JPH09173835A - 貴金属用吸着剤及び貴金属の回収方法 - Google Patents

貴金属用吸着剤及び貴金属の回収方法

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JPH09173835A
JPH09173835A JP7350973A JP35097395A JPH09173835A JP H09173835 A JPH09173835 A JP H09173835A JP 7350973 A JP7350973 A JP 7350973A JP 35097395 A JP35097395 A JP 35097395A JP H09173835 A JPH09173835 A JP H09173835A
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resin
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Noriyuki Yoneda
則行 米田
Takeshi Minami
武志 皆見
Yoshihiro Nakagawa
義広 中川
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Chiyoda Chemical Engineering and Construction Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 オルガノリン配位子等の特別の配位子の結合
を必要とせず、かつロジウム等の貴金属を含む中性錯体
に対して良好な吸着活性を有する吸着剤を提供するとと
もに、それを用いる液体中からの貴金属の回収方法を提
供する。 【解決手段】 液体中の含貴金属中性錯体を吸着する吸
着剤であって、ピリジン環を含有するビニルピリジン系
樹脂からなることを特徴とする貴金属吸着剤。含貴金属
中性錯体を含む液体から該貴金属を回収する方法であっ
て、(i)該液体を、ピリジン環を含有するビニルピリ
ジン系樹脂と接触させる吸着工程と、(ii)該樹脂に、
該樹脂に吸着された貴金属を脱着させるのに十分な配位
子化合物を含む液体を接触させる脱着工程、からなる貴
金属の回収方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は液体中に中性錯体の
形態で含まれる貴金属を回収するために用いられる吸着
剤及びその吸着剤を用いる貴金属の回収方法に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】オレフィン性化合物をロジウム触媒等の
貴金属触媒を用いて、一酸化炭素及び水素とヒドロホル
ミル化反応させてアルデヒドを生成する方法は種々知ら
れている。この場合、貴金属触媒としては、ロジウムカ
ルボニル錯体等の貴金属錯体が一般に用いられている。
また、このような貴金属錯体は、その熱安定性を改良す
るためにトリフェニルホスフィン等のリン系配位子を配
位させた錯体の形態で触媒として用いられている(特開
昭63−225328号、特開昭63−208540
号)。このような含貴金属中性錯体を触媒成分として用
いるヒドロホルミル化反応においては、その含貴金属中
性錯体が溶存する液体が生成されるが、貴金属は高価で
あることから、その溶液から分離回収が必要とされる。
このような溶液中に中性錯体の形で溶存するロジウムを
分離回収する方法としては、オルガノリン配位子をイオ
ン的に結合させたイオン交換樹脂を用いてロジウムを吸
着分離する方法が提案されている(特開平2−1606
27号)。 しかし、この方法で吸着剤として用いるイ
オン交換樹脂は、複雑な構造を有するオルガノリン配位
子をイオン的に結合させたものであることから、非常に
高価である上、その配位子が樹脂から脱離しやすく、そ
の吸着活性を低下させやすいという問題がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、オルガノリ
ン配位子等の特別の配位子の結合を必要とせず、かつロ
ジウム等の貴金属を含む中性錯体に対して良好な吸着活
性を有する吸着剤を提供するとともに、それを用いる液
体中からの貴金属の回収方法を提供することをその課題
とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記課題
を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、本発明を完成する
に至った。即ち、本発明によれば、液体中の含貴金属中
性錯体を吸着する吸着剤であって、ピリジン環を含有す
るビニルピリジン系樹脂からなることを特徴とする貴金
属吸着剤が提供される。また、本発明によれば、含貴金
属中性錯体を含む液体を吸着剤と接触させる工程を含む
方法であって、該吸着剤として、ピリジン環を含有する
ビニルピリジン系樹脂を用いることを特徴とする貴金属
の回収方法が提供される。さらに、本発明によれば、含
貴金属中性錯体を含む液体から該貴金属を回収する方法
であって、(i)該液体を、ピリジン環を含有するビニ
ルピリジン系樹脂と接触させる吸着工程と、(ii)該樹
脂に、該樹脂に吸着された貴金属を脱着させるのに十分
な配位子化合物を含む液体を接触させる脱着工程、から
なる貴金属の回収方法が提供される。
【0005】
【発明の実施の形態】本発明の吸着剤基体は、多孔質架
橋構造を有するビニルピリジン系樹脂(以下、VP樹脂
とも言う)である。本発明で用いるVP樹脂の場合、そ
の架橋度は、10〜70%、通常、30〜60%に規定
する。吸着剤を高温、例えば50〜180℃で用いる場
合には、その架橋度を30%以上、好ましくは30〜6
0%に規定するのがよい。VP樹脂の架橋度が前記範囲
より低くなると、VP樹脂の耐熱性及び機械的強度が低
くなり、吸着剤の耐久性及び耐摩耗性が低下するので好
ましくない。一方、その架橋度が前記範囲を超えると、
吸着剤の活性が不十分になるので好ましくない。
【0006】本発明で用いるVP樹脂は、多孔質構造を
有するものであるが、その表面積は5〜80m2/g、
好ましくは10〜40m2/gであり、その細孔容積は
0.1〜0.5cc/g、好ましくは0.2〜0.4c
c/gであり、その平均細孔径は20〜100nm、好
ましくは30〜90nmである。VP樹脂の細孔容積が
前記範囲より小さくなると、吸着活性の低下の問題を生
じるので好ましくなく、一方、前記範囲より大きくなる
と、耐摩耗性の低下等の問題を生じるので好ましくな
い。さらに、VP樹脂の平均細孔径が前記範囲より小さ
くなると、吸着活性の低下の問題を生じるので好ましく
なく、一方、前記範囲より大きくなると、耐摩耗性の低
下等の問題を生じるので好ましくない。
【0007】本明細書において、VP樹脂に関して言う
架橋度は以下のように定義される。またVP樹脂に関し
て言う細孔容積及び表面積は以下のようにして測定され
たものである。さらに、VP樹脂に関して言う平均細孔
径は以下のようにして算出されたものである。 (架橋度) 架橋度(%)=A/B×100 A:樹脂中に含まれる架橋剤の重量 B:樹脂中に含まれるビニルピリジン系モノマーの重量 (細孔容積)マーキュリー・プレッシャー・ポロシーメ
ーター・モデル70(イタリア国ミラノ市のカルロ・エ
ルバ社製)を用いる方法(いわゆる水銀圧入法)により
測定した。この場合、水銀の表面張力は25℃で474
dyne/cmとし、使用接触角は140度とし、絶対
水銀圧力を1〜200kg/cm2まで変化させて測定
した。 (表面積)B.E.T法により測定された。 (平均細孔径)前記のようにして測定された細孔容積及
び表面積の各測定値を用い、以下の式により算出した。 平均細孔径(nm)=4(C/D)×103 C:細孔容積(cc/g) D:表面積(m2/g)
【0008】VP樹脂は、ビニルピリジン系単量体と、
架橋剤としての2個のビニル基を持つ化合物を共重合さ
せることによって製造される。VP樹脂を得るためのこ
の共重合方法自体は従来公知の方法であり、例えば、
(1)沈殿剤添加法、(2)線状重合体添加法、(3)
膨潤剤・沈殿剤添加法、(4)希釈剤・線重合体添加法
等がある。本発明で用いるVP樹脂の好ましい製造方法
については、特公昭61−25731号公報に詳記され
ている。即ち、この方法によると、VP樹脂は、ビニル
ピリジン系単量体と、2個のビニル基を持つ架橋剤と、
必要に応じて用いられるビニル単量体との混合物を、ラ
ジカル重合反応触媒の存在下で重合反応させることによ
って製造される。この場合、重合反応は、水を媒体とす
る水系懸濁重合が採用される。また、重合反応系には、
懸濁安定剤及び沈殿剤が添加される。懸濁安定剤として
は、ポリビニルアルコール、ヒドロキシエチルセルロー
ス、カルボキシメチルセルロース、ポリメタクリル酸ナ
トリウム、ポリアクリル酸ナトリウム、澱粉、ゼラチ
ン、スチレン/無水マレイン酸共重合体のアンモニウム
塩等の水溶性高分子、炭酸カルシウム、硫酸カルシウ
ム、ベントナイト、ケイ酸マグネシウム等の無機塩が用
いられる。また、反応系には、塩化ナトリウムや亜硝酸
ナトリウムを添加することができる。沈殿剤としては、
単量体に対して溶剤として作用するが、生成ポリマーに
対しては貧溶媒として作用する有機溶媒、例えば、イソ
オクタン等の炭素数5〜10の炭化水素の他、アルコー
ル、エステル等が用いられる。このようなVP樹脂の製
造方法においては、得られるVP樹脂に関し、その架橋
度は架橋剤の添加量でコントロールすることができ、そ
の細孔容積及び平均細孔径は沈殿剤の種類とその添加量
によって主にコントロールすることができ、さらには、
懸濁安定剤の種類とその添加量及び反応温度等にコント
ロールすることができる。
【0009】VP樹脂を得るために用いるビニルピリジ
ン系単量体としては、4−ビニルピリジン、2−ビニル
ピリジン等が挙げられる。また、このビニルピリジン系
単量体には、他のビニル単量体、例えば、スチレン、ビ
ニルトルエン等の芳香族系ビニル単量体又はアクリル酸
メチル、メタクリル酸メチルなどの脂肪族系ビニル単量
体を混入することができる。これらのビニル単量体の混
入量は、全単量体中、30モル%以下、好ましくは20
モル%以下にするのがよい。前記ビニルピリジン系単量
体に共重合させる架橋剤は、2個のビニル基を有する化
合物である。このようなものとしては、ジビニルベンゼ
ン、ジビニルトルエン等の芳香族化合物の他、ジアクリ
ル酸エチレングリコール、ブタジエン等の脂肪族化合物
を挙げることができる。工業的に用いられるジビニルベ
ンゼンは通常約50モル%のエチルビニルベンゼンを含
んでいるが、本発明では、このようなジビニルベンゼン
を用いることもできる。この架橋剤の使用量は、所望す
るVP樹脂の架橋度に応じて適宜決める。
【0010】VP樹脂の粒径は、0.01〜4mm、好
ましくは0.1〜2mm、より好ましくは0.4〜2m
mの粒状体として用いられ、その好ましい形状は球状体
である。
【0011】本発明の吸着剤を用いて、溶液中に含まれ
る含貴金属中性錯体を吸着分離するには、その溶液を本
発明吸着剤と接触させればよい。この場合の溶液は、通
常、有機溶媒溶液であるが、水溶液であってもよい。前
記含貴金属中性錯体において、その貴金属としては、
金、銀及び白金族金属(ルテニウム、ロジウム、パラジ
ウム、オスミウム、イリジウム、白金)を挙げることが
できる。又コバルト、ニッケル、銅にも用いることがで
きる。前記貴金属を含む中性錯体としては、例えば、以
下のものを挙げることができる。なお、下記式中、Ph
はフェニル基を示し、〔binap〕は2,2’−ビス
(ジフェニルホスフィノ)−1,1’−ビナフチルを示
す。 (1)[RhH2CO2] (2)[RhH2CO2PPh3] (3)[IrH2CO2] (4)[IrHCO2PPh3] (5)[IrCOCl(PPh32] (6)[HCO(CO3)] (7)[Ni(CO)2(PPh32](8)[Pd(P(OPh)34] (9)[RhCl(PPh33] (10)[Pd(PPh34] (11)[RuCl2〔binap〕] (12)[HRh(CO)(Ph3P=O)3] (13)[Pt(C5722] (14)[Pt(PPh34] (15)[cis−Pt((C252S)2Cl2] (16)[trams−Pt((C252S)2Cl2] (17)[PtCl2(C812)] (18)[IrHCO(PPh33] (19)[Rh4(CO)12] (20)[Rh6(CO)16] (21)[RhCl(CO)(PPh32] (22)[RhH(CO)(PPh33] (23)[Rh(CO)2(C572)](24)[Rh(C5723] (25)[Rh2(CO2(CH26CH34] (26)[RhH(PPh34] (27)[Pd(CH3CN)2Cl2] (28)[Pd(C5722] (29)[trams−PdCl2(PPh32] (30)[Pd3(CH3CO26] (31)[Ru3(CO)12] (32)[Ru(CO)2Cl2(PPh32] (33)[Ru(C5723] (34)[RuCl2(PPh33
【0012】本発明吸着剤と含貴金属中性錯体を含む溶
液との接触条件は特に制約されないが、一般的には、そ
の接触温度は常温以上の温度であり、その上限は200
℃以下、好ましくは180℃以下である。また、圧力は
液体を沸とうさせない圧力であり、常圧以上の圧力で、
その上限は、通常、300kg/cm2G以下、好まし
くは200kg/cm2G以下である。液体中に含まれ
る含貴金属中性錯体の濃度は、通常、金属換算濃度で、
0.1〜500重量ppm、好ましくは0.3〜50重
量ppm、より好ましくは0.5〜10重量ppmであ
る。また、液体が有機溶媒の場合、その有機溶媒には、
アルコール、カルボン酸、エステル、エーテル、ケト
ン、炭化水素等が包含される。アルコールとしては、メ
タノール、エタノール、プロピルアルコール、ブチルア
ルコール、オクチルアルコール、ベンジルアルコール等
の一価アルコールの他、エチレングリコール、プロピレ
ングリコール、グリセリン等の多価アルコールが挙げら
れる。カルボン酸としては、酢酸、プロピオン酸等が挙
げられる。エステルとしては、酢酸メチル、酢酸エチ
ル、酢酸プロピル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸
エチル、安息香酸メチル等が挙げられる。エーテルとし
ては、ジメチルエーテル、メチルエチルエーテル等が挙
げられる。ケトンとしては、ジエチルケトン、メチルエ
チルケトン等が挙げられる。炭化水素としては、ヘキサ
ン、ヘプタン、オクタン、シクロヘキサン、ベンゼン、
トルエン、キシレン等が挙げられる。
【0013】本発明の吸着剤と含貴金属中性錯体を含む
溶液とを接触させる装置としては、従来各種の固液接触
装置が用いられる。このような装置としては、固定床方
式の接触装置、懸濁床方式の接触装置等を挙げることが
できる。
【0014】前記のようにして含貴金属中性錯体を吸着
させた吸着剤は、次に、脱着用液体と接触させて、その
吸着剤に吸着された含貴金属中性錯体を脱着させる。こ
の場合の脱着用液体としては、配位子化合物を含む液体
が用いられる。配位子化合物としては、錯体中心を構成
する貴金属に配位し得るものであれば任意のものが用い
られる。このようなものとしては、例えば、水素、一酸
化炭素、ハロゲン化合物、トリフェニルフォスフィン、
トリフェニルホスファイトなどの有機リン化合物、ピリ
ジンなどの有機窒素化合物等が挙げられる。ここで、水
素、一酸化炭素の液相中の濃度の増化は、それらの分圧
を上げることで行うことができる。脱着工程におけるこ
の配位子化合物の濃度は、1×10~4モル/l〜1×1
0~1モル/lの濃度で用いることが好ましい。脱着用液
体は、通常、有機溶媒からなるが、水溶液であってもよ
い。
【0015】本発明の吸着剤は、含貴金属中性錯体を含
む各種の液体に対して適用される。この場合の液体とし
ては、含貴金属中性錯体を含む有機溶媒溶液、水溶液、
有機溶媒を含む水溶液等が挙げられる。本発明の吸着剤
は、特に、含貴金属中性錯体を触媒とする反応工程で得
られる反応液、その反応液を蒸留する際に得られる蒸留
液や蒸留残液等に対して有利に適用される。なお、前記
反応には、例えば、アルデヒドを合成するためのヒドロ
ホルミル化反応、酢酸や無水酢酸、ギ酸メチルを合成す
るためのカルボニル化反応、オレフィンや芳香族の水素
化反応、フタル酸エステルからビフェニルテトラカルボ
ン酸を得る様な酸化的2量化反応、クロル酢酸からマロ
ン酸エステルを得る様な脱ハロゲンCO化反応、ブタジ
エンからn−オクタノールを得る様な2量水和化反応、
ブタジエンからアジポニトリルを得る様なヒドロシアン
化反応等が包含される。
【0016】
【実施例】次に本発明を実施例によりさらに詳細に説明
する。
【0017】実施例1 200ml容ステンレス製オートクレーブに、酢酸ロジ
ウム0.017g(6.1×10-5モル)、オクテンを
150ml仕込み、130℃まで昇温した後、H2/C
O=1の混合ガスを圧入してオートクレーブ内を90k
g/cm2Gに加圧し、回転数1000rpmで2時間
撹拌した。反応終了後の反応液中にはノニルアルデヒド
が87wt%存在したことから、反応条件下ではロジウ
ムはヒドロホルミル化触媒〔ヒドリドロジウムカルボニ
ル錯体〕として存在することが確認された。続いて、オ
ートクレーブに架橋度60%のピリジン樹脂(ジビニル
ベンゼン/4−ビニルピリジン共重合体、平均粒径0.
4mm、細孔容積0.3cc/g、平均細孔直径21n
m)1.1gを加え、120℃まで昇温した後、H2
CO=1の混合ガスを圧入してオートクレーブ内を30
kg/cm2Gに加圧し、回転数1000rpmで0.
5時間撹拌した。回収した樹脂中のロジウム濃度を測定
したところ、樹脂中のロジウム量は0.43wt%
(4.6×10-5モル)であった。従って、反応液中に
存在していたロジウムの75%が樹脂に吸着されたこと
になる。次に、200ml容ステンレス製オートクレー
ブに、回収した樹脂0.8g、トリフェニルホスフィン
0.4g、オクテン150mlを仕込み、130℃まで
昇温した後、H2/CO=1の混合ガスを圧入してオー
トクレーブ内を90kg/cm2Gに加圧し、回転数1
000rpmで0.5時間撹拌した。回収した樹脂中の
ロジウム濃度を測定したところ、樹脂中のロジウム濃度
は0.05wt%であり、約88%が脱離された。
【0018】実施例2 実施例1で用いたのと同じ樹脂5gを内径11mmのス
テンレス製カラムに充填して吸着カラムを作成した。2
00ml容ステンレス製オートクレーブに、酢酸ロジウ
ム0.017g(6.1×10-5モル)、オクテンを1
50ml仕込み、130℃まで昇温した後、H2/CO
=1の混合ガスを圧入してオートクレーブ内を90kg
/cm2Gに加圧し、回転数1000rpmで2時間撹
拌した後の反応液を、高圧ポンプを用いて充填カラムに
1cc/minで送液した。カラムの温度は130℃、
カラム出口の圧力は背圧弁により95kg/cm2にコ
ントロールした。0.5時間送液後のカラム流入液、流
出液のロジウム濃度を測定したところ、それぞれ40p
pm、1ppmであった。カラムからすばやく回収した
樹脂中のロジウム含有量は0.017wt%であった。
続いて、200ml容ステンレス製オートクレーブにト
リフェニルホスフィン0.39g、オクテンを150m
l仕込み、130℃まで昇温した後、H2/CO=1の
混合ガスを圧入してオートクレーブ内を90kg/cm
2Gに加圧し、130℃まで昇温した後、H2/CO=1
の混合ガスを圧入してオートクレーブ内を90kg/c
2Gに加圧し、回転数1000rpmで2時間撹拌し
た後の反応液を上記のロジウムが吸着したカラムに1c
c/minで1時間送液した。カラムの温度は130
℃、カラム出口の圧力は背圧弁により95kg/cm2
にコントロールした。回収した樹脂のロジウム含有量は
0.001%であり、95%が脱離回収された。
【0019】実施例3 200ml容ステンレス製オートクレーブに、テトラ
(トリフェニルフォスフィン)パラジウム[Pd(PP
34]0.025g(2.2×10-5モル)、エタノ
ールを150ml及び実施例1で用いたのと同じ樹脂
1.1gを仕込み、100℃まで昇温した後、窒素を圧
入してオートクレーブ内を10kg/cm2Gに加圧
し、回転数1000rpmで2時間撹拌した。回収した
樹脂中のパラジウム濃度を測定したところ、樹脂中のパ
ラジウム量は0.14wt%(1.5×10-5モル)で
あった。従って、反応液中に存在していたパラジウムの
68%が樹脂に吸着されたことになる。次に、200m
l容ステンレス製オートクレーブに回収した樹脂4.5
g、トリフェニルホスフィン0.4g、エタノール15
0mlを仕込み、100℃まで昇温した後、窒素を圧入
してオートクレーブ内を10kg/cm2Gに加圧し、
回転数1000rpmで0.5時間撹拌した。回収した
樹脂のパラジウム濃度を測定したところ、樹脂中のパラ
ジウム濃度は0.03wt%であり、約78%が脱離さ
れた。
【0020】
【発明の効果】本発明の吸着剤を用いることにより、液
体中に含まれる含貴金属中性錯体を効率よく吸着分離す
ることができる。また、吸着剤に吸着された含貴金属中
性錯体は、これに配位子化合物を含む液体を接触させる
ことにより、容易に脱着することができる。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 液体中の含貴金属中性錯体を吸着する吸
    着剤であって、ピリジン環を含有するビニルピリジン系
    樹脂からなることを特徴とする貴金属吸着剤。
  2. 【請求項2】 樹脂の架橋度が30%以上である請求項
    1の貴金属吸着剤。
  3. 【請求項3】 含貴金属中性錯体を含む液体を吸着剤と
    接触させる工程を含む方法であって、該吸着剤として、
    ピリジン環を含有するビニルピリジン系樹脂を用いるこ
    とを特徴とする貴金属の回収方法。
  4. 【請求項4】 含貴金属中性錯体を含む液体から該貴金
    属を回収する方法であって、 (i)該液体を、ピリジン環を含有するビニルピリジン
    系樹脂と接触させる吸着工程と、 (ii)該樹脂に、該樹脂に吸着された貴金属を脱着させ
    るのに十分な配位子化合物を含む液体を接触させる脱着
    工程、からなる貴金属の回収方法。
  5. 【請求項5】 該液体中に含まれる貴金属がロジウムで
    ある請求項3又は4の方法。
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