JPH09175411A - 車両のステアリングホイール - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 乗員拘束システムの組立てが大幅に簡略化さ
れた車両のステアリングホイールを提供すること。 【解決手段】 支持部２６を有するガス発生装置２２と
入口開口を有するガスバッグ２４とを備え、この入口開
口の縁部が保持部２８を形成する乗員拘束システムを一
体化している。ステアリングホイール１０はハブ１２と
ステアリングホイールボデイ１４とを備え、このステア
リングホイールボデイ１４は一体構造のガスバッグカバ
ー３４を有している。ハブ１２には支持面１６が形成さ
れておりかつステアリングホイールボデイ１４には保持
面１８が形成されている。ステアリングホイールボデイ
１４に対してハブ１２を支えることにより、ガスバッグ
の保持部２８とガス発生装置の支持部２６とがステアリ
ングホイールボデイの保持面１８とハブの支持面１６と
の間に把持される。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、支持部（bracing
section)を有するガス発生装置と入口開口を有するガス
バッグとを備え、かつこの入口開口の縁部が保持部を形
成している乗員拘束システムを一体化した車両のステア
リングホイールに関する。

【０００２】

【従来の技術】この拘束システムの機能は、事故により
運転者が車両に対して前方に移動するのを制限すること
にある。このために、ガスバッグは、これが必要とされ
る状況において、ガス発生装置から供給される加圧ガス
により、折畳まれた非作動状態から展開した作動状態に
変化する。

【０００３】一般的に、ガスバッグは、運転者に面する
側から車両のステアリングホイール内に挿入される。こ
れは、最初にステアリングホイールを対応するステアリ
ングシャフトに装着することを含み、この後、ガスバッ
グと、さらに、ガス発生装置とをステアリングホイール
内に挿入しかつその中に固定する。最後に、ガスバッグ
を保護しかつ乗員拘束システムが作動したときのみ、解
放するガスバッグカバーがその頂部に配置される。

【０００４】本発明の１つの目的は、乗員拘束システム
の組立てが大幅に簡略化された、前述の形式の車両のス
テアリングホイールを提供することである。

【０００５】

【課題を解決するための手段】この目的は、上述の形式
の車両のステアリングホイールにおいて、ハブとステア
リングホイールボデイとを備え、このステアリングホイ
ールボデイは一体構造部品のガスバッグカバーを有し、
このハブ上に支持面（bracing surface)が形成されかつ
ステアリングホイールボデイ上に保持面が形成され、ハ
ブをステアリングホイールボデイに支えることにより、
ガスバッグの保持部とガス発生装置の支持部とが、ステ
アリングホイールボデイの保持面とハブの支持面との間
に把持されることを特徴とするステアリングホイールに
より達成される。この構造のために、ガスバッグとガス
発生装置とを後ろ側からステアリングホイールボデイ内
に挿入し、この後、ハブに結合することが可能であり、
この結果、乗員拘束システムの部品が車両のステアリン
グホイール内の所定位置に取付けられる。ガスバッグの
カバーは、ステアリングホイールボデイの一体構造部で
あるため、後からカバーを別個に取付ける必要はない。

【０００６】本発明の他の有利な進展が従属請求項に規
定されている。

【０００７】

【発明の実施の形態】図１に、本発明の第１実施例の車
両用ステアリングホイール１０が示されている。この車
両用ステアリングホイール１０は、ハブ１２とステアリ
ングホイールボデイ１４とを含んでいる。ハブ１２は環
状支持面１６を有し、ステアリングホイールボデイ１４
は保持面１８を有し、この保持面は截頭円錐状であり、
支持面１６に面する主基部と、この支持面の中心軸線と
同心状の中心軸線とを有する。

【０００８】内孔２０がステアリングホイールボデイ１
４内に形成されており、この中にガス発生装置２２とガ
スバッグ２４とが配置されている。ガス発生装置２２
に、フランジ状の支持部２６が設けられており、その寸
法は支持面１６の寸法に適合している。ガスバッグ２４
は、入口開口を有しており、この縁部はガスバッグ２４
の保持部２８を形成している。この保持部２８は截頭円
錐状であり、保持面１８の寸法に適合する寸法を有して
いる。保持部２８と支持部２６との間に、Ｖ字状断面を
有する支持リング３０も配置されている。

【０００９】最後に、ステアリングホイールボデイ１４
は、それに形成されたケーシング３２を有し、運転者に
面する側の内孔２０が終了する部分はガスバッグカバー
３４を形成している。このガスバッグカバー３４には破
り線３６が形成されており、ガスバッグカバー３４は、
乗員拘束システムが作動したときに、この破り線に沿っ
て破れて開く。

【００１０】車両のステアリングホイールの組立は以下
の態様で行われる。まず、好適に折畳まれたガスバッグ
２４がガスバッグの保持部２８が保持面１８に載置され
るようにステアリングホイールボデイ１４の内孔２０内
に挿入される。この後、支持リング３０の開口側が、ガ
スバッグカバー３４から離れる方向に向いた側に向き、
半径方向外側のリムの外周面がガスバッグ２４の保持面
２８に配置されように支持リング３０が内孔２０内に挿
入される。この後、ガス発生装置２２は、支持部の一方
の側部が支持リング３０の半径方向内側のリムの端面に
載置されるように、内孔２０内に配置される。最後に、
支持面１６がガス発生装置２２の支持部２６に載置する
ようにハブ１２がステアリングホイールボデイ１４に装
着される。次に、ハブ１２がねじ４０を使用してステア
リングホイールボデイ１４にねじ止めされる。支持面１
６と保持面１８と支持リング３０との寸法は、ハブ１２
をステアリングホイールボデイ１４にねじ止めしたとき
に、支持リング３０の弾性変形が発生し、その結果、製
造公差が特に単純な態様で許容され、更に、ガス発生装
置２２とガスバッグ２４とが、互いに簡単に、更に、ハ
ブ１２とステアリングホイールボデイ１４とに対し信頼
性のある状態で支えられるような寸法になっている。

【００１１】この構造は以下の利点を有している。車両
のステアリングホイール内での乗員拘束システムの組立
ては、個々の部品の簡単な挿入およびステアリングホイ
ールボデイへのハブのねじ止め以外の取扱作業が不要な
ために、特に簡単である。更に、乗員拘束システムの組
立ては車両のステアリングホイールの運転者から離れる
方向に向く側から開始することから、ガスバッグカバー
がステアリングホイールボデイの一体構造部品として製
造することができるために、別個のガスバッグカバーは
必要とされない。支持リングのクランプ作用により、製
造誤差の許容範囲の取扱いが特に簡単である。同時に、
保持面の特定の構造により、非常に強いクランプ力が得
られる。同時に、全部品の組立ては１方向でのみ行わ
れ、自動組立てに関し特別の利点を提供する。乗員拘束
システムの部品の取付けの信頼性に関し、所定位置にこ
のように取付けるために必要な全部材、すなわち、支持
部と支持リングと保持部とが支持力の伝達路に沿って順
次配置されることは更に有利である。車両のステアリン
グホイールをステアリングシャフト（図示せず）に結合
することに関し、車両のステアリングホイールの運転者
から離れる方向に面する側から製造可能な結合部が用い
られる場合、車両のステアリングホイールは事前に組立
てられた部材群として車両製造者に供給可能である。こ
のサブアセンブリはヘリカルばね３８を備えることが可
能であり、このばねにより、たとえば、ガス発生装置を
着火するために、信号を車両のステアリングホイールに
送ることができる。

【００１２】図２および図３に、本発明の第２実施例の
車両のステアリングホイールが示されている。これらの
図において、図１に関連して既述した部品は同じ参照番
号で示されている。これらの部品の作用に関しては、図
１に関連する記載を参照されたい。図示した２つの実施
例間の相違に関してのみ以下に説明する。

【００１３】第１実施例の場合の保持面の截頭円錐形状
と異なり、第２実施例の保持面１８は円形リングの形態
を有し、その中心軸線は支持面１６の中心軸線と同心状
である。ガスバッグ２４の保持部２８は縫込まれた保持
リング５０を備え、その断面球状は全体的に矩形であ
る。更に、ハブ１２の支持面１６には、複数の突出する
変形要素５２（図３参照）が設けられている。

【００１４】車両のステアリングホイール内での乗員拘
束システムの組立は以下の態様で行われる。最初に、保
持リング５０が保持面１８に載置するようにガスバッグ
２４が内孔２０内に挿入される。この後、支持部２６が
保持リング５０に載置するようにガス発生装置２２が内
孔２０内に挿入される。次ぎに、支持面１６の変形要素
５２がガス発生装置２２の支持部２６に載置するように
ハブ１２がステアリングホイールボデイ１４に配置され
る。最後に、ハブ１２がステアリングホイールボデイ１
４にねじ止めされる。

【００１５】保持リング５０と支持部２６とが、保持面
１８と支持面１６との間にクランプされることにより、
変形要素５２の変形が生じる。変形要素５２のこの変形
は、製造誤差に拘らず、保持リング５０と支持部２６と
が所定位置に信頼性のある状態で取付けられることを保
証する。この形式の組立体で得られる利点は第１実施例
に関連して説明した利点とほぼ同じである。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の第１実施例のステアリングホイールの
断面図。

【図２】本発明の第２実施例のステアリングホイールの
断面図。

【図３】図２の構造の一部の拡大図。

【符号の説明】

１０ 車両のステアリングホイール １２ ハブ １４ ステアリングホイールボデイ １６ 環状支持面 １８ 保持面 ２０ 内孔 ２２ ガス発生装置 ２４ ガスバッグ ２８ 保持部 ３０ 支持リング ３２ ケーシング ３４ ガスバッグカバー ３６ 破れ線 ５０ 保持リング ５２ 変形要素

Claims (11)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 支持部（２６）を有するガス発生装置
   （２２）と、入口開口を有するガスバッグ（２４）とを
   備え、この入口開口の縁部が保持部（２８）を形成して
   いる、乗員拘束システムを一体化した車両のステアリン
   グホイールであって、 この車両のステアリングホイール（１０）は、ハブ（１
   ２）とステアリングホイールボデイ（１４）とを備え、
   このステアリングホイールボデイは一体構造部のガスバ
   ッグカバー（３４）を有し、 このハブ（１２）に支持面（１６）が形成されており、
   かつステアリングホイールボデイ（１４）に保持面（１
   ８）が形成されており、 このステアリングホイールボデイ（１４）に対してハブ
   （１２）を支えることにより、ガスバッグの保持部（２
   ８）とガス発生装置の支持部（２６）とが、ステアリン
   グホイールボデイの保持面（１８）とハブの支持面（１
   ６）との間に把持されていることを特徴とする車両のス
   テアリングホイール。
2. 【請求項２】 ハブの支持面（１６）は、円形リング構
   造を有することを特徴とする請求項１に記載の車両のス
   テアリングホイール。
3. 【請求項３】 ガス発生装置の支持部（２６）は、フラ
   ンジ状の態様に形成されていることを特徴とする請求項
   ２に記載の車両のステアリングホイール。
4. 【請求項４】 ステアリングホイールボデイの保持面
   （１８）は、截頭円錐状であり、ハブの支持面（１６）
   に面する主基部と、円形リングの中心軸線と同心の中心
   軸線とを有することを特徴とする請求項３に記載の車両
   のステアリングホイール。
5. 【請求項５】 支持リング（３０）が、ガス発生装置の
   支持部（２６）とガスバッグの保持部（１８）との間に
   配置されていることを特徴とする請求項４に記載の車両
   のステアリングホイール。
6. 【請求項６】 支持リング（３０）は、ハブの支持面
   （１６）に向けて開口したＶ字状断面を有し、かつ、ガ
   スバッグの保持面（２８）でステアリングホイールボデ
   イの保持面（１８）に対して支える外周面をその半径方
   向外側のリムに備えており、この支持リング（３０）
   は、半径方向内側のリムの端部側で、ガス発生装置の支
   持部（２６）により、ハブの支持面（１６）に対して支
   えていることを特徴とする請求項５に記載の車両のステ
   アリングホイール。
7. 【請求項７】 支持リング（３０）は、弾性変形可能で
   あることを特徴とする請求項６に記載の車両のステアリ
   ングホイール。
8. 【請求項８】 ガスバッグの保持面（１８）は、円形リ
   ングとして形成され、このリングの中心軸線は支持面
   （１６）の中心軸線と同心状であることを特徴とする請
   求項３に記載の車両のステアリングホイール。
9. 【請求項９】 保持リング（５０）が、ガスバッグの保
   持部（２８）内に縫込まれていることを特徴とする請求
   項８に記載の車両のステアリングホイール。
10. 【請求項１０】 突出する変形要素（５２）が、ハブの
    支持面（１６）に配置されていることを特徴とする請求
    項９に記載の車両のステアリングホイール。
11. 【請求項１１】 ハブ（１２）とステアリングホイール
    ボデイ（１４）とは、ねじ（４０）により一体的に支え
    られていることを特徴とする請求項１から請求項１０ま
    でのいずれか一項に記載の車両のステアリングホイー
    ル。