JPH09175757A - エレベーターかご室 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来のエレベーターかご室では、かご室内の
意匠を変更しようとしたときには、複数の作業者が長時
間掛けて、取り外し、取り付け作業を行わなければなら
ないという課題があった。 【解決手段】 この発明のエレベーターかご室は、天井
３に設けられたレールに沿って移動可能な複数個の支持
体と、この支持体にそれぞれ回動可能に設けられた連結
体１２と、この連結体１２同士を回動可能に連結する連
結具１３と、連結体１２に吊り手１４を介して吊下され
反転可能な意匠パネル１５とを備えたものである。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】この発明は、壁面に囲まれて
空間部を形成したエレベーターかご室に関するものであ
る。

【０００２】

【従来の技術】図６は従来のエレベーターかご室を正面
から見た図であり、かご室１は、かご床２、天井３、か
ご床２および天井３にそれぞれ固定された側壁４、後壁
５で構成されている。側壁４および後壁５の下端部に
は、側壁４、後壁５の取付け部が利用者の目に触れない
ようにするための幅木６が設けられている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】上記のように構成され
た従来のエレベーターかご室では、かご室１内の意匠を
変更しようとしたときには、壁面である側壁４、壁面で
ある後壁５を取り換えなければならないが、側壁４、後
壁５を壁面である天井３、壁面であるかご床２から取り
外し、また新たな意匠の側壁、後壁を天井３、かご床２
に取り付けなければならず、複数の作業者が長時間掛け
て、取り外し、取り付け作業を行わなければならないと
いう課題があった。

【０００４】この発明は、かかる課題を解決するために
なされたもので、簡単にかご室内の意匠を変更すること
ができるエレベーターかご室を得ることを目的とする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】この発明の請求項１のエ
レベーターかご室は、壁面に設けられたレールに沿って
移動可能な複数個の支持体と、この支持体にそれぞれ回
動可能に設けられた連結体と、この連結体同士を回動可
能に連結する連結具と、前記連結体に吊り手を介して吊
下され反転可能な意匠パネルとを備えたものである。

【０００６】また、この発明の請求項２のエレベーター
かご室は、意匠パネルを固定する止め具を備えたもので
ある。

【０００７】また、この発明の請求項３のエレベーター
かご室は、意匠パネルの片面に意匠パネルの破損を防止
する養生部を形成したものである。

【０００８】また、この発明の請求項４のエレベーター
かご室は、空間部を分割するように壁面から離れて意匠
パネルを配設したものである。

【０００９】

【発明の実施の形態】

実施の形態１．以下、この発明の実施の形態について説
明する。図１はこの発明の一実施の形態を示す要部正面
図、図２は図１のＡ−Ａ線に沿う断面図であり、図６と
同一または相当部分には同一符号を付し、その説明は省
略する。図において、壁面である後壁５の上部には、横
方向に延びたレール１０が設けられている。このレール
１０には、レール１０に対して摺動可能な支持体１１が
間隔をおいて複数個設けられている。各支持体１１には
連結体１２が回動可能に支持されている。連結体１２
は、連結具１３を介して互いに連結された第１の連結体
１２ａと第２の連結体１２ｂとから構成されている。第
１の連結体１２ａ、第２の連結体１２ｂのそれぞれ中間
部には、連結体１２ａ、１２ｂに対して回転自在で意匠
パネル１５を吊るす吊り手１４が設けられている。意匠
パネル１５は表裏それぞれに異なるデザイン１５ａ，１
５ｂが表示されている。

【００１０】レール１０の直下のかご床２には穴１６が
形成されている。この穴１６には、調整ナット１８によ
り上下動する止め具１７が設けられている。幅木６によ
り外部から見えないようになっている止め具１７は、意
匠パネル１５を回転しないように支持している。

【００１１】次に、意匠パネル１５を反転してかご室１
内の意匠を変更する手順について説明する。先ず、幅木
６を取り外し、止め具１７を露出させる。その後、調整
ナット１８を緩め、止め具１７を下動させて意匠パネル
１５との係合を解除する。次に、レール１０に沿って支
持体１１を片側にスライドさせると、図３に示すように
各意匠パネル１５は連結具１３を中心に屈曲した状態に
なる。この状態では、各意匠パネル１５は吊り手１４を
中心に反転可能であり、作業者は各意匠パネル１５を反
転させることにより、デザイン１５ｂが表面として現
れ、かご室１内の意匠が変更される。なお、吊り手１４
から意匠パネル１５を取り外し、新たな意匠パネルを連
結体１２に取り付けることにより、かご室１内の意匠変
更の幅は拡がる。

【００１２】実施の形態２．図４はこの実施の形態２の
要部断面図であり、この実施の形態では、意匠パネル２
５は、その表面はデザイン２５ａが形成され、その裏面
は荷物の出し入れによる破損防止のための養生部２５ｂ
が形成されている。そのため、荷物運搬時には、意匠パ
ネル２５を反転させ養生部２５ｂを表面にすることがで
き、かご室１の破損を防止することができる。

【００１３】実施の形態３．図５はこの実施の形態３の
要部断面図であり、この実施の形態では、後壁５から離
れ、空間部を２分割するように意匠パネル３５が設けら
れている。このため、通常は意匠パネル３５によりかご
室１は仕切られており、長尺物、寝台等の運搬時には、
片側に支持体１１を寄せ、各意匠パネル３５を折り畳ん
だ状態にすることで、かご室１の空間部全体を使用する
ことができるようになる。なお、各実施の形態では壁面
である後壁５の前面に意匠パネルを設けた場合について
説明したが、壁面である側壁の前面にも意匠パネルを設
けるようにしてもよい。また、レール１０を天井１に取
り付け、止め具１７をかご床２に取り付けたが、レール
をかご床に取り付け、止め具を天井に取り付けるように
してもよい。さらに、かご室の空間部を例えば３分割す
るように意匠パネルをかご室内に配設するようにしても
よい。

【００１４】以上説明したように、この発明によれば、
壁面に設けられたレールに沿って移動可能な複数個の支
持体と、この支持体にそれぞれ回動可能に設けられた連
結体と、この連結体同士を回動可能に連結する連結具
と、前記連結体に吊り手を介して吊下され反転可能な意
匠パネルとを備えたので、意匠パネルを反転することに
より、簡単にかご室内の意匠を変更することができる。

【００１５】また、止め具を用いたときには、意匠パネ
ルは固定され、エレベーターの駆動に伴い揺動するよう
なことはない。

【００１６】また、意匠パネルの片面に養生部を形成し
たときには、荷物の出し入れ時には養生部を表面とし、
かご室の破損を防止することができる。

【００１７】また、空間部を分割するように壁面から離
れて意匠パネルを配設したときには、用途に応じて空間
部を有効利用することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】 この発明の実施の形態１の要部正面図であ
る。

【図２】 図１のＡ−Ａ線に沿う断面図である。

【図３】 図１のエレベーターかご室の一使用態様を示
す図である。

【図４】 この発明の実施の形態２の要部正面図であ
る。

【図５】 この発明の実施の形態３の要部正面図であ
る。

【図６】 従来のエレベーターかご室を正面から見た図
である。

【符号の説明】

１ かご室、２ かご床、３ 天井、４ 側壁、５ 後
壁、１０ レール、１１ 支持体、１２ 連結体、１３
連結具、１４ 吊り手、１５，２５，３５意匠パネ
ル、１７ 止め具。

Claims (4)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 壁面に囲まれて空間部を形成したエレベ
   ーターかご室において、前記壁面に設けられたレールに
   沿って移動可能な複数個の支持体と、この支持体にそれ
   ぞれ回動可能に設けられた連結体と、この連結体同士を
   回動可能に連結する連結具と、前記連結体に吊り手を介
   して吊下され反転可能な意匠パネルとを備えたことを特
   徴とするエレベーターかご室。
2. 【請求項２】 意匠パネルを固定する止め具を備えたこ
   とを特徴とする請求項１記載のエレベーターかご室。
3. 【請求項３】 意匠パネルの片面には意匠パネルの破損
   を防止する養生部が形成されたことを特徴とする請求項
   １または請求項２記載のエレベーターかご室。
4. 【請求項４】 意匠パネルは、空間部を分割するように
   壁面から離れて配設されたことを特徴とする請求項１な
   いし請求項３のいずれかに記載のエレベーターかご室。