JPH09176413A - 樹脂組成物及び透明薄膜形成法 - Google Patents

樹脂組成物及び透明薄膜形成法

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JPH09176413A
JPH09176413A JP34957295A JP34957295A JPH09176413A JP H09176413 A JPH09176413 A JP H09176413A JP 34957295 A JP34957295 A JP 34957295A JP 34957295 A JP34957295 A JP 34957295A JP H09176413 A JPH09176413 A JP H09176413A
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JP
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amines
resin composition
ether
glycol
maleic anhydride
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Application number
JP34957295A
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English (en)
Inventor
Masahiro Hirano
雅浩 平野
Susumu Ito
伊藤  晋
Masaru Kudo
勝 工藤
Haruki Niimoto
昭樹 新本
Nobuyuki Futamura
信之 二村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Kayaku Co Ltd
Original Assignee
Nippon Kayaku Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】密着性、耐熱性(加熱処理前後における着色度
変化の少なさの程度)、耐薬品性、塗膜成形性、塗膜外
観、ITOスパッタ性、膜硬度の劣化、吸水率、耐酸
性、耐アルカリ性に優れ、且つ、ガス発生量も少なく、
ガラス転移点も高い優れた性能を有する透明薄膜用樹脂
組成物の開発 【解決手段】硬化剤として、スチレン・無水マレイン酸
共重合物ポリマーと第1級アミン類及び第2級アミン類
との反応物を含有することを特徴とする樹脂組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は樹脂組成物及び透明薄膜
形成法に関するものであり、特にガラス基盤等の表面に
形成された着色樹脂膜状の保護膜或いは平坦層の形成に
有用なものである。
【0002】
【従来の技術】フラットパネルディスプレイの中でも液
晶の発展は目覚ましく、カラー液晶のノートパソコンへ
の搭載やワークステーションへの搭載も相次いでいる。
カラー液晶の発展と共にカラー液晶表示素子を構成する
素材への要求も高まって来ている。このカラー液晶表示
素子の作成に際してはガラス等の透明基盤上にカラーフ
ィルタを設け、この上にITO(インジウム・チン・オ
キサイド)等から成る無機薄膜を形成させ、その後、フ
ォトリソ法により透明電極を形成し、この上にポリイミ
ド等の配向膜を形成させ液晶を配置する方法が主流であ
る。
【0003】しかし、オーバーコート膜のないカラーフ
ィルタではITO蒸着を経て透明電極形成に到るプロセ
スに耐え得るだけの耐熱性、耐薬品性が不足するので、
カラーフィルタ上に保護膜を形成する方法が主流であ
る。このカラーフィルタ保護膜に要求される特性として
は耐熱性、耐薬品性の他に基板やカラーフィルターとの
密着性、平滑性、透明性等が挙げられる。更にITOや
配向膜等形成時の加熱処理に於いて熱による着色がない
ことも重要な特性である。これら保護膜の材料としては
主にエポキシ樹脂と硬化剤から成っており、エポキシ樹
脂としてはフェノール化合物のグリシジルエーテル化物
が、硬化剤としてはフェノールやo−クレゾール等のノ
ボラック樹脂が用いられている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
硬化剤は加熱処理による着色(耐熱性)や基板との密着
性等の点でカラー液晶表示素子作成上問題が見られ、改
良が望まれていた。本発明は、上記のような欠点が改善
される硬化剤、密着性、耐熱性(加熱処理前後における
着色度変化の少なさの程度)、耐薬品性、塗膜成形性、
塗膜外観、ITOスパッタ性、膜硬度の劣化、吸水率、
耐酸性、耐アルカリ性に優れ、且つ、ガス発生量も少な
く、ガラス転移点も高い優れた性能を有する樹脂組成物
及びこのような性質を有する透明薄膜の形成法を提供す
ることを目的とするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは前記したよ
うな課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、本発明に
到ったものである。即ち、本発明は、(1)硬化剤とし
て、スチレン・無水マレイン酸共重合物ポリマーと第1
級アミン類及び第2級アミン類との反応物を含有するこ
とを特徴とする樹脂組成物、(2)エポキシ樹脂、硬化
剤及び有機溶媒から成る透明薄膜用樹脂組成物に於い
て、硬化剤がスチレン・無水マレイン酸共重合物ポリマ
ーと第1級アミン類及び第2級アミン類との反応物であ
ることを特徴とする透明薄膜用樹脂組成物、(3)第一
級アミン類と第二級アミン類の比が5:95〜95:5
の重量比であり、且つスチレン・無水マレイン酸共重合
物ポリマーの酸無水物に対して、0.05〜0.95の
モル比でアミン類が用いられたことを特徴とする上記
(1)又は(2)記載の透明薄膜用樹脂組成物、(4)
第一級アミン類がアニリン類、ベンジルアミン類であ
り、第二級アミン類がN−置換アニリン類、N−置換ベ
ンジルアミン類である上記(1)ないし(3)記載の透
明薄膜用樹脂組成物、(5)第一級アミン類がアニリ
ン、C1〜C5のアルキル基を有していてもよいアニリ
ン、C1〜C2のアルキル基を一つ有していてもよいベ
ンジルアミンであり、第2級アミン類がC1〜C5のN
−アルキルアニリン類、N−(C1〜C4)アルコキシ
エチルアニリン、N−ベンジルアニリンである上記
(1)ないし(3)記載の樹脂組成物、(6)第一級ア
ミン類がアニリン、トルイジン、ベンジルアミンであ
り、第2級アミン類がC1〜C3のN−アルキルアニリ
ン、N−ベンジルアニリンである上記(1)ないし
(3)記載の樹脂組成物、(7)上記1〜6記載の樹脂
組成物の硬化物、(8)上記1〜6記載の樹脂組成物を
基材表面に塗布し、これを加熱硬化させることを特徴と
する透明薄膜の形成法、(9)塗布が着色樹脂膜で被覆
されている基材表面上になされることを特徴とする上記
(8)記載の透明薄膜形成法、に関する。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明において、硬化剤として使
用するスチレン・無水マレイン酸共重合物ポリマーとア
ミン類との反応物は、スチレン・無水マレイン酸共重合
物ポリマーを、有機溶媒中で、第1級アミン類及び第2
級アミン類と反応させることにより得られる。スチレン
・無水マレイン酸共重合物ポリマーとしては、例えば一
般式(1)
【0007】
【化1】
【0008】(ここでa、bはそれぞれ1〜3の自然数
で、aはbと同じか又はbより大であり、a+bが2〜
4である。)で示されるスチレン・無水マレイン酸共重
合物ポリマーが挙げられる。このポリマーは、例えばG
SM−601、GSM−602、GSM−603(何れ
も商品名:岐阜セラック(株)製)等のaとbの比が
1:1、2:1、3:1等の共重合ポリマーとして市販
されている。
【0009】反応で用いられる有機溶媒としては、反応
に影響を与えないものであれば、特に制限はないが、樹
脂組成物を製造する観点から、樹脂組成物に使用する後
記の有機溶媒と同一のものを使用することが好ましく、
より好ましいものとしては、例えば3−メチル−3−メ
トキシブタノールメチルエーテル、3−メチル−3−エ
トキシブタノールエチルエーテル、エチレングリコール
モノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコール
モノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコール
モノ−n−ブチルエーテルアセテート、プロピレングリ
コールジプロピルエーテル、エチレングリコールジ−イ
ソブチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエー
テル、ジエチレングリコールジプロピルエーテル、ジプ
ロピレングリコールジエチルエーテル等が挙げられる。
これらの有機溶媒は単独又は混合で用いられる。
【0010】第一級アミン類としては脂肪族アミン類や
芳香族基を有するアミン類等の通常の一級アミンであれ
ば特に制限なく使用できる。脂肪族アミン類としては、
例えばメチルアミン、エチルアミン、n−プロピルアミ
ン、イソプロピルアミン、n−ブチルアミン、sec−
ブチルアミン、tert−ブチルアミン、、ペンチルア
ミン、2−エチルヘキシルアミン等のC1〜C9のアル
キルアミン、メトキシプロピルアミン、エトキシプロピ
ルアミン、メトキシブチルアミン、エトキシブチルアミ
ン等の(C1〜C4)アルコキシ(C1〜C4)アルキ
ルアミン等があげられる。
【0011】芳香族基を有するアミン類としては、例え
ばアニリン類、ナフチルアミン類、ベンジルアミン類等
があげられる。アニリン類としては、例えばアニリン、
アルキルアニリン、アルコキシアニリン、ビフェニルア
ミン、ハロゲノアニリン等があげられ、ナフチルアミン
類としては、例えば1−ナフチルアミン、2−ナフチル
アミン等があげられ、ベンジルアミン類としては、例え
ばベンジルアミン、アルキルベンジルアミン、アルコキ
シベンジルアミン、ハロゲノベンジルアミンがあげられ
る。
【0012】アルキルアニリンとしては、例えばo−ト
ルイジン、p−トルイジン、m−トルイジン、o−エチ
ルアニリン、p−エチルアニリン、m−エチルアニリ
ン、o−プロピルアニリン、p−プロピルアニリン、m
−プロピルアニリン、o−イソプロピルアニリン、p−
イソプロピルアニリン、m−イソプロピルアニリン、o
−n−ブチルアニリン、p−n−ブチルアニリン、m−
n−ブチルアニリン、o−iso−ブチルアニリン、p
−iso−ブチルアニリン、m−iso−ブチルアニリ
ン、o−tert−ブチルアニリン、p−tert−ブ
チルアニリン、m−tert−ブチルアニリン、o−s
ec−ブチルアニリン、p−sec−ブチルアニリン、
m−sec−ブチルアニリン、o−ペンチルアニリン、
p−ペンチルアニリン、m−ペンチルアニリン、o−イ
ソペンチルアニリン、p−イソペンチルアニリン、m−
イソペンチルアニリン、o−sec−ペンチルアニリ
ン、p−sec−ペンチルアニリン、m−sec−ペン
チルアニリン、o−tert−ペンチルアニリン、p−
tert−ペンチルアニリン、m−tert−ペンチル
アニリン等のC1〜C6のアルキル基を一つ有するアニ
リン、2,4−キシリジン、2,6−キシリジン、2,
3−キシリジン、2−メチル−4−tert−ブチルア
ニリン、2、4−ジtert−ブチルアニリン等のC1
〜C4のアルキル基を二つ有するアニリン、2,4,6
−トリメチルアニリン、2,4,5−トリメチルアニリ
ン、2,3,4−トリメチルアニリン、2,6−ジメチ
ル−4−tert−ブチルアニリン、2,4,6−トリ
tert−ブチルアニリン等のC1〜C4のアルキル基
を三つ有するアニリンがあげられる。
【0013】アルコキシアニリンとしては、例えばo−
メトキシアニリン、p−メトキシアニリン、m−メトキ
シアニリン、o−エトキシアニリン、p−エトキシアニ
リン、m−エトキシアニリン、o−プロポキシアニリ
ン、p−プロポキシアニリン、m−プロポキシアニリン
等の(C1〜C4)アルコキシアニリンあげられ、ビフ
ェニルアミンとしては、例えばo−ビフェニルアミン、
p−ビフェニルアミン、m−ビフェニルアミン等があげ
られ、ハロゲノアニリンとしては、例えばo−クロルア
ニリン、p−クロルアニリン、m−クロルアニリン、o
−ブロムアニリン、p−ブロムアニリン、m−ブロムア
ニリン、o−フルオロアニリン、p−フルオロアニリ
ン、m−フルオロアニリン等のモノハロゲノアニリン、
2,4−ジクロルアニリン、2,6−ジクロルアニリ
ン、2,3−ジクロルアニリン、2,4−ジブロモアニ
リン、2,6−ジブロモアニリン、2,3−ジブロモア
ニリン、2,4−ジフルオロアニリン、2,6−ジフル
オロアニリン等のジハロゲノアニリン、2,4,6−ト
リクロルアニリン、2,4,5−トリクロルアニリン、
2,3,4−トリクロルアニリン等のトリハロゲノアニ
リンがあげられる。
【0014】アルキルベンジルアミンとしては、例えば
o−メチルベンジルアミン、p−メチルベンジルアミ
ン、m−メチルベンジルアミン、o−エチルベンジルア
ミン、p−エチルベンジルアミン、m−エチルベンジル
アミン、o−プロピルベンジルアミン、p−プロピルベ
ンジルアミン、m−プロピルベンジルアミン、o−ブチ
ルベンジルアミン、p−ブチルベンジルアミン、m−ブ
チルベンジルアミン、o−イソブチルベンジルアミン、
p−イソブチルベンジルアミン、m−イソブチルベンジ
ルアミン、o−tert−ブチルベンジルアミン、p−
tert−ブチルベンジルアミン、m−tert−ブチ
ルベンジルアミン、o−イソブチルベンジルアミン、p
−イソブチルベンジルアミン、m−イソブチルベンジル
アミン等の(C1〜C4)アルキルベンジルアミンがあ
げられる。
【0015】アルコキシベンジルアミンとしては、例え
ばo−メトキシベンジルアミン、p−メトキシベンジル
アミン、m−メトキシベンジルアミン、o−エトキシベ
ンジルアミン、p−エトキシベンジルアミン、m−エト
キシベンジルアミン等の(C1〜C4)アルコキシベン
ジルアミンがあげられ、ハロゲノベンジルアミンとして
は、例えばo−クロルベンジルアミン、p−クロルベン
ジルアミン、m−クロルベンジルアミンが挙げられる。
【0016】これらの第一級アミン類のうち特に密着
性、耐熱性、耐薬品性、塗膜性に優れた影響を与えるも
のとしてはアニリン類、ベンジルアミン類等の芳香環を
有する(例えばフェニル基、ナフチル基)アミン類が挙
げられ、より好ましくはC1〜C5のアルキル基を有し
ていてもよいアニリン、C1〜C2のアルキル基を一つ
有していてもよいベンジルアミンがあげられ、更に好ま
しくはアニリン、o−トルイジン、p−トルイジン、m
−トルイジン等のトルイジン、ベンジルアミンである。
C1〜C5のアルキル基を有していてもよいアニリンと
しては、例えばアニリン、o−トルイジン、p−トルイ
ジン、m−トルイジン、o−エチルアニリン、p−エチ
ルアニリン、m−エチルアニリン、o−n−プロピルア
ニリン、p−n−プロピルアニリン、m−n−プロピル
アニリン、o−イソプロピルアニリン、p−イソプロピ
ルアニリン、m−イソプロピルアニリン、o−n−ブチ
ルアニリン、p−n−ブチルアニリン、m−n−ブチル
アニリン、o−iso−ブチルアニリン、p−iso−
ブチルアニリン、m−iso−ブチルアニリン、o−t
ert−ブチルアニリン、p−tert−ブチルアニリ
ン、m−tert−ブチルアニリン、o−sec−ブチ
ルアニリン、p−sec−ブチルアニリン、m−sec
−ブチルアニリン、o−イソペンチルアニリン、p−イ
ソペンチルアニリン、m−イソペンチルアニリン等のC
1〜C5のアルキル基を一つ有するアニリン、2,4−
キシリジン、2,6−キシリジン、2,3−キシリジン
等のメチル基を二つ有するアニリン、2,4,6−トリ
メチルアニリンがあげられる。C1〜C2のアルキル基
を一つ有していてもよいベンジルアミンとしては、例え
ばベンジルアミン、o−メチルベンジルアミン、p−メ
チルベンジルアミン、m−メチルベンジルアミン、o−
エチルベンジルアミン、p−エチルベンジルアミン、m
−エチルベンジルアミン等のC1〜C2のアルキル基を
一つ有するベンジルアミンがあげられる。
【0017】第二級アミン類としては、通常の二級アミ
ンが用いられるが、特に密着性、耐熱性、耐薬品性、塗
膜性に優れるものとしてはN−置換アニリン類、N−置
換ベンジルアミン類等の芳香環を有する(例えばフェニ
ル基、ナフチル基)アミン類が挙げられ、好ましくは、
N−アルキルアニリン類、N−アラルキルアニリン類、
N−メチルアニリン、N−エチルアニリン、N−プロピ
ルアニリン、N−ブチルアニリン、N−ペンチルアニリ
ン等のN−(C1〜C5)アルキルアニリン、N−ベン
ジルアニリン、N−メトキシエチルアニリン、N−エト
キシエチルアニリン、N−プロポキシエチルアニリン、
N−ブトキシエチルアニリン等のN−(C1〜C4)ア
ルコキシエチルアニリンであり、更に好ましくは、N−
メチルアニリン、N−エチルアニリン、N−プロピルア
ニリン、N−ベンジルアニリンである。
【0018】スチレン・無水マレイン酸共重合物ポリマ
ーに対する第一級アミン類及び第二級アミン類の使用割
合は、両者のアミン類の総量として、モル比で前者のポ
リマー1に対し0.05〜0.95、好ましくは0.2
〜0.8、更に好ましくは0.3〜0.7である。スチ
レン・無水マレイン酸共重合物ポリマーとアミン類との
反応は50〜150℃、好ましくは70〜140℃、更
に好ましくは90〜130℃で、8〜20時間、好まし
くは10〜18時間、更に好ましくは12〜16時間掛
けて行われる。又、第一級アミンと第二級アミンの使用
モル比は95:5〜5:95、好ましくは85:15〜
15:85、更に好ましくは75:25〜25:75で
ある。
【0019】反応のさせ方としては、第一級アミン類及
び第二級アミン類の共存下にスチレン・無水マレイン酸
共重合物ポリマー反応させる1段反応法でも良いし、或
いは、第一級アミン又は第二級アミンの何れか一方とス
チレン・無水マレイン酸共重合物ポリマーとを反応させ
た後、他のアミン類と更に反応させる2段反応法の何れ
をとっても良い。2段法の場合は上記反応時間がそれぞ
れについて必要である。以上の反応により生成する、ス
チレン・無水マレイン酸共重合物ポリマーとアミン類と
の反応物は、該ポリマー中の無水マレイン酸部の一部に
アミン類が結合したもので、その結合率は5〜95%、
好ましくは20〜80%、更に好ましくは30〜70%
が良く、例えば下記一般式(2)
【0020】
【化2】
【0021】(式中aは前記と同じであり、b1
2 、b3 はそれぞれ0〜1の自然数であり、b1 +b
2 +b3 =b(bは前記と同じ)であり、X、Yはそれ
ぞれ第一級及び第2級アミンの残基を示す)のように表
される。尚、(b1 ):(b2 +b3 )は95:5〜
5:95、好ましくは80:20〜20:80、更に好
ましくは70:30〜30:70である。b2 :b3
95:5〜95:5、好ましくは85:15〜15:8
5、更に好ましくは75:25〜25:75である。
【0022】本発明の樹脂組成物は、上記の硬化剤を含
有する。通常は上記の硬化剤とエポキシ樹脂及び有機溶
媒から成り、必要に応じ、硬化促進剤が併用される。エ
ポキシ樹脂としてはビスフェノールA、ビスフェノール
F、4,4’−ビフェニルフェノール、2,2’−メチ
レン−ビス(4−メチル−6−tert−ブチルフェノ
ール)、2,2’−メチレン−ビス(4−エチル−6−
tert−ブチルフェノール)、4,4’−ブチリレン
−ビス(3−メチル−6−tert−ブチルフェノー
ル)、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキ
シ−5−tert−ブチルフェノール)、トリスヒドロ
キシフェニルメタン、ピロガロール、ジイソプロピリデ
ン骨格を有するフェノール類、1,1−ジ−4−ヒドロ
キシフェニルフルオレン等のフルオレン骨格を有するフ
ェノール類等のポリフェノール化合物のグリシジルエー
テル化物である多官能エポキシ樹脂やフェノールノボラ
ック樹脂、クレゾールノボラック樹脂、ナフタレン環含
有フェノールノボラック樹脂、キシリレン骨格含有フェ
ノールノボラック樹脂、ジシクロペンタジエン骨格含有
フェノールノボラック樹脂等のグリシジルエーテル化物
が挙げられるが、加熱処理時の着色性の点からポリフェ
ノール化合物のグリシジルエーテル化合物が好ましい。
【0023】有機溶媒としては硬化反応に関与しないも
のであれば何れも使用でき、特に限定されるものではな
いが、沸点が100℃以上の溶媒が好ましい。このよう
な有機溶媒としては、例えばアルカノールアルキルエー
テル、アルキレングリコールモノアルキルエーテルアセ
テート、アルコキシアルキルアセテート、アルキレング
リコールアルキルエーテル、アルキレングリコールアセ
テート等があげられる。これらは単独或いは混合して用
いられる。
【0024】アルカノールアルキルエーテルとしては、
例えば3−メチル−3−メトキシブタノールメチルエー
テル、3−メチル−3−エトキシブタノールエチルエー
テル、3−メチル−3−プロポキシブタノールプロピル
エーテル、3−メチル−3−イソプロポキシブタノール
メチルエーテル、3−メチル−3−n−ブトキシブタノ
ールエチルエーテル、3−メチル−3−イソブトキシブ
タノールプロピルエーテル、3−メチル−3−sec−
ブトキシブタノール−イソプロピルエーテル、3−メチ
ル−3−tert−ブトキシブタノール−n−ブチルエ
ーテル等のC1〜C4のアルコキシ基を有する(C1〜
C5)アルカノール(C1〜C4)アルキルエーテルが
あげられる。
【0025】アルキレングリコールモノアルキルエーテ
ルアセテートとしては、例えばエチレングリコールモノ
メチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエ
チルエーテルアセテート、エチレングリコールモノプロ
ピルエーテルアセテート、エチレングリコールモノイソ
プロピルエーテルアセテート、エチレングリコールモノ
−n−ブチルエーテルアセテート、エチレングリコール
モノ−sec−ブチルエーテルアセテート、エチレング
リコールモノイソブチルエーテルアセテート、エチレン
グリコールモノ−tert−ブチルエーテルアセテー
ト、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテー
ト、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテー
ト、プロピレングリコールモノイソプロピルエーテルア
セテート、プロピレングリコールモノプロピルエーテル
アセテート、プロピレングリコールモノ−n−ブチルエ
ーテルアセテート、プロピレングリコールモノ−sec
−ブチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモ
ノイソブチルエーテルアセテート、プロピレングリコー
ルモノ−tert−ブチルエーテルアセテート等の(C
2〜C3)アルキレングリコール(C1〜C4)モノア
ルキルエーテルアセテートがあげられる。
【0026】アルコキシアルキルアセテートとしては、
例えば3−メチル−3−メトキシブチルアセテート、3
−メチル−3−エトキシブチルアセテート、3−メチル
−3−プロポキシブチルアセテート、3−メチル−3−
イソプロポキシブチルアセテート、3−メチル−3−n
−ブトキシエチルアセテート、3−メチル−3−イソブ
トキシブチルアセテート、3−メチル−3−sec−ブ
トキシブチルアセテート、3−メチル−3−tert−
ブトキシブチルアセテート等の(C1〜C4)アルコキ
シ(C1〜C5)アルキルアセテートがあげられる。
【0027】アルキレングリコールアルキルエーテルと
しては、例えばモノアルキレングリコールジアルキルエ
ーテル、ジアルキレングリコールジアルキルエーテル、
トリアルキレングリコールジアルキルエーテル等があげ
られ、(C2〜C3)アルキレングリコール(C1〜C
4)アルキルエーテルが好ましい。
【0028】モノアルキレングリコールジアルキルエー
テルとしては、例えばプロピレングリコールジメチルエ
ーテル、プロピレングリコールジエチルエーテル、プロ
ピレングリコールジプロピルエーテル、プロピレングリ
コールジイソプロピルエーテル、プロピレングリコール
ジ−n−ブチルエーテル、プロピレングリコールジイソ
ブチルエーテル、プロピレングリコールジ−sec−ブ
チルエーテル、プロピレングリコールジ−tert−ブ
チルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、
エチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコ
ールジプロピルエーテル、エチレングリコールジイソプ
ロピルエーテル、エチレングリコールジ−n−ブチルエ
ーテル、エチレングリコールジイソブチルエーテル、エ
チレングリコールジ−sec−ブチルエーテル、エチレ
ングリコールジ−tert−ブチルエーテル等の(C2
〜C3)モノアルキレングリコール(C1〜C4)モノ
アルキルエーテルがあげられる。
【0029】ジアルキレングリコールジアルキルエーテ
ルとしては、例えばジエチレングリコールジメチルエー
テル(ジグライム)、ジエチレングリコールジエチルエ
ーテル、ジエチレングリコールジプロピルエーテル、ジ
エチレングリコールジイソプロピルエーテル、ジエチレ
ングリコールジ−n−ブチルエーテル、ジエチレングリ
コールジイソブチルエーテル、、ジエチレングリコール
ジ−sec−ブチルエーテル、ジエチレングリコールジ
−tert−ブチルエーテル、ジプロピレングリコール
ジ−n−プロピルエーテル、ジプロピレングリコールジ
イソプロピルエーテル、ジプロピレングリコールジ−n
−ブチルエーテル、ジプロピレングリコールジイソブチ
ルエーテル、、ジプロピレングリコールジ−sec−ブ
チルエーテル、ジプロピレングリコールジ−tert−
ブチルエーテル等の(C2〜C3)ジアルキレングリコ
ール(C1〜C4)ジアルキルエーテルがあげられる。
【0030】トリアルキレングリコールジアルキルエー
テルとしては、例えばトリエチレングリコールジメチル
エーテル、トリエチレングリコールジエチルエーテル、
トリエチレングリコールジプロピルエーテル、トリエチ
レングリコールジイソプロピルエーテル、トリエチレン
グリコールジ−n−ブチルエーテル、トリエチレングリ
コールジイソブチルエーテル、、トリエチレングリコー
ルジ−sec−ブチルエーテル、トリエチレングリコー
ルジ−tert−ブチルエーテル、トリプロピレングリ
コールジメチルエーテル、トリプロピレングリコールジ
エチルエーテル、トリジプロピレングリコールジプロピ
ルエーテル、トリプロピレングリコールジイソプロピル
エーテル、トリプロピレングリコールジ−n−ブチルエ
ーテル、トリプロピレングリコールジイソブチルエーテ
ル、、トリプロピレングリコールジ−sec−ブチルエ
ーテル、トリプロピレングリコールジ−tert−ブチ
ルエーテル等の(C2〜C3)トリアルキレングリコー
ル(C1〜C4)ジアルキルエーテルがあげられる。
【0031】アルキレングリコールアセテートとして
は、例えばモノアルキレングリコールジアセテート、ジ
アルキレングリコールジアセテート、トリアルキレング
リコールジアセテート等があげられ、(C2〜C3)ア
ルキレングリコールアセテートが好ましい。モノアルキ
レングリコールジアセテートとしては、例えばエチレン
グリコールジアセテート、プロピレングリコールジアセ
テート等があげられ、ジアルキレングリコールジアセテ
ートとしては、例えばジエチレングリコールジアセテー
ト、ジプロピレングリコールジアセテート等があげら
れ、トリアルキレングリコールジアセテートとしては、
例えばトリエチレングリコールジアセテート、トリプロ
ピレングリコールジアセテート等が挙げられる。
【0032】これらの有機溶剤のうち好ましいものとし
ては例えば、3−メチル−3−メトキシブタノールメチ
ルエーテル、3−メチル−3−エトキシブタノールエチ
ルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテルア
セテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルア
セテート、プロピレングリコールモノ−n−ブチルエー
テルアセテート、プロピレングリコールジプロピルエー
テル、エチレングリコールジ−イソブチルエーテル、ジ
エチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリ
コールジプロピルエーテル、ジプロピレングリコールジ
エチルエーテルが挙げられる。
【0033】硬化促進剤としては、1−シアノ−2−エ
チル−4−メチルイミダゾール、2−エチル−4−メチ
ルイミダゾール、2−イソプロピルイミダゾール、2−
フェニルイミダゾール、1−ベンジル−2−メチルイミ
ダゾール、2−フェニル−4−メチルイミダゾール、1
−ベンジル−2−メチルイミダゾール、1−シアノエチ
ル−2−メチルイミダゾールトリメリテート、2,4−
ジアミノ[2’−メチルイミダゾリル−(1’)]エチ
ル−s−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−[2’−
メチルイミダゾリル−(1’)]エチル−s−トリアジ
ンイソシアヌル酸付加物、等のイミダゾール類、トリフ
ェニルホスフィン等のフォスフィン類、ジアザビシクロ
ウンデセン−7及びそのフェノール塩、フェノールノボ
ラック塩、フタル酸塩、トリメリット酸塩等の各種誘導
体、、トリスジメチルアミノメチルフェノール、サリチ
ル酸等のフェノール類、ピペリジュニウムテトラフルオ
ロボレート等のテトラフルオロボレート類、テトラフェ
ニルテトラフェニルボレート、オクチル酸錫等のカルボ
ン酸金属塩、アルミニウムアセチルアセトネート等の金
属アセチルアセトネート等が使用できるが、これらに限
定されるものではなく、エポキシ樹脂の硬化反応に用い
られる硬化促進剤を用いることが出来る。尚、硬化促進
剤は使用する直前に本発明の樹脂組成物と混合した方が
樹脂組成物の経時安定性を向上させる点で好ましい。
【0034】本発明の樹脂組成物中の固形分の含有割合
は、スチレン・無水マレイン酸共重合物ポリマーとアミ
ン類との反応物を100重量部としたとき、エポキシ樹
脂は20〜300重量部、好ましくは35〜200重量
部、更に好ましくは50〜150重量部である。硬化促
進剤を使用する場合、その使用量はエポキシ樹脂に対し
0.1〜10重量部、好ましくは0.5〜5重量部であ
る。上記固形分及び必要に応じ下記固形分を有機溶媒中
に溶解し樹脂組成物を作成するのであるが、固形分の割
合は5〜60重量%、好ましくは10〜50重量%、更
に好ましくは15〜45重量%であり、残部が有機溶剤
である。
【0035】本発明の樹脂組成物にはレベリング剤、密
着性向上剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤等を透明性を損
なわない程度に添加しても良い。レベリング剤としては
ポリエチルアクリレート、ポリブチルアクリレート、ポ
リ−2−エチルヘキシルアクリレート等のアクリル重合
体、ポリシロキサン・ポリエーテル共重合体、ポリシロ
キサン・珪酸化合物、架橋型ポリメチルフェニルポリシ
ロキサン等の変成シロキサン類、フッ素系、アニオン
系、カチオン系、ノニオン系の各種界面活性剤、テトラ
リン、デカリン等の高沸点溶媒が挙げられる。
【0036】密着性向上剤としてはγ−クロロプロピル
トリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、γ−
メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリ
シドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプト
プロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリ
エトキシシラン、N−(2−アミノエチル)プロピルト
リメトキシシラン等のシラン系カップリング剤、イソプ
ロピル(N−エチルアミノエチルアミノ)チタネート、
イソプロピルトリイソステアロイルチタネート、チタニ
ュウムジ(ジオクチルピロフォスフェート)オキシアセ
テート、テトライソプロピルジ(ジオクチルフォスファ
イト)チタネート、ネオアルコキシトリ(p−N−(β
−アミノエチル)アミノフェニル)チタネート等のチタ
ン系カップリング剤、Zr−アセチルアセトネート、Z
r−メタクリレート、Zr−プロピオネート、ネオアル
コキシジルコネート、ネオアルコキシトリスネオデカノ
イルジルコネート、ネオアルコキシトリス(ドデカノイ
ル)ベンゼンスルフォニルジルコネート、ネオアルコキ
シトリス(エチレンジアミノエチル)ジルコネート、ネ
オアルコキシトリス(m−アミノフェニル)ジルコネー
ト、アンモニウムジルコニュウムカーボネート、Al−
アセチルアセトネート、Al−メタクリレート、Al−
プロピオネート等のジルコニュウム、或いはアルミニウ
ム系カップリング剤、トリトリルフォスフェート、ジブ
チルフォスファイト等の燐系化合物、Crフォスフェー
トに代表されるクロム含有化合物等の各種密着性向上剤
が用いられる。
【0037】酸化防止剤としては2,6−ジブチル−p
−クレゾール、2,4,6−トリ−tert−ブチルフ
ェノール、n−オクタデシル−3−(4’−ヒドロキシ
−3’,5’−ジ−tert−ブチルフェノール)プロ
ピオネート、スチレン化フェノール、4−ヒドロキシ−
メチル−2,6−ジ−tert−ブチルフェノール、
2,5−ジ−tert−ブチルハイドロキノン、シクロ
ヘキシルフェノール、ブチルヒドロキシアニソール、
2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−tert−
ブチルフェノール、1,1,3−トリス(2−メチル−
4−ヒドロキ−5−tert−シブチルフェニル)ブタ
ン、2,2’−チオビス(4−メチル−6−tert−
ブチルフェノール)、4,4’−チオビス(2−メチル
−6−tert−ブチルフェノール)等のフェノール系
酸化防止剤、エトキシトリメチルジヒドロキノリン、
N,N’−ジフェニル−p−フェニレンジアミン等のア
ミン系酸化防止剤、メルカプトベンゾチアゾール、テト
ラメチルチウラムモノサルファイド等の硫黄系酸化防止
剤、ジフェニルデシルフォスファイト、トリ(ノニルフ
ェニル)フォスファイト等の燐系酸化防止剤が挙げられ
る。
【0038】紫外線吸収剤としては2−ヒドロキシ4−
メトキシベンゾフェノン、2,2’−ジ−4−ヒドロキ
シメトキシベンゾフェノン等のベンゾフェノン系紫外線
吸収剤、フェニルサリチレート、2,4−ジ−tert
−ブチルフェニル−3,5−ジブチル−4−ヒドロキシ
ベンゾエート等のサリチレート系紫外線吸収剤、(2’
−ヒドロキシ−3−tert−ブチル−5’−メチルフ
ェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、(2’−ヒ
ドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール
等のベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、エチル−2−
シアノ−3−3’ジフェニルアクリレート等のアクリロ
ニトリル系紫外線吸収剤、ニッケル[2,2’−チオビ
ス(4−tert−オクチル)フェノレート]−n−ブ
チルアミン、ニッケルジブチルチオカルバメート等の金
属錯塩系紫外線吸収剤、ビス(2,2,6,6−テトラ
メチルピペリジニル)セバケート等のヒンダードアミン
系紫外線吸収剤の各種紫外線吸収剤が挙げられる。
【0039】更に硬化塗膜性能向上のためにトリメチロ
ールプロパントリアクリレート、ジペンタエリスリトー
ルペンタアクリレート、トリメチロールプロパンエトキ
シトリアクリレート、トリメチロールプロパンプロポキ
シトリアクリレート、トリプロピレングリコールエトキ
シジアクリレート、ネオペンチルグリコールアルコキシ
ジアクリレート、ネオペンチルグリコールプロポキシジ
アクリレート、トリプロピレングリコールジアクリレー
ト、ビスフェノールAプロポキシジアクリレート、ヘキ
サンジオールジアクリレート、ブタンジオールジアクリ
レート、ステアリルアクリレート、フェノールエトキシ
モノアクリレート、ノニルフェノールエトキシモノアク
リレート、フェノキシエチルアクリレート、モノメトキ
シトリプロピレングリコールモノアクリレート、モノメ
トキシネオペンチルグリコールプロポキシモノアクリレ
ート、モノメトキシトリメチロールプロパンエトキシジ
アクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチルアクリ
レート、ジシクロペンテニルアクリレート、各種ビスフ
ェノールA型エポキシ樹脂をベースとしたアクリレー
ト、エポキシ化アマニ油アクリレート、変成ビスフェノ
ールAジアクリレート、末端水酸基ポリエステルのアク
リレート、脂肪族、又は芳香族ウレタンアクリレート等
のアクリレート化合物を添加塗膜性能等にに影響を与え
ない範囲で加えても良い。
【0040】本発明の樹脂組成物の硬化物は、例えば該
樹脂組成物を加熱硬化させることにより得られる。具体
的には、例えば透明薄膜の形成法はエポキシ樹脂、硬化
剤、及び、必要に応じ、硬化促進剤を有機溶媒に溶解
し、スピンコート、ロールコート等の方法により着色樹
脂膜やガラス板等の塗布すべき基板に塗布し、加熱処
理、硬化処理等を行うが、硬化法としてはオーブン、ホ
ットプレート等を使用する。例えばホットプレートの場
合70〜100℃にて1分〜10分プリベークし溶媒除
去後、140〜250℃にて1〜60分ポストベークを
行い、硬化をするのが好ましい。又、硬化温度は一定で
なくても良く、例えば昇温させながら硬化を行っても良
い。この様にして硬化をすることにより、膜厚が、好ま
しくは0.1〜10μ、更に好ましくは0.2〜3μ
の、密着性のより平滑性に優れた透明薄膜が得られる。
【0041】尚、光重合開始剤を本発明の樹脂組成物全
量に対し0.3〜5%程度添加すると本発明の樹脂組成
物を紫外線等の光で硬化させることができる。光重合開
始剤としては、例えば、アデカオプトマーSP−150
(旭電化製)、CYACURUVI−6990(UCC
社製)に代表される芳香族スルフォニュウム塩、AME
RICURE(ACC社製)に代表される芳香族ジアゾ
ニュウム塩、IRGACURE 261(CG製)に代
表されるメタロセン化合物、ジアリルヨードニュウム塩
類、光分解するケイ素系化合物とアルミニウムキレート
化合物を組み合わせたケイ素/アルミニウム錯体等の光
カチオン型の重合開始剤が用いられる。
【0042】本発明の透明薄膜は密着性、耐熱性(加熱
処理前後における着色度変化が少ない)、耐薬品性、塗
膜成形性、塗膜外観、ITOスパッタ性、膜硬度の劣
化、吸水率、耐酸性、耐アルカリ性に優れ、且つ、ガス
発生量も少なく、ガラス転移点も高い優れた性能を有す
る。従って本発明は特に液晶表示用カラーフィルター等
の着色樹脂膜上に透明薄膜(着色樹脂膜の保護膜)を形
成させる場合或いは同カラーフィルタの平滑層の形成に
際し特に有用である。その他にも、本発明の透明保護膜
は印刷物、木、金属、合成樹脂等のオーバーコートに使
用できる。
【0043】
【実施例】次に合成例及び実施例によって本発明を更に
具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限
定されるものではない。尚、実施例中の部は重量部を表
す。
【0044】合成例1 プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート5
30部、スチレン・無水マレイン酸共重合物(式(1)
におけるaとbの割合が1:1、岐阜セラック(株)製
GSM−601)202部(1.0モル)、アニリン2
0部(0.215モル)を仕込み、反応温度100℃で
15時間反応させてアニリン変成樹脂溶液を得た。次い
で、N−エチルアニリン26部(0.215モル)を仕
込み100℃で15時間反応させて、スチレン・無水マ
レイン酸共重合物のアニリン/N−エチルアニリン変成
樹脂溶液である、本発明で使用する硬化剤の溶液を得
た。このものの酸価は97であり、反応率(実測酸価/
仕込みアミンに対する理論酸価×100)は98%であ
った。
【0045】合成例2 プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート5
20部、スチレン・無水マレイン酸共重合物(a/b=
1/1、岐阜セラック(株)製GSM−601)202
部(1.0モル)、アニリン32部(0.344モル)
を仕込み、反応温度100℃で15時間反応させてアニ
リン変成樹脂溶液を得た。次いで、N−エチルアニリン
10.3部(0.085モル)を仕込み100℃で15
時間反応させて、スチレン・無水マレイン酸共重合物の
アニリン/N−エチルアニリン変成樹脂溶液である、本
発明で使用する硬化剤の溶液を得た。このものの酸価は
100であり、反応率(実測酸価/仕込みアミンに対す
る理論酸価×100)は99%であった。
【0046】実施例1 合成例1で得たアニリン/N−エチルアニリン変成樹脂
溶液203部、エポキシ樹脂(三井石油化学(株)製、
VG−3101、エポキシ等量213)117部、プロ
ピレングリコールモノエチルエーテルアセテート69
部、ジグライム208部、サイラエース(チッソコーポ
レーション製)2.46部、消泡剤0.2部を溶解し、
0.1μのメンブランフィルターで濾過して試料液1と
する。別にプロピレングリコールモノエチルエーテルア
セテート162部、ジグライム162部にキュアゾール
C11Z−CN(硬化促進剤:四国化成(株)製)36
部を溶解し、0.1μのメンブランフィルターで濾過し
て試料液2とする。この試料液1と試料液2を100
0:49の重量比で混合して本発明の樹脂組成物を得
る。この樹脂組成物中の不揮発分は29.3%(140
℃×1時間オーブン加熱処理)であった。この樹脂組成
物を9cmガラス基板上に200rpm×15秒次いで
900rpm×10秒回転塗布し、表面温度80℃のホ
ットプレート上で2分間乾燥後、220℃で40分加熱
処理して樹脂組成物を硬化させ、膜厚2.05μの透明
薄膜を得た。この透明薄膜の外観、耐熱性、ITOスパ
ッタ性、膜硬度、吸水率、耐酸性、耐アルカリ性、ガス
発生量、硬化前の樹脂組成物塗膜の密着性、ガラス転移
点を調べた。結果を表1に示す。
【0047】
【表1】 表1 外観 筋ムラ等無くレベリング性良好 耐熱性 (透過率の変化) 96.47%(処理前:97.31%) (色差) △Eab=0.54 (塗膜厚の減) 0μm ITOスパッタ性 しわ、クラック等外見上の変化無し 膜硬度 4H(処理前:4H) 吸水率 0.6% 耐酸性 塗膜に変化なし 耐アルカリ性 塗膜に変化なし ガス発生量 0.077 密着性 500kg ガラス転移温度 215℃
【0048】上記の各試験は下記の方法に従った。 (1)外観:ナトリウム光線下での目視判定。 (2)耐熱性:250℃×1時間加熱処理後の塗膜の4
00nmの波長での透過率、色差、及び塗膜厚の減少を
見る。 (3)ITOスパッタ性:ITOスパッタ温度220
℃、ITO膜厚374nm、ITOシート抵抗5.12
9Ω/sq、ITO透過率(550nm)85.35%
のスパッタリング条件下に塗膜をおいた時の外観の変化
を見る。 (4)膜硬度:121℃×2atm×20時間の条件で
プレッシャークッカテストをした後の塗膜硬度の変化を
見る。 (5)吸水率:21℃の純水に2時間浸漬した後、試験
前後の重量の変化率を見る。 (6)耐酸性:18%の塩酸に25℃×30分浸漬後、
ガラスクロスカット試験(JIS K 5400準拠)
を実施し接着性を見る。
【0049】(7)耐アルカリ性:5%の苛性ソーダ溶
液に25℃×30分浸漬後、ガラスクロスカット試験
(JIS K 5400準拠)を実施し接着性を見る。 (8)ガス発生量:ヘッドスペースサンプラ(HS)−
GC/MS法を用いて、実施例で得られた塗膜試験片6
cm2 を220℃×15分空気雰囲気下に放置した時の
ガス発生量を日本化薬(株)製の樹脂組成物HSP−3
のそれを1としたときの相対比較で示した。(ガストラ
ップ条件は−50℃で行った) (9)密着性:ガラスとガラスを試料液で接着した試験
片を、121℃×2atm×20時間の条件でプレッシ
ャークッカテストをした後の接着強度を引っかき試験器
で測定する。 (10)ガラス転移点:得られた硬化膜を示差熱分析法
により測定した。
【0050】実施例2 実施例1で得られた本発明の樹脂組成物をガラス基板の
替わりに、クロム基板に塗布する以外は全て実施例1と
同様の操作を行った。得られたクロム基板上の塗膜の耐
酸性、耐アルカリ性を見た。両試験共に処理後の剥離は
全く観察されなかった。
【0051】実施例3 実施例1で得られた本発明の樹脂組成物をガラス基板の
替わりに、ガラス基板上にカラーフィルター(日本化薬
製)が1.5μm厚に塗布された基板を用いた他は全て
実施例1と同様の操作を行った。得られた塗膜はレベリ
ング性に優れており、塗膜成形性には全く問題が見られ
なかった。又、耐酸性、耐アルカリ性試験を行ったが、
両試験共に剥離は全く観察されなかった。
【0052】実施例4 合成例2の硬化剤の溶液を使用する以外は実施例1と同
様にして発明の本樹脂組成物を得る。
【0053】
【発明の効果】本発明の透明薄膜用樹脂組成物はガラス
板等の基板、及び、ガラス板等の基板上に形成された着
色樹脂への塗膜成形性、塗膜外観、耐熱性、ITOスパ
ッタ性、膜硬度の劣化、吸水率、耐酸性、耐アルカリ
性、密着性に優れ、且つ、ガス発生量も少なく、ガラス
転移点も高いという特徴を有する。更に、本発明の透明
薄膜上にエポキシ樹脂等を硬化させた場合、その密着性
にも優れ、特にカラー液晶表示装置においてその信頼性
を向上させることが出来る。

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】硬化剤として、スチレン・無水マレイン酸
    共重合物ポリマーと第1級アミン類及び第2級アミン類
    との反応物を含有することを特徴とする樹脂組成物。
  2. 【請求項2】エポキシ樹脂、硬化剤及び有機溶媒から成
    る樹脂組成物に於いて、硬化剤がスチレン・無水マレイ
    ン酸共重合物ポリマーと第1級アミン類及び第2級アミ
    ン類との反応物であることを特徴とする樹脂組成物。
  3. 【請求項3】第一級アミン類と第二級アミン類の比が
    5:95〜95:5の重量比であり、且つスチレン・無
    水マレイン酸共重合物ポリマーの酸無水物に対して、
    0.05〜0.95のモル比でアミン類が用いられたこ
    とを特徴とする請求項1又は2記載の透明薄膜用樹脂組
    成物。
  4. 【請求項4】第一級アミン類がアニリン類、ベンジルア
    ミン類であり、第二級アミン類がN−置換アニリン類、
    N−置換ベンジルアミン類である請求項1ないし3のい
    ずれか一項記載の樹脂組成物。
  5. 【請求項5】第一級アミン類がアニリン、C1〜C5の
    アルキル基を有していてもよいアニリン、C1〜C2の
    アルキル基を一つ有していてもよいベンジルアミンであ
    り、第2級アミン類がC1〜C5のN−アルキルアニリ
    ン類、N−(C1〜C4)アルコキシエチルアニリン、
    N−ベンジルアニリンである請求項1ないし3のいずれ
    か一項記載の樹脂組成物。
  6. 【請求項6】】第一級アミン類がアニリン、トルイジ
    ン、ベンジルアミンであり、第2級アミン類がC1〜C
    3のN−アルキルアニリン、N−ベンジルアニリンであ
    る請求項1ないし3のいずれか一項記載の樹脂組成物。
  7. 【請求項7】請求項1ないし6のいずれか一項記載の樹
    脂組成物の硬化物。
  8. 【請求項8】請求項1ないし6のいずれか一項記載の樹
    脂組成物を基材表面に塗布し、これを加熱硬化させるこ
    とを特徴とする透明薄膜の形成法。
  9. 【請求項9】塗布が着色樹脂膜で被覆されている基材表
    面上になされることを特徴とする請求項8記載の透明薄
    膜の形成法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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US8828500B2 (en) 2008-11-28 2014-09-09 Three Bond Co., Ltd. Photocurable resin composition for sealing organic EL device

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