プラズマアドレス方式表示素子及びその駆動装置 - Google Patents

プラズマアドレス方式表示素子及びその駆動装置

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JPH09179105A
JPH09179105A JP34982995A JP34982995A JPH09179105A JP H09179105 A JPH09179105 A JP H09179105A JP 34982995 A JP34982995 A JP 34982995A JP 34982995 A JP34982995 A JP 34982995A JP H09179105 A JPH09179105 A JP H09179105A
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discharge
electrode
substrate
auxiliary
potential
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JP34982995A
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English (en)
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Shunji Okada
俊二 岡田
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Original Assignee
Sony Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 プラズマアドレス方式表示素子のプラズマ放
電駆動電圧を低減化する。 【解決手段】 表示素子は互いに間隔をもって重なり合
う第1基板10、誘電質の第2基板40及び誘電質の第
3基板60を備えている。又、第3基板60の第2基板
40に向い合う面とは反対の面に第4基板70が重なっ
ている。液晶層20が第1基板10と第2基板40の間
に設けられている。第1基板10の内表面には信号電極
30が形成されている。第3基板60の上に隔壁80が
形成されており、ガス層を仕切って放電ガス室50を形
成する。放電ガス室50内には信号電極30と直交する
方向に一対の第1電極91及び第2電極92が形成され
ている。誘電質の第3基板60と第4基板70との間に
補助放電電極93が介在しており、第1電極との間で補
助放電を行なう。このプラズマアドレス方式表示素子は
この補助放電とこれに続く第1電極91/第2電極92
間の主放電とによりプラズマアドレス動作を行なう。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はフラットディスプレ
イとしてのプラズマアドレス方式表示素子に関する。特
に、誘電質層を介した補助放電を伴なうプラズマアドレ
ス方式表示素子の構造及びその駆動装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、マトリクスタイプのフラットディ
スプレイである液晶表示素子を高解像度化及び高コント
ラスト化する為の手段としては、各画素毎に薄膜トラン
ジスタ等のスイッチング素子を設け、これを線順次で駆
動するアクティブマトリクスアドレス方式が知られてい
る。しかしながら、この方式では半導体デバイスを絶縁
基板上に多数個設ける構造となり、特に大面積化した時
には製造プロセス上歩留りが悪くなる短所がある。
【0003】そこで、この短所を解決する手段として、
米国テクトロニクス社のブザク等は特開平1−2173
96号公報において、薄膜トランジスタ等のスイッチン
グ素子に代えて、プラズマスイッチを利用する方式を提
案している。以下、プラズマ放電に基づくスイッチを利
用して電気光学セルを駆動するプラズマアドレス表示素
子の構造を簡潔に説明する。図13に示す様に、この表
示素子は電気光学セル1101とプラズマセル1102
と両者の間に介在する中間基板1103とからなる積層
フラットパネル構造を有している。プラズマセル110
2は下側のガラス基板1104を用いて形成されてお
り、その表面に複数の平行な溝1105が設けられてい
る。この溝1105は例えば行列マトリクスの行方向に
伸びている。各溝1105は中間基板1103によって
密封され、個々に仕切られて分離した放電ガス室110
6を構成している。この密封された放電ガス室1106
にはイオン化可能なガスが封入されている。個々の放電
ガス室1106は完全に気密分離している。互いに隣接
する溝1105を隔てる凸状部1107は個々の放電ガ
ス室1106を区分けする隔壁の役割を果すと共に、各
放電ガス室1106のギャップスペーサとしての役割も
果している。各溝1105の底部には互いに平行な一対
の電極1108,1109が設けられている。この一対
の電極はアノード及びカソードとして機能し、放電ガス
室1106内のガスをイオン化して放電プラズマを発生
する。かかる放電領域は行走査単位(表示ライン)とな
り、個々に分離している。
【0004】一方電気光学セル1101は上側のガラス
基板1110を用いて構成されている。このガラス基板
1110は中間基板1103に所定の間隙を介して対向
配置されており、間隙内には電気光学層として例えば液
晶層1111が充填されている。又ガラス基板1110
の内表面には透明導電材料からなる信号電極1112が
形成されている。この信号電極1112は放電ガス室1
106と直交しており、列駆動単位となる。列駆動単位
と行走査単位の交差部分にマトリクス表示画素が規定さ
れる。
【0005】この様な構成を有するマトリクスタイプの
表示素子においては、プラズマ放電が行なわれる放電ガ
ス室1106を線順次(ラインアドレス)で切り換え走
査すると共に、この走査に同期して電気光学セル110
1側の信号電極1112に走査ラインアドレスに該当す
る画像信号を印加する事により、プラズマアドレス表示
駆動が行なわれる。個々に分離した放電ガス室1106
内に直流(DC)プラズマ放電が発生すると、正イオン
は重いので移動速度が遅く、正イオンの集まるカソード
近傍の電位降下は急である。そして、プラズマ内部は電
気的に導体であるのでDCプラズマ放電の特質としてカ
ソード近傍を除く内部全体は略一様にアノード電位に近
くなり、一行毎の走査ラインアドレス選択が行なわれ
る。即ち、放電ガス室1106はアドレススイッチとし
て機能する。プラズマアドレススイッチが導通した状態
では放電ガス室1106の放電に沿って中間基板110
3の誘電薄層を介して陽電位がアドレスラインとして形
成される。この状態で信号電極に走査ラインアドレスに
該当する画像信号が印加されると、電気光学セル110
1に保持された液晶層1111は電位差により配向さ
れ、画素単位の光通過領域を制御し、表示素子背部から
照射された入射光を透過遮断制御でき、所望の表示を行
なう事が可能になる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】個々の放電ガス室11
06にプラズマ放電あるいはグロー放電を発生させる為
に、一対の電極1108,1109(即ち、アノード/
カソード)間に放電電圧を印加する。この際、放電開始
時に比較的高い放電開始電圧が必要であり、その後の放
電維持電圧は比較的低くて済む。ここで、図13に示し
た従来のプラズマセル構造では、個々の放電ガス室11
06に対し各走査単位毎に高い直流放電開始電圧とそれ
に続く放電電流を供給しなければならない。この為、プ
ラズマアドレス方式表示素子の駆動電圧が高くなり、駆
動電力消費が増大する為課題となっていた。さらに、放
電開始電圧の印加から実際のグロー放電開始までに、気
体放電に特有な統計的な時間遅延ばらつきがある為、ラ
インアドレスの高速走査を行なって高解像度表示を実現
する事が困難であるという課題があった。
【0007】
【課題を解決するための手段】上述した従来の技術の課
題を解決する為、改良されたプラズマアドレス方式表示
素子及びその駆動装置を創案した。即ち、本発明にかか
るプラズマアドレス方式表示素子は互いに間隔をもって
重なり合う第1基板、誘電質の第2基板及び誘電質の第
3基板を備えている。又、上記第3基板の上記第2基板
に向い合う面とは反対の面に重なり合う第4基板を備え
ている。電気光学層が上記第1基板と上記第2基板の間
に設けられる。信号電極が上記第1基板の上記第2基板
に向い合う面に複数個平行に設置される。ガス層が上記
第2基板と上記第3基板の間に設けられる。隔壁が上記
第3基板の上記第2基板に向い合う面の上に形成されて
いる。この隔壁は上記信号電極に直交する方向に複数個
平行に所定の高さに設置され、上記ガス層を仕切って複
数個の細長い放電ガス室を形成する。第1電極及び第2
電極が上記放電ガス室内に設けられる。これら第1電極
及び第2電極は上記信号電極に直交する方向に複数個互
いに平行な放電電極面をもって設置される。特徴事項と
して、複数個の細長い補助放電電極が上記誘電質の第3
基板と上記第4基板との間に設けられている。この補助
放電電極は上記第1電極と平行して設置され上記第1電
極との間で補助放電を行なう。かかる構成により、本プ
ラズマアドレス方式表示素子は補助放電と第1電極及び
第2電極間の主放電とによりプラズマアドレス動作を行
なう。
【0008】好ましくは、上記第3基板は誘電質のガラ
ス薄板からなる。又、上記補助放電電極は金属電極部材
部分を有する。この場合、上記第4基板は上記金属電極
部材部分を配置する凹部を設けて、上記誘電質のガラス
薄板上に上記補助放電電極と共に接して重ね合わされ
る。又好ましくは、上記第3基板は塗布型誘電ガラスの
焼成層であっても良い。さらに好ましくは、上記補助放
電電極は上記第1電極又は上記第2電極と平行な複数の
部分を互いに端部を結合して一体となし、画像表示の各
ライン周期毎に補助放電を行なわせる様にしても良い。
【0009】本発明にかかる駆動装置は、電気光学層を
挟んで互いに直交する信号電極及び放電ガス室を備えた
プラズマアドレス方式表示素子に接続されるものであ
る。本駆動装置は信号電極駆動手段と、第1の放電駆動
手段と、第2の放電駆動手段と、第3の放電駆動手段と
を備えている。信号電極駆動手段は、電気光学層の上面
に複数個平行に設置された信号電極に表示画像の各表示
ラインアドレス毎の画像信号を供給し駆動する。第1の
放電駆動手段は、上記電気光学層の反対側下面に第1の
誘電質層を介して上記信号電極と直交し両側を平行な隔
壁で仕切られて形成された複数個の細長い放電ガス室内
に放電電極面をもって設置される第1電極の放電電流を
制限する。第2の放電駆動手段は、上記複数個の細長い
放電ガス室の下面に第2の誘電質層を挟んで上記第1電
極と平行に複数設置される補助放電電極と上記第1電極
との間で表示画像の表示ラインアドレスに相当する期間
の始まる直前に補助放電を行なう。第3の放電駆動手段
は、上記複数個の細長い放電ガス室内で上記第1電極と
向い合って平行な第2電極を駆動し、上記表示画像の表
示ラインアドレスに相当する期間に主放電を行なう。
【0010】好ましくは、上記第1の放電駆動手段は上
記各第1電極と接地電位との間に介在する放電電流制限
手段からなる。上記第2の放電駆動手段は表示画像の表
示ラインアドレスに相当する表示期間終了までその駆動
電位を維持する手段である。上記第3の放電駆動手段は
上記第2の放電駆動手段の駆動電位に対して相対的に第
2電極を駆動する手段である。この場合、本駆動装置は
さらに駆動制御手段を備えており、上記第3の放電駆動
手段の出力電位を補助放電開始の時は上記第2電極を第
1電極と補助放電電極間の放電開始電圧以下となる中間
電位に設定し、表示画像の表示ラインアドレスに該当す
る表示期間の時は第2電極と第1電極とで主放電を開始
維持する電位に設定する。又好ましくは、上記駆動制御
手段は、上記第3の放電駆動手段の出力電位を、上記表
示画像の表示ラインアドレスに該当する期間の終了の後
に上記補助放電開始前の上記第3の放電駆動手段の出力
電位に戻す事により、第1電極と第2電極の間に逆バイ
アス電位を印加する期間を設ける。さらに好ましくは、
上記第2の放電駆動手段は複数個設置される上記補助放
電電極の端部を互いに結合して一体となして表示画像の
毎表示ライン期間の始まる直前から終了までその補助放
電駆動電位を維持する手段とする。この場合、上記駆動
制御手段は上記第2の放電駆動手段の補助放電駆動電位
に対応する期間は上記第2電極を上記第1電極及び上記
補助電極間で放電を起さない中間電位に制御する。さら
に上記駆動制御手段は表示画像の表示ラインアドレスに
該当する表示期間の時は第2電極を第1電極に対し主放
電を開始しそれを維持する電位に制御する。
【0011】本発明によれば、プラズマアドレス方式表
示素子は第1ないし第4の基板を重ねた積層構造を有し
ている。このうち、第3の基板はガラス薄板又は塗布型
誘電ガラスの焼成層からなる。第2の基板と第3の基板
との間に密封されたガス層は隔壁により分割されてお
り、複数の平行な放電ガス室を構成する。各放電ガス室
には第1電極(アノード)及び第2電極(カソード)が
互いに向い合って設けられている。第3の基板を介して
(各)第2電極(カソード)の下に第3電極として第1
電極(アノード)と平行に配された部分を持つ補助放電
電極を設ける。第1電極(アノード)と第3電極(補助
放電電極)は両者の間に介在する誘電質の第3の基板に
生じる電荷分離により、第3電極に対する電圧印加時に
短時間(1μsec 程度)の交流(AC)補助放電を行な
う。この際、第2電極(カソード)は放電を起さない電
位に設定される。次に、プラズマアドレス動作のライン
選択時は、該当する放電ガス室内で第1電極(アノー
ド)と第2電極(カソード)間で主放電を行なう。主放
電終了の時は、第3電極(補助放電電極)は第1電極(ア
ノード)と同電位になる。一方、第2電極(カソード)
は第1電極(アノード)に対し逆電位バイアスを短時間
(1μsec 程度)加えて第1電極と同電位にする。この
様に、先にAC補助放電を行なう事で主放電の開始電位
を下げる事ができ、効率的な電位分配を行なう事が可能
である。このAC補助放電に用いられる補助放電電極は
カソードと平行な点、同時にアノードとは誘電質層を介
して反対面に位置している点に特徴がある。なお、従来
のAC発光のプラズマディスプレイでは、AC放電の為
の誘電層は蒸着膜や電着膜等である必要があった。これ
に対し、本発明に用いられる補助放電電極は主放電を生
じさせないので、誘電層は厚膜印刷やガラスシート薄膜
で形成する事が可能である。
【0012】
【発明の実施の形態】以下図面を参照して本発明の最良
な実施形態を詳細に説明する。図1は本発明にかかるプ
ラズマアドレス方式表示素子及びその駆動装置を包含し
たシステムの一例を示すブロック図である。図示する様
に、本システムはフラットディスプレイとしてのプラズ
マアドレス方式表示素子1とこれに接続する駆動装置2
とから構成されている。この駆動装置2はプラズマアド
レス方式表示素子1を駆動する駆動部3とこれを制御す
る制御部4とを有している。プラズマアドレス方式表示
素子1は入力画像信号に応じた画像を表示するフラット
ディスプレイであり、駆動部3から供給される画像信号
に応じて駆動される様になっている。なお、この駆動部
3は水平駆動回路5と垂直駆動回路6を備えている。駆
動部3には信号処理回路7が接続されている。この信号
処理回路7は信号入力部8から供給された入力画像信号
にγ補正処理、周波数処理、輝度信号あるいはYMCK
信号からRGB信号への変換合成等の信号処理を施す。
さらに、各水平ライン及び垂直ラインの表示駆動信号に
変換して駆動部3に供給する。これにより、入力画像信
号に応じた画像をプラズマアドレス方式表示素子1に表
示させる様になっている。その駆動タイミングは制御部
4により制御される様になっている。その制御部4は信
号処理回路7を介して入力画像信号と同期して動作す
る。
【0013】次に、図2を参照して図1に示したプラズ
マアドレス方式表示素子の構造を説明する。本図はプラ
ズマアドレス方式表示素子の構造を模式的に示す分解斜
視図である。本表示素子は平行に複数個並んだ細長い放
電ガス室と電気光学物質層としての液晶層とが積層され
ている。特徴事項として、交流補助放電とそれに続く直
流主放電を用いたライン走査駆動を実現するものであ
る。図示する様に、本表示素子は互いに間隔をもって重
なり合う第1基板(フェースプレート)10、誘電質の
第2基板(誘電シート)40及び誘電質の第3基板60
とを備えている。さらに、上記第3基板60の第2基板
40に向い合う面とは反対の面に第4基板(バックプレ
ート)70が重なり合っている。第1基板10と第2基
板40との間に電気光学層として液晶層20が設けられ
ている。さらに第1基板10の第2基板40と向い合う
面に信号電極30が複数個平行に設置されている。第2
基板40と第3基板60との間にガス層が介在してい
る。第3基板60の第2基板40に向い合う面の上に隔
壁80が設けられている。この隔壁80は信号電極30
に直交する方向に複数個平行に所定の高さで設置され、
上記ガス層を仕切って複数個の細長い放電ガス室50を
形成する。各放電ガス室50内に第1電極(アノード、
A)91と第2電極(カソード、K)92が設けられて
いる。これら第1電極91及び第2電極92は信号電極
30に直交する方向に複数個互いに平行な放電電極面を
もって設置されている。特徴事項として、誘電質の第3
基板60と第4基板70との間に第3電極(補助放電電
極、CH)93が設けられている。この補助放電電極9
3は第1電極91と平行して設置されこれとの間で補助
放電を行なう。この細長い補助放電電極93は複数個設
けられている。本発明ではこの補助放電と第1電極91
及び第2電極92間の主放電とによりプラズマアドレス
動作を行なう。この他、第4基板(バックプレート)7
0の直下には照明光源としてバックライト100が設け
られている。又、第1基板(フェースプレート)10の
表面に出射側の偏光板201が貼着されていると共に、
第4基板(バックプレート)70の裏面に入射側の偏光
板202が貼着されている。
【0014】図3は、図2に示したプラズマアドレス方
式表示素子を構成する4枚の基板及び3種類の電極を抜
き出して模式的に示したものであり、構造の理解を容易
にしている。図示する様に、上から順に第1基板(フェ
ースプレート)10、第2基板(誘電シート)40、第
3基板(誘電シート又はガラス薄板)60及び第4基板
(バックプレート)70が順に重ねられている。第3基
板60の表面には第1電極(アノード)91及び第2電
極(カソード)92が形成されている。又、第4基板7
0の表面には第3電極(補助放電電極)93が形成され
ている。
【0015】再び図2に戻って本発明にかかるプラズマ
アドレス方式表示素子の構造を詳細に説明する。バック
ライト100等の背面光源からの光が入射側の偏光板2
02を介して第4基板(バックプレート)70に入射す
る。この光は第4基板70と積層された第3基板(誘電
質薄層であるガラス薄板)60を通過する。さらに、第
3基板60と第2基板(例えば薄板ガラス)40とで挟
まれ複数の平行に形成された放電ガス室(プラズマ室)
50を通過する。さらに第2基板40と第1基板(フェ
ースプレート)10との間に封入された液晶層20を介
して出射側の偏光板201を通過し、前面に透過放射さ
れる。この光源から前方に透過放射される光を、画素単
位で選択的に透過/遮断制御する事により、二次元の平
面マトリクス画像表示が行なわれる。即ち、一方向に平
行に配列された信号電極30とこれに直交する方向に複
数個平行に形成された放電ガス室(直流プラズマ放電ラ
インアドレスパタン)50とで画素の二次元マトリクス
を構成する。この二次元マトリクスの交点位置にある液
晶層20の画素に対して選択的に電界を印加する事によ
り、液晶層20の配向を変化させ、一対の偏光板20
1,202を含む液晶セル構造における画素単位での光
透過/遮断を行なう。複数個平行に形成された放電ガス
室(放電チャネル)50の直流プラズマ放電における各
ラインのアドレス選択放電開始駆動電圧の低下を図る
為、第4基板(バックプレート)70の前面にガラス薄
板からなる第3基板60を積層し、その誘電質の荷電分
離により過渡現象として放電ガス室50内に交流補助放
電を発生させている。
【0016】以下、各構成要素についてさらにその詳細
を説明する。光源となるバックライト100は表示素子
の背面から照明光を照射する。バックライト100の輝
度を制御する事により表示画面の輝度制御が可能であ
る。入射側の偏光板202はバックライト100から放
射された照明光のうち所定の偏光面を有する成分のみを
透過させるものであり、第4基板(ガラス等からなるバ
ックプレート)の背面、即ち光源側の面に貼着されてい
る。第4基板70はプラズマを保持する為の空間、即ち
放電ガス室50の背面側の支持部材であり、その機械的
強度により表示素子全体の強度に貢献している。第4基
板70の前面には誘電質薄層であるガラス薄板等からな
る第3基板60が積層されている。誘電質の荷電分離に
より過渡現象として放電ガス室50内で交流補助放電を
発生させ、後述する様に直流主放電における各ラインの
放電開始駆動電圧の低下を図り、各ラインのアドレス選
択動作を迅速且つ容易にする。第4基板70に対向して
放電ガス室50を挟んで前面側に第2基板40が配置さ
れている。この第2基板40は誘電質薄層である薄板ガ
ラス等からなり、放電ガス室50と液晶層20との境界
を形成すると共に、光学的に透明であり且つ誘電質の荷
電分離により電界を通過させ、プラズマ放電により形成
された仮想電極と信号電極30との間の電界を液晶層2
0に作用させて、その配向制御を行ない透過光量を制御
する。液晶層20は誘電薄板ガラス等からなる第2基板
40と第1基板(ガラス等のフェースプレート)10と
の間に封入されており、電界に応答して入射光の偏光方
向を変化させる。第1基板10はその背面に上述した液
晶層20を保持すると共に、透明導電膜からなる信号電
極30がその背面に形成されている。出射側の偏光板2
01は第1基板10に貼着されており、液晶層20を透
過してきてその偏光面を制御された光を所定の偏光面の
成分のみ選択的に透過させる。信号電極30は第1基板
10の背面、即ち液晶層20側の面に、互いに平行なス
トライプ状に配列されて形成され、液晶層20に電界を
かける一方の電極として用いられており、主にITO等
の光学的に透明度の高い且つ導電率の高い材料が用いら
れている。
【0017】次に図4を参照して放電ガス室50の具体
的な構成例を詳細に説明する。図示する様に、放電ガス
室50は第4基板(バックプレート)70の上に積層さ
れた誘電質の第3基板60と、その前面の液晶層20の
背面に設けられた誘電質の薄板ガラス等からなる第2基
板40とで形成される空間内に存在する。この放電ガス
室50内には、第1電極であるアノードAと第2電極で
あるカソードKとが、信号電極30の配列方向と直交す
る方向に形成されている。アノードA及びカソードKは
放電ガス室50内でその放電電極面を互いに向い合わせ
て配列され、隔壁(バリアリブ)80により各電極間の
プラズマ放電空間が分離されている。一方、補助放電電
極CHは第4基板70とその前面に積層される第3基板
60との境界に形成されている。補助放電電極CHはガ
ラス薄板等からなる第3基板60を挟んでアノードA及
びカソードKとは平行に配列されている。補助放電電極
CHへの矩形駆動電圧印加により第3基板60を構成す
る誘電質の荷電分離を誘起させ、電圧印加の過渡現象と
して放電ガス室50内でアノードAとの交流補助放電を
発生させる。カソードKは直流主放電を発生させる際に
負電位に保持されて電子を放出する。アノードAはプラ
ズマを発生させる際に正電圧をかけられる。なお図4の
例では対となるアノードAとカソードKの両脇に隔壁8
0を形成しており、補助放電電極CHはカソードKの直
下に設けられている。これに代えて、補助放電電極CH
をアノードAの直下に設けても良く、さらにはアノード
AとカソードKの双方の直下に設けて誘電質薄層全体を
より効率的に荷電分離させる様にする事も可能である。
又、これら電極材料が放電の電子放出には適していて
も、イオンスパッタやガラスへのマイグレーションが生
じやすい材料である場合もある。マイグレーションとは
ガラスとの長年月期間の接触によりイオン置換による特
性劣化障害を意味する。これら障害を防止する為、各電
極のガラス接触境界面に酸化膜等の保護膜を設けても良
い。又、放電ガス室50内の放電電極表面に電子放出に
適した層を被覆しても良く、各電極の内部と外周を複合
構造にして上述の電子放出を生じやすく且つ安定な電極
材料としても良い。なお、本実施例では補助放電電極C
Hは第4基板70に埋め込んだ構造となっている。即ち
補助放電電極CHは金属電極部材部分を持ち、第4基板
70は上記金属電極部材部分を配置する凹部を設けて誘
電質のガラス薄板からなる第3基板60に補助放電電極
CHと共に接して重ね合わせている。
【0018】図5は放電ガス室50の他の構成例を示す
模式的な部分断面図である。図4に示した先の実施例で
は第4基板70に積層される第3基板60は誘電質のガ
ラス薄板を用いていた。これに対し、本実施例では第3
基板60は塗布型誘電ガラスの焼成層から構成されてい
る。この様に、ガラス粉体の不純物混入防止管理、焼成
管理等により高電圧の繰り返し印加を長期間行なって
も、ピンホール発生等の障害の惧れのない場合には透明
ガラスペースト等の焼成層を第3基板60として使用す
る事が可能である。
【0019】図6は放電ガス室50の別の実施例を示す
模式的な部分断面図である。本例では、各アノードAの
上に隔壁80が形成されている。隔壁80の頂部は誘電
質薄板ガラス等からなる第2基板40の背面側に当接し
ており、ガス層を細長い小さな放電ガス室50に分離し
ている。この放電ガス室50は前述した様にプラズマセ
ル側の液晶駆動用電極に相当し放電チャネルとも称され
る。放電ガス室50内にはイオン化可能なガス、例えば
ヘリウム、ネオン、アルゴン等の不活性ガスやこれらの
混合気体が封入される。所定の放電チャネル内のカソー
ドKとアノードAとの間に例えば300V程度の電圧が
印加されると、その放電チャネル内のガスが電離しイオ
ン化されてプラズマ放電が発生する。
【0020】図7は放電ガス室50のさらに別の実施例
を示す模式的な部分断面図である。表示素子の高精細化
の為、アノードAとカソードKの距離が接近する場合に
は、平均自由行程の縮小により放電開始電圧が上昇す
る。これに対処する為、本実施例では隔壁80,81を
大小2つ隣接して形成し、低い方の隔壁81の上に線状
のアノードAをのせている。これにより、アノードAを
補助放電電極CH及びカソードKから距離を離す様にす
る事が可能である。
【0021】次に図8を参照して、交流補助放電及び直
流主放電の機構を詳細に説明する。(A)は電圧印加前
の状態を表わしている。補助放電電極CHは第4基板
(バックプレート)とその前面に積層された誘電質薄層
であるガラス薄板等からなる第3基板60との境界に位
置している。補助放電電極CHはガラス薄板等からなる
第3基板60を挟んでアノードA及びカソードKとは平
行に配列されている。
【0022】(B)は交流補助放電が発生した状態を示
している。補助放電電極CHに対する矩形駆動電圧の印
加により誘電質の荷電分離を誘起させ、電圧印加の過渡
現象として放電ガス室内でアノードAとの瞬間的な交流
補助放電を発生させる。0.1〜数μsec 以内の短い補
助放電による放電ガス電離により放出された正イオンは
カソードKの電極面に衝突し2次電子を放出させ、直流
主放電を開始するのに容易な状態を各放電ガス室内部に
用意する。アノードAとカソードKの放電電極面が平行
に配列されているこの細長い放電ガス室内で、それらの
間の直流主放電を発生させる際、各ラインの放電開始駆
動電圧の低下を効果的に図り、各ラインのアドレス選択
動作を迅速且つ確実容易とする。この時、カソードKは
アノードAや補助放電電極CH双方との放電を起さない
様所定の中間電位に設定される。
【0023】(C)は直流主放電が発生した状態を示し
ている。第2電極であるカソードKはプラズマアドレス
動作の為直流主放電を発生させる際、上記中間電位から
0.1〜数μsec 以内にさらに駆動され、ラインアドレ
ス走査電位である負電位が印加され、アノードAとの電
位差により電子を放出させる。ガスは電離してプラズマ
状態となり、アノードA/カソードK間に直流主放電を
起す。直流主放電状態においては、カソードKの近傍で
は電離した正電荷イオンの移動速度は遅く、この為電位
勾配は急峻に変化する。プラズマ電離ガス内部は電位的
に中性を保持する導電体と見なされる。アノードA近傍
では負電荷電子の移動速度は高速で、電位勾配は殆ど生
じない。即ち直流放電状態ではカソードKの近傍を除き
略アノードAの電位になる特性がある。従って、細長い
放電ガス室内で平行に放電電極面をもつアノードAとカ
ソードKはこの細いアドレスラインに沿って放電ガス室
内の幅方向に所謂面放電を行なう事になる。このアドレ
スラインの放電が起った場合には正の電位が放電ガス室
の前面に渡って発生する事になり、この結果放電ガス室
の全面に位置する誘電質の薄板ガラス等からなる第2基
板が荷電分離を起し電界を通過させる。正電位の細長い
アドレスラインの電界が放電ガス室の放電に沿って発生
する。この状態で第1基板(フェースプレート)の背面
に複数個配列された各信号電極にこの走査アドレスライ
ンに該当する各表示データの画像信号電圧が印加される
と、その放電チャネルに対応して行方向に並ぶ複数の画
素の液晶層に誘電質薄板ガラスからなる第2基板を介し
て画像信号電圧が書き込まれる。
【0024】(D)は上述した直流主放電が終了した状
態を表わしている。この場合補助放電電極CHはアノー
ドAと同電位になる。一方カソードKはアノードAに対
し逆電位バイアスを短時間(1μsec 程度)加えて所謂
サンドキャッスル(砂の城型)パルスを発生させその後
アノードAと同電位にしている。これにより、直流主放
電を速やかに終了させる事ができる。以上の様に直流主
放電が終了すると放電チャネルはフロート電位となり、
各画素の液晶層に書き込まれた画像信号電圧は次の書き
込み期間、例えば表示画像信号の繰り返し画面に対応し
た1フィールド後あるいは1フレーム後まで保持され
る。即ち、放電チャネルはアドレスサンプリングスイッ
チとして機能すると共に、各画素の液晶層はアドレスサ
ンプリングデータ保持層として機能する。
【0025】次に図9を参照して、図1に示した駆動装
置の具体的な構成例を説明する。本駆動装置は第1の放
電駆動手段(放電電流制限手段)として各アノードAに
接続された抵抗Rを備えている。放電のI−V特性カー
ブに対し、抵抗Rの直線傾斜で放電電流制限を加える様
にする。又、第2の放電駆動手段として、制御回路30
4からインバータを介して供給されるタイミングデータ
CHTに応じて各走査アドレスライン期間に例えば約3
00Vの負電圧矩形波振幅を補助放電電極CHに印加す
る補助放電電極駆動手段301を備えている。この補助
放電電極駆動手段(補助放電電極ドライバ)301は各
補助放電電極CHを複数個平行に配列されたアノードA
と誘電質薄層を挟んで平行な各部分につきその端部を結
合した一体の電極として駆動している。これにより、各
放電ガス室内は毎回のアドレスライン動作毎に極めて短
い時間の補助放電、所謂種火放電を誘起する。一方、第
3の放電駆動手段としてのカソードドライバ302は各
カソードKに対してその実電位が、アノード電極電位
(この場合は接地電位)及びカソード電極の電位(この
場合は毎回のアドレスライン動作毎に1走査アドレスラ
イン毎に約300Vの負電圧矩形波振幅を印加される為
約300Vとなる)との中間電位となる様に駆動する。
具体的には、毎回のアドレスライン動作毎に、1走査ア
ドレスライン期間に補助放電電極ドライバ301の出力
電位である約300Vの負電圧矩形波振幅出力に対し
て、それと同じ期間毎回各カソードKに正の例えば50
V矩形波振幅を印加する。この為、カソードドライバ3
02は複数のカソードライン本数分必要であり、その耐
電圧は補助放電電極ドライバ301の出力電位である約
300V以上は必要なのは同様である。但し、その実際
の出力電圧振幅は50Vで済み、アドレスライン選択動
作を行なうのにより簡単な駆動が可能となる。又、補助
放電は走査アドレスライン毎でありそのプラズマ放電の
開始電圧は高いにも関わらず、誘電質薄層の荷電電離を
利用する事から、各走査アドレスラインではその放電期
間は極めて短くて済む。各カソードKをアノード電位及
びカソード電位の中間電位となる様に駆動する為、カソ
ードドライバ302にデータを与える為、フォトカプラ
303等光電変換を利用した絶縁手段を介して信号タイ
ミング伝送を行なう。このタイミングデータは制御回路
304側から供給される。本例ではカソード中間電位駆
動タイミングデータKTは各カソードKにつき共通で済
む。一方、プラズマアドレスライン選択の時は、そのタ
イミングデータKDとして、別途上記タイミングデータ
KTから0.1〜数μsec 以内さらに遅延したものを供
給する。この選択データKDはインバータを介して反転
された後カソードドライバ302に伝達される。これに
よりカソードドライバ302はカソードKを駆動してラ
インアドレス走査電位である負電圧を印加する。制御回
路304は、この各走査アドレスラインを選択しアノー
ドAとの電位差により電子を放出させる為に直流放電カ
ソード駆動タイミングデータKDを入力する手段とし
て、上記共通のカソード中間電位駆動タイミングデータ
KTに対して直流放電カソード駆動タイミングデータK
Dの出力をn個有している。さらに、これらを各々カソ
ード中間電位駆動タイミングデータKTの区間から直流
放電カソード駆動タイミングデータKDの区間を減算す
るn個の減算手段を経て、各アドレスライン毎に設けら
れる電気絶縁信号タイミング伝送手段303に供給し、
各カソードKを夫々駆動して走査アドレスライン選択を
行なう。この結果、カソードドライバ302の駆動電位
はカソードへの直流放電駆動電圧を直接印加する場合に
比べ数分の1で済み、本例の場合は50V/300V=
1/6で済む。この様に、本発明ではカソードドライバ
302は比較的駆動電圧能力の小さな駆動回路で済む事
になる。この事は、高精細画像表示素子の実現を考える
と、そのアドレスラインは精細度に比例して増加する事
から極めて有効な手段と考えられる。プラズマアドレス
方式により走査ライン選択された直流主放電の終了時、
補助放電電極駆動電圧及びカソード駆動電圧のタイミン
グは略同時に元の電位、この場合はアノード電極電位に
戻される。この時、補助放電電極駆動電圧の駆動タイミ
ングを先に元に戻す事により、実際のカソード駆動電位
はカソード駆動電圧が残っている事から、カソード電極
電位がその他のアノード電位及び補助放電電極電位より
も先に印加された中間電位分だけ高くなる逆バイアスの
タイミングを残す事が可能になる。放電中の電離荷電粒
子が逆バイアスを受けるので、選択された走査アドレス
ライン直流プラズマ放電の迅速な放電終了を行なう事が
できる。これは、カソード電極電位の駆動を単一の駆動
手段で行なう場合にはアナログ的に互いに異なる中間電
位、直流放電電位、逆バイアス電位の3つの電位レベル
に駆動しなければならないのに対し、本発明では駆動電
圧の小さい単一振幅電位レベルのカソード電極駆動手段
(カソードドライバ)302で済む様になる。なお、上
述した実施例では複数個配列された各補助放電電極はそ
の端部を結合してグリル状に一体化したものを使用した
が、これとは別に各放電ガス室に含まれる補助放電電極
を1本おきにその端部を結合して、各補助放電電極を互
いに櫛歯状に向い合わせて配置した2組の電極とする事
で、隣接する放電チャネルの駆動の影響を軽減する様に
しても良い。
【0026】図10は、図9に示した駆動装置の動作説
明に供する波形図である。なお、この波形図の最下段に
示した(A)ないし(D)の記号は図8に示した状態
(A)ないし(D)に対応しており、理解の助けとして
いる。一方、この波形図ではアノード電極に印加される
電圧をVAで表わし、補助放電電極に印加される電圧を
VCHTで表わしている。又、カソードKに印加される
電圧は補助放電用の電圧VKTとアドレスライン選択し
主放電を発生させる場合の電圧V(KT−KD)が示さ
れている。そして、カソードKの実電位がVKで表わさ
れている。先ず放電開始前の状態(A)では、アノード
A、カソードK及び補助放電電極CHには全て0Vが印
加されている。従って、カソードの実電位VKは0Vで
ある。次にAC補助放電が行なわれる状態(B)に移行
すると、VKTが+50Vに立ち上がる一方、VCHT
が−300Vに立ち下がる。従って、VKは−250V
となり、アノードAと補助放電電極CH間で所望のAC
補助放電が発生する。次に、DC主放電が発生する状態
(C)に進むと、V(KT−KD)が0Vに立ち下が
る。この結果、カソードKの実電位VKは−300Vと
なり、アノードAとカソードK間で所望のDC主放電が
発生する。最後にDC主放電が終了する状態(D)に移
行すると、先ずVKD及びVCHTが0Vに復帰する。
即ちV(KT−KD)は+50Vに立ち上がる。この結
果、カソードKの実電位VKは逆バイアス状態となり、
DC主放電を速やかに完了させる事ができる。図10に
おける状態(B)の期間、即ち交流補助放電から直流放
電までの期間はArガス4Torr、アノード(A)カソー
ド(K)間0.3mmの場合は3〜8μsec で直流放電の
放電遅れ改善効果が認められた。
【0027】図10は選択されたラインに対してDC主
放電を発生させる場合であるのに対し、図11は非選択
のラインでDC主放電を発生させない場合の波形図を示
している。図11と図10を比べれば明らかな様に、図
10の状態Cの開始タイミングにおいても非選択ライン
に対してはV(KT−KD)が0Vに立ち下がらず50
Vに維持されたままである。この結果、状態(B)で示
す様にAC補助放電は発生するものの、DC主放電が発
生せず、状態(D)にそのまま移行する。即ち、非選択
ラインについてはVKDが立ち下がらない為DC主放電
を示す状態(C)が実現しない。
【0028】最後に図12は1本の放電ガス室に着目し
た駆動電圧のタイミングチャートを示している。この放
電ガス室は丁度水平期間nで選択される様になってい
る。この場合、VAは全ての選択期間につき0Vに維持
され、V(KT−KD)は各選択期間毎+50Vに立ち
上がり、VCHTは各選択期間毎に−300Vにレベル
変化する。これに対しV(KT−KD)は水平期間nの
時のみ再び0Vに立ち下がる様レベル変化する。この
時、DC主放電が実際に発生し、ライン選択が行なわれ
る。
【0029】又、上述の実施の形態では各アノードAに
対して平行に、第3基板を介して補助放電電極CHを設
けたが、本発明の実施の形態はこれに限らず、特に表示
素子のガス封入管近傍、又は画面走査先頭近傍の一部の
ラインアドレスに対応する放電ガス室において、各アノ
ードAに対して平行に第3基板を介して補助放電電極C
Hを設けて交流補助放電を行なわせる事としても良い。
表示素子であるガス封入パネルを製造する時には、ガラ
ス製のガス封入管の場合には加熱封止の時発生する汚れ
とその拡散により放電電極表面が汚染され、この部分の
放電開始が阻害され放電遅れが発生しやすいのを改善す
る事となるからである。又は、画面走査先頭近傍の数本
のラインアドレスに対応する放電ガス室は隣接する放電
ガス室の放電から隔壁を介して伝わる微小な壁電荷を比
較的得られない環境により放電遅れが比較的発生しやす
いのを改善する事となるからである。
【0030】
【発明の効果】以上説明した様に、本発明によれば、プ
ラズマセルの放電チャネル毎に補助放電電極を設けてい
る。この補助放電電極はカソード電極と平行である。又
この補助放電電極はアノード電極に対し誘電層を介して
反対側に設置されている。先ず補助放電電極とアノード
電極との間で誘電質の荷電分離により過渡現象としてプ
ラズマチャネル内で交流補助放電を発生させ、これによ
り直流主放電の開始電圧の低下を図り、もって各ライン
のアドレス選択動作を迅速且つ容易に行なう事が可能に
なる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかるプラズマアドレス方式表示素子
とその駆動装置とからなる表示システムの一例を示すブ
ロック図である。
【図2】本発明にかかるプラズマアドレス方式表示素子
の構造を示す模式的な分解斜視図である。
【図3】同じく本発明にかかるプラズマアドレス方式表
示素子の基板構成並びに電極構成を示す模式的な分解斜
視図である。
【図4】本発明にかかるプラズマアドレス方式表示素子
に形成される放電ガス室の一実施例を示す部分断面図で
ある。
【図5】同じく放電ガス室の他の実施例を示す部分断面
図である。
【図6】同じく放電ガス室の別の実施例を示す部分断面
図である。
【図7】同じく放電ガス室のさらに別の実施例を示す部
分断面図である。
【図8】放電ガス室に設けられた放電電極の機能説明図
である。
【図9】本発明にかかる駆動装置の具体的な構成を示す
回路図である。
【図10】図9に示した駆動装置の動作説明に供する波
形図である。
【図11】同じく動作説明に供する波形図である。
【図12】同じく動作説明に供するタイミングチャート
である。
【図13】従来のプラズマアドレス方式表示素子の一例
を示す斜視図である。
【符号の説明】
1 プラズマアドレス方式表示素子 2 駆動装置 3 駆動部 4 制御部 5 水平駆動回路 6 垂直駆動回路 7 信号処理回路 8 信号入力部 10 第1基板 20 液晶層 30 信号電極 40 第2基板 50 放電ガス室 60 第3基板 70 第4基板 80 隔壁 91 第1電極 92 第2電極 93 補助放電電極 100 バックライト 201 偏光板 202 偏光板

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 互いに間隔をもって重なり合う第1基
    板、誘電質の第2基板及び誘電質の第3基板と、 上記第3基板の上記第2基板に向い合う面とは反対の面
    に重なり合う第4基板と、 上記第1基板と上記第2基板の間に設けられる電気光学
    層と、 上記第1基板の上記第2基板に向い合う面に複数個平行
    に設置される信号電極と、 上記第2基板と上記第3基板の間に設けられるガス層
    と、 上記第3基板の上記第2基板に向い合う面の上に、上記
    信号電極に直交する方向に複数個平行に所定の高さに設
    置され、上記ガス層を仕切って複数個の細長い放電ガス
    室を形成する隔壁と、 上記放電ガス室内で上記信号電極に直交する方向に複数
    個互いに平行な放電電極面をもって設置される第1電極
    及び第2電極と、 上記誘電質の第3基板と上記第4基板との間に上記第1
    電極と平行して設置され上記第1電極との間で補助放電
    を行なう複数個の細長い補助放電電極とを有し、 補助放電と第1電極及び第2電極間の主放電とによりプ
    ラズマアドレス動作を行なうプラズマアドレス方式表示
    素子。
  2. 【請求項2】 上記第3基板は誘電質のガラス薄板と
    し、 上記補助放電電極は金属電極部材部分を持ち、 上記第4基板は上記金属電極部材部分を配置する凹部を
    設けて上記誘電質のガラス薄板に上記補助放電電極と共
    に接して重ね合わせる請求項1のプラズマアドレス方式
    表示素子。
  3. 【請求項3】 上記第3基板は、塗布型誘電ガラスの焼
    成層である請求項1のプラズマアドレス方式表示素子。
  4. 【請求項4】 上記補助放電電極は、上記第1電極又は
    上記第2電極と平行な複数の部分を互いに端部を結合し
    て一体となし、画像表示の各ライン周期毎に補助放電を
    行なわせる請求項1のプラズマアドレス方式表示素子。
  5. 【請求項5】 電気光学層を挟んで互いに直交する信号
    電極及び放電ガス室を備えたプラズマアドレス方式表示
    素子に接続される駆動装置であって、 電気光学層の上面に複数個平行に設置された信号電極に
    表示画像の各表示ラインアドレス毎の画像信号を供給し
    駆動する信号電極駆動手段と、 上記電気光学層の反対側下面に第1の誘電質層を介して
    上記信号電極と直交し両側を平行な障壁で仕切られて形
    成された複数個の細長い放電ガス室内に放電電極面をも
    って設置される第1電極の放電電流を制限する第1の放
    電駆動手段と、 上記複数個の細長い放電ガス室の下面に第2の誘電質層
    を挟んで上記第1電極と平行に複数個設置される補助放
    電電極と上記第1電極との間で表示画像の表示ラインア
    ドレスに該当する期間の始まる直前に補助放電を行なう
    第2の放電駆動手段と、 上記複数個の細長い放電ガス室内で上記第1電極と向い
    合って平行な第2電極を駆動し、上記表示画像の表示ラ
    インアドレスに該当する期間に主放電を行なう第3の放
    電駆動手段とを有する、 プラズマアドレス方式表示素子の駆動装置。
  6. 【請求項6】 上記第1の放電駆動手段は、上記各第1
    電極と接地電位との間に介在する放電電流制限手段から
    なり、 上記第2の放電駆動手段は表示画像の表示ラインアドレ
    スに該当する表示期間の終了までその駆動電位を維持す
    る手段とし、 上記第3の放電駆動手段は、上記第2の放電駆動手段の
    駆動電位に対して相対的に第2電極を駆動する手段と
    し、 上記第3の放電駆動手段の出力電位を補助放電開始の時
    は上記第2電極を第1電極と補助放電電極間の放電開始
    電圧以下となる中間電位に設定し、表示画像の表示ライ
    ンアドレスに該当する表示期間の時は第2電極と第1電
    極とで主放電を開始維持する電位に設定する駆動制御手
    段を有する、 請求項5のプラズマアドレス方式表示素子の駆動装置。
  7. 【請求項7】 上記駆動制御手段は、上記第3の放電駆
    動手段の出力電位を、上記表示画像の表示ラインアドレ
    スに該当する期間の終了の後に上記補助放電開始前の上
    記第3の放電駆動手段の出力電位に戻す事により第1電
    極と第2電極の間に逆バイアス電位を印加する期間を設
    ける上記請求項6のプラズマアドレス方式表示素子の駆
    動装置。
  8. 【請求項8】 上記第2の放電駆動手段は、複数個設置
    される上記補助放電電極の端部を互いに結合して一体と
    なして表示画像の毎表示ライン期間の始まる直前から終
    了までその補助放電駆動電位を維持する手段とし、 上記駆動制御手段は、上記第2の放電駆動手段の補助放
    電駆動電位に対応する期間は上記第2電極を上記第1電
    極及び上記補助電極間で放電を起さない中間電位に制御
    し、 さらに表示画像の表示ラインアドレスに該当する表示期
    間の時は第2電極を第1電極に対し、主放電を開始しそ
    れを維持する電位に制御する手段とする、 請求項6のプラズマアドレス方式表示素子の駆動装置。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2003001552A1 (fr) * 2001-06-26 2003-01-03 Sharp Kabushiki Kaisha Element de commutation et indicateur correspondant

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