JPH09174642A - 射出成形機における加減速制御方法 - Google Patents

射出成形機における加減速制御方法

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JPH09174642A
JPH09174642A JP34955195A JP34955195A JPH09174642A JP H09174642 A JPH09174642 A JP H09174642A JP 34955195 A JP34955195 A JP 34955195A JP 34955195 A JP34955195 A JP 34955195A JP H09174642 A JPH09174642 A JP H09174642A
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speed
acceleration
injection
deceleration
deceleration control
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JP34955195A
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English (en)
Inventor
Masao Kamiguchi
賢男 上口
Tetsuaki Neko
哲明 根子
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Fanuc Corp
Original Assignee
Fanuc Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 速度の切替えを短時間の内に完了させること
のできる加減速制御方法を提供すること。 【解決手段】 速度切替え時における設定速度間の速度
差ΔVを求め、設定加速度Adを基準として加減速制御
に必要とされる所要時間T、即ち、時定数Tを求める。
この時定数Tに基いて加減速制御を行うことにより、設
定速度間の速度差ΔVが小さい場合には、短時間の内に
加減速制御を終了させることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、射出成形機におけ
る加減速制御方法の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】射出成形機の可動部を駆動するサーボモ
ータ等の加減速制御は、時定数を一定の値に保ち、該時
定数に基いて加減速制御を行うのが一般的である。直線
形加減速制御の場合を例にとって図8に一例を示す。
【0003】図8においては縦軸の値ΔVa〜ΔVdが現在
の設定速度と次の設定速度との速度差、また、横軸のT
が時定数である。
【0004】このように、時定数Tを一定にした場合に
おいては、設定速度と次の設定速度との速度差が如何に
大きかろうと予め決められた時定数Tの間に加減速制御
を完了させる必要がある。従って、時定数Tの値は最大
の速度差、例えば、図8のΔVdの速度差に対処し得るよ
うに決めなければならない。つまり、時定数Tは、予想
される最大の速度差ΔVdによって駆動源が許容する最大
の加速度とにより、最適な加減速特性が得られる値ΔVd
/Adとするのが妥当である。
【0005】無論、設定速度と次の設定速度との速度差
がΔVdよりも小さいような場合、例えば、図8において
速度差がΔVa,ΔVb,ΔVcであるような場合において、
加速度Adによる加減速制御を行うようにすればT=ΔVd
/Adよりも短かな所要時間で加減速制御を完了させるこ
とができるのであるが、実際には加減速制御の所要時間
が時定数Tによって一義的に決められてしまっているの
で、そのようなことはできず、加速度Aa,Ab,Acの側を
調整して加減速制御の所要時間をT=ΔVd/Adに一致さ
せるしかない。
【0006】つまり、前記従来技術には、設定速度と次
の設定速度との速度差が小さく、かつ、駆動源の加速力
に余裕があり、時定数を小さくしても十分な加速特性が
得られるような場合であっても、ある定められた時定数
Tで加減速制御を行うから、相対的にいって、設定速度
と次の設定速度との速度差が小さければ小さいほど、速
度切替えの応答特性が鈍くなるといった問題がある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明の目的
は、前記従来技術の欠点を解消し、次の設定速度との速
度差が小さいような場合において、より短い時間で速度
の切替えを完了させることのできる射出成形機における
加減速制御方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、射出成形機の
可動部の速度制御において、現在の設定速度と次の設定
速度との間の速度差を求め、該速度差と予め設定された
加減速特性を決める定数とに基いて時定数を求め、該時
定数によって加減速制御を行うことを特徴とする構成に
より前記目的を達成した。
【0009】また、直線形加減速制御を行う場合は、前
記速度差と予め設定された直線形加減速特性の加速度と
に基いて時定数を求め、該時定数によって直線形加減速
制御を行うようにする。
【0010】更に、直線形加減速制御における加速度を
予め設定しておき、速度切替え時に、速度が次の設定速
度に達するまで前記加速度で所定周期毎の移動指令値を
増加して次の設定運転速度に切替えることにより、前記
と同様の目的を達成した。
【0011】また、現在の設定速度と次の設定速度との
間の速度差を求め、該速度差に応じて加減速特性を決
め、該加減速特性に基いて加減速制御を行うことで前記
と同様の目的を達成することができる。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実
施形態を説明する。図1は本発明の加減速制御方法を適
用した射出成形機を駆動制御する制御装置10の要部を
示すブロック図である。制御装置10は、数値制御用の
マイクロプロセッサであるCNC用CPU25、プログ
ラマブルマシンコントローラ用のマイクロプロセッサで
あるPMC用CPU18、サーボ制御用のマイクロプロ
セッサであるサーボCPU20、および、A/D変換器
16を介して射出成形機本体側の圧力検出器から射出圧
力やスクリュー背圧を検出してサンプリング処理を行う
ための圧力モニタ用CPU17を有し、バス22を介し
て相互の入出力を選択することにより各マイクロプロセ
ッサ間での情報伝達が行えるようになっている。
【0013】PMC用CPU18には射出成形機のシー
ケンス動作を制御するシーケンスプログラム等を記憶し
たROM13および演算データの一時記憶等に用いられ
るRAM14が接続され、CNC用CPU25には、射
出成形機を全体的に制御する自動運転プログラム等を記
憶したROM27および演算データの一時記憶等に用い
られるRAM28が接続されている。
【0014】また、サーボCPU20および圧力モニタ
用CPU17の各々には、サーボ制御専用の制御プログ
ラムを格納したROM21やデータの一時記憶に用いら
れるRAM19、および、射出圧力やスクリュー背圧の
サンプリング処理等に関する制御プログラムを格納した
ROM11やデータの一時記憶に用いられるRAM12
が接続されている。更に、サーボCPU20には、該C
PU20からの指令に基いてクランプ用,射出用,スク
リュー回転用,エジェクタ用等の各軸のサーボモータを
駆動するサーボアンプが接続され、各軸のサーボモータ
に取付けられた位置速度検出器からの出力がサーボCP
U20に帰還されるようになっている。各軸の現在位置
は位置速度検出器からのフィードバックパルスに基いて
サーボCPU20により算出され、各軸の現在位置記憶
レジスタに更新記憶される。図1においては1軸分のサ
ーボアンプ15とサーボモータMおよび位置速度検出器
Pについてのみ示しているが、クランプ用,射出用,エ
ジェクタ用等の各軸の構成は皆これと同様である。但
し、スクリュー回転用のものに関しては現在位置を検出
する必要はなく、速度のみを検出すればよい。
【0015】インターフェイス23は射出成形機本体の
各部に配備したリミットスイッチや操作盤からの信号を
受信したり射出成形機の周辺機器等に各種の指令を伝達
したりするための入出力インターフェイスである。
【0016】ディスプレイ付手動データ入力装置29は
CRT表示回路26を介してバス22に接続され、グラ
フ表示画面や機能メニューの選択および各種データの入
力操作等が行えるようになっており、数値データ入力用
のテンキーおよび各種のファンクションキー等が設けら
れている。
【0017】不揮発性メモリ24は射出成形作業に関す
る成形条件と各種設定値,パラメータ,マクロ変数等を
記憶する成形データ保存用のメモリである。射出速度切
替位置や射出各段の射出速度および計量完了位置やクッ
ション量等はいずれも成形条件の一部であり、この不揮
発性メモリ24内に記憶される。
【0018】図5および図6に射出条件の設定例を示
す。図5および図6の例ではPBが計量完了位置、P1が第
1段目の射出速度切替位置、P2,P3の各々が第2段目,
第3段目の射出速度切替位置で、P4が射出完了位置(保
圧開始位置)である。従って、機械座標系上での座標値
では、PB>P1>P2>P3>P4の関係となる。この例では、
第1段目の射出速度切替位置P1よりもスクリューが後退
している状態では設定射出速度V1が適用され(射出1
段)、第1段目の射出速度切替位置P1と第2段目の射出
速度切替位置P2との間では設定射出速度V2が適用される
ように設定されている(射出2段)。以下同様に、P2と
P3との間の設定射出速度がV3(射出3段)、P3とP4との
間の設定射出速度がV4(射出4段)である。PBおよびP1
〜P4の各値はいずれも設定値であり、無論、これよりも
射出段数を増やしたり減らしたりすることもできる。
【0019】以上、一例として射出段数および射出速度
の設定に関して述べたが、駆動速度を位置に応じて設定
することのできる他の駆動軸、例えば、クランプ軸やエ
ジェクタ軸等に関しても、ディスプレイ付手動データ入
力装置29の画面に図5のような設定画面を表示させて
設定操作を行うことにより、射出軸と同様の位置および
速度の制御を行うことができるようになっている。
【0020】以上の構成により、PMC用CPU18が
射出成形機全体のシーケンス動作を制御し、CNC用C
PU25がROM27の運転プログラムや不揮発性メモ
リ24の成形条件等に基いて各軸のサーボモータに対し
てパルス分配を行い、サーボCPU20は各軸に対して
パルス分配された移動指令と位置速度検出器で検出され
た位置および速度のフィードバック信号に基いて、従来
と同様に位置ループ制御,速度ループ制御さらには電流
ループ制御等のサーボ制御を行い、いわゆるディジタル
サーボ処理を実行する。
【0021】図2は斯るディジタルサーボ処理の概略を
示した機能ブロック図である。既に述べた通り、射出速
度切替位置や射出各段の射出速度等の速度制御データは
成形条件の一部として予め不揮発性メモリ24内に書き
込まれており、CNC用CPU25はこの情報に基いて
パルス分配処理を実施することによって射出軸の位置お
よび速度の制御を行う。
【0022】つまり、CNC用CPU15は、設定射出
速度に見合う所定周期毎の移動量を算出するが、この移
動量は所定周期内での移動量であるから一種の速度指令
であり、設定射出速度に対応するものとなる。そして、
この所定周期内の移動量(速度指令)に対して加減速処
理を行って、位置指令(速度指令)としてサーボCPU
20へ出力する。そして、この値と位置速度検出器Pか
らの位置帰還信号とに基いて位置偏差を求め、該位置偏
差に位置ループゲインを乗じて速度ループへの速度指令
を求める(位置ループの処理)。サーボCPU20は、
この速度指令と位置検出器Pからの速度帰還信号とに基
き速度ループの処理を行ってトルク指令を求め(速度ル
ープの処理)、更に、従来と同様に電流ループの処理を
行ってサーボアンプ15を介して射出用サーボモータM
を駆動し、射出用サーボモータMの実速度が設定射出速
度に一致するように速度のフィードバック制御を行う。
【0023】加減速制御の時定数Tは、設定速度が変化
したとき、機械に衝撃が生ぜず、かつ最適な加減速特性
が得られるものが望ましい。
【0024】そこで、この実施形態においては、加速度
Adを予め制御装置10に設定しておき、現在の設定速度
と次の設定速度との間の速度差、および、前述の加速度
Ad(加減速特性を決める定数)に基いて速度の切替え時
毎に時定数を決め、この時定数に基いて直線型加減速制
御を行うようにしている。
【0025】図3はこれを実施するためにCNC用CP
U25により実施される分配処理周期毎に実行される、
加減速処理を含めた移動指令の分配処理である。
【0026】CNC用CPU25は、まず、射出中であ
るか否かを判別し(ステップa1)、射出中であればス
テップa2以降の処理を継続して行う。ここでは射出軸
の速度制御に関して述べるものとし、ステップa1の判
別結果が偽となった場合の処理に関しては説明を割愛す
る。
【0027】射出中であれば、次いで、CNC用CPU
25は現在位置記憶レジスタからスクリュー現在位置P
を読み込み(ステップa2)、射出段数検索指標iに初
期値1をセットして(ステップa3)、図6に示すよう
な射出条件記憶ファイルから射出速度切替位置Pi-1 と
Pi を読み込み、スクリュー現在位置PがPi-1 とPi
との間にあるか否か、即ち、スクリュー現在位置Pが射
出i段の範囲内にあるか否かを判別する(ステップa
4)。図6に示す通り、射出速度切替位置P0 のデータ
としてはシステムが許容する設定可能最大値がセットさ
れているので、スクリュー現在位置Pが射出速度切替位
置P1 よりも後退していれば、スクリューが何処にあろ
うとも射出1段であると見做されることになる。
【0028】スクリュー現在位置PがPi-1 とPi との
間になければ、CNC用CPU25は、射出段数検索指
標iの値を1インクリメントし(ステップa5)、ステ
ップa6の判別処理で指標iの値が射出の最終設定段N
を越えていると判別されるか、または、ステップa4の
判別処理でスクリュー現在位置Pを含む射出段数iが検
出されるまでの間、前記と同様にしてステップa4〜ス
テップa6の処理を繰り返し実行する。なお、この間に
ステップa6の判別結果が真となればスクリュー現在位
置Pが射出完了位置PN(保圧開始位置)を越えて前進し
ていることを意味するので、CNC用CPU25は次の
保圧工程の処理へと移行する。
【0029】一方、ステップa4の判別処理でスクリュ
ー現在位置Pを含む射出段数iが検出された場合、CN
C用CPU25は、分配量記憶レジスタV(分配量は分
配周期毎の移動量であるから速度を意味し、該レジスタ
には指令速度に応じた移動量が記憶される)から射出速
度の現在値を読み込み、射出速度の現在値Vが射出i段
の設定射出速度Vi と一致しているか否かを判別する
(ステップa7)。
【0030】現在値Vが設定射出速度Vi に一致してい
れば、既に現時点で設定射出速度Vi による等速運転が
行われていることを意味するので、加減速制御を行う必
要はなく、CNC用CPU25は分配量記憶レジスタV
の値をパルス分配周期毎の位置指令としてそのまま出力
し(ステップa15)、この周期の処理を終了する。
【0031】また、射出速度の現在値Vが設定射出速度
Vi と異なれば、加減速制御を行って現在値Vを設定射
出速度Vi に一致させる必要があるので、CNC用CP
U25は位置指令の出力を行う前に加減速制御に必要と
される新たな位置指令の値を求め、この値を分配量記憶
レジスタVに更新記憶するための処理を行う。
【0032】射出速度の現在値Vが設定射出速度Vi と
一致しなくなるのは、射出開始直後の時点、および、ス
クリューが射出速度切替位置を通過した直後の時点であ
る。
【0033】この場合、CNC用CPU25は、まず、
スクリュー現在位置Pに対応する射出i段の設定射出速
度Vi とその前の射出段である射出i-1 段の設定射出速
度Vi-1 を読み込んで、加減速制御の対象となる速度差
ΔVi を求める(ステップa8)。当然、速度差ΔVi
には符号があり、加速が必要とされる場合、つまり、V
i >Vi-1 の場合にはΔVi の符号はプラス、また、V
i <Vi-1 で減速が必要とされる場合にはΔVi の符号
はマイナスである。
【0034】次いで、CNC用CPU25は速度差|Δ
Vi |(絶対値)を設定加速度Adで除し、射出i-1 段か
ら射出i段への速度切替えに適合した加減速制御の時定
数Ti を求める(ステップa9)。但し、Ti は正の整
数であり、その単位はパルス分配周期である。いうまで
もなく、速度差|ΔVi |が大きければTi の値も大き
く、また、速度差|ΔVi |が小さければTi の値も小
さくなり、この時定数Ti の値は従来の時定数Tのよう
に一定ではない。従来型の加減速制御を説明した図8に
対応させて、本実施形態の場合における速度差ΔVa〜Δ
Vdと時定数Ta〜Td (要するにTi )との関係を図7
に示す。図7から明らかなように、本実施形態の加減速
制御方法は加速度Adの側を一定に保持し、速度差|ΔV
i |に応じて時定数Ti の値を変化させるものである。
【0035】時定数Ti を求めたCNC用CPU25
は、次いで、パルス分配周期数積算カウンタjの値を1
インクリメントし(ステップa10)、カウンタjの値
が時定数Ti に達しているか否かを判別する(ステップ
a11)。積算カウンタjの初期値は0であり、その値
は加減速制御が行われる間、パルス分配周期毎にカウン
トアップされるから、該カウンタjの値が時定数Ti に
達していれば当該射出段に移行するための加減速制御が
終了していることを意味し、また、カウンタjの値が時
定数Ti に達していなければ、加減速制御が終了してい
ないことを意味する。
【0036】そこで、加減速制御が終了しておらずステ
ップa11の判別結果が偽となった場合、CNC用CP
U25は、カウンタjの値つまり加減速制御開始からの
経過時間が時定数Ti に対して占める割合を前記速度差
ΔVi に乗じて現時点で必要とされている速度の増分を
求め、更に、この値を前段の設定射出速度Vi-1 の位置
指令に加算して加減速制御のための新たな位置指令を求
め、この値を分配量記憶レジスタVに更新記憶する(ス
テップa12)。
【0037】また、加減速制御が終了しておりステップ
a11の判別結果が真となった場合はカウンタjの値を
0に初期化し、次の加減速制御時の処理で必要とされる
経過時間の測定に備えると共に(ステップa13)、分
配量記憶レジスタVに当該射出段の設定射出速度に対応
する位置指令Vi を再設定する(ステップa14)。従
って、直前の位置ループ処理周期でj<Ti、つまり、
V<Vi (Vi >Vi-1 の場合)もしくはV>Vi (V
i <Vi-1 の場合)のまま、当該処理周期でj≧Ti と
なった場合であっても、当該射出段iの位置指令は設定
射出速度Vi に対応する値に自動的に矯正される。
【0038】ステップa12もしくはステップa14の
処理で分配量記憶レジスタVの値を再設定したCNC用
CPU25は、分配量記憶レジスタVの値をパルス分配
周期毎の位置指令として出力することにより射出第i-1
段から射出第i段への加減速制御を行い(ステップa1
5)、この周期の処理を終了する。
【0039】以上の処理がパルス分配周期毎に繰り返し
実行される結果、射出開始時点および射出段の切替え時
点では、単位時間当たりの位置指令Vの切替えによる設
定加速度Adの直線型加減速制御が行われ、また、実速度
が次の設定射出速度に達してからは、その射出段の設定
射出速度Vi に対応する位置指令Vが繰り返し出力され
ることになる。設定射出速度に対応する実際の速度変化
を図5に一点鎖線で示す(図5では設定加速度Adの傾き
を誇張して示している)。
【0040】設定加速度Adは必ずしも射出用サーボモー
タMの限界加速度を設定する必要はないが、速度差|Δ
Vi |が小さい場合の加減速制御時間を少しでも短縮す
るためには、好ましい加減速特性が得られるかぎり、限
界加速度に近い値を設定すべきである。図7に示す通
り、設定射出速度間の速度差ΔVi が小さければ小さい
ほど加減速制御に必要とされる時間は短くなり、また、
速度差ΔVi が最大となったような場合でも、図8との
比較から明らかなように、加減速所要時間が従来型の処
理方式に比べて増長されるということはない。
【0041】また、前述のようにスクリューの移動中に
射出速度切替位置が検出される毎、また、加減速制御中
のパルス分配周期毎に改めて時定数Ti を算出する必要
は必ずしもない。設定射出速度V1 〜VN の各値に基い
て速度切替え時毎の時定数Ti(T1 〜TN )を予め求
めて図6に示すような射出条件記憶ファイルに予め設定
しておき、この値を読み込んで加減速制御を行うように
してもよい。この場合図3におけるステップa8および
ステップa9の処理は省略されることになる。
【0042】次に、時定数Ti を求めず、設定加速度Ad
のみに基いて加減速制御を行う場合の実施形態について
図4のフローチャートを参照して簡単に説明する。無
論、この加減速処理も前述の実施形態の場合と同様、C
NC用CPU25により分配処理周期毎に繰り返し実行
されるようになっている。
【0043】ステップb1〜ステップb7の処理に関し
ては図3に示した実施形態におけるステップa1〜ステ
ップa7の処理と全く同一である。
【0044】そして、ステップb7の判別結果が偽とな
って射出速度の現在値Vが設定射出速度Vi に一致して
いないことが確認された場合、CNC用CPU25は、
前述のステップa8〜ステップa14に代わるステップ
b8〜ステップb17の処理を実施して、現在の射出速
度Vを設定射出速度Vi に一致させるための加減速制御
を行う。
【0045】そこで、まず、CNC用CPU25は、パ
ルス分配周期数積算カウンタjの値を1インクリメント
し(ステップb8)、スクリュー現在位置Pに対応する
射出i段の設定射出速度Vi とその前の射出段である射
出i-1 段の設定射出速度Vi-1 との大小関係を比較し、
速度切替えのために加速が必要であるのか減速が必要で
あるのかを判別する(ステップb9)。なお、パルス分
配周期数積算カウンタjは前記実施形態のそれと全く同
様であり、その値は加減速制御が行われる間、パルス分
配周期毎にカウントアップされるようになっている。
【0046】Vi >Vi-1 で加速が必要とされる場合、
CNC用CPU25は加減速記憶レジスタAに設定加速
度Adをセットし(ステップb10)、カウンタjの値つ
まり加減速制御開始からの経過時間に正の加速度Aを乗
じて現時点で必要とされている速度の増分を求め、更
に、この値を前段の設定射出速度Vi-1 の位置指令に加
算して加減速制御のための新たな位置指令(分配周期内
での移動量)を求めて分配量記憶レジスタVに更新記憶
する(ステップb11)。
【0047】次いで、CNC用CPU25は、射出速度
の現在値Vが射出i段の設定射出速度Vi を越えている
か否かを判別するが(ステップb12)、越えていなけ
れば加減速制御の途中であるので、ステップb11で求
めた分配量記憶レジスタVの値をパルス分配周期毎の位
置指令としてそのまま出力し(ステップb18)、この
周期の処理を終了する。
【0048】一方、現在値Vが射出i段の設定射出速度
Vi を越えてしまっている場合は、ステップb11で求
めた分配量記憶レジスタVの値をこのまま出力するとオ
ーバーシュートが発生する可能性があるので、CNC用
CPU25は、当該射出段の設定射出速度に対応する位
置指令Vi を分配量記憶レジスタVに再設定し(ステッ
プb16)、カウンタjの値を0に初期化して次の加減
速制御時の処理で必要とされる経過時間の測定に備え
(ステップb17,当該射出段に対する加減速制御の終
了)、分配量記憶レジスタVの値をパルス分配周期毎の
位置指令として出力し(ステップb18)、この周期の
処理を終了する。
【0049】また、ステップb9の判別結果がVi <V
i-1 で減速が必要とされる場合には、CNC用CPU2
5は加減速記憶レジスタAに設定加速度Adの符号を反転
してセットし(ステップb13)、カウンタjの値つま
り加減速制御開始からの経過時間に負の加速度Aを乗じ
て現時点で必要とされている速度の低下分を求め、更
に、この値を前段の設定射出速度Vi-1 の位置指令に加
算して加減速制御のための新たな位置指令を求めて分配
量記憶レジスタVに更新記憶する(ステップb14)。
【0050】次いで、CNC用CPU25は、射出速度
の現在値Vが射出i段の設定射出速度Vi を下回ってい
るか否かを判別するが(ステップb15)、下回ってい
なければ加減速制御の途中であるので、ステップb14
で求めた分配量記憶レジスタVの値をパルス分配周期毎
の位置指令としてそのまま出力し(ステップb18)、
この周期の処理を終了する。
【0051】一方、現在値Vが射出i段の設定射出速度
Vi を下回っている場合は、ステップb15で求めた分
配量記憶レジスタVの値をこのまま出力すると負の方向
のオーバーシュートが発生する可能性があるので、CN
C用CPU25は、当該射出段の設定射出速度に対応す
る位置指令Vi を分配量記憶レジスタVに再設定し(ス
テップb16)、カウンタjの値を0に初期化して次の
加減速制御時の処理で必要とされる経過時間の測定に備
え(ステップb17,当該射出段に対する加減速制御の
終了)、分配量記憶レジスタVの値をパルス分配周期毎
の位置指令として出力し(ステップb18)、この周期
の処理を終了する。
【0052】以上の処理がパルス分配周期毎に繰り返し
実行される結果、最初に説明した実施形態の場合と同
様、射出開始時点および射出段の切替え時点では、単位
時間当たりの位置指令Vの切替えによる設定加速度Adの
直線型加減速制御が行われ、また、実速度が次の設定射
出速度に達してからは、その射出段の設定射出速度Vi
に対応する位置指令Vが繰り返し出力されることにな
る。
【0053】以上に述べた2つの実施形態では、いずれ
も直線型の加減速制御を行う場合について述べたが、加
減速制御の方法自体を速度差ΔVに応じて変えるように
してもよい。例えば、所定の判別基準により速度差ΔV
を大小2つのグループのいずれかに振り分け、一方のグ
ループに対して直線型加減速制御を対応させ、もう一方
のグループに指数型加減速制御を対応させるといったこ
とが可能である。
【0054】いずれの実施形態も、射出軸のサーボモー
タに限らず、駆動速度を位置に応じて設定することので
きる他の駆動軸、例えば、クランプ軸やエジェクタ軸等
の加減速制御方法として適用することが可能である。
【0055】
【発明の効果】本発明によれば、射出成形機の可動部を
速度制御するに当たり、現在の設定速度と次の設定速度
との間の速度差に応じて加減速の所要時間を短くするこ
とができ、特に、速度差が小さい場合では、加減速の所
要時間を大幅に短縮することができるので、設定速度に
対する実速度の実質的な追従特性を大幅に改善すること
ができる。また、設定速度の差に応じて加減速制御の方
法自体を切替えることができるので、常に最適の加減速
特性で加減速制御を実施することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の加減速制御方法を適用した一実施形態
の射出成形機制御装置の要部を示すブロック図である。
【図2】ディジタルサーボ処理の概略を示した機能ブロ
ック図である。
【図3】本発明を適用した一実施形態の加減速処理を示
すフローチャートである。
【図4】本発明を適用した他の一実施形態の加減速処理
を示すフローチャートである。
【図5】射出速度の切替え条件の設定例を示す図であ
る。
【図6】射出条件記憶ファイルを示す概念図である。
【図7】本発明実施形態の加減速制御の作用原理を示す
概念図である。
【図8】従来型加減速制御の作用原理を示す概念図であ
る。
【符号の説明】
10 制御装置 15 サーボアンプ 20 サーボCPU 22 バス 24 不揮発性RAM 25 CNC用CPU M 射出用サーボモータ P 位置速度検出器

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 射出成形機の可動部の速度制御におい
    て、現在の設定速度と次の設定速度との間の速度差を求
    め、該速度差と予め設定された加減速特性を決める定数
    とに基いて時定数を求め、該時定数によって加減速制御
    を行うことを特徴とする射出成形機における加減速制御
    方法。
  2. 【請求項2】 射出成形機の可動部の速度制御におい
    て、現在の設定速度と次の設定速度との間の速度差を求
    め、該速度差と予め設定された直線形加減速特性を決め
    る加速度とに基いて時定数を求め、該時定数によって直
    線形加減速制御を行うことを特徴とする射出成形機にお
    ける加減速制御方法。
  3. 【請求項3】 射出成形機の可動部の速度制御におい
    て、直線形加減速制御における加速度を予め設定してお
    き、速度切替え時には、速度が次の設定速度に達するま
    で前記加速度で所定周期毎の移動指令値を増加して次の
    設定運転速度に切替えるようにしたことを特徴とする射
    出成形機における加減速制御方法。
  4. 【請求項4】 射出成形機の可動部の速度制御におい
    て、現在の設定速度と次の設定速度との間の速度差を求
    め、該速度差に応じて加減速特性を決め、該加減速特性
    に基いて加減速制御を行うことを特徴とする射出成形機
    における加減速制御方法。
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