JPH09177675A - 圧縮機の冷却構造 - Google Patents

圧縮機の冷却構造

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JPH09177675A
JPH09177675A JP34125895A JP34125895A JPH09177675A JP H09177675 A JPH09177675 A JP H09177675A JP 34125895 A JP34125895 A JP 34125895A JP 34125895 A JP34125895 A JP 34125895A JP H09177675 A JPH09177675 A JP H09177675A
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JP
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outside air
housing
blower fan
compressor
cooling structure
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Application number
JP34125895A
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English (en)
Inventor
Masahiro Kawaguchi
真広 川口
Shinichi Ogura
進一 小倉
Masahiko Okada
昌彦 岡田
Takeshi Mizufuji
健 水藤
Tetsuhiko Fukanuma
哲彦 深沼
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Toyota Industries Corp
Original Assignee
Toyoda Automatic Loom Works Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 送風ファンとハウジング側固定部材とのクリ
アランスの設定如何にかかわらず、送風ファンの送風効
率を向上できる圧縮機における冷却構造を提供するこ
と。 【解決手段】 円筒状をなす壁体47は、フロントハウ
ジング1における前壁面1αの外周を取り囲むように配
置されている。同壁体47は送風ファン46の外周位置
に若干量だけ延出されている。従って、送風ファン46
とそれに対向されるフロントハウジング1の前壁面1α
との間のクリアランスKは、前記壁体47により同送風
ファン46により形成される外気流の出口側である外周
側開口K1が取り囲まれて塞がれている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば、車両空調
用の圧縮機に関し、特に、同圧縮機を冷却するための冷
却構造に関する。
【0002】
【従来の技術】この種の圧縮機においては、熱的に厳し
いエンジンルームに搭載されるためにその冷却が課題と
なっている。そこで、実開昭50−86312号公報や
実開昭55−26168号公報等においては、圧縮機の
駆動軸に連結された回転体に送風ファンを設けることが
提案されている。つまり、回転体の回転に応じて動作さ
れる送風ファンにより、ハウジングの周囲に外気流を形
成して圧縮機の放熱効果を高めようとするものである。
【0003】さらに詳述すると、例えば、前記送風ファ
ンを構成する複数の送風フィンは、前記回転体に対向さ
れるハウジングの壁面との間の空間に延出されるように
設けられている。同送風フィンは回転体の軸線を中心と
した放射状に配置されて遠心ファンを構成している。透
孔は回転体の前面においてその軸芯付近に形成され、前
記送風ファンの中心側空間を圧縮機の前方側へ開放して
いる。
【0004】従って、送風ファンが回転されることによ
り、圧縮機の前方側の外気が透孔を介して送風ファンの
中心側に導入される。導入された外気は遠心力によりハ
ウジングの壁面にガイドされつつ送風ファンの外周側に
移動されて、外部に導き出される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところが、前記送風フ
ァンの送風効率を高めるためには、同送風ファンとそれ
に対向されるハウジング壁面との間のクリアランス(軸
方向の間隙)を、回転体の回転によりその中心側と外周
側とで中心側が大となる圧力差が生じるように精度良く
設定する必要がある。つまり、クリアランスの中心側と
外周側とで圧力差が形成されないと、同クリアランスは
その外周側開口を介して送風ファンが外気を吸い込むこ
とを許容してしまう。従って、送風ファンの吸い込み能
力の一部が、このクリアランスの外周側開口を介しての
外気の吸い込みに費やされ、圧縮機の前方側の外気を効
率良く吸い込むことができなかった。言い換えれば、送
風ファンにより形成される外気流が相反する2方向とな
り、結果として外気流が弱められて冷却効果を低減させ
ることになる。
【0006】しかし、前述したクリアランスの管理に
は、公差の振れ等を考慮して各部材の加工や組付を精度
良く行う必要があり、場合によっては組付後に各部材に
修正加工を施す必要があった。このように加工手間、組
付手間が増えて圧縮機がコスト高となっていた。
【0007】本発明は、上記従来技術に存在する問題点
に着目してなされたものであって、その目的は、送風フ
ァンとハウジング側固定部材とのクリアランスの設定如
何にかかわらず送風ファンの送風効率を向上できる圧縮
機における冷却構造を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に請求項1の発明では、クリアランスの外周側に対向す
る位置には、同クリアランスからの外気流入を規制する
壁体を設けた圧縮機における冷却構造である。
【0009】請求項2の発明では、前記壁体は前記ハウ
ジング側固定部材に配設されている。請求項3の発明で
は、前記回転体には圧縮機の前方側の外気を送風ファン
へ導くための外気導入孔が形成されている。
【0010】請求項4の発明では、前記送風ファンは遠
心ファンである。請求項5の発明では、前記壁体は送風
ファンの外周位置まで延出されている。請求項6の発明
では、前記壁体は環状をなしている。
【0011】請求項7の発明では、前記ハウジング内部
には外気導入口及び外気導出口を有した通風通路が設け
られ、同通風通路における外気導入口と外気導出口との
間に圧縮動作にともなって発熱する発熱体を配置させ、
前記送風ファンにより通風通路内に形成された外気流
に、同発熱体が曝されるように構成したものである。
【0012】請求項8の発明では、前記ハウジングにお
いて外気流の流路上には放熱フィンが設けられている。 (作用)上記構成の請求項1、2の発明においては、回
転体の回転により送風ファンが動作され、ハウジングの
周囲に外気流が形成される。この外気流により圧縮機の
冷却がなされる。
【0013】ここで、前記送風ファンとハウジング側固
定部材との間には、外気流の流動方向に沿ったクリアラ
ンスが形成されている。このクリアランスの精度管理が
不十分であると、送風ファンは外気流の出口側に対応す
る同クリアランスの開口(外周側)を介して、その付近
の外気を吸い込んでしまう(送風ファンの外周側付近で
外気流の閉回路を形成してしまう)。しかし、同クリア
ランスにおける外気流の出口側に対応する開口には、壁
体が対向されている。請求項2に示す好適な構成では、
同壁体がハウジング側固定部材に配設されている。従っ
て、送風ファンによる同開口を介しての外気の吸い込み
が壁体によって妨げられ、送風ファンによる送風効率を
向上できる。
【0014】請求項3の発明においては、送風ファンの
回転により、回転体に設けられた外気導入孔を介して圧
縮機の前方側の外気が吸い込まれる。請求項4の発明に
おいては、送風ファンの中心側に導入された外気を、同
送風ファンの回転にともなう遠心力によって外周側へ移
動させることにより外気流が形成される。
【0015】請求項5の発明においては、前記壁体は送
風ファンの外周位置まで軸方向に延出されている。従っ
て、クリアランスの開口がその位置において幅方向に全
て覆われ、同開口を介しての外気の吸い込みを抑制する
のに効果的となる。
【0016】請求項6の発明においては、前記壁体は環
状をなしている。従って、クリアランスの環状をなす開
口に対して、その全周にわたって壁体が対向されること
になり、同開口を介しての外気の吸い込みを抑制するの
に効果的となる。
【0017】請求項7の発明においては、送風ファンの
作動により通風通路内に形成された外気流に発熱体が曝
され、同発熱体の冷却がなされる。請求項8の発明にお
いては、放熱フィンが、送風ファンにより形成された外
気流に曝されることにより、ハウジングを介しての放熱
効果が高められる。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、本発明を車両空調用の圧縮
機に具体化した実施形態について説明する。なお、第2
実施形態において第1実施形態と同一部材には同じ番号
が付してある。
【0019】(第1実施形態)図1に示すように、フロ
ントハウジング1はシリンダブロック2の前端に接合固
定されている。リヤハウジング3はシリンダブロック2
の後端にプレート4を介して接合固定されている。前記
フロントハウジング1、シリンダブロック2及びリヤハ
ウジング3は、同各部材の外周側に配置された複数のボ
ルト5(ハウジング側固定部材)により合体されて本実
施形態のハウジング(ハウジング側固定部材)をなして
いる(図面には一つのボルト5のみを示す)。図2
(b)に示すように前記ボルト5の頭部5αは、フロン
トハウジング1の前壁面1α側に位置し、同前壁面1α
の外周側に凹設された収容凹部1β内に収容されて同壁
面1α内に収まっている。なお、前記各部材1〜3はア
ルミニウム(アルミニウム合金を含む)により構成され
ている。
【0020】クランク室6は、前記フロントハウジング
1とシリンダブロック2とで囲まれた空間により構成さ
れている。駆動軸7はフロントハウジング1とシリンダ
ブロック2との間に回転可能に架設支持されている。ラ
ジアルベアリング8は駆動軸7のフロントハウジング1
側を支持している。駆動軸7の前端はクランク室6内か
ら外部へ突出されている。円筒状をなすボス部9はフロ
ントハウジング1の前壁面1αにおいて一体的に突設さ
れ、前記駆動軸7の突出端部を包囲している。
【0021】軸封装置としてのリップシール10は前記
ボス部9と駆動軸7との間に介在されている。同リップ
シール10が有するシール部材としてリップリング10
αは合成ゴムにより構成され、同リップリング10αは
リップ金具10βにより支持されている。同リップリン
グ10αは、リップ金具10βがボス部9の内周に嵌合
されたサークリップ11に当接されることにより所定位
置に配置固定されている。そして、リップリング10α
が駆動軸7の周面に対して環状領域で接触されることに
より、クランク室6の内外がシールされる。
【0022】アンギュラベアリング12は、前記フロン
トハウジング1のボス部9外周に支持されている。回転
体としてのプーリ13はアンギュラベアリング12の外
輪に止着されている。ブッシュ13αは同プーリ13の
中心部に一体的に設けられ、駆動軸7の突出端部に外嵌
固定されている。同プーリ13はベルト14を介して、
外部駆動源である図示しない車両エンジンにクラッチ機
構を介することなく直接連結されている。
【0023】圧縮機構を構成する回転支持体15は前記
駆動軸7に止着されている。斜板16は駆動軸7に嵌入
されている。同斜板16は、そのガイドピン16αを以
て前記回転支持体15の支持アーム15αに係合されて
いる。従って、同斜板16はガイドピン16α及び支持
アーム15αの連係により、駆動軸7の軸線L方向へ傾
動可能かつ駆動軸7と一体的に回転可能である。
【0024】収容孔17は前記シリンダブロック2に貫
設形成されており、同収容孔17内には遮断体18がス
ライド可能に収容されている。開放バネ19は収容孔1
7内に介装され、遮断体18を斜板16側へ付勢してい
る。そして、駆動軸7の後端部はベアリング20及び遮
断体18を介して収容孔17の内周面で支持されてい
る。
【0025】吸入通路21は前記リヤハウジング3に形
成され、前記収容孔17に連通されている。そして、前
記遮断体18はそのスライド移動により、吸入通路21
と収容孔17との連通を遮断可能である。同遮断体18
は、斜板傾角の減少に伝達筒22及びベアリング20を
介して連動され、開放バネ19のばね力に抗して遮断方
向へ移動される。
【0026】片頭ピストン23は、前記シリンダブロッ
ク2に貫設されたシリンダボア2α内に収容されてい
る。斜板16の回転運動はシュー24を介して片頭ピス
トン23の前後往復運動に変換され、同片頭ピストン2
3がシリンダボア2α内を前後動される。
【0027】吸入室3α及び吐出室3βは前記リヤハウ
ジング3内において区画形成されている。そして、吸入
室3α内の冷媒ガスは、片頭ピストン23の往復動作に
より、プレート4上の吸入ポート4α及び吸入弁4βを
介してシリンダボア2α内へ流入され、吐出ポート4γ
から吐出弁4δを介して吐出室3βへ吐出される。
【0028】前記吸入室3αは通口25を介して収容孔
17に連通されている。そして、遮断体18が前記閉位
置に配置されると、通口25は吸入通路21との連通が
遮断される。
【0029】通路26は前記駆動軸7内に形成され、同
通路26の一端はリップシール10付近でクランク室6
に開口されており、他端は遮断体18の筒内に開口され
ている。放圧通口27は遮断体18の先端に貫設され、
遮断体18の筒内と収容孔17とを連通している。
【0030】圧力供給通路28は吐出室3βとクランク
室6とを接続し、同圧力供給通路28上には電磁開閉弁
29が介在されている。同電磁開閉弁29は、その励磁
又は消励により前記圧力供給通路28を閉鎖又は開放す
る。
【0031】吸入室3αへ冷媒ガスを導入する吸入通路
21と、吐出室3βから冷媒ガスを排出する排出口30
とは外部冷媒回路31で接続されている。同外部冷媒回
路31上には凝縮器32、膨張弁33及び蒸発器34が
介在されている。
【0032】次に、本実施形態の冷却構成について説明
する。図2(a)に示すように、外気導入口41はボス
部9の内周面と駆動軸7の外周面との間の空間により構
成されている。同外気導入口41はボス部9の奥方に配
置されたリップシール10に外気を導入するための通路
である。
【0033】また、複数の外気導出口42は、前記ボス
部9の周壁において軸線L周りに等間隔で貫設されてい
る。同外気導出口42は、ボス部9内周面とサークリッ
プ11との係合位置におけるクランク室6側からフロン
トハウジング1の前壁面1α方向に向かって斜状に延
び、ボス部9の付け根付近の外表面に開口されている。
同外気導出口42はリップシール10に導入された外気
を外部に導き出すための通路である。
【0034】切り欠き43はリップ金具10βにおいて
各外気導出口42の対応位置に形成されている。そし
て、前記外気導入口41と各外気導出口42とが同切り
欠き43を介して連通されて、通風通路44が構成され
ている。
【0035】複数の外気導入孔45は、前記プーリ13
におけるボス部9の開放部9αとの対向位置において、
その軸線回りに形成されている。同外気導入孔45はボ
ス部9とプーリ13とにより囲まれた空間、つまり、外
気導入口41を圧縮機の前方側に開放している。
【0036】送風ファン46は、前記プーリ13におい
てフロントハウジング1と対向するように設けられてい
る。同送風ファン46を構成する複数の送風フィン46
αは、軸線Lを中心とした放射状に配置されている。同
送風フィン46αは、前記外気導出口42におけるボス
部9表面の開口に対応するように、プーリ13とフロン
トハウジング1との間の空間に延出されている。同送風
ファン46とそれに対向されるフロントハウジング1の
前壁面1αとの間のクリアランスKは、プーリ13が回
転されても送風ファン46がフロントハウジング1に衝
突されないようにする程度で、大まかに設定されてい
る。
【0037】そして、図2(a)及び図2(b)に示す
ように本実施形態においては、円筒状をなす壁体47が
フロントハウジング1における前壁面1αの外周及びボ
ルト5の頭部5αを取り囲むように配置されている。折
り曲げ部47αは壁体47において各ボルト5(収容凹
部1β)に対応する部位に曲折形成されている。そし
て、前記壁体47は、折り曲げ部47αが収容凹部1β
内に収容され、ボルト5によりフロントハウジング1に
共締め固定されている。
【0038】前記壁体47の内径は送風ファン46の外
径より若干大径に形成されており、送風ファン46の外
周位置に若干量だけ延出されている。従って、前記クリ
アランスKの環状をなす外周側開口K1 は、前記壁体4
7により取り囲まれて塞がれている。なお、収容凹部1
βはフロントハウジング1の外周側に開放されており、
折り曲げ部47αの挿入配置を許容する。
【0039】次に、本実施形態の作用について説明す
る。さて、図1の状態では電磁開閉弁29により圧力供
給通路28が閉じられている。従って、吐出室3βから
クランク室6への高圧冷媒ガスの供給はなされない。こ
の状態ではクランク室6内の冷媒ガスが通路26及び放
圧通口27を介して吸入室3αに流出するばかりであ
り、クランク室6内の圧力は吸入室3α内の低圧力、即
ち吸入圧に近づいていく。そのため、斜板16の傾角は
最大傾角に保持され、吐出容量は最大となる。
【0040】冷房負荷が小さくなった状態で斜板16が
最大傾角を維持して吐出作用が行われると、蒸発器34
における温度が低下してフロスト発生をもたらす温度に
近づく。そして、蒸発器34の温度が設定値以下となる
と、電磁開閉弁29により圧力供給通路28が開放され
る。従って、吐出室3β内の高圧冷媒ガスが圧力供給通
路28を介してクランク室6へ供給され、クランク室6
内の圧力が高くなる。このクランク室6内の圧力上昇に
より斜板16の傾角は最小傾角へ迅速に移行される。
【0041】そして、斜板16の最小傾角への移行によ
り、遮断体18が外部冷媒回路31に接続された吸入通
路21と吸入室3αとの間を閉鎖する。この状態で圧縮
機内には、吐出領域である吐出室3β→圧力供給通路2
8→クランク室6→通路26→放圧通口27→吸入圧領
域である吸入室3α→シリンダボア2αを経由する内部
循環通路が形成される。そして、前記斜板16の最小傾
角は同斜板16と回転支持体15との当接により規定さ
れて0°より若干大きいため、斜板16の傾角が最小の
状態においてもシリンダボア2αから吐出室3βへの吐
出はなされる。従って、吐出冷媒ガスが前記内部循環通
路を循環され、この冷媒ガスと共に流動される潤滑油に
より圧縮機内が潤滑される。
【0042】さて、前記圧縮機の動作時、すなわち、車
両エンジンの動作時においては、クランク室6内の圧力
がリップシール10のリップリング10αに作用し、同
リップリング10αが駆動軸7の周面に圧接される。こ
のリップリング10αの圧接作用によりクランク室6内
の圧力の漏洩が防止される。ここで、リップリング10
αにおける駆動軸7との摺接部位は摩擦により発熱し、
リップシール10全体、ひいては同リップシール10周
囲のボス部9等の温度が上昇される。
【0043】しかし、図2(a)において矢印で示すよ
うに、回転されるプーリ13により送風ファン46が機
能され、その遠心力により同送風ファン46の中心側か
ら外周側へ向かう外気流が形成される。従って、圧縮機
前方側の外気が外気導入孔45を介してプーリ13とボ
ス部9との間に形成された空間内に取り込まれる。同空
間内に取り込まれた外気は、ボス部9の開放部9αを介
して外気導入口41内に導入され、リップシール10の
内空間に至る。そして、同空間内に至った外気は、リッ
プ金具10βの切り欠き43及び外気導出口42を介し
てボス部9の周面から外部に導き出される。
【0044】ここで、本実施形態においては壁体47に
よってクリアランスKの外周側開口K1 が覆われてい
る。従って、同壁体47が送風ファン46による外周側
開口K 1 付近の外気の吸い込みを阻止する。その結果、
同送風ファン46の吸い込み能力の全てを、前述した通
風通路44内における外気流の形成に発揮させることが
できる。
【0045】以上のように、通風通路44内の外気流に
曝されたリップ金具10βは冷却され、結果としてリッ
プ金具10βに接しているリップリング10αの放熱効
果が高められる。このため、同リップリング10αの温
度上昇が低く抑えられ、リップリング10αの熱劣化が
防止される。よって、リップシール10のシール機能を
維持できる。
【0046】上記構成の本実施形態においては、次のよ
うな効果を奏する。 (1-1)壁体47がクリアランスKの外周側開口K1
覆うことにより、同開口K1 を介した外気の吸い込みを
防止できる。従って、送風ファン46の送風効率が向上
され、ひいては圧縮機の冷却効率が向上される。
【0047】(1-2)前記(1-1)の構成を採ることに
より、有効な外気流を確保でき、クリアランスKを大ま
かに設定できる。従って、同クリアランスKの設定に影
響を与える各部材の加工や組付にそれほど精度が要求さ
れず、本圧縮機の製造コストを低減できる。
【0048】(1-3)フロントハウジング1の前壁面1
αに突出する薄肉状の壁体47は、本圧縮機の表面積の
増加に貢献される。つまり、同壁体47が放熱フィン作
用をなす。従って、本圧縮機の放熱作用が高められ、冷
却が効果的になされる。また、この場合、壁体47をア
ルミニウムで形成すれば放熱性のさらなる向上に寄与す
ることができる。
【0049】(1-4)壁体47は、各部材1〜3を固定
するためのボルト5を利用してフロントハウジング1に
固定されている。従って、同壁体47を固定するための
別の固定手段を必要とせず、部品点数の低減に貢献され
る。
【0050】(1-5)外気導入孔45をプーリ13の前
面に設けることにより、ハウジング1〜3の周囲と比較
して低温な圧縮機前方側の外気を導入することができ
る。従って、冷却効率が向上される。
【0051】(1-6)ボス部9には、リップシール10
を直接外気流に曝すための通風通路44が形成されてい
る。従って、同リップシール10の冷却効果が高められ
る。 (1-7)リップシール10を冷却対象としている。同リ
ップシール10は、例えば、ラジアルベアリング8等と
比較して熱に弱い材料で構成されており、特に、本実施
形態の冷却構造を設けるのに効果的である。
【0052】(1-8)壁体47は送風ファン46の外周
位置まで延出されている。従って、クリアランスKの外
周側開口K1 がその幅方向に全て覆われることになり、
同外周側開口K1 を介する外気の吸い込みを抑制する効
果が高められる。つまり、送風ファン46の送風効率が
さらに向上される。
【0053】(1-9)壁体47は円環状をなしており、
前記(1-8)とによりクリアランスKの外周側開口K1
の全周を全て覆っている。従って、同外周側開口K1
介する外気の吸い込みを防止する効果が高められ、送風
ファン46の送風効率がさらに向上される。
【0054】(1-10 )本実施形態の圧縮機は、車両空
調用の圧縮機であってしかも、クラッチレスタイプの圧
縮機である。つまり、同圧縮機は熱源である車両エンジ
ンの近傍に配置されており、また、車両エンジンの動作
時においては常に駆動軸7が回転されるものである。こ
のように熱的に過酷な条件下において適用される圧縮機
に、そのリップシール10を冷却するための構成を設け
ることは特に有効である。
【0055】(第2実施形態)図3においては第2実施
形態を示す。本実施形態においては放熱フィン51がフ
ロントハウジング1の前壁面1αにおいて一体形成され
ている。同放熱フィン51は、前記ボス部9の付け根付
近において外気導出口42付近の周囲に放射状をなすよ
うに複数が配置されている。従って、同放熱フィン51
は、前記送風ファン46により形成された外気流の流路
上に配置され、同外気流に曝される。
【0056】本実施形態においては次のような効果を奏
する。 (2-1)放熱フィン51を設けることにより圧縮機の表
面積が広くなり、リップシール10のみならず圧縮機全
体の放熱効果が高められる。
【0057】(2-2)前記放熱フィン51は外気導出口
42付近に設けられているため、通風通路44内より導
き出される外気流が整流される。従って、外気の流動が
良好となりリップシール10の冷却効果が高められる。
【0058】なお、本発明の趣旨から逸脱しない範囲
で、以下の態様でも実施できる。 (1)壁体47をフロントハウジング1と一体形成する
こと。このようにすれば、本圧縮機の部品点数及び組付
工数を低減できる。
【0059】(2)壁体47の先端縁がクリアランスK
の外周側開口K1 の中間部に位置するように構成するこ
と。このように構成しても、クリアランスKの精度をあ
る程度確保すれば、有効な冷却外気流を得ることができ
る。
【0060】(3)例えば、壁体47をボルト5(収容
凹部1β)の対応位置にのみ設けること。つまり、上記
実施形態において同収容凹部1βは、フロントハウジン
グ1の外周側に開放されている。すなわち、例えば、ク
リアランスKを、その外周側開口K1 からの吸い込みを
抑制でき得るように精度良く設定したとしても、前記収
容凹部1βはこの設定管理の範囲外であり、同収容凹部
1βを介して外気を吸い込んでしまう。従って、壁体4
7によりこの吸い込みを防止でき、上記実施形態のよう
な効果を得ることができる。
【0061】(4)送風フィン46αをプーリ13の回
転方向に傾斜させること。 (5)フロントハウジング1と別体のハウジング側固定
部材(例えば、フィン)を同フロントハウジング1に固
定し、そのハウジング側固定部材と送風ファン46との
間に、外気流の流動方向に沿うクリアランスKを形成す
ること。
【0062】(6)上記第2実施形態において通風通路
44構成を廃止する。外気導入孔45を、図3において
二点鎖線で示すように送風ファン46の中心側に対応す
る位置に形成する。そして、同送風ファン46の動作に
より、リップシール10を介さずにハウジング1の前壁
面1αに直接外気流を当てること。
【0063】(7)本発明を電磁クラッチ等の動力の断
続構成を有するものにおいて具体化すること。言い換え
れば、クラッチレス圧縮機以外において具体化するこ
と。従って、回転体は電磁クラッチのロータ等により構
成される。
【0064】(8)本発明をスクロール型圧縮機、ウエ
ーブカム型圧縮機、固定斜板型圧縮機等において具体化
すること。 (9)ボルト5の頭部5αをリヤハウジング3側に配置
させること。このようにすれば収容凹部1βが不要にな
り、外気流の形成に、より有効となる。
【0065】(10)収容凹部1βの外周側を閉鎖する
こと。このようにすれば外気流の形成により有効であ
る。この場合、壁体47の折り曲げ部47αに収容凹部
1β内に位置する部分を曲折して、同壁体47をボルト
5により共締め固定可能とする。
【0066】上記実施形態から把握できる技術的思想に
ついて記載する。 (1)ハウジング1〜3における送風ファン46との対
向面1αには、同ハウジング1〜3を構成する各部材を
固定するためのボルト5の頭部5αが収容される収容凹
部1βが形成されており、前記壁体47は少なくとも同
収容凹部1βに対応する位置に設けられた請求項1〜8
のいずれかに記載の冷却構造。
【0067】このようにすれば、収容凹部1βを介する
外気の吸い込みを防止できる。 (2)前記発熱体は、ハウジング1〜3と駆動軸7との
間に介在され、シール部材10αが同駆動軸7に摺接さ
れることにより、ハウジング1〜3の内外をシールする
軸封装置10である請求項7又は8に記載の冷却構造。
【0068】このようにすれば、軸封装置10の冷却が
効果的になされる。
【0069】
【発明の効果】上記構成の請求項1、2及び4の発明に
よれば、送風ファンとハウジング側固定部材とのクリア
ランスの設定如何にかかわらず、送風ファンの送風効率
が低下されることがない。従って、圧縮機の加工・組付
コストを低減できるし、冷却効率も向上される。
【0070】請求項3の発明によれば、比較的低温な外
気を導入して外気流を形成でき、圧縮機の冷却効率が向
上される。請求項5及び6の発明によれば、クリアラン
スの開口を介する外気の吸い込みを抑制するのに効果的
となる。
【0071】請求項7の発明によれば、発熱体の冷却効
率が向上される。請求項8の発明によれば、ハウジング
を介する放熱効果が高められる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 圧縮機の縦断面図。
【図2】 (a)図1の要部拡大図,(b)フロントハ
ウジングにおける収容凹部付近の正面図。
【図3】 第2実施形態を示す要部拡大図。
【符号の説明】
1…ハウジングを構成しかつ、ハウジング側固定部材と
してのフロントハウジング、7…駆動軸、13…回転体
としてのプーリ、46…送風ファン、47…壁体、K…
クリアランス、K1 …開口としての外周側開口。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 水藤 健 愛知県刈谷市豊田町2丁目1番地 株式会 社豊田自動織機製作所内 (72)発明者 深沼 哲彦 愛知県刈谷市豊田町2丁目1番地 株式会 社豊田自動織機製作所内

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 圧縮機構を収容するハウジングと、同ハ
    ウジングに支持され、圧縮機構に連結された駆動軸と、
    同駆動軸のハウジング内からの突出部分に設けられ、外
    部駆動源からの駆動力を駆動軸に入力するための回転体
    と、同回転体と一体回転されてハウジングの周囲に外気
    流を形成する送風ファンとを備え、同送風ファンとハウ
    ジング側固定部材との間に外気流の流動方向に沿ったク
    リアランスが形成された圧縮機において、 前記クリアランスの外周側に対向する位置には、同クリ
    アランスからの外気流入を規制する壁体を設けた圧縮機
    における冷却構造。
  2. 【請求項2】 前記壁体は前記ハウジング側固定部材に
    配設されている請求項1に記載の冷却構造。
  3. 【請求項3】 前記回転体には圧縮機の前方側の外気を
    送風ファンへ導くための外気導入孔が形成された請求項
    1又は2に記載の冷却構造。
  4. 【請求項4】 前記送風ファンは遠心ファンである請求
    項1〜3のいずれかに記載の冷却構造。
  5. 【請求項5】 前記壁体は送風ファンの外周位置まで延
    出されている請求項1〜4のいずれかに記載の冷却構
    造。
  6. 【請求項6】 前記壁体は環状をなしている請求項1〜
    5のいずれかに記載の冷却構造。
  7. 【請求項7】 前記ハウジング内部には外気導入口及び
    外気導出口を有した通風通路が設けられ、同通風通路に
    おける外気導入口と外気導出口との間に圧縮動作にとも
    なって発熱する発熱体を配置させ、前記送風ファンによ
    り通風通路内に形成された外気流に、同発熱体が曝され
    るように構成した請求項1〜6のいずれかに記載の冷却
    構造。
  8. 【請求項8】 前記ハウジングにおいて外気流の流路上
    には放熱フィンが設けられている請求項1〜7のいずれ
    かに記載の冷却構造。
JP34125895A 1995-12-27 1995-12-27 圧縮機の冷却構造 Pending JPH09177675A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6164929A (en) * 1997-11-27 2000-12-26 Kabushiki Kaisha Toyoda Jidoshokki Seisakusho Refrigerant compressor with cooling means

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6164929A (en) * 1997-11-27 2000-12-26 Kabushiki Kaisha Toyoda Jidoshokki Seisakusho Refrigerant compressor with cooling means

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