JPH09174127A - 仕上圧延機のクラウン形状制御用アクチュエータ設定値算出方法 - Google Patents

仕上圧延機のクラウン形状制御用アクチュエータ設定値算出方法

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JPH09174127A
JPH09174127A JP7336614A JP33661495A JPH09174127A JP H09174127 A JPH09174127 A JP H09174127A JP 7336614 A JP7336614 A JP 7336614A JP 33661495 A JP33661495 A JP 33661495A JP H09174127 A JPH09174127 A JP H09174127A
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crown shape
shape control
set value
actuator
rolled
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JP7336614A
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English (en)
Inventor
Katsushi Yamamoto
克史 山本
Sadayuki Mitsuyoshi
貞行 三吉
Yoshito Goto
義人 後藤
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JFE Steel Corp
Original Assignee
Kawasaki Steel Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 複数のクラウン形状制御アクチュエータのク
ラウン形状制御設定値を算出する際、被圧延材の種類や
圧延条件により適合したものを求める。 【解決手段】 ステップ118の第1クラウン形状制御
設定値算出方法及びステップ122の第2クラウン形状
制御設定値算出方法は、各アクチュエータのクラウン形
状制御設定値を、固定値とするか、圧延状況等に応じて
目標クラウン形状となるよう変更するか、相互に異な
る。ステップ112では、被圧延材の種類や圧延条件に
応じ、例えばアクチュエータの応答性をより良くすると
いう等の優先条件を決定する。ステップ114では、該
優先条件に従って、ステップ118の処理あるいはステ
ップ122の処理を選択する。被圧延材の種類や圧延条
件により適したアクチュエータの設定値算出が可能とな
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、走行する被圧延材
を仕上圧延機で連続的に圧延する際に、前記被圧延材の
幅方向の断面のクラウン形状を制御するために用いる、
複数のクラウン形状制御アクチュエータそれぞれの作動
量を決定するための各クラウン形状制御設定値を算出す
る仕上圧延機のクラウン形状制御用アクチュエータ設定
値算出方法に係り、特に、クラウン形状制御設定値が限
界値となってそれ以上設定値の修正が不可能になってし
まったり、複数のクラウン形状制御アクチュエータのク
ラウン形状制御設定値を同時に変更することで、クラウ
ン形状制御やその他の圧延制御が不安定になってしまっ
たり、あるいは、応答性が低いなど、不適切なクラウン
形状制御設定値の変更を行ってしまうことを低減するこ
とができる仕上圧延機のクラウン形状制御用アクチュエ
ータ設定値算出方法に関する。
【0002】
【従来の技術】走行する被圧延材を仕上圧延機で連続的
に圧延する際の、被圧延材の幅方向の断面のクラウン形
状の制御としては、一般的なものに、被圧延材を介して
対向する圧延ロール間の圧力(以降、ベンダ荷重と称す
る)を制御することによって行うもの(以降、ベンダ荷
重制御によるクラウン形状制御機能と称する)がある。
又、ベンダや中間ロールあるいはワークロール等の圧延
ロールをシフトすることで制御するもの(以降、圧延ロ
ールシフト(あるいはより具体的に、ベンダ、中間ロー
ル、又はワークロールのシフト)によるクラウン形状制
御機能と称する)がある。更に、対向するワークロール
をクロスさせることでクラウン形状制御を行うもの(以
降、ペアクロスによるクラウン形状制御機能と称する)
もある。
【0003】なお、上述した3つのようなクラウン形状
制御機能を含め、何らかの可動部を動作させることでク
ラウン形状制御するものを、以降、クラウン形状制御ア
クチュエータと総称する。
【0004】ここで、従来から、このようなクラウン形
状制御アクチュエータの設定値を算出する方法、即ち、
仕上圧延機のクラウン形状制御用アクチュエータ設定値
算出方法として、様々なものが開示されている。
【0005】例えば、特公平5−10165では、クラ
ウン形状制御アクチュエータとして、中間ロールをシフ
トするクラウン形状制御機能と、ベンダ荷重制御による
クラウン形状制御機能とを有するタンデム圧延機におけ
る、クラウン形状制御設定値算出方法が開示されてい
る。この特公平5−10165では、タンデム構成され
た各スタンドで求められた目標クラウン形状を達成する
ために、圧延ロール負荷の観点から、まず、中間ロール
シフト量を”0”にすることを優先に考え、各スタンド
のベンダ荷重設定値を求める。この時、ベンダ荷重設定
値が限界値となってそれ以上設定値の変更ができないた
めに、目標クラウン形状を達成できない場合には、中間
ロールシフト量をなるべく小さい値に変更(修正)しな
がら、ベンダ荷重設定値は設定可能な能力限界の最大値
まで使用して、これら中間ロールシフト量やベンダ荷重
設定値を算出している。
【0006】ここで、中間ロールシフト量も、ベンダ荷
重設定値も、いずれも、クラウン形状制御設定値であ
り、クラウン形状制御アクチュエータの設定値である。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】このように、特公平5
−10165では、中間ロールシフト量を”0”ないし
はより小さな値とすることを優先に考え、ロールベンダ
荷重設定値は大きくなることを許容し、多くの場合、該
ロールベンダ荷重設定値は限界値まで設定可能として、
目標クラウン形状を達成するためのこれら中間ロールシ
フト量やベンダ荷重設定値を算出している。このため、
ロールベンダ荷重設定値が限界値となってしまい、それ
以上設定値の修正が不可能となってしまい、目標クラウ
ン形状を達成するための制御が不可能となってしまう場
合がある。
【0008】例えば、被圧延材先端部の通板後(通板直
後)に、仕上圧延機スタンド出側、あるいは、タンデム
構成の仕上圧延機スタンド間に備えられた、クラウン形
状を測定するためのプロフィール計による測定結果のク
ラウン形状実績値を、フィードバックして行われるクラ
ウン形状ダイナミック制御において、ロールベンダ荷重
設定値がもともと限界値近傍にあると、余裕制御代がな
いため何らかの要因で該ベンダ荷重設定値が限界値とな
ってしまって、それ以上この設定値の修正が不可能とな
ってしまう。すると、目標クラウン形状となるよう実績
クラウン形状を修正することができなくなってしまうと
いう問題が生じる。
【0009】又、前述の特公平5−10165では、優
先条件として中間ロールシフト量を”0”ないしはより
小さな値に設定しているが、このような中間ロールシフ
ト量はそれぞれの被圧延材に応じて設定される。
【0010】ここで、それぞれの被圧延材の中間ロール
シフト量の設定値が大きくばらつくと、材質や形状が異
なる被圧延材を連続的に圧延する場合に、被圧延材の切
り替わりに応じて中間ロールシフト量を変更する際、該
中間ロールシフト量の設定変更量が大きくなってしま
い、中間ロールシフトのアクチュエータが実際に目標位
置に到達するまでの時間が長くなってしまう。このよう
に被圧延材の切り替わりの際の中間ロールシフトに要す
る時間が長くなると、被圧延材が切り替わる時のインタ
バル時間が必要となり、生産性が低下してしまうという
問題がある。
【0011】前記特公平5−10165に関して前述し
たような問題以外にも、クラウン形状を制御するため特
に複数のクラウン形状制御アクチュエータを用いる場合
には、様々な問題がある。例えば、このように複数のク
ラウン形状制御アクチュエータのクラウン形状制御設定
値を同時に変更する場合、クラウン形状制御や、板圧制
御等のその他の圧延制御が不安定になってしまうという
問題がある。あるいは、応答性が低い等、不適切なクラ
ウン形状制御アクチュエータのクラウン形状制御設定値
の変更を行ってしまうという問題もある。
【0012】本発明は、前記従来の問題点を解決するべ
くなされたもので、走行する被圧延材を仕上圧延機で連
続的に圧延する際、被圧延材の幅方向の断面のクラウン
形状を制御するため、特に複数のクラウン形状制御アク
チュエータを用いる場合に、クラウン形状制御設定値が
限界値となってそれ以上設定値の修正が不可能になって
しまったり、複数のクラウン形状制御アクチュエータの
クラウン形状制御設定値を同時に変更することで、クラ
ウン形状制御やその他の圧延制御が不安定になってしま
ったり、あるいは、応答性が低いなど、不適切なクラウ
ン形状制御設定値の変更を行ってしまうことを低減する
ことができる仕上圧延機のクラウン形状制御用アクチュ
エータ設定値算出方法を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明は、走行する被圧
延材を仕上圧延機で連続的に圧延する際に、前記被圧延
材の幅方向の断面のクラウン形状を制御するために用い
る、複数のクラウン形状制御アクチュエータそれぞれの
作動量を決定するための各クラウン形状制御設定値を算
出する仕上圧延機のクラウン形状制御用アクチュエータ
設定値算出方法において、複数の前記クラウン形状制御
アクチュエータのうちの1つを第1クラウン形状制御ア
クチュエータと仮定し、又、別の1つを第2クラウン形
状制御アクチュエータと仮定し、前記第2クラウン形状
制御アクチュエータの前記クラウン形状制御設定値を一
旦設定した所定固定値に固定する一方、前記第1クラウ
ン形状制御アクチュエータの前記クラウン形状制御設定
値を、前記断面が目標クラウン形状となるように、圧延
状況に応じて計算して求める第1クラウン形状制御設定
値算出方法を定義し、前記第1クラウン形状制御アクチ
ュエータの前記クラウン形状制御設定値を一旦設定した
所定固定値に固定する一方、前記第2クラウン形状制御
アクチュエータの前記クラウン形状制御設定値を、前記
断面が目標クラウン形状となるように、圧延状況に応じ
て計算して求め、第2クラウン形状制御設定値算出方法
を定義し、前記第1クラウン形状制御アクチュエータ、
あるいは前記第2クラウン形状制御アクチュエータの、
前記クラウン形状制御設定値を所定固定値にいるか、あ
るいは圧延状況に応じて計算して求めるかの、これらク
ラウン形状制御設定値の求め方で、優先すべきものを優
先条件として前記被圧延材の種類や圧延条件に応じて決
定し、該優先条件に従って、前記第1クラウン形状制御
設定値算出方法又は前記第2クラウン形状制御設定値算
出方法のいずれかを採用し、前記第1クラウン形状制御
アクチュエータ及び前記第2クラウン形状制御アクチュ
エータのそれぞれの前記クラウン形状制御設定値を求め
るようにしたことにより、前記課題を解決したものであ
る。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、図を用いて本発明の実施の
形態を詳細に説明する。
【0015】本発明が適用された第1実施形態について
フローチャートを参照して説明する前に、まず、該実施
形態のより基本となる原理について説明する。
【0016】本実施形態では、被圧延材の幅方向の断面
のクラウン形状を制御するために用いるクラウン形状制
御アクチュエータが、各スタンドについて2つ備えられ
ている。ここで、一方のクラウン形状制御アクチュエー
タを第1クラウン形状制御アクチュエータと称し、他方
を第2クラウン形状制御アクチュエータと称する。
【0017】ここで、クラウン形状制御アクチュエータ
としては、前述したように様々なものがあり、それぞれ
特徴が異なる。例えば、前述したベンダ荷重制御による
クラウン形状制御機能は、一般には、クラウン形状制御
の応答性が良好であるものの、変更(設定)可能なクラ
ウン形状制御量の範囲が比較的狭くなってしまう。一
方、前述した圧延ロールシフトによるクラウン形状制御
機能では、一般には、設定可能なクラウン形状制御の範
囲は比較的広くすることができるものの、応答性がよく
ないという特徴がある。従って、複数のクラウン形状制
御アクチュエータがある場合、これらのクラウン形状制
御設定値を算出する際には、用いる個々のクラウン形状
制御アクチュエータの特徴を加味することが好ましい。
しかしながら、このように個々のクラウン形状制御アク
チュエータの特徴を加味すると、クラウン形状制御設定
値の算出が複雑になってしまうという傾向がある。
【0018】又、クラウン形状制御設定値の算出という
点で別の観点から考えると、ほとんどのクラウン形状制
御アクチュエータには、クラウン形状制御設定値の設定
可能な範囲がある。言い替えれば、設定値の限界(限界
値)がある。従って、あるクラウン形状制御アクチュエ
ータのクラウン形状制御設定値を何らかの固定値あるい
は初期値に設定する場合、実際に設定可能な範囲の限界
値に対して余裕制御代を設けることが、制御上の特性と
いう観点で好ましい。このような余裕制御代があれば、
クラウン形状制御設定値が変更される場合に限界値とな
ってそれ以上設定値の修正が不可能となってしまい、ク
ラウン形状制御が不可能となってしまうといったことが
少なくなる。従って、複数のクラウン形状制御アクチュ
エータを用いる場合にクラウン形状制御設定値を算出す
る際、このような設定値の設定可能な範囲等、制御上の
特性を加味することが好ましい。
【0019】本実施形態においては、クラウン形状制御
設定値の算出の際に、前述のようなアクチュエータの特
徴の加味や制御上の特性の加味を、まず、優先条件の決
定によって行っている。例えば、このような優先条件に
は、次のようなものが考えられる。
【0020】A1.応答性が低いため、そのクラウン形
状制御アクチュエータの設定値の変更頻度は低くし(あ
るいは一度に行う変更量を小さくし)、例えば一旦設定
した所定固定値に固定する。
【0021】A2.応答性が高いため、そのクラウン形
状制御アクチュエータのクラウン形状制御設定値を積極
的に変更しながら、クラウン形状制御を行う。
【0022】A3.制御上の特性のため、そのクラウン
形状制御アクチュエータのクラウン形状制御設定値を、
例えば限界値に対して余裕制御代を考慮したある所定固
定値に固定する。
【0023】更に、本実施形態にあっては、複数のクラ
ウン形状制御設定値算出方法を予め定義している。これ
らクラウン形状制御設定値算出方法は、どのクラウン形
状制御アクチュエータのクラウン形状制御設定値を固定
値(一旦設定した所定固定値に固定)とするか、どのク
ラウン形状制御アクチュエータのクラウン形状制御設定
値を、実際のクラウン形状が目標クラウン形状となるよ
うに圧延状況に応じて計算して求める(即ち、クラウン
形状制御に際し積極的に変更しながら用いる)かの、こ
れらのクラウン形状制御設定値の算出の組合せが相互に
異なる。
【0024】本実施形態においては、まず、前述の優先
条件A1〜A3のようなものをまず決定し、これに従っ
て、各クラウン形状制御設定値を固定値にするか否かの
組合せが相互に異なる、上述のような複数のクラウン形
状制御設定値算出方法のいずれか1つを選択している。
【0025】従って、クラウン形状制御アクチュエータ
の特徴を加味しながら、又、制御上の特徴を加味しなが
ら、より最適なクラウン形状制御設定値の算出を行うこ
とができる。又、このようなクラウン形状制御設定値の
算出は、このように優先条件に従ってなされるため、影
響や重要度が低い条件にとらわれずに算出することがで
き、算出過程の処理をより簡便とすることができる。
【0026】又、このようにクラウン形状制御アクチュ
エータの特性を加味したり、制御上の特性を加味するこ
とで、従来あったような制御上の問題を解決することが
できる。例えば、あるクラウン形状制御アクチュエータ
のクラウン形状制御設定値が限界値となって、それ以上
設定値の修正が不可能になってしまい、クラウン形状制
御が不可能になってしまうという問題を低減することが
できる。又、より詳しく後述するように、前述のクラウ
ン形状ダイナミック制御をより安定して行うことができ
る。
【0027】さらに、優先条件の設定によれば、複数の
クラウン形状制御アクチュエータのクラウン形状制御設
定値が同時に変更される場合を低減することができる。
従って、このような同時変更に伴って生じやすい、クラ
ウン形状制御や、その他の圧延制御の不安定も低減する
ことができる。
【0028】又、前述のように優先条件A1〜A3等を
考慮しているため、クラウン形状制御アクチュエータの
特徴の加味や、制御上の特性の加味がなされる。従っ
て、応答性が低い等、クラウン形状制御アクチュエータ
の特徴を無視した、不適切なクラウン形状制御設定値の
変更を行ってしまうことを低減することができる。従っ
て、より詳しく後述するように、前述のような被圧延材
間のインタバルをより短くすることもできる。
【0029】以下、図1のフローチャートを実際に用
い、本実施形態の作用をより詳細に説明する。
【0030】図1は、本発明が適用された第1実施形態
の仕上圧延機のクラウン形状制御用アクチュエータ設定
値算出方法を示すフローチャートである。
【0031】まず、前記図1のステップ112にて、前
述した優先条件A1〜A3のような優先条件で、実際に
採用するもののの決定を行う。このような優先条件決定
は、クラウン形状制御アクチュエータの特徴の加味や、
制御上の特性の加味をしながら行う。この際、被圧延材
の鋼種やサイズ等も考慮する。これは、被圧延材の鋼種
やサイズ等によって、複数のクラウン形状制御アクチュ
エータのクラウン形状制御設定値の組合せや設定範囲が
変わるためである。
【0032】例えば、制御上の特性を加味する際、2種
類あるクラウン形状制御アクチュエータの一方を前述の
ようなクラウン形状ダイナミック制御のダイナミック制
御用アクチュエータとして用いる場合、初期固定値を、
限界値に対して余裕制御代のある値にすることを優先条
件とすることもできる。又、前述したような優先条件A
1やA2によれば、個々のクラウン形状制御アクチュエ
ータの制御応答性を加味することが可能である。
【0033】次にステップ114では、ステップ112
で決定した優先条件に従い、予め複数定義されているク
ラウン形状制御設定値の算出方法のいずれか1つを選択
する。
【0034】例えば、本実施形態ではクラウン形状制御
アクチュエータが2種類であるため、前述の如く各クラ
ウン形状制御設定値を固定値にするか否かの組合せが異
なるクラウン形状制御設定値算出方法は2種類となる。
ここで、この2種類の設定値算出方法の一方を第1クラ
ウン形状制御設定値算出方法と定義し、他方を第2クラ
ウン形状制御設定値算出方法と定義する。即ち、前記第
1クラウン形状制御設定値算出方法は、第2クラウン形
状制御アクチュエータのクラウン形状制御設定値を一旦
設定した所定固定値に固定する一方、前記第1クラウン
形状制御アクチュエータの前記クラウン形状制御設定値
を、被圧延材の幅方向の断面の実際のクラウン形状が目
標クラウン形状となるように圧延状況に応じて計算して
求めるものである。一方、前記第2クラウン形状制御設
定値算出方法は、前記第1クラウン形状制御アクチュエ
ータの前記クラウン形状制御設定値を一旦設定した所定
固定値に固定する一方、前記第2クラウン形状制御アク
チュエータの前記クラウン形状制御設定値を、前記断面
の実際のクラウン形状が目標クラウン形状となるよう
に、圧延状況に応じて計算して求めるものである。
【0035】ここで、このステップ114についてより
具体的に考えると、例えば、第2クラウン形状制御アク
チュエータが前記優先条件A1であれば、このステップ
114にて前述の第1クラウン形状制御設定値算出方法
が選択され、ステップ118へ進む。反対に該第2クラ
ウン形状制御アクチュエータが前述の優先条件A2であ
れば、前述の第2クラウン形状制御設定値算出方法が選
択され、ステップ122へ進む。又、該第2クラウン形
状制御アクチュエータが前述の優先条件A3であれば、
第1クラウン形状制御設定値算出方法が選択され、次に
ステップ118へ進む。
【0036】なお、ステップ118では、前述したよう
な第1クラウン形状制御設定値算出方法が実際に行われ
る。あるいは、ステップ122では、前述した第2クラ
ウン形状制御設定値算出方法が行われる。これらステッ
プ118あるいは122が完了すれば、必要なクラウン
形状制御設定値の設定が終了するため、実際に対象とな
るクラウン形状制御アクチュエータの制御を行うことが
できる。
【0037】以上説明したとおり、本第1実施形態によ
れば、クラウン形状制御アクチュエータの特徴の加味
や、制御上の特性の加味を行いながら、複数のクラウン
形状制御アクチュエータを用いる場合にも、より効果的
に個々のクラウン形状制御設定値を算出することができ
る。従って、クラウン形状制御設定値が限界値となって
それ以上設定値の修正が不可能になってしまったり、複
数のクラウン形状制御アクチュエータのクラウン形状制
御設定値を同時に変更することで、クラウン形状制御や
その他の圧延制御が不安定になってしまうことを低減す
ることができる。あるいは、応答性が低い等、不適切な
クラウン形状制御設定値の変更を行ってしまうことを低
減することができる。
【0038】例えば、制御上の特性を加味する際、2種
類あるクラウン形状制御アクチュエータの一方を前述の
ようなクラウン形状ダイナミック制御のダイナミック制
御用アクチュエータとして用いる場合、初期固定値を、
限界値に対して余裕制御代のある値にすることを優先条
件とすることもできる。このように余裕制御代を設ける
ことで、実際のクラウン形状が目標クラウン形状から外
れたとしてもクラウン形状ダイナミック制御で捉えるこ
とができる範囲を広くすることができる。
【0039】例えば、2種類のクラウン形状制御アクチ
ュエータのうち、第1クラウン形状制御アクチュエータ
がクラウン形状制御可能範囲が広いものの、応答性が低
いとする。又、他方の第2クラウン形状制御アクチュエ
ータがこの逆に、クラウン形状制御可能範囲は狭いもの
の、応答性が高いとする。このような場合、第1クラウ
ン形状制御アクチュエータについては前述の優先条件A
1を決定し、第2クラウン形状制御アクチュエータにつ
いては前述の優先条件A2を決定する。このような優先
条件の決定に基づき、前述の第1クラウン形状制御設定
値算出方法を選択することができる。又、この第1クラ
ウン形状制御設定値算出方法における、第1クラウン形
状制御アクチュエータのための一旦設定する所定固定値
は、該第1クラウン形状制御アクチュエータの応答性が
あまり低くならない値となるように、又、他方の第2ク
ラウン形状制御アクチュエータのクラウン形状制御設定
値の設定可能範囲をより有効に使用できる値となるよう
にすればよい。このようにすれば、目標クラウン形状を
より応答性良く達成することができ、能率良く個々のク
ラウン形状制御アクチュエータのクラウン形状制御設定
値を求めることができる。
【0040】又、このようにクラウン形状制御の応答性
をより向上することができるため、例えば被圧延材の種
類(材質や形状やサイズ)が変更される場合、これによ
って変更されるクラウン形状制御アクチュエータのクラ
ウン形状制御設定値が実際に変更されるまでに要する時
間を短縮することができる。従って、この様な設定値の
変更時間短縮が可能であるため、このような時間を確保
するためのインタバル時間も短縮することができ、生産
性を向上することができる。
【0041】図2は、本発明が適用されたクラウン形状
制御用アクチュエータ設定値算出装置の実施形態及び該
実施形態が対象とするタンデム圧延機の構成を示すブロ
ック図である。
【0042】この図2において、被圧延材1は左方から
送り込まれ、右方へと走行する。又、このような被圧延
材1の走行経路には、圧延スタンドF1〜F7で構成さ
れるタンデム連続仕上圧延機が構成されている。各圧延
スタンドF1〜F7は、いずれも、1対のワークロール
5、及び1対のバックアップロール6によって構成され
る。又、各圧延スタンドF1〜F7は、いずれも、前述
したベンダ荷重制御によるクラウン形状制御機能を有
し、クラウン形状制御用アクチュエータ設定値算出装置
10から出力されるベンダ荷重φ1〜φ7によって制御
される。又、各圧延スタンドF1〜F7は、前述したペ
アクロスによるクラウン形状制御機能を有し、前記クラ
ウン形状制御用アクチュエータ設定値算出装置10が出
力するクロス角度φ1〜φ7によって制御される。
【0043】ここで、前述のベンダ荷重制御によるクラ
ウン形状制御機能は、クラウン形状制御可能範囲は狭い
が、クラウン形状制御設定値を設定後に実際に対応する
クラウン形状となるまでの応答性は高く、前述のクラウ
ン形状ダイナミック制御がより積極的に設定値を変更す
るアクチュエータとして用いるのに好ましい。又、前述
のペアクロスによるクラウン形状制御機能は、クラウン
形状制御可能範囲は広いものの、クラウン形状制御設定
値を設定後に実際に対応するクラウン形状となるまでの
応答性は低い。
【0044】ここで、本実施形態が対象とする圧延機で
は、各種類がそれぞれ複数の被圧延材でなる、2種類に
分類される被圧延材群、即ち2グループの被圧延材群を
圧延するものである。ここで、これら2グループについ
て、以降、一方のグループを被圧延材Aと称し、他方の
グループを被圧延材Bと称する。被圧延材Aのグループ
は異なる被圧延材間で多少のインタバルを必要として
も、クラウン形状ダイナミック制御による余裕制御代を
より多く残してクラウン形状制御設定値を設定して、ク
ラウン形状目標に関してより厳格な圧延を行う被圧延材
のグループである。一方、前記被圧延材Bのグループ
は、クラウン形状目標に対してあまり厳格でなく、この
ため、余裕制御代をより多く残してクラウン形状制御設
定値を設定する必要はなく、むしろ異なる被圧延材間の
インタバルをより短縮するこでできるだけ生産性を上げ
て圧延したい被圧延材のグループである。
【0045】なお、本実施形態では、前述の被圧延材A
にいずれも属する10本の被圧延材(それぞれ被圧延材
番号を1〜10とする)を連続して圧延した後、前述し
た被圧延材Bにいずれも属する10本の被圧延材(それ
ぞれ被圧延材番号を11〜20とする)を連続して圧延
している。なお、このような連続して圧延される合計2
0本の被圧延材の鋼種及びサイズ(厚さ及び幅)は、い
ずれも、図3において被圧延材番号により示される通り
である。又、これら被圧延材の目標クラウン量は、全て
0.100mmである。
【0046】又、前述の被圧延材Aのグループに属する
か、あるいは前述の被圧延材Bのグループに属するかの
判定基準は、図4に示すとおりである。この図4に示す
如く、低炭素鋼で、かつ、厚さが2.5mm以上で、か
つ、幅が1000mm以上のものを、前述の被圧延材B
のグループに属すると判定している。これ以外の被圧延
材については、前述の被圧延材Aのグループに属すると
判定している。
【0047】図5は、本実施形態の前記クラウン形状制
御用アクチュエータ設定値算出装置でなされる処理を示
すフローチャートである。
【0048】まず、この図5のステップ150におい
て、圧延する被圧延材が前述の被圧延材Aのグループに
属するものか、あるいは被圧延材Bのグループに属する
ものか判定する。この判定基準は前記図4に示したもの
である。被圧延材Aのグループに属するものは、クラウ
ン形状目標に対してより厳格に圧延することが優先条件
となる。一方被圧延材Bのグループに属するものは、ク
ラウン形状目標についてはあまり厳格とはならず、むし
ろできるだけ生産性を向上させることが優先条件とな
る。ここで、被圧延材Aのグループに属すると判定され
るとステップ152に進む。一方、被圧延材Aのグルー
プには属さない、即ち被圧延材Bのグループに属すると
判定された場合、次にステップ164へ進む。
【0049】ステップ152では、ベンダ荷重をバラン
ス荷重として、即ちベンダ荷重を”0”として、クロス
角を求める。このステップ152では、ベンダ荷重を”
0”の所定固定値に固定する一方、実際のクラウン形状
が目標クラウン形状となるように、圧延状況に応じてク
ロス角を求める。このステップ152では、応答性が低
いものの、クラウン形状制御の制御可能な範囲がより広
い、ペアクロスによるクラウン形状制御機能のクラウン
形状制御設定値をより積極的に変化させながらクラウン
形状制御を行っている。従って、より精度良く圧延する
ことができる。
【0050】一方ステップ164では、クロス角は直前
に圧延された被圧延材の設定値として固定し、該クロス
角に応じたベンダ荷重を求めている。このステップ16
4では、クラウン形状制御の可能な範囲が比較的狭いも
のの、クラウン形状制御の応答性が比較的高い、ベンダ
荷重制御によるクラウン形状制御機能のクラウン形状制
御設定値をより積極的に変更しながら、クラウン形状制
御を行っている。従って、より能率良く圧延することが
できる。
【0051】ここで、この図5の処理の開始に当たって
は、各スタンドに対する目標クラウン形状が与えられて
いる。又、以下の説明において、本実施形態の合計7段
の第i番目のスタンドを、iスタンドとする。又、該i
スタンドの目標クラウン形状をCriとし、(i−1)
スタンドの目標クラウン形状をCr(i−1)とする。
iスタンドのメカニカルクラウン形状、及びクラウン形
状転写率、又クラウン形状遺伝係数を、それぞれ、Ch
i、αi、βiとする。すると、前述の目標クラウン形
状Criは、次式のように表すことができる。
【0052】 Cri=αi×Chi+βi×Cr(i−1) …(1)
【0053】又、iスタンドのメカニカルクラウン形状
Chiが、iスタンドのクロス角φi及びベンダ荷重W
iと、圧延機の寸法及び材質により決まる係数γi、λ
i、εiから、次式のように表されることは周知であ
る。
【0054】 Chi=γi×φi2 λi×Wi+εi …(2)
【0055】上記(2)のとおり、iスタンドでのベン
ダ荷重Wiとクロス角φiの間には一定関係がある。従
って、一方が求まれば他方が求められる。
【0056】従って、前記図5のステップ152では、
上記(2)式に基づき、先に設定されたベンダ荷重Wi
からクロス角φiを求める。又、前記図5のステップ1
64では、先に求められたクロス角φiからベンダ荷重
Wiを求める。
【0057】前述のステップ152の後、ステップ15
4では、クロス角が限界値以外であるか判定する。本実
施形態が対象とする圧延機の各スタンドF1〜F7につ
いては、図6に示されるようなクロス角φの上限及び下
限が求められている。従って、クロス角がこのようなク
ロス角の上限及び下限の範囲外であればステップ156
へ進み、範囲内であればこの図5の一連の処理をすべて
終了する。ステップ156ではクロス角が上限及び下限
間の範囲外であるため、この時のクロス角に近い図6に
示されるクロス角上限又はクロス角下限の限界値を採用
し、これに基づいて前述の(2)式に従ってベンダ荷重
を求める。このステップ156の後、この図5の一連の
処理をすべて終了する。
【0058】一方、前述のステップ164の次には、ス
テップ166において、ベンダ荷重が範囲外であるか否
か判定する。即ち、ステップ164で求められたベンダ
Wiが図7で示される各スタンドF1〜F7のベンダ荷
重上限及び下限で示される範囲の外であるか判定する。
範囲外であればステップ168へ進み、範囲内であれば
この図5に示される一連の処理を終了する。ステップ1
68では、ステップ164で求めたベンダ荷重Wiが図
7のベンダ荷重上限及び下限の範囲外であるため、求め
たベンダ荷重Wiに近い方のベンダ荷重上限あるいはベ
ンダ荷重下限の限界値を採用して、該限界値のベンダ荷
重に基づいてクロス角を求める。該ステップ168の
後、この図5の一連の処理をすべて終了する。
【0059】なお、ステップ154あるいは166にお
いて範囲内であると判定された場合、又は、ステップ1
56あるいは168の処理を終了した場合には、この図
5の一連の処理はすべて完了する。従って、この時点で
は、本発明を適用しながら、前述のようなベンダ荷重制
御によるクラウン形状制御機能のクラウン形状制御設定
値が求められ、又、前述のようなペアクロスによるクラ
ウン形状制御機能のクラウン形状制御設定値が求められ
る。従って、求められたこれら設定値に従った制御が可
能である。
【0060】ここで、前記図4のような判定基準を用い
ず、又、前記図5のフローチャートにおいてステップ1
50のような判定を行わず、すべての被圧延材について
ステップ152、154、及び156に関する処理のみ
を行い、各クラウン形状制御設定値を求めるものを比較
例として考える。即ち、この比較例では、前述したステ
ップ164、166及び168の処理は全く行わない。
【0061】すると、前記図3に示すような20本の被
圧延材を被圧延材番号順に圧延すると、本実施形態の場
合図8に示す通りとなり、上述の比較例では図9に示す
通りとなる。これら図8及び図9では、本実施形態につ
いて、あるいは前述の比較例について、連続的に圧延さ
れる被圧延材番号で示される各被圧延材の、第1番目の
圧延スタンドF1におけるベンダ荷重設定値とクロス角
設定値が示される。
【0062】ここで、図8の本実施形態では、被圧延材
番号が1から10までは、各被圧延材毎にクロス角設定
値が変化しているものの、ベンダ荷重設定値は一定であ
る。これに対して、被圧延材番号が11から20となる
と、逆にベンダ荷重設定値が被圧延材毎に変化するよう
になり、これに対してクロス角設定値は一定となってい
る。
【0063】一方、図9の比較例については、被圧延材
番号が1から20まですべてにわたり、各被圧延材毎に
クロス角設定値が変化するものの、ベンダ荷重設定値は
一定となっている。
【0064】図10は、第1番目の圧延スタンドF1に
おける、本実施形態と比較例とのクラウン形状制御アク
チュエータの設定替え必要時間の平均値を示す線図であ
る。
【0065】ここで、本実施形態あるいは前述の比較例
において、ベンダ荷重制御によるクラウン形状制御機能
における設定替え応答時間は2000(kN/sec)
である。又、前述のペアクロスによるクラウン形状制御
機能の設定替え応答時間は0.1(deg/sec)で
ある。
【0066】この図10から明らかなように、本実施形
態によれば、平均の設定替え必要時間が22.28se
cであり、該必要時間が47.49secの比較例と比
較して明らかな如く、アクチュエータの設定替えに必要
な時間の平均値は大幅に短縮することができている。こ
れは、本実施形態では、可能な場合には、より応答性が
高いベンダ荷重制御によるクラウン形状制御機能のクラ
ウン形状制御設定値をより積極的に変更しながら、クラ
ウン形状制御を行っているためである。又、本実施形態
では、クラウン形状ダイナミック制御の余裕制御代を多
く必要とする被圧延材に対しては、ベンダ荷重設定値を
設定可能な範囲の限界値に対して余裕ある値に設定する
ことも可能であり、より安定した制御を行うことができ
る。
【0067】以上説明した通り、本第2実施形態につい
ても、本発明を適用することで、走行する被圧延材を仕
上圧延機で連続的に圧延する際、被圧延材の幅方向の断
面のクラウン形状を制御するため、特に複数のクラウン
形状制御アクチュエータを用いる場合に、クラウン形状
制御設定値が限界値となってそれ以上設定値の修正が不
可能になってしまったり、複数のクラウン形状制御アク
チュエータのクラウン形状制御設定値を同時に変更する
ことで、クラウン形状制御やその他の圧延制御が不安定
になってしまったり、あるいは、応答性が低いなど、不
適切なクラウン形状制御設定値の変更を行ってしまうこ
とを低減することができるという優れた効果を得ること
ができる。
【0068】なお、本実施形態については、2種類のク
ラウン形状制御アクチュエータを用いるものを一例と
し、特にベンダ荷重制御によるクラウン形状制御機能の
アクチュエータと、ペアクロスによるクラウン形状制御
機能のアクチュエータとを用いるものを一例としてい
る。しかしながら、本発明はこのようなものに限定され
るものではない。即ち、用いるクラウン形状制御アクチ
ュエータの種類は3種類以上であってもよく、又、他の
アクチュエータを用いてもよい。例えば、前述した圧延
ロールシフトによるクラウン形状制御機能のアクチュエ
ータと、ベンダ荷重制御によるクラウン形状制御機能の
アクチュエータとを用いるといった組合せでもよい。
【0069】又、前述した図5のステップ152の処
理、およびステップ164の処理は、それぞれ、本発明
の第1クラウン形状制御設定値算出方法あるいは第2ク
ラウン形状制御設定値算出方法に相当するものである
が、これらについても本発明は限定するものではなく、
又これらのいずれを用いるかの判定基準も本発明は前述
の図4のものに限定するものではない。例えば、目標ク
ラウン形状や目標形状に関する条件を加えたものを判定
基準としてもよい。
【0070】
【発明の効果】以上説明した通り、本発明によれば、走
行する被圧延材を仕上圧延機で連続的に圧延する際、被
圧延材の幅方向の断面のクラウン形状を制御するため、
特に複数のクラウン形状制御アクチュエータを用いる場
合に、クラウン形状制御設定値が限界値となってそれ以
上設定値の修正が不可能になってしまったり、複数のク
ラウン形状制御アクチュエータのクラウン形状制御設定
値を同時に変更することで、クラウン形状制御やその他
の圧延制御が不安定になってしまったり、あるいは、応
答性が低いなど、不適切なクラウン形状制御設定値の変
更を行ってしまうことを低減することができる仕上圧延
機のクラウン形状制御用アクチュエータ設定値算出方法
を提供することができるという優れた効果を得ることが
できる。
【0071】例えば、前述の第2実施形態の如く、必要
に応じて随時余裕制御代を多くしてクラウン形状目標に
対してより厳格にすることもできるため、平均的な目標
クラウン形状をより向上することができる。あるいは、
必要に応じて随時クラウン形状制御アクチュエータのク
ラウン形状制御設定値の設定替えに要する時間がより短
いクラウン形状制御設定値算出方法を随時選択すること
も可能であり、このため、平均的な設定替えに要する時
間を短縮することも可能であり、従って生産性を向上さ
せたうえに、クラウン形状ダイナミック制御の効果を十
分に発揮させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明が適用された第1実施形態の仕上圧延機
のクラウン形状制御用アクチュエータ設定値算出方法を
示すフローチャート
【図2】本発明が適用された第2実施形態のクラウン形
状制御用アクチュエータ設定値算出装置及び該装置が対
象とするタンデム圧延機の構成を示すブロック図
【図3】前記第2実施形態が圧延する圧延材の鋼種及び
サイズを示す線図
【図4】前記第2実施形態での第1クラウン形状制御設
定値算出方法を行うか第2クラウン形状制御設定値算出
方法を行うかの判定基準を示す線図
【図5】前記第2実施形態の処理内容を示すフローチャ
ート
【図6】前記第2実施形態におけるクロス角上限および
クロス角下限を示す線図
【図7】前記第2実施形態におけるベンダ荷重上限およ
びベンダ荷重下限を示す線図
【図8】前記第2実施形態による圧延でのベンダ荷重設
定値及びクロス角設定値の被圧延材毎の変化を示すグラ
【図9】前記第2実施形態に対する比較例による圧延で
のベンダ荷重設定値及びクロス角設定値の被圧延材毎の
変化を示すグラフ
【図10】前記第2実施形態及び前記比較例におけるク
ラウン形状制御設定値の設定替え必要時間の平均値を示
す線図
【符号の説明】
1…被圧延材 5…ワークロール 6…バックアップロール 10…クラウン形状制御用アクチュエータ設定値算出装
置 F1〜F7…圧延スタンド W1〜W7…クラウン形状制御設定値(圧延荷重) φ1〜φ7…クラウン形状制御設定値(クロス角)

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】走行する被圧延材を仕上圧延機で連続的に
    圧延する際に、前記被圧延材の幅方向の断面のクラウン
    形状を制御するために用いる、複数のクラウン形状制御
    アクチュエータそれぞれの作動量を決定するための各ク
    ラウン形状制御設定値を算出する仕上圧延機のクラウン
    形状制御用アクチュエータ設定値算出方法において、 複数の前記クラウン形状制御アクチュエータのうちの1
    つを第1クラウン形状制御アクチュエータと仮定し、
    又、別の1つを第2クラウン形状制御アクチュエータと
    仮定し、 前記第2クラウン形状制御アクチュエータの前記クラウ
    ン形状制御設定値を一旦設定した所定固定値に固定する
    一方、前記第1クラウン形状制御アクチュエータの前記
    クラウン形状制御設定値を、前記断面が目標クラウン形
    状となるように、圧延状況に応じて計算して求める第1
    クラウン形状制御設定値算出方法を定義し、 前記第1クラウン形状制御アクチュエータの前記クラウ
    ン形状制御設定値を一旦設定した所定固定値に固定する
    一方、前記第2クラウン形状制御アクチュエータの前記
    クラウン形状制御設定値を、前記断面が目標クラウン形
    状となるように、圧延状況に応じて計算して求め、第2
    クラウン形状制御設定値算出方法を定義し、 前記第1クラウン形状制御アクチュエータ、あるいは前
    記第2クラウン形状制御アクチュエータの、前記クラウ
    ン形状制御設定値を所定固定値にいるか、あるいは圧延
    状況に応じて計算して求めるかの、これらクラウン形状
    制御設定値の求め方で、優先すべきものを優先条件とし
    て前記被圧延材の種類や圧延条件に応じて決定し、 該優先条件に従って、前記第1クラウン形状制御設定値
    算出方法又は前記第2クラウン形状制御設定値算出方法
    のいずれかを採用し、前記第1クラウン形状制御アクチ
    ュエータ及び前記第2クラウン形状制御アクチュエータ
    のそれぞれの前記クラウン形状制御設定値を求めるよう
    にしたことを特徴とする仕上圧延機のクラウン形状制御
    用アクチュエータ設定値算出方法。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004517736A (ja) * 2001-02-13 2004-06-17 シーメンス アクチエンゲゼルシヤフト 金属ストリップを圧延するための圧延路のプロセス量の事前設定方法および装置

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JP2004517736A (ja) * 2001-02-13 2004-06-17 シーメンス アクチエンゲゼルシヤフト 金属ストリップを圧延するための圧延路のプロセス量の事前設定方法および装置

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