JPH09175032A - 熱的画像形成材料 - Google Patents

熱的画像形成材料

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JPH09175032A
JPH09175032A JP7334965A JP33496595A JPH09175032A JP H09175032 A JPH09175032 A JP H09175032A JP 7334965 A JP7334965 A JP 7334965A JP 33496595 A JP33496595 A JP 33496595A JP H09175032 A JPH09175032 A JP H09175032A
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JP
Japan
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image
silver
group
image forming
forming material
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JP7334965A
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English (en)
Inventor
Yasunori Wada
安則 和田
Hideaki Sakata
英昭 坂田
Toshihisa Takeyama
敏久 竹山
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Konica Minolta Inc
Original Assignee
Konica Minolta Inc
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Publication date
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  • Heat Sensitive Colour Forming Recording (AREA)
  • Non-Silver Salt Photosensitive Materials And Non-Silver Salt Photography (AREA)

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 高濃度でかつ良好な保存性と色調が得られる
画像形成材料を提供する。 【解決手段】 情報に従って加熱されることにより画像
を形成する画像形成材料において(a)有機還元剤と
(b)銀源および、(c)下記一般式化合物、(d)チ
オール及びまたはチオン基を有する複素環化合物または
(e)パーハロゲン化合物及びまたは芳香族環に置換し
た炭素にハロゲン基を有する化合物、から選ばれた少な
くとも1つを含有する画像形成材料。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は熱により画像を形成
する画像形成材料に関する。特に本発明は熱ヘッドなど
のように像様に熱量を与え、その熱量に従って有機還元
剤と銀源との反応により銀画像を形成する画像形成材料
に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、種々の感熱材料を用いて熱ヘッド
による画像形成がなされている。例えば感熱紙を用いた
画像、染料を昇華や拡散させる熱転写など種々の方法が
ある。しかし、医用や印刷分野のような白黒の透過画像
に供される画像形成方法は未だ実用化されていないのが
現状である。熱ヘッドを用いた高濃度の白黒画像として
は特開平6−317870号、同7−5619号、同7
−5620号などに開示されている。しかし、これらの
方法では画像形成後や画像形成前に銀源と還元剤が同一
要素内に存在するため、経時や高温での保存で濃度が上
昇する不都合がある。特開平7−26318号、同7−
266730号、同7−266731号には還元剤を銀
原画存在する要素に像様に転写させる技術が開示されて
いる。しかし、この方法においても、還元剤は受像層表
面に転写されるので拡散に時間がかかり、加熱処理の間
に全てが消費されず僅かに残ってしまう。これが、経時
や高温の保存で濃度上昇の原因となる。また、これらの
方法ではでき上がった画像が黄色みを帯びており純黒調
の色調が望まれる。
【0003】一方、銀源と還元剤を用いた画像形成方法
として感光性のハロゲン化銀を存在させ、ハロゲン化銀
を感光させて、潜像(銀核)を形成し、しかる後に該銀
核を触媒として熱現像を行ういわゆるフォトサーマル方
式がある。しかし、この技術は感光性ハロゲン化銀の銀
核が反応の中心であり、その技術はハロゲン化銀の存在
が前提となっている。さらにフォトサーマル方式は露光
を必要とするため装置が大きく、コストも高くなる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の第1の目的は
コストが安く、コンパクトな画像形成方法のための材料
の提供にある。第2の目的は銀源と還元剤を用いた画像
形成方法において画像保存や画像形成前の材料の保存で
の濃度上昇を抑えた画像形成材料の提供にある。その他
の目的は明細書中で明らかになる。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的は、以下の構成
により達成された。
【0006】情報に従って加熱されることにより画像
を形成する画像形成材料において、該画像形成材料が
(a)有機還元剤と(b)銀源と(c)一般式(1)〜
(5)で表わされる化合物群から選ばれる少なくとも一
つの化合物を含有することを特徴とする画像形成材料。
【0007】
【化2】
【0008】式中、R1〜R13は同一であっても異なっ
てもよく、水素原子、アルキル基、アルコキシ基、置
換、非置換のアリール基、シアノ基、ヒドロキシ基、ハ
ロゲン原子、アルキルスルホニル基、アリールスルホニ
ル基、カルボン酸基、スルホン酸基、アミノ基、カルバ
モイル基、ニトロから選ばれる基である。R1及びR2
結合して5〜7員環を構成してもよい。R1とR2が環を
構成するときR3とR4は同時に水素原子であることはな
い。R6とR7、R7とR8、R8とR9、R10とR11及びR
12とR13は互いに結合して5〜7員環を構成してもよ
い。
【0009】情報に従って加熱されることにより画像
を形成する画像形成材料において、該材料が(a)有機
還元剤と(b)銀源、(d)チオール及びまたはチオン
基を有する複素環化合物を含有することを特徴とする画
像形成材料。
【0010】情報に従って加熱されることにより画像
を形成する画像形成材料において、該材料が(a)有機
還元剤と(b)銀源と(e)パーハロゲン化合物及びま
たは芳香族環に置換した炭素にハロゲン基を有する化合
物を含有することを特徴とする画像形成材料。
【0011】以下、本発明を詳細に説明する。
【0012】本発明の画像形成材料は、銀源を還元剤を
用いて熱により還元することにより銀画像を形成する。
熱は熱ヘッド単独及びまたは他の加熱手段と併用して供
給される。
【0013】本発明で言う情報に従って加熱されると
は、結果的に画像形成面に対する位置情報と濃度情報と
からなる信号を元に、加熱場所と加熱温度や加熱時間を
制御することにより、与えられた信号の画像を形成する
ために行われる加熱をいう。加熱方法に特に制限はない
が、具体的には熱ヘッドとの接触や、レーザー光を受光
し熱エネルギーに変換して加熱する方法が画像の解像力
や画像形成速度、データの取り扱い性、コストなどの点
で特に好ましい。
【0014】しかし、熱で画像が形成されるため、低温
ででも長期間にわたり保存された場合には僅かずつでも
反応が起きて銀が生成し濃度が上昇してしまう。従来の
ハロゲン化銀を含有する感光材料では現像はハロゲン化
銀に生じた銀核で起こる。そのため還元剤からハロゲン
化銀への電子移動を防ぐためにハロゲン化銀に吸着する
化合物が抑制剤として機能した。しかしながら、本発明
の画像形成材料においては、ハロゲン化銀は存在しない
ため従来のハロゲン化銀に作用した現像抑制の機構では
説明できない。
【0015】本発明の作用機構は不明であるが、一般式
(1)や(2)の化合物は銀源から発生した還元される
べき銀イオンに相互作用を及ぼし、還元剤からの電子移
動を行いにくくし、経時や高温保存中の反応が遅くなる
ものと推測される。
【0016】又、本発明のパーハロゲン化合物及びまた
は芳香族環に置換した炭素にハロゲン基を有する化合物
により色調が改良される機構の一つの推定を記す。熱ヘ
ッドにより加熱を行うと銀源から小さい銀核が生成し、
これが還元剤による還元の中心となると考えられる。熱
ヘッドによる加熱では小さい銀核が多数生成しながら大
きな金属銀に成長していく。小さい金属銀が生成すると
光の散乱により画像の色調が黄色くなる。複数の小さい
銀核が生成すると供給される銀イオンに限りがあり小さ
な金属銀が多数でき色調は黄色い。本発明の化合物を添
加すると加熱により銀核が生成すると同時に酸化される
銀核の数が減るため一つの銀核からできる金属銀が大き
くなり銀色調が改良される。また、経時での保存でも不
必要に生成した銀核を酸化することにより濃度が上昇す
ることを防止する。
【0017】画像形成材料の構成は一つの支持体上に全
ての要素を含んでもよい(以降、感熱紙タイプと称す
る)し、銀源、還元剤、その他の添加剤を受像要素と転
写要素とに分けて構成し、加熱時に必要な成分を転写要
素から受像要素に転写してもよい。このとき、転写する
成分としては還元剤やアルカリ成分、物理現像核など種
々選択できるが、熱による転写量の制御性から還元剤や
アルカリ成分が好ましい。
【0018】本発明でいう銀源とは還元されることによ
り金属銀を生成する銀イオンを供給できる実質的に非感
光性の化合物をいう。このような有機銀源としては、例
えば脂肪族カルボン酸との銀塩(例えばベヘン酸銀、ス
テアリン酸銀、オレイン酸銀、ラウリン酸銀、カプリン
酸銀、ミリスチン酸銀、パルミチン酸銀、マレイン酸
銀、フマル酸銀、酒石酸銀、フロン酸銀、リロール酸
銀、酪酸銀、ショウノウ酸銀等)、芳香族カルボン酸及
びその他のカルボキシル基含有化合物の銀塩(例えば安
息香酸銀、3,5−ジヒドロ安息香酸銀、O−メチル安
息香酸銀、m−メチル安息香酸銀、p−メチル安息香酸
銀、2,6−ジクロル安息香酸銀、アセトアミド安息香
酸銀、p−フェニル安息香酸銀、タンニン酸銀、フタル
酸銀、テレフタル酸銀、サリチル酸銀、フェニル酢酸
銀、ピロメリト酸銀、3−カルボキシメチル−4−メチ
ル−チアゾリン−2−チオンのような銀塩等)、メルカ
プトまたはチオン基を含む化合物およびそれらの誘導体
の銀塩(例えば3−メルカプト−4−フェニル−1,
2,4,−トリアゾールの銀塩、2−メルカプトベンズ
イミダゾールの銀塩、2−メルカプト−5−アミノチア
ジアゾールの銀塩、2−(2−エチルグリコールアミ
ド)ベンゾチアゾールの銀塩、S−アルキルチオグリコ
ール酸の銀塩のようなチオグリコール酸の銀塩、ジチオ
酢酸の銀塩のようなジチオカルボン酸の銀塩、チオアミ
ドの銀塩、5−カルボキシル−1−メチル−2−フェニ
ル−4−チオピリジンの銀塩、メルカプトトリアジンの
銀塩、2−メルカプトベンズオキサゾールの銀塩、3−
アミノ−5−ベンジルチオ−1,2,4−チアゾール銀
のような1,2,4−メルカプトチアゾール誘導体の銀
塩、3−(2−カルボキシエチル)−4−メチル−4−
チアゾリン−2−チオンのようなチオン化合物の銀塩
等)、ベンゾチアゾールおよびその誘導体の銀塩(例え
ばメチルベンゾトリアゾールの銀塩のようなベンゾチア
ゾールの銀塩、5−クロロベンゾトリアゾールの銀塩の
ようなハロゲン置換ベンゾトリアゾールの銀塩、1,
2,4−トリアゾール、1−H−テトラゾールの銀塩、
イミダゾールおよびイミダゾール誘導体の銀塩等)など
を挙げることができる。
【0019】さらに、本態様では、形成された銀画像の
色調を調整する意味で色調調整剤を添加しても良く、そ
のような色調調整剤としては例えば、フタラジン、置換
フタラジン−5−オン、2,3−ジヒドロ−1,4−フ
タラジンジオン、2−置換−3−ピラゾリン−5−オン
などを挙げることができ、これらの具体的な化合物およ
びその他の色調調整剤の具体的なものとしては、特開昭
49−22928号、同49−5019号、同49−5
020号、同50−2524号、同50−67132
号、同50−671641号、同50−114217
号、同55−4060号、同55−32015号などを
挙げることができる。
【0020】このような色調調整剤を添加する場合の添
加量は、通常画像形成層形成成分のうち通常0.1〜2
0重量%、さらには0.5〜10重量%の範囲にするの
が好ましい。
【0021】以下に本発明の一般式(1)〜(5)で示
される化合物の具体的化合物例を記すが、本発明はこれ
に制約されるものではない。
【0022】
【化3】
【0023】
【化4】
【0024】
【化5】
【0025】本発明のチオール、チオン基を有する複素
環化合物としては、トリアゾール類、テトラゾール類、
ジアゾール類、イミダゾール類、インダゾール類、トリ
アジン類、ジアジン類、チアゾール類、チアジアゾール
類などの窒素原子や硫黄原子または酸素原子をを含有す
る5〜7員環の複素環化合物が好ましい。これらの複素
環に芳香族環を伴う多環式化合物も好ましく用いること
ができる。またこれらの化合物のメルカプト基が結合し
たジスルフィド化合物も好ましく用いられる。この場
合、ジスルフィドは同一メルカプト化合物の2量化した
ものでも、異なる化合物が結合したものでもよい。以下
に具体的化合物例を挙げる。
【0026】
【化6】
【0027】
【化7】
【0028】本発明の芳香族環に置換した炭素にハロゲ
ン基を有する化合物とは例えば下記一般式(7)で表さ
れる化合物をいう。その他に一般式(7)におけるベン
ゼン環がピリジン骨格やナフタレン骨格であってもよ
く、それらは置換基を有してもよい。また、ハロゲンは
臭素が好ましいが塩素や沃素も用いることができる。
【0029】
【化8】
【0030】式中Xはハロゲン原子を表し、nは1〜3
の整数を表す。Rは水素原子、アルキル基、アリール
基、アルケニル基、ハロゲン原子、カルボン酸基、スル
ホン酸基、アミノ基などの基を表す。
【0031】以下に一般式(7)で示される化合物の具
体例を挙げる。
【0032】
【化9】
【0033】
【化10】
【0034】本発明のパーハロゲン化合物とは同一炭素
に2個以上または隣接する2個以上の炭素原子にハロゲ
ン原子を含有する炭素数3以上の化合物をいう。以下に
具体的化合物例を挙げる。
【0035】
【化11】
【0036】本発明の還元剤は銀源を還元できるもので
あれば特に制約はない。以下に化合物例を記すが本発明
はこれに制約されるものではない。例えば、アミドオキ
シム(例えばフェニルアミドオキシム、2−チエニル−
アミドオキシム、p−フェノキシ−フェニルアミドキシ
ム等)、アジン(例えば4−ヒドロキシ−3,5−ジメ
トキシ−ベンズアルデヒドアジン等)のようなアミドオ
キシム、アスコルビン酸やエリソルビン酸などのラクト
ン類、2,2′−ビス−(ヒドロキシメチル)プロピオ
ニル−β−フェニルヒドラジドとアスコロビン酸との組
み合わせのような脂肪族カルボン酸アリールヒドラジド
とアスコルビン酸との組み合わせ、ポリヒドロキシベン
ゼンとヒドロキシルアミン、リダクトン及び/又はヒド
ラジンとの組み合わせ(例えばヒドロキノンとビス(エ
トキシエチル)−ヒドロキシルアミン、ピペリジノヘキ
ソースリダクトンまたはホルミル−4−メチルフェニル
ヒドラジン、フェニルヒドロキサム酸、p−ヒドロキシ
フェニルヒドロキサム酸およびβ−アラニンヒドロキサ
ム酸のようなヒドロキサム酸との組み合わせ)、アジン
とスルホンアミドフェノール誘導体との組み合わせ(例
えばフェノチアジンと2,6−ジクロロ−4−ベンゼン
アミドフェノール、エチル−α−シアノ−2−メチルフ
ェニルアセテート、エチル−α−シアノフェニルアセテ
ートのようなα−シアノフェニルアセテート誘導体)、
ビス−β−ナフトール誘導体(例えば2,2′−ジヒド
ロキシ−1,1′−ビナフチル、6,6′−ジブロモ−
2,2′−ジヒドロキシ−1,1′−ビナフチルおよび
ビス(2−ヒドロキシ−1−ナフチル)メタン等)、ビ
ス−β−ナフトールと1,3−ジヒドロキシベンゼン誘
導体(例えば2,4−ヒドロキシ−ベンゾフェノンまた
は2′,4′−ジヒドロキシアセトフェノン)との組み
合わせ、5−ピラゾロン類(例えば3−メチル−1−フ
ェニル−5−ピラゾロン等)、ジメチルアミノヘキソー
スリダクトン、アンヒドロジヒドロアミノヘキソースリ
ダクトンおよびアンヒドロジヒドロピペリドンヘキソー
スリダクトのようなリダクトン、スルホンアミドフェノ
ール誘導体(例えば2,6−ジクロロ−4−ベンゼンス
ルホンアミノフェノール、p−ベンゼンスルホンアミド
フェノール等)、クロマン類(例えば2,2−ジメチル
−7−t−ブチル−6−ヒドロキシクロマン等)、1,
4−ジヒドロピリジン誘導体(例えば2,6−ジメトキ
シ−3,5−カルボエトキシ−1,4−ジヒドロピリジ
ン等)、ビスフェノール類(例えばビス(2−ヒドロキ
シ−3−t−ブチル−5−メチルフェニル)メタン、
2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)
プロパン、4,4−エチリデン−ビス(2−t−ブチル
−6−メチルフェノール)および2,2′−ビス(3,
5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン
等)、アスコロビン酸誘導体(例えば1−アスコロビル
パミテート、アスコロビルステアレート等)、ベンジル
およびジアセチルのような不飽和アルデヒドおよびケト
ン、3−ピラゾリドンおよびある種のインダン−1,3
−ジオン(例えば2−フェニルインダン−1,3−ジオ
ン等)。特にビスフェノール類を用い、後加熱処理を施
すと濃度と画像保存の点で有利である。
【0037】本発明を、銀源を含有する受像シートと還
元剤を含有する供与シートによる構成で実施する場合、
銀源を含有する受像シートにも供与シートよりは還元電
位が卑な還元剤を含有させることは特に好ましい。これ
により、受像シートの保存中の濃度上昇を抑えつつ、高
い濃度を実現できる。具体的には受像シートにビスフェ
ノール類を含有し供与シートに没食子酸類を含有させる
ことが好ましい。本発明の方法では還元剤として熱ヘッ
ドで加熱したときに発色しやすい還元剤を用いると、高
温での保存や経時での濃度上昇が生じやすい。そこでこ
れを改善するために比較的活性の弱い還元剤を選択し、
画像形成は感熱ヘッドでの書き込みのあとで後加熱条件
を選択して組み合わせることで、高い濃度と画像保存が
両立できた。
【0038】本発明では、上述した必須成分以外に、画
像形成層の均一性を確保するために結着剤としてバイン
ダー樹脂が添加され、このようなバインダー樹脂として
は、従来から画像形成材料の画像形成層に用いられてい
る公知の樹脂を適時選択して用いることができる。
【0039】前記記載のバインダー樹脂としては、ポリ
エステル系樹脂、ポリビニルアセタール系樹脂、ウレタ
ン系樹脂、アミド系樹脂、セルロース系樹脂、オレフィ
ン系樹脂、塩化ビニル系樹脂、アクリル系樹脂、スチレ
ン系樹脂、ポリカーボネート、ポリビニルアルコール、
ポリビニルピロリドン、ポリサルフォン、ポリカプロラ
クトン樹脂、ポリアクリロニトリル樹脂、尿素樹脂、エ
ポキシ樹脂、フェノキシ樹脂などを挙げることができ、
これらの樹脂は、1種単独でもよいし、2種以上併用し
ても良い。
【0040】なお、前記記載のバインダー樹脂は、画像
形成層形成塗工液を調整した際に均一に溶解されていて
も良いし、造膜可能であれば分散状態のエマルジョンと
して添加しても良く、このようなバインダー樹脂は画像
形成層形成組成物中、通常10〜90重量%、更には3
0〜70重量%にするのが好ましい。
【0041】さらに、本態様の画像形成層には、本発明
の目的を阻害しない範囲で他の添加剤を添加しても良
く、このような添加剤としては、剥離剤、分散剤、UV
吸収剤、光安定剤、フィラー(無機微粒子、有機樹脂粒
子)、顔料、帯電防止剤などを添加しても良く、さらに
増感剤として可塑剤、熱溶剤などをを添加しても良い。
【0042】画像形成層には、少なくとも後述の画像の
形成の際にサーマルヘッドとの搬送性を確保するために
剥離剤を含有させてもよく、このような剥離剤として
は、シリコーンオイル、シリコーン樹脂;ポリエチレン
ワックス、アミドワックス、テフロンパウダー等の固型
ワックス類;弗素系、燐酸エステル系の界面活性剤;ポ
リエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂等のポリオレフィ
ン系樹脂が挙げられる。
【0043】このシリコーンオイルおよび/またはシリ
コーン樹脂は、単に添加するタイプ(単純添加型)と、
硬化もしくは反応させるタイプ(硬化反応型)とがある
が、バインダーとの相溶性を向上させるために、変性シ
リコーンオイルおよび/または変性シリコーン樹脂を用
いるのが好ましい。その中でも、例えばポリエステル変
性シリコーン樹脂(あるいはシリコーン変性ポリエステ
ル)、ウレタン変性シリコーン樹脂(あるいはシリコー
ン変性ウレタン樹脂)、アクリル変性シリコーン樹脂
(あるいはシリコーン変性アクリル樹脂)等を使用する
のが好ましい。これらのシリコーンオイルおよび/また
はシリコーン樹脂の添加する場合は、その種類に応じて
様々に変化することがあるから一律に決定することがで
きないが、一般的にいうと、通常、画像形成層形成組成
物中0.01〜30重量%であり、好ましくは0.1〜
20重量%である。
【0044】なお、剥離剤は、画像形成層側の最外層に
剥離剤を含有する剥離層として形成てもよい。。
【0045】分散剤としては、ラウリル酸やステアリン
酸などの炭素数12〜18の脂肪酸やそれらのアミド、
アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩;ポリアルキレン
オキサイドアルキルリン酸塩、レシチン、トリアルキル
ポリオレフィンオキシ第四級アンモニウム塩;カルボキ
シル基およびスルホン基を有するアゾ系化合物などを挙
げることができる。
【0046】UV吸収剤および光安定剤としては、特開
昭59−158287号、同63−74686号、同6
3−145089号、同59−196292号、同62
−229594号、同63−122596号、同61−
283595号、特開平1−204788号、「112
90の化学商品」化学工業日報社、p.869〜875
等などに記載の化合物、およびその他の画像記録材料に
おける画像耐久性を改善するものとして公知の化合物を
挙げることができる。
【0047】フィラーとしては、カーボンブラック、グ
ラファイト、TiO2、BaSO4、ZnS、MgC
3、CaCO3、ZnO、CaO、WS2、MoS2、M
gO、SnO2、Cr23、Al23、α−Fe23
α−FeOOH、SiC、CeO2、BN、SiN、M
oC、BC、WC、チタンカーバイト、コランダム、人
造ダイアモンド、ザクロ石、ガーネット、ケイ石、トリ
ボリ、ケイソウ土、ドロマイトなどの無機フィラーやポ
リエチレン樹脂粒子、フッ素樹脂粒子、グアナミン樹脂
粒子、アクリル樹脂粒子、シリコン樹脂粒子、メラミン
樹脂粒子などの有機フィラーを挙げることができる。
【0048】顔料としては、チタンホワイト、炭酸カル
シウム、酸化亜鉛、硫酸バリウム、シリカ、タルク、ク
レー、カオリン、活性白土、酸性白土などを挙げること
ができる。
【0049】帯電防止剤としては、カチオン系界面活性
剤、アニオン系界面活性剤、非イオン性界面活性剤、高
分子帯電防止剤、導電性微粒子などのほか「11290
の化学商品」化学工業日報社、p.875〜p.876
などに記載の化合物なども好適に用いることができる。
可塑剤としてはフタル酸エステル類、トリメリット酸エ
ステル類、アジピン酸エステル類、その他飽和あるいは
不飽和カルボン酸エステル類、クエン酸エステル類、エ
ポキシ化大豆油、エポキシ化アマニ油、エポキシステア
リン酸エポキシ類、正リン酸エステル類、亜燐酸エステ
ル類、グリコールエステル類などのほかに「11290
の化学商品」化学工業日報社、p.843〜857など
に記載の化合物なども好適に用いることができる。
【0050】また、熱溶融性物質としては、アセトアミ
ド、ベンズアミド等のアミド類、クマリン、ケイ皮酸ベ
ンジル等のエステル類、ジフェニルエーテル、クラウン
エーテル等のエーテル類、カンファー、p−メチルアセ
トフェノン等のケトン類、ノルボルネン、スチルベン等
の炭化水素類、マルガリン酸等の高級脂肪酸、エイコサ
ノール等の高級アルコール、パルミチン酸セチル等の高
級脂肪酸エステル、ステアリン酸アミド等の高級脂肪酸
アミドなどに代表される単分子化合物、カルナバロウ、
蜜ロウ、パラフィンワックス、エステルワックス、モン
タンロウ、アミドワックスなどのワックス類、エステル
ガム、ロジンマレイン酸樹脂、ロジンフェノール樹脂等
のロジン誘導体、フェノール樹脂、ケトン樹脂、ジアリ
ルフタレート樹脂、テルペン樹脂、脂肪族系炭化水素樹
脂、シクロペンタジエン樹脂、ポリエチレングリコー
ル、ポリプロピレングリコールなどのポリオレフィンオ
キサイドなどに代表される高分子化合物などを挙げるこ
とができ、本発明においては、上記記載の熱溶融性物質
の融点あるいは軟化点が10〜150℃のものが好まし
い。
【0051】本態様での、添加剤全体の添加量は、通
常、バインダー樹脂に対して0.1〜30重量%の範囲
に選定するのが好ましい。
【0052】上述した必須成分以外に第一の態様同様、
画像形成層の均一性を確保するために結着剤としてバイ
ンダー樹脂が添加され、このようなバインダー樹脂とし
ては、第一の態様で記載したバインダー樹脂を適時選択
して用いることができ、このようなバインダー樹脂は、
画像形成層形成組成物中通常10〜90重量%、更には
30〜70重量%にするのが好ましい。
【0053】さらに、本態様の画像形成層にも、第一の
態様と同様に、本発明の目的を阻害しない範囲で他の添
加剤を添加しても良く、このような添加剤としては、剥
離剤、UV吸収剤、光安定剤、フィラー(無機微粒子、
有機樹脂粒子)、顔料、帯電防止剤などを添加しても良
く、さらに増感剤として可塑剤、熱溶剤などをを添加し
ても良く、具体的には第一の態様で記載した添加剤を適
時選択して用いることができる。
【0054】第二の態様では、添加剤全体の添加量は、
通常、バインダー樹脂に対して0.1〜30重量%の範
囲に選定するのが好ましい。
【0055】上述で述べた、第一の態様の画像形成層お
よび第二の態様の画像形成層の厚みは、通常、2〜50
μm、好ましくは3〜20μmの範囲に選定するのが好
ましく、さらにそれぞれの態様の画像形成層は、同一の
組成あるいは異なる組成の2層以上の多層構造として設
けてもよい。
【0056】本発明において、上述した支持体と画像形
成層以外に、最外層を設けることが画像耐久性を高める
ためには好ましく、このような最外層としては、上述の
画像形成層の添加剤で述べた剥離剤、他の画像形成層を
構成するために添加されるバインダー樹脂、あるいはア
クリル及び/又はエポキシ基を含有する化合物のように
熱あるいは光硬化性モノマーとしてもちいられている化
合物を硬化する、さらにはこれらの適時混合することに
より構成することができる。
【0057】このような最外層は、通常、0.01〜1
0μm、好ましくは0.1〜5μmの範囲に選定するの
が好適である。
【0058】さらに、本発明においては、画像形成層と
支持体との間に接着性、断熱性、クッション性等の性質
を付与する目的として中間層を設けても良く、このよう
な中間層を形成する樹脂としてはポリウレタン樹脂、ポ
リエステル樹脂、ポリブタジエン樹脂、ポリ(メタ)ア
クリル酸エステル樹脂、エポキシ樹脂、ポリアミド樹
脂、ロジン変性フェノール樹脂、テルペンフェノール樹
脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリオレフィン系
樹脂、セルロース系樹脂、ゼラチン、カゼインなどを挙
げることができる。
【0059】なお、中間層を設ける場合は、通常、0.
01〜10μm、好ましくは0.05〜5μmの範囲に
選定するのが好ましい。なお、中間層は、単層としてし
てもよく、あるいは必要に応じて、組成等が同一の、あ
るいは相違する2層以上の多層構造として設けて、機能
分離させても良い。
【0060】さらに、画像形成層と反対の面に帯電防
止、複数枚給仕防止、滑り性付与、他の画像形成層との
接着性防止、カール防止、筆記性等を目的としてバッキ
ング層を設けてもよい。
【0061】帯電防止の目的には、画像形成層添加剤の
項に記した帯電防止剤などを添加させるのが好ましい。
また、複数枚給仕防止、滑り性付与、他の画像形成層と
の接着性防止には、画像形成層添加剤の項に記した帯電
防止剤および/またはフィラーや顔料を添加させるのが
好ましい。
【0062】カール防止には、熱変形の少ない耐熱性樹
脂、あるいはバッキング層形成後に熱または電離放射線
などにより硬化させた樹脂を用いるのが好ましい。
【0063】耐熱性樹脂としては、メチルセルロース、
ニトロセルロースなどのセルロース系樹脂、ポリスチレ
ン、スチレン−アクリロニトリル共重合体などのスチレ
ン系樹脂、ポリメタクリル酸メチル、ポリアクリル酸な
どのアクリル系樹脂、ポリエチレンテレフタレートなど
のポリエステル系樹脂、ポリカーボネート、ポリアリレ
ート、ポリアセタール、ポリサルホン、ポリエーテルサ
ルフォン、ポリエーテルニトリル、ポリエーテルエーテ
ルケトン、変性ポリフェニレンオキサイド、ポリオキシ
ベンジレン、ポリイミド、ポリエーテルイミド、ポリア
ミドイミド、ポリフェニレンサルファイド、ポリパラバ
ン酸樹脂などを挙げることができる。
【0064】上記のバッキング層を設ける場合、それぞ
れの厚みは、通常、0.01〜10μmの範囲に選定す
るのが好ましく、バッキング層は、単層としてしてもよ
く、あるいは必要に応じて、組成等が同一の、あるいは
相違する2層以上の多層構造として設けて、機能分離さ
せても良い。
【0065】画像形成材料は、画像形成層や必要に応じ
て最外層などのその他の層を形成する各種の成分を溶媒
に分散ないし溶解してなる層形成用塗工液を調製し、こ
の塗工液を積層させる面に塗布し乾燥する塗工法や、剥
離可能なシート上に前記記載の層を形成した後、積層さ
せる面上に加熱および/または加圧することにより層の
みを転写させる転写法等により、形成することができ
る。
【0066】上記塗工法に用いる溶媒としては、、水、
アルコール類(エタノール、プロパノール等)、セロソ
ルブ類(メチルセロソルブ、エチルセロソルブ)、芳香
族類(トルエン、キシレン、クロルベンゼン等)、ケト
ン類(アセトン、メチルエチルケトン等)、エステル系
溶剤(酢酸エチル、酢酸ブチル等)、エーテル類(テト
ラヒドロフラン、ジオキサン等)、ハロゲン系溶剤(ク
ロロホルム、ジクロルベンゼン等)、アミド系溶剤(例
えばジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドン
等)、等を用いることができる。
【0067】又、第一の態様の銀源などを含む層形成塗
工液の混練分散には、二本ロールミル、三本ロールミ
ル、ボールミル、ペブルミル、コボルミル、トロンミ
ル、サンドミル、サンドグラインダー、Sqegvar
iアトライター、高速インペラー分散機、高速ストーン
ミル、高速度衝撃ミル、ディスパー、高速ミキサー、ホ
モジナイザー、超音波分散機、オープンニーダー、連続
ニーダー等を用いる事ができる。
【0068】支持体上への画像形成層の形成は、例え
ば、エクストルージョン方式の押し出し塗布法、グラビ
アロール塗布法、ワイヤーバー塗布法、ロール塗布法等
により塗布乾燥して行うことができ、画像形成層表面の
平滑性を上げるために、該表面をカレンダー処理しても
よい。
【0069】なお、画像形成層の他の層も設ける場合、
各層毎に塗布乾燥を繰り返してもよいが、ウェット−オ
ン−ウェット方式で重層塗布して乾燥させてもよい。そ
の場合、リバースロール、グラビアロール、エアドクタ
ーコータ、ブレードコータ、エアナイフコータ、スクイ
ズコータ、含浸コータ、バーコータ、トランスファロー
ルコータ、キスコータ、キャストコータ、スプレーコー
タ、押し出しコータなどの組み合わせにより塗布するこ
とができ、このウェット−オン−ウェット方式における
重層塗布においては、下側の層が湿潤状態になったまま
で上側の層を塗布するので、上下層間の接着性が向上し
て好ましい。
【0070】本発明の画像形成材料の形態としては、一
つの支持体の少なくとも一方の面の上に金属銀を生成す
るための化合物を全て存在させ、単独で感熱材料とする
ことは好ましい。金属銀を生成するための化合物を2つ
以上の画像形成要素に分けて存在させ、画像形成時に一
つの要素に集合させてもよい。例えば銀源を含有する要
素と還元剤を含有する要素に分け、画像形成時に銀源を
含有する層を含む面と還元剤を含有する層を含む面を接
触させて加熱し、還元剤を銀源含有要素に転写すること
は好ましい形態である。
【0071】本発明の画像形成材料に対して好適な画像
形成方法は、像様に加えられる熱源の種類により2つの
方法に大別することができ、以下それぞれについて詳述
する。
【0072】−画像形成方法1− 画像形成方法1では、像様に加えられる熱源としてサー
マルヘッドを用いる。これは、現在用いられている感熱
プリンタをそのまま適用できることを意味している。
【0073】熱源としては、サーマルヘッド以外に通電
ヘッド、赤外線フラッシュランプ、熱ペン、音響光学素
子を内蔵したドットジェネレーターなどを用いることも
可能であるが、解像度を持たせると同時に、熱エネルギ
ーをある程度の時間加えることが可能な熱源が好まし
く、サーマルヘッドあるいは通電ヘッドが、熱エネルギ
ーをある程度の時間加えるのみならず、印加する電圧あ
るいはパルス巾を変調することにより、与える熱エネル
ギーを連続的にあるいは多段階に変化させることができ
るので好ましく、さらには、装置の簡便性や形成し得る
画像の大きさからサーマルヘッドを用いることがより好
ましい。
【0074】本発明の画像形成方法において熱ヘッドで
の書込み後にさらに加熱処理を行うことは全体の書込み
速度をあげる上で好ましい。加熱処理の方法としては熱
ローラとの接触、遠赤外線照射、赤外線照射、マイクロ
波照射、温風による加熱が使用できる。特に複数の熱ロ
ーラを千鳥配置にした構成で加熱やその他の加熱手段で
直線搬送することが好ましい。加熱処理直後に直線搬送
しながら冷却することも好ましい。
【0075】また、サーマルヘッドでの熱エネルギーの
与え方としては画像形成材料の支持体側から行っても、
銀源が含有される層が存在する側から行っても、または
両側から行なってもよいが、熱エネルギーの有効利用を
優先させるならば、銀源が含有される層が存在する側か
ら行うのが好ましい。また、還元剤を転写要素から銀源
が存在する受像要素に転写する場合には転写要素の支持
体側から加熱することが好ましい。
【0076】さらに、第二の態様の画像形成層において
は脱水縮合などのが必要なことから、熱エネルギーをあ
る程度の時間加えることが可能な熱源が好ましく、サー
マルヘッドあるいは通電ヘッドが、熱エネルギーをある
程度の時間加えるのみならず、印加する電圧あるいはパ
ルス巾を変調することにより、与える熱エネルギーを連
続的にあるいは多段階に変化させることができるので好
ましく、さらには、装置の簡便性や形成し得る画像の大
きさからサーマルヘッドを用いることがより好ましい。
【0077】また、サーマルヘッドでの熱エネルギーの
与え方としては画像形成材料の支持体側から行っても、
ケイ素及び/又はフッ素原子を含有する化合物を含有す
る最外層側から行っても、あるいは両側から行なっても
よいが、熱エネルギーの有効利用を優先させるならば、
最外層側から行うのが好ましい。
【0078】−画像形成方法2− 画像形成方法1で用いられる像様に加えられる熱源とし
てサーマルヘッドでは高濃度画像を形成するには非常に
有利な方法であるが、熱源として高密度エネルギー光を
用いることにより高解像度の画像を形成することができ
る。
【0079】このような高解像度を得るための高密度エ
ネルギー光は、エネルギー印加面積が絞り込める電磁
波、特に波長が1nm〜1mmの紫外線、可視光線、赤
外線が好ましく、この様な高密度エネルギー光を印加し
得る光源としては、例えばレーザー、発光ダイオード、
キセノンフラッシュランプ、ハロゲンランプ、カーボン
アーク燈、メタルハライドランプ、タングステンラン
プ、石英水銀ランプ、高圧水銀ランプ等を挙げることが
できる。この際加えられるエネルギーは、画像形成材料
の種類により、露光距離、時間、強度を調整することに
より適時選択することができる。
【0080】上記高密度エネルギー光を一括露光する場
合には、所望露光画像のネガパターンを遮光性材料で形
成したマスク材料を重ね合わせ露光したり、発光ダイオ
ードアレイ等のアレイ型光源を使用する場合や、ハロゲ
ンランプ、メタルハライドランプ、タングステンランプ
等の光源を、液晶、PLZT等の光学的シャッター材料
で露光制御する場合には、画像信号に応じたデジタル露
光をすることが可能で、この場合にはマスク材料を使用
せず、直接書込みを行うことができる。
【0081】しかしながら、この方法では、光源の他に
新たに光学的シャッター材料が必要であることから、デ
ジタル露光する場合にはレーザーを光源として用いるの
が好ましい。光源としてレーザー光を用いた場合には、
光をビーム状に絞り、画像データに応じた走査露光で画
像形成を行うことが可能であり、更に、レーザーを光源
として用いると、露光面積を微小サイズに絞ることが容
易で高解像度の画像形成が可能となる。
【0082】本発明で用いられるレーザー光源として
は、一般によく知られている、ルビーレーザー、YAG
レーザー、ガラスレーザー等の固体レーザー;He−N
eレーザー、Arイオンレーザー、Krイオンレーザ
ー、CO2レーザー、COレーザー、He−Cdレーザ
ー、N2レーザー、エキシマーレーザー等の気体レーザ
ー;InGaPレーザー、AlGaAsレーザー、Ga
AsPレーザー、InGaAsレーザー、InAsPレ
ーザー、CdSnP2レーザー、GaSbレーザー等の
半導体レーザー;化学レーザー、色素レーザー等を挙げ
ることができ、これらの中でも効率的に光を熱に変換す
るためには、波長が600〜1200nmの波長域のレ
ーザー光を用いるのが、形成された画像濃度の面から好
ましい。更にこの中でも、上述の画像形成材料に含有さ
れる750〜1100nmの波長域に吸収を有する化合
物を効率的に利用する750〜1200nmのレーザー
光が、光エネルギーを熱エネルギーに効率的に変換でき
ることからより好ましく、又、その中でも同一波長のレ
ーザーであれば高照度のレーザーを用いるのが特に好ま
しい。
【0083】本発明で形成する画像の表面光沢を抑える
手段としては支持体に対し画像を形成する材料を含有す
る面とは反対のいずれかの面の層に表面に凹凸を形成し
所望の光沢度を得るための微粒子を含有させることがで
きる。微粒子としては平均粒径0.1〜10μmの大き
さが好ましい。微粒子の素材は例えばシリカのごとき無
機の材料でもよいし、ポリメタクリル酸がごときポリマ
ーでもよい。
【0084】本発明の画像の形成において、出力する画
像を支持体に対して画像を形成する面と反対の面から見
て正常な像(画像を形成する面側からは鏡像)を形成し
てもよい。
【0085】本発明で用いる支持体としては、紙、合成
紙(たとえばポリプロピレンを主成分とする合成紙、片
面あるいは両面に多孔質構造の顔料塗工層を設けた合成
紙など)、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステ
ル、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフ
タレート、ポリエチレンナフタレート、ポリカーボネー
ト、ポリアリレート、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、
ポリプロピレン、ポリスチレン、ナイロン、芳香族ポリ
アミド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリスルホン、
ポリエーテルスルホン、ポリイミド、ポリエーテルイミ
ドなどの各種樹脂フィルム、さらには前記樹脂を2層以
上積層してなる樹脂フィルム、木材パルプやセルロース
パルプ、サルファイトパルプなどで抄造された紙等に、
前記記載の樹脂を積層したフィルム(レジンコート紙)
などを挙げることができる。透明支持体に染料などで着
色してもよい。
【0086】本発明において、樹脂フィルムからなる支
持体は、フィルム状に延伸しヒートセットしたものが寸
法安定性の面から好ましく、OHPやマスク材料などの
透過原稿、ガラスなどに貼付けるシール用途のように透
明性を要求される場合は、透過率80%以上の支持体が
好ましい。また、反射画像を形成させる場合において
は、形成される画像の鮮明性を高めるために、白色顔料
たとえばチタンホワイト、炭酸マグネシウム、酸化亜
鉛、硫酸バリウム、シリカ、タルク、クレー、炭酸カル
シウム等が添加されているのが好ましい。なお、支持体
は用途に応じて白色顔料以外の各種顔料、染料、蛍光増
白剤等が添加されていてもよい。厚みは、25〜500
μm程度、好ましくは50〜250μmである。
【0087】
【実施例】
実施例1 画像形成材料の1−1の調製 〈画像形成材料1−1〉片面を帯電防止処理した175
μmの青色に着色された透明PETの片面をコロナ放電
処理し、この面へ、メチルエチルケトンにポリビニルア
セタール系樹脂〔積水化学工業(株)製、エスレックB
L−1〕とイソシアネート化合物〔日本ポリウレタン工
業(株)製、コロネートHX〕を90:10の比率で溶
解させた固形分4%のアンカー層形成塗工液をワイヤー
バーコーティングにより、塗布・乾燥した後、60℃・
48時間キュアーさせ、厚さ0.1μmのアンカー層を
形成した。
【0088】次いで、アンカー層上に下記の組成の画像
形成層形成塗工液をビーズミル分散して調製し、ワイヤ
ーバーコーティングにより塗布・乾燥し、厚さ8.0μ
mの画像形成層を形成することにより、画像形成材料を
作成した。
【0089】 −画像形成層形成塗工液− ベヘン酸銀 13.0部 ポリビニルアセタール系樹脂 6.0部 〔積水化学工業(株)製、エスレックBX−1〕 フタラジン 0.02部 シリコーン系樹脂 1.0部 〔信越化学工業(株)製、X−24−8300〕 メチルエチルケトン 60.0部 トルエン 19.98部 〈転写材料1−1〉片面を易接処理した6μmの透明P
ET〔ダイアホイルヘキスト(株)製、K203E・6
F〕の易接処理面とは反対の面へ、メチルエチルケトン
にシリコーン系樹脂〔大日精化工業(株)製、ダイアロ
マーSP−712〕とイソシアネート化合物〔日本ポリ
ウレタン工業(株)製、コロネートL〕を95:5の比
率で溶解させた固形分4%のアンカー層形成塗工液をワ
イヤーバーコーティングにより塗布・乾燥した後、60
℃・48時間キュアーさせ、厚さ0.2μmのバッキン
グ層を形成した。
【0090】次いで、易接層面に下記の組成の転写層形
成塗工液を調製し、ワイヤーバーコーティングにより塗
布・乾燥し、厚さ1.5μmの転写層を形成することに
より、転写材料を作成した。
【0091】 −転写層形成塗工液− メチルガレート 6.0部 ポリビニルアセタール系樹脂 3.98部 〔積水化学工業(株)製、エスレックKS−5Z〕 シリコーン系樹脂 0.02部 〔大日精化工業(株)製、ダイアロマーSP−2105〕 メチルエチルケトン 82.0部 シクロヘキサノン 8.0部 画像形成材料1−2〜1−16の調製は表1に記す化合
物を銀源含有層に添加した以外は画像形成材料1−1と
同様に調製した。
【0092】〈画像形成方法〉 1)画像形成は画像形成材料(受像シート)の銀源含有
面と転写材料の還元剤含有面を向かい合わせに貼り合わ
せ、昇華型熱転写プリンタ〔ソニー(株)製、デジタル
カラープリンタD−8800〕を用いて、イエロー信号
のみで256階調のテストパターン(256が最大)で
印字させ、後述する後加熱工程を経て画像を出力した。
後加熱は熱ローラ2で140℃で3秒接触させた後加熱
ローラ4で120℃で1秒接触させた。
【0093】評価は以下のように行った。濃度は〔X−
rite社製:X−rite 310TR〕で測定し
た。
【0094】耐光テストはキセノンウェーザーメーター
で48時間露光し、非画像部の保存前後の透過濃度差を
測定した。
【0095】銀色調は目視評価を行った。評価の基準は
黄褐色、茶褐色、黒超、純黒調の順で黄褐色、茶褐色は
好ましくない。
【0096】生保存性は得られた書き込み前の試料を5
0℃,80%RHの高温高湿下に3週間放置し、非画像
部の濃度の上昇量を測定し尺度とした。
【0097】後加熱工程:熱ヘッドで印加後、図1、2
にしめすような加熱ローラで加熱現像を施した。図1に
おいて1は画像形成材料、2、4は加熱ローラ(表面が
テフロンコーティングされた銅製)、3は搬送ローラで
ある。この加熱ローラは図2に示すように6のパイプで
7の循環ポンプつきのヒーターとつながっており、内部
に加熱されたシリコンオイルが循環され接触する画像形
成材料を加熱する。8は駆動ギアを示し、図示しないモ
ータにより加熱ローラを駆動する。
【0098】結果を表1に示す。
【0099】
【表1】
【0100】表1に示すように本発明の画像形成材料は
経時での非画像部の濃度上昇が小さく、かつ銀色調も改
良されている。また、最高濃度も高くなっている。
【0101】実施例2 画像形成材料2−1を以下のように作成した。片面を帯
電防止処理した125μmの透明PET〔ダイアホイル
ヘキスト(株)製、T100G〕の片面をコロナ放電処
理し、この面へ、上述の1)と同様のアンカー層形成塗
工液をワイヤーバーコーティングにより、塗布・乾燥
し、厚さ0.1μmのアンカー層を形成した。
【0102】次いで、アンカー層上に下記の組成の画像
形成層1形成塗工液、画像形成層2形成塗工液および最
外層形成塗工液をビーズミル分散で調製し、次いでワイ
ヤーバーコーティングにより順次塗布・乾燥し、それぞ
れ、厚さ10.0μm、1.5μm、0.2μmの画像
形成層1、画像形成層2および最外層を形成することに
より、画像形成材料を作成した。
【0103】 −画像形成層1形成塗工液− ベヘン酸銀 15.0部 ポリビニルアセタール系樹脂 4.98部 〔積水化学工業(株)製、エスレックKS−5Z〕 メチルエチルケトン 60.0部 トルエン 20.0部 −画像形成層2形成塗工液− プロピルガレート 6.0部 ポリビニルアセタール系樹脂 4.0部 〔積水化学工業(株)製、エスレックKS−1〕 メチルエチルケトン 90.0部 −最外層形成塗工液− シリコーン系樹脂 4.0部 〔東亜合成化学工業(株)製、サイマックUS−270〕 メチルエチルケトン 96.0部 画像形成材料2−2〜2−14は表2に記す化合物を銀
源含有層に添加した以外は画像形成材料2−1と同様の
方法で作成した。実施例1と同様に画像形成し評価を行
った。なお、印字に際しては銀源塗布面から加熱を行
い、後加熱は最初の熱ローラに銀源塗布面が接する方向
で搬送した。
【0104】
【表2】
【0105】表2に示されるように本発明の画像形成材
料は経時での非画像部の濃度上昇が小さく、かつ銀色調
も改良されている。また、最高濃度も高くなっている。
【0106】実施例3 画像形成材料3−1を下記のように作成した。
【0107】下記組成の形成塗工液1を、加圧下で加温
して溶解させた後撹拌しながら冷却して、有機還元剤を
内包剤として含有する平均粒子径0.3μmのマイクロ
カプセルを調整した。
【0108】 −形成塗工液1− プロピルガレート 5.0部 ポリエチレンワックス 15.0部 〔三井石油化学工業(株)製、三井ハイワックス4202E〕 ブチルステアレート 0.04部 蒸留水 79.96部 別途、下記組成の形成塗工液2液をビーズミル分散で調
製した。
【0109】 −形成塗工液2− ベヘン酸銀 12.0部 ポリビニルアルコール 7.96部 〔日本合成化学(株)製、ゴーセノールGL−05〕 ベヘン酸 0.04部 蒸留水 80.0部 上記のようにして調整した形成塗工液1と形成塗工液2
液を重量比で1:8の割合で混合して超音波分散機で分
散して画像形成層形成塗工液を調整した後に、1)と同
様の、支持体上にアンカー層を設けたアンカー層上に、
ワイヤーバーコーティングにより、塗布・乾燥し厚さ1
0μmの画像形成層を形成した。
【0110】さらに、画像形成層上に、最外層としてメ
チルエチルケトンに溶解した固形分4%のシリコーン系
樹脂〔東亜合成化学工業(株)製、サイマックUS−2
70〕をワイヤーバーコーティングにより、塗布・乾燥
して厚さ0.3μmの最外層を形成することにより画像
形成材料を作成した。
【0111】画像形成材料3−2〜3−10は表3に示
す化合物を銀源含有層に添加した以外は画像形成材料3
−1と同様の方法で作成した。実施例1と同様に画像形
成し評価を行った。更に、耐光テストも加えて行った。
【0112】
【表3】
【0113】表3に示すようにマイクロカプセルを使用
すると生保存性が向上しているが、本発明の化合物を添
加するとさらに向上し、かつ銀色調も改良される。ま
た、本発明の化合物は画像の耐光性も向上するが、添加
量が多いと逆に濃度が低下する現象が生じるので量を適
正に使用することで優れた保存性を得ることができる。
【0114】
【発明の効果】銀源と還元剤を用いて熱により還元する
ことにより銀画像を形成する画像形成材料において、本
発明の含窒素ヘテロ環化合物を含有させることにより、
画像形成前の材料の保存での濃度上昇を抑え、高濃度の
画像を形成し、画像保存性が高く、銀色調を改良するこ
とができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の後加熱で加熱現像を行う画像形成方法
を示す断面図。
【図2】熱ローラを加熱する方法を示す図。
【符号の説明】
1 画像形成材料 2 加熱ローラ 3 搬送ローラ 4 加熱ローラ 6 パイプ 7 循環ポンプつきのヒーター 8 駆動ギア

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 情報に従って加熱されることにより画像
    を形成する画像形成材料において、該画像形成材料が
    (a)有機還元剤と(b)銀源と(c)一般式(1)〜
    (5)で表わされる化合物群から選ばれる少なくとも一
    つの化合物を含有することを特徴とする画像形成材料。 【化1】 〔式中、R1〜R13は同一であっても異なってもよく、
    水素原子、アルキル基、アルコキシ基、置換、非置換の
    アリール基、シアノ基、ヒドロキシ基、ハロゲン原子、
    アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、カルボ
    ン酸基、スルホン酸基、アミノ基、カルバモイル基、ニ
    トロから選ばれる基である。R1及びR2は結合して5〜
    7員環を構成してもよい。R1とR2が環を構成するとき
    3とR4は同時に水素原子であることはない。R6
    7、R7とR8、R8とR9、R10とR11及びR12とR13
    は互いに結合して5〜7員環を構成してもよい。〕
  2. 【請求項2】 情報に従って加熱されることにより画像
    を形成する画像形成材料において、該材料が(a)有機
    還元剤と(b)銀源、(d)チオール及びまたはチオン
    基を有する複素環化合物を含有することを特徴とする画
    像形成材料。
  3. 【請求項3】 情報に従って加熱されることにより画像
    を形成する画像形成材料において、該材料が(a)有機
    還元剤と(b)銀源と(e)パーハロゲン化合物及びま
    たは芳香族環に置換した炭素にハロゲン基を有する化合
    物を含有することを特徴とする画像形成材料。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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EP1380888A1 (en) * 2002-07-11 2004-01-14 Eastman Kodak Company Black-and-white photothermographic materials containing mercaptotriazole toners
EP1380889A1 (en) * 2002-07-11 2004-01-14 Eastman Kodak Company Black-and-white photothermographic materials containing mercaptotriazole toners

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