JPH09174735A - 共押出建築外装化粧材及びその製造方法 - Google Patents

共押出建築外装化粧材及びその製造方法

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JPH09174735A
JPH09174735A JP7336393A JP33639395A JPH09174735A JP H09174735 A JPH09174735 A JP H09174735A JP 7336393 A JP7336393 A JP 7336393A JP 33639395 A JP33639395 A JP 33639395A JP H09174735 A JPH09174735 A JP H09174735A
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JP
Japan
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vinyl chloride
decorative material
building exterior
weight
exterior decorative
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Application number
JP7336393A
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English (en)
Inventor
Yuji Hiratsuka
雄治 平塚
Masaki Monno
正樹 門野
Masahiro Wazumi
真宏 和住
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 長期間の変退色を小さくした艶消し性の表面
を有する低発泡塩化ビニル押出形材、即ち高耐候性の建
築外装化粧材の提供と、生産性の高い製造方法を提供す
る。 【解決手段】 艶消し剤を含有するアクリル系樹脂2
と、低発泡性の塩化ビニル系樹脂組成物1とを共押出し
て、表面に0.1〜1mmの厚みでアクリル系樹脂が積
層され且つ比重が0.3〜0.8g/ccである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、共押出建築外装化
粧材及びその製造方法に関する。更に詳しくは、長期間
における変退色の小さい艶消し性のアクリル樹脂表面を
有した、即ち耐候性の優れた建築の外装化粧用途に用い
る低発泡塩化ビニル押出形材である共押出建築外装化粧
材及びその生産性の高い製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、アクリル系樹脂を積層した低発泡
塩化ビニル押出形材及びその製造方法については、例え
ば倉敷紡績『超木』パンフレット(1994年4月発
行)、特開平4−25428号公報、フクビ『コンパル
ソリー』パンフレット(1993年8月発行)などに記
載されているものが知られている。
【0003】前記パンフレット及び前記特許公開公報に
記載されている建築外装化粧材は、アクリル系樹脂を表
面に積層すること、更には、メルトインデックス(23
0℃、3.8kg)が1.0〜10.0のアクリル系樹
脂を用いることで経時的な変色や劣化を防止し優れた耐
候性を付与出来るとの考え方を示している。
【0004】しかしながら、表面を積層しているアクリ
ル系樹脂中の添加物によっては、高耐候性が維持できな
いケースがあり、これらは、艶消し剤として低架橋ゴム
を用いており、建築外装化粧材として必要な耐候性が維
持されていない。
【0005】一方、前記特許公報などに記載されている
押出形材の引き取り速度(以下、「押出線速」と称す
る)は、0.5〜1.5m/分と生産性が低く、経済性
の観点から工業的規模での生産には課題をかかえてい
る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、前記のごと
き実情に鑑みてなされたものであり、長期間の変退色を
小さくした艶消し性の表面を有する低発泡塩化ビニル押
出形材、即ち高耐候性の建築外装化粧材の提供と、生産
性の高い製造を可能にした。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、インワー
ドフォーミングプロセス(HULS社カタログ、198
7年発行)での共押出実験にて、1.5m/分を超える
押出線速にて、表面のアクリル層が冷却金型内で、押出
方向に対して直角方向に裂ける現象により、成形出来な
いという課題を抱えていた。本発明者らは、この現象を
解明すべく鋭意実験を重ねた結果、ダイから賦形・吐出
された溶融物が、インワードフォーミングプロセスの特
徴である、冷却金型(以下「キャリブレーター」と称す
る)でダイから溶融物が出た直後に、急冷することによ
り表面にスキン層を設けるという技術において、アクリ
ル層(非発泡層)の冷却金型内での収縮が大きく、1.
5m/分を越える押出速度における引き取り張力にアク
リル層が耐えられないため裂け現象が発生する、という
仮説にたどりついた。
【0008】この仮説に基づき、アクリル系樹脂の溶融
特性を改良し、図3に示すような測定方法を用いてその
溶融特性を測定した結果、半径0.1cm、長さ0.8
cmのオリフィス100から温度195℃、かつ剪断速
度10s-1で押出したアクリル系樹脂の溶融物200を
1.0m/s2 の加速度で引き取るという評価方法に
て、溶融物200が破断する際の引き取り速度及びその
ときの引き取り張力が、それぞれ20m/分以上、且つ
30g以下を示すアクリル系樹脂が、インワードフォー
ミングプロセス(セルカ法と同義)にて、1.5m/分
を越える押出線速でアクリル層に裂け現象を発生させず
に成形出来ることを発見し、本発明に至った。
【0009】ここで、セルカ法とは、発泡剤を含んだ樹
脂材料が押出機で可塑化混練されて押出ダイに送られる
と、そのダイに設けられたマンドレルによって空洞部を
作った樹脂材料の外周部はキャリブレーターに押しつけ
られ、その外周部は直ちに冷却されるので殆ど発泡せ
ず、高密度の表皮層を形成するが、中心部はマンドレル
によって作られた空洞部分が発泡した材料によって次第
に満たされて、内部ほど発泡倍率の高い成形品を得るこ
とができる成形法のことである。
【0010】なお、建築外装化粧材として、必須である
表面の艶消し性を維持するために、アクリル系樹脂に艶
消し剤を添加する系で、本発明に至っていることは、前
述の通りである。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明の建築外装化粧材としての
低発泡塩化ビニル系樹脂押出形材の表面は、艶消し性の
アクリル系樹脂を積層しており、その積層厚みは0.1
〜1mmである。好ましくは、0.1〜0.6mmであ
る。かかる積層厚みが0.1mmを下回る場合は、透過
光が塩化ビニル系樹脂に達しやすく、塩化ビニル系樹脂
が劣化を起こす可能性が高くなり、1mmを上回る場合
は、切削加工及び/又は釘打ち加工において、アクリル
系樹脂表面にひびが入る等の悪影響を及ぼす。
【0012】前記表面の艶消し性は、建築外装化粧材と
しての風合いを保つために、表面光沢度3〜40%(J
IS Z 8741、入射角60°、反射角60°)が
望ましい。
【0013】前記優れた耐候性は、屋外の長期使用にお
いて、押出形材表面の変色が小さいことをいい、本発明
においては、アイスーパー(岩崎電気製)にて200時
間の促進劣化試験を実施した後に、色差(JIS Z
8722に基づく測定)として2以下であることを指
す。
【0014】前記押出形材は、取り付け時の作業性を考
慮して、比重が0.3〜0.8、更に好ましくは0.4
5〜0.65である。かかる比重が0.3を下回る場合
は、施工時に必要とされる剛性が足りなくなるため釘打
ち等による取り付け時に破損する傾向があり、0.8を
上回る場合には、形材としての重さが他材料(塩化ビニ
ル鋼板材、アルミ材)と同等以上になるため、発泡プラ
スチックスの特徴とするところの軽量性が損なわれる傾
向となる。
【0015】本発明に用いられるアクリル系樹脂の代表
例としては、ポリメチルメタクリレートが挙げられる
が、メチルアクリレート−ブチルアクリレート共重合
体、メチルメタクリレート−スチレン共重合体などのメ
タクリル酸エステルの重合体及び共重合体又はアクリレ
ート−メタクリレート系のグラフト共重合体等が挙げら
れる。また、本発明に用いられるアクリル系樹脂の溶融
特性としては、半径0.1cm、長さ0.8cmのオリ
フィスから温度195℃、且つ剪断速度10s-1で押出
したアクリル系樹脂の溶融物を0m/分の状態から65
m/分2 (約1.08m/s2 )の加速度で引き取った
際に、溶融物の破断時が引き取り速度20m/分以上で
発生し、且つその時の引き取り張力が30g以下である
ことが必要である。本溶融特性の測定方法としては、例
えば、測定機器としてのキャピログラフ(東洋精機製)
を用いて、前述形状のオリフィスを装着し、アクリル系
樹脂を195℃で押出しながら、溶融物をロードセルの
付いたリールにて等加速度で引き取ることにより測定す
る。なお、前述の溶融特性に適合するアクリル系樹脂の
メルトインデックス(230℃、3.8kg)は、10
を上回る。
【0016】艶消し剤としては、アクリル系樹脂との相
溶性の点で架橋されたポリメチルメタクリレートを用い
るのが好ましい。更に、架橋度の低いものよりも、高度
に架橋されたポリメチルメタクリレートが好ましい。架
橋されたポリメチルメタクリレートとしては、単独重合
体及び/又はその共重合体でもよい。ここでの高度の架
橋とは、低発泡性塩化ビニル系樹脂組成物とを押出ダイ
内で合流せしめアクリル系樹脂を積層したまま、発泡さ
せる低発泡共押出法において、ポリメチルメタクリレー
トが初期(添加前)の形状をほぼ保ち、変形しないまで
に架橋されていることをいう。
【0017】前記架橋ポリメチルメタクリレートとして
は、平均粒子径が2〜20μm、好ましくは5〜10μ
mである。かかる平均粒子径が2μmを下回る場合及び
20μmを上回る場合は、得られる押出形材のアクリル
系樹脂表面の艶消し性が無くなる傾向となり、外装化粧
材としての風合いを失う傾向となる。
【0018】前記架橋ポリメチルメタクリレートの使用
量は、艶消し度合いにより適宜調整されるが、アクリル
系樹脂への添加量として2%以上、好ましくは4%以上
である。かかる添加量が2%を下回る場合は、得られる
押出形材のアクリル系樹脂表面の艶消し性が無くなり外
装化粧材としての風合を失う傾向となる。また、添加量
が多いほど、艶消し性は向上するが、経済性を考慮する
と、外装化粧材としての風合いを発現させるには、3〜
6%が好ましい。
【0019】本発明ではアクリル系樹脂の艶消し剤とし
て、シリカ粉、マイカ粉、炭酸カルシウム等の無機系の
艶消し剤が使用できる。炭酸カルシウムとしては、軽質
系炭酸カルシウム、重質系炭酸カルシウム等が使用でき
る。これらの無機系艶消し剤は、脂肪酸などで表面処理
したものでもよい。
【0020】前記の無機系の艶消し剤としては、その平
均粒子径は、0.03〜3μmであることが好ましい。
かかる平均粒子径が0.03μmを下回る場合及び3μ
mを上回る場合は、得られる押出形材のアクリル系樹脂
表面の艶消し性が無くなり外装化粧材としての風合いが
なくなる傾向となる。
【0021】前記無機系艶消し剤の使用量は、艶消し度
合いにより適宜調整されるが、アクリル系樹脂への添加
量として2%以上、好ましくは5%以上である。かかる
添加量が2%を下回る場合、得られる押出形材のアクリ
ル系樹脂表面の艶消し性が無くなり外装化粧材としての
風合いがなくなる傾向となる。
【0022】本明細書にいう低発泡性の塩化ビニル系樹
脂組成物とは、塩化ビニル系樹脂に、耐熱性改良樹脂、
衝撃性改良樹脂、加工性改良樹脂、無機物、熱安定剤、
滑剤、発泡剤、及び/又は顔料等の通常プラスチックス
の添加剤として用いられるものを必要に応じて適宜調整
して混合、添加したものであり、種々のものを使用する
ことが出来る。
【0023】本明細書にいう塩化ビニル系樹脂とは、塩
化ビニル単独重合体、及び/又は本発明を阻害しない範
囲内で塩化ビニル樹脂を50重量%以上含有する共重合
体をはじめ、塩化ビニルと相溶性を呈するブレンド用樹
脂、たとえば塩素化塩化ビニル樹脂、塩素化ポリエチレ
ン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、MBS系樹脂など
少なくとも一種との混合物でもよい。
【0024】本発明に用いられる塩化ビニル樹脂の代表
例としては、塩化ビニル単独重合体が挙げられる。かか
る塩化ビニル樹脂の種類や製造法については、本発明に
おいて特に限定はないが、なかでも安価であるという点
から、懸濁塩化ビニル樹脂が好ましい。前記塩化ビニル
系樹脂の平均重合度は、500未満では押出発泡時にセ
ル膜が破れやすく、発泡ガスの逸散による発泡倍率の低
下、形状不良を起こしやすく、また、3000をこえる
場合には、押出発泡に適した粘度と成形に適した樹脂温
度とが合わないため、工業的に製造することが難しくな
る傾向がある。
【0025】本明細書にいう耐熱性樹脂とは、アクリロ
ニトリル−αメチルスチレン系共重合体(αMeS
T)、この他にαMeSTの代わりに、フェニルマレイ
ミド(PMI)及びPMI/αMeST併用系が最近よ
く使われいる。他の耐熱樹脂としては、ABS樹脂が挙
げられる。なお、これらの樹脂には、耐熱性を阻害しな
い範囲で、ゴム成分を適宜調整して添加することが出来
る。
【0026】本発明に用いられる耐熱性樹脂の代表例と
して、アクリロニトリル−αメチルスチレン系共重合体
が挙げられる。かかる樹脂の共重合成分成比及び/又は
添加量についても、必要とする耐熱性により適宜調整出
来る。なお、日本の建築物に好まれる濃色系、例えば、
ブラウン系、ブラック系は、日光照射により表面温度が
上昇し熱変形を起こす可能性が大きいことから、耐熱樹
脂として塩化ビニル系樹脂100重量部に対して、1〜
50重量部の添加が好ましい。
【0027】前記熱変形とは、熱変形温度(ASTM
D−648)にて、ブラウン系及びブラック系の場合7
0℃以上、ホワイト系の場合60℃以上を指す。
【0028】本発明において、塩化ビニル系樹脂に添加
する無機物とは、炭酸カルシウム、タルク、水酸化アル
ミニウム、水酸化マグネシウム、カオリン、クレー、マ
イカ等の一般的なプラスチック用充填剤をいう。
【0029】本発明に用いられる塩化ビニル系樹脂に添
加する無機物の代表例として、タルクが挙げられる。建
築外装化粧材としては、気温、及び/又は日光照射によ
る表面温度上昇により、伸縮するが、この伸縮により、
建築外装化粧材の連結部に間隙が出来たり、盛り上がっ
たりする可能性が大きい。かかる不具合を防止するため
に、無機物の添加量は、塩化ビニル系樹脂100重量部
に対して、15重量部以上が好ましい。しかし、この添
加量が30重量部以上になると発泡セルが形成されない
ので好ましくない。従って、塩化ビニル系樹脂100重
量部に対する無機物の添加量は15〜30重量部が適当
である。
【0030】前記伸縮とは、TMA法(測定範囲:−3
0℃から70℃)にて、押出方向の線膨張係数が、5×
10-5mm/℃以下を指す。
【0031】本明細書にいう発泡剤とは、分解型発泡剤
を指し、例えば、アゾジカルボンアミド、ジニトロペン
タメチレンテトラミン、P,P′−オキシビスベンゼン
スルホニルヒドラジド、アゾビスイソブチロニトリル、
ジアゾアミノベンゼン、アゾビス(2−メチルブチロニ
トリル)、重曹などの熱分解により、窒素及び/又は炭
酸を主成分としたガスを発生するものが好ましい。
【0032】前記分解型発泡剤の使用量は、所望の発泡
倍率、該分解型発泡剤の種類、及び/又は二種類以上の
組み合わせなどによって異なるが、通常塩化ビニル系樹
脂100重量部に対して、0.3〜5重量部、より好ま
しくは0.5〜3重量部である。かかる発泡剤が0.3
重量部を下回る場合、該押出形材の比重が0.65を越
え、5重量部を上回る場合は、比重が0.45を切る傾
向にある。
【0033】本明細書にいう熱安定剤とは、塩化ビニル
系樹脂の押出加工時の熱劣化を阻止する能力を有するも
のが好ましい。該熱安定剤の具体例としては、ジメチル
スズメルカプタイド、ジブチルスズメルカプタイド、ジ
ブチルスズステアレート、ジブチルスズラウレート、二
塩基性亜燐酸鉛、二塩基性ステアリン酸鉛、三塩基性硫
酸鉛、カルシウムステアレート、ジンクステアレートな
どが挙げられ、これらの安定剤は単独又は2種類以上の
混合で用いられる。該熱安定剤の使用量は、塩化ビニル
系樹脂100重量部に対して、通常0.5〜10重量
部、なかんづく1〜5重量部であることが好ましい。該
熱安定剤の使用が0.5重量部を下回る場合は、熱安定
剤を添加した効果に欠けることがあり、また、10重量
部を越える場合は、熱安定化効果の観点てからそれ以上
用いても効果の向上が小さく、逆にコスト的に不利とな
る。
【0034】なお、本発明においては、前記以外の添加
剤として、更に例えば、各種抗酸化剤、紫外線吸収剤を
はじめ、酸化チタン、群青、カーボンブラックなどの顔
料、三級アミン、アルキルスルホン酸塩などの帯電防止
剤などの通常プラスチックスの添加剤として用いられる
ものを適宜調整して用いることができる。
【0035】
【実施例】以下に本発明を実施例に基づいて詳細に説明
するが、本発明はかかる実施例のみに限定されるもので
はない。
【0036】アクリル系樹脂は、艶消し剤を任意の種類
・添加量で練り込んだペレット(直径約3mmφ×長さ
約4mm)を用いた。なお、全てのアクリル系樹脂に着
色剤として、カーボンブラック系顔料を1%添加してい
る。例に用いたアクリル系樹脂の種類を表1に記す。
【0037】
【表1】
【0038】一方、低発泡性塩化ビニル系樹脂組成物と
しては、塩化ビニル樹脂(重合度700)100重量
部、アクリロニトリル−αメチルスチレン共重合体(鐘
淵化学工業株式会社製「テルアロイA−50B」)25
重量部、MBS樹脂(鐘淵化学工業株式会社製「カネエ
ースB−58」)3重量部、アクリル系樹脂(鐘淵化学
工業株式会社製「カネエースPA」)10重量部、タル
ク(平均粒子径2.5〜3μm)20重量部、発泡剤と
してアゾジカルボンアミド1重量部及び重炭酸ナトリウ
ム1重量部、熱安定剤としてジメチルスズメルカプタイ
ド1.5重量部、及び滑剤としてステアリン酸カルシウ
ム1.5重量部をスーパーミキサーにて、攪拌均一混合
したものを用いた。
【0039】押出成形には、発泡性塩化ビニル系樹脂組
成物はコニカルツイン押出機、及びアクリル系樹脂はシ
ングル押出機を用いた。
【0040】共押出発泡成形は、図1に示すように、低
発泡性塩化ビニル系樹脂組成物1とアクリル系樹脂2が
それぞれの押出機から溶融供給されたものを、押出ダイ
3内で合流させ、押出ダイ3から押し出すと同時に表面
にアクリル系樹脂の積層された発泡を行った。ここで、
アクリル系樹脂の押出スリット4は0.2mmであり、
押出ダイ3にはマンドレル5が設けられている。そし
て、発泡物は、押出ダイ3から押し出されると同時に、
冷却用の金型(キャリブレーター6)にて冷却固化され
る。この際、前記マンドレル5によって発生する空洞部
分7は、低発泡性塩化ビニル系樹脂組成物1が発泡する
ことによって次第に満たされる。そして、表層部は高密
度で、内部ほど発泡倍率の高い外装化粧材10が得られ
る(図2参照)。この成形方法は、いわゆる、インワー
ドフォーミングプロセスと呼ばれている。
【0041】実施例には、幅180mm×厚さ7mmの
断面を有する平板形状にて、表面(片面)にアクリル系
樹脂を0.2mmを積層させた。図2において、符号1
1は塩化ビニル系樹脂発泡層、12はアクリル系樹脂層
をそれぞれ示している。
【0042】成形実験は、押出線速0.8、1.0、
1.5、1.6、1.8、2.0、2.3、及び2.5
m/分にて実施し、成形の可否判断を行った。
【0043】実施例に用いたアクリル系樹脂の溶融物の
破断時の引き取り速度、及び引き取り張力の測定並びに
得られた形材の比重、艶消し性及び耐候性を下記の方法
にしたがって測定した。
【0044】(イ)破断時の引き取り速度及び引き取り
張力 測定機器は、図3に示すようなキャピログラフ(東洋精
機製)を用いた。アクリル系樹脂を溶融押出するための
シリンダー500をアクリル系樹脂の温度が195℃と
なるように調整し、シリンダー500にアクリル系樹脂
を約25g投入し、約5分間予熱溶融させた後、予めシ
リンダーの先にセットしておいた半径0.1cm、長さ
0.8cmのオリフィス100から剪断速度10s-1
制御しながらシリンダー内の溶融したアクリル系樹脂を
ピストン600で押し出す。押し出された溶融物200
をロードセル300のついた滑車400を介して引き取
る。引き取りは、0〜200m/分の間を65m/分2
の加速度で引き取り速度を増加させながら引き取り、溶
融物が破断したときの、引き取り速度及び滑車のロード
セルで検知される荷重、即ち引き取り張力を測定する。
【0045】(ロ)比重 得られた形材を長さ200mmにカットし、水中に浮か
べ、形材全体の水中に沈んだ部分の体積比を比重とし
た。
【0046】(ハ)艶消し性 艶消し性の測定は、表面光沢度で評価した。表面光沢計
VGS−300A(日本電色工業製)にて、入射角60
°、反射角60°の条件で測定した。
【0047】(ニ)耐候性 耐候性は、アイスーパー(岩崎電気製)にて促進劣化試
験を実施した後に、測色計Z−300A(日本電色工業
製)にて、初期色調(促進劣化前の色調)と200時間
の促進劣化後の色調を測定し、その色差値にて測定し
た。
【0048】(ホ)釘打ち性 釘打ち性は、得られた押出形材に木材を裏あてにして、
スクリュー釘(直径2.5mmφ、長さ50mm)をア
クリル積層面から打ち付け、表面に有害な、ヒビ・割れ
が生ずるかを観察する。
【0049】(ヘ)線膨張係数 線膨張係数は、TMA法に基づいて、−30℃から70
℃まで、1℃/分で測定温度を上昇させ、そのときの押
出形材の押出方向の寸法変化率から求める。
【0050】(ト)熱変形温度 熱変形温度は、ASTM D−648に基づいて、常温
から80℃まで、2℃/分で測定温度を上昇させ、4k
g荷重で0.2mmの変位のあった測定温度を熱変形温
度とした。
【0051】(実施例1〜7)表2に実施例1〜7の結
果示す。アクリル系樹脂の特性と成形可能押出線速、及
び発泡体特性を示す。各実施例とも、1.5m/分以上
の成形線速にて、良好な発泡体特性が得られている。
尚、表中の艶消し剤として、架橋ポリメチルメタクリレ
ートの平均粒子径が2μm、5μm、7μm及び20μ
mのものは、それぞれ積水化学工業製の商品名MR−2
G、MBX−5、MBX−8及びMR−20Gを用い
た。
【0052】(比較例1〜4)実施例に示した方法と同
条件にて、アクリル系樹脂へ添加した艶消し剤種を変え
て実施し、その結果を表2に示す。アクリル系樹脂の特
性としての破断時の引き取り速度及び引き取り張力が、
それぞれ20m/分以上、30g以下がキープ出来てい
ないために、成形可能押出線速が1.5m/分を下回る
結果となっている。
【0053】
【表2】
【0054】(実施例8、9)実施例5と同条件にて、
アクリル積層厚みをアクリル系樹脂の押出吐出量を調整
して、アクリル積層厚み平均0.1mm、1.0mmに
調整したものについて、釘打ち性と耐候性を評価し、両
者ともに建築外装化粧材としての機能を満足した。この
結果を表3に示す。
【0055】(比較例5、6)実施例8、9と同条件に
て、アクリル積層厚みをアクリル系樹脂の押出吐出量を
調整して、アクリル積層厚みを平均0.08mm、1.
20mmに調整したものについて、釘打ち性と耐候性を
評価し、前者は釘打ち性、耐候性とも、後者については
釘打ち性が、建築外装化粧材としての機能を満足しない
ことを確認した。この結果を表3に示す。
【0056】
【表3】
【0057】(実施例10〜13)実施例5と同条件に
て、低発泡性塩化ビニル組成物の無機物を表4に示した
ものに置き換えて、押出形材を製作した。タルク、炭酸
カルシウムともに塩化ビニル樹脂100重量部に対し
て、15重量部以上を添加したものは、建築外装化粧材
としての機能を満足した。
【0058】(比較例7)実施例10と同条件にて、低
発泡性塩化ビニル組成物の無機物を炭酸カルシウム13
重量部に置き換えて、押出形材を製作した。表4に示し
たように、線膨張係数が5.3×10-5mm/℃と、建
築外装化粧材としての機能を満足しないことを確認し
た。
【0059】
【表4】
【0060】
【発明の効果】以上にしてなる本発明の共押出建築外装
化粧材及びその製造方法によれば、長期間における変退
色の小さい艶消し性のアクリル系樹脂表面を有した、耐
候性に優れた建築外装化粧材を提供できるとともに、そ
の生産性の非常に高い工業上有効な製造方法を提供でき
るのである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の製造装置の一部を示す簡略断面図であ
る。
【図2】本発明の外装化粧材の簡略断面図である。
【図3】アクリル系樹脂の溶融特性を測定するための方
法を示す説明図である。
【符号の説明】
1 低発泡性塩化ビニル系樹脂組成物 2 アクリル系樹脂 3 押出ダイ 4 押出スリット 5 マンドレル 6 キャリブレーター 7 空洞部分 10 外装化粧材 11 塩化ビニル系樹脂発泡層 12 アクリル系樹脂層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B32B 27/18 B32B 27/18 Z 27/28 27/28 27/30 27/30 A 101 101 E04F 13/18 8913−2E E04F 13/18 A // B29K 105:04 105:16 B29L 9:00 31:10

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 艶消し剤を含有するアクリル系樹脂と、
    低発泡性の塩化ビニル系樹脂組成物とを共押出して、表
    面に0.1〜1mmの厚みでアクリル系樹脂が積層され
    且つ比重が0.3〜0.8g/ccであることを特徴と
    する共押出建築外装化粧材。
  2. 【請求項2】 前記艶消し剤として、平均粒子径が2〜
    20μmの架橋ポリメチルメタクリレートを用いてなる
    請求項1記載の共押出建築外装化粧材。
  3. 【請求項3】 前記艶消し剤として、炭酸カルシウム、
    シリカ、マイカの群から選ばれた少なくとも1種の無機
    物を用いてなる請求項1記載の共押出建築外装化粧材。
  4. 【請求項4】 前記塩化ビニル系樹脂組成物が、塩化ビ
    ニル系樹脂100重量部に対して、耐熱性樹脂1〜50
    重量部を添加したものである請求項1又は2又は3記載
    の共押出建築外装化粧材。
  5. 【請求項5】 前記塩化ビニル系樹脂組成物が、塩化ビ
    ニル系樹脂100重量部に対して、無機物15〜30重
    量部を添加したものである請求項1又は2又は3記載の
    共押出建築外装化粧材。
  6. 【請求項6】 艶消し剤を含有するアクリル系樹脂が、
    半径0.1cm、長さ0.8cmのオリフィスから温度
    195℃、且つ剪断速度10s-1で押出したアクリル系
    樹脂の溶融物を0m/分の状態から65m/分2 の加速
    度で引き取った際に、溶融物の破断が引き取り速度20
    m/分以上で発生し、且つその時の引き取り張力が30
    g以下である特性を備えたものであり、このアクリル系
    樹脂と、低発泡性の塩化ビニル系樹脂組成物とを押出ダ
    イ内で合流させ、ダイ出口にて、アクリル系樹脂を表面
    に積層したまま、発泡させる低発泡共押出法にて押出成
    形することを特徴とする共押出建築外装化粧材の製造方
    法。
  7. 【請求項7】 内部にマンドレルが設けられた押出ダイ
    と、該押出ダイに連続するキャリブレーターの内径が同
    一であり、セルカ法にて押出成形してなる請求項6記載
    の共押出建築外装化粧材の製造方法。
  8. 【請求項8】 前記艶消し剤として、平均粒子径が2〜
    20μmの架橋ポリメチルメタクリレートを用いてなる
    請求項6又は7記載の共押出建築外装化粧材の製造方
    法。
  9. 【請求項9】 前記アクリル系樹脂に添加される架橋ポ
    リメチルメタクリレートの添加量が、2%以上である請
    求項8記載の共押出建築外装化粧材の製造方法。
  10. 【請求項10】 前記艶消し剤として、炭酸カルシウ
    ム、シリカ、マイカの群から選ばれた少なくとも1種の
    無機物を用いてなる請求項6又は7記載の共押出建築外
    装化粧材の製造方法。
  11. 【請求項11】 前記塩化ビニル系樹脂組成物が、塩化
    ビニル系樹脂100重量部に対して、耐熱性樹脂1〜5
    0重量部を添加したものである請求項6、7、8、9又
    は10何れかに記載の共押出建築外装化粧材の製造方
    法。
  12. 【請求項12】 前記耐熱性樹脂が、アクリロニトリル
    −αメチルスチレン系共重合樹脂又はABS樹脂、若し
    くは両者の混合物である請求項11記載の共押出建築外
    装化粧材の製造方法。
  13. 【請求項13】 前記塩化ビニル系樹脂組成物が、塩化
    ビニル系樹脂100重量部に対して、無機物15〜30
    重量部を添加したものである請求項6、7、8、9又は
    10何れかに記載の共押出建築外装化粧材の製造方法。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
GB2352677A (en) * 1999-07-31 2001-02-07 Kestrel Building Products Ltd PVC profiles
US6534592B1 (en) 1999-06-17 2003-03-18 Rohm And Haas Company Capstock composition and process providing weatherability, reduced gloss, and high impact
JP2007210339A (ja) * 2007-03-16 2007-08-23 Toppan Printing Co Ltd 被覆シート付発泡樹脂押出成形体の製造方法
JP2008120031A (ja) * 2006-11-15 2008-05-29 Toppan Printing Co Ltd 化粧シートおよびその製造方法

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