JPH09175043A - 昇華型熱転写体 - Google Patents

昇華型熱転写体

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JPH09175043A
JPH09175043A JP8297641A JP29764196A JPH09175043A JP H09175043 A JPH09175043 A JP H09175043A JP 8297641 A JP8297641 A JP 8297641A JP 29764196 A JP29764196 A JP 29764196A JP H09175043 A JPH09175043 A JP H09175043A
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JP
Japan
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surface layer
thermal transfer
transfer member
sublimation type
type thermal
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Pending
Application number
JP8297641A
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English (en)
Inventor
Hironori Kuboyama
浩紀 久保山
Hiroyuki Kamimura
浩之 上村
Chiharu Nogawa
千春 野川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Ricoh Co Ltd
Original Assignee
Ricoh Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 n倍モード法おいてスティッキングの発生を
低減でき、また、保存下で昇華性染料のブリードが軽減
され被転写体に地汚れを発生させない昇華型熱転写体を
得る。 【解決手段】 n倍モード法により画像を形成する昇華
型熱転写体において、受像シートと接する側にシリコー
ングラフトポリマーまたはシリコーングラフトポリマー
とイソシアネート化合物との硬化物からなる表面層を設
ける。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は複写機、プリンタ等
に用いる昇華型熱転写体に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、フルカラープリンタの需要が年々
増加している。このフルカラープリンタの記録方式とし
て電子写真法、インクジェット法、感熱転写法がある
が、なかでも保守が容易、騒音がない等の理由から感熱
転写法が多く用いられている。
【0003】この感熱転写法は、熱溶融性物質中に着色
剤を分散するか、または、樹脂結着剤中に熱移行性染料
を分散したインク層を設けてなる熱転写体(いわゆる
「インクシート」と称されることがある)のインク層の
表面に受像シートを重ね、熱転写体側から電気信号によ
り制御されたレーザ光やサーマルヘッド等の熱エネルギ
ーを印加して、その部分のインクを受像シート上に熱溶
融転写または熱移行させて画像を形成する記録方法であ
る。
【0004】そして、この感熱転写法は使用される記録
媒体の種類によって前述のように熱溶融型と熱移行性と
に大別されるが、後者は原理的にサーマルヘッド等から
の熱エネルギーに対して染料が単分子状で受像シートに
転写するため容易に中間調が得られる利点を有し、フル
カラープリンタに最も適した方式と考えられる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、この熱
移行型熱転写記録法は、電子写真法やインクジェット法
と異なり、画像形成に直接寄与する色材以外に基材等の
副部材が必要なこと、さらに、画像形成に際しインクシ
ートに選択的な熱印字を行った後、未使用部が残ってい
てもその未使用部を回収し再利用することなく廃棄する
ため、ランニングコストが高いという欠点を有してい
る。
【0006】また、近年においては染料転写量が染料供
給層>転写寄与層の関係にある染料供給層および染料転
写寄与層からなる色材層を順次積層した熱転写体が提案
され(特開平2−586号公報)効率の良い転写ができ
るようになった。これは、受像シートの速度をインクシ
ートの速度のn倍(n>1)にして両シ−トを走行させ
た状態で繰り返し印字するn倍モード法においても濃度
低下を起こさない昇華型感熱転写体である。このn倍モ
ード法はインク層の前の回の使用部分との重なりを少し
ずつずらしながら送る相対速度方法によって多数回印字
を行うものであり、n値が大きいほどコスト的に有利で
ある。
【0007】しかし、昇華性染料を用いた熱転写記録方
式は昇華性染料のインク層から受像層への熱拡散であ
り、n倍モード法は、通常のワンタイムと比較して両者
はサーマルヘッドとプラテンローラ間の押し圧力により
密着しながら加熱される単位面積あたりの時間が長く、
また、インク層と受像層間に摩擦力が働くために、両者
で融着が起こり走行不良およびスティッキングが発生す
る危険性が大となる。
【0008】また、昇華型熱転写体は昇華性染料がイン
ク層の保存中に時間が経過すると表面にブリードしやす
く、印字画像の被転写部に地汚れを起こす欠点がある。
【0009】本発明の課題は、n倍モ−ド法においてス
ティッキングの発生がなく、また、インク層保存中のイ
ンク層表面ヘの染料のブリードが軽減され、正常な画像
が得られる昇華型熱転写体を提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、第一
に、n倍モード法により画像を形成する昇華型熱転写体
において、受像シートと接する側にシリコーングラフト
ポリマーからなる表面層を設けたことを特徴とする昇華
型熱転写体が提供される。
【0011】第二に、上記第一に記載した昇華型熱転写
体において、前記表面層が10%以上のシリコーン部を
有するシリコーングラフトポリマーであることを特徴と
する昇華型熱転写体が提供される。
【0012】第三に、上記第一または第二に記載した昇
華型熱転写体において、前記表面層がシリコーングラフ
トポリマーに代えてシリコーングラフトポリマーとイソ
シアネート化合物との硬化物からなることを特徴とする
昇華型熱転写体が提供される。
【0013】第四に、上記第三に記載した昇華型熱転写
体において、前記イソシアネート化合物が脂環族系また
は脂肪族系イソシアネート化合物であることを特徴とす
る昇華型熱転写体が提供される。
【0014】第五に、上記第三に記載した昇華型熱転写
体において、前記イソシアネート化合物が親水性のイソ
シアネート化合物であることを特徴とする昇華型熱転写
体が提供される。
【0015】第六に、上記第一または第三に記載した昇
華型熱転写体において、前記表面層がアルコール系溶媒
により塗布形成されたものであることを特徴とする昇華
型熱転写体が提供される。
【0016】第七に、上記第六に記載した昇華型熱転写
体において、前記アルコール系溶媒が第二級または第三
級アルコールであることを特徴とする昇華型熱転写体が
提供される。
【0017】第八に、上記第三に記載した昇華型熱転写
体において、前記表面層が硬化剤として脂環族系または
脂肪族系イソシアネートを用い、溶媒として第二級また
は第三級アルコールを用いて塗布形成されたものである
ことを特徴とする昇華型熱転写体が提供される。
【0018】第九に、上記第一または第三に記載した昇
華型熱転写体において、前記表面層の軟化温度が200
℃以上であることを特徴とする昇華型熱転写体が提供さ
れる。
【0019】第十に、上記第一または第三に記載した昇
華型熱転写体において、前記表面層の摩擦係数が0.1
5以下であることを特徴とする昇華型熱転写体が提供さ
れる。
【0020】第十一に、上記第一または第三に記載した
昇華型熱転写体において、前記表面層の軟化温度が20
0℃以上で、かつ摩擦係数が0.15以下であることを
特徴とする昇華型熱転写体が提供される。
【0021】上述したように、本発明の昇華型熱転写体
は、受像シートと接する側にシリコーングラフトポリマ
ーからなる表面層を設けることを特徴とする。
【0022】通常行われているシリコーンオイル添加で
は、表面にオイルがブリードしにくく、滑性効果を期待
できない。しかしながら、樹脂にシリコーンをグラフト
させると層形成時にシリコーン鎖が表面に配向するため
シリコーンオイル添加に比較し、摩擦係数(μ値)が確
実に低下し、スティッキング性に良好な結果をもたら
す。また、さらに滑性を向上させるためには、シリコー
ングラフトポリマーのシリコン部は10%以上グラフト
させることが好ましい。摩擦抵抗としては、通常印字
(ワンタイム)と違い、n倍モード法を用いて画像を形
成する際には、受像層表面とインクリボンの表面が擦れ
ながら進むためにより低い方が好ましく、摩擦係数とし
ては0.15以下が好ましい。
【0023】また、さらに融着能(n倍モ−ド法を用い
て画像を形成する際に発生する融着を発生させない能
力)を向上させるためにはシリコーングラフトポリマー
とイソシアネート化合物との硬化物にすることが好まし
い。これは樹脂が架橋することによってn倍モード法に
おける印字時に必要な耐熱性を得ることができるからで
ある。表面層を軟化温度でみた場合、ワンタイム印字で
は樹脂を架橋する必要がなく、150℃以下でも構わな
いが、n倍モード法を用いた場合には、印加エネルギー
が大きく、インクリボンにかかる熱量が膨大なため20
0℃以上が好ましい。
【0024】また、この際、表面層形成液中の溶媒が染
料に対し高溶解性であると下層色材層(n倍モード法の
場合、染料を大量に分散させた染料供給層と染料寄与
層)中の染料を溶かし表面層中に入り込み、これにより
時間が経過するとインク層表面に染料がブリードしやす
くなってしまうため、用いる溶媒はアルコール系溶媒が
好ましい。
【0025】
【発明の実施の形態】しかしながら、イソシアネート化
合物は、イソシアネート化合物の−NCO基と樹脂の活
性水素との反応により硬化樹脂を形成するため溶媒をア
ルコール系にした場合には、溶媒の−OH基とイソシア
ネート化合物が反応してしまうためシリコーングラフト
ポリマー硬化物のゲル化率が低下する。
【0026】そこで、表面層形成液中のアルコール溶媒
とイソシアネート化合物との反応を抑制するためにはア
ルコ−ル系溶媒の中でも第二級アルコ−ルかよく、さら
に、抑制するためには第三級アルコ−ルがよい。また、
イソシアネ−ト化合物のなかでも脂環族または脂肪族系
のイソシアネート化合物が反応性が遅く、さらには、親
水基を含有するイソシアネートを用いればアルコール系
溶媒に溶解し安定した反応硬化物を得ることが可能とな
る。
【0027】これにより、インク層表面の染料ブリード
性を軽減するためのアルコール系溶媒を用いたシリコー
ングラフトポリマーとイソシアネート化合物の硬化物を
形成するための表面層形成液においてもポットライフが
安定するため、安定した昇華型熱転写体を提供すること
ができる。
【0028】本発明に係わる色材層は昇華性染料および
結着剤を含有するインク層の単層構成、あるいは染料供
給層および染料転写寄与層を基体側から順次積層した構
成のものが含まれる。
【0029】色材層に使用される昇華性染料としては、
60℃以上で昇華あるいは気化する染料であり、主に分
散染料、油溶性染料など熱転写捺染で使用されるもので
あれば良く、例えばC.I.ディスパースイエロ−の
1,3,8,9,16,41,54,60,77,11
6など、C.I.ディスパースレッドの1,4,6,1
1,15,17,55,59,60,73,83など、
C.I.ディスパ−スブルーの3,14,19,26,
56,60,64,72,99,108など、C.I.
ソルベントレッドの23,25,27など、C.I.ソ
ルベントブルーの36,83,105などが挙げられ
る。これらの染料は一種または数種混合しての使用も可
能である。
【0030】色材層に使用される結着剤は熱可塑性樹脂
または熱硬化性樹脂が用いられ、そのうち比較的高ガラ
ス転移点または高軟化性を有する樹脂としては、例え
ば、塩化ビニル樹脂、酢酸ビニル樹脂、ポリアミド、ポ
リエチレン、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリプ
ロピレン、アクリル樹脂、フェノール樹脂、ポリエステ
ル、ポリウレタン、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、フ
ッ素樹脂、ブチラール樹脂、メラミン樹脂、天然ゴム、
合成ゴム、ポリビニルアルコール、セルロ−ス樹脂等が
挙げられる。これらの樹脂は一種で使用するか、数種を
混合するか、さらに共重合体を使用してもよい。
【0031】本発明の表面層に使用するシリコーングラ
フトポリマーとしては、例えば、ポリブチラール系樹
脂、エポキシ系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリウレタ
ン系樹脂、アクリル系樹脂、メラミン系樹脂、塩化ビニ
ル系樹脂等にシリコーンをグラフトしたものであればよ
く、市販されているものとしては、ダイアロマーSP3
023、SP2105、SP711、SP712(大日
精化社製)などがある。
【0032】また、上記シリコーングラフトポリマーを
イソシアネート化合物で硬化することによりn倍モ−ド
法を用いて画像を形成する際に発生する融着を防ぐこと
が可能となる。
【0033】さらに、熱転写体表面の染料ブリードを軽
減するためには、表面層を形成する際に用いる塗布液の
溶媒は下層の染料を溶かさないアルルコール系の溶媒で
あればどれでもよいが、この際のイソシアネート化合物
との反応を抑制するためには、アルコール系溶媒の中で
も、イソプロピルアルコール、sec−ブタノール、2
−ペンタノール、3−メチル−2−ブタノール、2−へ
プタノール、3−へプタノール、2−オクタノール等の
第二アルコ−ルが好ましく、さらには2−メチル−2−
ブタノール、2−メチル−2−ペンタノール、2−メチ
ル−2−へキサノール等の第三アルコールがより好まし
い。
【0034】また、イソシアネ−ト化合物としては、ト
リレンジイソシアネート、4,4−ジフェニルメタンジ
イソシアネート、キシレンジイソシアネート、テトラメ
チルキシレンジイソシアネート、m−イソプロペニル−
α,α−ジメチルベンジルイソシアネート、さらに、こ
れらイソシアネートとトリメチルプロパンなどとの付加
物またはイソシアネートのトリマ−などがある。
【0035】しかしながら、表面層形成液でのポットラ
イフを延ばすためには反応性の遅いイソシアネート化合
物が好ましく、このようなイソシアネート化合物として
は1,3−ビス(イソシアナトメチル)シクロへキサ
ン、へキサメチレンジイソシアネート、さらにはこれら
イソシアネ−トとトリメチルプロパンなどとの付加物ま
たはイソシアネートのトリマー等の脂環族または脂肪族
系のイソシアネ−ト化合物がある。
【0036】また、イソシアネ−ト化合物のなかでも親
水基を含有したものを用いることによりアルコール系溶
媒に溶解して安定した反応硬化物を得ることが可能とな
る。このようなイソシアネート化合物としては、例え
ば、スタフィロイドTHD703(武田薬品社製)など
がある。
【0037】上記イソシアネート化合物の含有量は、最
上層(上記表面層)の樹脂結着剤のOH含有量に対して
イソシアネートのNCO含有量(NCO/OH)がモル
比で0.1から2.0で、好ましくは0.5から1.5
である。
【0038】また、表面層の膜厚としては、0.1μm
から2.0μmまで、好ましくは0.5から1.5であ
る。
【0039】次に基体としては、コンデンサー紙、ポリ
エステルフィルム、ポリスチレンフィルム、ポリサルフ
ォンフィルム、ポリイミドフィルム、ポリアラミドフィ
ルム等のフィルムが使用され、基体と染料供給層との間
には必要に応じて従来の接着層(中間接着層ともいう)
などを設けてもよく、また、基体の裏側には従来より慣
用の耐熱性潤滑層(耐熱層ともいう)を設けてもよい。
【0040】これまでは感熱ヘッドを用いての記録方法
を念頭において説明してきたが、本発明の昇華型熱転写
体は感熱ヘッド以外の手段によって記録する方法、例え
ば熱印版、レーザ光、あるいは基体などの媒体中で発生
するジュール熱を用いる通電感熱転写法はよく知られて
おり、USP4,103,066、特開昭57−140
60号、特開昭57−11080号、特開昭59−90
96号公報等多くの文献に記載されている。
【0041】この通電感熱転写法に用いる場合には、基
体として、比較的耐熱性のよいポリエステル、ポリカー
ボネート、トリアセチルセルロース、ナイロン、ポリイ
ミド、芳香族ポリアミド等の樹脂にアルミニウム、銅、
鉄、スズ、亜鉛、ニッケル、モリブデン、銀等の金属粉
および/またはカーボンブラック等の導電性粉末を分散
させて抵抗値を絶縁体と良導体との中間に調節したフィ
ルム支持体、また、これらのフィルム支持体に前述のよ
うな導電性金属を蒸着またはスパッタリングさせた支持
体を用いればよい。これらの基体の厚さはジュール熱の
伝熱効率を考慮すると、2〜15μm程度であることが
望ましい。
【0042】また、レーザ光転写法に用いる場合には、
基体としてレーザ光を吸収し発熱する材質を選べばよ
い。例えば従来の熱転写用フィルムにカーボン等の光吸
収変換剤を含有させるか、または吸収層を支持体の表面
および/または裏面に形成したものが使用される。
【0043】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明をさらに具体的
に説明する。なお、以下において部、%はすべて重量基
準である。
【0044】〔実施例1〕厚さ約1μmのシリコーン樹
脂系耐熱層を裏面に設けた厚さ約6μmの芳香族ポリア
ミドフィルム上に、ワイヤーバーを用いて乾燥後の厚さ
がそれぞれ約1μm、4μm、1μmになるように下記
処方の中間接着層形成液、染料供給層形成液および染料
転写寄与層形成液を順次塗布乾燥して色材層を形成し
た。
【0045】 〈中間接着層形成液〉 ポリビニルブチラール樹脂(積水化学社製BX−1) 10部 ジイソシアネート(日本ポリウレタン社製コロネートL) 5部 トルエン 95部 メチルエチルケトン 95部
【0046】 〈染料供給層形成液〉 ポリビニルブチラール樹脂(積水化学社製BX−1) 7部 ジイソシアネート(日本ポリウレタン社製コロネートL) 7部 昇華性染料(三井東圧染料社製HSO144) 30部 ブチルアルコール 133部
【0047】 〈染料転写寄与層形成液〉 ポリビニルブチラール樹脂(積水化学社製BX−1) 10部 ジイソシアネート(日本ポリウレタン社製コロネートL) 3部 昇華性染料(三井東圧染料社製HSO144) 20部 メチルエチルケトン 95部 トルエン 95部
【0048】次いで、上記色材層上に下記処方による表
面層形成液をワイヤーバーを用いて厚さが0.7μmに
なるように塗布乾燥した。次いで60℃で12時間エー
ジング処理を行い昇華型熱転写体を作製した。
【0049】 〈表面層形成液〉 シリコーングラフトポリマー(大日精化社製 ダイアロマーSP712) 30部 メチルエチルケトン 70部
【0050】〔実施例2〕下記表面層形成液を形成後、
6時間後まで1時間ごと厚さ6μmの芳香族ポリアミド
フィルム上にワイヤーバーを用いて厚さが0.7μmに
なるよう塗布乾燥し、それぞれのゲル分率を測定して硬
化反応の度合を調べた。一方、表面層形成液を下記処方
に変えた以外は実施例1と同様にして昇華型熱転写体を
作製した。なお、表面層形成液は調整直後の液を使用し
た。
【0051】 〈表面層形成液〉 シリコーングラフトポリマー(大日精化社製 ダイアロマーSP711、シリコーン含有量6%) 30部 メチルエチルケトン 70部
【0052】〔実施例3〕表面層形成液を下記処方に変
えた以外は実施例2と同様にして表面層の時間ごとにお
けるゲル分率を測定した。また、表面層形成液を下記処
方に変えた以外は実施例2と同様にして昇華型熱転写体
を作製した。表面層形成液は調整直後のものを使用し
た。
【0053】 〈表面層形成液〉 シリコーングラフトポリマー(大日精化社製 ダイアロマーSP711) 30部 イソシアネート(トリレンジイソシアネートのトリマー、 武田薬品社製タケネ−トD218H) 3部 メチルエチルケトン 70部 〔実施例4〕表面層形成液を下記処方に変えた以外は実
施例2と同様にして表面層の時間ごとにおけるゲル分率
を測定した。また、表面層形成液を下記処方に変えた以
外は実施例2と同様にして昇華型熱転写体を作製した。
表面層形成液は調整直後のものを使用した。
【0054】 〈表面層形成液〉 シリコーングラフトポリマー(大日精化社製 ダイアロマーSP712、シリコーン含有量15%) 30部 イソシアネート(トリレンジイソシアネートのトリメリロール プロパン付加物、武田薬品社製タケネートD103H) 3部 メチルエチルケトン 70部
【0055】〔実施例5〕表面層形成液を下記処方に変
えた以外は実施例2と同様にして表面層の時間ごとにお
けるゲル分率を測定した。また、表面層形成液を下記処
方に変えた以外は実施例2と同様にして昇華型熱転写体
を作製した。表面層形成液は調整直後のものを使用し
た。
【0056】 〈表面層形成液〉 シリコーングラフトポリマー(大日精化社製 ダイアロマーSP712) 30部 イソシアネート(トリレンジイソシアネートのトリマー、 武田薬品社製タケネ−トD218H) 3部 n−ブタノール 70部
【0057】〔実施例6〕表面層形成液を下記処方に変
えた以外は実施例2と同様にして表面層の時間ごとにお
けるゲル分率を測定した。また、表面層形成液を下記処
方に変えた以外は実施例2と同様にして昇華型熱転写体
を作製した。表面層形成液は調整直後のものを使用し
た。
【0058】 〈表面層形成液〉 シリコーングラフトポリマー(大日精化社製 ダイアロマーSP712) 30部 イソシアネート(トリレンジイソシアネートのトリメチロール プロパン付加物、武田薬品社製タケネ−トD103H) 3部 イソプロピルアルコール 70部
【0059】〔実施例7〕表面層形成液を下記処方に変
えた以外は実施例2と同様にして表面層の時間ごとにお
けるゲル分率を測定した。また、表面層形成液を下記処
方に変えた以外は実施例2と同様にして昇華型熱転写体
を作製した。表面層形成液は調整直後のものを使用し
た。
【0060】 〈表面層形成液〉 シリコーングラフトポリマー(大日精化社製 ダイアロマーSP712) 30部 イソシアネート(トリレンジイソシアネートのトリメチロール プロパン付加物、武田薬品社製タケネ−トD103H) 3部 2−メチル−2−ブタノ−ル 70部
【0061】〔実施例8〕表面層形成液を下記処方に変
えた以外は実施例2と同様にして表面層の時間ごとにお
けるゲル分率を測定した。また、表面層形成液を下記処
方に変えた以外は実施例2と同様にして昇華型熱転写体
を作製した。表面層形成液は調整直後のものを使用し
た。
【0062】 〈表面層形成液〉 シリコーングラフトポリマー(大日精化社製 ダイアロマーSP712) 30部 イソシアネート(1,3−ビス(イソシアナトメチル) シクロへキサンのトリメチロールプロパン付加物、 武田薬品社製タケネートD120N) 3部 n−ブタノール 70部
【0063】〔実施例9〕表面層形成液を下記処方に変
えた以外は実施例2と同様にして表面層の時間ごとにお
けるゲル分率を測定した。また、表面層形成液を下記処
方に変えた以外は実施例2と同様にして昇華型熱転写体
を作製した。表面層形成液は調整直後のものを使用し
た。
【0064】 〈表面層形成液〉 シリコーングラフトポリマー(大日精化社製 ダイアロマーSP712) 30部 イソシアネート(親水性脂肪族イソシアネート、 武田薬品社製スタフィロイドTHD703) 3部 2−メチル−2−ブタノール 70部
【0065】〔実施例10〕表面層形成液を下記処方に
変えた以外は実施例2と同様にして表面層の時間ごとに
おけるゲル分率を測定した。また、表面層形成液を下記
処方に変えた以外は実施例2と同様にして昇華型熱転写
体を作製した。表面層形成液は調整直後のものを使用し
た。
【0066】 〈表面層形成液〉 シリコーングラフトポリマー(大日精化社製 ダイアロマーSP712) 30部 イソシアネート(親水性脂肪族イソシアネート、 武田薬品社製スタフィロイドTHD703) 3部 n−ブタノール 70部
【0067】〔比較例1〕表面層形成液を下記処方に変
えた以外は実施例1と同様にして昇華型熱転写体を作製
した。
【0068】 〈表面層形成液〉 ポリビニルブチラール樹脂(積水化学社製BX−1) 30部 n−ブタノール 70部
【0069】〔比較例2〕表面層形成液を下記処方にて
形成した以外は実施例2と同様にして表面層の時間ごと
におけるゲル分率を測定した。また、表面層形成液を下
記処方に変えた以外は実施例2と同様にして昇華型熱転
写体を作製した。表面層形成液は調整直後のものを使用
した。
【0070】 〈表面層形成液〉 ポリビニルブチラール樹脂(積水化学社製BX−1) 30部 イソシアネート(トリレンジイソシアネートのトリメチロール プロパン付加物、武田薬品社製タケネートD103H) 3部 n−ブタノール 70部
【0071】〔受像シートの作製〕約150μm厚の合
成紙(王子油化合成紙社製ユポFP−150)上に下記
組成の中間層形成液および受像層形成液を順次塗工し、
乾燥温度75℃で1分間乾燥して中間層および受像層を
形成した。次いで60℃、24時間保存して硬化させ、
試験用受像体とした。
【0072】 〈中間層形成液〉 塩化ビニル−酢酸ビニル−ビニルアルコール共重合体 (ユニオンカーバイト社製VAGH) 10部 ジイソシアネ−ト(日本ポリウレタン社製コロネ−トL) 5部 トルエン 40部 メチルエチルケトン 40部
【0073】 〈受像層形成液〉 塩化ビニル−酢酸ビニル−ビニルアルコール共重合体 (ユニオンカーバイト社製VAGH) 10部 ジイソシアネート(日本ポリウレタン社製コロネ−トL) 5部 アミノ変性シリコーンオイル(東レ社製SF8417) 0.5部 エポキシ変性シリコーンオイル(東レ社製SF8411) 0.5部 トルエン 40部 メチルエチルケトン 40部
【0074】この試験用受像体を用いて各実施例および
比較例で得られた昇華型熱転写体について、融着(ステ
ィッキング)、画像ムラ(染料ブリード性)および液ポ
ットライフの評価を下記方法により行った。
【0075】 〈融着評価の印字条件〉 サ−マルヘツド 12ドット/mm 受像層搬送速度 8.4mm/sec 転写媒体搬送速度 n(受像体の1/15〜1/1)となるように設定し、 印字を行った。
【0076】〈画像ムラ(染料ブリード性)〉印字後の
非電加部(サーマルヘッド部とプラテンローラの加圧の
みでインクシートと受像紙が接触した部分)が染料が受
像紙に転写し受像紙の地肌部と比較して色味が変化して
いるかどうかで判断した。
【0077】〈液ポットライフ〉各時間ごとに作製した
表面層を酢酸エチルに10分間浸漬し、浸漬前後の表面
層の重量差を求め、これを百分率で表した数値をゲル分
率とした。すなわち、浸漬前後の表面層の重量差がなけ
れば硬化反応は完全に進行し、ゲル分率は100%とな
るが、表面層が酢酸エチルに溶解し浸漬前後で重量差が
生じた場合はゲル分率は低下していく。評価はゲル分率
90%以上を良好な硬化反応とし、安定な液ポットライ
フとした。
【0078】
【表1】
【0079】表1から実施例のものの融着低減効果が非
常に優れており、シリコーングラフトポリマーの表面層
よりさらにシリコーングラフトポリマーとイソシアネー
ト化合物の硬化物の表面層の方がn倍モード法における
スティッキングの発生を低減させることが分かる。
【0080】また、シリコーングラフトポリマーまたは
その硬化物を用いてもアルコール系溶媒で表面層を形成
すれば昇華性染料のブリードは発生しないことが分か
る。
【0081】さらに、アルコール系溶媒の中でも第二級
または第三級アルコールを用いることにより、また、イ
ソシアネート化合物も脂環族系または脂肪族系イソシア
ネート化合物、あるいは親水性のイソシアネート化合物
を用いることにより表面層形成液のポットライフを引き
延ばすことができることが分かる。
【0082】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、n倍モ
ード法により画像を形成する昇華型熱転写体において、
受像シートと接する側にシリコーングラフトポリマーか
らなる表面層を形成することによりスティッキングの発
生を低減できる昇華型熱転写体が得られる。また、シリ
コーングラフトポリマーに代えてシリコーングラフトポ
リマーとイソシアネート化合物の硬化物を用いると融着
能をさらに向上させることができる。一方、表面層を軟
化温度でみた場合、軟化温度200℃以上の表面層に形
成することにより印加エネルギーの大きいn倍モードに
適した表面層とすることができる。
【0083】また、該表面層をアルコール系溶媒で形成
することによりインク層表面の染料ブリードによる異常
画像を発生させない昇華型熱転写体が得られ、該表面層
形成液のポットライフにおいてもアルコ−ルの種類とイ
ソシアネートの種類を限定することにより長時間の安定
性を得ることが可能である。

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 n倍モード法により画像を形成する昇華
    型熱転写体において、受像シートと接する側にシリコー
    ングラフトポリマーからなる表面層を設けたことを特徴
    とする昇華型熱転写体。
  2. 【請求項2】 前記表面層が10%以上のシリコーン部
    を有するシリコーングラフトポリマーであることを特徴
    とする請求項1記載の昇華型熱転写体。
  3. 【請求項3】 前記表面層がシリコーングラフトポリマ
    ーに代えてシリコーングラフトポリマーとイソシアネー
    ト化合物との硬化物からなることを特徴とする請求項1
    または2記載の昇華型熱転写体。
  4. 【請求項4】 前記イソシアネート化合物が脂環族系ま
    たは脂肪族系イソシアネート化合物であることを特徴と
    する請求項3記載の昇華型熱転写体。
  5. 【請求項5】 前記イソシアネート化合物が親水性のイ
    ソシアネート化合物であることを特徴とする請求項3記
    載の昇華型熱転写体。
  6. 【請求項6】 前記表面層がアルコール系溶媒により塗
    布形成されたものであることを特徴とする請求項1また
    は3記載の昇華型熱転写体。
  7. 【請求項7】 前記アルコール系溶媒が第二級または第
    三級アルコールであることを特徴とする請求項6記載の
    昇華型熱転写体。
  8. 【請求項8】 前記表面層が硬化剤として脂環族系また
    は脂肪族系イソシアネートを用い、溶媒として第二級ま
    たは第三級アルコールを用いて塗布形成されたものであ
    ることを特徴とする請求項3記載の昇華型熱転写体。
  9. 【請求項9】 前記表面層の軟化温度が200℃以上で
    あることを特徴とする請求項1または3記載の昇華型熱
    転写体。
  10. 【請求項10】 前記表面層の摩擦係数が0.15以下
    であることを特徴とする請求項1または3記載の昇華型
    熱転写体。
  11. 【請求項11】 前記表面層の軟化温度が200℃以上
    で、かつ摩擦係数が0.15以下であることを特徴とす
    る請求項1または3記載の昇華型熱転写体。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5832651B2 (ja) * 2012-07-31 2015-12-16 三井化学株式会社 ポリイソシアネート組成物、太陽電池部材被覆材、被覆層付太陽電池部材、マイクロカプセルおよびインキ用バインダー

Cited By (2)

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US9822212B2 (en) 2012-07-31 2017-11-21 Mitsui Chemicals, Inc. Polyisocyanate composition, solar cell member covering material, solar cell member with cover layer, microcapsule, and binder for ink

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